JP5885965B2 - 水性ボールペン用インキ組成物およびそれを用いた水性ボールペン - Google Patents

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本発明は、水性ボールペン用インキ組成物に関し、さらに詳細としては、ドライアップ性能と、顔料分散性に優れた水性ボールペン用インキ組成物およびそれを用いた水性ボールペンに関するものである。
従来より、ボールペン先を大気中に放置すると、インキ中の溶媒などが蒸発して、着色剤や樹脂などが乾燥固化して詰まり、筆跡カスレや、筆記不良になってしまうことがあった。
そのため、水性ボールペン用インキ組成物のペン先の乾燥防止剤として、エチレングリコールやプロピレングリコール等の多価アルコール溶剤や尿素及び/又は尿素誘導体などにより、ドライアップ性能を向上した水性ボールペン用インキ組成物が知られている。
しかしながら、前者のエチレングリコールやプロピレングリコール等の多価アルコール溶剤は十分なドライアップ性能を得るためには多量の添加が必要となり、その結果、インキ粘度の上昇によるインキ追従不良や、筆跡の滲み等が発生する、さらに擦過性能が劣ってしまう。また、後者の尿素及び/又は尿素誘導体は、ある程度のドライアップ性能の向上は認められるものの、高温環境下では分解してアンモニアを発生させ、インキ経時が不安定になる問題が発生してしまう。
こうした問題を鑑みて、新たに添加剤を含有する技術として、特開平9−67535号公報「水性インキ組成物」には、セリンを含有したもの、特開2002−173616号公報「水性インキ組成物」には、1,6-ヘキサンジオール、特開2010−37369号公報「筆記具用インキ」には、ジペンタエリスリトールを含有したものが開示されている。
「特開平9−67535号公報」 「特開2002−173616号公報」 「特開2010−37369号公報」 「特開平8−209055号公報」 「特開平8−283646号公報」
しかし、特許文献1〜3のように、新たにドライアップ抑制剤を含有することで、チップ先端を大気中に放置した状態では、ある程度のドライアップ性能の向上は認められるものもあるが、皮膜が硬すぎたり、柔らかすぎたりするため、十分に満足できるドライアップ性能ではなく、また、ジペンタエリスリトールは水に対する溶解度が低く、析出してしまうため、筆記性能に影響が出てしまう問題を抱えていた。
また、特許文献4、5のように、顔料系インキの場合、顔料分散剤として樹脂を用いると、ドライアップ時にチップ先端に形成する皮膜が硬く、書き出し時に筆跡カスレが発生してしまうため、特に、顔料系インキについては、ドライアップ性能の向上が望まれおり、さらに、ノック式水性ボールペンや回転繰り出し式水性ボールペン等においては、キャップ式ボールペンよりも、チップ先端を出したままの状態であるため、ドライアップ性能の向上が望まれていた。
本発明の目的は、ドライアップ性能と、顔料分散性に優れた水性ボールペン用インキ組成物と水性ボールペンを提供することである。
本発明は、上記課題を解決するために、
「1.少なくとも水、顔料、酸性樹脂、アルキルアミン酸化エチレン誘導体、デキストリン、直鎖アルコール系のリン酸エステル系界面活性剤からなり、前記デキストリンの重量平均分子量が5000〜100000であることを特徴とする水性ボールペン用インキ組成物。
2.前記水性ボールペン用インキ組成物に、単糖類の還元物を含有し、前記単糖類の還元物の含有量は、インキ組成物全量に対し、0.5〜5.0質量%であることを特徴とする第項に記載の水性ボールペン用インキ組成物。
3.前記アルキルアミン酸化エチレン誘導体の平均エチレンオキサイド付加モル数が、1〜25であることを特徴とする第1項または第2項に記載の水性ボールペン用インキ組成物。
4.前記アルキルアミン酸化エチレン誘導体が、ラウリルアミン酸化エチレン誘導体であることを特徴とする第1項ないし第3項のいずれか1項に記載の水性ボールペン用インキ組成物。
5.前記酸性樹脂が、カルボキシル基を有することを特徴とする第1項ないし第項のいずれか1項に記載の水性ボールペン用インキ組成物。
6.前記水性ボールペン用インキ組成物に、キサンタンガムを含有することを特徴とする第1項ないし第項のいずれか1項に記載の水性ボールペン用インキ組成物。
7.第1項ないし第項のいずれか1項に記載の水性ボールペン用インキ組成物を直詰めしたインキ収容筒の先端部に、チップ本体のボール抱持室にボールを回転自在に抱持したボールペンチップを直接又はチップホルダーを介して具備したボールペンレフィルを、軸筒内に摺動自在に配設し、前記ボールペンチップを前記軸筒の先端開口部から出没可能としたことを特徴とする水性ボールペン。」である。
本発明は、水性ボールペン用インキ組成物において、チップ先端を大気中に放置した状態で、該チップ先端が乾燥した時に、形成する皮膜の固化を和らげることで、筆跡カスレが発生しないドライアップ性能に優れ、さらに、顔料沈降や凝集がない顔料分散性に優れた水性ボールペン用インキ組成物と水性ボールペンを提供することができた。
本発明の特徴は、少なくとも水、顔料、酸性樹脂、アルキルアミン酸化エチレン誘導体からなることを特徴とする水性ボールペン用インキ組成物を用いることである。
本発明では、着色剤として、顔料を用いるが、その顔料分散性を向上し、顔料沈降や凝集を抑制する目的で使用する顔料分散剤としては、酸性樹脂、塩基性樹脂、ノニオン性界面活性剤、アニオン性界面活性剤などが挙げられるが、長期間顔料分散安定性を考慮すると、酸性樹脂を用いる必要がある。
顔料分散剤として、酸性樹脂を用いる場合、チップ先端を大気中に放置した状態では、該チップ先端に前記酸性樹脂の皮膜を形成するが、該皮膜が固化して硬いため、ドライアップ時の書き出しにおいて、筆跡カスレが発生してしまい、十分なドライアップ性能が得られない。
そこで、ドライアップ性能について、本願発明者が鋭意検討した結果、水性ボールペン用インキ組成物中に、アルキルアミン酸化エチレン誘導体を併用することで、酸性樹脂を中和させて、チップ先端が乾燥時に、形成する皮膜の固化を和らげる効果が得られるため、ドライアップ時の書き出しにおいて、筆跡カスレが発生せずに、ドライアップ性能を向上することが解った。
また、前記アルキルアミン酸化エチレン誘導体については、平均酸化エチレン付加モル数(EO数)が、1〜25のアルキルアミン酸化エチレン誘導体を用いる方が好ましい。これは、酸化エチレンは、水に溶解しやすい性質があり、前記平均酸化エチレン付加モル数(EO数)がこの範囲を越えると、溶解安定しすぎて、チップ先端の皮膜を形成するのに時間が掛かりやすい傾向があるため、水分の蒸発抑制が劣りやすい傾向になる。また、前記平均酸化エチレン付加モル数(EO数)については、10〜25が最も好ましい。これは、前記平均酸化エチレン付加モル数(EO数)がこの範囲を下まわると、チップ先端に形成される皮膜が硬くなる傾向があり、ドライアップ時の書き出しにおいて、筆跡がカスレやすくなる傾向となるためである。
アルキルアミン酸化エチレン誘導体としては、ラウリルアミン酸化エチレン誘導体、ステアリルアミン酸化エチレン誘導体、牛脂アルキルアミン酸化エチレン誘導体、アルキル−プロピレンジアミン酸化エチレン誘導体、ミリスチルアミン酸化エチレン誘導体、オレイルアミン酸化エチレン誘導体など挙げられるが、よりドライアップ性能を向上する傾向について考慮すれば、ラウリルアミン酸化エチレン誘導体が好ましい。さらに、ラウリルアミン酸化エチレン誘導体は、同時に潤滑性能を向上する効果もあり、滑らかな筆感を有し、線とびのない筆跡を得ることも可能であり、好ましく用いることも可能である。
アルキルアミン酸化エチレン誘導体の具体例としては、ラウリルアミン酸化エチレン誘導体としては、ナイミーンL−201(EO数:1)、同L−202(EO数:2)、同L−207(EO数:7)(日本油脂(株))、JNA−05701(EO数:7)、同−05702(EO数:14)、同−05703(EO数:21)(日本乳化剤(株))、ステアリルアミン酸化エチレン誘導体としては、同S−202(EO数:2)、同S−204(EO数:4)、同S−210(EO数:10)、同S−215(EO数:15)、同S−220(EO数:20)、牛脂アルキルアミン酸化エチレン誘導体としては、同T2-206(EO数:6)、同T2−210(EO数:10)、同T2−230(EO数:30)、アルキル−プロピレンジアミン酸化エチレン誘導体としては、同DT−203(EO数:3)、同DT−208(EO数:8)(日本油脂(株))等が挙げられる。これらは、単独または2種以上混合して使用してもよい。
前記アルキルアミン酸化エチレン誘導体の含有量は、インキ組成物全量に対し、0.1〜5.0質量%が好ましい。これは、この範囲を下まわると、皮膜が薄くて、ドライアップ性能の効果が十分得られない傾向があり、この範囲を越えると、インキ中で溶解しづらい傾向があるためである。よりインキ中での溶解安定しやすい傾向を考慮すれば、0.1〜3.0質量%が好ましく、よりドライアップ性能について考慮すれば、1.0〜3.0質量%が、最も好ましい。
また、酸性樹脂については、カルボキシル基、フェニル基、スルホン酸基などを有する酸性樹脂が挙げられるが、具体的には、アクリル樹脂、スチレン−アクリル樹脂、スチレンーマレイン酸樹脂、フェノール樹脂、ポリビニル−スルホン酸樹脂などが挙げられ、その中でも、カルボキシル基を有する酸性樹脂が好ましい。これは、長期間顔料分散が安定しやすく、アルキルアミン酸化エチレン誘導体を併用することで皮膜が固化しづらく、ドライアップ時の書き出し性能がより向上しやすいためである。
また、顔料分散性の向上を考慮して、剪断減粘性付与剤を使用しても良い。剪断減粘性付与剤としては、架橋型アクリル酸重合体、キサンタンガム、ウェランガム、サクシノグリカン、グアーガム、ローカストビーンガム、λ−カラギーナン、セルロース誘導体、ダイユータンガム等が挙げられる。これらのインキ粘度調整剤は、単独又は2種以上組み合わせて使用してもかまわない。その中でも、キサンタンガムを用いる方が、好ましいが、これは、顔料分散性の向上や、顔料沈降や凝集を抑制しやすく、特に、酸性樹脂と併用することで、より顔料分散性を安定して維持しやすくする傾向があるため、より好ましい。
単糖類の還元物については、糖類の中でもこれ以上加水分解されない構成単位が単糖類であり,代表的なものはグルコース、フルクトース、ガラクトース、マンノースなどの単糖類があり、それらの単糖類を還元したものである。特に、その中でも糖アルコール等が挙げられる。
前記単糖類の還元物の含有量は、インキ組成物全量に対し、0.1〜10.0質量%が好ましい。これは、この範囲を下まわると、吸湿効果が十分得られない傾向があり、この範囲を越えると、吸湿効果の高すぎる傾向があるため、ドライアップ性能が劣る傾向があるためである。よりドライアップ性能について考慮すれば、0.5〜5.0質量%が、最も好ましい。
また、ドライアップ性能をより向上するために、デキストリンを併用する方が好ましい。これは、デキストリンは、前記アルキルアミン酸化エチレン誘導体と併用することで、よりドライアップ性能を向上する皮膜を形成することが可能になるためである。
また、デキストリンの重量平均分子量については、5000〜100000がより好ましい。この範囲を下まわると、チップ先端に皮膜を形成しづらい傾向があり、100000以上であると、チップ先端に形成される皮膜が硬くなる傾向があるためである。また、重量平均分子量が20000より小さいと、皮膜が薄くなりやすい傾向があるため、重量平均分子量が、20000〜100000が最も好ましい。
デキストリンの含有量は、インキ組成物全量に対し、0.1〜5.0質量%が好ましい。これは、この範囲をしたまわると、ドライアップ性能の効果が十分得られない傾向があり、この範囲を越えると、インキ中で溶解しづらい傾向があるためである。よりインキ中の溶解性について考慮すれば、0.1〜3.0質量%が好ましく、よりドライアップ性能について考慮すれば、1.0〜3.0質量%が、最も好ましい。
本発明に用いる着色剤として顔料を用いるが、無機、有機、加工顔料などが挙げられるが、具体的にはカーボンブラック、アニリンブラック、群青、黄鉛、酸化チタン、酸化鉄、フタロシアニン系、アゾ系、キナクリドン系、キノフタロン系、スレン系、トリフェニルメタン系、ペリノン系、ペリレン系、ギオキサジン系、アルミ顔料、パール顔料、蛍光顔料、蓄光顔料、補色顔料等が挙げられる。その他、着色樹脂粒子体として顔料を媒体中に分散させてなる着色体を公知のマイクロカプセル化法などにより樹脂壁膜形成物質からなる殻体に内包又は固溶化させたマイクロカプセル顔料を用いても良い。また、着色剤として、染料を併用しても良い。染料については、直接染料、酸性染料、塩基性染料、含金染料、及び各種造塩タイプ染料等が採用可能である。更に、顔料を透明、半透明の樹脂等で覆った着色樹脂粒子などや、また着色樹脂粒子や無色樹脂粒子を、顔料もしくは染料で着色したもの等も用いることもできる。これらの顔料および染料は、単独又は2種以上組み合わせて使用してもかまわない。含有量は、インキ組成物全量に対し、1質量%〜20質量%が好ましい。
また、インキ粘度調整剤として、剪断減粘性付与剤を使用しても良い。剪断減粘性付与剤としては、架橋型アクリル酸重合体、キサンタンガム、ウェランガム、サクシノグリカン、グアーガム、ローカストビーンガム、λ−カラギーナン、セルロース誘導体、ダイユータンガム等が挙げられる。
また、水分の溶解安定性、水分蒸発乾燥防止等を考慮し、水溶性有機溶剤を使用しても良い。エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、プロピレングリコール、ポリエチレングリコール、グリセリンなどのグリコール類、メタノール、エタノール、1−プロパノール、2−プロパノール、イソプロパノール、イソブタノール、t−ブタノール、プロパギルアルコール、アリルアルコール、3−メチル−1−ブチン−3−オール、エチレングリコールモノメチルエーテルアセタートやその他の高級アルコール等のアルコール類、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、3―メトキシブタノール、3―メトキシー3―メチルブタノール等のグリコールエーテル類などが挙げられる。その中でも、前記アルキルアミン酸化エチレン誘導体との溶解安定性や、ドライアップ性能が向上する傾向であるグリコール類を用いる方が好ましい。これらは、単独または2種以上混合して使用してもよい。水溶性有機溶剤の含有量は、溶解性、ドライアップ性、にじみ等を考慮すると、インキ組成物全量に対し、10.0〜30.0質量%が好ましい。
また、滑らかな筆感を得るようにするために、潤滑剤を使用しても良い。潤滑剤としては、シリコン系界面活性剤、アセチレングリコール系界面活性剤、フッ素系界面活性剤、リン酸エステル系界面活性剤、脂肪酸塩などが挙げられるが、リン酸基を有するリン酸エステル系界面活性剤を用いる方が、好ましい。これは、前記アルキルアミン酸化エチレン誘導体と併用することで、より潤滑性を向上しやすく、筆記時の線とびを抑制し、ドライアップ時においてもカスレが発生しにくい傾向となるためである。リン酸エステル系界面活性剤の種類としては、スチレン化フェノール系、ノニルフェノール系、ラウリルアルコール系、トリデシルアルコール系、オクチルフェノール系、短鎖アルコール系等が上げられる。この中でも、フェニル骨格を有すると立体障害により潤滑性に影響が出やすいため、リン酸エステル系界面活性剤は、直鎖アルコール系のラウリルアルコール系、トリデシルアルコール系、短鎖アルコール系を用いる方が、好ましい。これらは、単独または2種以上混合して使用してもよい。
その他の添加剤として、着色剤の経時安定性を向上させるためにpH調整剤や、1,2ベンゾイソチアゾリン−3−オン等の防菌剤、尿素などの保湿剤、ベンゾトリアゾール等の防錆剤、エチレンジアミン四酢酸などのキレート剤などを添加することができる。また、樹脂エマルジョンとして、アクリル系樹脂、ウレタン系樹脂、スチレン−ブタジエン系樹脂、ポリエステル系樹脂、酢酸ビニル系樹脂などを添加することができる。これらは単独または2種以上組み合わせて使用することができる。
次に実施例を示して本発明を説明する。
実施例1
水 58.0質量部
水溶性有機溶剤(エチレングリコール) 20.0質量部
アルキルアミン酸化エチレン誘導体(ラウリルアミン酸化エチレン誘導体、EO数:21)3.0質量部
潤滑剤(リン酸エステル系界面活性剤) 1.0質量部
単糖類の還元物 5.0質量部
pH調整剤(トリエタノールアミン) 3.0質量部
防菌剤(1、2ベンゾイソチアゾリン−3−オン) 0.5質量部
防錆剤(ベンゾトリアゾール) 0.5質量部
着色剤(カーボンブラック) 6.0質量部
酸性樹脂(カルボキシル基を有する酸性樹脂) 3.0質量部
剪断減粘性付与剤(キサンタンガム) 0.40質量部
まず、水、水溶性有機溶剤、pH調整剤、顔料、顔料分散剤を適量採取し、分散機を使用し、充分に分散した後、遠心分離を行い、粗大分を除去して顔料分散体を得る。その後、作製した顔料分散体、水、水溶性有機溶剤、アルキルアミン酸化エチレン誘導体、潤滑剤、単糖類の還元物、pH調整剤、防菌剤、防錆剤をマグネットホットスターラーで加温撹拌等してベースインキを作成した。
その後、上記作製したベースインキを加温しながら、剪断減粘性付与剤を投入してホモジナイザー攪拌機を用いて均一な状態となるまで充分に混合攪拌した後、濾紙を用い濾過を行って、実施例1の水性ボールペン用インキ組成物を得た。
実施例2〜9
インキ配合を表1に示すように変更した以外は、実施例1と同様な手順で実施例2〜9の水性ボールペン用インキ組成物を得た。表1に、インキ配合および評価結果を示す。
Figure 0005885965
Figure 0005885965
比較例1〜5
インキ配合を表2に示すように変更した以外は、実施例1と同様な手順で比較例2〜5の水性ボールペン用インキ組成物を得た。表2に、インキ配合および評価結果を示す。
Figure 0005885965
試験および評価
実施例1〜9及び比較例1〜5で作製した水性インキ組成物を、インキ収容筒の先端にボール径が0.7mmのボールを回転自在に抱持したボールペンチップをチップホルダーに介して具備したインキ収容筒内(ポリプロピレン製)に充填したレフィルを(株)パイロットコーポレーション製のゲルインキボールペン(商品名:G−knock)に装着して、以下の試験および評価を行った。尚、ドライアップ性能試験、筆記性能試験の評価は、筆記試験用紙としてJIS P3201 筆記用紙Aを用い、以下のような試験方法で評価を行った。
ドライアップ性能試験:ペン先を出したまま、50℃で2週間放置した後、手書き筆記した際の筆跡の状態を評価した。
筆跡にカスレがなく、筆跡が良好のもの ・・・◎
筆跡に若干カスレが出るが、問題ないもの ・・・○
筆跡にカスレが出るもの ・・・△
筆跡にカスレがひどく、実用性に乏しいもの・・・×
筆記性能試験:紙面上に筆記後、筆記した筆跡を観察した。
筆跡に線とびがないもの ・・・◎
筆跡に若干線とびが、問題ないもの ・・・○
筆跡に線とびが出るもの ・・・△
筆跡に線とびがあるがひどく、実用性に乏しいもの・・・×
顔料分散性試験:直径15mmの密開閉ガラス試験管に各水性ボールペン用インキ組成物を入れて、常温にて1か月放置後、適量採取し、顕微鏡で顔料の分散状態を観察した。
顔料が均一分散されたもの ・・・◎
顔料の沈降が一部確認されたが、実用上問題ないレベルのもの・・・○
顔料の沈降がひどく、筆記不良になるレベルのもの ・・・×
表1の結果より、実施例1〜9では、ドライアップ性能試験、筆記性能試験、顔料分散性試験ともに良好もしくは、問題のないレベルの性能が得られた。
表2の結果より、比較例1、2、4ではアルキルアミン酸化エチレン誘導体を用いなかったため、ドライアップ性能試験において、筆跡にカスレがひどく、実用性に乏しいレベルであった。
比較例3、5では、酸性樹脂を用いなかったため、顔料の沈降がひどく、筆記できなかった。
特に、水性ボールペン用インキ組成物を直詰めしたインキ収容筒の先端部に、チップ本体のボール抱持室にボールを回転自在に抱持したボールペンチップを直接又はチップホルダーを介して具備したボールペンレフィルを、軸筒内に摺動自在に配設し、前記ボールペンチップを前記軸筒の先端開口部から出没可能としたことを特徴とするノック式水性ボールペンや回転繰り出し式水性ボールペン等においては、キャップ式ボールペンよりも、チップ先端を出したままの状態であり、チップ先端での乾燥固化によるドライアップ性能が重要になるため、本発明の効果が顕著となる。
本発明では、ボールペンチップ先端縁の内壁に、ボールを押圧するコイルスプリングを配設することによって、ボールペンチップ先端のシール性を保つことで、チップ先端のインキ増粘を抑制しやすくすることで、ドライアップ性能向上しやすくなるため、より好ましい。
本発明は水性ボールペンとして利用でき、さらに詳細としては、該水性ボールペン用インキ組成物を充填した、キャップ式、出没式等の水性ボールペンとして広く利用することができる。

Claims (7)

  1. 少なくとも水、顔料、酸性樹脂、アルキルアミン酸化エチレン誘導体、デキストリン、直鎖アルコール系のリン酸エステル系界面活性剤からなり、前記デキストリンの重量平均分子量が5000〜100000であることを特徴とする水性ボールペン用インキ組成物。
  2. 前記水性ボールペン用インキ組成物に、単糖類の還元物を含有し、前記単糖類の還元物の含有量は、インキ組成物全量に対し、0.5〜5.0質量%であることを特徴とする請求項に記載の水性ボールペン用インキ組成物。
  3. 前記アルキルアミン酸化エチレン誘導体の平均エチレンオキサイド付加モル数が、1〜25であることを特徴とする請求項1または2に記載の水性ボールペン用インキ組成物。
  4. 前記アルキルアミン酸化エチレン誘導体が、ラウリルアミン酸化エチレン誘導体であることを特徴とする請求項1ないし3のいずれか1項に記載の水性ボールペン用インキ組成物。
  5. 前記酸性樹脂が、カルボキシル基を有することを特徴とする請求項1ないしのいずれか1項に記載の水性ボールペン用インキ組成物。
  6. 前記水性ボールペン用インキ組成物に、キサンタンガムを含有することを特徴とする請求項1ないしのいずれか1項に記載の水性ボールペン用インキ組成物。
  7. 請求項1ないしのいずれか1項に記載の水性ボールペン用インキ組成物を直詰めしたインキ収容筒の先端部に、チップ本体のボール抱持室にボールを回転自在に抱持したボールペンチップを直接又はチップホルダーを介して具備したボールペンレフィルを、軸筒内に摺動自在に配設し、前記ボールペンチップを前記軸筒の先端開口部から出没可能としたことを特徴とする水性ボールペン。
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