JP3783311B2 - ボールペン用水性インキ組成物 - Google Patents
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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ボールペン用水性インキ組成物に関し、1年以上の長期保管後も粘度を安定に維持し、更に着色材である顔料の沈降がないため品質の低下がなく、ペン先乾燥性にも優れ、しかも一旦凍結しても、解凍後は、凍結前と同様に安定な分散状態を保持するボールペン用水性インキ組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、ボールペンとしては、数千mPa・sの高粘度の油性インキを使用している油性ボールペンと、数mPa・sの低粘度の水性インキを使用した水性ボールペンとが知られている。上記油性ボールペンは、使用するインキが高粘度であるが故に、筆記面におけるインキの浸透が悪くなり、そのためボテや線が割れたりするという欠点を有している。また、この欠点を改良した水性ボールペンは、使用するインキが低粘度であるが故に、中綿と呼ばれるインキ吸蔵部を必要とし、更に、このインキ吸蔵部とペン先との間にインキ中継部材を介在させることが必要であり、構造上複雑になるという欠点を有している。
【0003】
近年、ペン先を取り付けたインキ収容管に、水性インキを直接充填して、油性ボールペンが有する長所と水性ボールペンが有する長所との両方を兼ね備えたボールペンが提案されている。該ボールペンに使用する水性インキは、インキ収容部に直接充填するものであるので、ペン先を下向きにした場合、インキがペン先から自然に漏出しないよう高粘度である必要がある。更に、筆跡の耐水性や耐光性を向上する目的で、着色材として顔料を用いた場合には、インキの粘度が高いほうが顔料の沈降が少ないので、長期間保管後の筆記に対しては有利である。しかし、インキの粘度が高いとペン先からのインキ吐出性が悪くなるという傾向があるので、本ボールペンに使用するインキは、スムースにインキが吐出するよう、筆記時、ボールの回転による高剪断力でインキ粘度が下がるという性質を有することが必要である。
インキに、ボールの回転による高剪断力でインキ粘度が下がるという性質を付与するものとして、種々の水溶性高分子が提案されている。例えば、特公昭64−8673号公報には、キサンタンガムが開示されている。また、特開平4−214782号公報には、ウェランガムが開示されている。そして、特開平6−88050号公報にはサクシノグルカンが開示されている。
上記特開平4−214782号公報には、キサンタンガムは顔料の分散をやや不安定にする性質があり、キサンタンガムを顔料分散系で長期間使用すると分散破壊のため顔料が徐々に沈降する場合があるのに対して、ウェランガムは、顔料の沈降に効果がある旨開示されている。また、特開平6−88050号公報には、ウェランガムを用いた水性インキは、着色材である顔料の分散安定性を長期間維持することは難しく、ウェランガムを用いたインキをボールペン用インキとした場合、長期間保管した後、筆記すると筆跡の淡色化や逆に過度の濃色化現象が生じたり、ひどい場合には顔料の凝集によるペン先でのインキ詰まりを起こして筆記できないことさえあるのに対して、サクシノグルカンは、長期間保管した後にも、顔料の分散状態に悪影響を及ぼさない旨開示されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、特開平4−214782号公報及び特開平6−88050号公報に記載されている発明のインキ組成物の保管期間は、実施例の経時試験結果によると、長期間といっても僅か室温2ヶ月程度の結果であり、1年以上の長期経時については何ら開示されていない。上記、キサンタンガム、ウェランガム及びサクシノグルカンといった水溶性高分子を用いたボールペン用水性インキは、1年以上の長期保管における顔料の分散安定性を維持することは難しく、書き味が重くなったり、カスレが発生したりし、更に、2年の長期保管では筆記できなくなってしまうという問題を有する。
本発明の課題は、1年以上という長期間の保管後においても増粘剤は凝集することなく安定な溶解状態を維持し、着色材である顔料の沈降がなく、品質が低下しないボールペン用水性インキ組成物を提供することである。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明は、着色材と、マクロホモプシスガムと、水溶性有機溶剤と、水とを少なくとも含むことを特徴とするボールペン用水性インキ組成物を要旨とするものである。
【0006】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の構成について詳細に説明する。
本発明に使用する着色材としては、従来水性インキ組成物に用いられている顔料が限定無く使用可能である。その具体例として、ファーネストブラック、コンタクトブラック、サーマルブラック、アセチレンブラック等のカーボンブラック、黒色酸化鉄、黄色酸化鉄、赤色酸化鉄、群青、紺青、コバルトブルー、チタンイエロー、ターコイズ、モリブデートオレンジ、酸化チタン等の無機顔料、C.I.ピグメントレッド2、同3、同5、同17、同22、同38、同41、同48:2、同48:3、同49、同50:1、同53:1、同57:1、同58:2、同60、同63:1、同63:2、同64:1、同88、同112、同122、同123、同144、同146、同149、同166、同168、同170、同176、同177、同178、同179、同180、同185、同190、同194同206、同207、同209、同216、同245、C.I.ピグメントオレンジ5、同10、同13、同16、同36、同40、同43、C.I.ピグメントバイオレット19、同23、同31、同33、同36、同38、同50、C.I.ピグメントブルー2、同15、同15:1、同15:2、同15:3、同15:4、同15:5、同16、同17、同22、同25、同60、同66、C.I.ピグメントブラウン25、同26、C.I.ピグメントイエロー1、同3、同12、同13、同24、同93、同94、同95、同97、同99、同108、同109、同110、同117、同120、同139、同153、同166、同167、同173C.I.ピグメントグリーン7、同10、同36、等の有機顔料のほか、アルミニウム粉末、真鍮粉末などの金属粉顔料や、蛍光顔料、雲母系顔料などが挙げられる。
【0007】
また、顔料を水性媒体に分散した分散顔料の水性インキ組成物ベースを用いることもできる。具体的には、富士色素(株)製Fuji.SPシリーズ、山陽色素(株)製Emacolシリーズ、Sandyeシリーズ、オリエント化学工業(株)製MicroPigmoシリーズ、MicroJetシリーズ、東洋インキ(株)製Rio、Fastシリーズ、EM Colorシリーズ(以上、無機、有機顔料の分散体)、日本蛍光化学(株)製NKWシリーズ、東洋ソーダ(株)製コスモカラーシリーズ、シンロイヒ(株)製シンロイヒ・カラーベースシリーズ(蛍光顔料の分散体)等が挙げられる。これらは1種もしくは2種以上混合して用いることもできる。
【0008】
更に着色材として染料も限定なく使用可能である。その具体例として、C.I.ダイレクトブラック17、同19、同22、同32、同38、同51、同71、C.I.ダイレクトイエロー4、同26、同44、同50、C.I.ダイレクトレッド1、同4、同23、同31、同37、同39、同75、同80、同81、同83、同225、同226、同227、C.I.ダイレクトブルー1、同15同41、同71、同86、同87、同106、同108、同199等の直接染料や、C.I.アシッドブラック1、同2、同24、同26、同31、同52、同107、同109、同110、同119、同154、C.I.アシッドイエロー1、同7、同17、同19、同23、同25、同29、同38、同42、同49同61、同72、同78、同110、同127、同135、同141、同142C.I.アシッドレッド8、同9、同14、同18、同26、同27、同35、同37、同51、同52、同57、同82、同83、同87、同92、同94、同111、同129、同131、同138、同186、同249、同254、同265、同276、C.I.アシッドバイオレット15、同17、同49、C.I.アシッドブルー1、同7、同9、同15、同22、同23、同25、同40同41、同43、同62、同78、同83、同90、同93、同100、同103、同104、同112、同113、同158、C.I.アシッドグリーン3、同9、同16、同25、同27、C.I.アシッドオレンジ56等の酸性染料、C.I.フードイエロー3等の食用染料、マラカイトグリーン(C.I.42000)、ビクトリアブルーFB(C.I.44045)、メチルバイオレットFN(C.I.42535)、ローダミンF4G(C.I.45160)、ローダミン6GCP(C.I.45160)等が挙げられる。
本発明における着色材の使用量は、ボールペン用水性インキ組成物全量に対して5〜40重量%が好ましい。筆跡濃度を保つために5重量%以上が好ましく、ペン先からのインキの吐出に好適な粘度となすために40重量%が好ましい。
尚、上記顔料、分散顔料、染料は混合して使用することもできる。
【0009】
本発明に使用するマクロホモプシスガムは、マクロホモプシス(Macrophomopsis)属に属する微生物より得られるβ−グルカンであって、例えば、結合様式が、主鎖のD−グルコピラノシル残基はすべてβ−1,3結合であり、又、主鎖のD−グルコピラノシル残基のC−6の位置で分岐しており、かつ主鎖であるβ−1,3結合のD−グルコピラノシル残基4個毎にβ−1,6結合のD−グルコピラノシル残基1個を側鎖として有するものなどが挙げられる。
マクロホモプシス(Macrophomopsis)属に属する微生物としては、例えば、微工研受託9366号として寄託されたマクロホモプシスKAB55株と命名されたものが挙げられる。
マクロホモプシスガムを得るには、通常知られた方法を採用できる。例えば、上記マクロホモプシス属に属する菌株KAB55を、100gのグルコース、5gの脱脂綿実粉、1gのKH2PO4、3gのMgSO4・7H2Oを1リットルの水に溶かし、水酸化ナトリウムにてpH6に調整した培地にて、3日間培養し、これの6mlを、同組成培地100mlを入れた500ml三角フラスコに植菌して25℃で4日間120回転/分で培養する。これによって得られた培養液を8000回転/分、20分間で遠心分離し、菌体を除去し、上澄に等量の40%イソプロパノールを加え、マクロホモプシスガムを析出させ、これを10,000回転/分、5分間で遠心分離しマクロホモプシスガムを得る。得られたマクロホモプシスガムを再び水に溶解させ上記操作を繰り返し、高い純度のマクロホモプシスガムを得る。
このマクロホモプシスガムは、シュードプラスチック性が他の水溶性増粘剤と比較して非常に大きい。従って、本発明のボールペンインキは、未使用時は、粘度が非常に高く顔料の沈降に対して効果的であり、使用時は、ボールの回転により急激に粘度が低くなりインキの吐出がスムースとなる性質を有している。更に潤滑性、保湿性といった性質も有している。
本発明におけるマクロホモプシスガムの使用量としては、ボールペン用水性インキ組成物全量に対して0.05〜2.0重量%が好ましく、特に0.1〜1.0重量%が好ましい。インキ粘度を好適に保ち、ペン先からのインキの自然流出を防止する点で、また着色材として顔料を用いる場合の顔料の沈降に対する効果が大きい点で0.05重量%以上が好ましく、一方、ペン先部からのインキの吐出に好適な粘度となす点で2.0重量%以下が好ましい。
【0010】
本発明に使用するロダン化物としては、チオシアン酸の金属塩やアンモニウム塩が挙げられ、如何なる環境下でも、インキの安定な分散状態を保持するため
に用いるものである。
具体的なロダン化物としては、チオシアン酸ナトリウム、チオシアン酸カリウム、チオシアン酸アンモニウム等が挙げられ、これらを単独或いは混合して使用することができる。その使用量としては、ボールペン用水性インキ組成物全量に対して5〜20重量%が好ましい。如何なる環境化でも、分散安定性に対する効果が大きい点で5重量%以上が好ましく、一方、マクロホモプシスガムを良好に溶解させるに必要な水の量を考慮すると20重量%以下が好ましい。
【0011】
本発明に使用するポリオキシエチレンラウリルエーテルリン酸の金属塩及び又はアンモニウム塩は、マクロホモプシスガムの溶解に対しては影響しないので顔料の分散剤として用いた場合、インキの経時性はより安定な分散状態を保持することができる。具体的な例としては、DLP−10、TLP−4(日光ケミカルス(株)製)等が挙げられる。その使用量はボールペン用水性インキ組成物全量に対して0.1〜5重量%が好ましい。顔料を良好な分散状態となす点で0.1重量%が好ましく、滲みのない筆跡となす点で5重量%以下が好ましい。
【0012】
本発明に使用する糖アルコールとしては、糖のアルデヒド基及びケトン基を還元して得られる多価アルコールが挙げられる。これは、分子中に水酸基が多数あり、疎水部位もないので、マクロホモプシスガムの溶解力を低下させない。従って、マクロホモプシスガムの溶解には影響せず、その保湿性、吸湿性を利用してペン先でのインキ乾燥を防止することができる。
具体的な糖アルコールとしては、ソルビット、マンニット、キシリット、エリスリトール、イノシットなどの一糖アルコール、マルチトール、イソマルチトール、ラクチトール、パラチニットなどの二糖アルコールが挙げられ、これらを単独或は混合して使用することができる。その使用量としてはインキ全量に対して10〜30重量%が好ましい。
なお、三糖アルコール、及びオリゴ糖アルコールといわれる四糖以上のアルコールは、単独で5%以上加えると、本発明に使用するマクロホモプシスガムを凝集させてしまうことがある。従って、これらの糖アルコールを使用する場合は、一糖アルコール及び二糖アルコールと併用するのが好ましい。
【0013】
本発明に使用する水溶性有機溶剤は、インキとしての種々の品質、例えば、低温時でのインキの凍結防止や、ペン先でのインキ乾燥防止などの目的で使用するものである。その具体例として、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、プロピレングリコール、ポリエチレングリコール、1,3−ブチレングリコール、チオジエチレングリコール、グリセリン等のグリコール類や、エチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、2−ピロリドン、トリエタノールアミン等が挙げられる。その使用量はボールペン用水性インキ組成物全量に対して5〜25重量%が好ましい。
【0014】
水は、主溶剤として使用する。
【0015】
また、ベンゾチアゾリン系、オマジン系などの防腐剤、ベンゾトリアゾールなどの防錆剤、顔料の分散安定剤としての樹脂や界面活性剤などといった種々の添加剤を必要に応じて添加することもできる。
【0016】
本発明のボールペン用水性インキ組成物を製造するに際しては、従来知られている種々の方法が採用できる。例えば、着色材として染料や分散顔料を用いる場合は、ヘンシェルミキサー等の撹拌機に水とマクロホモプシスガムを入れ撹拌した後、残りの成分を入れ、更に混合撹拌することにより容易に得られる。着色材として顔料を用いた場合は、予め顔料をボールミル、ビーズミル、ロールミル等の分散機により分散し分散顔料状となした後、上記と同様に行えば、容易に得られる。
【0017】
【作用】
本発明のボールペン用水性インキ組成物が、長期間保存しても顔料が沈降しにくく、初期の分散状態を長期に渡り保持するという性質を有していることについては、以下のように推考される。
インキ中に分散している顔料は、その粒子径が0.10μm以下であっても経時的には沈降してしまう。この沈降を防止するには粘度を極力高くすれば抑止することはできるが、筆記具インキとして用いる場合は、ペン先より連続的にインキを吐出しなければ、筆記具として成り立たない。
本発明に係わるマクロホモプシスガムを用いたボールペン用水性インキ組成物は、前記キサンタンガムやウェランガム等を用いた高粘度水性インキと比較して剪断力による粘度の低下の幅が大きい。従って、ボールペンのインキ収容管に、顔料の沈降を完全に抑える程度の高い粘度で充填しても、筆記時、ボールの回転によりインキの粘度が極端に下がるので、何ら問題なく筆記できる。従って、長期間保管した後も顔料の沈降がなく、品質が低下しない。
また、マクロホモプシスガムは多くの水酸基をもつポリマーであり、分子間、分子内の水酸基同志の間に強い水素結合性を持ち、水に対する溶解性を阻害する傾向がある。それ故、疎水部位の割合が大きい物質を加えると水分子との会合割合が減少するので溶解しがたくなる傾向となる。一方、ロダン化物は、水自身の強固な水素結合の構造を破壊する性質があるので、如何なる環境でも、マクロホモプシスガムは水と常に会合することで安定な溶解状態を維持する。従って、インキは経時的に安定な分散状態を保持することができる。
【0018】
【実施例】
以下、実施例、比較例に基づき更に詳細に説明する。
実施例1
カーボンブラック 8.0重量部
マクロホモプシスガム 0.3重量部
グリセリン 15.0重量部
水 74.5重量部
分散剤(NP−15、POE(15)ノニルフェニルエーテル、日光ケミカルス(株)製) 2.0重量部
防腐防黴剤(プロクセル GXL、ICIジャパン(株)製、1,2−ベンゾイソチアゾリン−3−オン) 0.2重量部
上記成分中、カーボンブラックと分散剤と水20.0重量部とグリセリン15重量部とを混合し、ボールミルで24時間分散処理を行いカーボンブラック分散液を調整する。次に、マクロホモプシスガムと水49.5重量部とをホモミキサーにて10分間撹拌して得たマクロホモプシスガム水溶液中に、上記カーボンブラック分散液と残りの上記各成分とを加え、更に30分間混合撹拌してE型粘度計の1rpmで粘度5000mPa・s、10rpmで粘度710mPa・s(25℃)の黒色インキを得た。
【0019】
上記成分中、マクロホモプシスガムと水とをヘンシェルミキサーにて10分間撹拌混合してマクロホモプシスガム水溶液を調整し、これに残りの上記各成分を加えて、更に30分間混合撹拌してE型粘度計の1rpmで粘度31000mPa・s、10rpmで粘度4500mPa・s(25℃)の黒色インキを得た。
【0020】
実施例3
エオシン(C.I.アシッドレッド 87) 7.0重量部
マクロホモプシスガム 2.0重量部
グリセリン 12.0重量部
エチレングリコール 3.0重量部
水 75.8重量部
防腐防黴剤(プロクセルGXL) 0.2重量部
上記各成分を実施例2と同様になしてE型粘度計の1rpmで粘度44000mPa・s、10rpmで6300mPa・s(25℃)の赤色インキを得た。
【0021】
上記各成分を実施例2と同様になしてE型粘度計の1rpmで粘度1800mPa・s、10rpmで260mPa・s(25℃)の蛍光ピンク色インキを得た。
【0022】
上記成分中、マクロホモプシスガム及びプロクセルGXL以外の成分を混合し、ボールミルにて24時間分散処理を行った後、これにマクロホモプシスガム及びプロクセルGXLを加えて、ヘンシェルミキサーにて1時間混合撹拌してE型粘度計の1rpmで粘度20000mPa・s、10rpmで2900mPa・s(25℃)の白色インキを得た。
【0023】
上記成分中、マクロホモプシスガムと水とをヘンシェルミキサーにて10分間混合撹拌し、マクロホモプシスガム水溶液を調整した後、これに、残りの上記成分を加えて更にヘンシェルミキサーにて30分間混合撹拌してE型粘度計の1rpmで粘度25000mPa・s、10rpmで3600mPa・s(25℃)の銀色インキを得た。
【0024】
実施例7
カーボンブラック 8.0重量部
マクロホモプシスガム 0.3重量部
チオシアン酸カリウム 10.0重量部
グリセリン 15.0重量部
水 64.5重量部
分散剤(NP−15、POE(15)ノニルフェニルエーテル、日光ケミカルス(株)製) 2.0重量部
防腐防黴剤(プロクセル GXL、ICIジャパン(株)製、1,2−ベンゾイソチアゾリン−3−オン) 0.2重量部
上記成分中、カーボンブラックと分散剤と水20.0重量部とグリセリン15重量部とを混合し、ボールミルで24時間分散処理を行いカーボンブラック分散液を調整する。次に、マクロホモプシスガムと水49.5重量部とをホモミキサーにて10分間撹拌して得たマクロホモプシスガム水溶液中に、上記カーボンブラック分散液と残りの上記各成分とを加え、更に30分間混合撹拌してE型粘度計の1rpmで粘度5500mPa・s、10rpmで粘度750mPa・s (25℃)の黒色インキを得た。
【0025】
実施例8
カーボンブラック 8.0重量部
マクロホモプシスガム 0.3重量部
グリセリン 15.0重量部
水 74.5重量部
分散剤(DLP−10、POE(10)ラウリルエーテルリン酸ナトリウム、日光ケミカルス(株)製) 2.0重量部
防腐防黴剤(プロクセル GXL、ICIジャパン(株)製、1,2−ベンゾイソチアゾリン−3−オン) 0.2重量部
上記成分中、カーボンブラックと分散剤と水20.0重量部とグリセリン15重量部とを混合し、ボールミルで24時間分散処理を行いカーボンブラック分散液を調整する。次に、マクロホモプシスガムと水49.5重量部とをホモミキサーにて10分間撹拌して得たマクロホモプシスガム水溶液中に、上記カーボンブラック分散液と残りの上記各成分とを加え、更に30分間混合撹拌してE型粘度計の1rpmで粘度5000mPa・s、10rpmで粘度700mPa・s (25℃)の黒色インキを得た。
【0026】
実施例9
カーボンブラック 8.0重量部
マクロホモプシスガム 0.3重量部
ソルビット 20.0重量部
水 69.5重量部
分散剤(NP−15、POE(15)ノニルフェニルエーテル、日光ケミカルス(株)製) 2.0重量部
防腐防黴剤(プロクセル GXL、ICIジャパン(株)製、1,2−ベンゾイソチアゾリン−3−オン) 0.2重量部
上記成分中、カーボンブラックと分散剤と水20.0重量部とソルビット10重量部とを混合し、ボールミルで24時間分散処理を行いカーボンブラック分散液を調整する。次に、マクロホモプシスガムと水49.5重量部とをホモミキサーにて10分間撹拌して得たマクロホモプシスガム水溶液中に、上記カーボンブラック分散液と残りの上記各成分とを加え、更に30分間混合撹拌してE型粘度計の1rpmで粘度5000mPa・s、10rpmで粘度710mPa・s (25℃)の黒色インキを得た。
【0027】
実施例10
カーボンブラック 8.0重量部
マクロホモプシスガム 0.3重量部
チオシアン酸ナトリウム 10.0重量部
グリセリン 15.0重量部
水 64.5重量部
分散剤(DLP−10、POE(10)ラウリルエーテルリン酸ナトリウム、日光ケミカルス(株)製) 2.0重量部
防腐防黴剤(プロクセル GXL、ICIジャパン(株)製、1,2−ベンゾイソチアゾリン−3−オン) 0.2重量部
上記成分中、カーボンブラックと分散剤と水20.0重量部とグリセリン15重量部とを混合し、ボールミルで24時間分散処理を行いカーボンブラック分散液を調整する。次に、マクロホモプシスガムと水49.5重量部とをホモミキサーにて10分間撹拌して得たマクロホモプシスガム水溶液中に、上記カーボンブラック分散液と残りの上記各成分とを加え、更に30分間混合撹拌してE型粘度計の1rpmで粘度5500mPa・s、10rpmで粘度750mPa・s (25℃)の黒色インキを得た。
【0028】
上記成分中、カーボンブラックと分散剤と水20.0重量部とグリセリン5重量部とを混合し、ボールミルで24時間分散処理を行いカーボンブラック分散液を調整する。次に、マクロホモプシスガムと水49.5重量部とをホモミキサーにて10分間撹拌して得たマクロホモプシスガム水溶液中に、上記カーボンブラック分散液と残りの上記各成分とを加え、更に30分間混合撹拌してE型粘度計の1rpmで粘度5700mPa・s、10rpmで粘度770mPa・s (25℃)の黒色インキを得た。
【0029】
実施例12
実施例2において、マクロホモプシスガムを1.0重量部から2.2重量部にし、その分水を減らした以外は、実施例2と同様になしてE型粘度計の1rpmで粘度46000mPa・s、10rpmで6600mPa・s(25℃)の黒色インキを得た。
【0030】
実施例13
実施例3において、マクロホモプシスガムを2.0重量部から0.04重量部にし、その分水を増やした以外は、実施例3と同様になしてE型粘度計の1rpmで粘度1700mPa・s、10rpmで250mPa・s(25℃)の赤色インキを得た。
【0031】
実施例14
実施例7において、カーボンブラックの代わりに、エオシンを用い、分散剤を除き、その分水を増やした以外は、実施例2と同様になしてE型粘度計の1rpmで粘度4900mPa・s、10rpmで粘度650mPa・s(25℃)の赤色インキを得た。
【0032】
比較例1
実施例1のマクロホモプシスガムの代わりに、キサンタンガムを用いた以外は、実施例1と同様になしてE型粘度計の1rpmで粘度1300mPs・s、10rpmで350mPa・s(25℃)のインキを得た。
【0033】
比較例2
実施例3のマクロホモプシスガムの代わりに、キサンタンガムを用いた以外は、実施例3と同様になしてE型粘度計の1rpmで粘度38000mPa・s、10rpmで9500mPa・s(25℃)の赤色インキを得た。
【0034】
比較例3
実施例2のマクロホモプシスガムの代わりに、ウェランガムを用いた以外は、実施例2と同様になしてE型粘度計の1rpmで粘度25000mPa・s、10rpmで6300mPa・s(25℃)の黒色インキを得た。
【0035】
比較例4
実施例2のマクロホモプシスガムの代わりに、サクシノグルカンを用いた以外は、実施例2と同様になしてE型粘度計の1rpmで粘度23000mPa・s、10rpmで4600mPa・s(25℃)の黒色インキを得た。
【0036】
以上、実施例1〜14、比較例1〜4で得たボールペン用水性インキ組成物について、下記の試験を行った。結果を表1に示す。
【0037】
(経時試験用及びペン先乾燥性のボールペンの作成)
ボールペンペン先を一端に連接したポリプロピレン製(内径φ3.0mm)の中空筒体よりなる透明なインキ収容管に、上記実施例1〜14、比較例1〜4で得たボールペン用水性インキ組成物をを0.8g充填し、その上部に逆流防止体を0.1g充填した後、ボールペンに遠心機にて遠心力を加え、インキ中の気泡を脱気して、試験用のボールペンを作成した。尚、実施例5及び実施例6で得たボールペン用水性インキ組成物は、使用した着色材の粒子径が大きいので、インキ吐出性を考慮して、直径が0.8mmのボールを用いたペン先を使用し、その他のボールペン用水性インキ組成物は、直径が0.5mmのボールを用いたペン先を使用した。
【0038】
(50℃経時試験)
条件:上記試験用ボールペンを50℃恒温室内にペン先を下向きで、1ヶ月及び2ヶ月放置する(50℃恒温室内に1ヶ月放置したボールペンのインキ減量は、室温に1年放置したもののインキ減量に相当する。)。
(熱冷サイクル試験)
条件:上記試験用ボールペンを50℃恒温室内にペン先を下向きで24時間放置後、−30℃に同様に24時間放置する。これを1サイクルとし、5サイクル行う。
方法:上記試験用ボールペンの作成直後、筆記状態を確認し、上記条件で保管した後、作成直後と同様の方法で筆記状態を確認した。尚、筆記には、上質紙(JIS P3201筆記用紙A)を用い、♀♀♀と、手書き筆記した。
【0039】
(ペン先乾燥性試験)
条件:経時試験とは別の試験用ボールペンを50℃恒温室内にキャップを外して横向きにし、3日間放置する。
方法:上記試験用ボールペンの作成直後、筆記状態を確認し、上記条件で保管した後、作成直後と同様の方法で筆記状態を確認した。尚、筆記には、上質紙(JIS P3201筆記用紙A)を用い、♀♀♀と、手書き筆記した。
【0040】
【表1】
【0041】
評価
◎:滑らかに、カスレることなく良好に筆記できる。
○:筆記はできるが、やや書き味が重くなる。
△:経時後、筆跡が濃くなり、重い書き味である。
×:筆記できない(顔料の凝集によるペン先詰まり)
【0042】
【発明の効果】
以上、詳細に説明したように、本発明に係るボールペン用水性インキ組成物は、長期経時後、着色材である顔料の沈降がなく品質が低下しない優れたものである。
【発明の属する技術分野】
本発明は、ボールペン用水性インキ組成物に関し、1年以上の長期保管後も粘度を安定に維持し、更に着色材である顔料の沈降がないため品質の低下がなく、ペン先乾燥性にも優れ、しかも一旦凍結しても、解凍後は、凍結前と同様に安定な分散状態を保持するボールペン用水性インキ組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、ボールペンとしては、数千mPa・sの高粘度の油性インキを使用している油性ボールペンと、数mPa・sの低粘度の水性インキを使用した水性ボールペンとが知られている。上記油性ボールペンは、使用するインキが高粘度であるが故に、筆記面におけるインキの浸透が悪くなり、そのためボテや線が割れたりするという欠点を有している。また、この欠点を改良した水性ボールペンは、使用するインキが低粘度であるが故に、中綿と呼ばれるインキ吸蔵部を必要とし、更に、このインキ吸蔵部とペン先との間にインキ中継部材を介在させることが必要であり、構造上複雑になるという欠点を有している。
【0003】
近年、ペン先を取り付けたインキ収容管に、水性インキを直接充填して、油性ボールペンが有する長所と水性ボールペンが有する長所との両方を兼ね備えたボールペンが提案されている。該ボールペンに使用する水性インキは、インキ収容部に直接充填するものであるので、ペン先を下向きにした場合、インキがペン先から自然に漏出しないよう高粘度である必要がある。更に、筆跡の耐水性や耐光性を向上する目的で、着色材として顔料を用いた場合には、インキの粘度が高いほうが顔料の沈降が少ないので、長期間保管後の筆記に対しては有利である。しかし、インキの粘度が高いとペン先からのインキ吐出性が悪くなるという傾向があるので、本ボールペンに使用するインキは、スムースにインキが吐出するよう、筆記時、ボールの回転による高剪断力でインキ粘度が下がるという性質を有することが必要である。
インキに、ボールの回転による高剪断力でインキ粘度が下がるという性質を付与するものとして、種々の水溶性高分子が提案されている。例えば、特公昭64−8673号公報には、キサンタンガムが開示されている。また、特開平4−214782号公報には、ウェランガムが開示されている。そして、特開平6−88050号公報にはサクシノグルカンが開示されている。
上記特開平4−214782号公報には、キサンタンガムは顔料の分散をやや不安定にする性質があり、キサンタンガムを顔料分散系で長期間使用すると分散破壊のため顔料が徐々に沈降する場合があるのに対して、ウェランガムは、顔料の沈降に効果がある旨開示されている。また、特開平6−88050号公報には、ウェランガムを用いた水性インキは、着色材である顔料の分散安定性を長期間維持することは難しく、ウェランガムを用いたインキをボールペン用インキとした場合、長期間保管した後、筆記すると筆跡の淡色化や逆に過度の濃色化現象が生じたり、ひどい場合には顔料の凝集によるペン先でのインキ詰まりを起こして筆記できないことさえあるのに対して、サクシノグルカンは、長期間保管した後にも、顔料の分散状態に悪影響を及ぼさない旨開示されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、特開平4−214782号公報及び特開平6−88050号公報に記載されている発明のインキ組成物の保管期間は、実施例の経時試験結果によると、長期間といっても僅か室温2ヶ月程度の結果であり、1年以上の長期経時については何ら開示されていない。上記、キサンタンガム、ウェランガム及びサクシノグルカンといった水溶性高分子を用いたボールペン用水性インキは、1年以上の長期保管における顔料の分散安定性を維持することは難しく、書き味が重くなったり、カスレが発生したりし、更に、2年の長期保管では筆記できなくなってしまうという問題を有する。
本発明の課題は、1年以上という長期間の保管後においても増粘剤は凝集することなく安定な溶解状態を維持し、着色材である顔料の沈降がなく、品質が低下しないボールペン用水性インキ組成物を提供することである。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明は、着色材と、マクロホモプシスガムと、水溶性有機溶剤と、水とを少なくとも含むことを特徴とするボールペン用水性インキ組成物を要旨とするものである。
【0006】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の構成について詳細に説明する。
本発明に使用する着色材としては、従来水性インキ組成物に用いられている顔料が限定無く使用可能である。その具体例として、ファーネストブラック、コンタクトブラック、サーマルブラック、アセチレンブラック等のカーボンブラック、黒色酸化鉄、黄色酸化鉄、赤色酸化鉄、群青、紺青、コバルトブルー、チタンイエロー、ターコイズ、モリブデートオレンジ、酸化チタン等の無機顔料、C.I.ピグメントレッド2、同3、同5、同17、同22、同38、同41、同48:2、同48:3、同49、同50:1、同53:1、同57:1、同58:2、同60、同63:1、同63:2、同64:1、同88、同112、同122、同123、同144、同146、同149、同166、同168、同170、同176、同177、同178、同179、同180、同185、同190、同194同206、同207、同209、同216、同245、C.I.ピグメントオレンジ5、同10、同13、同16、同36、同40、同43、C.I.ピグメントバイオレット19、同23、同31、同33、同36、同38、同50、C.I.ピグメントブルー2、同15、同15:1、同15:2、同15:3、同15:4、同15:5、同16、同17、同22、同25、同60、同66、C.I.ピグメントブラウン25、同26、C.I.ピグメントイエロー1、同3、同12、同13、同24、同93、同94、同95、同97、同99、同108、同109、同110、同117、同120、同139、同153、同166、同167、同173C.I.ピグメントグリーン7、同10、同36、等の有機顔料のほか、アルミニウム粉末、真鍮粉末などの金属粉顔料や、蛍光顔料、雲母系顔料などが挙げられる。
【0007】
また、顔料を水性媒体に分散した分散顔料の水性インキ組成物ベースを用いることもできる。具体的には、富士色素(株)製Fuji.SPシリーズ、山陽色素(株)製Emacolシリーズ、Sandyeシリーズ、オリエント化学工業(株)製MicroPigmoシリーズ、MicroJetシリーズ、東洋インキ(株)製Rio、Fastシリーズ、EM Colorシリーズ(以上、無機、有機顔料の分散体)、日本蛍光化学(株)製NKWシリーズ、東洋ソーダ(株)製コスモカラーシリーズ、シンロイヒ(株)製シンロイヒ・カラーベースシリーズ(蛍光顔料の分散体)等が挙げられる。これらは1種もしくは2種以上混合して用いることもできる。
【0008】
更に着色材として染料も限定なく使用可能である。その具体例として、C.I.ダイレクトブラック17、同19、同22、同32、同38、同51、同71、C.I.ダイレクトイエロー4、同26、同44、同50、C.I.ダイレクトレッド1、同4、同23、同31、同37、同39、同75、同80、同81、同83、同225、同226、同227、C.I.ダイレクトブルー1、同15同41、同71、同86、同87、同106、同108、同199等の直接染料や、C.I.アシッドブラック1、同2、同24、同26、同31、同52、同107、同109、同110、同119、同154、C.I.アシッドイエロー1、同7、同17、同19、同23、同25、同29、同38、同42、同49同61、同72、同78、同110、同127、同135、同141、同142C.I.アシッドレッド8、同9、同14、同18、同26、同27、同35、同37、同51、同52、同57、同82、同83、同87、同92、同94、同111、同129、同131、同138、同186、同249、同254、同265、同276、C.I.アシッドバイオレット15、同17、同49、C.I.アシッドブルー1、同7、同9、同15、同22、同23、同25、同40同41、同43、同62、同78、同83、同90、同93、同100、同103、同104、同112、同113、同158、C.I.アシッドグリーン3、同9、同16、同25、同27、C.I.アシッドオレンジ56等の酸性染料、C.I.フードイエロー3等の食用染料、マラカイトグリーン(C.I.42000)、ビクトリアブルーFB(C.I.44045)、メチルバイオレットFN(C.I.42535)、ローダミンF4G(C.I.45160)、ローダミン6GCP(C.I.45160)等が挙げられる。
本発明における着色材の使用量は、ボールペン用水性インキ組成物全量に対して5〜40重量%が好ましい。筆跡濃度を保つために5重量%以上が好ましく、ペン先からのインキの吐出に好適な粘度となすために40重量%が好ましい。
尚、上記顔料、分散顔料、染料は混合して使用することもできる。
【0009】
本発明に使用するマクロホモプシスガムは、マクロホモプシス(Macrophomopsis)属に属する微生物より得られるβ−グルカンであって、例えば、結合様式が、主鎖のD−グルコピラノシル残基はすべてβ−1,3結合であり、又、主鎖のD−グルコピラノシル残基のC−6の位置で分岐しており、かつ主鎖であるβ−1,3結合のD−グルコピラノシル残基4個毎にβ−1,6結合のD−グルコピラノシル残基1個を側鎖として有するものなどが挙げられる。
マクロホモプシス(Macrophomopsis)属に属する微生物としては、例えば、微工研受託9366号として寄託されたマクロホモプシスKAB55株と命名されたものが挙げられる。
マクロホモプシスガムを得るには、通常知られた方法を採用できる。例えば、上記マクロホモプシス属に属する菌株KAB55を、100gのグルコース、5gの脱脂綿実粉、1gのKH2PO4、3gのMgSO4・7H2Oを1リットルの水に溶かし、水酸化ナトリウムにてpH6に調整した培地にて、3日間培養し、これの6mlを、同組成培地100mlを入れた500ml三角フラスコに植菌して25℃で4日間120回転/分で培養する。これによって得られた培養液を8000回転/分、20分間で遠心分離し、菌体を除去し、上澄に等量の40%イソプロパノールを加え、マクロホモプシスガムを析出させ、これを10,000回転/分、5分間で遠心分離しマクロホモプシスガムを得る。得られたマクロホモプシスガムを再び水に溶解させ上記操作を繰り返し、高い純度のマクロホモプシスガムを得る。
このマクロホモプシスガムは、シュードプラスチック性が他の水溶性増粘剤と比較して非常に大きい。従って、本発明のボールペンインキは、未使用時は、粘度が非常に高く顔料の沈降に対して効果的であり、使用時は、ボールの回転により急激に粘度が低くなりインキの吐出がスムースとなる性質を有している。更に潤滑性、保湿性といった性質も有している。
本発明におけるマクロホモプシスガムの使用量としては、ボールペン用水性インキ組成物全量に対して0.05〜2.0重量%が好ましく、特に0.1〜1.0重量%が好ましい。インキ粘度を好適に保ち、ペン先からのインキの自然流出を防止する点で、また着色材として顔料を用いる場合の顔料の沈降に対する効果が大きい点で0.05重量%以上が好ましく、一方、ペン先部からのインキの吐出に好適な粘度となす点で2.0重量%以下が好ましい。
【0010】
本発明に使用するロダン化物としては、チオシアン酸の金属塩やアンモニウム塩が挙げられ、如何なる環境下でも、インキの安定な分散状態を保持するため
に用いるものである。
具体的なロダン化物としては、チオシアン酸ナトリウム、チオシアン酸カリウム、チオシアン酸アンモニウム等が挙げられ、これらを単独或いは混合して使用することができる。その使用量としては、ボールペン用水性インキ組成物全量に対して5〜20重量%が好ましい。如何なる環境化でも、分散安定性に対する効果が大きい点で5重量%以上が好ましく、一方、マクロホモプシスガムを良好に溶解させるに必要な水の量を考慮すると20重量%以下が好ましい。
【0011】
本発明に使用するポリオキシエチレンラウリルエーテルリン酸の金属塩及び又はアンモニウム塩は、マクロホモプシスガムの溶解に対しては影響しないので顔料の分散剤として用いた場合、インキの経時性はより安定な分散状態を保持することができる。具体的な例としては、DLP−10、TLP−4(日光ケミカルス(株)製)等が挙げられる。その使用量はボールペン用水性インキ組成物全量に対して0.1〜5重量%が好ましい。顔料を良好な分散状態となす点で0.1重量%が好ましく、滲みのない筆跡となす点で5重量%以下が好ましい。
【0012】
本発明に使用する糖アルコールとしては、糖のアルデヒド基及びケトン基を還元して得られる多価アルコールが挙げられる。これは、分子中に水酸基が多数あり、疎水部位もないので、マクロホモプシスガムの溶解力を低下させない。従って、マクロホモプシスガムの溶解には影響せず、その保湿性、吸湿性を利用してペン先でのインキ乾燥を防止することができる。
具体的な糖アルコールとしては、ソルビット、マンニット、キシリット、エリスリトール、イノシットなどの一糖アルコール、マルチトール、イソマルチトール、ラクチトール、パラチニットなどの二糖アルコールが挙げられ、これらを単独或は混合して使用することができる。その使用量としてはインキ全量に対して10〜30重量%が好ましい。
なお、三糖アルコール、及びオリゴ糖アルコールといわれる四糖以上のアルコールは、単独で5%以上加えると、本発明に使用するマクロホモプシスガムを凝集させてしまうことがある。従って、これらの糖アルコールを使用する場合は、一糖アルコール及び二糖アルコールと併用するのが好ましい。
【0013】
本発明に使用する水溶性有機溶剤は、インキとしての種々の品質、例えば、低温時でのインキの凍結防止や、ペン先でのインキ乾燥防止などの目的で使用するものである。その具体例として、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、プロピレングリコール、ポリエチレングリコール、1,3−ブチレングリコール、チオジエチレングリコール、グリセリン等のグリコール類や、エチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、2−ピロリドン、トリエタノールアミン等が挙げられる。その使用量はボールペン用水性インキ組成物全量に対して5〜25重量%が好ましい。
【0014】
水は、主溶剤として使用する。
【0015】
また、ベンゾチアゾリン系、オマジン系などの防腐剤、ベンゾトリアゾールなどの防錆剤、顔料の分散安定剤としての樹脂や界面活性剤などといった種々の添加剤を必要に応じて添加することもできる。
【0016】
本発明のボールペン用水性インキ組成物を製造するに際しては、従来知られている種々の方法が採用できる。例えば、着色材として染料や分散顔料を用いる場合は、ヘンシェルミキサー等の撹拌機に水とマクロホモプシスガムを入れ撹拌した後、残りの成分を入れ、更に混合撹拌することにより容易に得られる。着色材として顔料を用いた場合は、予め顔料をボールミル、ビーズミル、ロールミル等の分散機により分散し分散顔料状となした後、上記と同様に行えば、容易に得られる。
【0017】
【作用】
本発明のボールペン用水性インキ組成物が、長期間保存しても顔料が沈降しにくく、初期の分散状態を長期に渡り保持するという性質を有していることについては、以下のように推考される。
インキ中に分散している顔料は、その粒子径が0.10μm以下であっても経時的には沈降してしまう。この沈降を防止するには粘度を極力高くすれば抑止することはできるが、筆記具インキとして用いる場合は、ペン先より連続的にインキを吐出しなければ、筆記具として成り立たない。
本発明に係わるマクロホモプシスガムを用いたボールペン用水性インキ組成物は、前記キサンタンガムやウェランガム等を用いた高粘度水性インキと比較して剪断力による粘度の低下の幅が大きい。従って、ボールペンのインキ収容管に、顔料の沈降を完全に抑える程度の高い粘度で充填しても、筆記時、ボールの回転によりインキの粘度が極端に下がるので、何ら問題なく筆記できる。従って、長期間保管した後も顔料の沈降がなく、品質が低下しない。
また、マクロホモプシスガムは多くの水酸基をもつポリマーであり、分子間、分子内の水酸基同志の間に強い水素結合性を持ち、水に対する溶解性を阻害する傾向がある。それ故、疎水部位の割合が大きい物質を加えると水分子との会合割合が減少するので溶解しがたくなる傾向となる。一方、ロダン化物は、水自身の強固な水素結合の構造を破壊する性質があるので、如何なる環境でも、マクロホモプシスガムは水と常に会合することで安定な溶解状態を維持する。従って、インキは経時的に安定な分散状態を保持することができる。
【0018】
【実施例】
以下、実施例、比較例に基づき更に詳細に説明する。
実施例1
カーボンブラック 8.0重量部
マクロホモプシスガム 0.3重量部
グリセリン 15.0重量部
水 74.5重量部
分散剤(NP−15、POE(15)ノニルフェニルエーテル、日光ケミカルス(株)製) 2.0重量部
防腐防黴剤(プロクセル GXL、ICIジャパン(株)製、1,2−ベンゾイソチアゾリン−3−オン) 0.2重量部
上記成分中、カーボンブラックと分散剤と水20.0重量部とグリセリン15重量部とを混合し、ボールミルで24時間分散処理を行いカーボンブラック分散液を調整する。次に、マクロホモプシスガムと水49.5重量部とをホモミキサーにて10分間撹拌して得たマクロホモプシスガム水溶液中に、上記カーボンブラック分散液と残りの上記各成分とを加え、更に30分間混合撹拌してE型粘度計の1rpmで粘度5000mPa・s、10rpmで粘度710mPa・s(25℃)の黒色インキを得た。
【0019】
上記成分中、マクロホモプシスガムと水とをヘンシェルミキサーにて10分間撹拌混合してマクロホモプシスガム水溶液を調整し、これに残りの上記各成分を加えて、更に30分間混合撹拌してE型粘度計の1rpmで粘度31000mPa・s、10rpmで粘度4500mPa・s(25℃)の黒色インキを得た。
【0020】
実施例3
エオシン(C.I.アシッドレッド 87) 7.0重量部
マクロホモプシスガム 2.0重量部
グリセリン 12.0重量部
エチレングリコール 3.0重量部
水 75.8重量部
防腐防黴剤(プロクセルGXL) 0.2重量部
上記各成分を実施例2と同様になしてE型粘度計の1rpmで粘度44000mPa・s、10rpmで6300mPa・s(25℃)の赤色インキを得た。
【0021】
上記各成分を実施例2と同様になしてE型粘度計の1rpmで粘度1800mPa・s、10rpmで260mPa・s(25℃)の蛍光ピンク色インキを得た。
【0022】
上記成分中、マクロホモプシスガム及びプロクセルGXL以外の成分を混合し、ボールミルにて24時間分散処理を行った後、これにマクロホモプシスガム及びプロクセルGXLを加えて、ヘンシェルミキサーにて1時間混合撹拌してE型粘度計の1rpmで粘度20000mPa・s、10rpmで2900mPa・s(25℃)の白色インキを得た。
【0023】
上記成分中、マクロホモプシスガムと水とをヘンシェルミキサーにて10分間混合撹拌し、マクロホモプシスガム水溶液を調整した後、これに、残りの上記成分を加えて更にヘンシェルミキサーにて30分間混合撹拌してE型粘度計の1rpmで粘度25000mPa・s、10rpmで3600mPa・s(25℃)の銀色インキを得た。
【0024】
実施例7
カーボンブラック 8.0重量部
マクロホモプシスガム 0.3重量部
チオシアン酸カリウム 10.0重量部
グリセリン 15.0重量部
水 64.5重量部
分散剤(NP−15、POE(15)ノニルフェニルエーテル、日光ケミカルス(株)製) 2.0重量部
防腐防黴剤(プロクセル GXL、ICIジャパン(株)製、1,2−ベンゾイソチアゾリン−3−オン) 0.2重量部
上記成分中、カーボンブラックと分散剤と水20.0重量部とグリセリン15重量部とを混合し、ボールミルで24時間分散処理を行いカーボンブラック分散液を調整する。次に、マクロホモプシスガムと水49.5重量部とをホモミキサーにて10分間撹拌して得たマクロホモプシスガム水溶液中に、上記カーボンブラック分散液と残りの上記各成分とを加え、更に30分間混合撹拌してE型粘度計の1rpmで粘度5500mPa・s、10rpmで粘度750mPa・s (25℃)の黒色インキを得た。
【0025】
実施例8
カーボンブラック 8.0重量部
マクロホモプシスガム 0.3重量部
グリセリン 15.0重量部
水 74.5重量部
分散剤(DLP−10、POE(10)ラウリルエーテルリン酸ナトリウム、日光ケミカルス(株)製) 2.0重量部
防腐防黴剤(プロクセル GXL、ICIジャパン(株)製、1,2−ベンゾイソチアゾリン−3−オン) 0.2重量部
上記成分中、カーボンブラックと分散剤と水20.0重量部とグリセリン15重量部とを混合し、ボールミルで24時間分散処理を行いカーボンブラック分散液を調整する。次に、マクロホモプシスガムと水49.5重量部とをホモミキサーにて10分間撹拌して得たマクロホモプシスガム水溶液中に、上記カーボンブラック分散液と残りの上記各成分とを加え、更に30分間混合撹拌してE型粘度計の1rpmで粘度5000mPa・s、10rpmで粘度700mPa・s (25℃)の黒色インキを得た。
【0026】
実施例9
カーボンブラック 8.0重量部
マクロホモプシスガム 0.3重量部
ソルビット 20.0重量部
水 69.5重量部
分散剤(NP−15、POE(15)ノニルフェニルエーテル、日光ケミカルス(株)製) 2.0重量部
防腐防黴剤(プロクセル GXL、ICIジャパン(株)製、1,2−ベンゾイソチアゾリン−3−オン) 0.2重量部
上記成分中、カーボンブラックと分散剤と水20.0重量部とソルビット10重量部とを混合し、ボールミルで24時間分散処理を行いカーボンブラック分散液を調整する。次に、マクロホモプシスガムと水49.5重量部とをホモミキサーにて10分間撹拌して得たマクロホモプシスガム水溶液中に、上記カーボンブラック分散液と残りの上記各成分とを加え、更に30分間混合撹拌してE型粘度計の1rpmで粘度5000mPa・s、10rpmで粘度710mPa・s (25℃)の黒色インキを得た。
【0027】
実施例10
カーボンブラック 8.0重量部
マクロホモプシスガム 0.3重量部
チオシアン酸ナトリウム 10.0重量部
グリセリン 15.0重量部
水 64.5重量部
分散剤(DLP−10、POE(10)ラウリルエーテルリン酸ナトリウム、日光ケミカルス(株)製) 2.0重量部
防腐防黴剤(プロクセル GXL、ICIジャパン(株)製、1,2−ベンゾイソチアゾリン−3−オン) 0.2重量部
上記成分中、カーボンブラックと分散剤と水20.0重量部とグリセリン15重量部とを混合し、ボールミルで24時間分散処理を行いカーボンブラック分散液を調整する。次に、マクロホモプシスガムと水49.5重量部とをホモミキサーにて10分間撹拌して得たマクロホモプシスガム水溶液中に、上記カーボンブラック分散液と残りの上記各成分とを加え、更に30分間混合撹拌してE型粘度計の1rpmで粘度5500mPa・s、10rpmで粘度750mPa・s (25℃)の黒色インキを得た。
【0028】
上記成分中、カーボンブラックと分散剤と水20.0重量部とグリセリン5重量部とを混合し、ボールミルで24時間分散処理を行いカーボンブラック分散液を調整する。次に、マクロホモプシスガムと水49.5重量部とをホモミキサーにて10分間撹拌して得たマクロホモプシスガム水溶液中に、上記カーボンブラック分散液と残りの上記各成分とを加え、更に30分間混合撹拌してE型粘度計の1rpmで粘度5700mPa・s、10rpmで粘度770mPa・s (25℃)の黒色インキを得た。
【0029】
実施例12
実施例2において、マクロホモプシスガムを1.0重量部から2.2重量部にし、その分水を減らした以外は、実施例2と同様になしてE型粘度計の1rpmで粘度46000mPa・s、10rpmで6600mPa・s(25℃)の黒色インキを得た。
【0030】
実施例13
実施例3において、マクロホモプシスガムを2.0重量部から0.04重量部にし、その分水を増やした以外は、実施例3と同様になしてE型粘度計の1rpmで粘度1700mPa・s、10rpmで250mPa・s(25℃)の赤色インキを得た。
【0031】
実施例14
実施例7において、カーボンブラックの代わりに、エオシンを用い、分散剤を除き、その分水を増やした以外は、実施例2と同様になしてE型粘度計の1rpmで粘度4900mPa・s、10rpmで粘度650mPa・s(25℃)の赤色インキを得た。
【0032】
比較例1
実施例1のマクロホモプシスガムの代わりに、キサンタンガムを用いた以外は、実施例1と同様になしてE型粘度計の1rpmで粘度1300mPs・s、10rpmで350mPa・s(25℃)のインキを得た。
【0033】
比較例2
実施例3のマクロホモプシスガムの代わりに、キサンタンガムを用いた以外は、実施例3と同様になしてE型粘度計の1rpmで粘度38000mPa・s、10rpmで9500mPa・s(25℃)の赤色インキを得た。
【0034】
比較例3
実施例2のマクロホモプシスガムの代わりに、ウェランガムを用いた以外は、実施例2と同様になしてE型粘度計の1rpmで粘度25000mPa・s、10rpmで6300mPa・s(25℃)の黒色インキを得た。
【0035】
比較例4
実施例2のマクロホモプシスガムの代わりに、サクシノグルカンを用いた以外は、実施例2と同様になしてE型粘度計の1rpmで粘度23000mPa・s、10rpmで4600mPa・s(25℃)の黒色インキを得た。
【0036】
以上、実施例1〜14、比較例1〜4で得たボールペン用水性インキ組成物について、下記の試験を行った。結果を表1に示す。
【0037】
(経時試験用及びペン先乾燥性のボールペンの作成)
ボールペンペン先を一端に連接したポリプロピレン製(内径φ3.0mm)の中空筒体よりなる透明なインキ収容管に、上記実施例1〜14、比較例1〜4で得たボールペン用水性インキ組成物をを0.8g充填し、その上部に逆流防止体を0.1g充填した後、ボールペンに遠心機にて遠心力を加え、インキ中の気泡を脱気して、試験用のボールペンを作成した。尚、実施例5及び実施例6で得たボールペン用水性インキ組成物は、使用した着色材の粒子径が大きいので、インキ吐出性を考慮して、直径が0.8mmのボールを用いたペン先を使用し、その他のボールペン用水性インキ組成物は、直径が0.5mmのボールを用いたペン先を使用した。
【0038】
(50℃経時試験)
条件:上記試験用ボールペンを50℃恒温室内にペン先を下向きで、1ヶ月及び2ヶ月放置する(50℃恒温室内に1ヶ月放置したボールペンのインキ減量は、室温に1年放置したもののインキ減量に相当する。)。
(熱冷サイクル試験)
条件:上記試験用ボールペンを50℃恒温室内にペン先を下向きで24時間放置後、−30℃に同様に24時間放置する。これを1サイクルとし、5サイクル行う。
方法:上記試験用ボールペンの作成直後、筆記状態を確認し、上記条件で保管した後、作成直後と同様の方法で筆記状態を確認した。尚、筆記には、上質紙(JIS P3201筆記用紙A)を用い、♀♀♀と、手書き筆記した。
【0039】
(ペン先乾燥性試験)
条件:経時試験とは別の試験用ボールペンを50℃恒温室内にキャップを外して横向きにし、3日間放置する。
方法:上記試験用ボールペンの作成直後、筆記状態を確認し、上記条件で保管した後、作成直後と同様の方法で筆記状態を確認した。尚、筆記には、上質紙(JIS P3201筆記用紙A)を用い、♀♀♀と、手書き筆記した。
【0040】
【表1】
【0041】
評価
◎:滑らかに、カスレることなく良好に筆記できる。
○:筆記はできるが、やや書き味が重くなる。
△:経時後、筆跡が濃くなり、重い書き味である。
×:筆記できない(顔料の凝集によるペン先詰まり)
【0042】
【発明の効果】
以上、詳細に説明したように、本発明に係るボールペン用水性インキ組成物は、長期経時後、着色材である顔料の沈降がなく品質が低下しない優れたものである。
Claims (4)
- 着色材と、マクロホモプシスガムと、水溶性有機溶剤と、水とを少なくとも含むことを特徴とするボールペン用水性インキ組成物。
- 更に、ロダン化物を含むことを特徴とする請求項1記載のボールペン用水性インキ組成物。
- 更に、ポリオキシエチレンラウリルエーテルリン酸の金属塩及び/又はアンモニウム塩を含み、前記着色材が顔料であることを特徴とする請求項1又は請求項2記載のボールペン用水性インキ組成物。
- 更に、糖アルコールを含むことを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載のボールペン用水性インキ組成物。
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