JP2001323198A - 孔版印刷用o/w/o型複合エマルションインキ - Google Patents

孔版印刷用o/w/o型複合エマルションインキ

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JP2001323198A
JP2001323198A JP2000144794A JP2000144794A JP2001323198A JP 2001323198 A JP2001323198 A JP 2001323198A JP 2000144794 A JP2000144794 A JP 2000144794A JP 2000144794 A JP2000144794 A JP 2000144794A JP 2001323198 A JP2001323198 A JP 2001323198A
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JP
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emulsion
emulsion ink
composite emulsion
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JP2000144794A
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Hiroshi Matsuda
宏 松田
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Riso Kagaku Corp
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Riso Kagaku Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 貯蔵安定性が良好であって、固化することに
よる版乾き及び印刷時のミスチングを起こすことがな
く、耐擦れ性、写真階調性、濃度感に優れ、濃度が高く
ても裏抜けが少ないO/W/O型複合エマルションイン
キとする。 【解決手段】 O/Wエマルションをアルキル変性カル
ボキシビニルポリマーおよび/またはカルボキシビニル
ポリマーを用いて、油相中に分散させる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、孔版印刷用エマル
ションインキに関し、詳しくは油中水中油型乳化インキ
(以下、O/W/O型複合エマルションインキという)
に関するものである。
【0002】
【従来の技術】孔版印刷方法は、孔版印刷用原紙の穿孔
部を介して原紙の一方の側より他方の側へインキを移動
させることにより、紙などの被印刷物面に印刷を行うも
のである。近年、孔版印刷の製版、自動化によってその
利便性が向上し、新たな用途にも広く用いられるように
なった。これらの孔版印刷インキとしては、従来、印刷
性、操作性の面からW/Oエマルションインキが多く用
いられており、通常、着色剤(色材)を樹脂で混練し、
さらに水を添加したエマルションインキが用いられてい
る。
【0003】しかし、孔版印刷の乾燥は、主に浸透乾燥
と蒸発乾燥によるため、印刷物が擦れやすいという問題
があった。
【0004】このような問題に対し、特開平8−311
387号には、水相中にO/W型アクリルエマルション
(油中水型アクリルエマルション)を添加した孔版印刷
インキが開示されている。しかし、単にO/W型アクリ
ルエマルションを水相中に配合しただけの孔版印刷イン
キは、印刷機で印刷するとミスチングが生じやすい。ま
た、O/W型アクリルエマルションを大量に添加すると
印刷機内部やドラムの中でインキが固化して版詰まりを
生じるため、O/W型アクリルエマルションの配合量に
は限界がある。また、溶剤および水が浸透する際に色材
も同時に浸透するため、本来、印刷濃度に寄与すべき色
材が、印刷用紙内部にまで浸透して裏抜けを起こし、さ
らに濃度階調の表現性、特に写真原稿で印刷した際の濃
度階調表現力を低下させる傾向にあった。
【0005】上記の特開平8−311387号は、いわ
ゆるO/W/O型孔版印刷用エマルションインキである
が、このような複合型孔版印刷用エマルションインキと
しては、他に、特開平8−311384号に、着色剤を
ポリマー微粒子に内包した孔版印刷インキ用ポリマー微
粒子についての記載がなされているのみである。これ
は、耐光性、耐熱性、耐溶剤性などにおいて優れていな
がら、インキの貯蔵安定性に悪影響を及ぼすため孔版イ
ンキとしては使用できないような着色剤をポリマー微粒
子に内包することによって、貯蔵安定性に優れた孔版印
刷インキの製造を可能としたものである。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】一般に、孔版印刷イン
キは良好な浸透性を必要とするために、W/O/Wエマ
ルションのように水相にW/O型乳化粒子を分散させた
ものよりも、最外相が油相である、すなわち油相にO/
W型乳化粒子を分散させたO/W/Oエマルションのほ
うが好ましい。しかし、O/W型乳化粒子を内相に含ん
だO/W/O型複合エマルションを作成するためには、
粒子系の小さいO/W型エマルションを得る必要がある
とともに、O/W型エマルションを安定に保持させるこ
とが必要である。
【0007】また、単に物理的にO/W/O型複合エマ
ルションインキが作成できても、インキが固化すること
による版乾きや印刷時のミスチングが起こりにくく、耐
擦れ性等に優れた孔版印刷に適したインキを得ることは
できない。さらに、孔版印刷インキの分野においてこの
ような点を検討したO/W/O型複合エマルションイン
キの報告はなされていない。
【0008】本発明は、上記事情に鑑みなされたもので
あり、貯蔵安定性が良好であって、固化することによる
版乾き及び印刷時のミスチングを起こすことなく、耐擦
れ性、写真階調性、濃度感に優れ、濃度が高くても裏抜
けが少ないO/W/O型複合エマルションインキを提供
することを目的とするものである。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明の孔版印刷用O/
W/O型複合エマルションインキは、少なくとも、アル
キル変性カルボキシビニルポリマーおよび/またはカル
ボキシビニルポリマーと、油相成分と、水相成分とを含
むことを特徴とするものである。
【0010】前記O/W/O型複合エマルションインキ
は、水中油型乳化組成物(O/Wエマルション)をさら
に油相中に乳化分散させたものであるが、このO/W分
散粒子の粒子サイズは、0.1〜100μmであること
が好ましく、より好ましくは0.3〜50μm、さらに
は0.5〜3μmであることが好ましい。
【0011】前記インキは、さらに非イオン系界面活性
剤を含むものであることが好ましく、その含有量は、前
記インキ全量の0.1〜5重量%であることが好まし
く、0.3〜3重量%であることがより好ましい。
【0012】前記アルキル変性カルボキシビニルポリマ
ーおよび/または前記カルボキシビニルポリマーの含有
量は、前記インキ全量の0.01〜1重量%であること
が好ましく、0.05〜1重量%であることがより好ま
しい。
【0013】前記油相成分は、樹脂を含有することが好
ましく、樹脂はアルキド樹脂であることがより好まし
い。
【0014】
【発明の効果】本発明の孔版印刷用O/W/O型複合エ
マルションインキは、アルキル変性カルボキシビニルポ
リマーおよび/またはカルボキシビニルポリマーを含む
ので、安定でチキソトロピー性の強い微細なO/W型エ
マルションを形成することができ、また、油相にO/W
型エマルションを安定かつ均一に分散させることが可能
である。従って、貯蔵安定性に優れた孔版印刷用エマル
ションインキとすることができる。
【0015】すなわち、アルキル変性カルボキシビニル
ポリマーおよび/またはカルボキシビニルポリマーは、
最外油相と水相との間、水相と最内油相それぞれの2相
界面でマイクロカプセル状のエマルションを形成してい
るため、安定でチキソトロピー性の強いエマルションを
形成することが可能となり、貯蔵安定性を向上させるこ
とができると考えられる。
【0016】また、本発明の孔版印刷用O/W/O型複
合エマルションインキは、アルキル変性カルボキシビニ
ルポリマーおよび/またはカルボキシビニルポリマーが
O/Wの界面を形成しているので、定着性に優れ、イン
キが固化することによる版乾きや印刷時のミスチングが
起こりにくく、また、耐擦れ性、写真階調性、濃度感に
優れ、さらに濃度が高くても裏抜けが起こることが少な
い等といった優れた特性を有する孔版印刷用インキとす
ることができる。これは、アルキル変性カルボキシビニ
ルポリマーおよび/またはカルボキシビニルポリマーの
マイクロカプセル状のエマルションが、紙にインキが移
行すると速やかに崩壊するため、水相の界面からの離脱
が早くなり、インキの浸透や色材の定着性を向上させる
ことができると考えられる。
【0017】なお、さらに非イオン系界面活性剤を含む
エマルションインキである場合には、最外相(油相)と
中間層(水相)との界面をより安定に形成することがで
きるので、貯蔵安定性や定着性等をより向上させること
ができる。
【0018】また、アルキル変性カルボキシビニルポリ
マーおよび/またはカルボキシビニルポリマーや非イオ
ン系界面活性剤の添加量により、エマルションサイズの
調整を容易に行うことが可能となる。
【0019】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態につい
て説明する。本発明の孔版印刷用エマルションインキ
は、少なくともアルキル変性カルボキシビニルポリマー
および/またはカルボキシビニルポリマーと、油相成
分、水相成分とからなる。
【0020】アルキル変性カルボキシビニルポリマーお
よびカルボキシビニルポリマーは、いずれかを単独で用
いてもよいし、また2種類を適宜組み合わせて用いても
よい。
【0021】アルキル変性カルボキシビニルポリマーお
よび/またはカルボキシビニルポリマーの配合量は、O
/W/O型複合エマルションインキの全量に対して、
0.01〜1重量%であることが好ましく、0.05〜
1重量%であることがより好ましい。0.01重量%未
満では乳化しにくく、1重量%を越えて配合しても乳化
作用および乳化安定性の向上効果は期待できない。アル
キル変性カルボキシビニルポリマーおよびカルボキシビ
ニルポリマーは、中間層の水相に含有させる。
【0022】カルボキシビニルポリマーの市販品として
は、例えばカーボポール(Carbopol)シリーズ
(BFGoodrich社製)、AqupecHV−5
01シリーズ(住友精化製)、ジュンロンPWシリーズ
(日本純薬製)、ハイビスワコーシリーズ(和光純薬
製)や、カルボキシビニルポリマーカルシウム・カリウ
ム塩であるユニセーフECT−203(日本油脂製)を
あげることができ、特にカーボポール(Carbopo
l)シリーズを好ましく用いることができる。
【0023】また、アルキル変性カルボキシビニルポリ
マーの市販品としては、例えばペミュレン(Pemul
en)TR−1、ペミュレンTR−2(いずれもBFG
oodrich社製)等を好ましく用いることができ
る。
【0024】油相成分には、樹脂、溶媒、着色剤等を含
有させることができる。但し、水相成分に着色剤を含有
させる場合には、油相成分から着色剤を除くことができ
る。
【0025】O/W/O型複合エマルションインキで
は、外油相中に分散された水相中にさらに内油相が分散
した構造であるが、最内相の油相には、色剤と定着能を
有する樹脂とを含有させ、最外相の油相には非イオン系
界面活性剤を含有させることが好ましい。このように最
外相の油相に非イオン系界面活性剤を含有させることに
より、O/W/Oエマルションの貯蔵安定性を向上させ
ることが可能となる。また、インキの紙への浸透は最外
相の油相を境界面として進行するため、最外相の油相に
非イオン系界面活性剤を含有させることで最外相の油相
と紙との親和性が高まり、O/W/Oエマルションイン
キの紙への浸透を向上させることができる。
【0026】樹脂としては、ポリアミド樹脂、ウレタン
樹脂、アルキド変性フェノール樹脂、ロジンエステル樹
脂、ロジン変性アルキド樹脂、ロジン変性フェノール樹
脂、アルキド樹脂、石油樹脂、油脂化合物、変性油脂化
合物、ギルソナイト、ポリブタジエン、水添ポリブタジ
エン、アクリル樹脂、メラミン樹脂、尿素樹脂、フェノ
ール樹脂、シリコーン樹脂、エポキシ樹脂、セルロース
樹脂、マレイン酸樹脂、重合ロジンエステル、テルペン
樹脂、大豆油変性アルキド樹脂等を用いることが好まし
い。油相成分中の樹脂は、着色剤の分散性をより向上さ
せ、印刷用紙にこれらを固着する作用を有する。
【0027】溶媒としては、孔版印刷インキ用途に用い
ることが知られている溶媒であれば不揮発性溶剤、揮発
性溶剤いずれも使用することができ、不揮発性溶剤とし
てはたとえばモーターオイル、スピンドル油、マシン
油、流動パラフィン、アロマフリーソルベント等の鉱物
油系の溶剤、オリーブ油、大豆油、ココナツ油、トール
油、ひまし油、脱水ひまし油、サフラワー油等の植物油
を用いることができる。また揮発性溶剤としては、芳香
族炭化水素系溶剤、脂肪族炭化水素系溶剤、芳香族炭化
水素および脂肪族炭化水素の混合溶剤、パラフィン系炭
化水素溶剤、イソパラフィン系炭化水素溶剤、ナフテン
系炭化水素溶剤等があげられる。孔版印刷は、その汎用
性から学校、官公庁等の一般消費者向けが多いため、安
全性や衛生面からは、これらの溶媒中の中でも脂肪族系
炭化水素溶剤がより好ましい。
【0028】上記の溶媒は、単独で用いてもよいし、適
宜混合して用いてもよい。混合して用いる場合として
は、例えば、スピンドル油と脂肪族炭化水素系溶剤との
混合用媒、スピンドル油と脂肪族炭化水素系溶剤とひま
し油等があげられる。不揮発性溶剤と揮発性溶剤を適宜
混合して用いる場合には、不揮発性溶剤/揮発性溶剤の
混合割合は、エマルションインキの油相と水相の配合比
率により異なるが、重量比で50〜95/50〜5重量
%の範囲とすることが好ましい。
【0029】着色剤としては、各種色調の公知の顔料、
染料を用いることができ、顔料としては、例えばアゾ
系、フタロシアニン系、染料系、縮合多環系、ニトロ
系、ニトロソ系等の有機顔料(ブリリアントカーミン6
B、レーキレッドC、ウォッチングレッド、ジスアゾイ
エロー、ハンザイエロー、フタロシアニンブルー、フタ
ロシアニングリーン、アルカリブルー、アニリンブラッ
クなど)の他、コバルト、鉄、クロム、銅、亜鉛、鉛、
チタン、バナジウム、マンガン、ニッケルなどの金属
類、金属酸化物、および硫化物、並びに、ファーネスカ
ーボンブラック、ランプブラック、チャンネルブラック
などのカーボンブラック類、黄土、群青、紺青などの無
機顔料が用いられる。
【0030】最外相の油相成分には、最外相と中間層
(水相)との界面をより安定に形成するため、非イオン
系界面活性剤を添加することが好ましい。非イオン系界
面活性剤としては、ヘキサオレイン酸ヘキサグリセリ
ル、ポリリシノール酸ヘキサグリセリル、ソルビタン高
級脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタン高級
脂肪酸エステル、脂肪酸モノグリセリド、脂肪酸ジグリ
セリド、高級アルコール、アルキルフェノール、脂肪
酸、ポリオキシエチレン2〜30モル付加(以下POE
(2〜30)と略して記載)オレインエーテル、POE
(2〜35)ステアリルエーテル、POE(2〜20)
ラウリルエーテル、POE(1〜20)アルキルフェニ
ルエーテル、POE(6〜18)ベヘニルエーテル、P
OE(5〜25)2−デシルペンタデシルエーテル、P
OE(3〜30)2−デシルテトラデシルエーテル、P
OE(8〜16)2−オクチルデシルエーテル等のエー
テル型活性剤、POE(4〜60)硬化ヒマシ油、PO
E(3〜14)脂肪酸モノエステル、POE(6〜3
0)脂肪酸ジエステル、POE(5〜20)ソルビタン
脂肪酸エステル等のエステル型活性剤、POE(2〜3
0)グリセリルモノイソステアレート、POE(10〜
60)グリセリルトリイソステアレート、POE(7〜
50)硬化ヒマシ油モノイソステアレート、POE(1
2〜60)硬化ヒマシ油トリイソステアレート等のエー
テルエステル型活性剤等のエチレンオキシド付加型界面
活性剤、デカグリセリルテトラオレート、ヘキサグリセ
リルトリイソステアレート、ジグリセリルジイソステア
レート、グリセリルモノオレエートといったグリセリン
脂肪酸エステル等の多価アルコール脂肪酸エステル型界
面活性剤があげられる。上記の非イオン系界面活性剤は
単独で用いてもよいし、または適宜混合して用いてもよ
い。
【0031】また、油相中および/または水相中に、体
質顔料を含有させてもよい。体質顔料としては、従来公
知のものを採用することができ、水に不溶な微粒子であ
れば得に限定されるものではない。例えば、白土、タル
ク、クレー、ケイソウ土、炭酸カルシウム、硫酸バリウ
ム、酸化チタン、アルミナホワイト、シリカ、カオリ
ン、マイカ、水酸化アルミニウムなどの無機微粒子、ポ
リアクリル酸エステル、ポリウレタン、ポリエステル、
ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ塩化ビニル、ポリ
塩化ビニリデン、ポリスチレン、ポリシロキサン、フェ
ノール樹脂、エポキシ樹脂、ベンゾグアナミン樹脂など
の有機微粒子またはこれらの共重合体からなる微粒子を
利用することができる。
【0032】O/W/O型孔版印刷用エマルションイン
キの中間層の水相成分には、水の他、電解質、水蒸発抑
制剤、水溶性高分子、防腐剤、防黴剤、酸化防止剤、p
H調整剤等を適宜溶解または混合して用いることができ
る。また、油相成分に着色剤を含有させない場合には、
水相成分に含有させることができ、用いる着色剤として
は、上記油相成分で用いたものと同様の着色剤を用いる
ことができる。
【0033】また、印刷時の印刷用紙と印刷ドラムとの
分離を良くするため、あるいは印刷用紙の巻き上がり防
止のために、油相にはワックスを添加することができ
る。また、アルキル変性カルボキシビニルポリマー、カ
ルボキシビニルポリマー自体は酸性物質であるが、この
高分子物質のもつ機能をより高めるために中和剤により
最適なpHに調整することが好ましい。中和剤としては
水酸化ナトリウム、硼砂などのアルカリを用いることが
できる。
【0034】図1は、本発明のO/W/O型複合エマル
ションインキの概略模式図である。O/W/O型複合エ
マルションインキは、油相1(最外相)中に分散した水
滴粒子2(中間層)の中にさらに分散油滴3(最内相)
を含むもの、すなわち、水滴粒子2中に油滴3を含むO
/W型エマルションインキが油相1に分散されたもので
ある。このO/W/O型複合エマルションインキは、予
備調整したO/W型エマルションインキを、親油性界面
活性剤(HLB値1〜3程度の非イオン系界面活性剤)
を含む油相に攪拌しながら滴下する二段階乳化法により
作成することが好ましい。以下、本発明を実施例により
さらに詳しく説明する。
【0035】
【実施例】(実施例1)予め、アルキル変性カルボキシ
ルビニルポリマー(ペミュレンTR−2:BFGood
rich社製)0.2重量部を0.1N水酸化ナトリウ
ム水溶液(水相62.8重量部はここに含まれる)に分
散させ、ディゾルバーで攪拌しながらアクリルエマルシ
ョン(O/W)(アクリディックA−138:DIC社
製)を2重量部添加して、O/WエマルションAを作成
した。
【0036】次に、顔料としてカーボンブラック(MA
−100:三菱化学(株)製)6重量部、非イオン系界
面活性剤としてHG−50(二ッコール社製)を0.5
重量部、樹脂としてアルキド樹脂(RS1009GV:
ハリマ化成)を17重量部、溶剤としてAF−4(日石
三菱(株)製)11.5重量部を充分混合し、三本ロー
ルミルで練肉し分散体Aとした。分散体Aをディゾルバ
ーで攪拌しながら、準備したO/WエマルションAを添
加して、O/W/O型の孔版印刷用エマルションインキ
を得た。
【0037】(実施例2)非イオン系界面活性剤として
HG−PR−15(二ッコール社製)を用い、表1に示
す配合とした以外は、実施例1と同様にしてO/W/O
型の孔版印刷用エマルションインキを得た。
【0038】(実施例3)予め、カルボキシルビニルポ
リマー(カーボポール980:BFGoodrich社
製)0.2重量部を0.1N水酸化ナトリウム水溶液
(水相64.5重量部はここに含まれる)に分散させ、
ディゾルバーで攪拌しながらアクリルエマルション(O
/W)を1重量部添加して、O/WエマルションBを作
成した。
【0039】次に、顔料としてカーボンブラック6重量
部、アルキル変性カルボキシルビニルポリマー0.3重
量部、樹脂としてアルキド樹脂を17重量部、溶剤AF
−4を11重量部、充分混合し、三本ロールミルで練肉
し分散体Bとした。
【0040】分散体Bに、ディゾルバーで攪拌しながら
O/WエマルションBを添加して、O/W/O型の孔版
印刷用エマルションインキを得た。
【0041】(実施例4)アルキル変性カルボキシルビ
ニルポリマーのかわりに、カルボキシルビニルポリマー
を用い、配合を表1に示す配合とした以外は、実施例1
と同様にしてO/W/O型の孔版印刷用エマルションイ
ンキを得た。
【0042】(実施例5)アルキド樹脂のかわりにロジ
ン変性フェノール樹脂(ハリフェノールP−160:ハ
リマ化成(株)製)を用い、配合を表1に示す配合とした
以外は、実施例2と同様にしてO/W/O型の孔版印刷
用エマルションインキを得た。
【0043】(実施例6)カーボンブラックのかわり
に、銅フタロシアニンGFR(大日本インキ(株)製)
を、アルキド樹脂のかわりにロジン変性フェノール樹脂
を用い、配合を表1に示す配合とした以外は、実施例3
と同様にしてO/W/O型の孔版印刷用エマルションイ
ンキを得た。
【0044】(実施例7)カーボンブラックのかわり
に、銅フタロシアニンGFRを用い、配合を表1に示す
配合とした以外は、実施例1と同様にしてO/W/O型
の孔版印刷用エマルションインキを得た。
【0045】(実施例8)カーボンブラックのかわり
に、銅フタロシアニンGFRを、非イオン系界面活性剤
としてHG−PR−15を用い、配合を表1に示す配合
とした以外は、実施例4と同様にしてO/W/O型の孔
版印刷用エマルションインキを得た。
【0046】
【表1】 (比較例1)アルキル変性カルボキシルビニルポリマー
を用いず、配合を表2に示す配合とした以外は、実施例
1と同様にしてO/W/O型の孔版印刷用エマルション
インキを得た。
【0047】(比較例2)アルキル変性カルボキシルビ
ニルポリマーを用いず、配合を表2に示す配合とした以
外は、実施例2と同様にしてO/W/O型の孔版印刷用
エマルションインキを得た。
【0048】(比較例3)アルキド樹脂のかわりにロジ
ン変性フェノール樹脂を用い、配合を表2に示す配合と
した以外は、実施例4と同様にしてO/W/O型の孔版
印刷用エマルションインキを得た。
【0049】(比較例4)非イオン系界面活性剤として
HG−PR−15を用い、表2に示す配合とした以外
は、実施例7と同様にしてO/W/O型の孔版印刷用エ
マルションインキを得た。
【0050】(比較例5)アルキド樹脂のかわりにロジ
ン変性フェノール樹脂を用い、配合を表2に示す配合と
した以外は、実施例8と同様にしてO/W/O型の孔版
印刷用エマルションインキを得た。
【0051】(比較例6)アルキル変性カルボキシルビ
ニルポリマーを用いず、配合を表2に示す配合とした以
外は、実施例7と同様にしてO/W/O型孔版印刷用エ
マルションインキを得た。
【0052】
【表2】 (試験および評価方法)実施例1〜8および比較例1〜
6で得られたO/W/O型の孔版印刷用エマルションイ
ンキの貯蔵安定性を、70℃促進試験(10週間)、5
0℃促進試験(10週間)、12時間毎に50℃−20
℃で貯蔵するサイクル試験(10日間)それぞれにより
評価した。評価は、目視によりインキに分離が見られな
い場合を○、多少でも油はきが見られた場合を×とし
た。
【0053】また、実施例1〜8および比較例1〜6で
得られたW/O型の孔版印刷用エマルションインキを用
いて、孔版印刷機リソグラフFR395(理想科学工業
(株)製)により孔版印刷を行った。印刷用紙は理想用紙
薄口(理想科学工業(株)指定商品)とした。印刷結果に
ついては、ミスチング、定着性、濃度、裏抜け、写真階
調性において評価を行った。ミスチングは、ミスチング
が殆ど起きなかった場合を○、ミスチングがかなり起き
た場合を×とした。定着性は、印刷後、室温にて1日印
刷した用紙を放置した後、クロックメーターにて擦り、
目視により観察して擦れが殆ど無い場合を○、擦れが多
少ある場合を△、擦れが目立つ場合を×とした。濃度
は、孔版印刷機で印刷後、印刷物のベタ部分の印刷濃度
をOD計(マクベス(株)製)により測定した。裏抜けは
孔版印刷機で印刷後、印刷物のベタ部分の裏面をOD計
により測定した。写真階調性は、15階調のグレイスケ
ールを印刷原稿に用いて製版し、得られた印刷画像の各
階調毎で印刷濃度変化の状態が良好な場合を○、悪い場
合を×として目視により評価した。結果を表3に示す。
【0054】
【表3】 表3から明らかなように、実施例1〜8の孔版印刷用エ
マルションインキは、いずれも貯蔵安定性が高く、イン
キが固化することによる版乾きやミスチングが起こりに
くく、定着性すなわち耐擦れ性等に優れていた。
【0055】また、実施例1〜8と比較例1〜6の濃度
と裏抜けの評価から明らかなように、本発明の孔版印刷
用エマルションインキは、濃度が高くても裏抜けが起こ
ることがきわめて少なかった。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のO/W/O型複合エマルションインキ
の概略模式図
【符号の説明】
1 油相 2 水相(水滴粒子) 3 油相
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 2H113 AA05 BA09 BC00 BC01 BC02 BC10 DA49 DA50 DA56 DA60 EA08 EA10 FA38 4J039 AB02 AB03 AB08 AD01 AD09 AD14 AD20 AE02 AE03 AE04 AE05 AE06 AE08 AE11 BD02 BE12 BE22 CA06 CA07 EA36 EA42 EA43 EA44 GA04

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 少なくとも、アルキル変性カルボキシビ
    ニルポリマーおよび/またはカルボキシビニルポリマー
    と、油相成分と、水相成分とを含むことを特徴とする孔
    版印刷用O/W/O型複合エマルションインキ。
  2. 【請求項2】 前記インキのO/W分散粒子の粒子サイ
    ズが0.1〜100μmであることを特徴とする請求項
    1記載の孔版印刷用O/W/O型複合エマルションイン
    キ。
  3. 【請求項3】 前記インキがさらに非イオン系界面活性
    剤を含むものであることを特徴とする請求項1または2
    記載の孔版印刷用O/W/O型複合エマルションイン
    キ。
  4. 【請求項4】 前記非イオン系界面活性剤の含有量が、
    前記インキ全量の0.1〜5重量%であることを特徴と
    する請求項3記載の孔版印刷用O/W/O型複合エマル
    ションインキ。
  5. 【請求項5】 前記アルキル変性カルボキシビニルポリ
    マーおよび/または前記カルボキシビニルポリマーの含
    有量が、前記インキ全量の0.01〜1重量%であるこ
    とを特徴とする請求項1から4いずれか1項記載の孔版
    印刷用O/W/O型複合エマルションインキ。
  6. 【請求項6】 前記油相成分が樹脂を含有することを特
    徴とする請求項1から5いずれか1項記載の孔版印刷用
    O/W/O型複合エマルションインキ。
  7. 【請求項7】 前記樹脂がアルキド樹脂であることを特
    徴とする請求項6記載の孔版印刷用O/W/O型複合エ
    マルションインキ。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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