JP5557445B2 - 水性ボールペン用インキ組成物 - Google Patents

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本発明は水性ボールペン用インキ組成物に関し、さらに詳細としては、書き味、筆跡の耐擦過性および非浸透面への濡れ性が良好な水性ボールペン用インキ組成物に関するものである。
従来より、書き味やカスレ等の筆跡を良好にするために、潤滑性などを向上するために、界面活性剤などの潤滑剤を含有することはよく知られている。このような添加剤としては、フッ素系、シリコン系界面活性剤、ジアルキルスルホコハク酸塩などを含有する水性インキ組成物が提案されている。
特開昭61−235479号「顔料水性インキ」には、フッ素系界面活性剤を含有したもの、特公昭61−29229号「水性ボールペン用インキ」には、フッ素系界面活性剤、または、シリコン系界面活性剤を含有したもの、さらには、特開2004−346181号「水性ボールペン用インキ」には、フッ素系界面活性剤とシリコン系界面活性剤を併用した水性ボールペン用インキ組成物が開示されている。
また、ジアルキルスルホコハク酸塩を含有したものとしては、特開平10−25442号「水性消去性マーキングペンインキ」には、顔料分散安定性を高めるために、ジオクチルスルホコハク酸塩を含有したもの、WO98/26015号「擬塑性水性ボールペン用インキ」には、筆記紙面の浸透を高めるために、ジオクチルスルホコハク酸塩を含有した水性ゲルボールペン用インキ組成物が開示されている。
「特開昭61−235479号公報」 「特公昭61−29229号公報」 「特開2004−346181号公報」 「WO98/26015号公報」
しかしながら、特許文献1、2では、フッ素系、または、シリコン系界面活性剤を含有したもの、特許文献3では、フッ素系、シリコン系界面活性剤を併用した水性ボールペン用インキ組成物が提案されているが、潤滑性が足りず、書き味が劣り、筆跡にカスレ等も発生する問題を抱えていた。
また、特許文献4の、擬塑性水性インキを用いたものでは、濡れ性も足りないため、プラスチック、金属等の非浸透面に対して、筆記することができない問題を抱えていた。
本発明の目的は、紙面および非浸透面に筆記可能で、書き味、非浸透面への濡れ性、紙面への浸透性が良好である水性ボールペン用インキ組成物を提供することである。
本発明は、上記課題を解決するために、
「1.少なくとも水、着色剤、リン酸エステル系界面活性剤、ジアルキルスルホコハク酸塩を含有してなる水性ボールペン用インキ組成物であって、前記ジアルキルスルホコハク酸塩を、インキ組成物全質量に対し、0.01〜5.00質量%含有し、前記リン酸エステル系界面活性剤が、ラウリルアルコール系、トリデシルアルコール系、アルキル基の炭素数が8であるアルコール系の中からいずれか1種以上のリン酸エステル系界面活性剤を選択し、20℃、剪断速度384.0sec−1におけるインキ粘度が、1〜40mPa・sであり、前記水性ボールペン用インキ組成物のpH値が5〜10であることを特徴とする水性ボールペン用インキ組成物。
2.前記水性ボールペン用インキ組成物に、シリコン系界面活性剤及び/またはアセチレングリコール系界面活性剤を含有することを特徴とする第1項に記載の水性ボールペン用インキ組成物。
3.前記水性ボールペン用インキ組成物に、20℃における蒸気圧が、0.5〜10.0kPaであるアルコール系溶剤を含有することを特徴とする第1項または第2項に記載の水性ボールペン用インキ組成物。
4.前記水性ボールペン用インキ組成物の20℃における表面張力が、20mN/m〜30mN/mであることを特徴とする第1項ないし第3項の何れか1項に記載の水性ボールペン用インキ組成物。」である。
本発明は、少なくとも水、着色剤、リン酸エステル系界面活性剤、ジアルキルスルホコハク酸塩を含有することで、紙面および非浸透面に筆記可能で、書き味、非浸透面への濡れ性、紙面への浸透性が良好である水性ボールペン用インキ組成物を提供することができた。
本発明の特徴は、リン酸エステル系界面活性剤とジアルキルスルホコハク酸塩を併用することである。
リン酸エステル系界面活性剤は、リン酸基が、チップ本体などに対して吸着するため、ボールとチップ本体との潤滑性を高め、滑らかな筆感を得ることができるため、書き味を向上するために用いている。
しかし、リン酸エステル系界面活性剤を単独で用いた場合では、非浸透面への十分な濡れ性および耐擦過性が得られなかった。これは、インキの表面張力が高いと、非浸透面への濡れ性は勿論のこと、紙面への浸透性が悪くなるためであるが、リン酸エステル系界面活性剤だけでは、表面張力を十分に低下しずらい傾向であるためと考えられる。
そのため、本願発明は、インキの表面張力を下げるジアルキルスルホコハク酸塩を含有することで、非浸透面への濡れ性を高め、さらに紙面への浸透性を高めることで、耐擦過性を良好とするものである。特に、プラスチック、金属材料等の非浸透面においては、筆記可能とするには、インキの濡れ性を高めることが必須である。
また、ジアルキルスルホコハク酸塩は、ドライアップ性能も良好となる傾向があり、好ましく用いることができる。
ジアルキルスルホコハク酸塩の含有量は、インキ組成物全量に対し、0.01質量%より少ないと、表面張力を十分に下げる効果が得られず、5.00質量%を越えると、筆跡に滲みが発生したり、インキ経時が不安定となるため、インキ組成物全量に対し、0.01〜5.00質量%が好ましい。より好ましくは、インキ組成物全量に対し、0.01〜2.00質量%である。最も好ましくは0.10〜0.50質量%である。
ジアルキルスルホコハク酸塩の具体例としては、ネオコールSW−C、ネオコールYSW−CE、ネオコールYSK(第一工業製薬(株))、ペレックスOT−P、ペレックスTR、ペレックスCS、ペレックスTA(花王(株))、エアロールOB−70(東邦化学工業(株))、エアロゾ−ルMA−80、エアロゾ−ルAY−100(三井サイアナミド(株))、アデカコールEC((株)アデカ)等が挙げられる。
本発明で用いるリン酸エステル系界面活性剤には、スチレン化フェノール系、ノニルフェノール系、ラウリルアルコール系、トリデシルアルコール系、短鎖アルコール系、ジノニルフェノール系、オクチルフェノール系等の複数の種類が挙げられる。
また、リン酸エステル系界面活性剤としては、ポリオキシエチレンアルキルエーテル又はポリオキシエチレンアルキルアリールエーテルのリン酸モノエステル、ポリオキシエチレンアルキルエーテル又はポリオキシエチレンアルキルアリールエーテルのリン酸ジエステル、リン酸トリエステル、或いはその誘導体等があるが、これらのリン酸エステル系界面活性剤は、単独又は2種以上混合して使用してもよい。その中でもインキ経時安定性を考慮すれば、(化1)のような一般式で表されるポリオキシエチレンアルキルエーテル又はポリオキシエチレンアルキルアリールエーテルのリン酸モノエステル、リン酸ジエステルを用いることが好ましい。
Figure 0005557445
[式中、Rはアルキル又はアルキルアリル基を、nはエチレンオキサイド付加モル数を、R ’はHまたはRO(CHCHO)基を示す。]
(化1)のようなリン酸エステル系界面活性剤の種類としては、スチレン化フェノール系、ノニルフェノール系、ラウリルアルコール系、トリデシルアルコール系、オクチルフェノール系、短鎖アルコール系等が上げられる。さらに、この中でも、より優れた潤滑性やインキ経時安定性を考慮すると、アルコール系のラウリルアルコール系、トリデシルアルコール系、短鎖アルコール系を用いることが、最も好ましい。
(化1)のような一般式で表されるリン酸エステル系界面活性剤の具体例としては、プライサーフシリーズ(第一工業製薬(株))の中から、プライサーフA212C(HLB値9、トリデシルアルコール系)、同A210G(HLB値9、オクチルフェノール系)、同A207H(HLB値7、ジノニルフェノール系)、同AL(HLB値5、スチレン化フェノール系)、同A208B(HLB値6、ラウリルアルコール系)、同A213B(HLB値12、ラウリルアルコール系)、同A208S(HLB値7、合成アルコール系)、同A208F(HLB値9、短鎖アルコール系)、同A212E(HLB値10、ノニルフェノール系)、同A215C(HLB値11、トリデシルアルコール系)等が挙げられる。これ等のリン酸エステル系界面活性剤は、単独又は2種以上混合して使用してもよい。
尚、HLBは、一般式として、HLB=7+11.7log(Mw/Mo)、(Mw;親水基の分子量、Mo;親油基の分子量)から求めることができる。
また、リン酸エステル系界面活性剤の含有量は、0.1質量%未満になると所望の書き味が得られず、含有量が5.0質量%を超えるとインキ経時安定性が劣る可能性があるので、インキ組成物全質量に対し0.1質量%〜5.0質量%にすることが好ましい。より好ましくは、0.5〜3.0質量%である。最も好ましくは0.5〜2.0質量%である。
また、ジアルキルスルホコハク酸塩は、起泡性を有する性質がある。そこで、シリコン系界面活性剤および/またはアセチレングリコール系界面活性剤は、生産工程時に気泡抑制をする効果があり、生産性を向上することが可能となるため、消泡効果があるシリコン系界面活性剤および/またはアセチレングリコール系界面活性剤を含有する方が好ましい。
さらに、非浸透面での筆記性能には、濡れ性がより優れる性能が求められる。シリコン系界面活性剤および/またはアセチレングリコール系界面活性剤は、インキの表面張力を小さくすることで、金属、ガラス、プラスチック材料等の非浸透面上への筆記が良好となる濡れ性向上剤としての効果もある。そのため、ジアルキルスルホコハク酸塩と併用して用いることで、非浸透面への濡れ性をより向上することが可能であるため、より好ましい。
シリコン系界面活性剤としては、経時安定性のある非反応性シリコーンオイルが好ましく、ポリエーテル変性、メチルスチリル変性、アルキル変性、高級脂肪酸エステル変性、親水性特殊変性、フッ素変性、ジメチル、メチルフェニルなどのシリコーンオイル等が挙げられる。その中でも、水との溶解性、経時安定性、消泡性、潤滑性を考慮すれば、ポリエーテル変性のシリコーンオイルが最も好ましい。
また、アセチレングリコール系界面活性剤は、分子構造として炭素−炭素間の3重結合もあり、非常に安定したグリコール系の界面活性剤なので、経時安定性が良好であるため、より好ましい。
ポリエーテル変性のシリコーンオイルの具体例としては、X−22−4959、X−22−4966、KF351、KF-352、KF -353、KF-354、KF-355、KF -615、KF-618、KF−642、KF643、KF945、KF−6004(信越化学工業(株))、SILWETL−720、FZ−2104、FZ−2191、同L−7001、同L−7002、同Y−7006、L−7600、L−7607(日本ユニカー(株))、TSF4445(東芝シリコーン(株))が挙げられる。 アセチレングリコール系界面活性剤の具体例としては、ダイノール604、サーフィノール104H、同104A、同104BC、同104DPM、同104PA、同104S、同420、同440、同SE、同SE−F、同61等(エアープロダクツ ジャパン(株)社製)が挙げられる。これらは、単独又は2種以上混合して使用してもよい。
シリコン系界面活性剤および/またはアセチレングリコール系界面活性剤の含有量は、インキ組成物全量に対し、0.01質量%より少ないと、非浸透面へ濡れ性の向上が得られず、3.00質量%を越えると、インキ経時が不安定になり易いため、インキ組成物全量に対し、0.01〜3.00質量%が好ましい。より好ましくは、インキ組成物全量に対し、0.01〜1.50質量%である。最も好ましくは0.10〜0.50質量%である。
ところで、プラスチック、金属材料等の非浸透面上への筆記可能なボールペンが求められるため、非浸透面での筆記性能には、紙面に比べ、非浸透面上への濡れ性が優れる性能が求められる。
こうした紙面および非浸透面での筆記を考慮すると、20℃、剪断速度384.0sec−1(回転数100rpm)において、インキ粘度が1mPa・s未満では、紙面上では、筆跡の滲みが顕著となり、また、40mPa・sを越えると、ジアルキルスルホコハク酸塩による浸透性向上や、非浸透面への濡れ性向上の効果が得られず、筆跡カスレ等が発生し、特に、プラスチック、金属材料等の非浸透面においては顕著に現れ、筆跡カスレ、中抜けが発生する。そのため、インキ粘度を1〜40mPa・sにする必要がある。さらに好ましくは、インキ粘度が5〜30mPa・sである。最も好ましくは、インキ粘度が8〜20mPa・sである。
また、有機溶剤として、水分の溶解安定性、水分蒸発乾燥防止等を考慮し、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、プロピレングリコール、ポリエチレングリコール、グリセリンなどのグリコール類、メタノール、エタノール、1−プロパノール、2−プロパノール、イソプロパノール、イソブタノール、t−ブタノール、プロパギルアルコール、アリルアルコール、3−メチル−1−ブチン−3−オール、エチレングリコールモノメチルエーテルアセタートやその他の高級アルコール等のアルコール類、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、3―メトキシブタノール、3―メトキシー3―メチルブタノール等のグリコールエーテル類などが挙げられる。
その中でも、筆跡乾燥性を考慮すると、20℃の蒸気圧が0.5〜10.0kPaであるアルコール系溶剤を用いる方が好ましい。20 ℃の蒸気圧が0.5kPa未満では、揮発性能が劣り、筆跡乾燥性が遅くなる。特にプラスチック、金属材料等の非浸透面上への筆記する場合には、筆跡乾燥が速い方が好ましいため、20℃の蒸気圧が0.5kPa以上が好ましい。また、10.0kPaを超えると、揮発性が高いために、経時によってインキ中の溶剤量が減少し易く、インキ粘度が上昇するおそれがあるため、20℃の蒸気圧が10.0kPa以下である方が、好ましい。
20℃の蒸気圧が0.5〜10.0kPaであるアルコール系溶剤の具体例としては、エタノール、イソプロパノール、1−プロパノール、2−プロパノール、1−ブタノール、2−ブタノール、t−ブタノール等が例示でき、これらアルコール系溶剤は、1種または2種以上を組合せて使用することができる。
尚、有機溶剤の含有量は、インキ組成物全量に対し、0.5質量%未満であると、筆跡乾燥性の効果が得られにくく、20.0質量%を越えると、インキ経時安定性が得られにくいため、0.5質量%〜20質量%が好ましい。より好ましくは、インキ組成物全量に対し、3.0〜15.0質量%である。
また、本発明の水性インキ組成物の表面張力は、20℃の環境下において、20mN /mより低いと、筆跡に滲み、泣きボテが発生しやすくなるため、30mN/mを超えると、非浸透面への濡れ性がやや劣り、筆跡カスレ、中抜けが発生する可能性があり、表面張力は、20mN /m〜30mN/mであるのが好ましい。最も好ましくは、25mN/m〜30mN/mである方が、最も好ましい。
また、本発明の水性インキ組成物のpH値については、5〜10が好ましい。pH値が5未満の場合、ジアルキルスルホコハク酸塩が酸による加水分解を受け、その効果が得られずらい。pH値が10を越える場合も、ジアルキルスルホコハク酸塩がアルカリによる加水分解を受け、その効果が得られずらい。さらに、より好ましくは、pH値が、6〜9である。
また、本発明には、インキ粘度調整剤として樹脂を用いてもよい。具体的には、アクリル系樹脂、アルキッド樹脂、セルロース誘導体、ポリビニルピロリドン、ポリビニルアルコール等の水溶性樹脂等が挙げられる。これらは、単独又は2種以上混合して使用してもよい。また、樹脂の含有量は、インキ組成物全量に対して、0.1質量%未満だと、所望のインキ粘度が得られにくく、30質量%を越えると書き出し性能が劣ってしまう可能性があるため、0.1質量%以上、30質量%以下が好ましい。
着色剤は、染料、顔料等、特に限定されるものではなく、適宜選択して使用することができる。染料については、直接染料、酸性染料、塩基性染料、含金染料、及び各種造塩タイプ染料等が採用可能である。顔料については、無機、有機、加工顔料などが挙げられるが、具体的にはカーボンブラック、アニリンブラック、群青、黄鉛、酸化チタン、酸化鉄、フタロシアニン系、アゾ系、キナクリドン系、キノフタロン系、スレン系、トリフェニルメタン系、ペリノン系、ペリレン系、ギオキサジン系、アルミ顔料、パール顔料、蛍光顔料、蓄光顔料、補色顔料等が挙げられる。その他、着色樹脂粒子体として顔料を媒体中に分散させてなる着色体を公知のマイクロカプセル化法などにより樹脂壁膜形成物質からなる殻体に内包又は固溶化させたマイクロカプセル顔料を用いても良い。更に、顔料を透明、半透明の樹脂等で覆った着色樹脂粒子などや、また着色樹脂粒子や無色樹脂粒子を、顔料もしくは染料で着色したもの等も用いることもできる。これらの染料および顔料は、単独又は2種以上組み合わせて使用してもかまわない。含有量は、インキ組成物全量に対し、1質量%〜20質量%が好ましい。
その他として、トリエタノールアミン等のpH調整剤、1,2ベンゾイソチアゾリン−3−オン等の防菌剤、尿素、ソルビット等の保湿剤、ベンゾトリアゾール等の防錆剤、エチレンジアミン四酢酸などのキレート剤を添加することができる。また、分散剤も適宜添加可能で、水溶性樹脂として、アクリル系樹脂、アルキッド樹脂、セルロース誘導体、ポリビニルピロリドン、ポリビニルアルコール等や、樹脂エマルジョンとして、アクリル系樹脂、ウレタン系樹脂、スチレン−ブタジエン系樹脂、ポリエステル系樹脂、酢酸ビニル系樹脂等を添加することができる。これらは単独又は2種以上組み合わせて使用することができる。
次に実施例を示して本発明を説明する。
実施例1
着色剤(ピグメントブラック7) 6.0質量%
水 60.1質量%
水溶性有機溶剤(イソプロピルアルコール) 8.0質量%
リン酸エステル系界面活性剤 1.0質量%
ジアルキルスルホコハク酸塩 0.2質量%
ポリエーテル変性のシリコーンオイル 0.2質量%
水溶性樹脂(アクリル系樹脂) 20.0質量%
樹脂エマルジョン(アクリルエマルジョン) 3.0質量%
トリエタノールアミン 1.0質量%
1,2ベンゾイソチアゾリン−3−オン 0.5質量%
まず、実施例1の水性インキ組成物は、着色剤として顔料であるピグメントブラック7、溶剤として水、顔料分散剤として水溶性樹脂(ジョンソクリル60:ジョンソンポリマー(株))を採用し、ボールミルで顔料を均一に分散させた顔料分散体を得た。次いで、リン酸エステル系界面活性剤(プライサーフ208SB:第一工業製薬(株))、ジアルキルスルホコハク酸塩(ネオコールYSK:第一工業製薬(株))、ポリエーテル変性のシリコーンオイル(KF-618:信越化学工業(株))、樹脂エマルジョン(ジョンクリル7001:ジョンソンポリマー(株))、トリエタノールアミン、1,2ベンゾイソチアゾリン−3−オンを所定量正確に秤量し、ディスパー撹拌機にて50℃の攪拌温度で1時間加温撹拌した後、液温が30℃になるまで徐々に冷却した。さらに、その均一混合液体をディスパーで撹拌しながら、20 ℃の蒸気圧が4.3kPaであるイソプロピルアルコールを所定量徐々に添加して30℃の温度で20分間撹拌することにより、黒色の水性ボールペン用インキを得た。尚、ブルックフィールド社製DV−II粘度計(CPE−42ローター)を用いて20℃、剪断速度384.0sec−1(回転数100rpm)にてインキ粘度を測定したところ、10mPa・sであった。また、表面張力については、20℃の環境下において、共和界面科学株式会社製の表面張力計測器を用い、ガラスプレートを用いて、垂直平板法によって測定したところ、29.5mN /mであった。
実施例および比較例のインキ粘度は、ブルックフィールド社製DV−II粘度計(CPE−42ローター)を用いて20℃で、インキ粘度を測定したが、本発明の水性インキ組成物は、ニュートニアンインキであるため、剪断速度が相違してもインキ粘度は、略同じ数値を示した。
実施例2〜9
表1に示すように各成分を配合に変更した以外は、実施例1と同様な手順で実施例2〜9の水性インキ組成物を得た。表1、2に測定、評価結果を示す。
Figure 0005557445
Figure 0005557445
比較例1〜6
インキの配合を表3に示す通りとし、表3に測定、評価結果を示す。
Figure 0005557445
試験および評価
実施例1〜9及び比較例1〜6で作製した水性インキ組成物を、インキ収容筒の先端にボール径が0.5mmのボールを回転自在に抱持したボールペンチップをチップホルダーに介して具備したインキ収容筒内(ポリプロピレン製)に充填したボールペンを作製し、以下の試験および評価を行った。尚、書き味、耐擦過性試験の評価は、筆記試験用紙としてJIS P3201 筆記用紙Aを用い、筆跡乾燥性試験、濡れ性試験には、市販の透明アクリル板を用いて以下のような試験方法で評価を行った。
書き味:手書きによる官能試験を行い評価した。
滑らかで良好なものを ・・・◎
やや劣るものを ・・・○
重く劣るものを ・・・×
耐擦過性試験:紙面上に筆記後、指で擦過し、筆跡乾燥性を観察した。
筆記5秒以内に、筆跡が乾燥したもの ・・・○
筆記5秒以内に、筆跡が乾燥しなかったもの ・・・×
濡れ性試験:透明アクリル板面上に筆記した筆跡を観察した。
筆跡にカスレ、中抜けがなく、筆跡が良好のもの ・・・◎
筆跡に若干カスレが出るが、実用上問題ないもの ・・・○
筆跡にカスレ、中抜けがひどく、実用性に乏しいもの ・・・×
筆跡乾燥性試験:透明アクリル板に筆記後、指で擦過し、筆跡乾燥性を観察した。
筆記5秒以内に、筆跡が乾燥したもの ・・・○
筆記5秒以内に、筆跡が乾燥しなかったもの ・・・×
表1、2の結果より、実施例1〜9では、書き味、耐擦過性試験、筆跡乾燥性試験、濡れ性試験ともに良好もしくは、実用上問題のないレベルの性能が得られた。
表3の結果より、比較例1〜3では、リン酸エステル系界面活性剤を用いなかったため、書き味が悪かった。
比較例4、5では、ジアルキルスルホコハク酸塩を用いなかったため、筆跡が乾燥するのに5秒以上かかり、濡れ性試験では、筆跡にカスレがひどかった。
比較例6では、20℃、インキ粘度が高いため、濡れ性試験で、筆跡にカスレ、中抜けがひどかった。
さらに、顔料のような粒径の大きいものを添加したインキ組成物では、ボールとチップ本体の間で回転阻害による書き味の劣化の可能性や、ボール径が0.7mm以下のボールを用いたボールペンは、ボールとボール座の接触面積が小さく、単位面積に掛かる荷重が高くなることによる書き味の劣化の可能性があるので本発明の効果は顕著である。
本発明は水性ボールペン用インキ組成物に関し、さらに詳細としては、少なくとも水、着色剤、リン酸エステル系界面活性剤、ジアルキルスルホコハク酸塩を含有してなる水性ボールペン用インキ組成物であって、前記ジアルキルスルホコハク酸塩を、インキ組成物全質量に対し、0.01〜5.00質量%含有し、20℃、剪断速度384 .0sec−1におけるインキ粘度が、1〜40mPa・sであることを特徴とする水性ボールペン用インキ組成物とすることで、紙面および非浸透面に筆記可能で、書き味、耐擦過性、非浸透面への濡れ性が良好ある水性ボールペン用インキ組成物を提供することができる。そのため、キャップ式、ノック式等、ボールペンとして広く利用することができる。

Claims (4)

  1. 少なくとも水、着色剤、リン酸エステル系界面活性剤、ジアルキルスルホコハク酸塩を含有してなる水性ボールペン用インキ組成物であって、前記ジアルキルスルホコハク酸塩を、インキ組成物全質量に対し、0.01〜5.00質量%含有し、前記リン酸エステル系界面活性剤が、ラウリルアルコール系、トリデシルアルコール系、アルキル基の炭素数が8であるアルコール系の中からいずれか1種以上のリン酸エステル系界面活性剤を選択し、20℃、剪断速度384.0sec−1におけるインキ粘度が、1〜40mPa・sであり、前記水性ボールペン用インキ組成物のpH値が5〜10であることを特徴とする水性ボールペン用インキ組成物。
  2. 前記水性ボールペン用インキ組成物に、シリコン系界面活性剤及び/またはアセチレングリコール系界面活性剤を含有することを特徴とする請求項1に記載の水性ボールペン用インキ組成物。
  3. 前記水性ボールペン用インキ組成物に、20℃における蒸気圧が、0.5〜10.0kPaであるアルコール系溶剤を含有することを特徴とする請求項1または2に記載の水性ボールペン用インキ組成物。
  4. 前記水性ボールペン用インキ組成物の20℃における表面張力が、20mN/m〜30mN/mであることを特徴とする請求項1ないし3の何れか1項に記載の水性ボールペン用インキ組成物。
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