JP2004291632A - 水性ボールペン - Google Patents

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容治 竹内
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Abstract

【課題】 ボール径0.29mm以下のチップを搭載した水性ボールペンにおいても、優れた筆記感、インキ流出性及び速書追従性を有すると共に、加衝撃時にもカスレ、並びにインキのボタ落ちもない優れた筆記性能を有する水性ボールペンを提供する。
【解決手段】 剪断速度38.4sec-1の粘度(25℃)が30〜550mPa・s、剪断速度384sec-1の粘度(25℃)が20〜180mPa・sであり、かつ、表面張力が34mN/m以下の擬塑性水性インキと、ボール径0.29mm以下のボールペンチップとから形成されていることを特徴とする水性ボールペン。
【選択図】 なし

Description

本発明は、水性ボールペンに関し、更に詳しくは、擬塑性水性インキを内蔵すると共に、ボール径が超極細径となる水性ボールペンに関する。
これまでに擬塑性水性インキを用いたボールペンに関する技術は、既に数多く案出されている。
例えば、ボール材質を超鋼材とすると共に、ボール表面の算術平均粗さ及び最大高低差を特定の範囲とし、ボール径の直径を0.3mm以上0.6mm未満とし、インキにアクリル酸・アルキル共重合体からなる増粘剤を使用したことを特徴とするボールペン(特許文献1参照)、また、チップ先端のボール径が0.3〜2.0mmを有するボールペンに水性ゲルインキを充填し、JIS規格S6053によるインキ消費量値を50〜200mg/100mに調整してなる水性ゲルインキボールペン(特許文献2参照)が知られている。
しかしながら、上記特許文献1及び2等に記載されるボールペンには、そのボール径を0.3mm以上と単に記載されているが、そのほとんどは、その実施例及び比較例等で取り上げられているとおり、ボール径の直径が0.4mm以上の所謂細字、中字仕様のボールペンに関するものばかりであった。
最近では、筆記具のニーズが多様化しており、その中で、手帳に筆記するときなど、非常に小さい字を、滲まずにはっきりとした文字で筆記したいという要望が高まっている。
しかしがら、技術的には、0.29mm以下のボールを搭載したチップが完成しても、そのチップに筆記性を適合させ、その品質を維持させることは、非常に困難であった。すなわち、ボール径が0.29mm以下のボールを搭載した所謂超極細チップは、ボール−ホルダー間のクリアランスは従来と同様に形成されるもののボール−ホルダー間に形成される空間の体積が小さくなるため、従来の細字、中字仕様のインキ(以下、「従来インキ」という)を使用すると、しばしばインキ流出が困難となり、描線カスレが発生してしまう。特に、筆記速度2倍以上の速書追従性についてはその傾向が顕著であり、追従難によるカスレや描線濃度低下が発生しやすいという課題を生じる。
また、ボール径が小さくなることで相対的に筆記感が低下することも否めないものであり、更に、大径ボールと比較して、紙とボールの接触面積が小さいため、同じ荷重で筆記しても、相対的に超極細ボールは紙面にかかる圧力が高くなり、筆記の抵抗感も増大してしまうという課題がある。
更にまた、ペン体に軽衝撃を加えた時などは、擬塑性インキにおいては衝撃によりインキが低粘度化するため、状況によっては、インキがボール周辺部から離れることがあり、再筆記時にカスレが生じることとなる。特に、超極細チップでは、ボール−ホルダー間のクリアランスが非常に小さいため、インキを再流出させることが非常に困難となる点に課題がある。
これら超極細チップを使用した水性ボールペンにおいては、上述の通り、従来のインキを使用すると、筆記性に数々の弊害が発生するため、筆記性を満足させる技術の出現が切望されているのが現状である。
特開2002−254877号公報(特許請求の範囲、実施例等) 特開平10−166780号公報(特許請求の範囲、実施例等)
本発明は、上記従来の課題及び現状等に鑑み、これを解消しようとするものであり、ボール径0.29mm以下のチップを搭載した水性ボールペンにおいても、描線の滲みを抑え、カスレが生じず、最後まで安定したインキ流出が可能となり、経時的にも安定性が高い優れた筆記性能を有する水性ボールペンを提供することを目的とする。
本発明者らは、上記従来の課題等について、鋭意研究を行った結果、ボール径0.29mm以下のチップを搭載した水性ボールペンにおいて、剪断速度38.4sec-1の粘度(25℃)、剪断速度384sec-1の粘度(25℃)を特定の範囲に設定すると共に、インキ表面張力を特定値以下の擬塑性水性インキを用いることにより、上記目的の水性ボールペンが得られることを見い出し、本発明を完成するに至ったのである。
すなわち、本発明は、次の(1)及び(2)に存する。
(1) 剪断速度38.4sec-1の粘度(25℃)が30〜550mPa・s、剪断速度384sec-1の粘度(25℃)が20〜180mPa・sであり、かつ、表面張力が34mN/m以下の擬塑性水性インキと、ボール径0.29mm以下のボールペンチップとから形成されていることを特徴とする水性ボールペン。
(2) 前記水性インキの液体媒体として、ポリグリセリンのアルキレンオキサイド付加物、グリセリンのアルキレンオキサイド付加物及びトリメチロールプロパンのアルキレンオキサイド付加物からなる群から選ばれる少なくとも1種を水性インキ組成物全量に対して0.5〜40重量%含有してなる上記(1)記載の水性ボールペン。
本発明によれば、ボール径0.29mm以下のチップを搭載した水性ボールペンにおいても、優れた筆記感、インキ流出性及び速書追従性を有すると共に、加衝撃時にもカスレ、並びにインキのボタ落ちもない優れた筆記性能を有する水性ボールペンが提供される。
以下に、本発明の実施の形態を詳しく説明する。
本発明の水性ボールペンは、剪断速度38.4sec-1の粘度(25℃)が30〜550mPa・s、剪断速度384sec-1の粘度(25℃)が20〜180mPa・sであり、かつ、表面張力が34mN/m以下の擬塑性水性インキと、ボール径0.29mm以下のボールペンチップとから形成されていることを特徴とするものである。
本発明において、ボール径0.29mm以下の超極細チップを使用した水性ボールペンでは、従来のインキを使用すると、筆記性能(筆記感、インキ流出性、早書追従性、加衝撃時のカスレ性、インキのボタ落ち等)に数々の弊害が発生するため、上記筆記性能を満足させるためには、特定の物性をもつインキを使用したり、特定の材料を配合することが必要となる。
本発明において、用いる水性インキの物性は、剪断速度38.4sec-1の粘度(25℃)を30〜550mPa・sとすること、好ましくは、50〜350mPa・s、より好ましくは、80〜300mPa・sとすることが望ましく、また、剪断速度384sec-1の粘度(25℃)を20〜180mPa・sとすること、好ましくは、20〜130mPa・s、より好ましくは、20〜100mPa・sとすることが望ましい。
また、本発明では、上記各剪断速度の粘度範囲であると共に、インキの表面張力を34mN/m以下とすることが必要であり、好ましくは、30mN/m以下、より好ましくは、27mN/m以下とすることが望ましく、下限値は、配合組成等を考慮すると、13mN/m以上となる。
本発明では、用いる水性インキの粘度を上記各剪断速度の粘度範囲(30〜550mPa・s及び20〜180mPa・s)に調整することで、インキの流動性が高まり、筆記追従性が向上し、カスレ、濾度低下を抑制することが可能となる。更に、インキ流動性が高まることで筆記時の抵抗感も軽減し、超極細チップを使用しても比較的筆記感が向上するものとなる。
剪断速度38.4sec-1のインキ粘度(25℃)が30mPa・s未満、または剪断速度384sec-1のインキ粘度(25℃)が20mPa・s未満であると、インキ流出量が増大し、描線幅が太くなってしまい、ボール径0.29mm以下の超極細描線用の水性ボールペンとしての商品価値を低下させてしまうこととなり、更に、ペン先からのインキのボタ落ちも発生しやすくなる。
また、剪断速度38.4sec-1のインキ粘度(25℃)が550mPa・sを越えると、または、剪断速度384sec-1の粘度(25℃)が180mPa・sを越えると、インキの追従性が低下し、カスレが発生しやすくなる弊害が生じることとなる。
本発明では、インキの表面張力を34mN/m以下に調整することで、ボールやホルダーに対する濡れ性が高まるため、カスレや追従性不良が発生しにくくなる。更に、ペン体に軽衝撃を加えて、インキがボール周辺部から離れたとしても、インキの濡れ性が高いために、再筆記時には、ほとんどカスレが生じないという利点を発揮することとなる。
このインキの表面張力が34mN/mを越えて上回ると、これらの改善効果がほとんどなくなり、筆記性に悪影響が生じやすい。
本発明において、用いる水性インキは、上記各物性、すなわち、上記各剪断速度の粘度範囲とし、かつ、上記特性のインキ表面張力となるものであれば、インキ成分は特に限定されないが、少なくとも、着色剤、水(精製水、蒸留水、純水、超純水、イオン交換水、海洋深層水等)、並びに、上記粘度、表面張力調整用の各成分(粘度調整剤、界面活性剤等)等を含有することが好ましい。
本発明において、用いる水性インキを上記各粘度範囲に調整するには、必要に応じて、粘度調整剤を含有することができる。
用いることができる粘度調整剤としては、例えば、ポリアクリル酸、ポリメタクリル酸のアルカリ塩やアクリル酸またはメタクリル酸含有共重合体のアルカリ塩、スチレンとマレイン酸の共重合体のアルカリ塩、酢酸ビニルとクロトン酸の共重合体のアルカリ塩、変性ポリビニルアルコールを含有するビニルアルコール、メチルビニルエーテルとマレイン酸の共重合体、酸化ポリアルキレンの誘導体、メチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、カルボキシメチルセルロースのナトリウム塩、アラビアゴム、セラックのアルカリ塩、酸化ポリエチレン、アルギン酸ナトリウムトラガントガム、グァーガム、カラヤガムなどが挙げられる。
また、本発明において、インキの表面張力の調整、書き味向上のために界面活性剤を含有することができる。
用いることができる界面活性剤としては、例えば、ポリオキシエチレンラウリルエーテルなどのポリオキシエチレン、ポリオキシプロピレン若しくはポリオキシエチレンポリオキシプロピレンの誘導体、テトラグリセリルジステアレートなどのグリセリンジグリセリン若しくはポリグリセリンの誘導体、テトラグリセリルジステアレートなどのグリセリンジグリセリン若しくはポリグリセリンの誘導体、ソルビタンモノオレートなど糖類の誘導体、パーフルオロアルキル燐酸エステルなどのフッ素化アルキル基を有する界面活性剤、ジメチルポリシロキサンのポリエチレングリコール付加物などのポリエーテル変性シリコーン、硬化ヒマシ油、燐酸エステル型界面活性剤、フッ素系界面活性剤、カリセッケンなどの潤滑剤及び湿潤剤などが挙げられる。
なお、上記粘度調整剤、界面活性剤等は、上記各剪断速度の粘度範囲、上記特性のインキ表面張力となるようにその種類、各含有量等が好適に調整される。
着色剤としては、水に溶解若しくは分散する全ての染料、酸化チタン及び従来公知の無機系及び有機系顔料、樹脂エマルションを染料で着色した疑似顔料、白色系プラスチック顔料の全てが使用可能である。
具体的には、染料としては、エオシン、フロキシン、ウォターイエロー#6−C、アシッドレッド、ウォターブルー#105、ブリリアントブルーFCF、二グロシンNB等の酸性染料や、ダイレクトブラック154、ダイレクトスカイブルー5B、バイオレットBB等の直接染料や、ローダミン、メチルバイオレット等の塩基性染料を用いることができる。
無機系顔料としては、例えば、カーボンブラック、金属粉などが挙げられる。有機系顔料としては、例えば、アゾレーキ、不溶性アゾ顔料、キレートアゾ顔料、フタロシアニン顔料、ペリレン及びペリノン顔料、アントラキノン顔料、キナクリドン顔料、染料レーキ、ニトロ顔料、ニトロソ顔料などが挙げられる。具体的には、カーボンブラック、チタンブラック、亜鉛華、べんがら、酸化クロム、鉄黒、コバルトブルー、酸化鉄黄、ビリジアン、硫化亜鉛、リトポン、カドミウムエロー、朱、カドミウムレッド、黄鉛、モリブデードオレンジ、ジンククロメート、ストロンチウムクロメート、ホワイトカーボン、クレー、タルク、群青、沈降性硫酸バリウム、バライト粉、炭酸カルシウム、鉛白、紺青、マンガンバイオレット、アルミニウム粉、真輪粉等の無機顔料、C.I.ピグメントブルー1、C.I.ピグメントブルー15、C.I.ピグメントブルー17、C.I.ピグメントブルー27、C.I.ピグメントレッド5、C.I.ピグメントレッド22、C.I.ピグメントレッド38、C.I.ピグメントレッド48、C.I.ピグメントレッド49、C.I.ピグメントレッド53、C.I.ピグメントレッド57、C.I.ピグメントレッド81、C.I.ピグメントレッド104、C.I.ピグメントレッド146、C.I.ピグメントレッド245、C.I.ピグメントイエロー1、C.I.ピグメントイエロー3、C.I.ピグメントイエロー12、C.I.ピグメントイエロー13、C.I.ピグメントイエロー14、C.I.ピグメントイエロー17、C.I.ピグメントイエロー34、C.I.ピグメントイエロー55、C.I.ピグメントイエロー74、C.I.ピグメントイエロー83、C.I.ピグメントイエロー95、C.I.ピグメントイエロー166、C.I.ピグメントイエロー167、C.I.ピグメントオレンジ5、C.I.ピグメントオレンジ13、C.I.ピグメントオレンジ16、C.I.ピグメントバイオレット1、C.I.ピグメントバイオレット3、C.I.ピグメントバイオレット19、C.I.ピグメントバイオレット23、C.I.ピグメントバイオレット50、C.I.ピグメントグリーン7等が挙げられる。
これらの着色剤は、単独で、または、2種以上を混合して使用することができ、その使用量はインキの描線濃度等により適宜増減するものであり、インキ組成物全量に対して、0.1〜40重量%とすることが好ましい。
更に、本発明の水性インキには、筆記感の更なる向上、インキ表面張力も低くなりやすくなる点などから、インキの液体媒体として、ポリグリセリンのアルキレンオキサイド付加物、グリセリンのアルキレンオキサイド付加物及びトリメチロールプロパンのアルキレンオキサイド付加物からなる群から選ばれた少なくとも1種を含有せしめることが望ましい。
本発明において、用いるポリグリセリンのアルキレンオキサイド付加物とは、重合度2〜4のポリグリセリンにアルキレンオキサイドを1モル或いは複数モル付加したものであり、また、トリメチロールプロパンのアルキレンオキサイド付加物とは、トリメチロールプロパンにアルキレンオキサイド付加物1モル或いは複数モル付加したものである。
これらの付加物は、1種(単独で)又は2種以上を混合して使用することができる。
また、ポリグリセリンのアルキレンオキサイド付加物、トリメチロールプロパンのアルキレンオキサイド付加物は、水溶性有機溶剤と混合して用いてもよい。
用いる有機溶剤としては、例えば、エチレングリコール、プロピレングリコール、グリセリンなどの水溶性多価アルコール類、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテルなどのセルソルブ類、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテルなどのカルビトール類、エチレングリコールモノエチルエーテルアセテートのようなグリコールエーテルエステル類などが挙げられる。
これらのアルキレンオキサイド付加物の含有量は、インキ組成物全量に対して0.5〜40重量%、好ましくは、5〜30重量%とすることが望ましい。
この成分の含有量が0.5重量%未満であると、含有せしめる効果(筆記感の更なる向上効果)などがみられず、また、40重量%を越えて上回ると、描線が滲みやすくなり、乾燥性も低下してしまうこととなる。
本発明の水性インキは、上記各成分を含有せしめて、上記各剪断速度の粘度範囲、かつ、上記特性のインキ表面張力とするものであるが、本発明の効果を損なわない範囲で、例えば、分散剤、揮発抑制物質、防錆剤、pH調整剤、防腐剤等のその他の各種添加剤(任意成分)を含有することができる。
その他の添加剤としては、着色剤に顔料を使用した場合は、その分散剤としてスチレンマレイン酸のアンモニウム塩、スチレンアクリル酸のアンモニウム塩などの水溶性高分子などを用いることいができる。
揮発抑制物質として、マルチトールを主成分とする還元糖、ソルビトールを主成分とする還元糖、還元オリゴ糖、還元マルトオリゴ糖、還元デキストリン、還元マルトデキストリン、α−サイクロデキストリン、β−サイクロデキストリン、マルトシルサイクロデキストリンなどが使用できる。
防錆剤としては、ベンゾトリアゾール・サポニン類等、pH調整剤としては、水酸化カリウム、りん酸カリウム、アミノメチルプロパノール等防腐剤としてはナトリウムオマジン、1−2ベンゾイソチアゾリン等を必要に応じて使用することができる。
本発明において、用いる水性インキの製造法としては、上記各成分を必要に応じて加熱溶解・混合撹拌、ろ過などを行うことにより、容易に得ることができる。
また、製造に際しては、他の水性ボールペンインキの製造法と較べて、特に注意するべきことはなく、撹拌温度、ろ過方法など水性ボールペンインキとして通常行う範囲であれば何ら問題はなく製造することができる。
本発明において、上記特性の水性インキを充填するボール径0.29mm以下の超極細チップを使用した水性ボールペン体の構造としては、ボール径が0.29mm以下の超極細チップを使用したものであれば、特に限定されず、例えば、ボール径0.29mm以下のボールを有するボールペンチップと、上記特性の水性インキを充填したインキ収容管(リフィール部材)とを備え、上記ボールペンチップの後端側を先軸(継手部材)を介して又は直接(先軸等を有する)インキ収容管に連結した構造が挙げられる。
図1は、ボール径0.29mm以下のボールペンチップの一例、図2はボール径0.29mm以下のボールペンチップの他例を示すものであり、図3は、図1のチップをインキ収容管(リフィール)に取り付けた状態を示す図面であり、図4は、図3のチップを有するインキ収容管(リフィール)を軸体に取り付けて水性ボールペン体とした状態を示す図面である。
図1は、先端側が先細状に形成され、その先端部に直径(ボール径)0.29mm以下のボール10を回転自在に包持した中空状のホルダー11を備えた砲弾型のボールペンチップAである。このボールペンチップAを有する水性ボールペン体Cは、該チップAの後端側を、例えば、図3に示すように、逆流防止機構を有する継手部材20を介して(又は直接)インキ収容管25に連結してリフィール30を構成し、該リフィール30を、例えば、図4に示すように、口プラ31を介して滑り止め部材32を有する軸体33に収納することにより得られる。なお、図4中の図示符号35はキャップである。
この水性ボールペンCでは、インキ収容管25に充填される上記特性の水性インキ26が順次先細状となるインキ流路12を通じてボール10に供給されるようになっている。なお、水性インキ26の後端部にはインキ追従体(フォロワー)27を充填してもよい。
図2は、金属製等からなる細管15の先端を内側にカシメ加工して直径(ボール径)0.29mm以下のボール16を回転自在に包持したニードル型のボールチップBである。このボールペンチップBも、上記と同様に、その後端側がインキ収容管及び軸体(図示せず)に連結されて水性ボールペンが構成されるものである。
ボール材質としては、ボール径が0.29mm以下となるものであれば、特に限定されず、超硬等の金属製部材、セラミック部材からなるもの、更にこれらの表面に耐久性、耐腐食性等の向上のために薄膜の被覆部材を施したものものなどが挙げられる。ボール径の下限としては、製造技術面等から0.1(〜0.29)mm程度である。
ホルダー材質としては、洋白、真鍮、ステンレスの金属製、合成樹脂等が挙げられる。
また、インキ収容管としては、インキ残量を確認できる透明性又は半透明性の合成樹脂製等が挙げられるが、金属製であってもよい。
なお、本発明では、上記図1及び図2のボールペンチップの構造に限定されるものではなく、ボール径0.29mm以下の超極細チップを使用したものであれば、ボールペンチップを含む水性ボールペン体の構造は特に限定されるものではない。また、ボールホルダー、インキ収容管、継手部材(先軸)の材質、大きさ(内径、長さ)等はチップ構造、ボール径、インキ成分などに応じて適宜設定される。
このように構成される本発明の水性ボールペンでは、ボール径0.29mm以下のチップを搭載した水性ボールペンにおいても、上記特性の水性インキ、すなわち、剪断速度38.4sec-1の粘度(25℃)が30〜550mPa・s、剪断速度384sec-1の粘度(25℃)が20〜180mPa・sであり、かつ、表面張力が34mN/m以下の擬塑性水性インキを用いることにより、従来の各課題(インキ流出の困難性、描線カスレ、速書追従性、ペン体に軽衝撃を加えた時のカスレ性、インキボタ落ち)を克服でき、優れた筆記感、インキ流出性及び速書追従性を有すると共に、加衝撃時にもカスレ、並びにインキのボタ落ちもない優れた筆記性能を有するものとなる。
次に、実施例及び比較例によって本発明を更に具体的に説明するが、本発明は、書実施例によって何等限定されるものではない。
〔実施例1〜5及び比較例1〜5〕
下記表1に示す配合組成(全量100重量%)により各剪断速度(38.4sec-1、384sec-1)の粘度、表面張力となる各擬塑性水性インキを調製した。なお、各剪断速度の粘度、表面張力は、下記方法により測定した。
また、下記構成となる供試用の水性ボールペン体を作製した。
得られた上記水性ボールペンに下記表1に示す各水性インキ0.9gを充填し、下記各方法により、筆記感、インキ流出性、速書追従性、加衝撃時カスレ性、インキのボタ落ちについて評価した。
これらの結果を下記表1に示す。
(粘度の測定方法)
測定装置:E型回転粘度計(VISCOMETER MODEL RE100、東機産業社製)
測定条件:
コーン ;1°34′*R24
剪断速度;各剪断速度(38.4sec-1、384sec-1
測定時間;60sec
測定温度;25℃
(表面張力の測定方法)
測定装置:自動表面張力計(CBVC−A3)、協和界面科学社製
測定条件:
分銅プレート;白金製プレート
測定時間;150sec
測定温度;25℃
(水性ボールペン体の構成、図3及び図4に準拠)
1.ボールペンチップの構成
ボール径;0.28mm、ボール材質;超硬製
ホルダー材質;ステンレス製
2.継手部材
材質;ポリプロピレン製
3.インキ収容管
材質;ポリプロピレン製、内径;3.8mm
(筆記感の評価方法)
各配合によって得られた各水性インキを上記ボール径0.28mmの水性ボールペン体に充填し、筆記用紙に「らせん筆記」し、書き味を下記評価基準で評価した。
評価基準:
○:滑らかなで安定した書き味。
△:ややひっかかりを感じる書き味。
×:ひっかかりを感じる書き味で、かつ線切れ、方向性がある。
(インキ流出性の評価方法)
各配合によって得られた各水性インキを上記ボール径0.28mmの水性ボールペン体に充填し、筆記用紙に「らせん筆記」し、書き味を下記評価基準で評価した。
評価基準:
○:充分にインキが流出し、はっきりと描線が確認できる。
△:インキの流出が比較的に少ないものの、描線の認識は可能。
×:インキの流出が明らかに少なく、描線の認識が困難。
(速書追従性の評価方法)
各配合によって得られた各水性インキを上記ボール径0.28mmの水性ボールペン体に充填し、ISO規格に準拠した筆記用紙に、フリーハンドで2倍速と通常速度でそれぞれ筆記し、各筆記描線を下記評価基準で評価した。
評価基準:
○:スムースに安定して筆記できる。
△:2倍速筆記で線切れが起きる。
×:通常に筆記してもインキが追従せず、線切れが起こる。
(ペン体加衝撃時のカスレ性の評価方法)
各配合によって得られた各水性インキを上記ボール径0.28mmの水性ボールペン体に充填し、それぞれ、筆記用紙に「らせん筆記」し、その後、ペン先を上向きにして杉板上に5cm上空から落下(ペン体に軽い衝撃を加え)その後再び「らせん筆記(直径約3cm)」し、再筆記時の描線品位を下記評価基準で評価した。
評価基準:
○:らせん筆記1周目以内でカスレずに再筆記が可能。
△:らせん筆記3周目以内でカスレずに再筆記が可能。
×:らせん筆記3周目以内では再筆記が不可能。
(インキのボタ落ちの評価方法)
各配合によって得られた各水性インキを上記ボール径0.28mmの水性ボールペン体に充填し、キャップをせず、ペン先を接触させずに、ペン先を下向きにしたまま、25℃、湿度60%の環境で5分間放置し、インキのボタ落ちが発生したかどうかを下記評価基準で評価した。
評価基準:
○:ペン先からのインキのボタ落ちが発生せず。
×:ペン先からのインキのボタ落ちが発生。
Figure 2004291632
上記表1中の*1〜*13は下記のとおりである。
*1:(A−1)カーボンブラック〔顔料、プリンテックス25(デグサ社製)〕
*2:(A−2)フタロシアニンブルー〔顔料、Chromofine Blue 4965(大日精化工業社製)〕
*3:(A−3)ウォーターブラック R455(染料、オリエント化学工業社製)
*4:(A−4)ウォーターイエロー 6C(染料、オリエント化学工業社製)
*5:(B−1)スチレンマレイン酸樹脂アンモニウム塩
*6:(B−2)スチレンアクリル酸樹脂アンモニウム塩
*7:(C−1)トリメチロールプロパンエチレンオキサイド15mol付加物
*8:(C−2)ジグリセリンプロピレンオキサイド4mol付加物
*9:(D−1)パーフルオロアルキルリン酸エステル
*10:(D−2)フッ素系アルキルエステル
*11:KELXZAN HP(三省社製)
*12:ハイビスワコー 105(和光純薬社製)
*13:PVP−K90(GAF社製)
上記表1の結果から明らかなように、本発明範囲となる実施例1〜5は、本発明の範囲外となる比較例1〜5に較べて、筆記感、インキ流出性、速書追従性に優れると共に、加衝撃時のカスレ性もなく、しかも、インキのボタ落ちもないことが優れた筆記性能を有することが判明した。
これに対して、比較例をみると、比較例1及び2は、剪断速度38.4sec-1の粘度範囲が本発明の範囲外となる場合、比較例3及び5は、剪断速度384sec-1の粘度範囲が本発明の範囲外となる場合、比較例4は、表面張力が34mN/mが本発明の範囲外となる場合であり、これらの場合は、筆記感、インキ流出性、速書追従性、加衝撃時のカスレ、インキのボタ落ちの全ての性能を満足することができないことが判明した。
本発明の水性ボールペンに用いるボールペンチップの一例を示す縦断面図である。 本発明の水性ボールペンに用いるボールペンチップの他例を示す縦断面図である。 図1のボールペンチップをインキ収容管(リフィール)に取り付けた状態を示す縦断面図である。 図3のボールペンチップを有するインキ収容管(リフィール)を軸体に取り付けて水性ボールペン体とした状態を示す縦断面図である。
符号の説明
A ボールペンチップ
10 ボール
C 水性ボールペン体

Claims (2)

  1. 剪断速度38.4sec-1の粘度(25℃)が30〜550mPa・s、剪断速度384sec-1の粘度(25℃)が20〜180mPa・sであり、かつ、表面張力が34mN/m以下の擬塑性水性インキと、ボール径0.29mm以下のボールペンチップとから形成されていることを特徴とする水性ボールペン。
  2. 前記水性インキの液体媒体として、ポリグリセリンのアルキレンオキサイド付加物、グリセリンのアルキレンオキサイド付加物及びトリメチロールプロパンのアルキレンオキサイド付加物からなる群から選ばれる少なくとも1種を水性インキ組成物全量に対して0.5〜40重量%含有してなる請求項1記載の水性ボールペン。

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