JP2014105324A - ボールペン用水性インキ組成物及びそれを内蔵したボールペン - Google Patents

ボールペン用水性インキ組成物及びそれを内蔵したボールペン Download PDF

Info

Publication number
JP2014105324A
JP2014105324A JP2012261791A JP2012261791A JP2014105324A JP 2014105324 A JP2014105324 A JP 2014105324A JP 2012261791 A JP2012261791 A JP 2012261791A JP 2012261791 A JP2012261791 A JP 2012261791A JP 2014105324 A JP2014105324 A JP 2014105324A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
water
ballpoint pen
ink composition
based ink
ink
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2012261791A
Other languages
English (en)
Other versions
JP6029953B2 (ja
Inventor
Nobuyuki Kitaoka
伸之 北岡
Manabu Takagi
学 高木
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Pilot Corp
Original Assignee
Pilot Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Pilot Corp filed Critical Pilot Corp
Priority to JP2012261791A priority Critical patent/JP6029953B2/ja
Publication of JP2014105324A publication Critical patent/JP2014105324A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6029953B2 publication Critical patent/JP6029953B2/ja
Expired - Fee Related legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Landscapes

  • Pens And Brushes (AREA)
  • Inks, Pencil-Leads, Or Crayons (AREA)

Abstract

【課題】剪断減粘性付与剤を用いた水性インキへの添加で優れた顔料分散安定性を発現する共重合体を用いた場合であっても、高い耐水性を付与できるため、優れた書き味と筆跡を得ることができ、長期的に安定した筆記性能を発現するボールペン用水性インキ組成物とそれを内蔵したボールペンを提供する。
【解決手段】顔料と、水と、剪断減粘性付与剤と、N−ビニルピロリドン或いはその誘導体とアルケン化合物の共重合体と、炭素数4以上のグリコールを主骨格とするグリコールエーテルを含有するボールペン用水性インキ組成物。前記ボールペン用水性インキ組成物を内蔵したボールペン。
【選択図】なし

Description

本発明はボールペン用水性インキ組成物に関する。更には、潤滑性に優れたボールペン用水性インキ組成物に関する。
キサンタンガムやウェランガム等の剪断減粘性付与剤を含む水性インキ組成物は、紙面に転写された後に剪断力から解放され高粘度状態となるため、従来の低粘度水性インキ組成物の欠点である筆跡滲みが発生することがなく、しかも、インキ流量を調節する流量調節部材(櫛歯状部材等のインキ一時的保溜部材)を要しない簡易な構造の筆記具が得られるため、広く適用されている(例えば、特許文献1参照)。
しかしながら、前記剪断減粘性を有する水性インキでは、特に着色剤として顔料を用いた際に座摩耗を生じ易くなったり、経時によって顔料の凝集を生じることがあった。
そこで、N−ビニルピロリドン或いはその誘導体とアルケン化合物の共重合体を添加することで、座摩耗の発生や顔料の凝集を生じるという前記問題を解消する提案がなされている(例えば、特許文献2参照)。
しかし、前記共重合体を配合したインキは水性媒体への溶解性が高いため、形成された筆跡の耐水性に乏しいものであった。
特開平4−214782号公報 特開2000−86964号公報
本発明は、剪断減粘性付与剤を用いた水性インキへの添加で優れた効果を発現する前記共重合体を用いた場合であっても、高い耐水性を付与できるため、優れた書き味と筆跡を得ることができ、長期的に安定した筆記性能を発現するボールペン用水性インキ組成物とそれを内蔵したボールペンを提供するものである。
本発明のボールペン用水性インキ組成物は、顔料と、水と、剪断減粘性付与剤と、N−ビニルピロリドン或いはその誘導体とアルケン化合物の共重合体と、炭素数4以上のグリコールを主骨格とするグリコールエーテルを含有することを要件とする。
更に、前記グリコールエーテルの沸点が170℃以上であることを要件とする。
更には、前記いずれかのボールペン用水性インキ組成物を内蔵したボールペンを要件とする。
本発明により、剪断減粘性付与剤を用いた水性インキに前記共重合体を添加した場合であっても、高い耐水性を備えた筆跡が得られるため、滑らかな書き味で優れた筆跡を形成でき、長期的に安定した筆記性能を発現できるボールペン用水性インキ組成物とそれを内蔵したボールペンとなる。
前記顔料としては、カーボンブラック、群青などの無機顔料や銅フタロシアニンブルー、ベンジジンイエロー等の有機顔料の他、予め界面活性剤等を用いて微細に安定的に水媒体中に分散された水分散顔料製品等が用いられ、例えば、C.I.Pigment Blue 15:3B〔品名:S.S.Blue GLL、顔料分22%、山陽色素株式会社製〕、C.I.Pigment Red 146〔品名:S.S.Pink FBL、顔料分21.5%、山陽色素株式会社製〕、C.I.Pigment Yellow 81〔品名:TC Yellow FG、顔料分約30%、大日精化工業株式会社製〕、C.I.Pigment Red220/166〔品名:TC Red FG、顔料分約35%、大日精化工業株式会社製〕等を挙げることができる。
蛍光顔料としては、各種蛍光性染料を樹脂マトリックス中に固溶体化した合成樹脂微細粒子状の蛍光顔料が使用できる。
その他、パール顔料、金色、銀色のメタリック顔料、蓄光性顔料、修正ペン等に用いられる二酸化チタン等の白色顔料、アルミニウム等の金属粉、更には熱変色性組成物、光変色性組成物、香料等を直接又はマイクロカプセル化したカプセル顔料等を例示できる。
前記熱変色性組成物としては、(イ)電子供与性呈色性有機化合物、(ロ)電子受容性化合物、(ハ)前記両者の呈色反応の生起温度を決める反応媒体からなる可逆熱変色性組成物が好適であり、マイクロカプセルに内包させて可逆熱変色性マイクロカプセル顔料として適用される。
前記可逆熱変色性組成物としては、特公昭51−44706号公報、特公昭51−44707号公報、特公平1−29398号公報等に記載された、所定の温度(変色点)を境としてその前後で変色し、高温側変色点以上の温度域で消色状態、低温側変色点以下の温度域で発色状態を呈し、前記両状態のうち常温域では特定の一方の状態しか存在せず、もう一方の状態は、その状態が発現するのに要した熱又は冷熱が適用されている間は維持されるが、前記熱又は冷熱の適用がなくなれば常温域で呈する状態に戻る、ヒステリシス幅が比較的小さい特性(ΔH=1〜7℃)を有する可逆熱変色性組成物をマイクロカプセル中に内包させた加熱消色型のマイクロカプセル顔料が適用できる。
更に、特公平4−17154号公報、特開平7−179777号公報、特開平7−33997号公報、特開平8−39936号公報等に記載されている大きなヒステリシス特性(ΔH=8〜50℃)を示す、即ち、温度変化による着色濃度の変化をプロットした曲線の形状が、温度を変色温度域より低温側から上昇させていく場合と逆に変色温度域より高温側から下降させていく場合とで大きく異なる経路を辿って変色し、完全発色温度以下の低温域での発色状態、又は完全消色温度以上の高温域での消色状態が、特定温度域で色彩記憶性を有する可逆熱変色性組成物をマイクロカプセル中に内包させた加熱消色型のマイクロカプセル顔料も適用できる。
尚、前記色彩記憶性を有する可逆熱変色性組成物として具体的には、完全発色温度を冷凍室、寒冷地等でしか得られない温度、即ち−50〜0℃、好ましくは−40〜−5℃、より好ましくは−30〜−10℃、且つ、完全消色温度を摩擦体による摩擦熱、ヘアドライヤー等身近な加熱体から得られる温度、即ち50〜95℃、好ましくは50〜90℃、より好ましくは60〜80℃の範囲に特定し、ΔH値を40〜100℃に特定することにより、常態(日常の生活温度域)で呈する色彩の保持に有効に機能させることができる。
更に、必要に応じて、水性媒体に溶解可能な染料を併用することもできる。
前記染料としては、酸性染料、塩基性染料、直接染料等を使用することができ、酸性染料としては、ニューコクシン(C.I.16255)、タートラジン(C.I.19140)、アシッドブルーブラック10B(C.I.20470)、ギニアグリーン(C.I.42085)、ブリリアントブルーFCF(C.I.42090)、アシッドバイオレット6B(C.I.42640)、ソルブルブルー(C.I.42755)、ナフタレングリーン(C.I.44025)、エオシン(C.I.45380)、フロキシン(C.I.45410)、エリスロシン(C.I.45430)、ニグロシン(C.I.50420)、アシッドフラビン(C.I.56205)等が用いられる。
塩基性染料としては、クリソイジン(C.I.11270)、メチルバイオレットFN(C.I.42535)、クリスタルバイオレット(C.I.42555)、マラカイトグリーン(C.I.42000)、ビクトリアブルーFB(C.I.44045)、ローダミンB(C.I.45170)、アクリジンオレンジNS(C.I.46005)、メチレンブルーB(C.I.52015)等が用いられる。
直接染料としては、コンゴーレッド(C.I.22120)、ダイレクトスカイブルー5B(C.I.24400)、バイオレットBB(C.I.27905)、ダイレクトディープブラックEX(C.I.30235)、カヤラスブラックGコンク(C.I.35225)、ダイレクトファストブラックG(C.I.35255)、フタロシアニンブルー(C.I.74180)等が用いられる。
前記顔料を含む着色剤は一種又は二種以上を適宜混合して使用することができ、インキ組成中1乃至30重量%、好ましくは2乃至25重量%の範囲で用いられる。
前記顔料は剪断減粘性インキ中での分散安定性に乏しいため、安定した分散状態を長期的に維持するべく、N−ビニルピロリドン或いはその誘導体とアルケン化合物の共重合体が添加される。
前記共重合体に用いられるN−ビニルピロリドン誘導体として、具体的には、N−ビニル−5−メチルピロリドン、N−ビニル−5−エチルピロリドン、N−ビニル−5,5−ジメチルピロリドン、N−ビニル−5,5−ジエチルピロリドン、N−ビニル−5−メチル−5−エチルピロリドン等が挙げられる。
前記アルケン化合物としては、炭素数2〜6の化合物が挙げられ、プロペン、1−ブテン、1−ペンテン等を例示できる。
前記共重合体の分子量は特に限定されるものではないが、好ましくは1000〜10000の分子量を有するものが用いられる。また、前記共重合体は、インキ中に複数種類を併用して添加することもできる。
前記共重合体を添加することで、剪断減粘性インキ中で顔料が凝集することを長期に亘って抑制できるとともに、長距離筆記に伴う座摩耗の発生を防止できるものとなる。更に、紙面へのインキ固着性を向上させることもできる。
前記N−ビニルピロリドン或いはその誘導体とアルケン化合物の共重合体は、インキ組成中0.5〜10重量%、好ましくは2〜8重量%添加することができる。0.5重量%未満では前記効果を得難く、また、10重量%を越えて添加しても一定以上の性能の向上は認められないので、これ以上の添加を要しない。
本発明のインキ組成物には、前記N−ビニルピロリドン或いはその誘導体とアルケン化合物の共重合体とともに、炭素数4以上のグリコールを主骨格とするグリコールエーテルが添加される。これにより、前記共重合体による潤滑性や顔料の分散安定性等の効果を損なうことなく、筆跡に十分な耐水性を付与することができる。
炭素数4以上のグリコールを主骨格とするグリコールエーテルは、下記に示す従来汎用の水溶性有機溶剤とは異なり、前記共重合体を溶解することがないため、インキ中においても相互に不溶状態で存在し、筆記時に被膜効果を発現する。そのため、筆跡に水が付着した場合には、筆跡の水溶性部分(共重合体)を保護することで耐水性を付与すると推測される。
主骨格となるグリコールとしては、炭素数4以上のものが用いられるが、水性媒体中において不溶状態で長期的に安定して存在する点から炭素数8以上のものが特に好ましい。
更に、前記グリコールエーテルとしては、沸点が170℃以上であるものが最適である。沸点が170℃を下回るものは、長期経時によって水性媒体中で溶解してしまうことがあるため、前記効果が経時によって発揮されなくなることがある。
前記剪断減粘性付与剤としては、水に可溶乃至分散性の物質が効果的であり、キサンタンガム、ウェランガム、ゼータシーガム、ダイユータンガム、マクロホモプシスガム、構成単糖がグルコースとガラクトースの有機酸修飾ヘテロ多糖体であるサクシノグリカン(平均分子量約100乃至800万)、グアーガム、ローカストビーンガム及びその誘導体、ヒドロキシエチルセルロース、アルギン酸アルキルエステル類、メタクリル酸のアルキルエステルを主成分とする分子量10万〜15万の重合体、グルコマンナン、寒天やカラゲニン等の海藻より抽出されるゲル化能を有する炭水化物、ポリN−ビニル−カルボン酸アミド架橋物、ベンジリデンソルビトール及びベンジリデンキシリトール又はこれらの誘導体、架橋性アクリル酸重合体、アルカリ増粘型アクリル増粘剤、無機質微粒子、HLB値が8〜12のノニオン系界面活性剤、ジアルキルスルホコハク酸の金属塩やアミン塩等を例示でき、更には、インキ組成物中にN−アルキル−2−ピロリドンとアニオン系界面活性剤を併用して添加してもよい。
更に必要に応じて、水に相溶性のある従来汎用の水溶性有機溶剤を用いることができる。具体的には、エタノール、プロパノール、ブタノール、グリセリン、ソルビトール、トリエタノールアミン、ジエタノールアミン、モノエタノールアミン、エチレングリコール、ジエチレングリコール、チオジエチレングリコール、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、ブチレングリコール、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、スルフォラン、2−ピロリドン、N−メチル−2−ピロリドン等が挙げられる。
尚、前記水溶性有機溶剤は一種又は二種以上を併用して用いることができ、2〜60重量%、好ましくは5〜35重量%の範囲で用いられる。
また、紙面への固着性や粘性を付与するために水溶性樹脂を添加することもできる。前記水溶性樹脂としては、アルキッド樹脂、アクリル樹脂、スチレンマレイン酸共重合物、セルロース誘導体、ポリビニルピロリドン、ポリビニルアルコール、デキストリン等が挙げられる。前記水溶性樹脂は一種又は二種以上を併用することができ、インキ組成中1乃至30重量%の範囲で用いられる。
その他、必要に応じて、炭酸ナトリウム、リン酸ナトリウム、酢酸ソーダ等の無機塩類、水溶性のアミン化合物等の有機塩基性化合物等のpH調整剤、ベンゾトリアゾール、トリルトリアゾール、サポニン等の防錆剤、石炭酸、1、2−ベンズチアゾリン3−オンのナトリウム塩、安息香酸ナトリウム、デヒドロ酢酸ナトリウム、ソルビン酸カリウム、パラオキシ安息香酸プロピル、2,3,5,6−テトラクロロ−4−(メチルスルフォニル)ピリジン等の防腐剤或いは防黴剤、消泡剤、インキの浸透性を向上させるフッ素系界面活性剤やノニオン系界面活性剤を使用してもよい。また、ソルビット、マンニット、ショ糖、ぶどう糖、還元デンプン加水分解物、尿素、ピロリン酸ナトリウム等の湿潤剤を用いることもできる。
更に、潤滑剤を添加することができ、金属石鹸、ポリアルキレングリコール脂肪酸エステル、エチレンオキサイド付加型カチオン活性剤、リン酸エステル系活性剤、ジカルボン酸型界面活性剤、β−アラニン型界面活性剤、2,5−ジメルカプト−1,3,4−チアジアゾールやその塩やオリゴマー、3−アミノ−5−メルカプト−1,2,4−トリアゾール、チオカルバミン酸塩、ジメチルジチオカルバミン酸塩、N−アシル−L−グルタミン酸とL−リジンとの縮合物やその塩等が用いられる。
アスコルビン酸類、エリソルビン酸類、α−トコフェロール、カテキン類、合成ポリフェノール、コウジ酸、アルキルヒドロキシルアミン、オキシム誘導体、α−グルコシルルチン、α−リポ酸、ホスホン酸塩、ホスフィン酸塩、亜硫酸塩、スルホキシル酸塩、亜ジチオン酸塩、チオ硫酸塩、二酸化チオ尿素等を添加して化学的に気泡を除去することもできる。
また、N−ビニル−2−ピロリドンのオリゴマー、N−ビニル−2−ピペリドンのオリゴマー、N−ビニル−2−ピロリドン、N−シクロヘキシル−2−ピロリドン、ε−カプロラクタム、N−ビニル−ε−カプロラクタムのオリゴマー等の増粘抑制剤を添加することで、出没式形態での機能を高めることもできる。
前記水性インキ組成物は、ボールペンチップを筆記先端部に装着したボールペンに充填される。
ボールペン自体の構造、形状は特に限定されるものではなく、従来から汎用のものが適用でき、例えば、インキ組成物が低粘度である場合は軸筒前部にインキ保留部材を装着し、軸筒内に直接インキ組成物を収容する構造や、多孔質体或いは繊維加工体に前記インキ組成物を含浸させて収容する構造が例示できる。更に、軸筒内にインキ組成物を充填したインキ収容管を有し、該インキ収容管はボールを先端部に装着したチップに連通しており、更にインキの端面には逆流防止用のインキ逆流防止体が密接している構造のボールペンが例示できる。
前記ボールペンチップについて詳しく説明すると、金属製のパイプの先端近傍を外面より内方に押圧変形させたボール抱持部にボールを抱持してなるチップ、或いは、金属材料をドリル等による切削加工により形成したボール抱持部にボールを抱持してなるチップ、或いは、金属製のパイプや金属材料の切削加工により形成したチップに抱持するボールをバネ体により前方に付勢させたもの等を適用できる。
また、前記ボールは、超硬合金、ステンレス鋼、ルビー、セラミック等が適用でき、直径0.1mm〜2.0mmの範囲のものが好適に用いられる。
前記水性インキ組成物を収容するインキ収容管は、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエチレンテレフタレート等の熱可塑性樹脂からなる成形体が、インキの低蒸発性、生産性の面で好適に用いられる。また、前記インキ収容管として透明、着色透明、或いは半透明の成形体を用いることにより、インキ色やインキ残量等を確認できる。
前記インキ収容管にはチップを直接連結する他、接続部材を介して前記インキ収容管とチップを連結してもよい。
尚、前記インキ収容管はレフィルの形態として、前記レフィルを軸筒内に収容するものでもよいし、先端部にチップを装着した軸筒自体をインキ収容体として、前記軸筒内に直接インキを充填してもよい。
更に、前記インキ収容管内に充填されたインキ組成物の後端部に充填されるインキ逆流防止体としては、液状または固体のいずれを用いることもでき、前記液状のインキ逆流防止体(液栓)としては、ポリブテン、α−オレフィンコオリゴマー、シリコーン油、精製鉱油等の不揮発性媒体が挙げられ、所望により前記媒体中にシリカ、珪酸アルミニウム、膨潤性雲母、脂肪酸アマイド等を添加することもできる。また、固体のインキ逆流防止体としては樹脂成形物が挙げられる。前記液状及び固体のインキ逆流防止体は併用することも可能である。
前記ボールペンは、キャップ式、出没式のいずれの形態であってもよく、出没式ボールペンとしては、ボールペンレフィルに設けられた筆記先端部が外気に晒された状態で軸筒(外軸)内に収納されており、出没機構の作動によって軸筒開口部から筆記先端部が突出する構造であれば全て用いることができる。
出没機構の操作方法としては、ノック式、回転式、スライド式等が挙げられる。
前記ノック式は、軸筒後端部や軸筒側面にノック部を有し、該ノック部の押圧により、ボールペンレフィルの筆記先端部を軸筒前端開口部から出没させる構成、或いは、軸筒に設けたクリップ部を押圧することにより、ボールペンレフィルの筆記先端部を軸筒前端開口部から出没させる構成を例示できる。
前記回転式は、軸筒後部に回転部を有し、該回転部を回すことによりボールペンレフィルの筆記先端部を軸筒前端開口部から出没させる構成を例示できる。
前記スライド式は、軸筒側面にスライド部を有し、該スライドを操作することによりボールペンレフィルの筆記先端部を軸筒前端開口部から出没させる構成、或いは、軸筒に設けたクリップ部をスライドさせることにより、ボールペンレフィルの筆記先端部を軸筒前端開口部から出没させる構成を例示できる。
前記出没式ボールペンは軸筒内に複数のボールペンレフィルを収容してなる複合タイプの出没式ボールペン(レフィル交換式)であってもよい。
以下に実施例を説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
以下の表に実施例及び比較例のボールペン用水性インキの組成を示す。尚、表中の組成の数値は重量部を示す。また、顔料の粒子径はレーザ回折/散乱式粒子径分布測定装置〔(株)堀場製作所製;LA−300〕を用いて測定してその数値を基に平均粒子径(メジアン径)を算出した値である。
Figure 2014105324
表中の原料の内容について注番号に沿って説明する。
(1)山陽色素(株)製、商品名:サンダイスーパーブラックC、顔料分30%
(2)カーボンブラック10部、N−ビニルピロリドンと1−ブテンの共重合体10部、水80部をボールミルで1時間攪拌混合した分散液
(3)山陽色素(株)製、商品名:サンダイスーパーレッドBS、顔料分32%
(4)(イ)成分として2−(2−クロロアニリノ)−6−ジ−n−ブチルアミノフルオラン4.5部、(ロ)成分として1,1−ビス(4′−ヒドロキシフェニル)n−デカン4.5部、2,2−ビス(4′−ヒドロキシフェニル)ヘキサフルオロプロパン7.5部、(ハ)成分としてカプリン酸4−ベンジルオキシフェニルエチル50.0部からなる可逆熱変色性組成物を内包したマイクロカプセル顔料(T:−20℃、T:−9℃、T:40℃、T:57℃、ΔH:63℃、平均粒子径:2.5μm、可逆熱変色性組成物/壁膜=2.6/1.0、黒色から無色に色変化する)
(5)第一工業製薬(株)製、商品名:プライサーフAL
(6)アーチ・ケミカルズ・ジャパン社製、商品名:プロキセルXL−2
(7)三晶(株)製、商品名:レオザン
(8)花王(株)製、商品名:TW−S106SV
(9)和光純薬(株)製、商品名:ハイビスワコー105
(10)商品名:エコーガムRD
(11)N−ビニルピロリドンと1−ブテンの共重合体
(12)N−ビニルピロリドンと1−ペンテンの共重合体
(13)炭素数4のグリコールを主骨格とするエーテル、沸点:188.9℃
(14)炭素数6のグリコールを主骨格とするエーテル、沸点:271.2℃
(15)炭素数8のグリコールを主骨格とするエーテル、沸点:275.0℃
(16)炭素数4以上のグリコールを主骨格とするエーテル、沸点:264〜294℃
(17)炭素数2のグリコールを主骨格とするエーテル、沸点:124.5℃
インキの調製
水に増粘剤以外の成分を添加し、混合攪拌した後に増粘剤を添加して、20℃でディスパーにて6000rpmで1時間攪拌し、濾過することで各インキを調製した。
インキ逆流防止体の調製
基油としてポリブテン98.5部中に、増粘剤として脂肪酸アマイド1.5部を添加した後、3本ロールにて混練してインキ逆流防止体を得た。
ボールペンの作製
前記実施例及び比較例のインキ組成物を直径0.5mmの超硬合金ボールを抱持するステンレススチール製チップがポリプロピレン製パイプの一端に嵌着されたボールペンレフィルに充填し、その後端に前記インキ逆流防止体を配設した後、前記ボールペンレフィルを軸筒(キャップ式)に組み込み、試料ボールペンを作製した。
前記試料ボールペンを用いて以下の試験を行った。
耐水性試験
各試料ボールペンを用いて、室温にて旧JIS P3201筆記用紙Aに手書きで1行に12個の螺旋状の丸を連続筆記した。その後、前記筆記用紙を蒸留水中に1時間浸漬し、取り出して乾燥させた際の筆跡の状態を目視により確認した。
前記試験の結果を以下の表に示す。
Figure 2014105324
尚、試験結果の評価は以下の通りである。
耐水性試験
○:初期の筆跡から変化なし。
×:筆跡に滲みが見られる。

Claims (3)

  1. 顔料と、水と、剪断減粘性付与剤と、N−ビニルピロリドン或いはその誘導体とアルケン化合物の共重合体と、炭素数4以上のグリコールを主骨格とするグリコールエーテルを含有するボールペン用水性インキ組成物。
  2. 前記グリコールエーテルの沸点が170℃以上である請求項1記載のボールペン用水性インキ組成物。
  3. 前記請求項1又は2に記載のボールペン用水性インキ組成物を内蔵したボールペン。
JP2012261791A 2012-11-30 2012-11-30 ボールペン用水性インキ組成物及びそれを内蔵したボールペン Expired - Fee Related JP6029953B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2012261791A JP6029953B2 (ja) 2012-11-30 2012-11-30 ボールペン用水性インキ組成物及びそれを内蔵したボールペン

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2012261791A JP6029953B2 (ja) 2012-11-30 2012-11-30 ボールペン用水性インキ組成物及びそれを内蔵したボールペン

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2014105324A true JP2014105324A (ja) 2014-06-09
JP6029953B2 JP6029953B2 (ja) 2016-11-24

Family

ID=51027101

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2012261791A Expired - Fee Related JP6029953B2 (ja) 2012-11-30 2012-11-30 ボールペン用水性インキ組成物及びそれを内蔵したボールペン

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP6029953B2 (ja)

Families Citing this family (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR102616502B1 (ko) * 2022-01-04 2023-12-21 (주)일론 기밀성 및 결합성이 강화된 밀폐 용기 어셈블리

Citations (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH08176488A (ja) * 1994-12-26 1996-07-09 Mori Sadayoshi 水性インキ組成物
JPH10279875A (ja) * 1997-03-31 1998-10-20 Pentel Kk ボールペン用水性インキ
JP2000086964A (ja) * 1998-09-17 2000-03-28 Pilot Ink Co Ltd ボールペン用水性インキ組成物及びそれを用いたボールペン
JP2002226759A (ja) * 2001-01-31 2002-08-14 Pilot Ink Co Ltd ボールペン用水性インキ組成物

Patent Citations (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH08176488A (ja) * 1994-12-26 1996-07-09 Mori Sadayoshi 水性インキ組成物
JPH10279875A (ja) * 1997-03-31 1998-10-20 Pentel Kk ボールペン用水性インキ
JP2000086964A (ja) * 1998-09-17 2000-03-28 Pilot Ink Co Ltd ボールペン用水性インキ組成物及びそれを用いたボールペン
JP2002226759A (ja) * 2001-01-31 2002-08-14 Pilot Ink Co Ltd ボールペン用水性インキ組成物

Also Published As

Publication number Publication date
JP6029953B2 (ja) 2016-11-24

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP2013108055A (ja) ボールペン用水性インキ組成物及びそれを内蔵したボールペン
JP6042200B2 (ja) ボールペン用水性インキ組成物及びそれを内蔵したボールペン
JP6100646B2 (ja) ボールペン用水性インキ組成物及びそれを内蔵したボールペン
JP6029953B2 (ja) ボールペン用水性インキ組成物及びそれを内蔵したボールペン
JP2017095582A (ja) ボールペン用水性インキ組成物及びそれを内蔵したボールペン
JP6096590B2 (ja) ボールペン用水性インキ組成物及びそれを内蔵したボールペン
JP6611225B2 (ja) ボールペン
JP6017193B2 (ja) ボールペン用水性インキ組成物及びそれを内蔵したボールペン
JP5431011B2 (ja) ボールペン用水性インキ組成物及びそれを内蔵したボールペン
JP6049066B2 (ja) ボールペン用水性インキ組成物及びそれを内蔵したボールペン
JP2012233084A (ja) ボールペン用水性インキ組成物及びそれを内蔵したボールペン
JP6192931B2 (ja) ボールペン
JP2019031645A (ja) ボールペン用水性インキ組成物及びそれを内蔵したボールペン
JP2013213145A (ja) ボールペン用水性インキ組成物及びそれを内蔵したボールペン
JP2015120777A (ja) ボールペン用水性インキ組成物及びそれを内蔵したボールペン
JP2014129439A (ja) 筆記具用水性インキ組成物及びそれを内蔵した筆記具
JP2018184513A (ja) ボールペン用水性インキ組成物及びそれを内蔵したボールペン
JP5764037B2 (ja) ボールペン用水性インキ組成物及びそれを内蔵したボールペン
JP2018009165A (ja) ボールペン用熱変色性インキ組成物及びそれを内蔵したボールペン
JP2014005386A (ja) ボールペン用水性インキ組成物及びそれを内蔵したボールペン
JP2018053205A (ja) ボールペン用水性インキ組成物及びそれを内蔵したボールペン
JP2016216622A (ja) ボールペン用水性インキ組成物及びそれを内蔵したボールペン
JP2011088971A (ja) ボールペン用水性インキ組成物及びそれを内蔵したボールペン
JP6580382B2 (ja) ボールペン
JP6002011B2 (ja) ボールペン

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20150929

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20160616

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20160621

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20160818

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20160927

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20160927

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20161018

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20161019

R151 Written notification of patent or utility model registration

Ref document number: 6029953

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R151

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees