JP2014129439A - 筆記具用水性インキ組成物及びそれを内蔵した筆記具 - Google Patents

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Abstract

【課題】インキ中の気体を化学的に除去する特定の化合物を用いることによって、良好な筆記性能を得ることができ、淡色や白色のインキや加熱消色インキでの不具合を生じることがない、より広い実用性を備えた筆記具用水性インキ組成物とそれを内蔵した筆記具を提供する。
【解決手段】着色剤と、水と、リモノイドを含んでなる筆記具用水性インキ組成物。前記筆記具用水性インキ組成物をインキ収容管に直接充填し、インキ消費に伴って追従するインキ逆流防止体をインキ後端に密接配置してなる筆記具。
【選択図】なし

Description

本発明は筆記具用水性インキ組成物に関する。更に、前記筆記具用水性インキ組成物とインキ消費に伴って追従するインキ逆流防止体を内蔵した筆記具に関する。
従来、水性インキのうち剪断減粘性を有するインキとして、高分子多糖類等の剪断減粘性付与剤を含む水性ボールペン用インキ組成物が開示されている(例えば、特許文献1参照)。
この種のインキは、剪断応力が加わらない静置時には高粘度であり、機構内において安定的に保持されており、筆記時にあっては高速回転するボールによる高剪断力によってボール近傍のインキが低粘度化し、その結果、インキはボールとボール収容部の間隙から吐出して紙面に転写される。前記紙面に転写されたインキは剪断力から解放されるため再び高粘度状態となり、従来の水性インキ組成物の欠点である筆跡の滲みを発生させない。
更に、前記した剪断減粘性に依存してインキ漏れが発生することなく、しかも、インキ流量を調節する流量調節部材(櫛歯状部材等のインキ一時的保溜部材)を要しないので、簡易な構造の筆記具が得られる。
前記従来の剪断減粘性を示す水性インキを用いた筆記具は構造が簡易であり、前記流量調節部材を用いた筆記具のようにインキの消費に伴って内部に空気が入り込まないことから内部圧力の変化が少なく、インキのボタ落ちを生じない利点も有する反面、インキの調製及び充填に際し、インキ中に気体が混入しないようにする等の特別な配慮が必要である。これは、インキ後端面には前記インキ中の溶剤が蒸発することを防止したり、或いは筆記先端部が上向き状態(正立状態)においてインキの逆流を防止する、インキの消費に伴って追従するインキ逆流防止体(液栓)が充填されるためであり、インキは外部の空気と遮断された気密空間に存在するため、インキ中に気体が混入していると、経時により気体が集まって気泡が発生し、筆記時に筆跡カスレ等のインキ出に悪影響を与えると共に、筆記先端部に気泡が存在すると筆記不能になる虞があるからである。
これとは別に、前記インキ逆流防止体が充填されるタイプの筆記具として、筆記先端部近傍に弁機構を設けることによって、剪断減粘性を示さない水性インキ組成物を充填することもできるが、前記と同様に気泡が存在すると筆記性能に悪影響を与える。
前記した問題を解決するためには、機械的にインキ中の気体を取り除く脱泡処理が主に行われているが、この方法のみでは充分な脱泡がされ難く、インキ中に気体が残ることがある。また、溶剤に不溶の着色剤である顔料(広義に金属粉や酸化チタン等を含む)を用いる場合、ビヒクルとの比重差が大きいものにおいては、遠心脱泡等の処理を行うと前記着色剤がインキ収容容器中に偏在するといった不具合を生じる。
従って、インキ中の気体を化学的に除去する方法が考えられ、例えば、アスコルビン酸誘導体やα−トコフェロール、カテキン類等を添加する試みが開示されている(例えば、特許文献2乃至4参照)。
特開平4−214782号公報 特公平7−113101号公報 特開平10−330672号公報 特開平10−298483号公報
しかしながら、前記インキ中の気体を化学的に除去する化合物のうち、アスコルビン酸誘導体は着色剤として顔料を用いる系においては、前記顔料の凝集を生じ易くなり実用が制限される。また、α−トコフェロールは水不溶性のため溶解助剤が必須となるが、この場合も経時によって析出し易く、気体の除去機能を永続して発現させ難いものである。これら二種類の化合物に対して、カテキン類は気体除去能力が高く、持続的に効果を発現できるものであるが、長期経時によって酸化され易く、化合物自体の色濃度が高くなるため、淡色や白色インキや、加熱によって筆跡が消色(透明化)するインキに適用した場合、インキの色合いが変化してしまうことや、筆跡消去時の紙面に残色を生じることがある。
本発明は、前記したインキ中の気体を化学的に除去する特定の化合物を用いることによって、良好な筆記性能を得ることができ、淡色や白色のインキや加熱消色インキでの前記不具合を生じることがない、より広い実用性を備えた筆記具用水性インキ組成物とそれを内蔵した筆記具を提供するものである。
本発明の筆記具用水性インキ組成物は、着色剤と、水と、リモノイドを含んでなることを要件とする。
更に、前記リモノイドが、リモニン、ノミリン、オバクノンから選ばれる一種以上であることを要件とする。
更には、前記いずれかに記載の筆記具用水性インキ組成物をインキ収容管に直接充填し、インキ消費に伴って追従するインキ逆流防止体をインキ後端に密接配置してなる筆記具を要件とし、ボールペン形態であることを要件とする。
本発明の筆記具用水性インキ組成物は、リモノイドを配合することにより、他の添加剤に悪影響を及ぼすことなく顕著な気泡除去機能を発現するので、前記インキを用いた筆記具は、経時により気泡が発生せず、筆記先端部へのインキ導出が円滑に行われ、安定した筆記性能を持続させることができ、継続して良好な筆跡が得られる。
また、単色や白色のインキや加熱消色インキに適用した場合であっても、長期経時後に筆跡の色合いを変えてしまうことや、筆跡消去時に残色を生じることなく気泡除去機能を発現できる。
前記リモノイドは、柑橘類等に含まれる苦味成分として天然においても存在するトリテルペン誘導体であり、構造中にエーテル酸素とカルボニル酸素を多く含んでいるため、水性インキ組成物中に添加することで容易に溶解して還元作用を示すことから、良好な酸素吸収能を長期間に亘って発現するものである。従って、インキ中の酸素を含む気体が集まって気泡となることを長期的に抑制できる。
特に、ラクトン環とフラン環を官能基として持つ変形トリテルペン(フラノラクトン)構造を有するものは、エポキシ酸素による気泡除去効果が極めて高いため、少量の添加であっても高い効果が発現されることから特に有用である。具体的な化合物としては、リモニン、ノミリン、オバクノンが挙げられる。
また、前記リモノイドは化合物自体の色濃度が極めて薄く、経時後も着色化することがないため、所望の色合いに調整した水性インキに配合した際に色合いを損なうことがなく、更に、加熱消色型インキに配合した際には、消色(透明化)時に添加剤に由来する残色を生じることがないため、特に淡色インキや熱消色インキに対して有用なものである。
前記リモノイドは、有効成分でインキ組成中0.001〜1重量%、好ましくは0.005〜0.5重量%の範囲で添加することができる。
0.001重量%未満では所期の気泡発生抑止効果を得ることは困難であり、また、1重量%を越えて配合しても更なる気泡抑制効果は得られないので、これ以上の添加を要しない。
前記着色剤としては、水性系媒体に溶解もしくは分散可能な染料及び顔料がすべて使用可能であり、その具体例を以下に例示する。
前記染料としては、酸性染料、塩基性染料、直接染料等を使用することができる。
酸性染料としては、ニューコクシン(C.I.16255)、タートラジン(C.I.19140)、アシッドブルーブラック10B(C.I.20470)、ギニアグリーン(C.I.42085)、ブリリアントブルーFCF(C.I.42090)、アシッドバイオレット6B(C.I.42640)、ソルブルブルー(C.I.42755)、ナフタレングリーン(C.I.44025)、エオシン(C.I.45380)、フロキシン(C.I.45410)、エリスロシン(C.I.45430)、ニグロシン(C.I.50420)、アシッドフラビン(C.I.56205)等が用いられる。
塩基性染料としては、クリソイジン(C.I.11270)、メチルバイオレットFN(C.I.42535)、クリスタルバイオレット(C.I.42555)、マラカイトグリーン(C.I.42000)、ビクトリアブルーFB(C.I.44045)、ローダミンB(C.I.45170)、アクリジンオレンジNS(C.I.46005)、メチレンブルーB(C.I.52015)等が用いられる。
直接染料としては、コンゴーレッド(C.I.22120)、ダイレクトスカイブルー5B(C.I.24400)、バイオレットBB(C.I.27905)、ダイレクトディープブラックEX(C.I.30235)、カヤラスブラックGコンク(C.I.35225)、ダイレクトファストブラックG(C.I.35255)、フタロシアニンブルー(C.I.74180)等が用いられる。
前記顔料(一般顔料)としては、カーボンブラック、群青などの無機顔料や銅フタロシアニンブルー、ベンジジンイエロー等の有機顔料の他、予め界面活性剤や樹脂を用いて微細に安定的に水媒体中に分散された水分散顔料製品等が用いられ、例えば、C.I.Pigment Blue 15:3B〔品名:Sandye Super Blue GLL、顔料分24%、山陽色素株式会社製〕、C.I. Pigment Red 146〔品名:Sandye Super Pink FBL、顔料分21.5%、山陽色素株式会社製〕、C.I.Pigment Yellow 81〔品名:TC Yellow FG、顔料分約30%、大日精化工業株式会社製〕、C.I.Pigment Red 220/166〔品名:TC Red FG、顔料分約35%、大日精化工業株式会社製〕等を挙げることができる。
尚、前記顔料を分散する樹脂としては、ポリアミド樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリエステル樹脂、エポキシ樹脂、メラミン樹脂、フェノール樹脂、シリコーン樹脂、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、ポリ酢酸ビニル、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリスチレン、アクリル酸樹脂、マレイン酸樹脂、アラビアゴム、セルロース、デキストラン、カゼイン等、およびそれらの誘導体、前記した樹脂の共重合体等が挙げられる。
蛍光顔料としては、各種蛍光性染料を樹脂マトリックス中に固溶体化した合成樹脂微細粒子状の蛍光顔料が使用できる。
また、酸化チタン等の白色顔料、アルミニウム等の金属粉顔料、天然雲母、合成雲母、アルミナ、ガラス片から選ばれる芯物質の表面を二酸化チタン等の金属酸化物で被覆したパール顔料、コレステリック液晶型光輝性顔料等を使用することもできる。
更に、熱変色性組成物を内包したマイクロカプセル顔料(加熱消色型顔料)や、熱変色性組成物と共に、染料や顔料を内包したマイクロカプセル顔料等の熱変色性顔料を使用することもできる。
前記熱変色性組成物としては、(イ)電子供与性呈色性有機化合物、(ロ)電子受容性化合物、(ハ)前記両者の呈色反応の生起温度を決める反応媒体からなる可逆熱変色性組成物が好適であり、マイクロカプセルに内包させて可逆熱変色性マイクロカプセル顔料として適用される。
前記可逆熱変色性組成物としては、特公昭51−44706号公報、特公昭51−44707号公報、特公平1−29398号公報等に記載された、所定の温度(変色点)を境としてその前後で変色し、高温側変色点以上の温度域で消色状態、低温側変色点以下の温度域で発色状態を呈し、前記両状態のうち常温域では特定の一方の状態しか存在せず、もう一方の状態は、その状態が発現するのに要した熱又は冷熱が適用されている間は維持されるが、前記熱又は冷熱の適用がなくなれば常温域で呈する状態に戻る、ヒステリシス幅が比較的小さい特性(ΔH=1〜7℃)を有する可逆熱変色性組成物をマイクロカプセル中に内包させた加熱消色型のマイクロカプセル顔料が適用できる。
更に、特公平4−17154号公報、特開平7−179777号公報、特開平7−33997号公報、特開平8−39936号公報等に記載されている大きなヒステリシス特性(ΔH=8〜50℃)を示す、即ち、温度変化による着色濃度の変化をプロットした曲線の形状が、温度を変色温度域より低温側から上昇させていく場合と逆に変色温度域より高温側から下降させていく場合とで大きく異なる経路を辿って変色し、完全発色温度以下の低温域での発色状態、又は完全消色温度以上の高温域での消色状態が、特定温度域で色彩記憶性を有する可逆熱変色性組成物をマイクロカプセル中に内包させた加熱消色型のマイクロカプセル顔料も適用できる。
尚、前記色彩記憶性を有する可逆熱変色性組成物として具体的には、完全発色温度を冷凍室、寒冷地等でしか得られない温度、即ち−50〜0℃、好ましくは−40〜−5℃、より好ましくは−30〜−10℃、且つ、完全消色温度を摩擦体による摩擦熱、ヘアドライヤー等身近な加熱体から得られる温度、即ち50〜95℃、好ましくは50〜90℃、より好ましくは60〜80℃の範囲に特定し、ΔH値を40〜100℃に特定することにより、常態(日常の生活温度域)で呈する色彩の保持に有効に機能させることができる。
前記着色剤は一種又は二種以上を適宜混合して使用することができ、インキ組成物中1〜30重量%、好ましくは2〜20重量%の範囲で用いられる。
尚、本発明で適用されるリモノイドは、添加による着色を生じないため、淡色や白色のインキ、加熱消色型顔料を用いた熱変色インキでの使用時により有効なものとなる。
具体的に、本発明での前記淡色インキとは、マンセル体系による明度値が2.0以上のものが適用され、好ましくは、3.0〜9.5の範囲が適用できる。
更に、本発明のインキ組成物においては、筆記具に充填した状態でのインキ中に少量の空気が存在した場合であっても経時的に除去できるため、過度の遠心処理に不向きな顔料を用いたインキにおいてより有用なものとなる。
また、水に相溶性のある従来汎用の水溶性有機溶剤を用いることもでき、例えば、エタノール、プロパノール、ブタノール、グリセリン、ソルビトール、トリエタノールアミン、ジエタノールアミン、モノエタノールアミン、エチレングリコール、ジエチレングリコール、チオジエチレングリコール、ヘキシレングリコール、1,3−ブタンジオール、ネオプレングリコール、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、ブチレングリコール、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、2−ピロリドン、N−メチル−2−ピロリドン等が挙げられる。
尚、前記水溶性有機溶剤は一種又は二種以上を併用することもでき、インキ組成物中2〜60重量%、好ましくは5〜35重量%の範囲で用いられる。
その他、必要に応じて、炭酸ナトリウム、リン酸ナトリウム、酢酸ソーダ等の無機塩類、水溶性のアミン化合物等の有機塩基性化合物等のpH調整剤、ベンゾトリアゾール、トリルトリアゾール、サポニン等の防錆剤、石炭酸、1、2−ベンズチアゾリン3−オンのナトリウム塩、安息香酸ナトリウム、デヒドロ酢酸ナトリウム、ソルビン酸カリウム、パラオキシ安息香酸プロピル、2,3,5,6−テトラクロロ−4−(メチルスルフォニル)ピリジン等の防腐剤或いは防黴剤、尿素、ソルビット、マンニット、ショ糖、ぶどう糖、還元デンプン加水分解物、ピロリン酸ナトリウム等の湿潤剤、消泡剤、インキの浸透性を向上させるフッ素系界面活性剤やノニオン系界面活性剤を使用してもよい。
更に、潤滑剤を添加することができ、金属石鹸、ポリアルキレングリコール脂肪酸エステル、エチレンオキサイド付加型カチオン活性剤、リン酸エステル系活性剤、N−アシルアミノ酸系界面活性剤、ジカルボン酸型界面活性剤、β−アラニン型界面活性剤、2,5−ジメルカプト−1,3,4−チアジアゾールやその塩やオリゴマー、3−アミノ−5−メルカプト−1,2,4−トリアゾール、チオカルバミン酸塩、ジメチルジチオカルバミン酸塩、α−リポ酸、N−アシル−L−グルタミン酸とL−リジンとの縮合物やその塩等が用いられる。
また、N−ビニル−2−ピロリドンのオリゴマー、N−ビニル−2−ピペリドンのオリゴマー、N−ビニル−2−ピロリドン、N−シクロヘキシル−2−ピロリドン、ε−カプロラクタム、N−ビニル−ε−カプロラクタムのオリゴマー等の増粘抑制剤を添加することで、出没式形態での機能を高めることもできる。
また、耐乾燥性を妨げない範疇でアルキッド樹脂、アクリル樹脂、スチレンマレイン酸共重合物、セルロース誘導体、ポリビニルピロリドン、ポリビニルアルコール、デキストリン等の水溶性樹脂を一種又は二種以上添加したり、尿素、ノニオン系界面活性剤、ソルビット、マンニット、ショ糖、ぶどう糖、還元デンプン加水分解物、ピロリン酸ナトリウム等の湿潤剤を一種又は二種以上添加することもできる。
前記水性インキ組成物には、剪断減粘性付与剤を添加することもできる。
前記剪断減粘性付与剤としては、水に可溶乃至分散性の物質が効果的であり、キサンタンガム、ウェランガム、ゼータシーガム、ダイユータンガム、マクロホモプシスガム、構成単糖がグルコースとガラクトースの有機酸修飾ヘテロ多糖体であるサクシノグリカン(平均分子量約100乃至800万)、グアーガム、ローカストビーンガム及びその誘導体、ヒドロキシエチルセルロース、アルギン酸アルキルエステル類、メタクリル酸のアルキルエステルを主成分とする分子量10万〜15万の重合体、グルコマンナン、寒天やカラゲニン等の海藻より抽出されるゲル化能を有する炭水化物、ポリN−ビニル−カルボン酸アミド架橋物、ベンジリデンソルビトール及びベンジリデンキシリトール又はこれらの誘導体、架橋性アクリル酸重合体、無機質微粒子、HLB値が8〜12のノニオン系界面活性剤、ジアルキルスルホコハク酸の金属塩やアミン塩等を例示できる。更には、インキ組成物中にN−アルキル−2−ピロリドンとアニオン系界面活性剤を併用して添加してもよい。
前記剪断減粘性付与剤は、インキ組成物中0.1〜20重量%の範囲で用いることができる。
本発明の筆記具用水性インキ組成物は、繊維チップ、フェルトチップ、プラスチックチップ、ボールペンチップを筆記先端部に装着したマーキングペンやボールペン(キャップ式や出没式)に充填される。
ボールペン自体の構造、形状は特に限定されるものではなく、従来から汎用のものが適用でき、例えば、軸筒内にインキ組成物を充填したインキ収容管を有し、該インキ収容管はボールを先端部に装着したチップに連通しており、更にインキの端面には逆流防止用の液栓が密接しているボールペンが例示できる。
前記ボールペンチップについて更に詳しく説明すると、金属製のパイプの先端近傍を外面より内方に押圧変形させたボール抱持部にボールを抱持してなるチップ、或いは、金属材料をドリル等による切削加工により形成したボール抱持部にボールを抱持してなるチップ、或いは、金属製のパイプや金属材料の切削加工により形成したチップに抱持するボールをバネ体により前方に付勢させたもの等を適用できる。
また、前記ボールは、超硬合金、ステンレス鋼、ルビー、セラミック等が適用できる。
前記水性インキ組成物を収容するインキ収容管は、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエチレンテレフタレート等の熱可塑性樹脂からなる成形体が、インキの低蒸発性、生産性の面で好適に用いられる。また、前記インキ収容管として透明、着色透明、或いは半透明の成形体を用いることにより、インキ色やインキ残量等を確認できる。
前記インキ収容管にはチップを直接連結する他、接続部材を介して前記インキ収容管とチップを連結してもよい。
尚、前記インキ収容管はレフィルの形態として、前記レフィルを軸筒内に収容するものでもよいし、先端部にチップを装着した軸筒自体をインキ収容体として、前記軸筒内に直接インキを充填してもよい。
前記インキ収容管に収容したインキ組成物の後端には、インキ逆流防止体が充填される。
前記インキ逆流防止体としては、液状または固体のいずれを用いることもでき、前記液状のインキ逆流防止体としては、ポリブテン、シリコーン油等の不揮発性媒体が挙げられ、所望により前記媒体中にシリカ、珪酸アルミニウム等を添加することもできる。
また、固体のインキ逆流防止体としては樹脂成形物が挙げられる。
尚、前記液状及び固体のインキ逆流防止体は併用することもできる。
本発明の筆記具用水性インキ組成物は、水媒体中に、着色剤、リモノイド、必要により水溶性有機溶剤や剪断減粘性付与剤や各種添加剤を投入し、更に必要に応じて加温して攪拌し、溶解及び分散することにより調製され、ボールペン、サインペン、フェルトペン、筆ペン等の形態の筆記具に充填して使用される。
以下に実施例を説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
表1に実施例及び比較例のボールペン用水性インキの組成を示す。尚、表中の組成の数値は重量部を示す。
Figure 2014129439
表中の原料の内容について注番号に沿って説明する。
(1)(株)アイゼン製、商品名:フロキシン(C.I.アシッドレッド92)
(2)山陽色素(株)製、商品名:サンダイスーパーカラー ブルー GLL−E
(3)(イ)成分として2−(2−クロロアニリノ)−6−ジ−n−ブチルアミノフルオラン4.5部、(ロ)成分として1,1−ビス(4′−ヒドロキシフェニル)n−デカン4.5部、2,2−ビス(4′−ヒドロキシフェニル)ヘキサフルオロプロパン7.5部、(ハ)成分としてカプリン酸4−ベンジルオキシフェニルエチル50.0部からなる可逆熱変色性組成物を内包したマイクロカプセル顔料(T:−20℃、T:−9℃、T:40℃、T:57℃、ΔH:63℃、平均粒子径:2.5μm、黒色から無色に色変化する)
(4)(イ)成分として4,5,6,7−テトラクロロ−3−〔4−(ジメチルアミノ)−2−メチルフェニル〕−3−(1−エチル−2−メチル−1H−インドール−3−イル)−1(3H)−イソベンゾフラノン2.0部、(ロ)成分としてビス(3−メチル−4−ヒドロキシフェニル)スルフィド8.0部、2,2−ビス(4′−ヒドロキシフェニル)ヘキサフルオロプロパン5.0部、(ハ)成分としてカプリン酸4−ベンジルオキシフェニルエチル50.0部からなる可逆熱変色性組成物を内包したマイクロカプセル顔料(T:−14℃、T:−6℃、T:48℃、T:60℃、ΔH:64℃、平均粒子径:2.3μm、青色から無色に色変化する)
(5)太陽化学(株)製、商品名:サンフェノン100S
(6)塩水港製糖(株)製、商品名:デキシパールK−100
(7)中部キレスト(株)製、商品名:キレストM−50
(8)リン酸エステル系界面活性剤、第一工業製薬(株)製、商品名:プライサーフAL
(9)アーチケミカルズジャパン社製、商品名:プロキセルXL−2
(10)ビックケミージャパン(株)製、商品名:DISPER BYK−180
インキの調製
前記実施例及び比較例の配合量で各原料を混合し、20℃で3時間撹拌溶解することにより筆記具水性インキ組成物を得た。
インキ逆流防止体の調製
基油としてポリブテン98.5部中に、増粘剤として脂肪酸アマイド1.5部を添加した後、3本ロールにて混練してインキ逆流防止体を得た。
ボールペンの作製
直径0.4mmの超硬合金製ボールを抱持するステンレススチール製チップが透明ポリプロピレン製パイプの一端に嵌着されたボールペンレフィル内に、前記各インキ組成物を充填し、その後端に前記インキ逆流防止体を配設した後、前記ボールペンレフィルを軸筒に組み込み、試料ボールペンを作製した。
エア確認試験
前記各試料ボールペンを50℃で60日間放置した後、インキ収容管内のエア(気泡)の発生の有無を目視により観察した。
筆記試験
前記50℃で60日間放置した各試料ボールペンを用いて、旧JIS P3201筆記用紙Aに手書きで螺旋状の丸を連続筆記した際の筆跡の状態を目視により確認した。
外観確認試験
前記試料ボールペンを50℃で60日間放置した後、レフィル内のインキの色合いを目視により確認し、インキ作製直後(初期状態)の色と比較した。
残色試験
前記試料ボールペン(実施例4,5と比較例4,5のインキを内蔵するもの)を50℃で60日間放置した後、旧JIS P3201筆記用紙Aに手書きで螺旋状の丸を連続筆記した。その筆跡をドライヤーで加温してマイクロカプセル顔料を消色状態(筆跡消去状態)とした状態で筆跡が形成された部分を目視により確認した。
各試験の結果を以下に示す。
Figure 2014129439
尚、前記表中の記号に関する評価は以下の通りである。
エア確認試験
○:変化なし。
×:インキ収容管内にエアの発生が見られる。
筆記試験
○:均一で良好な筆跡が得られる。
△:筆跡に色調が薄い箇所や細い箇所が見られる。
×:筆跡にカスレや線飛びが見られる。
外観確認試験
○:初期と同様の色を呈している。
×:黄変等により色合いが変わっている。
残色確認試験
○:筆跡消色状態での残色は生じない。
×:筆跡部分に残色が生じる。

Claims (4)

  1. 着色剤と、水と、リモノイドを含んでなる筆記具用水性インキ組成物。
  2. 前記リモノイドが、リモニン、ノミリン、オバクノンから選ばれる一種以上である請求項1記載の筆記具用水性インキ組成物。
  3. 前記請求項1又は2に記載の筆記具用水性インキ組成物をインキ収容管に直接充填し、インキ消費に伴って追従するインキ逆流防止体をインキ後端に密接配置してなる筆記具。
  4. ボールペン形態である請求項3に記載の筆記具。
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