JP2020105273A - 筆記具用水性インキ組成物およびそれを内蔵した筆記具 - Google Patents

筆記具用水性インキ組成物およびそれを内蔵した筆記具 Download PDF

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Abstract

【課題】本発明によれば、長期にわたり、インキ吐出安定性に優れ、得られる筆跡には線とびやカスレ、さらには、滲みや裏抜けの問題が生じない、筆記具用水性インキ組成物およびそれを内蔵した筆記具を提供できる。【解決手段】水と、着色剤と、HLBが6以下のアセチレン系界面活性剤と、HLBが8以上のアセチレン系界面活性剤と、を含んでなることを特徴とする、筆記具用水性インキ組成物とすること。【選択図】なし

Description

本発明は、筆記具用水性インキ組成物およびそれを内蔵した筆記具に関するものである。
筆記具用水性インキ組成物は、筆記の際に筆跡にカスレや線とびのない優れた筆跡を得るために、ペン先からインキが安定して吐出されることが求められる。
そこで、各種添加剤を用いて、ペン先からのインキ吐出性を高めるなどしたインキ組成物が多数提案されている。(特許文献1〜3など)
しかしながら、用いる添加剤やその添加量によっては、インキ吐出性が向上するものの、インキの表面張力が低下してしまい、紙面への浸透性が極端に高まり、筆跡に滲みや裏抜けが発生してしまうことや、また、初期(インキ作成直後)は、良好に改善されるものの、経時によりその効果が失われ、ペン先からインキが安定して吐出できなくなり、筆跡にカスレや線とびが発生してしまうことがあった。
このため、初期はもちろんのこと、長期にわたり、ペン先からインキが安定して吐出され、さらに、筆跡に滲みや裏抜けが発生しない筆記具用水性インキ組成物が求められている。
また、従来より、多数の円盤体が櫛溝状の間隔を開け並列配置され、前記円盤体を軸方向に縦貫するスリット状のインキ誘導溝及び該溝より太幅の通気溝が設けられてなるペン芯のようなインキ流量調節体を介して、ペン先へインキを誘導する筆記具が広く利用されている。
このような筆記具において、上述のように、添加剤を用いて、インキの表面張力を下げてインキ吐出性を高めた場合には、ペン芯に対する濡れ性(親和性)が良化して、ペン芯の櫛溝間にインキが円滑に流入保持されるようになり、インキの保持力(貯溜性)は向上するものの、櫛溝間に保持されたインキはインキ貯蔵体に十分に回収されず、温度変化やキャップ着脱によって筆記具内部の圧力変化が複数回繰返されると、ペン先からインキ漏れ(インキのボタ落ち)が生じてしまうという新たな課題が発生してしまう。
よって、上述のような、ペン芯を備えた筆記具に用いられるインキ組成物では、良好なインキ吐出安定性を有しながらも、滲みや裏抜けのない良好な筆跡が得られるとともに、筆記具内部の気圧変化が起こった際にも、ペン芯櫛溝部のインキ貯溜性とインキ貯蔵体へのインキ回収性が良好で、筆記具内部の繰返しの気圧変化に対しても、ペン先よりインキがボタ落ちしない、優れたペン芯性能を発現できることが求められている。
特開平3−79682号公報 特開平10−212444号公報 特開2004−346181号公報
本発明の目的は、長期にわたり、インキ吐出安定性に優れ、得られる筆跡には線とびやカスレ、さらには、滲みや裏抜けの問題が生じない、筆記具用水性インキ組成物およびそれを内蔵した筆記具を提供するものである。
本発明は、上記課題を解決するために、
「1.水と、着色剤と、HLBが6以下のアセチレン系界面活性剤と、HLBが8以上のアセチレン系界面活性剤と、を含んでなることを特徴とする、筆記具用水性インキ組成物。
2.多数の円盤体が櫛溝状の間隔を開け並列配置され、前記円盤体を軸方向に縦貫するスリット状のインキ誘導溝及び該溝より太幅の通気溝が設けられてなるペン芯を介してペン先へインキを誘導する筆記具に内蔵されることを特徴とする、第1項に記載の筆記具用水性インキ組成物。
3.リン酸エステル系界面活性剤を更に含んでなる、第1項または第2項に記載の筆記具用水性インキ組成物。
4.第1項ないし第3項のいずれか1項に記載のインキ組成物を内蔵することを特徴とする、筆記具。
5.前記筆記具がボールペン形態である、第4項に記載の筆記具。」とする。
本発明によれば、初期(インキ作成直後)はもちろんのこと、経時保存後においても、ペン先からインキが安定して吐出され、線とびやカスレの問題がない良好な筆跡が得られるとともに、得られる筆跡には滲みや裏抜けの問題もない、優れたインキ吐出安定性および耐滲み裏抜け性を有する筆記具用水性インキ組成物およびそれを内蔵した筆記具を提供することができる。
さらに、本発明のインキ組成物を、インキ流量調節体としてペン芯を備えた筆記具に用いた場合には、筆記具内部の気圧変化が起きた際にも、ペン芯櫛溝部のインキ貯溜性とインキ貯蔵体へのインキ回収性がともに良好であり、よって、温度変化やキャップの着脱が繰返されるなどして生じた筆記具内部の気圧変化に対しても、ペン先からインキがボタ落ちすることなく、優れたペン芯性能を発現できる。
以下、本発明の実施の形態について、詳細に説明する。なお、本明細書において、配合を示す「部」、「%」、「比」などは特に断らない限り質量基準であり、含有率とは、インキ組成物の質量を基準としたときの構成成分の質量%である。
<筆記具用水性インキ組成物>
本発明による筆記具用水性インキ組成物(以下、場合により、インキ組成物と表す。)は、水と、着色剤と、HLBが6以下のアセチレン系界面活性剤と、HLBが8以上のアセチレン系界面活性剤と、を含んでなることを特徴とするものである。
本発明は、HLBが6以下と、HLBが8以上の異なる親水親油バランスを示すアセチレン系界面活性剤を併用することが重要である。HLBが6以下のアセチレン系界面活性剤は疎水性を示す傾向にあり、HLBが8以上のアセチレン系界面活性剤は親水性を示す傾向にあるもので、このような、相反する性質を有するアセチレン系界面活性剤を用いることで、両界面活性剤が相互に作用して、インキ組成物の表面張力を大きく下げることなく、ペン先やインキ流量調節体などの筆記具部材に対する、親和性(濡れ性)を良化でき、これを維持できる。このため、初期(インキ作成直後)はもちろんのこと、経時保存後においても、インキは、ペン先に安定供給され、ペン先から安定して吐出される。そして、紙面に対する浸透性も適度に保たれるため、得られる筆跡は滲みや裏抜けの問題がない良好なものとなる。
さらに、本発明のインキ組成物を、多数の円盤体が櫛溝状の間隔を開け並列配置され、前記円盤体を軸方向に縦貫するスリット状のインキ誘導溝及び該溝より太幅の通気溝が設けられてなるペン芯を介してペン先へインキを誘導する筆記具に用いた場合には、ペン芯の機能を十分に働かせることが可能であり、優れたペン芯性能を発現することができる。具体的には、筆記具内部の気圧変化が起こった際、押し出された余剰のインキは、ペン芯の櫛溝間に円滑に流入保持され、さらに、インキ貯蔵体に十分に回収され、そして、繰返しの気圧変化に対しても、ペン先からのインキのボタ落ちを十分に抑制できる。
これは、上述の通り、本発明のインキ組成物は、表面張力が極端に低下することなく、ペン芯に対する親和性を良化でき、ペン芯の櫛溝を十分に活用できるためである。
以上より、HLBが6以下のアセチレン系界面活性剤と、HLBが8以上のアセチレン系界面活性剤を用いた本発明のインキ組成物は、長期にわたり、ペン先よりインキが安定して吐出され、筆跡に線とびやカスレ、さらには、滲みや裏抜けの問題が生じない。また、ペン芯を備える筆記具に用いた場合には、優れたペン芯性能を発現でき、ペン芯の櫛溝部のインキ貯溜性とインキ貯蔵体へのインキ回収性が良好で、筆記具内部の繰返しの気圧変化に対してもペン先からのインキのボタ落ちを十分に抑制できる。
以下、本発明のインキ組成物における構成成分において、詳細に説明する。
<アセチレン系界面活性剤>
本発明におけるアセチレン系界面活性剤とは、アセチレン結合を構造中に有する界面活性剤である。前記アセチレン系界面活性剤としては、アセチレンアルコール系界面活性剤やアセチレングリコール系界面活性剤が例示できる。前記アセチレンアルコール系界面活性剤として、下記一般式(1)の構造を有するものが挙げられ、またアセチレングリコール系界面活性剤としては、下記一般式(2)の構造を有するものが挙げられる。
Figure 2020105273
ここで、R、Rは炭化水素基を示す。mは0以上の整数である。
Figure 2020105273
ここで、R〜Rは炭化水素基を示す。また、n、pは0以上の整数である。
本発明のインキ組成物は、上述の通り、HLBが6以下のアセチレン系界面活性剤と、HLBが8以上のアセチレン系界面活性剤とを併用することが重要であり、疎水性と親水性という、相反する異なる性質を有するアセチレン系界面活性剤が相互に作用して、インキの表面張力を極端に低下することなく、インキ中で安定に存在し筆記具部材との親和性を良化維持できるため、本発明のインキ組成物の効果が得られると考える。
これは、下記のように推測する。
筆記具は、インキ貯蔵体、インキ流量調節体、ペン先などの各種筆記具部材から構成されており、通常、これら筆記具部材は樹脂や金属より成形され、それらの表面は相対的に疎水性を示している。特に本発明の様な水性インキを内蔵した筆記具の場合、ペン先からインキを安定して吐出させ、線とびやカスレの問題がない良好な筆跡を得るためには、インキと上述のような様々な筆記具部材との親和性を高める必要がある。そこで、疎水性を示す傾向にあるHLBが6以下のアセチレン系界面活性剤を用いると、インキが、筆記具部材に良好になじむようになり、また、ペン先から安定してインキを吐出できるようになる。しかし、HLBが6以下のアセチレン系界面活性剤は疎水傾向にあるために、上述のように筆記具部材に対する親和性は向上できるものの、水性インキ中で、長期的に安定して存在することが難しく、この親和性の良化を継続的に得ることは困難であった。そこで、親水性を示す傾向にあるHLBが8以上のアセチレン系界面活性剤を更に用いると、これが、HLBが6以下のアセチレン系界面活性剤に対して可溶化剤として働き、HLBが6以下のアセチレン系界面活性剤をインキ中で長期的に安定に存在させることが可能となる。このため、本発明のインキ組成物は、初期(インキ作成直後)はもちろんのこと、経時保存後においても優れたインキ吐出安定性を示すのである。
また、上述のような、相反する性質を有するアセチレン系界面活性剤を併用することは、該アセチレン系界面活性剤の特徴的な構造により、筆記具部材に対する親和性を良化可能でありながらも、インキの表面張力の極端な低下を抑え、紙面に対する浸透性の過剰な付与を抑制できる。このため、筆跡の滲みや裏抜けを十分に抑制できる。
また、一般に、インキ流量調節体としてペン芯を備えた筆記具において、ペン芯の櫛溝を十分に活用してインキがボタ落ちすることを抑制するためには、インキの表面張力を下げることなく、インキとペン芯との親和性(濡れ性)を良化させる必要がある。
これは、インキのペン芯に対する濡れ性が十分でないと、筆記具内の気圧変化が起きた際に、インキ貯蔵体から押し出された余剰のインキが、ペン芯の櫛溝間に円滑に流入保持できず、ペン先からインキがボタ落ちしてしまう。一方、インキの表面張力を下げて、ペン芯への濡れ性を良化させると、余剰のインキは、櫛溝部に流入保持できるようになるが、ペン芯に対する濡れ性が高くなりすぎて、インキ貯蔵体にきちんと回収できず、再び気圧変化が生じた際、インキがペン先よりボタ落ちしてしまうためである。
しかし、HLB6以下と、HLB8以上のアセチレン系界面活性剤を併用した本発明のインキ組成物では、上述の通り、インキの表面張力を極端に低下させることなく、ペン芯との親和性(濡れ性)を良化維持できるものであり、このため、本発明のインキ組成物を、ペン芯を備える筆記具に用いた場合には、筆記具内部の気圧変化が起こった際にも、ペン芯の櫛溝部のインキ貯溜性やインキ貯蔵体へのインキ回収性の不具合を抑制できるため、インキのボタ落ちを十分に抑制することができる。
さらに、HLBが6以下のアセチレン系界面活性剤とHLBが8以上のアセチレン系界面活性剤を併用した本発明のインキ組成物は、滑らかで良好な書き味をもたらす。これは、理由は定かではないが、本発明のインキ組成物は、疎水性を示す前記界面活性剤の溶解安定性が、親水性を示す前記界面活性剤によって向上するために、疎水性、親水性の異なる性質のアセチレン系界面活性剤がインキ中で経時的に安定して相互に作用し、優れた潤滑剤として働き、ペン先と被筆記面との間、さらには、ボールペンに用いた場合には、ボールとボール座の間の潤滑性を向上させることができるためと考える。よって、本発明のインキ組成物を、特にボールペン形態の筆記具に用いることは好適であり、効果的である。
本発明のアセチレン系界面活性剤のHLBは、グリフィンが提唱した化合物の親水性を評価する値であり、下記一般式(3)によって算出される値をいう。
HLB=20×(親水基の質量%)=20×(界面活性剤の親水基の式量の総和/界面活性剤の分子量)・・・式(3)
前記HLBが6以下の界面活性剤のHLBは、さらには、5以下であることが好ましく、4以下であることがより好ましい。また、2以上であることが好ましい。
HLBが上記数値範囲内であれば、HLBが8以上のアセチレン系界面活性剤との相互作用が起こりやすく、インキ中で安定して存在しやすくなる。よって、筆記具部材に対する親和性を向上、さらには、維持可能となり、優れたインキ吐出安定性をより発現しやすくなる。さらには、ペン芯性能も向上することができる。
また、前記HLBが8以上の界面活性剤のHLBは、さらには、10以上であることが好ましく、また、18以下であることが好ましい。
HLBが上記数値範囲内であれば、HLBが6以下のアセチレン系界面活性剤のインキ中の経時安定性をより向上させ、筆記具部材に対するインキの親和性を向上、そして長期的に維持することが可能となる。このため、優れたインキ吐出安定性を得ることができ、特に経時保存後のインキ吐出安定性を向上させることができる。また、ペン芯性能も向上することができる。
本発明において、インキ吐出安定性の向上とともに、得られる筆跡において、滲みや裏抜けに問題が生じることなく、また、ペン芯の櫛溝を十分に活用することを考慮すると、前記HLBが6以下のアセチレン系界面活性剤と前記HLBが8以上のアセチレン系界面活性剤は、上記一般式(1)で示されるようなアセチレンアルコール系界面活性剤または、上記一般式(2)で示されるようなアセチレングリコール系界面活性剤であることが好ましい。
特に、筆記具部材への適度な濡れ性を付与し、かつ滲みや裏抜けの問題が生じない筆跡を得るためには、両者が上記一般式(2)で示されるようなアセチレングリコール系界面活性剤であることがより好ましい。さらに、前記HLBが8以上のアセチレン系界面活性剤においては、上記一般式(2)中のnとpが、n>0かつp>0である、アセチレングリコールのエチレンオキサイド付加物であることがより好ましく、さらには、2≦n+p≦40であることが特に好ましく、10≦n+p≦40であることが最も好ましい。
前記HLB値が6以下のアセチレン系界面活性としては、特に限定されないが、例えば、サーフィノール61(HLB:6)、サーフィノール82(HLB:4)、サーフィノール104S(HLB:4)、サーフィノール104PG−50(HLB:4) 、サーフィノール420(HLB:4 ) 、サーフィノールDF110D(HLB:3)、以上日信化学工業株式会社製、アセチレノールE13T(HLB:4)、アセチレノールE40(HLB:6)、以上川研ファインケミカル株式会社製などが挙げられる。
前記HLB値が8以上のアセチレン系界面活性剤としては、特に限定されないが、例えば、サーフィノール485(HLB:17)、オルフィンEXP4300(HLB:10−13)、以上日信化学工業株式会社製、アセチレノールE60(HLB:11-12)、アセチレノールE100(HLB:13−14)、以上川研ファインケミカル株式会社製などが挙げられる。
前記HLBが6以下のアセチレン系界面活性剤の含有率は、インキ組成物の総質量を基準として、0.005〜5質量%であることが好ましく、0.01〜1質量%であることがより好ましく、0.1〜0.5質量%であることがさらに好ましい。
前記HLBが6以下のアセチレン系界面活性剤の含有率が上記数値範囲内であれば、インキ経時安定性に影響を与えることなく、筆記具部材に対する濡れ性を向上させやすく、さらには、インキの表面張力を適正に保つことができる。このため、インキ吐出安定性と耐滲み裏抜け性、また、ペン芯性能をバランス良く向上させることができる。
また、前記HLBが8以上のアセチレン系界面活性剤の含有率は、インキ組成物の総質量を基準として、0.005〜5質量%であることが好ましく、0.01〜1質量%であることがより好ましく、0.1〜1質量%であることがさらに好ましい。
前記HLBが8以上のアセチレン系界面活性剤の含有率が、上記数値範囲内であれば、インキ経時安定性に影響を与えることなく、HLBが6以下のアセチレン系界面活性剤と効果的に相互作用を起こし、筆記具部材に対する濡れ性を向上維持させやすく、また、インキの表面張力を適正に保つことができる。このため、インキ吐出安定性と耐滲み裏抜け性をバランス良く向上させ、長期にわたり、これを維持しやすくなる。
また、インキ組成物中の前記HLBが6以下のアセチレン系界面活性剤と前記HLBが8以上のアセチレン系界面活性剤の総含有率は、インキ組成物の総質量を基準として、0.01〜10質量%であることが好ましい。
前記HLBが6以下のアセチレン系界面活性剤と前記HLBが8以上のアセチレン系界面活性剤の総含有率が、上記数値範囲内であれば、インキ粘度や表面張力を所望の値に調整しやすく、インキ吐出安定性と耐滲み裏抜け性をバランス良く向上させ、さらペン芯性能をも向上させることができる。
上記効果の向上を考慮すると、0.1〜5質量%であることがより好ましく、0.1〜1質量%であることがさらに好ましい。
また、本発明のインキ組成物において、前記HLBが6以下のアセチレン系界面活性剤に対する、前記HLBが8以上のアセチレン系界面活性剤の含有比(HLBが8以上のアセチレン系界面活性剤/HLBが6以下のアセチレン系界面活性剤)は、質量基準で、0.05〜5であることが好ましく、0.1〜5であることがより好ましい。
前記含有比が上記数値範囲内であれば、インキの筆記具部材に対する良好な濡れ性を得て、それを長期にわたって維持しやすく、特に、経時保存後のインキ吐出安定性を向上させやすい。さらには、インキ粘度が上昇したり、インキが分離したりするなど、インキの経時安定性に影響を及ぼすことなく、上記効果をより効果的に得ることを考慮すると、0.5〜2であることが好ましい。
<着色剤>
本発明に用いる着色剤は、水性媒体に溶解もしくは分散可能な染料及び顔料が使用可能であり、その具体例を以下に例示する。
前記染料としては、酸性染料、塩基性染料、直接染料等を使用することができる。
酸性染料としては、ニューコクシン(C.I.16255)、タートラジン(C.I.19140)、アシッドブルーブラック10B(C.I.20470)、ギニアグリーン(C.I.42085)、ブリリアントブルーFCF(C.I.42090)、アシッドバイオレット6B(C.I.42640)、ソルブルブルー(C.I.42755)、ナフタレングリーン(C.I.44025)、エオシン(C.I.45380)、フロキシン(C.I.45410)、エリスロシン(C.I.45430)、ニグロシン(C.I.50420)、アシッドフラビン(C.I.56205)等が用いられる。
塩基性染料としては、クリソイジン(C.I.11270)、メチルバイオレットFN(C.I.42535)、クリスタルバイオレット(C.I.42555)、マラカイトグリーン(C.I.42000)、ビクトリアブルーFB(C.I.44045)、ローダミンB(C.I.45170)、アクリジンオレンジNS(C.I.46005)、メチレンブルーB(C.I.52015)等が用いられる。
直接染料としては、コンゴーレッド(C.I.22120)、ダイレクトスカイブルー5B(C.I.24400)、バイオレットBB(C.I.27905)、ダイレクトディープブラックEX(C.I.30235)、カヤラスブラックGコンク(C.I.35225)、ダイレクトファストブラックG(C.I.35255)、フタロシアニンブルー(C.I.74180)等が用いられる。
前記顔料としては、カーボンブラック、群青などの無機顔料や銅フタロシアニンブルー、ベンジジンイエロー等の有機顔料の他、予め界面活性剤等を用いて微細に安定的に水媒体中に分散された水分散顔料製品等が用いられ、例えば、C.I.Pigment Blue 15:3B〔品名:サンダイスーパーブルー GLL(E)、顔料分25%、山陽色素株式会社製〕、C.I.Pigment Red 146〔品名:サンダイスーパーピンク FBL、顔料分21.5%、山陽色素株式会社製〕、C.I.Pigment Yellow 81〔品名:TC Yellow FG、顔料分約30%、大日精化工業株式会社製〕、C.I.Pigment Red220/166〔品名:TC Red FG、顔料分約35%、大日精化工業株式会社製〕等を挙げることができる。
蛍光顔料としては、各種蛍光性染料を樹脂マトリックス中に固溶体化した合成樹脂微細粒子状の蛍光顔料が使用できる。
その他、パール顔料、金色、銀色のメタリック顔料、蓄光性顔料、二酸化チタン等の白色顔料、アルミニウム等の金属粉、更には熱変色性組成物、光変色性組成物、香料等を直接又はマイクロカプセル化したカプセル顔料等を例示できる。
前記熱変色性組成物としては、(イ)電子供与性呈色性有機化合物、(ロ)電子受容性化合物、(ハ)前記両者の呈色反応の生起温度を決める反応媒体からなる可逆熱変色性組成物が好適であり、マイクロカプセルに内包させて可逆熱変色性マイクロカプセル顔料として適用される。
前記可逆熱変色性組成物としては、特公昭51−44706号公報、特公昭51−44707号公報、特公平1−29398号公報等に記載された、所定の温度(変色点)を境としてその前後で変色し、高温側変色点以上の温度域で消色状態、低温側変色点以下の温度域で発色状態を呈し、前記両状態のうち常温域では特定の一方の状態しか存在せず、もう一方の状態は、その状態が発現するのに要した熱又は冷熱が適用されている間は維持されるが、前記熱又は冷熱の適用がなくなれば常温域で呈する状態に戻る、ヒステリシス幅が比較的小さい特性(ΔH=1〜7℃)を有する可逆熱変色性組成物をマイクロカプセル中に内包させた加熱消色型のマイクロカプセル顔料が適用できる。
更に、特公平4−17154号公報、特開平7−179777号公報、特開平7−33997号公報、特開平8−39936号公報等に記載されている比較的大きなヒステリシス特性(ΔH=8〜50℃)を示すものも適用できる。
また、特開2005−1369号公報、特開2006−137886号公報、特開2006−188660号公報、特開2008−45062号公報、特開2008−280523号公報等に記載されている大きなヒステリシス特性を示す、即ち、温度変化による着色濃度の変化をプロットした曲線の形状が、温度を変色温度域より低温側から上昇させていく場合と逆に変色温度域より高温側から下降させていく場合とで大きく異なる経路を辿って変色し、完全発色温度以下の低温域での発色状態、又は完全消色温度以上の高温域での消色状態が、特定温度域(実質的二相保持温度域)で色彩記憶性を有する可逆熱変色性組成物を内包させたマイクロカプセル顔料を用いることもできる。
尚、前記色彩記憶性を有する可逆熱変色性組成物として具体的には、完全発色温度を冷凍室、寒冷地等でしか得られない温度、即ち−50〜0℃、好ましくは−40〜−5℃、より好ましくは−30〜−10℃、且つ、完全消色温度を摩擦体による摩擦熱、ヘアドライヤー等身近な加熱体から得られる温度、即ち50〜95℃、好ましくは50〜90℃、より好ましくは60〜80℃の範囲に特定し、ΔH値を40〜100℃に特定することにより、常態(日常の生活温度域)で呈する色彩の保持に有効に機能させることができる。
前記着色剤は一種又は二種以上を適宜混合して使用することができ、インキ組成物の総質量を基準として、1〜30質量%、好ましくは2〜20質量%の範囲で用いられる。
また、着色剤として顔料を用いた場合、必要に応じて顔料分散剤を添加できる。前記顔料分散剤としてはアニオン、ノニオン等の界面活性剤、ポリアクリル酸、スチレンアクリル酸等のアニオン性高分子、PVP、PVA等の非イオン性高分子等が用いられる。
<水>
水としては、特に制限はなく、例えば、水道水、イオン交換水、限外ろ過水または蒸留水などを用いることができる。
<その他添加剤>
本発明によるインキ組成物は、必要に応じて任意の添加剤を含むことができる。用いることができる添加剤について説明すると、以下の通りである。
本発明によるインキ組成物は、水に相溶性のある従来汎用の水溶性有機溶剤を用いることができる。具体的には、エタノール、プロパノール、ブタノール、グリセリン、ソルビトール、トリエタノールアミン、ジエタノールアミン、モノエタノールアミン、エチレングリコール、ジエチレングリコール、チオジエチレングリコール、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、ブチレングリコール、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、スルフォラン、2−ピロリドン、N−メチル−2−ピロリドン等が挙げられる。尚、前記水溶性有機溶剤は一種又は二種以上を併用して用いることができ、インキ組成物の総質量を基準として、2〜60質量%、好ましくは5〜35質量%の範囲で用いられる。
更に、紙面への固着性や粘性を付与するために水溶性樹脂を添加することもできる。前記水溶性樹脂としては、アルキッド樹脂、アクリル樹脂、スチレンマレイン酸共重合物、セルロース誘導体、ポリビニルピロリドン、ポリビニルアルコール、デキストリン等が挙げられる。前記水溶性樹脂は一種又は二種以上を併用することができ、インキ組成物の総質量を基準として、1〜30質量%の範囲で用いられる。
また、本発明のインキ組成物は、前記アセチレン系界面活性剤以外の界面活性剤をさらに添加することが好ましく、これらの界面活性剤は、インキ物性を調整するのに有用であり、所望のインキ粘度や表面張力へ調整することに効果的に作用する。
前記前記アセチレン系界面活性剤以外の界面活性剤としては、例えば、リン酸エステル系界面活性剤、シリコーン系界面活性剤、フッ素系界面活性剤等が挙げられる。
特に、リン酸エステル系界面活性剤は、金属類に対して吸着力があるため、ボールやチップ本体に対して吸着することで高い潤滑性を示す。よって、ボールペン形態の筆記具においてはより有用である。
前記リン酸エステル系界面活性剤としては、ポリオキシエチレンアルキルエーテル又はポリオキシエチレンアルキルアリールエーテルのリン酸モノエステル、ポリオキシエチレンアルキルエーテル又はポリオキシエチレンアルキルアリールエーテルのリン酸ジエステル、リン酸トリエステル、或いはその誘導体等が例示でき、これらのリン酸エステル系界面活性剤は、単独又は二種以上混合して使用される。
その中でも、優れたインキ吐出安定性と、耐滲み裏抜け性能が得られること、また、ペン芯性能をも損なわず、良好な書き味が得られること、また、インキ経時安定性を考慮すれば、ポリオキシエチレンアルキルエーテル又はポリオキシエチレンアルキルアリールエーテルのリン酸モノエステル、リン酸ジエステルを用いることが好ましい。
また、HLBが5〜16であるリン酸エステル系界面活性剤も好適に用いることができる。
前記リン酸エステル系界面活性剤の具体例としては、プライサーフシリーズ(第一工業製薬株式会社製)として、プライサーフA217E、同A219B、同A215C、同A208N、同A208B、同AL等が挙げられ、フォスファノールシリーズ(東邦化学工業株式会社製)として、フォスファノールRB410、同RS−410、同RS−610、同RS−710等が挙げられる。
尚、リン酸エステルのHLBは、川上法またはグリフィン法から算出される値である。
その他、必要に応じて、炭酸ナトリウム、リン酸ナトリウム、酢酸ソーダ等の無機塩類、水溶性のアミン化合物等の有機塩基性化合物等のpH調整剤、トリルトリアゾール、サポニン等の防錆剤、石炭酸、1、2−ベンズチアゾリン3−オンのナトリウム塩、安息香酸ナトリウム、デヒドロ酢酸ナトリウム、ソルビン酸カリウム、パラオキシ安息香酸プロピル、2,3,5,6−テトラクロロ−4−(メチルスルフォニル)ピリジン等の防腐剤或いは防黴剤、尿素、ソルビット、マンニット、ショ糖、ぶどう糖、還元デンプン加水分解物、ピロリン酸ナトリウム等の湿潤剤、消泡剤を使用してもよい。
また、ボールペン形態の筆記具に適用する際には、更に潤滑剤を添加することができ、金属石鹸、ポリアルキレングリコール脂肪酸エステル、エチレンオキサイド付加型カチオン活性剤、ジカルボン酸型界面活性剤、β−アラニン型界面活性剤、2,5−ジメルカプト−1,3,4−チアジアゾールやその塩やオリゴマー、3−アミノ−5−メルカプト−1,2,4−トリアゾール、チオカルバミン酸塩、ジメチルジチオカルバミン酸塩、N−アシル−L−グルタミン酸とL−リジンとの縮合物やその塩等が用いられる。
また、必要に応じて剪断減粘性付与剤を更に添加し、インキに適当な粘性を与えて実用に供することができる。用いられる剪断減粘性付与剤は従来公知のものから適宜選択することができ、その具体例としては、キサンタンガム、サクシノグリカン、カラギーナン等の多糖類、ポリアクリル酸、架橋型アクリル酸、ポリビニルアセトアミド、非イオン性界面活性剤、アニオン性界面活性剤、会合性ウレタンエマルジョン等が挙げられ、単独或いは混合して用いられる。
本発明のインキ組成物の表面張力は、30〜60mN/mとすることが好ましく、30〜50mN/mとすることがより好ましく、35〜45mN/mとすることがより好ましい。
インキ組成物の表面張力が上記数値範囲内であれば、得られる筆跡の滲みや裏抜けをさらに抑制しながらも、筆記具部材に対する親和性を向上しやすく、ペン先からのインキ吐出安定性をより良好にできる。さらには、ペン芯に対する親和性も向上できるため、より優れたペン芯性能を発現できる。
なお、表面張力は、20℃環境下において、協和界面科学株式会社製の表面張力計測器を用い、白金プレートを用いて、垂直平板法によって測定して求められる。
また、本発明のインキ組成物の粘度は0.1〜20mPa・sとすることが好ましく、1〜10mPa・sであることがより好ましく、2〜8mPa・sとすることが特に好ましい。インキ粘度が上記数値範囲内であれば、ペン先からのインキ吐出安定性がより向上し、線とびやカスレが改善され、さらに、発色性に優れた筆跡を形成しやすくなる。また、優れたペン芯性能を発現させやすい。
なお、粘度の測定は、20℃において、(EL型回転粘度計(RE−80L、コーン型ローター:標準型(1°34′×R24)、東機産業株式会社製)を用いて行うことができる。
<インキ組成物の製造方法>
本発明によるインキ組成物は、従来知られている任意の方法により製造することができる。具体的には、前記各成分を必要量配合し、プロペラ攪拌、ホモディスパー、またはホモミキサーなどの各種攪拌機やビーズミルなどの各種分散機などにて混合し、製造することができる。
<筆記具>
本発明のインキ組成物は、ペン先に各種チップを備えた、マーキングペン、ボールペン、筆ペン、万年筆等の各種筆記具に用いることができる。
本発明のインキ組成物は、上述の通り、優れたインキ吐出安定性と耐滲み裏抜け性を有しながらも、優れたペン芯性能をも発現できる。よって、特に、軸筒内部(インキ貯蔵体)に直接インキを収容し、インキ流量調節体として、櫛溝状のインキ流量調節体(ペン芯)を介在させる構造を有するマーキングペン、ボールペン、筆ペン、万年筆等の直液式(ペン芯式)筆記具に好適に用いることができる。
前記ペン芯としては、多数の円盤体が櫛溝状の間隔を開け並列配置され、前記円盤体を軸方向に縦貫するスリット状のインキ誘導溝及び該溝より太幅の通気溝が設けられてなるものであるが、その材質としては、多数の円盤体を櫛溝状とした構造に射出成形できる合成樹脂であれば汎用のポリカーボネート、ポリプロピレン、ポリエチレン、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン共重合体(ABS樹脂)等いずれを用いる。特に成形性が高く、ペン芯性能が得られやすい点から、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン共重合体(ABS樹脂)が好適に用いられる。
また、本発明においては、多数の円盤体が櫛溝状の間隔を開け並列配置され、前記円盤体を軸方向に縦貫するスリット状のインキ誘導溝及び該溝より太幅の通気溝が設けられ、軸心にインキ貯蔵体からペン先へインキを誘導するためのインキ誘導芯が配置されてなるペン芯を備えた筆記具にも好適に用いることができる。
また、本発明のインキ組成物は、ペン先へのインキ供給に優れ、ペン先からのインキ吐出安定性に優れるため、ペン先の種類によらず、インキ吐出安定性を発現できるという点においても有用である。
よって、本発明において、ペン先に備えられるチップとしては、制限されず、例えば、マーキングペンに用いられるようなチップ(マーキングペンチップ)として、繊維チップ、フェルトチップ、プラスチックチップ、毛筆等が適用できる。また、ボールペンに用いられるチップ(ボールペンチップ)として、金属製のパイプの先端近傍を外面より内方に押圧変形させるなどして得られたボール抱持部にボールを抱持してなるチップ、金属材料をドリル等による切削加工などにより形成したボール抱持部にボールを抱持してなるチップ、金属又はプラスチック製チップ内部に樹脂製のボール受け座を設けたチップ、或いは、前記チップに抱持するボールをバネ体により前方に付勢させたもの等が適用できる。
尚、前記ボールは、超硬合金、ステンレス鋼、ルビー、セラミック、樹脂、ゴム等が適用でき、直径0.15mm〜2.0mmの範囲のものが好適に用いられる。更に、前記ボールには、DLCコート等の表面処理を施すこともできる。
また、万年筆形態のチップ(ペン体)としては、ステンレス板、金合金板等の金属板を先細テーパー状に裁断し、屈曲又は湾曲したものや、ペン先形状に樹脂成形したもの等が適用できる。尚、前記ペン体には中心にスリットを設けたり、先端に玉部を設けることもできる。
中でも、ボールペンチップは、チップ自体の毛細管力が乏しく、ペン先へのインキ誘導力が低い。このため、インキ吐出安定性が課題となりやすい。また、金属製パイプの先端にボールを抱持するボールペンチップは、さらにインキ吐出安定性が得られ難い。しかし、本発明のインキ組成物は、優れたインキ吐出安定性をもたらすものであることから、上述のようなボールペンチップにも好適に用いることができる。
さらに、金属製パイプを用いたボールペンチップでは、チップ内に中芯を配設することで、チップ内部の毛細管力を高めた構成とすることが好ましく、インキ吐出安定性を向上させやすい。
また、水性インキを収容するインキ貯蔵体は、筆記具本体に着脱可能な構造としてインキカートリッジ形態とすることもできる。この場合、先に収容するインキを使い切った後に新たなインキカートリッジと取り替えて使用されるため、新たにインキ貯蔵体内のインキをペン先に円滑に流動させる必要が生じる。そのため、本発明のインキ組成物の適用が、より有用なものとなる。
前記インキカートリッジとしては、筆記具本体に接続することで筆記具を構成する軸筒を兼ねたものや、筆記具本体に接続した後に軸筒(後軸)を被覆して保護するものが適用できる。尚、後者においては、インキカートリッジ単体での適用の他、使用前の筆記具において、筆記具本体とインキカートリッジが接続されているものや、ユーザーが筆記具使用時に軸筒内のインキカートリッジを接続して使用を開始するように非接続状態で軸筒内に収容したもののいずれであってよい。
以下、実施例により、本発明をさらに詳細に説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。
<実施例1>
下記原材料および配合量にて、水に各原材料を混合撹拌して、実施例1の筆記具用水性インキ組成物を得た。
得られたインキ組成物のインキ粘度を、EL型回転粘度計(RE−80L、コーン型ローター:標準型(1°34′×R24)、東機産業株式会社製)を用いて測定したところ、20℃(回転速度100rpm)における粘度は4.0mPa・sであった。
また、得られたインキ組成物の表面張力を、表面張力計測器(20℃環境下、垂直平板法、商品名:表面張力計DY−300、協和界面科学株式会社製)により測定したところ、40.0mN/mであった。

・着色剤(黒色染料) 30.0質量%
・HLBが6以下のアセチレン系界面活性剤(アセチレン系界面活性剤A)0.3質量%
・HLBが8以上のアセチレン系界面活性剤(アセチレン系界面活性剤C)0.3質量%
・ジエチレングリコール 10.0質量%
・トリエタノールアミン 1.0質量%
・リン酸エステル系界面活性剤 0.5質量%
・防腐剤 0.3質量%
・水 57.6質量%
<実施例2〜実施例8、比較例1〜比較例5>
実施例1に対して、配合する成分の種類や添加量を表1、表2に示した通りに変更した以外は、実施例1と同じ方法で、実施例2〜実施例8、比較例1〜比較例5のインキ組成物を得た。
Figure 2020105273
Figure 2020105273
上記実施例で使用した材料の詳細は以下の通りである。なお、表中の材料の注番号に沿って説明する。
(1)オリヱント化学工業株式会社製、商品名:ウォーターブラック191L
(2)オリヱント化学工業株式会社製、商品名:ウォーターブルー105
(3)山陽色素株式会社製、商品名:サンダイスーパーブルーGLL(E):顔料分25%
(4)日信化学工業株式会社製、商品名:サーフィノール82、アセチレングリコール系界面活性剤、式(2)の構造を有する化合物(n=p=0)、HLB;4、比重;0.93、有効成分100%
(5)日信化学工業株式会社製、商品名:サーフィノール104PG−50、アセチレングリコール系界面活性剤、式(2)の構造を有する化合物(n=p=0)、HLB;4、比重;0.96、有効成分50%
(6)日信化学工業株式会社製、商品名:サーフィノール485、アセチレングリコール系界面活性剤(アセチレングリコールのエチレンオキサイド付加物)、式(2)の化合物(n>0、p>0、n+p=30)、HLB;17、比重1.08、有効成分100%
(7)日信化学工業株式会社製、商品名:オルフィンEXP4300、HLB;10−13、比重;0.98−1.02、有効成分80%
(8)AGCセイミケミカル株式会社製、商品名:サーフロンS−111N
(9)日光ケミカルズ株式会社製、商品名:ニッコールNP−20
(10)第一工業製薬株式会社製、商品名:プライサーフAL、ポリオキシエチレンスチレン化フェニルエーテルリン酸エステル、HLB;5.6
(11)ロンザジャパン社製、商品名:プロキセルXL−2
<試験および評価>
得られたインキ組成物を以下の通りの方法で試験および評価した。得られた結果は、表1〜表3の通りである。
実施例1〜実施例8、比較例1〜比較例5のインキ組成物を、ボールペンチップをペン先に備え、さらにペン芯(多数の円盤体が櫛溝状の間隔を開け並列配置され、前記円盤体を軸方向に縦貫するスリット状のインキ誘導溝及び該溝より太幅の通気溝が設けられ、軸心にインキ貯蔵体からペン先へインキを誘導するためのインキ誘導芯が配置されたペン芯)を備えたボールペン形態の直液式筆記具(パイロットコーポレーション社製、Hi−TecpointV5)外装のインキ貯蔵体に0.5g充填し、キャップを嵌合することで筆記具を作製した。尚、前記ペン芯はABS樹脂材料を射出成形することで形成した。また、ペン先には、ステンレスパイプを用い、中芯を配設したボールペンチップを使用した。作製した筆記具を試験用筆記具として、以下の試験および評価を行った。
<初期インキ吐出安定性試験>
筆記可能であることを確認した試験用筆記具を、室温にて旧JIS P3201筆記用紙Aに連続筆記ができる筆記試験機にて筆記し、その際に筆跡状態を目視により確認し、初期インキ吐出安定性を下記基準に従って評価した。
◎:カスレや線とびのない、良好な筆跡が得られた。
○:筆跡にカスレや線とびが僅かに確認されたが、実用上問題のない良好な筆跡が得られた。
×:筆跡に複数のカスレや線とびが見られ、実用上問題のある筆跡であった。
<経時インキ吐出安定性試験>
インキ吐出安定性試験で良好な筆跡が得られた試験用筆記具において、50℃環境下にて二ヶ月放置した後、再度、室温にて旧JIS P3201筆記用紙Aに連続筆記ができる筆記試験機にて筆記し、その際に筆跡状態を目視により確認し、経時インキ吐出安定性を下記基準に従って評価した。
◎:カスレや線とびのない、良好な筆跡が得られた。
○:筆跡にカスレや線とびが僅かに確認されたが、実用上問題のない良好な筆跡が得られた。
×:筆跡に複数のカスレや線とびが見られ、実用上問題のある筆跡であった。
<耐滲み裏抜け性試験>
初期、経時インキ吐出安定性試験で得られた筆跡の滲みや裏抜けを目視により確認し、耐滲み裏抜け性を下記基準に従って評価した。
◎:滲みや裏抜けのない良好な筆跡が得られた。
○:筆跡に滲みや裏抜けが僅かに確認されたが、実用上問題のないレベルの良好な筆跡が得られた。
×:筆跡に滲みや裏抜けが確認され、実用上問題のある筆跡であった。
<ペン芯性能試験>
ペン先下向き状態で保持した試験用筆記具を、キャップ嵌合状態で0℃、1時間放置した後、ペン先下向き状態のままキャップを外して30℃まで上昇させた際のペン芯の櫛溝部へのインキ流入状態及びペン先からのインキのボタ落ちの有無を観察した。更に、再び0℃に冷却した際にペン芯の櫛溝部からインキ貯蔵体へのインキの回収状態を観察し、ペン芯性能を下記基準に従って評価した。
○:ペン芯の櫛溝部に円滑に流入し、インキのボタ落ちは発生しなかった。また、ペン芯内のすべてのインキは良好にインキ貯蔵体へ回収された。
×:ペン芯の櫛溝部への流入が変則的で、インキのボタ落ちが発生した。または、インキがインキ貯蔵体へ回収されずにペン芯の櫛溝部内に残留した。
表1に示した通り、実施例1〜実施例8のインキ組成物は、初期インキ吐出安定性、経時インキ吐出安定性、耐滲み裏抜け性のすべてにおいて良好レベルのものであった。また、ペン芯性能試験より、実施例1〜実施例8のインキ組成物は、優れたペン芯性能を発現できることが確認できた。
一方、表2に示した通り、比較例1〜比較例5のインキ組成物は、HLBが6以下のアセチレン系界面活性剤と、HLBが8以上のアセチレン系界面活性剤を用いていないため、初期インキ吐出安定性、経時インキ吐出安定性、耐滲み裏抜け性において、すべてを満足できるインキ組成物ではなかった。
また、実施例1〜実施例8のインキ組成物を用いた試験用筆記具を用いて、室温にて、旧JIS P3201筆記用紙Aに手書きで1行に12個の螺旋状の丸を3行連続筆記したところ、滑らかな、良好な書き味であった。
以上より、水と、着色剤と、HLBが6以下のアセチレン系界面活性剤と、HLBが8以上のアセチレン系界面活性剤と、を含んでなる筆記具用水性インキ組成物は、初期(インキ作成直後)はもちろんのこと、経時保存後においても、インキがペン先へと安定して供給された後、ペン先から安定して吐出され、線とびやカスレの問題がない良好な筆跡が得られるとともに、さらに、得られる筆跡は滲みや裏抜けの問題がないことが確認できた。また、インキ流量調節体として、ペン芯を備えた筆記具に用いた際には、筆記具内部の気圧変化が起こった場合にもペン芯櫛溝部のインキ貯溜性と、インキ貯蔵体へのインキ回収性が良好で、ペン先よりインキがボタ落ちすることなく、優れたペン芯性能を発現できることも確認できた。
よって、本発明のインキ組成物は、長期にわたり、インキ吐出安定性に優れ、耐滲み裏抜け性能に優れること、さらに、本発明のインキ組成物を用いた筆記具は、筆記具として優れたものとなることがわかった。特に、ペン芯を備えた筆記具(直液式筆記具)、さらには、ボールペン形態である筆記具に本発明のインキ組成物を用いた場合、これらの効果が顕著に得られることがわかった。
本発明のインキ組成物は、ボールペン、万年筆、筆ペン、カリグラフィー用のペン、マーキングペンなどの各種筆記具用水性インキ組成物として用いることができる。特に、初期インキ吐出安定性、経時インキ吐出安定性、耐滲み裏抜け性、さらにはペン芯性能の向上が図られていることから、ペン芯を備える直液式筆記具に、また、ペン先にボールペンチップを備えた筆記具、特には、金属パイプの先端にボールを抱持するボールペンチップを備えたボールペンに効果的に用いることができる。



Claims (5)

  1. 水と、着色剤と、HLBが6以下のアセチレン系界面活性剤と、HLBが8以上のアセチレン系界面活性剤と、を含んでなることを特徴とする、筆記具用水性インキ組成物。
  2. 多数の円盤体が櫛溝状の間隔を開け並列配置され、前記円盤体を軸方向に縦貫するスリット状のインキ誘導溝及び該溝より太幅の通気溝が設けられてなるペン芯を介してペン先へインキを誘導する筆記具に内蔵されることを特徴とする、請求項1に記載の筆記具用水性インキ組成物。
  3. リン酸エステル系界面活性剤を更に含んでなる、請求項1または請求項2に記載の筆記具用水性インキ組成物。
  4. 請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載のインキ組成物を内蔵することを特徴とする、筆記具。
  5. 前記筆記具がボールペン形態である、請求項4に記載の筆記具。




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