JP2006265520A - 直液式筆記具用水性インキ組成物及びそれを内蔵した直液式筆記具 - Google Patents

直液式筆記具用水性インキ組成物及びそれを内蔵した直液式筆記具 Download PDF

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文洋 木村
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Abstract

【課題】 合成樹脂製のペン芯を備えた筆記具に適用する水性インキにおいて、ペン芯の濡れ性を向上させることができると共に、筆記具内部の圧力変化によるペン先からのインキボタ落ち現象や筆跡滲みを生じることがなく、更には、ペン先での耐ドライアップ性能の劣化を生じることのない水性インキを提供する。
【解決手段】 ペン芯を介してペン先へインキを誘導する直液式筆記具に内蔵されるインキであって、着色剤と界面活性剤として下記一般式(1)で示されるポリオキシエチレンステロールと水とを含有してなる水性インキ。
【化1】
Figure 2006265520

(Rはメチル基又はエチル基、nは3乃至30の自然数をそれぞれ表す)
【選択図】 なし

Description

本発明は直液式筆記具用水性インキ組成物及びそれを内蔵した直液式筆記具に関する。更には、軸筒内に生インキを貯蔵し、該インキ貯蔵部からペン芯を介してペン先へインキが誘導される直液式筆記具に適用される水性インキ組成物及びそれを内蔵した直液式筆記具に関する。
従来より、多数の薄い円盤体が互いに僅かな間隙(櫛溝状間隔)を開け並列配置され、前記円盤体を軸方向に縦貫するスリット状のインキ誘導溝及び該溝より太幅の通気溝が設けられ、軸心にインキ貯蔵部からペン先へインキを誘導するためのインキ誘導芯が配置されてなる、所謂ペン芯を介して、インキ貯蔵部からペン先へインキを誘導するタイプの筆記具(直液式筆記具という)が広く使用されている。前記ペン芯は、通常合成樹脂材料から成形されているが、合成樹脂の表面は相対的に疎水性であるため、水性インキを適用する場合には、樹脂表面に親和性を付与してペン芯の濡れ性を向上させる必要がある。そのため、各種添加剤が適用されている(例えば、特許文献1、2参照)。
特開平3−79682号公報 特開平5−140498号公報
しかしながら、前記特許文献1の界面活性剤は、疎水性表面への親和性を付与することでペン芯の濡れ性を向上させることができるものの、インキの表面張力を大幅に低下させるために筆跡に滲みを生じることや、温度変化やキャップ着脱による筆記具内部の圧力変化によってペン先からのインキボタ落ち現象を生じる虞がある。また、特許文献2の添加剤においては、ペン芯の濡れ性を向上させることができるものの、インキが増粘してしまうために、ペン先での耐ドライアップ性能が著しく劣化してしまう虞がある。
本発明は、前述の合成樹脂製のペン芯を備えた筆記具に適用する水性インキにおいて、ペン芯の濡れ性を向上させることができると共に、筆記具内部の圧力変化によるペン先からのインキボタ落ち現象や筆跡滲みを生じることがなく、更には、ペン先での耐ドライアップ性能の劣化を生じることのない水性インキを提供するものである。
本発明は、多数の円盤体が櫛溝状の間隔を開け並列配置され、前記円盤体を軸方向に縦貫するスリット状のインキ誘導溝及び該溝より太幅の通気溝が設けられ、軸心にインキ貯蔵部からペン先へインキを誘導するためのインキ誘導芯が配置されてなるペン芯を介してペン先へインキを誘導する直液式筆記具に内蔵される水性インキであって、少なくとも着色剤と界面活性剤と水とを含有してなり、前記界面活性剤が下記一般式(1)及び/又は(2)で示されるポリオキシエチレンステロールであることを要件とする。
Figure 2006265520
Figure 2006265520
(ここで、Rはメチル基又はエチル基、nは3乃至30の自然数をそれぞれ表す)
更には、前記界面活性剤がインキ組成物全量中0.05〜5重量%の範囲で添加されること、前記着色剤が還元剤により変色又は消色する染料であること等を要件とする。
更には、前記直液式筆記具用水性インキ組成物を内蔵した直液式筆記具を要件とし、前記筆記具が、先細テーパー形状に裁断された金属板片を屈曲させてなる万年筆形態のペン先を有すること、多数の繊維を互いに密接状態に配し、隣接する繊維相互間に毛細間隙が形成された繊維加工体からなるペン先を有すること等を要件とする。
本発明により、合成樹脂材からなるペン芯表面への濡れ性が良いにも拘わらず表面張力が極端に低くないので、ペン先での耐ドライアップ性能の劣化や筆跡滲みを生じることがなく、温度変化やキャップ着脱による内部気圧の変化に即応してペン芯の櫛溝内への流出入が円滑に行われ、ペン先からのインキボタ落ち現象を発生することがない水性インキとなる。更に、ペン先として金属板片からなる万年筆形態のものを用いた場合には、金属に対して適度な濡れ性を保持できることから、細い筆跡を維持できるものとなる。
本発明は、合成樹脂製のペン芯を備えた筆記具に適用される水性インキ中に、界面活性剤として特定構造のポリオキシエチレンステロールを添加することで、筆記具内部の圧力変化によるペン先からのインキボタ落ち現象や、筆跡滲みや、耐ドライアップ性能の劣化を生じることなくペン芯の濡れ性を向上させることができるものである。
一般に、ペン芯式筆記具に適用される水性インキは、表面張力が高すぎる場合、筆記具内部の気圧変化によって誘導芯を介してペン先からインキのボタ落ちが発生したり、表面張力が低すぎる場合、筆記具内部の気圧変化によって櫛溝部に保持されたインキが回収できない等の問題が生じるものである。
そこで、前記一般式(1)、(2)で示されるポリオキシエチレンステロールを水性インキ中に添加することで、合成樹脂製櫛溝部を有するペン芯に対して、少量の添加で適度な濡れ性を付与し、温度変化やキャップの着脱による筆記具内部の気圧変化に即応してインキのペン芯櫛溝内への出入を円滑に行うことができる。その際、ペン芯への表面張力を極端に高くしたり低くすることはないので、ペン芯の毛細管溝中での保持機能も発揮され、ペン先からのインキボタ落ち現象を抑制できる。
前記ポリオキシエチレンステロールは、一種又は二種以上を併用することができ、インキ組成物全量中0.05〜5重量%、好ましくは0.1〜2重量%の範囲で添加できる。
0.05重量%未満では所期の効果を得ることは困難であり、又、5重量%を越えて添加しても濡れ性の向上は認められないので、これ以上の添加を要しない。
前記着色剤は、水性媒体に溶解もしくは分散可能な染料及び顔料が全て使用可能であり、その具体例を以下に例示する。
酸性染料としては、
ニューコクシン(C.I.16255)、
タートラジン(C.I.19140)、
アシッドブルーブラック10B(C.I.20470)、
ギニアグリーン(C.I.42085)、
ブリリアントブルーFCF(C.I.42090)、
アシッドバイオレット6BN(C.I.43525)、
ソルブルブルー(C.I.42755)、
ナフタレングリーン(C.I.44025)、
エオシン(C.I.45380)、
フロキシン(C.I.45410)、
エリスロシン(C.I.45430)、
ニグロシン(C.I.50420)、
アシッドフラビン(C.I.56205)等が用いられる。
塩基性染料としては、
クリソイジン(C.I.11270)、
メチルバイオレットFN(C.I.42535)、
クリスタルバイオレット(C.I.42555)、
マラカイトグリーン(C.I.42000)、
ビクトリアブルーFB(C.I.44045)、
ローダミンB(C.I.45170)、
アクリジンオレンジNS(C.I.46005)、
メチレンブルーB(C.I.52015)等が用いられる。
直接染料としては、
コンゴーレッド(C.I.22120)、
ダイレクトスカイブルー5B(C.I.24400)、
バイオレットBB(C.I.27905)、
ダイレクトディープブラックEX(C.I.30235)、
カヤラスブラックGコンク(C.I.35225)、
ダイレクトファストブラックG(C.I.35255)、
フタロシアニンブルー(C.I.74180)等が用いられる。
更に、着色剤として還元剤によって変色又は消色する染料を用いると、筆跡を消色又は変色可能なインキ組成物を調製することができる。
前記染料は、メチン系染料、トリメチルメタン系染料、ジフェニルメタン系染料、トリフェニルメタン系染料、キサンテン系染料、シアニン系染料、アゾ系染料、アントラキノン系染料、シアニン系染料等を使用することができる。
前記染料として具体的には、C.I.ベーシックブルー1、C.I.ベーシックブルー3、C.I.ベーシックブルー7、C.I.ベーシックブルー54、C.I.ベーシックブルー65、C.I.ベーシックブルー69、C.I.ベーシックオレンジ21、C.I.ベーシックオレンジ46、C.I.ベーシックレッド13、C.I.ベーシックレッド14、C.I.ベーシックレッド37、C.I.ベーシックレッド49、C.I.ベーシックグリーン1、C.I.ベーシックグリーン4、C.I.ベーシックバイオレット1、C.I.ベーシックバイオレット10、C.I.ベーシックバイオレット15、C.I.ベーシックバイオレット27、C.I.ベーシックイエロー49、C.I.アシッドブルー93、C.I.アシッドレッド92、C.I.アシッドグリーン3、C.I.アシッドバイオレット19、C.I.アシッドイエロー23を例示できる。
なお、前記還元剤によって変色又は消色する染料と共に、還元剤によって変色し難い染料や顔料を併用することによって、筆記時には前記染料の色調が混色となった筆跡が視認され、前記筆跡に変色液を付着させることにより、一方の染料が変色又は消色して異なる色調の筆跡を視認可能な構成とすることができる。
前記顔料としては、カーボンブラック、群青などの無機顔料や銅フタロシアニンブルー、ベンジジンイエロー等の有機顔料の他、既に界面活性剤や水溶性樹脂を用いて微細に安定的に水媒体中に分散された水分散顔料製品等が用いられ、例えば、界面活性剤を用いた水分散顔料としては、
C.I.Pigment Blue 15:3B〔商品名:Sandye Super Blue GLL、顔料分24%、山陽色素(株)製〕、
C.I. Pigment Red 146〔商品名:Sandye Super Pink FBL、顔料分21.5%、山陽色素(株)製〕、
C.I.Pigment Yellow 81〔商品名:TC Yellow FG、顔料分約30%、大日精化工業(株)製〕、
C.I.Pigment Red220/166〔商品名:TC Red FG、顔料分約35%、大日精化工業(株)製〕等を挙げることができる。
また、水溶性樹脂を用いた水分散顔料としては、
C.I.Pigment Black 7〔商品名:WA color Black
A250、顔料分15%、大日精化工業(株)製〕、
C.I.Pigment Green 7〔商品名:WA−S color Green、顔料分8%、大日精化工業(株)製〕、
C.I.Pigment Violet 23〔商品名:マイクロピグモ WMVT−5、顔料分20%、オリエント化学工業(株)製〕、
C.I.Pigment Yellow 83〔商品名:エマコールNSイエロー4618、顔料分30%、山陽色素(株)製〕が挙げられる。
蛍光顔料としては、各種蛍光染料を樹脂マトリックス中に固溶体化した合成樹脂微細粒子状の蛍光顔料が使用できる。その他、パール顔料、金属粉顔料、蓄光性顔料、二酸化チタン、シリカ、炭酸カルシウム等の白色顔料、熱変色性組成物を内包したカプセル顔料、香料や香料を内包したカプセル顔料等を例示できる。
前記金属光沢顔料としては、アルミニウムや真鍮等の金属光沢顔料、芯物質として天然雲母、合成雲母、ガラス片、アルミナ、透明性フィルム片の表面を酸化チタン等の金属酸化物で被覆した金属光沢顔料(パール顔料)、透明又は着色透明フィルムに金属蒸着膜を形成した金属光沢顔料、透明性樹脂層を複数積層した虹彩性フィルムを細かく裁断した虹彩性を有する金属光沢顔料が例示できる。
前記着色剤は一種又は二種以上を適宜混合して使用することができ、インキ組成中1〜25重量%、好ましくは2〜15重量%の範囲で用いられる。
また、着色剤として顔料を用いた場合、必要に応じて顔料分散剤を添加できる。前記顔料分散剤としてはアニオン、ノニオン等の界面活性剤、ポリアクリル酸、スチレンアクリル酸等のアニオン性高分子、PVP、PVA等の非イオン性高分子等が用いられる。
更に、必要に応じて水溶性有機溶剤を添加することができる。
前記水溶性有機溶剤としては、例えば、エタノール、プロパノール、ブタノール、グリセリン、ソルビトール、トリエタノールアミン、ジエタノールアミン、モノエタノールアミン、エチレングリコール、ジエチレングリコール、チオジエチレングリコール、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、ブチレングリコール、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコールモノブチルエーテル、エチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、スルフォラン、2−ピロリドン、N−メチル−2−ピロリドン等が挙げられる。
前記水溶性有機溶剤は一種又は二種以上を併用することもでき、3〜30重量%の範囲で用いられる。
更に、紙面への固着性や粘性を付与するために水溶性樹脂を添加することもできる。前記水溶性樹脂としては、アルキッド樹脂、アクリル樹脂、スチレンマレイン酸共重合物、セルロース誘導体、ポリビニルピロリドン、ポリビニルアルコール、デキストリン等が挙げられる。前記水溶性樹脂は一種又は二種以上を併用することができ、インキ組成中1乃至30重量%の範囲で用いられる。
上記成分以外に、必要に応じて炭酸ナトリウム、燐酸ナトリウム、酢酸ソーダ等の無機塩類、水溶性のアミン化合物等の有機塩基性化合物等のpH調整剤、ベンゾトリアゾール及びその誘導体、トリルトリアゾール、ジシクロヘキシルアンモニウムナイトライト、ジイソプロピルアンモニウムナイトライト、チオ硫酸ナトリウム、サポニン等の防錆剤、石炭酸、1,2−ベンズチアゾリン−3−オンのナトリウム塩、安息香酸ナトリウム、デヒドロ酢酸ナトリウム、ソルビン酸カリウム、パラオキシ安息香酸プロピル、2,3,5,6−テトラクロロ−4−(メチルスルフォニル)ピリジン等の防腐剤或いは防黴剤、金属石鹸、ポリアルキレングリコール、脂肪酸エステル、エチレンオキサイド付加型カチオン活性剤、燐酸系活性剤、チオカルバミン酸塩、ジメチルジチオカルバミン酸塩等の潤滑剤、アスコルビン酸、アスコルビン酸誘導体、α−トコフェロール、カテキン、カテキン誘導体、合成ポリフェノール、ホスホン酸塩、ホスフィン酸塩、亜硫酸塩、スルホキシル酸塩、亜ジチオン酸塩、チオ硫酸塩、二酸化チオ尿素、ホルムアミジンスルフィン酸、グルタチオン等の酸化防止剤、尿素、ソルビット、マンニット、ショ糖、ぶどう糖、還元デンプン加水分解物、ピロリン酸ナトリウム等の湿潤剤、ジメチルポリシロキサン等の消泡剤、分散剤等を使用してもよい。
更に、必要に応じて剪断減粘性付与剤を添加し、インキに適当な粘性を与えて実用に供することができる。用いられる剪断減粘性付与剤は従来より公知のものから適宜選択することができ、その具体例としては、キサンタンガム、サクシノグリカン、カラギーナン等の多糖類、ポリアクリル酸、架橋型アクリル酸、ポリビニルアセトアミド、非イオン性界面活性剤、アニオン性界面活性剤、会合性ウレタンエマルジョン等が挙げられ、単独或いは混合して用いられる。
前記インキ組成物は、各種チップを筆記先端部に装着し、軸筒内部に直接インキを収容し、合成樹脂製の櫛溝状インキ流量調節部材(ペン芯)を介在させる構造を有するマーキングペン、ボールペン、万年筆等の汎用のペン芯式筆記具に充填して実用に供される。
前記チップのうち、マーキングペンチップとしては、例えば、繊維チップ、フェルトチップ、プラスチックチップ、毛筆等が適用できる。特に、繊維チップとしては、多数の繊維を互いに密接状態に配し、隣接する繊維相互間に毛細間隙が形成された繊維加工体からなるペン先や、該ペン先の外周を樹脂により被覆したもの等が適用できる。
ボールペンチップとしては、金属製のパイプの先端近傍を外面より内方に押圧変形させたボール抱持部にボールを抱持してなるチップ、金属材料をドリル等による切削加工により形成したボール抱持部にボールを抱持してなるチップ、金属又はプラスチック製チップ内部に樹脂製のボール受け座を設けたチップ、或いは、前記チップに抱持するボールをバネ体により前方に付勢させたもの等が適用できる。尚、前記ボールは、超硬合金、ステンレス鋼、ルビー、セラミック、樹脂、ゴム等が適用でき、直径0.1mm〜2.0mmの範囲のものが好適に用いられる。
また、万年筆形態のチップ(ペン体)としては、ステンレス板、金合金板等の金属板を先細テーパー状に裁断し、屈曲又は湾曲したものや、ペン先形状に樹脂成形したもの等が適用できる。尚、前記ペン体には中心にスリットを設けたり、先端に玉部を設けることもできる。
特に、前記チップとして金属板片からなる万年筆形態のチップ(ペン体)を用いた場合、本発明のインキ組成物が金属に対して適度な濡れ性を保持できることから、細い筆跡を維持できるものとなる。
以下に実施例を説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
以下の表に実施例及び比較例の直液式筆記具用水性インキの組成を示す。尚、表中の組成の数値は重量部を示す。また、表面張力は、協和界面科学(株)製の表面張力計を用いて測定した。
Figure 2006265520
Figure 2006265520
表中の原料の内容について注番号に沿って説明する。
(1)ダイワ化成(株)製、商品名:エオシン GHコンク35%液(酸性染料)
(2)オリエント化学工業(株)製、商品名:ウォーターブラックR510(酸性染料、C.I.50420)
(3)保土ヶ谷化学工業(株)製、商品名:ブリリアントブルーFCF−L(酸性染料、C.I.42090)
(4)ポリオキシエチレンフィトステロール、日光ケミカルズ(株)製、商品名:BPS−30
(5)ポリオキシエチレンフィトステロール、日光ケミカルズ(株)製、商品名:BPS−20
(6)ポリオキシエチレンラウリルエーテル、第一工業製薬(株)製、商品名:ノイゲンP
(7)保土ヶ谷化学工業(株)製、商品名:SWT−Red−4(塩基性染料、C.I.Basic Red 14)
(8)保土ヶ谷化学工業(株)製、商品名:Diamond Green GH(塩基性染料、C.I.Basic Green 1)
インキの調製
水にフェノール以外の成分を添加し、室温又は必要に応じて50℃〜60℃の範囲に加温して混合攪拌した後、放冷してフェノールを添加して均一に混合することで各インキを調製した。
筆記具の作製
実施例1乃至5、比較例1乃至3のインキ組成物を、櫛溝状のインキ流量調節部材を介して軸筒先端部に万年筆形態のペン先を有する筆記具(パイロットコーポレーション社製、SVP−20NS)のインキ貯蔵部に充填し、キャップを嵌合することで試料用筆記具を作製した。
実施例6、比較例4のインキ組成物を、櫛溝状のインキ流量調節部材を介して軸筒先端部にチゼル型繊維マーキングペンチップを有する筆記具のインキ貯蔵部に充填し、キャップを嵌合することで試料用筆記具を作製した。
前記試料用筆記具を用いて以下の試験を行った。
ペン芯濡れ性試験
ペン先下向き状態で保持した試料用筆記具を、キャップ嵌合状態で0℃、1時間放置した後、ペン先下向き状態のままキャップを外して40℃まで上昇させた際のペン芯櫛溝部へのインキ流入状態及びペン先からのインキボタ落ちの有無を観察した。
インキ回収試験
ペン芯濡れ性試験の後、再び0℃に冷却した際にペン芯櫛溝部からインキ貯蔵部へのインキの回収状態を観察した。
キャップ着脱試験
ペン先下向き状態で、キャップの着脱動作を連続的に繰り返した際における、ペン芯櫛溝部内へのインキの出入状態を観察した。
前記各試験の結果を以下の表に示す。
Figure 2006265520
尚、試験結果の評価は以下の通りである。
ペン芯濡れ性試験
○:円滑に流入し、ボタ落ちは発生しなかった。
×:流入が変則的で、ボタ落ちが発生した。
インキ回収試験
○:良好に全て回収した。
×:回収されず、ペン芯櫛溝部内に残留した。
キャップ着脱試験
○:着脱によるインキの出入が円滑に行われ、ボタ落ちは発生しなかった。
×:インキの出入が円滑に行われず、ペン先又は空気溝からボタ落ちが発生した。
変色液の調製
亜硫酸ナトリウム(還元剤) 10.0部
炭酸カリウム 1.0部
リン酸エステル系界面活性剤 0.2部
〔第一工業製薬(株)製、商品名:プライサーフAL〕
石炭酸(防腐剤) 0.1部
グリセリン 10.0部
水(イオン交換水) 78.7部
前記溶剤中に還元剤と各種添加剤を加えて攪拌して変色液を得た。
変色用塗布具の作製
前記変色液を、軸筒内に直接収容し、櫛溝状のインキ流量調節部材を介して軸筒先端部にチゼル型繊維マーキングペンチップを取り付けてマーキングペン形態の変色用塗布具を得た。
なお、前記変色用筆記具には着脱自在のキャップを備えてなる。
筆記具セットの作製
前記実施例5のインキを収容した筆記具と、前記変色性塗布具を組み合わせて筆記具セットを得た。
前記筆記具を用いて紙面上に筆記すると、ピンク色の筆跡が得られ、前記筆跡上から変色用塗布具を用いて変色液を塗布すると筆跡は消色した。
筆記具セットの作製
前記実施例6のインキを収容した筆記具と、前記変色性塗布具を組み合わせて筆記具セットを得た。
前記筆記具を用いて紙面上に筆記すると、緑色の筆跡が得られ、前記筆跡上から変色用塗布具を用いて変色液を塗布すると筆跡は消色した。

Claims (6)

  1. 多数の円盤体が櫛溝状の間隔を開け並列配置され、前記円盤体を軸方向に縦貫するスリット状のインキ誘導溝及び該溝より太幅の通気溝が設けられ、軸心にインキ貯蔵部からペン先へインキを誘導するためのインキ誘導芯が配置されてなるペン芯を介してペン先へインキを誘導する直液式筆記具に内蔵される水性インキであって、少なくとも着色剤と界面活性剤と水とを含有してなり、前記界面活性剤が下記一般式(1)及び/又は(2)で示されるポリオキシエチレンステロールであることを特徴とする直液式筆記具用水性インキ組成物。
    Figure 2006265520
    Figure 2006265520
    (ここで、Rはメチル基又はエチル基、nは3乃至30の自然数をそれぞれ表す)
  2. 前記界面活性剤がインキ組成物全量中0.05〜5重量%の範囲で添加されることを特徴とする請求項1記載の直液式筆記具用水性インキ組成物。
  3. 前記着色剤が還元剤により変色又は消色する染料であることを特徴とする請求項1又は2記載の直液式筆記具用水性インキ組成物。
  4. 前記請求項1乃至3のいずれかに記載の直液式筆記具用水性インキ組成物を内蔵した直液式筆記具。
  5. 前記筆記具が、先細テーパー形状に裁断された金属板片を屈曲させてなる万年筆形態のペン先を有することを特徴とする請求項4記載の直液式筆記具。
  6. 前記筆記具が、多数の繊維を互いに密接状態に配し、隣接する繊維相互間に毛細間隙が形成された繊維加工体からなるペン先を有することを特徴とする請求項4記載の直液式筆記具。
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