JP4291909B2 - ボールペン用剪断減粘性水性インキ組成物及びそれを用いたボールペン - Google Patents

ボールペン用剪断減粘性水性インキ組成物及びそれを用いたボールペン Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明はボールペン用剪断減粘性水性インキ組成物及びそれを用いたボールペンに関する。更に詳細には先端にボールペンチップを備えたインキ収容管にインキが直液状態に充填されたタイプで、チップとインキ収容管の間にインキ流量及びインキと空気の交替を調節するインキ流量調節部材(ペン芯と称されている)を必要としない簡単な構造のボールペンに適用される剪断減粘性水性インキ組成物及びそれを使用したボールペンに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、ボールペン用インキとしては、粘度が1〜2万mPa・s程度の油性媒体からなる高粘度油性ボールペンインキと、粘度が10mPa・s程度の水性媒体からなる低粘度水性ボールペンインキが汎用されている。
前記油性ボールペンインキは、インキ流量調節部材を介在させることなく、直液状態でパイプ状インキ収容部に充填される比較的簡易なボールペン機構に適用できる利点がある反面、インキ自体の高粘性に依存して筆記感が重いため高い筆圧を要する。又、ボール表面に形成した高粘性インキによるインキ薄膜を筆記面に転写する機構のため、カスレ現象を生じたり、筆記先端部にインキが蓄積するいわゆるボテ現象や、外気温が高い環境下での筆記に際して、筆跡が滲む等の不具合を発生しがちである。一方、前記低粘度水性ボールペンインキを用いた水性ボールペンにおいては、軽い筆圧で濃い筆跡濃度が得られる利点がある反面、低粘度のインキを適正に流出させるためのインキ流出制御手段等を配備する必要があり、多数の部品から構成される複雑な構造を余儀なくされるうえ、インキの低粘性に依存して筆跡の滲みやボタ落ち現象を発生させがちであった。
【0003】
前記した状況に鑑み、近年、揺変性を付与した水性媒体のインキ、所謂、剪断減粘性の水性ボールペンインキが開発され、実用に供されるようになった。
この種のインキは、剪断応力が加わらない静置時にあっては高粘度であり、ボールペン機構内において安定的に保持されており、筆記時にあっては高速回転するボールによる高剪断力によって、ボール近傍のインキのみが低粘度化し、その結果、インキはボールとボール収容部の間隙を毛管力によって円滑に通過して紙面にインキが転写される。前記紙面等に転写されたインキは、剪断力から解放されるため、即時に高粘度状態に戻り、従来の非剪断減粘性水性ボールペンの欠点であった筆跡の滲み現象を発生させることがない。
【0004】
前記した剪断減粘性水性ボールペンインキに関する提案は、幾つか開示されている。例えば、水分散性のガム、樹脂、多糖類等を利用したもの(例えば、米国特許第4671691号公報、特公昭64−8673号公報)が挙げられる。しかしながら、前記提案に開示されている水分散性のガム、樹脂、増粘性多糖類は、微生物による解重合作用、光化学的酸化による分解作用、強い剪断力による分子鎖の開裂作用により、変質または劣化し易い傾向があり、剪断減粘効果を安定的に持続して満足させているとはいえない。
【0005】
又、架橋性アクリル樹脂等の有機高分子化合物を剪断減粘性付与剤として利用したもの(特開昭57−49678号公報等)が開示されているが、架橋性アクリル樹脂の特性として高粘度の状態ではある程度の剪断減粘性を示すとしても、水性ボールぺンの筆記機構への適用に際しては、その効果を必ずしも有効に発現し難い。即ち、剪断減粘効果が不充分であり、筆記時の剪断力により生じる筆記に適正な低粘度化と、非筆記時の保管状態に要求される高粘度化とのバランスを必ずしも満足させていない。
【0006】
更に、無機質微粒子等の無機化合物を剪断減粘性付与剤として用いる試み(特開平6−256699号公報等)も開示されているが、無水珪酸微粒子のような微粒子は、吸水によって剪断減粘性を示すとしても、微粒子間の凝集力による作用の依存度が大である。従って、この種のインキをボールペン用インキとして適用した場合、凝集粒子の三次元構造体がボールとボールホルダーの狭い間隙を均質状態で通過することはかなりの困難を伴うため、インキ切れを発生させがちである。又、親水性合成スメクタイトの如き膨潤性粘土類は、実質的に溶解状態に近いほど微細な粒子として分散し、初期的には良好な剪断減粘性を与えるとしても、経時的に水をゲル本体から分離、排出する現象、即ち「離漿」現象を発生させがちであり、ボールペン機構内において局所的なインキの分離やインキ柱の切断を生じる欠点があった。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
本出願人は、前記した従来の不具合を解消させるため、HLB値が8〜12の範囲のノニオン系界面活性剤を配合することにより、水性ボールペン用インキに適切な剪断減粘性を付与し、スムーズな筆記感、良好な筆記性能、ボール座の摩耗の低減、長期の保存安定性を満足させるボールペンインキ組成物を先に提案した(特開平9−302299号公報)。
しかし、前記ノニオン系界面活性剤を含む剪断減粘性水性ボールペン用インキは、インキ中に配合される親水性成分の影響により、室温或いは低温条件における放置で剪断減粘性が低下し、正立(チップ上向き)或いは倒立(チップ下向き)経時後の筆記においてインキの淡色化或いは、濃色化が発生する傾向があった。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、前記したノニオン系界面活性剤を含む剪断減粘性水性ボールペン用インキについて更に検討をすすめ、前記した良好な筆記性能等を長期に維持し、特に低温領域における粘度低下を発生させる事のないインキ組成を見いだした。
本発明はボールペン用剪断減粘性インキ組成物において、着色剤、水溶性極性溶剤、水、及び二種以上のノニオン系界面活性剤を含み、前記二種以上のノニオン系界面活性剤のうち少なくとも一種のノニオン系界面活性剤はHLB値が3〜8の範囲にあるポリグリセリン脂肪酸エステルであり、各々のノニオン系界面活性剤のHLB値と配合量から下記計算式で求められる界面活性剤の平均HLB値が7〜12の範囲であることを要件とする(請求項1)。
【数2】
Figure 0004291909
〔ここで、HLB、HLB‥‥HLBは各ノニオン系界面活性剤のそれぞれのHLB値を、W,W‥‥Wは各ノニオン系界面活性剤の配合量(重量部)を示す。〕
【0009】
、着色剤1〜25重量%、水溶性有機溶剤1〜35重量%、前記二種以上のノニオン系界面活性剤が合計量として1〜30重量%含まれること(請求項)、前記着色剤が染料、有機顔料、無機顔料、蛍光顔料、蓄光性顔料、金属粉顔料から選ばれる一種または二種以上であること(請求項)、25℃におけるEM型回転粘度計の回転数100rpmでの測定値が25〜160mPa・sであり、剪断減粘指数が0.1〜0.7の範囲に調整されたこと(請求項)等を要件とする。
【0010】
更にはインキ収容管の一端にボールを回転自在に抱持したチップを直接、或いはホルダー部材を介して挿着したボールペンの前記インキ収容管に前記剪断減粘性水性インキ組成物を充填してなるボールペン(請求項)、インキ収容管はパイプ又はパイプ形状の成形物であり、充填されたボールペン用剪断減粘性水性インキ組成物の後端部にはインキ追従体が配されてなるボールペン(請求項)等を要件とする。
【0011】
本発明は前記したとおり、剪断減粘性ボールペン用水性インキにおいて、二種以上のノニオン系界面活性剤を配合し、前記各々のノニオン系界面活性剤のHLB値と配合量から求められる界面活性剤の平均HLB値を7〜12に調整することにより、水性ボールペン用インキとしての適性と諸性能を満足させる剪断減粘性をより長期に維持し、更に温度変化に対して安定であり、特に低温領域において粘度が低下することのない水性インキ組成物及びそれを用いたボールペンを提供するものである。
【0012】
本発明に適用されるノニオン系界面活性剤は、親油性と親水性の中間の性状を示すため、水性媒体中では一部が分子状態に溶解し(溶解相)、一部が微細粒子状態で分散しており(分散相)、これら溶解相と分散相で構成される三次元網目構造が剪断減粘性を発現させていると推測される。しかし上記分散相は温度による影響をうけやすく、特に低温になったときに該剪断減粘性水性インキは粘度の低下を示すことがある。上記分散相は前記ノニオン系界面活性剤がコロイド状の多分子会合状態、いわゆるミセルとして水中に分散されているものであるが、低温においては前記ミセル構造がこわれ、単分子の溶解状態に変化し、その結果として粘度が低下するものと推察される。
【0013】
前記ノニオン系界面活性剤はポリオキシエチレン基等の親水基が水と水和することにより水に可溶化されているが、比較的高温の条件下では水の分子運動が活発であり水和が困難になり、溶解度が低くミセルが形成されやすいが、温度の低下に伴い水の分子運動が遅くなり、活性剤分子の周囲に存在する水分子が増加することにより水和が起こりやすくなり、溶解度が上昇すると思われる。
【0014】
本発明に用いられるHLB値が3〜8のノニオン系界面活性剤は水に対する溶解度が低く、単独で水に分散した場合乳状の分散体となるか、或いは一部が白濁分散して残部が分離した二層分離状態になる。この時点では分散相が過剰で又、分散相の粒子径も大きく、ボールペン用インキに適した粘度及び剪断減粘性は示さない。しかし、併用する一種以上のノニオン系界面活性剤を添加し平均HLB値を7〜12に調整し、更に残余のインキ成分を添加すると溶解相が増加し、分散相の粒子径も適宜のものとなり、ボールペン用インキとして好適な粘度及び剪断減粘性を示す。更には、低温条件に放置しても分散相が著しく減少することがなく、粘度の低下を抑制することができる。
【0015】
本発明のインキ組成物に用いられる着色剤としては、水性媒体に溶解又は分散可能な染料及び顔料がすべて使用可能であり、以下にその具体例を示す。前記染料としては、エオシン(C.I.45380),フロキシン(C.I.45410)、ニューコクシン(C.I.16255),タートラジン(C.I.19140),アシッドバイオレット6B(C.I.42640),ブリリアントブルーFCF(C.I.42090),アシッドニグロシン(C.I.50420),ナフタレングリーン(C.I.44025)等の酸性染料、ダイレクトスカイブルー5B(C.I.24400),バイオレットBB(C.I.27905),ダイレクトディープブラックEX(C.I.30235),コンゴーレッド(C.I.22120)等の直接染料、クリソイジン(C.I.11270),メチルバイオレットFN(C.I.42535),クリスタルバイオレット(C.I.42555),ローダミンB(C.I.45170),ビクトリアブルーFB(C.I.44045)等の塩基性染料が挙げられる。
【0016】
また、前記顔料としてはカーボンブラック、群青、酸化チタンなどの無機顔料や銅フタロシアニンブルー、ベンジジンイエローなどの有機顔料、蛍光性染料を樹脂マトリックス中に固溶体化した合成樹脂微細粒子状の蛍光顔料等の他、パール顔料、金色、銀色のメタリック顔料、蓄光性顔料、アルミニウム等の金属粉顔料等を用いることができる。更には前記特開平9−302299号公報にも例示されている可逆熱変色性マイクロカプセル顔料も使用することができ、前記着色剤は単独であるいは二種以上を適宜混合し、インキ全量に対し1乃至25重量%、好ましくは2乃至20重量%の範囲で用いられる。
【0017】
本発明のインキ組成物は水を主溶剤として用いるが、水溶性極性溶剤としては水に相溶性のある従来汎用の溶剤もすべて有効であり、グリセリン、トリエタノールアミン、ジエタノールアミン、モノエタノールアミン、エチレングリコール、ジエチレングリコール、チオジエチレングリコール、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、スルフォラン、2−ピロリドン、N−メチル−2−ピロリドン等を使用することができる。使用量は組成物中2〜35重量%が望ましい。
【0018】
本発明に適用される剪断減粘性を示すノニオン系界面活性剤としてはポリグリセリン脂肪酸エステル類、グリセリン脂肪酸エステルのエチレンオキサイド付加物、ポリオキシエチレンソルビット脂肪酸エステル類、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル類、ポリオキシエチレン脂肪酸エステル類、ポリオキシエチレンアルキルエーテル類、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル類、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンアルキルエーテル類、脂肪酸モノエタノールアミド類、ポリオキシエチレン脂肪酸アミド類、ポリオキシエチレンアルキルアミン類、糖エステル類、リン酸エステル類等が挙げられるが、これらのうち、より多くの水酸基を有するポリグリセリン脂肪酸エステルを少なくとも一種配合することにより、水性ボールペンインキとしてより好適な液性が得られる。
【0019】
又、紙面への筆跡の定着性や耐水性を向上させるために剪断減粘性を有さない水溶性ポリマーを添加することもできる。前記水溶性ポリマーとしてはアルキッド樹脂、ポリアクリル酸樹脂、スチレンマレイン酸共重合物、セルロース誘導体、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン等を例示することができ、これらの一種又は二種以上を0.1〜10重量%の範囲で用いる。
【0020】
その他、必要に応じてアルキルアミン、アルカノールアミン等のpH調整剤、ベンゾトリアゾール、ジシクロヘキシルアンモニウムナイトライト等の防錆剤、石炭酸、1,2−ベンズイソチアゾリン−3−オン、等の防腐・防黴剤、燐酸エステル、水溶性シリコーン等の潤滑剤、フッ素系界面活性剤等の浸透剤やジメチルポリシロキサン等の消泡剤等を添加することもできる。
【0021】
前記ボールペン用水性インキ組成物を適用するボールペンは従来より汎用の機構が有効である。即ち、チップとしては金属製のパイプに先端近傍を外面より内方に押圧変形させたボール抱持部にボールを抱持してなるチップ、或いは金属材料をドリル等による切削加工により形成したボール抱持部にボールを抱持してなるチップ、或いは金属製のパイプの押圧変形チップや金属材料の切削加工により形成したチップに抱持するボールをバネ体により前方に付勢させたもの等を適用できる。
【0022】
前記インキ及びインキ逆流防止体を収容するインキ収容管は、例えばポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエチレンテレフタレート等の熱可塑性樹脂からなる成形体が、水分の低透過性及び生産性の面で好適に用いられる。
更に、前記インキ収容管として透明、着色透明、或いは半透明の成形体を用いることにより、インキ色やインキ残量等を使用中でも目視で確認することができる。チップは前記インキ収容管に直接連結する他、接続部材を介して連結してもよい。
尚、前記インキ収容管はボールペン用レフィールの形態として、前記レフィールを軸筒内に収容するものでもよいし、先端部にチップを装着した軸筒自体をインキ収容体として、前記軸筒内にインキを直接充填してもよい。
【0023】
又、前記インキ逆流防止体としては、ポリブテン、シリコーンオイル等の不揮発性高粘稠液体が挙げられ、必要に応じて前記高粘稠液体にシリカ、珪酸アルミニウム等を添加することもできる。更には前記高粘稠液体中に熱可塑性樹脂の成形体等の固体栓を併用してもよい。
【0024】
【発明の実施の形態】
本発明のボールペン用水性インキ組成物は以下に記載した方法で調製することができる。着色剤として顔料を使用する場合は、予めインキ組成中の水の一部に分散剤を溶解した後顔料を投入し、ビーズミル等で攪拌することにより水性顔料分散体を得る。インキ成分の残部を40℃に加温しながらディスパー等で攪拌し、均一になった後、前記水性顔料分散体を加え、更に攪拌し冷却後濾過することによりボールペン用水性インキが得られる。
又、着色剤として染料を用いる場合はインキ組成中の水全量を40℃に加温し、ディスパー等で攪拌しながら各成分を投入し、均一溶解後冷却、濾過することによりボールペン用水性インキが得られる。
【0025】
【実施例】
本発明のボールペン用水性インキの組成、及び比較例のインキ組成を以下の表に示すが、本発明はこの実施例によって何ら限定されるものではない。尚、それぞれのインキは前記のインキ調製方法によって作成した。
【0026】
【表1】
Figure 0004291909
但し、表中の配合量を示す数値は重量%を表わす。
【0027】
【表2】
Figure 0004291909
但し、表中の配合量を示す数値は重量%を表わす。
【0028】
前記インキ組成及びインキ調製方法によって得られた実施例インキ及び比較例インキの25℃及び5℃における粘度をEM型回転粘度計〔トキメック(株)製〕で測定した値を以下の表に示す。また測定した粘度値から剪断減粘指数(n)を算出した。尚、剪断減粘指数(n)は実験式T=Kj(T:剪断応力値、j:剪断速度、Kは計算された定数)に数値をあてはめることにより得られる。
【0029】
【表3】
Figure 0004291909
【0030】
更に、直径0.4mmのボールを抱持するステンレススチール製チップがポリプロピレン製パイプの一端に嵌着されたボールペンレフィルに、前記実施例及び比較例インキ及び該インキ後端面にインキ逆流防止体をそれぞれ密接させて充填した後、前記各ボールペンレフィルを軸筒に組み込み、ボールペンを作成した。
前記の作成方法で得られたボールペンを筆記した後(初期)、チップ上向き(正立)及びチップ下向き(倒立)の状態で5℃に30日間放置した後、再度筆記を行い、筆跡の状態を目視で観察し評価した。筆記試験の結果を以下の表に示す。尚、直径0.3mm、0.5mm、及び0.7mmの各ボールを備えたボールペンについても同様の試験を実施したところ、0.4mmの系と同様な結果を得た。
【0031】
【表4】
Figure 0004291909
尚、前記表中の評価基準は以下の通りである。
○:良好に筆記でき、初期と5℃30日後の筆跡濃度に変化がない。
×:5℃30日後の筆跡が初期に比較して濃色化或いは淡色化している。
【0032】
【発明の効果】
本発明は、特定のノニオン系界面活性剤を二種以上配合した剪断減粘性水性ボールペン用インキ組成物であって、前記各々のノニオン系界面活性剤のHLB値と配合量から求められる界面活性剤の平均HLB値を7〜12の範囲に調整することにより、筆跡の線割れ、かすれ、ボテ、或いはチップ先端からのインキ漏れ等のないボールペンインキとして好適な液性を得ることができ、更に長期の経時、或いは温度変化によっても粘度や剪断減粘性に変化がなく、又低温環境下において粘度低下が発生することがなく、長期に安定化されたボールペン用水性インキ組成物及びそれを用いたボールペンを提供することができる。

Claims (6)

  1. 着色剤、水溶性極性溶剤、水、及び二種以上のノニオン系界面活性剤を含有してなり、前記二種以上のノニオン系界面活性剤のうち少なくとも一種のノニオン系界面活性剤はHLB値が3〜8の範囲にあるポリグリセリン脂肪酸エステルであり、前記各々のノニオン系界面活性剤のHLB値と配合量から下記計算式にて求められる界面活性剤の平均HLB値が7〜12の範囲であることを特徴とするボールペン用剪断減粘性水性インキ組成物。
    Figure 0004291909
    〔ここで、HLB、HLB‥‥HLBは各ノニオン系界面活性剤のそれぞれのHLB値を、W,W‥‥Wは各ノニオン系界面活性剤の配合量(重量部)を示す。〕
  2. 着色剤1〜25重量%、水溶性極性溶剤1〜35重量%、前記二種以上のノニオン系界面活性剤が合計量として1〜30重量%含まれることを特徴とする請求項1記載のボールペン用剪断減粘性水性インキ組成物。
  3. 前記着色剤が染料、有機顔料、無機顔料、蛍光顔料、蓄光性顔料、金属粉顔料から選ばれる一種または二種以上であることを特徴とする請求項1又は2記載のボールペン用剪断減粘性水性インキ組成物。
  4. 25℃におけるEM型回転粘度計の回転数100rpmでの測定値が25〜160mPa・sであり、剪断減粘指数が0.1〜0.7の範囲に調整されたことを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載のボールペン用剪断減粘性水性インキ組成物。
  5. インキ収容管の一端にボールを回転自在に抱持したチップを直接、或いはホルダー部材を介して挿着したボールペンの前記インキ収容管に請求項1乃至4のいずれかに記載のボールペン用剪断減粘性水性インキ組成物を充填してなることを特徴とするボールペン。
  6. インキ収容管はパイプ又はパイプ形状の成形物であり、充填されたボールペン用剪断減粘性水性インキ組成物の後端部にはインキ追従体が配されてなる請求項5記載のボールペン。
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