JP2000129191A - ボールペン用剪断減粘性水性インキ組成物及びそれを用いたボールペン - Google Patents

ボールペン用剪断減粘性水性インキ組成物及びそれを用いたボールペン

Info

Publication number
JP2000129191A
JP2000129191A JP10324520A JP32452098A JP2000129191A JP 2000129191 A JP2000129191 A JP 2000129191A JP 10324520 A JP10324520 A JP 10324520A JP 32452098 A JP32452098 A JP 32452098A JP 2000129191 A JP2000129191 A JP 2000129191A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
cyclodextrin
ink
shear
ball
water
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP10324520A
Other languages
English (en)
Inventor
Takafusa Ando
孝房 安藤
Nobuyuki Kitaoka
伸之 北岡
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Pilot Ink Co Ltd
Original Assignee
Pilot Ink Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Pilot Ink Co Ltd filed Critical Pilot Ink Co Ltd
Priority to JP10324520A priority Critical patent/JP2000129191A/ja
Publication of JP2000129191A publication Critical patent/JP2000129191A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Inks, Pencil-Leads, Or Crayons (AREA)
  • Pens And Brushes (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 経時及び温度変化に対する粘度安定性に優れ
た剪断減粘性水性ボールペンインキ組成物及びそれを用
いたボールペンを提供する。 【解決手段】 着色剤、水溶性極性溶剤、水、及び剪断
減粘性付与剤としてHLB値が8〜12の範囲のノニオ
ン系界面活性剤を含む水性ボールペンインキに、サイク
ロデキストリンを添加したボールペン用剪断減粘性水性
インキ組成物及びそれを用いたボールペン。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はボールペン用剪断減
粘性水性インキ組成物及びそれを用いたボールペンに関
する。更に詳細には先端にボールペンチップを備えたイ
ンキ収容管にインキが直液状態に充填されたタイプで、
チップとインキ収容管の間にインキ流量及びインキと空
気の交替を調節する複雑な形状の部材(ペン芯と称され
ている)を必要としない簡単な構造のボールペンに適用
される剪断減粘性水性インキ組成物及びそれを用いたボ
ールペンに関する。
【0002】
【従来の技術】従来、ボールペン用インキとしては、粘
度が1〜2万mPa・s程度の油性媒体からなる高粘度
の油性ボールペンインキと、粘度が10mPa・s程度
の水性媒体からなる低粘度の水性ボールペンインキが汎
用されている。前記油性ボールペンインキは、インキ流
量調節部材を介在させることなく、直液状態でパイプ状
インキ収容部に充填される比較的簡易なボールペン機構
に適用できる利点がある反面、インキ自体の高粘性に依
存して筆記感が重いため高い筆圧を要する。又、ボール
表面に形成した高粘性インキによるインキ薄膜を筆記面
に転写する機構のため、カスレ現象を生じたり、筆記先
端部にインキが蓄積するいわゆるボテ現象や、外気温が
高い環境下での筆記に際して、筆跡が滲む等の不具合を
発生しがちである。一方、前記水性ボールペンインキを
用いたボールペンにおいては、軽い筆圧で濃い筆跡濃度
が得られる利点がある反面、低粘性のインキを適正に流
出させるためのインキ流出制御手段等を配備する必要が
あり、多数の部品から構成される複雑な構造を余儀なく
されるうえ、インキの低粘性に依存して筆跡の滲みやボ
タ落ち現象を発生させがちであった。
【0003】前記した状況に鑑み、近年、揺変性を付与
した水性媒体のインキ、所謂、剪断減粘性の水性ボール
ペンインキが開発され、実用に供されるようになった。
この種のインキは、剪断応力が加わらない静置時にあっ
ては高粘度であり、ボールペン機構内において安定的に
保持されており、筆記時にあっては高速回転するボール
による高剪断力によって、ボール近傍のインキのみが低
粘度化し、その結果、インキはボールとボール収容部の
間隙を毛管力によって円滑に通過して紙面にインキが転
写される。前記紙面等に転写されたインキは、剪断力か
ら解放されるため、即時に高粘度状態に戻り、従来の非
剪断減粘性水性ボールペンの欠点であった筆跡の滲み現
象を発生させることがない。
【0004】前記した剪断減粘性水性ボールペンインキ
に関する提案は、幾つか開示されている。例えば、水分
散性のガム、樹脂、多糖類等を利用したもの(例えば、
米国特許第4671691号公報、特公昭64−867
3号公報)が挙げられる。しかしながら、前記提案に開
示されている水分散性のガム、樹脂、増粘性多糖類は、
微生物による解重合作用、光化学的酸化による分解作
用、強い剪断力による分子鎖の開裂作用により、変質ま
たは劣化し易い傾向があり、剪断減粘性効果を安定的に
持続して満足させているとはいえない。
【0005】又、架橋性アクリル樹脂等の有機高分子化
合物を剪断減粘性付与剤として利用したもの(特開昭5
7−49678号公報等)が開示されているが、架橋性
アクリル樹脂の特性として高粘度の状態では、ある程度
の剪断減粘性を呈するとしても、水性ボールぺンの筆記
機構への適用に際しては、その効果を必ずしも有効に発
現し難い。即ち、剪断減粘効果が不充分であり、筆記時
の剪断力により生じる筆記に適正な低粘度化と、非筆記
時の保管状態に要求される高粘度化とのバランスを必ず
しも満足させていない。
【0006】更に、無機質微粒子等の無機化合物を剪断
減粘性付与剤として用いる試み(特開平6−25669
9号公報等)も開示されているが、無水珪酸微粒子のよ
うな微粒子は、吸水によって剪断減粘性を示すとして
も、微粒子間の凝集力による作用の依存度が大である。
従って、この種のインキをボールペン用インキとして適
用した場合、凝集粒子の三次元構造体がボールとボール
ホルダーの狭い間隙を均質状態で通過することはかなり
の困難を伴うため、インキ切れを発生させがちである。
又、親水性合成スメクタイトの如き膨潤性粘土類は、実
質的に溶解状態に近いほど微細な粒子に分散し、初期的
には良好な剪断減粘性を示すとしても、経時的に水をゲ
ル本体から分離、排出する現象、即ち「離漿」現象を発
生させがちであり、ボールペン機構内において局所的な
インキの分離やインキ柱の切断を生じる欠点があった。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本出願人は、前記した
従来の不具合を解消させるため、HLB値が8〜12の
範囲のノニオン系界面活性剤を配合することにより、水
性ボールペン用インキに適切な剪断減粘性を付与し、ス
ムーズな筆記感、良好な筆記性能、ボール座の摩耗の低
減、長期の保存安定性を満足させるボールペンインキ組
成物を先に提案した(特開平9−302299号公
報)。本発明者らは、前記ノニオン系界面活性剤を含む
剪断減粘性水性ボールペン用インキについて更に検討を
進め、前記した性能を長期に維持し、更に温度変化に対
するインキの安定性を改善し、特に低温領域における粘
度低下を発生させることのないインキ組成を見出した。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明は着色剤、水溶性
極性溶剤、水、及び剪断減粘性付与剤としてHLB値が
8〜12の範囲のノニオン系界面活性剤を含む剪断減粘
性水性ボールペンインキにおいて、サイクロデキストリ
ンを添加したことを要件とする(請求項1)。更には着
色剤1〜25重量%、水溶性極性溶剤1〜35重量%、
HLB値が8〜12の範囲のノニオン系界面活性剤を1
〜30重量%及びサイクロデキストリンを0.2〜30
重量%含有すること(請求項2)、該サイクロデキスト
リンがα−サイクロデキストリン、β−サイクロデキス
トリン、γ−サイクロデキストリン、マルトシル−α−
サイクロデキストリン、マルトシル−β−サイクロデキ
ストリン、マルトシル−γ−サイクロデキストリン、ジ
メチル−β−サイクロデキストリン、ヒドロキシエチル
−β−サイクロデキストリン、ヒドロキシプロピル−α
−サイクロデキストリン、ヒドロキシプロピル−β−サ
イクロデキストリン、ヒドロキシプロピル−γ−サイク
ロデキストリン、グリコシル−β−サイクロデキストリ
ンから選ばれる一種または二種以上であること(請求項
3)、前記着色剤が染料、有機顔料、無機顔料、蛍光顔
料、蓄光性顔料、金属粉顔料から選ばれる一種または二
種以上であること(請求項4)、25℃におけるEM型
回転粘度計の回転数100rpmでの測定値が25〜1
60mPa・sであり、剪断減粘指数が0.1〜0.7
の範囲に調整されたこと(請求項5)等を要件とする。
【0009】更にはインキ収容管の一端にボールを回転
自在に抱持したチップを直接、或いはホルダー部材を介
して挿着したボールペンの前記インキ収容管に前記剪断
減粘性水性インキ組成物を充填してなるボールペン(請
求項6)、インキ収容管はパイプ又はパイプ形状の成形
物であり、充填されたボールペン用剪断減粘性水性イン
キ組成物の後端部にはインキ追従体が配されてなるボー
ルペン(請求項7)等を要件とする。
【0010】本発明は前記したとおり、特定のHLB値
範囲のノニオン系界面活性剤を配合することにより得ら
れた剪断減粘性水性インキに、更にサイクロデキストリ
ンを添加することにより、水性ボールペン用インキとし
ての適性と諸性能を満足させる剪断減粘性をより長期
に、又温度変化に影響されず安定的に維持するボールペ
ン用剪断減粘性水性インキ組成物及びそれを用いたボー
ルペンを提供するものである。
【0011】本発明に適用されるHLB値が8〜12の
範囲のノニオン系界面活性剤は、親油性と親水性の中間
の性状を示すため、水性媒体中では一部が分子状態に溶
解し(溶解相)、一部が微細粒子状態で分散しており
(分散相)、これら溶解相と分散相で構成される三次元
網目構造が剪断減粘性を発現させていると推測される。
しかし上記分散相は温度による影響をうけやすく、特に
低温になったときに該剪断減粘性水性インキは粘度の低
下を示すことがある。上記分散相は前記ノニオン系界面
活性剤がコロイド状の多分子会合状態、いわゆるミセル
として水中に分散されているものであるが、低温におい
ては前記ミセル構造がこわれ、単分子の溶解状態に変化
し、その結果として粘度が低下するものと推察される。
【0012】前記ノニオン系界面活性剤はポリオキシエ
チレン基等の親水基が水と水和することにより水に可溶
化されているが、比較的高温の条件下では水の分子運動
が活発であり水和が困難になり、該ノニオン系界面活性
剤の溶解度が低下し、ミセルが形成されやすいが、温度
の低下に伴い水の分子運動が遅くなり、活性剤分子の周
囲に存在する水分子が増加することにより水和が起こり
やすくなり、溶解度が上昇すると考えられる。本発明の
サイクロデキストリンは前記ノニオン系界面活性剤のミ
セルと分子間力等で結合し、前記三次元網目構造をより
安定化させる。またサイクロデキストリンは該ノニオン
系界面活性剤に比べ水に対する溶解性が高いため、より
水分子を取り込み、該ノニオン系界面活性剤の水和を妨
げることによりミセル構造を安定化するものと推察され
る。
【0013】本発明のインキ組成物に用いられる着色剤
としては、水性媒体に溶解又は分散可能な染料及び顔料
がすべて使用可能であり、以下にその具体例を示す。前
記染料としては、エオシン(C.I.45380),フ
ロキシン(C.I.45410)、ニューコクシン
(C.I.16255),タートラジン(C.I.19
140),アシッドバイオレット6B(C.I.426
40),ブリリアントブルーFCF(C.I.4209
0),アシッドニグロシン(C.I.50420),ナ
フタレングリーン(C.I.44025)等の酸性染
料、ダイレクトスカイブルー5B(C.I.2440
0),バイオレットBB(C.I.27905),ダイ
レクトディープブラックEX(C.I.30235),
コンゴーレッド(C.I.22120)等の直接染料、
クリソイジン(C.I.11270),メチルバイオレ
ットFN(C.I.42535),クリスタルバイオレ
ット(C.I.42555),ローダミンB(C.I.
45170),ビクトリアブルーFB(C.I.440
45)等の塩基性染料が挙げられる。
【0014】また、前記顔料としてはカーボンブラッ
ク、群青、酸化チタンなどの無機顔料や銅フタロシアニ
ンブルー、ベンジジンイエローなどの有機顔料、蛍光性
染料を樹脂マトリックス中に固溶体化した合成樹脂微細
粒子状の蛍光顔料等の他、パール顔料、金色、銀色のメ
タリック顔料、蓄光性顔料、アルミニウム等の金属粉顔
料等を用いることができる。更には前記特開平9−30
2299号公報に例示されている可逆熱変色性マイクロ
カプセル顔料を使用することができ、前記着色剤は単
独、或いは二種以上を適宜混合し、インキ全量に対し1
乃至25重量%、好ましくは2乃至20重量%の範囲で
用いられる。
【0015】本発明のインキ組成物は水を主溶剤として
用いるが、水溶性極性溶剤としては水に相溶性のある従
来汎用の溶剤もすべて有効であり、グリセリン、トリエ
タノールアミン、ジエタノールアミン、モノエタノール
アミン、エチレングリコール、ジエチレングリコール、
チオジエチレングリコール、ポリエチレングリコール、
プロピレングリコール、エチレングリコールモノメチル
エーテル、エチレングリコールモノメチルエーテルアセ
テート、スルフォラン、2−ピロリドン、N−メチル−
2−ピロリドン等を使用することができる。使用量は組
成物中2〜35重量%が望ましい。
【0016】本発明に適用されるHLB値が8〜12の
範囲から選ばれる剪断減粘性を示すノニオン系界面活性
剤としてはポリグリセリン脂肪酸エステル類、グリセリ
ン脂肪酸エステルのエチレンオキサイド付加物、ポリオ
キシエチレンソルビット脂肪酸エステル類、ポリオキシ
エチレンソルビタン脂肪酸エステル類、ポリオキシエチ
レン脂肪酸エステル類、ポリオキシエチレンアルキルエ
ーテル類、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテ
ル類、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンアルキ
ルエーテル類、脂肪酸モノエタノールアミド類、ポリオ
キシエチレン脂肪酸アミド類、ポリオキシエチレンアル
キルアミン類、糖エステル類、リン酸エステル類等が挙
げられるが、これらのうちHLB値が8〜12の範囲の
化合物の一種又は二種以上を混合して用いる。
【0017】又、紙面への筆跡の定着性や耐水性を向上
させるために剪断減粘性を有さない水溶性ポリマーを添
加することもできる。前記水溶性ポリマーとしてはアル
キッド樹脂、ポリアクリル酸樹脂、スチレンマレイン酸
共重合物、セルロース誘導体、ポリビニルアルコール、
ポリビニルピロリドン等を例示することができ、これら
の一種又は二種以上を0.5〜20重量%の範囲で用い
る。
【0018】その他、必要に応じて炭酸ナトリウム、酢
酸ナトリウム、アミン類等のpH調整剤、ベンゾトリア
ゾール、ジシクロヘキシルアンモニウムナイトライト等
の防錆剤、石炭酸、1,2−ベンズイソチアゾリン−3
−オン、安息香酸ナトリウム等の防腐・防黴剤、金属石
鹸、燐酸エステル、チオカルバミン酸誘導体、水溶性シ
リコーン等の潤滑剤、フッ素系界面活性剤等の浸透剤や
ジメチルポリシロキサン等の消泡剤等を添加することも
できる。
【0019】前記ボールペン用水性インキ組成物を適用
するボールペンは従来より汎用の機構が有効である。即
ち、チップとしては金属製のパイプに先端近傍を外面よ
り内方に押圧変形させたボール抱持部にボールを抱持し
てなるチップ、或いは金属材料をドリル等による切削加
工により形成したボール抱持部にボールを抱持してなる
チップ、或いは金属製のパイプや金属材料の切削加工に
より形成したチップに抱持されたボールを、コイルバネ
等の弾性体により前方に付勢させたもの等を適用でき
る。
【0020】前記インキ及びインキ逆流防止体を収容す
るインキ収容管は、例えばポリエチレン、ポリプロピレ
ン、ポリエチレンテレフタレート等の熱可塑性樹脂から
なる成形体が、水分の低透過性及び生産性の面で好適に
用いられる。更に、前記インキ収容管として透明、着色
透明、或いは半透明の成形体を用いることにより、使用
途中においてもインキ色やインキ残量等を目視で確認す
ることができる。チップは前記インキ収容管に直接連結
する他、接続部材を介して連結してもよい。尚、前記イ
ンキ収容管はボールペン用レフィールの形態として、前
記レフィールを軸筒内に収容するものでもよいし、先端
部にチップを装着した軸筒自体をインキ収容体として、
前記軸筒内にインキを直接充填してもよい。更に、樹脂
又はプラスチックの固体栓を前記逆流防止体と併用する
こともできる。
【0021】又、前記インキ逆流防止体としては、ポリ
ブテン、シリコーンオイル等の不揮発性高粘稠液体が挙
げられ、必要に応じて前記高粘稠液体にシリカ、珪酸ア
ルミニウム等を添加することもできる。
【0022】
【発明の実施の形態】本発明のボールペン用水性インキ
組成物は以下に記載した方法で調製することができる。
着色剤として顔料を使用する場合は、予めインキ組成中
の水の一部に分散剤を溶解した後顔料を投入し、ビーズ
ミル等で攪拌することにより水性顔料分散体を得る。イ
ンキ成分の残部を40℃に加温しながらディスパー等で
攪拌し、均一になった後、前記水性顔料分散体を加え、
更に攪拌し冷却後濾過することによりボールペン用水性
インキが得られる。又、着色剤として染料を用いる場合
はインキ組成中の水全量を40℃に加温し、ディスパー
等で攪拌しながら各成分を投入し、均一溶解後冷却、濾
過することによりボールペン用水性インキが得られる。
【0023】
【実施例】本発明のボールペン用水性インキの組成、及
び比較例のインキ組成を以下の表に示すが、本発明はこ
の実施例によって何ら限定されるものではない。尚、そ
れぞれのインキは上記のインキ調製方法によって作成し
た。
【0024】
【表1】 但し、表中の配合量を示す数値は重量%を表わす。
【0025】
【表2】 但し、表中の配合量を示す数値は重量%を表わす。
【0026】前記インキ組成及びインキ調製方法によっ
て得られた実施例インキ及び比較例インキの25℃及び
5℃における粘度をEM型回転粘度計(トキメック
(株)製)で測定した値を以下の表に示す。また測定し
た粘度値から剪断減粘指数(n)も算出した。尚、剪断
減粘指数(n)は実験式T=Kjn (T:剪断応力値、
j:剪断速度、Kは計算された定数)に数値をあてはめ
ることにより得られる。
【0027】
【表3】
【0028】更に、直径0.4mmのボールを抱持する
ステンレススチール製チップがポリプロピレン製パイプ
の一端に嵌着されたボールペンレフィルに、前記実施例
及び比較例インキ及び該インキ後端面にインキ逆流防止
体を密接させて充填した後、前記ボールペンレフィルを
軸筒に組み込み、ボールペンを作成した。前記の作成方
法で得られたボールペンを筆記し、良好に筆記できるこ
とを確認した後、チップ上向き(正立)及びチップ下向
き(倒立)の状態で5℃の恒温槽内に30日間放置し、
再度筆記を行い筆跡の状態を目視で観察し評価した。筆
記試験の結果を以下の表に示す。尚、直径0.3mm、
0.5mm、0.7mmの各ボールを備えたボールペン
についても同様の試験を実施したところ、0.4mmの
系と同様な結果を得た。
【0029】
【表4】
【0031】尚、前記表中の評価基準は以下の通りであ
る。 ○:良好に筆記でき、初期と5℃で30日経時後の筆跡
濃度に変化がない。 ×:5℃30日後の筆跡が初期に比較して濃色化或いは
淡色化している。
【0032】
【発明の効果】本発明は、特定のノニオン系界面活性剤
を配合した剪断減粘性水性ボールペン用インキ組成物
に、更に、サイクロデキストリンを添加することによ
り、筆跡の線割れ、かすれ、ボテ、或いはチップ先端か
らのインキ漏れ等のないボールペンインキとして好適な
液性を得ることができ、更に長期の経時、或いは温度変
化によっても粘度変化がなく、又それに起因して発生す
る正立或いは倒立放置における筆跡の濃色化或いは淡色
化がなく、初期の筆記性能を長期間維持できるボールペ
ン用水性インキ組成物及びそれを用いたボールペンを提
供することができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 2C350 GA03 KC01 KF01 KF03 NA19 4J039 BA04 BA06 BA13 BA23 BA32 BA35 BC07 BC09 BC10 BC11 BC12 BC13 BC20 BC31 BC33 BC35 BC36 BC49 BC54 BC55 BC56 BC60 BE01 BE03 BE04 BE05 BE06 BE12 BE22 CA03 CA06 EA28 EA44 EA48 GA27

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 着色剤、水溶性極性溶剤、水、及び剪断
    減粘性付与剤としてHLB値が8〜12の範囲のノニオ
    ン系界面活性剤を含む水性ボールペンインキにおいて、
    サイクロデキストリンを添加したことを特徴とするボー
    ルペン用剪断減粘性水性インキ組成物。
  2. 【請求項2】 着色剤1〜25重量%、水溶性極性溶剤
    1〜35重量%、HLB値が8〜12の範囲のノニオン
    系界面活性剤を1〜30重量%、及びサイクロデキスト
    リンを0.2〜30重量%含有することを特徴とする請
    求項1記載のボールペン用剪断減粘性水性インキ組成
    物。
  3. 【請求項3】 前記サイクロデキストリンがα−サイク
    ロデキストリン、β−サイクロデキストリン、γ−サイ
    クロデキストリン、マルトシル−α−サイクロデキスト
    リン、マルトシル−β−サイクロデキストリン、マルト
    シル−γ−サイクロデキストリン、ジメチル−β−サイ
    クロデキストリン、ヒドロキシエチル−β−サイクロデ
    キストリン、ヒドロキシプロピル−α−サイクロデキス
    トリン、ヒドロキシプロピル−β−サイクロデキストリ
    ン、ヒドロキシプロピル−γ−サイクロデキストリン、
    グリコシル−β−サイクロデキストリンから選ばれる一
    種または二種以上であることを特徴とする請求項1又は
    2記載のボールペン用剪断減粘性水性インキ組成物。
  4. 【請求項4】 前記着色剤が染料、有機顔料、無機顔
    料、蛍光顔料、蓄光性顔料、金属粉顔料から選ばれる一
    種または二種以上であることを特徴とする請求項1又は
    2記載のボールペン用剪断減粘性水性インキ組成物。
  5. 【請求項5】 25℃におけるEM型回転粘度計の回転
    数100rpmでの測定値が25〜160mPa・sで
    あり、剪断減粘指数が0.1〜0.7の範囲に調整され
    たことを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載の
    ボールペン用剪断減粘性水性インキ組成物。
  6. 【請求項6】 インキ収容管の一端にボールを回転自在
    に抱持したチップを直接、或いはホルダー部材を介して
    挿着したボールペンの前記インキ収容管に請求項1乃至
    5のいずれかに記載のボールペン用剪断減粘性水性イン
    キ組成物を充填してなることを特徴とするボールペン。
  7. 【請求項7】 インキ収容管はパイプ又はパイプ形状の
    成形物であり、充填されたボールペン用剪断減粘性水性
    インキ組成物の後端部にはインキ追従体が配されてなる
    請求項6記載のボールペン。
JP10324520A 1998-10-28 1998-10-28 ボールペン用剪断減粘性水性インキ組成物及びそれを用いたボールペン Pending JP2000129191A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP10324520A JP2000129191A (ja) 1998-10-28 1998-10-28 ボールペン用剪断減粘性水性インキ組成物及びそれを用いたボールペン

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP10324520A JP2000129191A (ja) 1998-10-28 1998-10-28 ボールペン用剪断減粘性水性インキ組成物及びそれを用いたボールペン

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2000129191A true JP2000129191A (ja) 2000-05-09

Family

ID=18166727

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP10324520A Pending JP2000129191A (ja) 1998-10-28 1998-10-28 ボールペン用剪断減粘性水性インキ組成物及びそれを用いたボールペン

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2000129191A (ja)

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2002235025A (ja) * 2001-02-13 2002-08-23 Pilot Ink Co Ltd ボールペン用水性インキ組成物
JP2006206739A (ja) * 2005-01-28 2006-08-10 Mitsubishi Pencil Co Ltd 筆記具用水性インキ組成物
JP2011068905A (ja) * 2010-12-06 2011-04-07 Pilot Ink Co Ltd ボールペン用水性インキ組成物

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2002235025A (ja) * 2001-02-13 2002-08-23 Pilot Ink Co Ltd ボールペン用水性インキ組成物
JP4673985B2 (ja) * 2001-02-13 2011-04-20 パイロットインキ株式会社 ボールペン用水性インキ組成物
JP2006206739A (ja) * 2005-01-28 2006-08-10 Mitsubishi Pencil Co Ltd 筆記具用水性インキ組成物
JP2011068905A (ja) * 2010-12-06 2011-04-07 Pilot Ink Co Ltd ボールペン用水性インキ組成物

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP3151547B2 (ja) 筆記具用水性インキ組成物
JP5659200B2 (ja) ボールペン
JP4766881B2 (ja) 筆記具用水性インキ組成物
JP4919660B2 (ja) 筆記具用水性インキ組成物
TWI316906B (en) Water-based ballpoint pen
JP6626373B2 (ja) 筆記具用水性インク組成物
JP2000129191A (ja) ボールペン用剪断減粘性水性インキ組成物及びそれを用いたボールペン
JP4291909B2 (ja) ボールペン用剪断減粘性水性インキ組成物及びそれを用いたボールペン
WO2014058024A1 (ja) 水性ボールペン用インク組成物
JP2004256722A (ja) 筆記具用金属光沢色インキ組成物
JP2002235025A (ja) ボールペン用水性インキ組成物
JP6100646B2 (ja) ボールペン用水性インキ組成物及びそれを内蔵したボールペン
JP7098406B2 (ja) 着色樹脂粒子分散体およびその製造方法、ならびにその着色樹脂粒子分散体を含んでなる筆記具用水性インキ組成物および筆記具
JP6837943B2 (ja) ボールペン用水性インキ組成物及びそれを内蔵したボールペン
JP2859068B2 (ja) 水性ボールペンおよびインキ追従体
JP2017095582A (ja) ボールペン用水性インキ組成物及びそれを内蔵したボールペン
JP6872410B2 (ja) ボールペン用水性インキ組成物及びそれを内蔵したボールペン
JPH10310734A (ja) 剪断減粘性水性ボールペン顔料インキ及びその調製方法
JP7323332B2 (ja) 水性ボールペン用インク組成物
JPH10219176A (ja) 剪断減粘性水性ボールペンインキ組成物
JP6096590B2 (ja) ボールペン用水性インキ組成物及びそれを内蔵したボールペン
JP2011068702A (ja) 筆記具用水性インキ組成物及びそれを内蔵した筆記具
JP4033994B2 (ja) ボールペン用インキ逆流防止体組成物及びそれを用いたボールペン
JPH0841411A (ja) 水性ゲルインキ及びその水性ゲルインキを用いた筆記具
JP2006008941A (ja) 筆記具用水性インキ組成物