JP2859068B2 - 水性ボールペンおよびインキ追従体 - Google Patents

水性ボールペンおよびインキ追従体

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JP2859068B2
JP2859068B2 JP5038593A JP3859393A JP2859068B2 JP 2859068 B2 JP2859068 B2 JP 2859068B2 JP 5038593 A JP5038593 A JP 5038593A JP 3859393 A JP3859393 A JP 3859393A JP 2859068 B2 JP2859068 B2 JP 2859068B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はインキ収容管内に直接収
容する水性ボールペン用インキの尾端部に使用するイン
キ追従体および、該インキ追従体を具備するボールペン
に関する。
【0002】
【従来の技術】水性ボールペンのインキの粘度は、類似
の形態を持つ油性ボールペンの粘度が3Pa・sec〜20P
a・secであるのに対し、50mPa・sec〜3Pa・secと低
いため、ペンを上向き又は横向きに放置した場合にはイ
ンキが漏出してしまう。また、軽度な衝撃でもインキが
飛散し、手や服を汚してしまう恐れがあるため、これを
防止すべくインキ追従体が具備されている。このインキ
追従体を「逆流防止体」と呼んでいる。
【0003】特開昭57−153070、特開昭57−
200472、特開昭61−57673、特開昭61−
145269、特開昭61−151289、特開昭61
−200187、特開昭61−268786、特開昭6
2−50379、特開昭62−148581などには、
インキ収容体に直接インキを収容せしめる水性ボールペ
ンにゲル状の逆流防止体を具備することが開示されてい
る。これらの逆流防止体は、上ないし横向きで放置した
場合、インキの流出の防止、軽い落下衝撃などでは十分
な性能を示す。しかし、壁に向かって書いたり、病院の
看護婦や、タクシーの運転手がクリップホルダー(用箋
挟)を手にもってメモを書いたりするような、いわゆる
ペン先がインキ収容管内のインキより上になるような筆
記状態(以下、上向き筆記時という)の場合に、ペン先
にインキが出ず逆にペン先から空気が流入する現象が起
る。ひとたびこのような現象がおこると描線や文字が書
けないばかりでなく、インキ収容管の逆流防止体が役目
をはたさなくなり、インキが逆流してインキ収容管尾端
からインキが漏出してしまうことになる。(図2C参
照)
【0004】これに対して、固形物のインキ追従体を用
いると、インキ収容管後端からのインキの漏出を確実に
防ぐことが可能と考えられる。しかし、インキ収容管内
径とインキ追従体外径との寸法差や、インキ追従体表面
の平滑性などの許容範囲が極めて小さく、工業的な生産
は不可能である。これら寸法精度や表面の平滑性が保た
れずに、インキ収容管内でのインキ追従体の摺動性すな
わちインキ収容管と接触しながら動く性質が悪いと、筆
記によるインキの流出に伴ってインキ収納管が負圧とな
り筆記不能に陥る。また、インキ収容管内径とインキ追
従体外径との寸法差を大きく取り、寸法許容範囲を広げ
るとインキの逆流防止効果がなくなってしまうという弊
害を生じる。このため固形インキ追従体は、加圧ボール
ペンなどでしか用いられてないのが現状である。
【0005】一方、米国特許第4,671,691号に
は、ポリブテン49%、鉱油49%、および増粘剤とし
てジメチルジオクタデシルアンモニウムベントナイト2
%からなる粘弾性インキ追従体が開示されている。しか
し、これらの追従体も我々の検討では、上向き筆記時に
インキが漏出する問題がある。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、従来
の水性ボールペンの欠点である上向き筆記時の前述の問
題点を解決することである。すなわち、上向き筆記時に
おいても適度にインキに追従する性能を有してスムース
に筆記可能で、インキの漏出現象が発生せずに、固体の
インキ追従体と同等の漏出防止効果を有する水性インキ
用追従体を提供することである。
【0007】また、当然のことゝして、インキと外気を
遮断してインキの揮発を防止すること(揮発防止性)、
ペンが落下衝撃によってインキが飛散して衣服など周囲
を汚染したりしないようにする性能(耐衝撃性)を兼ね
備えた上記のインキ追従体を提供することである。さら
に、上向き筆記時にインキの漏出がなく、また、衝撃で
インキの発散しない水性ボールペンを提供することであ
る。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明者は、上記の課題
を鋭意研究の結果、特定性能の基油、特定増粘剤を含む
インキ追従体を特定条件下の粘度に限定することによ
り、目的のインキ追従体および水性ボールペンを得るこ
とに成功し、本発明を完成するに至った。
【0009】本発明の水性ボールペン用インキ追従体
は、温度25℃剪断速度1〜400sec-1において2Pa
・sec以下の粘度を有する非水溶性有機溶剤からなる基
油および疎水性増粘剤を含み、温度25℃の粘度が、剪
断速度1sec-1以下で50Pa・sec以上かつ剪断速度10
0sec-1以上で5Pa・sec以下を示すことを特徴とする。
疎水性増粘剤がBET法による比表面積約150m2
g以上の疎水性微粒子シリカであり、該シリカが4〜1
0重量%含有することが好ましく、またHLB4以下で
水性インキに難溶な非イオン型界面活性剤0.01〜3
重量%含有することが好ましい。
【0010】本発明の水性ボールペンは、(a)着色
剤、水溶性有機溶剤および水を含み、温度25℃剪断速
度40sec-1において20〜2000mPa・secの粘度を
有するインキ、(b)ペン先との間に特別の流量調節機
構を具備しない内径2〜10mmのインキ収容管、および
(c)温度25℃、剪断速度1〜400sec-1において
2Pa・sec以下の粘度を有する非水溶性有機溶媒および
疎水性増粘剤を含み、温度25℃における粘度が剪断速
度1sec-1以下で50Pa・sec以上かつ剪断速度100se
c-1以上で5Pa・sec以下の値を示す水性ボールペン用イ
ンキ追従体、を具備することを特徴とする。好ましく
は、BET法による比表面積値・約150m2/g以上
の疎水性微粒子シリカであり、該シリカが10重量%以
下含有し、またHLB4以下で水性インキに難溶な非イ
オン型界面活性剤が0.01〜3重量%含有する。
【0011】本発明に係わるインキ追従体に用いる基油
は、25℃における粘度が1〜400sec-1の剪断速度
下で2Pa・sec以下の非水溶性有機溶剤である。数種類
を混合する場合は粘度値が前記範囲に入るよう調製して
用いる。基油となるべき具体的溶剤としてはポリブテン
(分子量約600以上)、鉱油、シリコーンオイルなど
があげられる。数平均分子量が600未満のポリブテン
など2〜3年間に数重量%におよぶ揮発がおこる溶剤
は、ボールペンの経時的な性能を考慮した場合には好ま
しいものとはいえない。この目安としては、50℃雰囲
気中で直径40mm程度のシャーレに約10gの単独また
は混合系の基油をとり、開放系で放置した時の揮発減量
が2ケ月間で約1重量%以下のものが好ましい。また、
酸化などで粘度が増加するものは好ましくない。
【0012】本発明に係わるインキ追従体に用いる疎水
性増粘剤としては、疎水性微粒子シリカを用いることが
好ましい、中でもBET法による比表面積が約150m
2/g以上の値をもつ微粒子シリカが理想的な物性を与
える。150m2/g未満の値を持つ微粒子シリカを用
いた場合には、インキの漏出防止効果又はインキへの追
従性のどちらかが損なわれてしまう。表面が親水性基で
覆われている一般的なシリカを用いると、インキ追従体
から水性インキ中にシリカが移行してしまうことがあ
り、表面をメチル基に置換するなどの疎水化処理を施し
た疎水性微粒子シリカを用いることが重要である。ま
た、必要に応じて粘土増粘剤や金属石ケンを上記のシリ
カと併用してもよいが、疎水性のものを選択する必要が
ある。疎水性微粒子シリカの使用量はインキ追従体の全
重量に対して3重量%こえて10重量%以下であり、好
ましくは4〜10重量%である。3重量%以下であると
剪断速度100sec-1以上で5Pa・sec以下の粘度を得る
ことができない。比表面積の大きいシリカを用いれば使
用量は少なくてよい。比表面積が150〜300m2
gでは使用量は4〜10重量%が適当であるが、比表面
積が約300m2/g以上になれば4重量%以下で使用
可能となる。また、多量に用いるとインキに対する追従
性が悪くなるため筆記時に筆記面に対するインキ量が不
足してかすれたり、連続筆記時に時々書けなくなってま
た書けるような線切れ現象が発生する。疎水性微粒子シ
リカは基油に充分分散することが必要である。微粒子シ
リカの分散状態が悪い場合には、経時保存によって離油
が起こり、インキ追従体としての性能が損なわれる。
【0013】本発明のインキ追従体は、温度25℃にお
ける粘度が1sec-1以下の剪断速度では50Pa・sec以上
の粘度値を示し、かつ200sec-1以上の剪断速度では
5Pa・sec以下の粘度値を示す擬塑性粘性が必要であ
る。この擬塑性粘性は前述の微粒子シリカによって付与
される。その微粒子シリカは比表面積の大きさによって
与える擬塑性粘性が異なる。比表面積が約300m2
g(BET法)の疎水性シリカが現在市販されている中
で最も大きい比表面積のものであり、強い擬塑性粘性が
得られる。この疎水性シリカを用いても、25℃におけ
る粘度が約2Pa・sec以下の基油を1sec-1の剪断速度で
50Pa・sec以上の粘度とならない。このような粘度の
増加は、基油中のシリカの分散状態を悪くする、若しく
は基油の粘度を高くすることで不可能ではないが、シリ
カの分散状態を悪くすると経時的に不安定なインキ追従
体となってしまう。また基油の粘度を2Pa・sec以上に
し、かつ強い擬塑性を付与するとインキへの追従性が損
なわれ、擬塑性を弱くするとインキの漏出防止効果が損
なわれてしまう。
【0014】本発明のインキ追従体で重要なのは擬塑性
粘性であるので、今後比表面積の大きなシリカが開発さ
れ、4%以下の配合でも同じ様な擬塑性粘性が得られる
ならば、本発明の主旨と同じように使用できる。微粒子
シリカ以外に粘土増粘剤や金属石ケンを併用する場合も
同様である。たゞし粘土増粘剤や金属石ケンは沢山の品
種があり、一概に何%が適当とは言い表せないが、2Pa
・sec以下の基油を1sec-1の剪断速度で50Pa・sec以
上となる様に添加する必要があると考えれば良い。
【0015】本発明のインキ追従体に用いる基油の性質
としては、水に不溶もしくは難溶であることが当然要求
されるが、本発明の特徴たる逆流による後端からのイン
キ漏出防止効果を得るために基油に求められる最も重要
な要素はその粘度値である。基油となるべき溶剤は、ほ
ぼニュートニアン粘性(剪断速度にかかわらず粘度が一
定)を示すため、測定は1〜400sec-1の範囲であれ
ばどの剪断速度下で測定してもよいが、25℃における
粘度が約2Pa・sec以下、好ましくは1Pa・sec以下のも
のを用いる。
【0016】本発明のインキ追従体は、基油に界面活性
剤を添加することにより、さらにすぐれた効果が得られ
る。該インキ追従体中0.01〜3%の界面活性剤によ
って表面張力が下がり、インキ追従体とインキ収容管内
壁面の界面近くの僅かの部分で流動性が得られやすくな
る。経時的にインキ中に溶出して行かないようにHLB
値4以下でインキに難溶性のものから選ばれる。その中
でも基油の表面張力を著しく下げる効果を持つシリコン
系界面活性剤やフッ素系界面活性剤が特に良好である。
【0017】本発明の水性ボールペン用インキ追従体の
製法は、たとえば疎水性シリカなどの無機増粘剤を用い
る場合、基油、界面活性剤などのすべてのインキ追従体
成分を室温で予備混練し、三本ロールミル、ニーダーな
どの分散器に混練するという極めて単純な方法でよい。
増粘剤に金属石ケンを用いる場合は200℃以上の高温
に熱して混練しなければならず、界面活性剤はその耐熱
性に応じて冷却後に添加しなければならない。
【0018】本発明の水性インキボールペンは、前記の
本発明のインキ追従体を具備することが特徴であり
(a)インキ、(b)インキ収容管および(c)インキ
追従体が含まれて構成される。たとえば図4に示される
ものであるが、本発明の水性ボールペンについて詳細に
説明する。
【0019】(a)インキは少なくとも着色剤、水溶性
有機溶剤および水からなり、25℃において剪断速度4
0sec-1下、20〜2000mPa・secの粘度を有する。
【0020】その着色剤は、染料としてはC.I.ACID YEL
LOW 1, C.I.ACID RED 27, C.I.ACIDORANGE 10, C.I.ACI
D GREEN 16, C.I.ACID BLUE 9, C.I.ACID VIOLET 49, F
OODRED 1, FOOD YELLOW 3, FOOD GREEN 3, FOOD BROWN
3, C.I.ACID BLACK 2, C.I.ACID BLUE 90などの酸性染
料、C.I.BASIC YELLOW 2, C.I.BASIC RED 1, C.I.BASIC
RED 18, C.I.BASIC VIOLET 1, C.I.BASIC BLUE 1, C.
I.BASIC GREEN 1, C.I.BASIC BLACK 2などの塩基性染
料、C.I.DIRECT YELLOW 1, C.I.DIRECT ORANGE 29, C.
I.DIRECT RED 1, C.I.DIRECT RED 81, C.I.DIRECT BLUE
1, C.I.DIRECT BLUE 168, C.I.DIRECT GREEN 1, C.I.
DIRECT BROWN 2, C.I.DIRECT BLACK 22, C.I.DIRECT BL
ACK 154などの直接染料、をあげることができる。無機
顔料としては、カーボンブラック、チタンホワイト、チ
タンブラック、亜鉛華、べんがら、酸化クロム、鉄黒、
コバルトブルー、アルミナホワイト、酸化鉄黄、ビリジ
アン、硫化亜鉛、リトポン、カドミウムエロー、朱、ガ
ドミウムレッド、黄鉛、モリブデードオレンジ、ジンク
クロメート、ストロンチウムクロメート、ホワイトカー
ボン、クレー、タルク、群青、沈降性硫酸バリウム、バ
ライト粉、炭酸カルシウム、鉛白、紺青、マンガンバイ
オレット、アルミニウム粉、真鍮粉などをあげることが
できる。有機顔料としては、C.I.PIGMENT YELLOW 34,
C.I.PIGMENT RED 104, C.I.PIGMENT BLUE 27, C.I.PIGM
ENT VIOLET 1, C.I.PIGMENT YELLOW 3, C.I.PIGMENT OR
ANGE 16, C.I.PIGMENT VIOLET 23などがあげられる。こ
れらの着色剤は1種または2種以上の組合せで用いられ
る。
【0021】インキ中の水成分は、これらの着色剤を安
定に溶解又は分散させるために、全インキ重量比で20
%以上、好ましくは40%以上含有することが必要であ
る。
【0022】また、水溶性有機溶剤としては、エチレン
グリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコ
ール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコ
ール、チオジグリコール、グリセリン、ジグリセリン、
2−ピロリドン、n−メチル−2−ピロリドン、ジメチ
ルフォルムアミド、ジメチルイミダゾリジノンなどの保
湿性を有する水溶性の有機溶剤を1種または2種以上用
いることが好ましい。
【0023】本発明のボールペンに用いられるインキに
は、必要に応じて添加剤を加えることができる。たとえ
ば、pH調整剤として、アンモニア、尿素、モノエタノ
ールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミ
ン、トリポリリン酸ナトリウム、炭酸ナトリウムなど炭
酸やリン酸のアルカリ金属塩、水酸化ナトリウムなどア
ルカリ金属の水酸化物、防腐剤もしくは防黴剤として、
フェノール、ナトリウムオマジン、ペンタクロロフェノ
ールナトリウム、1,2−ベンズイソチアゾリン3−オ
ン、2,3,5,6−テトラクロロ−4(メチルスルフ
ォニル)ピリジン、安息香酸ナトリウムなど、安息香酸
やソルビン酸やデヒドロ酢酸のアルカリ金属塩、ベンズ
イミダゾール系化合物など、防錆剤としてベンゾトリア
ゾール、ジシクロヘキシルアンモニウムナイトライト、
ジイソプロピルアンモニウムナイトライト、トリルトリ
アゾールなどがあげられる。また界面活性剤としてポリ
オキシエチレンラウリルエーテルなどポリオキシエチレ
ン、ポリオキシプロピレンもしくはポリオキシエチレン
ポリオキシプロピレンの誘導体、テトラグリセリルジス
テアレートなどグリセリン、ジグリセリンもしくはポリ
グリセリンの誘導体、ソルビタンモノオレートなど糖類
の誘導体、パーフルオロアルキルリン酸エステルなどフ
ッ素化アルキル基を有する界面活性剤、ジメチルポリシ
ロキサンのポリエチレングリコール付加物などのポリエ
ーテル変性シリコーンなどの潤滑および湿潤剤などが示
される。分散剤としては、高級脂肪酸アミドのアルキル
化スルフォン酸塩、アルキルアリルスルフォン酸塩など
のアニオン系界面活性剤や、ポリビニルピロリドン、ポ
リアクリル酸、アクリル酸共重合体、アクリルメタクリ
ル酸系樹脂、スチレンアクリル系樹脂、マレイン酸樹
脂、スチレンマレイン酸系樹脂などの水溶性高分子があ
げられる。また、着色剤に無機もしくは有機顔料を用い
た場合には、先に潤滑および湿潤剤として例示した界面
活性剤も分散安定剤として機能する。
【0024】本発明ボールペンに使用するインキの粘度
は、25℃において40sec-1の剪断速度下で20〜2
000mPa・secになるように調製されることが好まし
い。20mPa・sec未満の場合は、ペン先からインキが漏
れだし易く、描線上に余剰のインキが付着してしまうな
ど安定した描線が得られない。また2000mPa・secを
こえると定規で直線を筆記するような高速筆記でかす
れ、線切れの現象が起こり好ましくない。このインキの
粘度調節剤としては、ポリアクリル酸又はポリメタクリ
ル酸のアルカリ塩や、アクリル酸又はメタクリル酸含有
共重合体のアルカリ塩、スチレンとマレイン酸の共重合
体のアルカリ塩、酢酸ビニルとクロトン酸の共重合体の
アルカリ塩、変性ポリビニルアルコールを含有するポリ
ビニルアルコール、メチルビニルエーテルとマレイン酸
の共重合体、酸化ポリアルキレンの誘導体、メチルセル
ロース、ヒドロキシエチルセルロース、カルボキシメチ
ルセルロースのナトリウム塩、アラビアゴム、セラック
のアルカリ塩、酸化ポリエチレン、アルギン酸ナトリウ
ム、トラガントガム、グァーガム、カラヤガムなどがあ
げられる。これらの増粘剤は通常0.01〜15重量%
用いて粘度調整される。
【0025】本発明の水性ボールペンインキ製造法は、
他の水性ボールペンインキの製造法と比べて特に注意す
るべきことはなく、撹拌温度、濾過方法など水性ボール
ペンインキとして常識的な範囲であれば何等問題ない。
染料を着色剤として用いる場合は、室温下で水と保湿性
を有する水溶性の有機溶剤を撹拌し、粘度調節用の増粘
剤を加えて均一になるまで溶解させる。つぎに染料と必
要に応じた添加剤を加える。この際pH調整剤は染料よ
り先に入れる方が好ましい場合もあるが、どのような配
合順序でも出来上がったインキ性能には影響を与えな
い。
【0026】本発明に係るインキの製造において、配合
剤と均一に溶解または分散した後、濾過することが望ま
しい。これは図4のような簡単な構造の水性ボールペン
用を前提としているために、未溶解物やゴミの混入によ
るペン先のボール周辺部分で目詰まりをさけるためであ
る。濾過は通常の濾紙を用い工業生産的には加圧濾過が
最も効率がよいと思われるが、常圧でも減圧濾過でもイ
ンキ性能に影響はない。濾過に際してはセライトなどの
濾過助剤を用いると更に効率よく濾過できる。着色剤に
顔料を用いる場合や、染料と顔料を併用する場合は調製
手順に若干の制約を受ける。これは顔料を分散する際に
かかる剪断力によって添加する増粘剤の分子が寸断され
てしまいインキに適度な粘度が与えられない場合がある
からである。これを避けるために例えば次のような方法
でインキが調製される。水と水溶性有機溶剤に分散剤と
顔料、必要に応じて増粘剤以外の添加物の一部又は全部
を加える。この際に水と水溶性有機溶剤は最終的な希望
配合量の全量を用いず、三本ロールミル、ビーズミル、
ニーダーなど、使用する分散器で最も効率良く顔料分散
できる粘度になるような配合量とする。分散器で均一に
分散した後に、遠心分離や濾過によって顔料の粗大粒子
及び未溶解物及び混入固形物を取り除いた後、残りの水
及び添加剤を加え増粘剤を添加し、均一になるまで撹拌
してインキを得る。最後にもう一度濾過して粗大な固形
物を取り除く方が好ましい。
【0027】(b)インキ収容管は、ペン先との間に特
別の流量調節機構をもたない内径2〜10mmのものであ
る。内径2mm未満のものはインキ充填量が少ないため
筆記距離が短く実用的でない、内径10mmを超えるも
のはインキ追従体のインキに対する追従性と漏れ止め性
が両立させにくいので好ましくない。インキ収容管の材
質としては、インキ残量の解り易いように透明又は半透
明のポリエチレン、ポリプロピレン、塩化ビニルなどの
樹脂製が好ましいが、必要に応じて、ガラスや金属など
で製作されたものであってもよい。形状は、単純な円筒
形もしくはそれに準じた形でよい。
【0028】(c)インキ追従体は、前述の本発明のイ
ンキ追従体を用いる。
【0029】本発明のボールペンのインキが逆流した場
合には図2(b)のようにインキ収容管尾端から押しだ
されたインキ追従体が柱状を保ち、インキの漏出を防
ぐ。これに対して従来技術のインキ追従体(逆流防止
体)は図2(c)のように柱状を保つことができずにイ
ンキを漏出させてしまう。この現象の違いは、降伏値な
どの粘弾性的な物性の違いから生じていると考えられ
る。
【0030】本発明のインキ追従体の物性的特徴を、実
施例、比較例から得られ図1および図3にもとづいて説
明する。図1は、実施例1〜3、比較例1で得られたイ
ンキ追従体のtanδと歪率の関係を測定した結果(表
2および表3)にもとづいて作成されたものである。こ
ゝで、tanδ=損失弾性率/貯蔵弾性率を意味する値
であり、この値が大きいことは、流動性が高いこと(あ
るいは粘性体)であり、小さいことは固体状(あるいは
弾性体)に近いことである。また、歪率が大きいことは
インキ収容管の内壁に近い部分(図3のロ:流動部分)
の状態のことであり、歪率が小さいことはインキ収容管
の中心部分(図3ハ:栓流部分)の状態のこととみられ
る。以上のことから、図1はつぎのようなことを表す。
実施例1−3で得られた本発明のインキ追従体は、ta
nδの強い歪依存性を示す。これはインキ収容管の内壁
部分(図3のロ)では流動するが、中心部分は栓流(図
3のハ)となり、固体状に近いインキ追従体となること
を示す。これに対して比較例1で得られる従来技術のイ
ンキ追従体はインキ収容管の内壁部分も中心部分も同じ
ような状態でかつ、流動性が高いことを示す。すなわ
ち、本発明のインキ追従体の物理的特徴はtanδ値の
歪依存性が強いことである。
【0031】従来技術のインキ追従体においても疎水性
シリカを用いている。しかしこれら従来のインキ追従体
は、BET法による比表面積が110m2/gの疎水性
シリカを用いて擬塑性が付与されているため適度な降伏
値が得られず、栓流半径が小さいためインキ収容管から
逆流するインキ追従体の半径が実質的に細くなり、結果
としてインキの重量に耐えきれないためインキ漏出現象
が発生するであろうと判断される。即ち本発明に用いら
れるインキ追従体の物性的特徴は、tanδ値の歪依存
性が強いということの他に、インキ収容管内径にきわめ
て近い栓流を得られる様な降伏値をもつためと考えられ
る。
【0032】本発明のインキ追従体は、従来の粘弾性流
体のインキ追従体と比較して低剪断速度下では非常に高
粘度であり、固体のインキ追従体と同等のインキ漏出防
止効果を得るとともに、かつ、インキ追従体の基油とな
るべき材料に低粘度の液状物を選択することにより、高
剪断速度下では粘度が低くなるため、インキ収容管内で
の流動性(摺動性)が良い。このインキ追従体を用いる
ことによって、インキ収容管内に直接インキを収容せし
めるボールペンにおけるインキの逆流による漏出を防止
することができる。
【0033】本発明に用いるインキ追従体の作用をイン
キ収容管内を流動するインキ追従体の断面図(図3)に
よって説明する。インキ追従体が強い構造粘性をもつこ
とによって、栓流の半径(rp)が大きくなり、あたか
もインキ追従体は固体状のようにインキ収容管内を摺動
する。この栓流半径rpは一般的につぎのように表すこ
とができる。
【数1】 (こゝでpは筆記によるインキ消費にともなう負圧、f
は静置状態で流動性を示さないインキ追従体が変形し始
めるための最低限必要な力(いわゆる降伏値)で栓流半
径から逆算して求める、Lはインキ追従体の長さを示
す)すなわち、rpがインキ収容管の内径rと等しい時
は、インキ、およびインキ追従体が静止していることで
ある。
【0034】すなわち、従来技術のインキ追従体はすべ
て半流動状のゲルであり、筆記により、インキ収容管内
のインキが減少するにともないインキ後端から前進しよ
うとする負圧がインキ追従体に伝わり、インキ追従体全
体にたわみが伝わって流動していく。これに対して、本
発明のインキ追従体は、比表面積の大きい疎水性微粒子
シリカを用いるために強い擬塑性を生じ、従来のゲル状
物より強い構造粘性を有する。しかし、低粘度の非水溶
性有機溶媒を基油に用いるため、また、界面活性剤を加
えることにより、インキ収容管内壁との漏れ性が良好と
なり単純に強い構造粘性とならないためインキ追従性が
損なわれないと考えられる。
【0035】これは従来技術のインキ追従体がインキ収
容管内を流動してインキに追従していくのに対して、本
発明のインキ追従体は、適度な降伏値を持つ粘弾性体が
管中に流動する時に起こる栓流を積極的に利用し、イン
キ追従体とインキ収容管内壁面の界面近くの僅かの部分
のみに流動性と潤滑性を有し、インキ収容管中心部付近
のインキ追従体にはまったく流動性がないというもので
あり、従来のゲル状インキ追従体の技術思想とは根本的
に異なる。本発明のインキ追従体は、固形のインキ追従
体と潤滑剤の特徴を併せ持つインキ追従体である。
【0036】
【実施例】実施例、比較例によって本発明を更に説明す
る。実施例、比較例における測定および試験法などはつ
ぎのとおりである。 粘度:東機産業製EHD形粘度計3°コーン/プレート
にて、25℃において測定した。5Pa・secでスケール
オーバーのため、それ以上の値のものは(>5)で示し
た。
【0037】tanδと歪率との関係(歪依存性):
(株)レオロジ製MR−500を用い、φ40mmパラレ
ルプレート、ギャップ幅0.32mmで行ない、周波数は
0.1Hz(0.63rad/sec)で与える歪角を徐々に大
きくすることにより試料に与える歪率を変えてその時の
tanδを測定した。 tanδと角速度(剪断速度)の関係:上記の装置およ
び設定で、歪角1°に固定して歪率を一定とし、与える
周波数をかえてtanδ値を測定した。なお、周波数=
F、角速度=ω=2πF、プレート半径=R、ギャップ
幅=H、剪断速度=γの関係は一般につぎのように表さ
れる。
【数2】
【0038】水性ボールペン:図4に示す構造のものを
用いた。内径3.8mmで半透明のポリプロピレンチュー
ブをインキ収容管7とし、所定のインキ8とインキ追従
体9を充填し、通常の繊維束のインキ吸蔵体を有する水
性ボールペンと同じボールペンチップを装着した。ボー
ルペンチップホルダー3の材質は洋白、ボール4は直径
0.5mmのタングステンカーバイトを用いた。
【0039】耐衝撃性:インキ収容管7の後端のインキ
追従体9が下になるようにボールペンを1mの高さから
コンクリート上に落下させ、10本の試験のうちインキ
がボールペンの後端から漏出した本数を調べた。 インキ漏出防止性:上向きで筆記して、描線が途切れた
あと、該ボールペンを試験管立てにキャップを外した状
態のまま上向きで約10時間放置後に、インキがボール
ペンの後端から漏出したものが試験本数10本のうち何
本かを調べた。 保存性:50℃・湿度30%雰囲気中に水性ボールペン
と同様のものを2カ月間保存してペンの重量変化を調べ
た。
【0040】実施例、比較例に用いた水性ボールペン用
インキをつぎに示すように調製した。 インキA: 染料;“ウォーターブラック R455” 7 重量部 (オリエント化学工業(株)商品名) 染料;“ウォーターイエロー 6C” 1 〃 (オリエント化学工業(株)商品名) プロピレングリコール 30 〃 キサンタンガム 0.3 〃 オレイン酸カリウム 0.5 〃 ナトリウムオマジン 0.1 〃 ベンズトリアゾール 0.1 〃 水 61 〃 以上の配合物を撹拌後濾過し、40sec-1の時の粘度が
100mPa・sec水性ボールペン用インキを得た。
【0041】 インキB: カーボンブラック;“プリンテックス 25” 7 重量部 (デグサ社商品名) ポリビニルピロリドン;“PVP K−30”(GAF社製) 3.5 〃 グリセリン 10 〃 リシノール酸カリウム 0.5 〃 トリエタノールアミン 1 〃 1,2−ベンズイソチアゾリン3−オン 0.2 〃 ベンズトリアゾール 0.2 〃 水 27.2 〃 以上をビーズミルで混練した後、カーボンブラックの粗大粒子を取り除き プロピレングリコール 20 重量部 架橋型ポリアクリル酸;“カーボポール 940” 0.4 〃 (B.F.グッドリッチ社商品名) 水 30 〃 を加えて、40sec-1の時の粘度が500mPa・sec水性
ボールペン用インキを得た。
【0042】 インキC: 染料;“ウォーターブラック 187” 7 重量部 (オリエント化学工業(株)商品名) エチレングリコール 20 〃 ポリビニルピロリドン;“PVP K−30”(GAF社製)10 〃 オレイン酸カリウム 0.5 〃 1,2−ベンズイソチアゾリン3−オン 0.2 〃 ベンズトリアゾール 0.2 〃 水 62.1 〃 以上の配合物を撹拌後濾過し、40sec-1の時の粘度が
90mPa・sec水性ボールペン用インキを得た。
【0043】実施例1 ポリブテン;“35R”(出光興産(株)商品名; 47.4重量部 MW=720) 鉱油;“ダイアナプロセスオイル MC−S32” 47.5 〃 (出光興産(株)商品名) 疎水性シリカ;“アエロジル R−976D” 5 〃 (日本アエロジル(株)商品名;BET表面積300m2/g) フッ素系界面活性剤;“エフトップ EF−801” 0.1 〃 (三菱マテリアル(株)商品名) 以上の配合物を三本ロールミルで混練し、インキ追従体
を得た。得られたインキ追従体の粘度を表1に示す。ま
た、歪依存性を測定し結果を表2、および図1に示す。
さらに、このインキ追従体を用いた水性ボールペンを作
製した。(実施例4〜6)
【0044】実施例2 ポリブテン;“ニッサンポリブテン 015N” 94重量部 (日本油脂(株)商品名;MW=580) 疎水性シリカ;“アエロジル R−974D” 5 〃 (日本アエロジル(株)商品名;BET表面積200m2/g) シリコーン系界面活性剤;“SILWET FZ−2110” 1 〃 (日本ユニカー(株)商品名) 以上の配合物を三本ロールミルで混練し、インキ追従体
を得た。粘度を表1、歪依存性を表2、図1に示す。こ
のインキ追従体を用いた水性ボールペンを作製した。
(実施例7〜9)
【0045】実施例3 鉱油;“ダイアナプロセスオイル MC−W90” 91重量部 (出光興産(株)商品名) 疎水性シリカ;“アエロジル R−974D”(実施例2と同じ) 8 〃 シリコーン系界面活性剤;“SILWET FZ−2171” 1 〃 (日本ユニカー(株)商品名) 以上の配合物を実施例1と同様の方法により、インキ追
従体を得た。粘度を表1、歪依存性を表2、図1に示
す。また、このインキ追従体を用いた水性ボールペンを
作製した。(実施例10〜12)
【0046】比較例1 ポリブテン“200N”(日本油脂(株)商品名;MW=2650) 43.3重量部 ポリブテン“30N”(日本油脂(株)商品名;MW=1350) 5.7 〃 鉱油;“ケイドール”(ウィトコケミカル社商品名) 49 〃 ジメチルジオクタデシルアンモニウムベントナイト; 2 〃 “Benton 34”(ウィルバーエリス(株)商品名) 以上の配合物を実施例1と同様の方法によって調製し
た。粘度を表1、歪依存性を表3、図2に示す。このイ
ンキ追従体を用いた水性ボールペンを作製した。(比較
例5〜7)
【0047】比較例2 ポリブテン;“ニッサンポリブテン 3N” 96重量部 (日本油脂(株)商品名;MW=720) 疎水性シリカ;“アエロジル R−974D”(実施例2と同じ) 3 〃 界面活性剤;“SILWET FZ−2110”(実施例2と同じ)1 〃 以上の配合物を実施例1と同様の方法によって調製し
た。粘度を表1に示す。このインキの追従体を用いた水
性ボールペンを作製した。(比較例8〜10)
【0048】 比較例3 ポリブテン;“ポリテン HV−15” 94.6重量部 (日本石油化学(株)商品名;MW=630) シリカ;“アエロジル R−972” 5 〃 (日本アエロジル(株)商品名;BET表面積110m2/g) ポリオキシエチレンソルビタンモノラウレート; 0.4 〃 “レオドール TW−L120”(花王(株)商品名) 以上の配合物を実施例1と同様の方法によって調製した。 粘度を表1に示す。このインキ追従体を用いた水性ボー
ルペンを作製した。(比較例11〜13)
【0049】比較例4 鉱油;“ダイアナプロセスオイル MC−W90” 93重量部 (実施例3と同じ) シリカ;“アエロジル R−972”(比較例3と同じ) 6 〃 界面活性剤;“SILWET FZ−2171”(実施例3と同じ)1 〃 以上の配合物を実施例1と同様の方法によって調製し
た。粘度を表1に示す。このインキ追従体を用いた水性
ボールペンを作製した。(比較例14〜16)
【0050】
【表1】
【0051】
【表2】
【0052】
【表3】 表2と表3の結果を図1に示す。(段落番号[003
0]参照)
【0053】歪角1°における実施例(1)〜(3)の
周波とtanδの関係を表4に示す。tanδは低周波
域においては、ほぼ一定かむしろ減少する傾向にあり、
これは5〜30000secにおいて増加するtanδ
値をもつ米国特許4,671,691に示されるインキ
追従体と異なることを示す。
【表4】
【0054】実施例4〜6 内径3.8mmで半透明のポリプロピレンチューブをイン
キ収容管とし、インキA、インキB、インキCをそれぞ
れ充填し、さらに実施例1で得られインキ追従体を充填
した後ボールペンチップを装着し、図4に示す水性ボー
ルペンインキを製作した。耐衝撃性試験、インキ漏出試
験、保存性試験を行った。結果を表5に示す。
【0055】実施例7〜9 実施例2で得られたインキ追従体を用いる以外は、すべ
て実施例4と同様に行った。
【0056】実施例10〜12 実施例3で得られたインキ追従体を用いる以外は、すべ
て実施例4と同様に行った。
【0057】比較例5〜7 比較例1で得られたインキ追従体を用いる以外は、すべ
て実施例4と同様に行った。
【0058】比較例8〜16 インキ追従体を表4に示すものを用いる以外は、すべて
実施例4と同様に行った。
【0059】
【表5】
【0060】
【発明の効果】本発明のインキ追従体は、従来のインキ
逆流防止体と異なり、インキ収容管の内壁近くでは流動
性を示し、中央部分は固体状に近い性質を示すため、イ
ンキが逆流した場合には柱状を保ち、インキの漏出を防
ぐ。また、このインキ追従体を具備する水性ボールペン
はペン先がインキ収容管内のインキより上なる状態の筆
記時いわゆる上向き筆記時にもインキが逆流してインキ
収容管からインキが漏出することがない。
【図面の簡単な説明】
【図1】インキ追従体のtanδと歪率の関係を示す
図。
【図2】水性ボールペンの後端部を示す図であり、
(a)は定常状態、(b)本発明のインキ追従体の状態
が逆流した場合、(c)従来のインキ追従体状態を示
す。
【図3】インキ収容管内を摺動する本発明のインキ追従
体の断面図を示す。
【図4】本発明の水性ボールペンの一例を示す断面図で
ある。
【符号の説明】
イ 初期のインキとインキ追従体との界面 ロ 流動部分 ハ 栓流部分 ニ 筆記中(インキ流動中)のインキとインキ追従体と
の界面 1 キャップ 2 ペン先シール用ゴム 3 ペン先部 4 ボール 5 ペン先部とインキ収容管の継ぎ手 6 ボールペン軸部 7 インキ収容管 8 インキ 9 インキ追従体 10 尾栓

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 温度25℃剪断速度1〜400sec-1
    おいて2Pa・sec以下の粘度を有する非水溶性有機溶剤
    からなる基油および疎水性増粘剤を含み、温度25℃の
    粘度が剪断速度1sec-1以下で50Pa・sec以上かつ剪断
    速度100sec-1以上で5Pa・sec以下を示すことを特徴
    とする水性ボールペン用インキ追従体。
  2. 【請求項2】 疎水性増粘剤がBET法による比表面積
    約150m2/g以上の疎水性微粒子シリカであり、該
    シリカが10重量%以下含有する請求項1記載のインキ
    追従体。
  3. 【請求項3】 HLB4以下で水性インキに難溶な非イ
    オン型界面活性剤0.01〜3重量%含有する請求項1
    もしくは2記載のインキ追従体。
  4. 【請求項4】 請求項1ないし3記載のインキ追従体を
    具備する水性ボールペン。
  5. 【請求項5】 つぎの(a)、(b)および(c)を具
    備する水性ボールペン。 (a)着色剤、水溶性有機溶剤および水を含み、温度2
    5℃剪断速度40sec-1において20〜2000mPa・se
    cの粘度を有するインキ、 (b)ペン先との間に特別の流量調節機構を具備しない
    内径2〜10mmのインキ収容管、 (c)温度25℃剪断速度1〜400sec-1において2P
    a・sec以下の粘度を有する非水溶性有機溶媒および疎水
    性増粘剤を含み、温度25℃における粘度が剪断速度1
    sec-1以下で50Pa・sec以上かつ剪断速度100sec-1
    以上で5Pa・sec以下の値を示す水性ボールペン用イン
    キ追従体。
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