JP2021109916A - 水性ボールペン用インキ組成物、水性ボールペンレフィル及び水性ボールペン - Google Patents

水性ボールペン用インキ組成物、水性ボールペンレフィル及び水性ボールペン Download PDF

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Abstract

【課題】炭化ケイ素系ボールとボール受座との動摩擦係数が小さく書き味が滑らかであり、書き味の優れた水性ボールペンを形成し得る、炭化ケイ素系ボールを有するボールペン用水性インキ組成物の提供。【解決手段】下記式(I)で表され、HLB6以上、かつ、酸価120以上であるリン酸エステル系界面活性剤を含有する、炭化ケイ素系ボールを有するボールペン用の水性インキ組成物。(式中、nは0〜20の整数、R1は炭素数1以上のアルキル基、炭素数6以上のアリール基又は炭素数4以上の不飽和炭化水素基、R2はM又はー(CH2CH2O)nーR3、R3は炭素数1以上のアルキル基、炭素数6以上のアリール基又は炭素数4以上の不飽和炭化水素基、Mは水素、アルカリ金属、アンモニウム基、有機アンモニウム基又は有機アミン基、Mが2つある場合は各々異なってよい。)【選択図】なし

Description

本発明は、(1)炭化ケイ素系ボールを有するボールペン用の水性インキ組成物、(2)インキ収容筒の先端部に、炭化ケイ素系ボールを回転自在に抱持したボールペンチップが直接又は接続部材を介して装着されており、前記インキ収容筒内に前記炭化ケイ素系ボールを有するボールペン用の水性インキ組成物が充填されてなる、水性ボールペンレフィル、及び、(3)前記水性ボールペンレフィルを軸筒内に配設した水性ボールペンに関する。
水性ボールペンに用いるボールとして、アルミナ、ジルコニア、超硬合金等がこれまで検討され使用されてきた。しかし、これらのボールは、水性インキ組成物による腐食の問題や、インキ保持能力等の問題があり、筆記特性や耐摩耗性等の点で満足のいくものではなかった。
このため、水性ボールペンに用いるボールとして、炭化ケイ素を用いることが検討されている。炭化ケイ素は、耐腐食性に優れ、水性インキの保持能力等に優れたものであるが、その書き味が滑らかでなく、改善が望まれていた。
特許文献1〜3には、炭化ケイ素をボールとした水性ボールペンに用いる水性インキ組成物が記載されている。しかしながら、これらの水性インキ組成物は、炭化ケイ素系ボールに専ら使用することを前提として設計されたものとはいえない。このため、炭化ケイ素をボールとした際には、書き味や滑らかさの点で満足がいくものではなかった。
特開2008−163091号公報 特開2001−121868号公報 特開2019−206630号公報
本発明者は、検討を進めた結果、炭化ケイ素をボールとした水性ボールペンにおいて、炭化ケイ素系ボールの表面に酸化被膜(シリカ膜)が形成され、その酸化被膜が水中でOHと結合してSiOHが形成されて水が吸着されると考えられること、これにより、炭化ケイ素表面に多層膜が形成され潤滑性が上がると推察されることを見出した。そして、特定の水性インキ組成物と炭化ケイ素系ボールとを組み合わせて用いることにより、炭化ケイ素系ボールとボール受座との動摩擦係数が小さくなり、書き味が滑らかであり、書き味の優れた水性ボールペンを形成し得ることを見出した。
本発明は、炭化ケイ素系ボールとボール受座との動摩擦係数が小さくなり、書き味が滑らかであり、書き味の優れた水性ボールペンを形成し得る、炭化ケイ素系ボールを有するボールペン用の水性インキ組成物を得ることを課題とする。
本発明者は、上記課題を解決すべく鋭意検討を行った結果、下記の水性インキ組成物、水性ボールペンレフィル、及び、水性ボールペンにより、上記課題が解決できることを見出し、本発明を完成するに至った。具体的には以下のとおりである。
[1]下記一般式(I)で表され、HLBが6以上、かつ、酸価120以上であるリン酸エステル系界面活性剤を含有する、炭化ケイ素系ボールを有するボールペン用の水性インキ組成物。
Figure 2021109916
(式中:nは0〜20の整数である。Rは炭素数1以上のアルキル基、炭素数6以上のアリール基又は炭素数4以上の不飽和炭化水素基のいずれかである。RはM又は-(CHCHO)-Rである。Rは炭素数1以上のアルキル基、炭素数6以上のアリール基又は炭素数4以上の不飽和炭化水素基のいずれかである。Mは水素原子、アルカリ金属原子、アンモニウム基、有機アンモニウム基又は有機アミン基のいずれかである。Mが2つある場合はそれぞれ異なっていてもよい。)
[2]インキ収容筒の先端部に、炭化ケイ素系ボールを回転自在に抱持したボールペンチップが直接又は接続部材を介して装着されており、前記インキ収容筒内には、[1]の炭化ケイ素系ボールを有するボールペン用の水性インキ組成物が充填されてなる、水性ボールペンレフィル。
[3][2]の水性ボールペンレフィルを軸筒内に配設した水性ボールペン。
本発明によれば、炭化ケイ素系ボールとボール受座との動摩擦係数が小さくなり、書き味が滑らかであり、書き味の優れた水性ボールペンを形成し得る、炭化ケイ素系ボールを有するボールペン用の水性インキ組成物を得ることができる。
[水性インキ組成物]
<リン酸エステル系界面活性剤>
本発明の水性インキ組成物は、
下記一般式(I)で表され、HLBが6以上、かつ、酸価120以上であるリン酸エステル系界面活性剤を含有する。
Figure 2021109916
(式中:nは0〜20の整数である。Rは炭素数1以上のアルキル基、炭素数6以上のアリール基又は炭素数4以上の不飽和炭化水素基のいずれかである。RはM又は-(CHCHO)-Rである。Rは炭素数1以上のアルキル基、炭素数6以上のアリール基又は炭素数4以上の不飽和炭化水素基のいずれかである。Mは水素原子、アルカリ金属原子、アンモニウム基、有機アンモニウム基又は有機アミン基のいずれかである。Mが2つある場合はそれぞれ異なっていてもよい。)
HLBは、川上法〔HLB=7+11.7log(MW/MO)、MW:親水部分の式量の総和、MO:親油部分の式量の総和〕により算出することができる。また、実験等により求めたものでもよい。
HLBの下限は、6.0以上、好ましくは8.0以上、より好ましくは9.0以上、最も好ましくは10.0以上である。HLBの上限は特に限定されないが、例えば17.0以下、好ましくは15.0以下、より好ましくは14.0以下である。
HLBが6.0未満であると、インキ組成物に対する溶解性が低いため、インキ組成物が不安定になる傾向がある。
酸価は、1gを中和するのに必要な水酸化カリウムの量(mg)であり、滴定等の公知の手段により求めることができる。
酸価の下限は、120mgKOH/g以上、好ましくは130mgKOH/g以上、より好ましくは150mgKOH/g以上である。酸価の上限は特に限定されない。
このようなリン酸エステル系界面活性剤としては、市販のものを用いることができる。例えば、第一工業製薬社製のプライサーフシリーズ(A210B、A208B)、東邦化学工業社製のフォスファノールシリーズ(ML−220、ML−240、ML−200等)等及びそれらの塩から選ばれる1種以上を用いることができる。
リン酸エステル系界面活性剤の含有量は特に限定されない。例えば、インキ組成物全量に対して、0.01〜10質量%、好ましくは0.05〜5質量%、より好ましくは0.1〜5質量%、さらに好ましくは0.1〜1質量%である。
リン酸エステル系界面活性剤の含有量が、0.01質量%未満であると、書き味が悪くなるおそれがある。10質量%を超えると、逆流止めと混ざりやすくなり、また、インキ組成物の経時安定性等の点で問題が生じるおそれがある。
リン酸エステル系界面活性剤の塩を含有する場合には、当該塩の割合が上記範囲内にあることが好ましく、あるいは当該塩とリン酸エステル系界面活性剤の両方を含有する場合には、それらを合わせた質量の割合が上記範囲内にあることが好ましい。
<着色剤>
本発明の水性インキ組成物は、美感を有し所望の色調の筆跡とするために、着色剤を含んでいてもよい。着色剤は、カスレ等がなく筆記性が良好であり、乾燥性、キャップオフ性がいずれも良好であり、インキ中の成分の沈降安定性が良好で保存安定性に優れる等の性質を備えるものであれば、特に制限なく用いることができる。
着色剤は、水性インキ組成物、特に、水性ボールペン用インキ組成物に用いられるものであれば特に限定されない。任意の色調を呈する無機顔料、有機顔料、着色樹脂球、染料等からなる群より選ばれる1種以上を用いることができる。
無機顔料としては、例えば、カーボンブラック、酸化チタン、酸化亜鉛、赤色酸化鉄、黄色酸化鉄、群青、紺青、アルミニウム粉やブロンズ粉等の金属粉、蛍光顔料、ガラスフレーク、パール顔料、光輝性顔料等からなる群より選ばれる1種以上を用いることができる。
有機顔料としては、例えば、フタロシアニン系、アゾ系、キナクリドン系、アンスラキノン系、ジオキサン系、インジゴ系、チオインジゴ系、ペリノン系、ペリレン系、インドリノン系、アゾメチン系等の公知の着色顔料、蛍光顔料からなる群より選ばれる1種以上を用いることができる。
着色樹脂球としては、球状、不定形、中空、扁平状等の樹脂球を、任意の色調を呈する無機顔料、有機顔料又は染料の1種以上で着色したものである。着色樹脂球を形成する樹脂材料としては、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、塩化ビニル、ポリメタクリレート、ベンゾグアナミン、メラミン樹脂、ナイロン等があげられる
染料としては、水溶性のものが好ましく、直接染料、酸性染料、食用染料、塩基性染料のいずれも使用できる。例えば、アントラキノン系、メチン系、カルボニウム系、金属錯塩系等の着色染料・蛍光染料からなる群より選ばれる1種以上を用いることができる。
本発明の水性インキ組成物が着色剤を含有する場合、所望の色調となるように適宜調整すればよい。例えばインキ組成物全量に対して0.01〜20質量%、好ましくは0.05〜15質量%、より好ましくは0.1〜10質量%、さらに好ましくは0.1〜8質量%含有することができる。着色剤の含有量が0.01質量%未満であると、十分な発色効果が得られない(色が薄い)ことがある。20質量%を超えると、固形分が増加してしまい、流動性、粘度、取扱性、沈降安定性、筆跡のカスレ、製造コスト等で悪影響が生じることがある。なお、着色剤の含有量は、これらの範囲に限定されず、使用する着色剤の種類に応じて、適宜選択してよい。本発明の水性インキ組成物が光輝剤を含有する場合、光輝剤の量は特に限定されないが、例えば、0.01〜20質量%であってよい。
<水>
本発明の水性インキ組成物は、構成成分を分散及び/又は溶解させるため、分散媒及び/又は溶剤として機能する水を含有することができる。水としては、例えば、水道水、精製水、蒸留水、イオン交換水、純水を使用することができる。好ましくは、イオン交換水および蒸留水等が使用される。
水の含有量は特に限定されず、インキ組成物中の各成分の含有量、インキ組成物の粘度等に応じて適宜調整することができる。例えば、水性インキ組成物が水を含有する場合には、例えば1〜90質量%であり、好ましくは10〜80質量%、より好ましくは20〜80質量%、さらに好ましくは50〜70質量%である。水の含有量が1質量%未満であると、筆記時のカスレ発生や保存性低下のおそれがある。90質量%を超えると、十分な発色効果が得られない(色が薄い)ことがある。
<その他の添加剤>
本発明の水性インキ組成物は、必要に応じて、その他の添加剤を含有していてもよい。その他の添加剤としては、特に、水性ボールペン用インキ組成物に用いられるものであれば特に限定されない。
代表的なものとして、粘度調整剤(増粘剤)、湿潤剤、分散剤があげられる。
また、防腐防黴剤(ベンゾイソチアゾリン系防腐防黴剤、ペンタクロロフェノール系防腐防黴剤、クレゾール系防腐防黴剤、プロピレングリコール系防腐防黴剤、ヨウ素系防腐防黴剤等の防腐防黴剤等)、防錆剤(ベンゾトリアゾール、トリルトリアゾール、ジシクロヘキシルアンモニウムナイトレート等)、pH調整剤(水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化リチウム等のアルカリ金属の水酸化物(水溶液)、トリエタノールアミン、ジエタノールアミン、モノエタノールアミン、ジメチルエタノールアミン、モルホリン、トリエチルアミン等のアミン化合物、アンモニア(水)等)から選ばれる1種以上を用いることができる。
その他、必要に応じて、分散剤、消泡剤、レベリング剤、凝集防止剤、紫外線吸収剤、赤外線吸収剤、酸化防止剤、非熱変色性顔料、非熱変色性染料、蛍光増白剤等を、適宜の量で用いることができる。
(粘度調整剤(増粘剤))
本発明の水性インキ組成物は、粘度の調整等のために粘度調整剤(増粘剤)を含んでいてもよい。粘度調整剤(増粘剤)としては、水性インキ組成物、特に、水性ボールペン用水性インキ組成物に用いられるものであれば特に限定されない。例えば、キサンタンガム、ウェランガム、サクシノグリカン(レオザン)、ダイユータンガム、グアーガム、ローカストビーンガム及びその誘導体等の多糖類及びその誘導体、セルロース系高分子、架橋性アクリル酸重合体、アルカリ増粘型アクリル系樹脂、ウレタン会合型増粘剤、N−ビニルアセトアミド系樹脂、無機質微粒子等からなる群より選ばれる1種以上を用いることができる。
水性インキ組成物が粘度調整剤(増粘剤)を含有する場合、その含有量は、水性インキ組成物が用途に応じた適当な粘度となるように適宜設定される。例えばインキ組成物全量に対して0〜20質量%、好ましくは0.1〜10質量%の範囲とすることができる。
(湿潤剤)
本発明の水性インキ組成物は、乾燥性等の調整のために湿潤剤を含んでいてもよい。湿潤剤としては、水性インキ組成物、特に、水性ボールペン用インキ組成物に用いられるものであれば特に限定されない。例えば、グリセリン、ジグリセリン、トリグリセリン、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、トリプロピレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール等のグリコール類、糖類、尿素類、これらの誘導体等からなる群より選ばれる1種以上を用いることができる。
水性インキ組成物が湿潤剤を含有する場合、インキ組成物の乾燥性等の特性が所望のものとなるように適宜設定される。例えばインキ組成物全量に対して0.1〜30質量%、好ましくは1〜20質量%の範囲とすることができる。
(分散剤)
本発明の水性インキ組成物は、含有する着色剤等の顔料の分散を安定化させることを目的として、分散剤を含んでいてもよい。分散剤は、分散後の顔料を安定化させることにより顔料の沈殿を防止する作用を有し、同時にインキ組成物の塗膜を形成するためのビヒクル・結着剤としても機能する。分散剤としては、インキ組成物、特に、水性ボールペン用インキ組成物に用いられるものであれば特に限定されず、市販のものを用いることができる。例えば、スチレン−(メタ)アクリル系樹脂(エマルジョン)、スチレン−マレイン酸系樹脂(エマルジョン)、スチレン−マレイン酸エステル系樹脂(エマルジョン)、(メタ)アクリル系樹脂(エマルジョン)、(メタ)アクリル酸エステル系樹脂(エマルジョン)、カルボキシメチルセルロースナトリウム等のセルロース系化合物等からなる群より選ばれる1種以上を用いることができる。
水性インキ組成物が分散剤を含有する場合、例えばインキ組成物全量に対して0.1〜30質量%、好ましくは1〜10質量%の範囲とすることができる。含有量が30質量%を超えると、分散剤が凝集剤として働き、顔料凝集を引き起こすおそれがある。含有量が0.1質量%未満であると、顔料分散が十分に行えず顔料凝集を引き起こすおそれがある。顔料凝集を引き起こすと、インキ中で顔料の沈降が発生し、レフィルからのインキ流出性が悪化するおそれもある。
<粘度>
本発明の水性インキ組成物の粘度は、適宜設定すればよく、例えば1〜100,000mPa・s、好ましくは100〜20,000mPa・s、より好ましくは1,000〜10,000mPa・s(E型回転粘度計(例えば、東機産業(株)製、TVE型粘度計、3゜R14コーン、0.5rpm))の範囲とすることができる。水性インキ組成物の粘度が1mPa・s未満であると、筆記具先端からのインキの流出性(筆記時に水性インキ組成物が過剰に流出し的確に筆跡を形成できない)、沈降安定性等の点で問題となるおそれがある。水性インキ組成物の粘度が100,000mPa・sを超えると、粘度が高くなりすぎ、筆記具先端からのインキの流出性(インキが流出しない)、インキの取扱性、沈降安定性、筆跡のカスレ、製造コスト等の点で問題となるおそれがある。
<pH値>
本発明の水性インキ組成物のpHは、特に限定されないが、6〜10であることが好ましい。pH値が6未満の酸性側に近づくと、インキ組成物の経時安定性が劣化することがあり、インキ組成物が接触する金属部材の腐食がおこりやすくなる。pH値が10を超えて強アルカリ側に近づくと、インキ組成物の褪色や変色が起きやすい傾向があり、良好な筆跡が得られなくなるおそれがある。
インキ組成物の経時安定性、発色性、筆記性等を特に考慮すると、pH値は7〜9であることが好ましい。pH値は、例えば、市販のpHメーターを用いて、20℃にて測定した値を用いることができる。
<炭化ケイ素系ボールを有するボールペン>
本発明の炭化ケイ素系ボールを有するボールペンは、水性インキ組成物が充填されるインキ収容筒の先端部に、直接又は接続部材を介して、炭化ケイ素系ボールを回転自在に抱持したボールペンチップが装着された水性ボールペンレフィルを有している。
なお、本発明に係る水性インキ組成物は、上記の炭化ケイ素系ボールを有するボールペン用の水性インキ組成物として用いられるものである。
[水性インキ組成物の製造方法]
本発明の水性インキ組成物の製造方法は、格別限定されるものではなく、公知の水性インキ組成物の作製方法いずれも用いることができる。
例えば、すべての成分を容器に投入し、ボールミル、ビーズミル、ロールミル、ヘンシェルミキサー、ホモミキサー、プロペラ撹拌機、ホモジナイザー、高圧ホモジナイザー、ニーダー、ディゾルバー等の装置により混合・撹拌して分散させることにより、インキを作製することができる。
例えば、水、着色剤、リン酸エステル系界面活性剤等のうちの一部の成分を容器に投入し、前記装置により混合・撹拌して分散させることにより分散液を製造した後に、その余の成分を投入し混合・撹拌して、インキを作製することができる。
水性ボールペン用インキ組成物の作製に際しては、濾過、遠心分離、脱泡等の操作を行い粗大粒子、気体、気泡を除いてもよい。水性インキ組成物の作製時に加熱、冷却、加圧、減圧、不活性ガス置換等の手段を採用することもできる。さらに、インキ作製後にエージング工程を行ってもよい。
[レフィル]
本発明の水性ボールペンレフィルは、水性ボールペン用インキ組成物が充填されるインキ収容筒と、インキ収容筒の先端部に直接又は接続部材を介して装着された、炭化ケイ素系ボールを回転自在に抱持したボールペンチップを備えている。
筆記時には水性ボールペン用インキ組成物が前記インキ収納管から流出し、前記炭化ケイ素系ボールの表面に付着し、炭化ケイ素系ボールの回転によって紙等の被筆記面に転写されることにより、筆記が行われる。
インキ収容筒を構成する材料としては、特に限定されるものではなく、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリエステル、ポリアミド、ポリウレタン、ポリ塩化ビニル等の樹脂や、ニッケルクロム合金鋼(SUS304系ステンレス鋼)、クロム合金鋼(SUS430系ステンレス鋼)、オーステナイト系ステンレス鋼、快削ステンレス鋼、真鍮、アルミニウム、洋白及びリン青銅合金等の金属があげられる。
好ましくは、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリエステル、ポリアミド、ニッケルクロム合金鋼(SUS304系ステンレス鋼)、クロム合金鋼(SUS430系ステンレス鋼)、オーステナイト系ステンレス鋼、真鍮、洋白があげられる。
本発明の水性ボールペンレフィルのボールペンチップにおいて用いられるボールの材質は、炭化ケイ素系の材料である。具体的には、炭化ケイ素(SiC)や、炭化ケイ素(SiC)と、窒化チタン(TiN)、ジルコニア(ZrO2)、アルミナ(Al)等の1種以上からなるセラミック等があげられる。
本発明においては、炭化ケイ素(SiC)からなるボールを用いることが好ましい。
ボールのボール直径としては通常0.1mmから2.0mm程度のものが使用され、目的等に併せて適宜調整することができる。
本発明の水性ボールペンレフィルのボールペンチップにおいて用いられるボール受座の材質は、炭化ケイ素系材料のボールよりも硬度の低いものが用いられる。具体的には洋白、真鍮、ステンレス等の金属材料の他、ポリオキシメチレン、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリアセタール、ナイロン、ポリフェニレンエーテル、ポリアクリレート等の樹脂材料を例示することができる。
本発明の水性ボールペンレフィルにおいて、インキ流出量は適宜調整することができる。これにより、筆跡のカスレを抑制でき良好な筆跡を得ることができる。
また、ボールペンチップ中のボールの縦軸方向の移動可能量(クリアランス)は、インキ流出量に応じて適宜調整することができ、例えば、20〜50μmとすることができる。
本発明の水性ボールペンレフィルは、水性インキ組成物をインキ収容筒に収容し、その後端に逆流止めの基油からなるインキ追従体を備えたものである。インキ追従体の粘度は、例えば、1000〜10000mPa・sである。
インキ追従体は、レフィルに収容することができ、インキ収容筒内に充填された水性インキ組成物と相溶性がなく、かつ、インキ組成物に対して比重が小さい物質であり、公知のものを特に制限なく使用できる。また、基油に増粘剤等を含有させたものであってもよい。
インキ追従体に用いる基油としては、水に不溶もしくは難溶の、例えば、ポリブテン、鉱油、シリコーンオイル等から選ばれる1種以上を用いることができる。
増粘剤としては、例えば、微粒子シリカ、リン酸エステルのカルシウム塩、熱可塑性エラストマー等から選ばれる1種以上を用いることができる。さらに、必要に応じて、例えば、増粘助剤(粘土増粘剤、金属石鹸など)、インキ追従体の追従性向上剤(界面活性剤など)、酸化防止剤等を含有させることができる。好ましくは、ポリブテン又は鉱油と金属石鹸の混合物、シリコーンオイルとシリカの混合物があげられる。
[水性ボールペン]
本発明の水性ボールペンは、前記水性ボールペンレフィルを軸筒内に配設したもので、ボールペン本体の構造、形状は特に限定されるものではなく、従来より汎用されているものが適用できる。
水性ボールペンとしては、ノック式、回転式、スライド式等の軸筒内にペン先を収容可能な出没式ボールペンであって、単色式、2色式、3色式、4色式等のもの、ボールペン以外の筆記具と組み合わせた多機能式とすることができる。また、ペン先を覆うキャップを備えたキャップ式ボールペンであってもよい。
水性ボールペンの軸筒等の部材は、公知の部材を使用すればよい。
また、本発明の炭化ケイ素系ボールを有するボールペンは、炭化ケイ素系ボールとボール受座との動摩擦係数/μkが小さい。具体的には、炭化ケイ素系ボールとボール受座との動摩擦係数/μkが0.267以下、好ましくは0.265以下、より好ましくは0.263以下である。動摩擦係数/μkをこのような範囲とすることで、書き味が滑らかなボールペンを得ることができる。
なお、本発明のボールペンは、炭化ケイ素系ボールとボール受座との動摩擦係数/μkの範囲がこのような範囲であればよく、水性インキ組成物の種類は特に限定されない。好ましくは、HLB及び酸価が特定の範囲にあるリン酸エステル系界面活性剤を含有する水性インキ組成物を用いることができ、これにより、動摩擦係数/μkを容易に小さくすることができる。
以下に実施例をあげて本発明をさらに詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例のみに限定されるものではない。なお、特に断りのない限り、「%」は「質量%」を、「部」は質量部を意味する。
[水性インキ組成物構成成分]
水性インキ組成物を構成する成分として以下のものを用意した。
(溶媒)
・水:イオン交換水
(着色剤)
・Pigment Black k7:C.I.Pigment Black k7(黒色顔料)
(増粘剤)
・ケルザン:キサンタンガム(三昌社製商品名)
(防腐剤)
・プロクセル XL-2:(ロンザジャパン社製商品名)
(防かび剤)
・コートサイド PH2:(大阪ガスケミカル社製商品名)
(湿潤剤)
・Gly:グリセリン
・PG:プロピレングリコール
(防錆剤)
・BTA:ベンゾトリアゾール
(リン酸エステル系界面活性剤)
・A219B:プライサーフ A219B(第一工業製薬社製商品名)
HLB=16.2、酸価=51mgKOH/g
・PE510:フォスファノール PE−510(東邦化学工業社製商品名)
HLB=10.5、酸価=52mgKOH/g
・RS710:フォスファノール RS−710(東邦化学工業社製商品名)
HLB=13.3、酸価=62mgKOH/g
・RS610:フォスファノール RS−610(東邦化学工業社製商品名)
HLB=10.5、酸価=82mgKOH/g
・RS410:フォスファノール RS−410(東邦化学工業社製商品名)
HLB=9、酸価=105mgKOH/g
・RA600:フォスファノール RA−600(東邦化学工業社製商品名)
HLB=11.7、酸価=110mgKOH/g
・ML240:フォスファノール ML−240(東邦化学工業社製商品名)
HLB=13.1、酸価=110mgKOH/g
・A210B:プライサーフ A210B(第一工業製薬社製商品名)
HLB=9、酸価=123mgKOH/g
・ML220: フォスファノール ML−220(東邦化学工業社製商品名)
HLB=12.5、酸価=150mgKOH/g
・GF185: フォスファノール GF−185(東邦化学工業社製商品名)
HLB=5.2、酸価=158mgKOH/g
・GF199: フォスファノール GF−199(東邦化学工業社製商品名)
HLB=5.5、酸価=168mgKOH/g
・A208B:プライサーフ A208B(第一工業製薬社製商品名)
HLB=6.6、酸価=173mgKOH/g
・ML200: フォスファノール ML−200(東邦化学工業社製商品名)
HLB=10、酸価=202mgKOH/g
[実施例1〜5、比較例1〜8]
上記の成分を、表1に示す量(質量部)用いて水性インキ組成物を下記の方法で作製した。
また、得られた水性インキ組成物を用い水性ボールペンを下記の方法で作製した。
(水性インキ組成物の作製方法)
水及び顔料を含有する混合液をビーズミルにより分散し、顔料ベースを得た。
その後、溶媒、顔料ベース、潤滑剤等の成分を撹拌機を用いて混合し、メッシュによる濾過を行って水性インキ組成物を作製した。
(水性ボールペンの作製方法)
炭化ケイ素系ボールペンチップ(ボール直径1mm)を一端に取り付けたSUS304製インキ収容管を複数本用意し、それぞれに得られた水性インキ組成物を一定量充填した後に、インキ逆流止め(ポリブテンをゲル化したもの)を充填して、ボールペンレフィルを作製した。次に、本体にボールペンレフィルを取り付け、キャップを装着した後、遠心分離機により管中の空気を除去し、それから尾栓を装着して、各水性インキ組成物を用いた水性ボールペンを得た。
これらの水性ボールペンを用いて、以下のようにして水性インキ組成物の評価を行った。結果を表1に併せて記載する。
<動摩擦係数/μk>
表面性測定器(新東科学社製、トライボギアHEIDON-14DR)を用い、下記測定条件で上質紙に筆記し、動摩擦係数/μkを測定した。
この動摩擦係数は、実質的に炭化ケイ素ボールとボール受座との動摩擦係数を表すものといえる。
筆記速度:4,200mm/min
筆記距離:70.0mm
荷重変換機容量:2,000gf
DSAアンプレンジ:100%
垂直荷重:100g
サンプリング速度:1ms
サンプリング容量:2,000コ
<書き味官能評価>
手書きで上質紙に丸を10個筆記し、その筆記感を下記の評価基準で官能評価した。
○:書き味が滑らかなもの
△:筆記時にわずかにひっかかりを感じるもの
×:筆記時にひっかかりを感じるもの
Figure 2021109916
各実施例・比較例の結果からみて明らかなように、一般式(I)で表され、HLBが6以上、かつ、酸価120以上であるリン酸エステル系界面活性剤を含有する、炭化ケイ素系ボールを有するボールペン用の水性インキ組成物は、動摩擦係数/μkが小さいことから滑らかな書き味となり、書き味官能評価が優れていることがわかる。

Claims (3)

  1. 下記一般式(I)で表され、HLBが6以上、かつ、酸価120以上であるリン酸エステル系界面活性剤を含有する、炭化ケイ素系ボールを有するボールペン用の水性インキ組成物。
    Figure 2021109916
    (式中:nは0〜20の整数である。Rは炭素数1以上のアルキル基、炭素数6以上のアリール基又は炭素数4以上の不飽和炭化水素基のいずれかである。RはM又は-(CHCHO)-Rである。Rは炭素数1以上のアルキル基、炭素数6以上のアリール基又は炭素数4以上の不飽和炭化水素基のいずれかである。Mは水素原子、アルカリ金属原子、アンモニウム基、有機アンモニウム基又は有機アミン基のいずれかである。Mが2つある場合はそれぞれ異なっていてもよい。)
  2. インキ収容筒の先端部に、炭化ケイ素系ボールを回転自在に抱持したボールペンチップが直接又は接続部材を介して装着されており、前記インキ収容筒内には、請求項1に記載の炭化ケイ素ボールを有するボールペン用の水性インキ組成物が充填されてなる、水性ボールペンレフィル。
  3. 請求項2に記載の水性ボールペンレフィルを軸筒内に配設した水性ボールペン。
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