JP2011202086A - 筆記具用水性インク組成物 - Google Patents

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Abstract

【課題】 インク流出性が良好で、経時において隠蔽剤がたとえ沈降しても簡単な攪拌操作により再分散が容易で、隠蔽性、安定性に優れる筆記具用水性インク組成物が提供され、特に、比重の小さい撹拌部材を用いても簡単に撹拌することができる筆記具用水性インク組成物を提供する。
【解決手段】 水と、比重の異なる2種類以上の隠蔽剤を合計で7〜50質量%と、水溶性樹脂を1〜20質量%と、増粘剤を0.05〜2質量%とを少なくとも含有し、25℃におけるELD型回転粘度計の下記ずり速度による粘度の測定値が、それぞれ下記の範囲にあることを特徴とする筆記具用水性インク組成物。
ずり速度(S−1) 粘度(mPa・s)
9.58 40〜75
19.15 20〜50
191.5 12〜22
383 10〜18
【選択図】なし

Description

本発明は、インク流出性が良好で、経時において隠蔽剤がたとえ沈降しても簡単な攪拌操作により再分散が容易で、隠蔽性、安定性に優れる筆記具用水性インク組成物に関する。
一般に、隠蔽力に優れた酸化チタンを含有した筆記具用インク組成物は、その比重が高いため経時的に沈降分離するという点に課題がある。そのため、使用前にインク組成物を十分に再撹拌してから使用する手段や、インク組成物にせん断減粘性を付与させ、酸化チタンの沈降を抑制する手段、及びこれらを組み合わせた手段などが従来から採られている。
例えば、時間の経過の後も、安定して、グラデーション効果の高い筆跡を与える中芯式多色マーキングペン用の水性顔料インクを提供するために、水と、酸化チタン、中空樹脂粒子、偏平樹脂粒子、板状アルミナ及びフレーク状窒化ホウ素から選ばれる少なくとも1種である隠蔽剤と、着色剤と、定着用樹脂及びポリアクリル酸アルカリ金属塩、ポリアクリル酸有機アミン塩及びポリオールから選ばれる少なくとも1種である増粘剤を含み、温度20℃でのE型回転粘度計による粘度測定において、せん断速度200s-1 のときの粘度が3〜12mPa・sの範囲にあり、(せん断速度10s-1 のときの粘度)/(せん断速度200s-1 のときの粘度)で定義されるTI値が1.2〜4の範囲にあると共に、温度20℃での応力下の粘度測定において、応力が0.01Paのときの粘度が45mPa・s以上であり、応力が10Paのときの粘度が12mPa・s以下である中芯式多色マーキングペン用水性顔料インク(例えば、特許文献1参照)が知られている。
また、隠蔽力を発現させる材料の沈降がなく、更に、筆記直後と筆跡乾燥後の隠蔽力の差を少なくし、筆記直後と筆跡乾燥後の両方の状態において、筆跡が隠蔽力を発現する筆記具用水性インク組成物を提供するために、少なくとも水と樹脂粒子を配合し隠蔽力を有する筆記具用水性インク組成物において、樹脂粒子として、屈折率が1.49〜1.60、平均粒径が800nm〜2000nmの第1の樹脂粒子と、屈折率が1.49〜1.60、平均粒径が300nm〜700nmの第2の樹脂粒子を併用したことを特徴とする筆記具用水性インク組成物(例えば、特許文献2参照)が知られている。
しかしながら、上記特許文献1の水性顔料インクは、中綿式マーカーでの使用が前提となっている(段落0031)ので、高い剪断速度における粘度が低く、隠蔽剤(酸化チタン)の沈降に対して何等配慮されていないものであり、しかも、沈降・分離が激しく再分散性にも劣る点に課題がある。なお、当該特許文献1では、温度20℃でのE型回転粘度計による粘度測定において、せん断速度200s-1 、並びに、せん断速度10s-1 のときの粘度値で規定しているが、ずり速度で比較すると、本発明の方が粘度値は高く、温度を揃えて測定すれば、その差はより広がり重複しない範囲となるものである。
上記特許文献2の筆記具用水性インク組成物では、当面の沈降・分離は少なくなるが、長期間の経時後には、やはり2種類の樹脂粒子は分離する点に課題があり、また、金属表面などに筆記した場合には、隠蔽力不足は否めない点にも課題がある。
特許第4118094号(特開2004−27081号公報、特許請求の範囲、実施例等) 特開2010−53265号公報(特許請求の範囲、実施例等)
本発明は、上記従来技術の課題及び現状等に鑑み、これを解消しようとするものであり、インク流出性が良好で、経時において隠蔽剤がたとえ沈降しても簡単な攪拌操作により再分散が容易で、隠蔽性、安定性に優れる筆記具用水性インク組成物を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記従来の課題等を解決するために、鋭意検討した結果、少なくとも水と、比重の異なる2種類以上の隠蔽剤を特定量含有すると共に、水溶性樹脂、増粘剤を特定量含有せしめ、25℃におけるELD型回転粘度計における特定の各ずり速度における各粘度の測定値が、特定の範囲とすることにより、上記目的の筆記具用水性インク組成物が得られることを見い出し、本発明を完成するに至ったのである。
すなわち、本発明は、次の(1)〜(5)に存する。
(1) 水と、比重の異なる2種類以上の隠蔽剤を合計で7〜50質量%と、水溶性樹脂を1〜20質量%と、増粘剤を0.05〜2質量%とを少なくとも含有し、25℃におけるELD型回転粘度計の下記ずり速度による粘度の測定値が、それぞれ下記の範囲にあることを特徴とする筆記具用水性インク組成物。
ずり速度(S−1) 粘度(mPa・s)
9.58 40〜75
19.15 20〜50
191.5 12〜22
383 10〜18
(2) 前記比重の異なる2種類の隠蔽剤の内、第1の隠蔽剤が酸化チタン粒子、硫化亜鉛粒子、酸化亜鉛粒子、硫酸バリウム粒子、および、これらの粒子が複合した粒子から選ばれる粒子、あるいは、これらの粒子の分散体であって、第1の隠蔽剤の粒子径が40〜15000nmであり、かつ、第1の隠蔽剤の含有量が固形分で5〜30質量%であることを特徴とする上記(1)に記載の筆記具用水性インク組成物。
(3) 前記比重の異なる2種類の隠蔽剤の内、第2の隠蔽剤がガラス粒子、金属粒子、樹脂粒子、中空樹脂粒子、炭酸カルシウム粒子、窒化硼素粒子、ワックス粒子、および、これらの複合粒子、あるいは、これらの粒子の分散体であり、第2の隠蔽剤の粒子径が40〜50000nmであって、かつ、第2の隠蔽剤の含有量が固形分で2〜20質量%であることを特徴とする上記(1)又は(2)に記載の筆記具用水性インク組成物。
(4) 更に、着色剤を1〜10質量%含有することを特徴とする上記(1)〜(3)の何れか一つに記載の筆記具用水性インク組成物。
(5) 攪拌部材を有するバルブ式の筆記具に充填されることを特徴とする上記(1)〜(4)の何れか一つに記載の筆記具用水性インク組成物。
本発明によれば、インク流出性が良好で、経時において隠蔽剤がたとえ沈降しても簡単な攪拌操作により再分散が容易で、隠蔽性、安定性に優れる筆記具用水性インク組成物が提供され、特に、比重の小さい撹拌部材を用いても簡単に撹拌することができる筆記具用水性インク組成物が提供される。
本発明の筆記具用水性インク組成物が充填された筆記具の一例を示す縦断面図である。 図1の筆記具の全体説明図であって、(a)は一側面図、(b)は該一側面図から90°回転した他側面図、(c)はさらに他側面図から90°回転した別側面図、(d)は軸方向先端のキャップ側から見た図、(e)は軸方向後端から見た図、(f)は後方斜視図、(g)は先方斜視図である。 先端にバルブ部材となる弁体を一体成形したスプリング体にペン先となるペン体(塗布体)およびスポンジ体を組付けたものの説明図であって、(a)は一側面図、(b)は他側面図、(c)は縦断面図、(d)は軸方向先方から見た図、(e)は軸方向後方からみ見た図である。
以下に、本発明の実施形態を詳しく説明する。
本発明の筆記具用水性インク組成物は、水と、比重の異なる2種類以上の隠蔽剤を合計で7〜50質量%と、水溶性樹脂を1〜20質量%と、増粘剤を0.05〜2質量%とを少なくとも含有し、25℃におけるELD型回転粘度計の下記ずり速度による粘度の測定値が、それぞれ下記の範囲にあることを特徴とするものである。
ずり速度(S−1) 粘度(mPa・s)
9.58 40〜75
19.15 20〜50
191.5 12〜22
383 10〜18
本発明に用いる比重の異なる2種類以上の隠蔽剤は、隠蔽力を発揮できる比重の異なる2種類以上の材料から選択されるものであり、例えば、酸化チタン粒子、硫化亜鉛粒子、酸化亜鉛粒子、硫酸バリウム粒子、ガラス粒子、金属粒子、樹脂粒子、中空樹脂粒子、炭酸カルシウム粒子、窒化硼素粒子、ワックス粒子、および、これらの複合粒子、あるいは、これらの粒子の分散体の中から選らばれる比重の異なる2種類以上を用いることができる。
好ましくは、本発明の効果を更に発揮せしめる点から、比重の異なる2種類以上の隠蔽剤として、後述する第1の隠蔽剤、第2の隠蔽剤を用いることが望ましい。
第1の隠蔽剤として、酸化チタン粒子、硫化亜鉛粒子、酸化亜鉛粒子、硫酸バリウム粒子、および、これらの粒子が複合した粒子から選ばれる粒子、あるいは、これらの粒子の分散体であって、第1の隠蔽剤の粒子径が40nm〜15000nmとなるものを用いることが好ましく、また、第2の隠蔽剤として、ガラス粒子、金属粒子、樹脂粒子、中空樹脂粒子、炭酸カルシウム粒子、窒化硼素粒子、ワックス粒子、および、これらの複合粒子、あるいは、これらの粒子の分散体であり、第1の隠蔽剤の粒子径が40nm〜50000nmとなるものを用いることが好ましい。
なお、本発明において、上記各隠蔽剤における「粒子径」は、一次粒子径を意味する。
第1の隠蔽剤において、複合粒子としては、例えば、リトポン(硫酸バリウム粒子+硫化亜鉛粒子)、シリカ複合粒子(シリカ粒子+酸化チタン)、PP複合粒子(PP粒子+酸化チタン)などが挙げられ、また、分散体としては、例えば、上記各粒子の水分散体、酸化チタン水分散体、酸化亜鉛水分散体などが挙げられる。
これらの第1の隠蔽剤として、特に好ましくは、優れた隠蔽力を発揮する点から酸化チタン粒子、酸化チタン−PP複合粒子、酸化チタン水分散体の使用が望ましい。具体的に用いることができる酸化チタンとしては、クロノスKR−270、同KR−310、同KR−380(以上、チタン工業社製)、Ti−Pure R−900、同R−902、同R−700(以上、デュポン社製)、JR−602、JR−701、JR−800(以上、テイカ社製)等の少なくとも1種が挙げられる。
また、これらの第1の隠蔽剤は、隠蔽力および沈降スピードの点から、その粒子径が40nm〜15000nm、更に好ましくは、100nm〜1000nmのものが望ましい。
第2の隠蔽剤において、中空樹脂粒子としては、具体的には、スチレン・アクリル系では、ローペークOP−84J、ローペークHP−91、ローペークウルトラ(ローム&ハースト社製)などが挙げられ、樹脂粒子としては、メラミン粒子(例えば、エポスター、日本触媒社製)、ナイロン粒子(例えば、オルガゾール、アルケマジャパン社製)、ベンゾグアナミン粒子(例えば、エポカラー、日本触媒社製)などが挙げられ、複合粒子としては、マイカチタン(例えば、イリオジン111、メルク社製)などが挙げられ、窒化硼素粉末としては、例えば、水島合金鉄株式会社製の窒化硼素粉末などが挙げられ、分散体としては、例えば、上記各粒子の水分散体などが挙げられる。
特に、隠蔽力および分散安定性の点から、中空樹脂粒子の使用が好ましい。
また、これらの第2の隠蔽剤は、隠蔽力および沈降スピードの点から、その粒子径が40nm〜50000nm、更に好ましくは、100nm〜2000nmのものが望ましい。
これらの比重の異なる2種類以上の隠蔽剤の含有量は、筆記具用水性インク組成物(以下、単に「インク組成物」という)全量に対して、固形分合計で7〜50質量%、好ましくは、7〜35質量%とすることが望ましい。
この隠蔽剤の合計含有量が7質量%未満では、十分な隠蔽力を発揮することができず、また、均一な濃度描線が得られにくく、一方、50質量%を超えると、インク粘度が上昇してしまうか、粒子の沈降体積が多くなり、好ましくない。
上記比重の異なる2種類以上の隠蔽剤として、好ましい態様として上記第1の隠蔽剤、第2の隠蔽剤を用いる場合には、第1の隠蔽剤の含有量は、隠蔽力の点から、インク組成物全量に対して、固形分で5〜30質量%、好ましくは、5〜25質量%とすることが望ましく、また、第2の隠蔽剤の含有量は、隠蔽力および再分散性の点から、インク組成物全量に対して、固形分で2〜20質量%、好ましくは、2〜10質量%とすることが望ましい。
本発明に用いる水溶性樹脂は、定着樹脂、分散剤、安定化剤として機能するものであり、例えば、ポリアクリル酸、水溶性スチレン−アクリル樹脂、水溶性スチレン・マレイン酸樹脂、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、水溶性マレイン酸樹脂、水溶性スチレン樹脂、ポリビニルピロリドン、ポリビニルアルコ−ル、水溶性エステル−アクリル樹脂、エチレン−マレイン酸共重合体、ポリエチレンオキサイド、水溶性ウレタン樹脂等の分子内に疎水部を持つ水溶性樹脂、また、アクリル系エマルジョン、酢酸ビニル系エマルジョン、ウレタン系エマルジョン、スチレン−ブタジエンエマルジョン、スチレンアクリロニトリルエマルジョンなどの樹脂エマルジョンなどから選ばれる少なくとも1種が挙げられ、好ましくは、隠蔽剤および顔料の分散性、粘度調整、並びに、固着力向上の点から、上記の水溶性樹脂および樹脂エマルジョンからそれぞれ1種類以上、計2種類以上の使用が望ましい。
これらの水溶性樹脂の含有量は、インク組成物全量に対して、1〜20質量%、好ましくは、5〜15質量%とすることが望ましい。
この水溶性樹脂の含有量が1質量%未満では、分散性と固着性を確保することが難しくなり、一方、20質量%を超えると、高粘度なってインクの追随性が悪くなり、好ましくない。
本発明に用いる増粘剤としては、アルカリ膨潤会合型エマルション、アルカリ膨潤型エマルション、ポリビニルピロリドン、セルロース誘導体、キサンタンガム、サクシノグリカン、架橋形アクリル酸重合体、結晶セルロース、レオザンガム、ジェランガム、モンモリロナイト系粘土鉱物等無機系の増粘剤などから選ばれる少なくとも1種が挙げられ、好ましくは、粘度調整のしやすさの点から、無機系の増粘剤以外の使用が望ましい。
具体的に用いることができる増粘剤としては、アルカリ膨潤会合型エマルションでは、プライマルTT−615、プライマルTT−935、プライマルTT−935ER(以上、ローム・アンド・ハース・ジャパン社製)、アルカリ膨潤型エマルションでは、プライマルASE−60(ローム・アンド・ハース・ジャパン社製)、ポリビニルピロリドンでは、ポリビニルピロリドンK−30(日本触媒社製)、セルロース誘導体では、ダイセル1250(カルボキシメチルセルロースナトリウム)、SP−400(ヒドロキシエチルセルロース)(以上、ダイセル化学工業社製)、キサンタンガムでは、エコーガム(大日本住友製薬社製)、サクシノグリカンでは、メイポリ(三晶社製)、架橋形アクリル酸重合体では、ハイビスコワコー#104(和光純薬化学社製)、結晶セルロースでは、セオラスRC−81N(旭化成社製)などが挙げられる。
これらの増粘剤の含有量は、インク組成物全量に対して、0.05〜2質量%、好ましくは、0.1〜1質量%とすることが望ましい。
この増粘剤の含有量が0.05質量%未満では、隠蔽剤あるいは顔料の沈降が速くなり、また、インクの流出量が多くなり、一方、2質量%を超えると、粘度が高くなりすぎてインクの追随性が悪くなり、好ましくない。
本発明の筆記具用水性インク組成物には、分散媒として水を用いるが、更なる流出性、筆記性、保存性を向上せしめる点から、好ましくは、水溶性溶剤を含有することが望ましく、また、所望の筆記跡の効果を発揮せしめる点から着色剤を含有することが望ましい。
用いることができる水溶性溶剤としては、例えば、エチレングリコール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール、ジプロピレングリコール、1,2−プロパンジオール、1,3−プロンパンジオール、1,2−ブタンジオール、2,3−ブタンジオール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、1,2−ペンタンジオール、1,5−ペンタンジオール、2,5−ヘキサンジオール、3−メチル1,3−ブタンジオール、2メチルペンタン−2,4−ジオール、3−メチルペンタン−1,3,5トリオール、1,2,3−ヘキサントリオール、グリセリン、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、グリセロール、ジグリセロール、トリグリセロール、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノ−n−ブチルエーテル、チオジエタノール、N−メチル−2−ピロリドン、1,3−ジメチル−2−イミダリジノン、メチルアルコール、エチルアルコール、イソプロピルアルコール、n−ブチルアルコール、tert−ブチルアルコール、イソブチルアルコール、ヘキシルアルコール、オクチルアルコール、ノニルアルコール、デシルアルコール、ベンジルアルコール、ジメチルホルムアミド、ジエチルアセトアミド、アセトンなどの少なくとも1種が挙げられる。
これらの水溶性溶剤の含有量は、インク組成物全量に対して、0〜20質量%、好ましくは、3〜15質量%が望ましい。
用いることができる着色剤としては、例えば、カーボンブラック、亜鉛華、ベンガラ、酸化クロム、鉄黒、コバルトブルー、アルミナホワイト、酸化鉄黄、ビリジアン、硫化亜鉛、カドミウムエロー、朱、ガドミウムレッド、黄鉛、モリブデードオレンジ、ジンククロメート、ストロンチウムクロメート、ホワイトカーボン、クレー、タルク、群青、バライト粉、鉛白、紺青、マンガンバイオレット、アルミニウム粉、真鍮粉などの無機顔料や、アゾレーキ、不溶性アゾ顔料、キレートアゾ顔料、フタロシアニン顔料、ペリレン及びペリレン顔料、アントラキノン顔料、キナクリドン顔料、染料レーキニトロ顔料、ニトロソ顔料などの有機顔料が挙げられる。
また、酸性染料、反応染料、塩基性染料、分散性染料、直接染料、蛍光染料、C.I.ベーシック イエロー35、C.I.ベーシック イエロー 40、C.I.アシッド オレンジ 28、C.I.アシッド ブルー92などの染料の他、その他樹脂や界面活性剤などで表面改質した加工顔料、分散トナー、アクリル系樹脂やベンゾグアナミン樹脂などを顔料や染料で着色して微粒子化した着色剤なども用いることができる。
これらの着色剤は、単独で又は二種以上組み合わせて用いることができる。
また、これらの着色剤の含有量は、インク組成物全量に対して、0〜10質量%、好ましくは、0.5〜8質量%が望ましい。
更に、本発明の筆記具用水性インク組成物には、上記各成分の他、必要に応じて、防腐剤、防錆剤、表面張力低下剤などの任意成分を適宜含有することができる。
本発明の筆記具用水性インク組成物は、上記各成分〔残部を水(精製水、イオン交換水、蒸留水等)により調製)などをボールミル、ホモミキサー、ビーズミルなどを用いて常法により製造することができる。
得られる本発明の筆記具用水性インク組成物は、インクの流出性、隠蔽剤の沈降防止、たとえ沈降しても攪拌等による再分散性、経時安定性の点から、25℃におけるELD型回転粘度計の下記ずり速度による粘度の測定値が、それぞれ下記の範囲に設定される。
ずり速度(S−1) 粘度(mPa・s)
9.58 40〜75
19.15 20〜50
191.5 12〜22
383 10〜18
これらの各ずり速度(S−1)における各粘度(mPa・s)が各数値未満(40mPa・s、20mPa・s、12mPa・s、10mPa・s)であると、再分散性が悪くなり、一方、各粘度(mPa・s)が各数値(75mPa・s、50mPa・s、22mPa・s、18mPa・s)を越えると、高粘度となり、追随性が悪くなる、即ち、インク流量が少なくなり、カスレの原因となり、好ましくない。
更に好ましくは、再分散性、インク流出性の点から、上記各ずり速度による粘度範囲を充足した上で、更に、下記各ずり速度による粘度の測定値が、下記の範囲となるものが更に望ましい。
ずり速度(S−1) 粘度(mPa・s)
3.83 70〜120
38.3 15〜35
76.6 13〜25
なお、上記各ずり速度による各粘度範囲とするためには、用いる比重の異なる2種類以上の隠蔽剤、第1の隠蔽剤、第2の隠蔽剤の種類、特性(比重)、その含有量、水溶性樹脂の種類、その含有量、増粘剤の種類、その含有量などを好適に組み合わせることにより、調整することができる。
このようにして得られた本発明の筆記具用水性インク組成物は、例えば、毛細管作用を有するペン先、本発明の筆記具用水性インク組成物が充填されるタンク内には攪拌部材、バルブ機構を備えたマーキングペンタイプの筆記具や、ボールペンチップを有する筆記具などを挙げることができる。
本発明の筆記具用水性インク組成物は、インク流出性が良好で、経時において隠蔽剤がたとえ沈降しても簡単な攪拌操作により再分散が容易で、隠蔽性、安定性に優れる筆記具用水性インク組成物となるものであり、タンク内には攪拌部材、バルブ機構を備えたマーキングペンタイプの筆記具に使用した場合には、経時において隠蔽剤がたとえ沈降しても簡単な攪拌操作により再分散が更に容易となるものであり、特に、隠蔽剤あるいは顔料より比重の大きい金属製などの攪拌部材を使用しなくとも、比重が隠蔽剤あるいは顔料よりも小さい撹拌部材、例えば、樹脂が体積分率で50%以上の樹脂から構成される攪拌部材を用いても簡単に撹拌することができる筆記具用水性インク組成物が得られるものとなる。
なお、攪拌部材の形状、大きさ、重さ等は、筆記具の構造等により、変動するものであり、例えば、円柱状、球状(ボール状)、楕円体状、棒状、断面T状、葉巻形状、断面棒状内の芯部に金属材料などの高比重物を備えたもの、後述する図1に示される図示符号14の断面形状などの各形状が挙げられる他、三角柱状、四角柱状など方形の立体柱状、直方体状、正方体状、星型状などが挙げられ、攪拌部材の大きさは、筆記具内に収容可能かつ沈降性を有する隠蔽剤を効率よく攪拌できる大きさであればよい。また、攪拌部材の重さ(重量)は、インク組成物の比重(例えば本発明のインク組成物であれば約1.2)に対して、1〜10となる比重の攪拌部材が好ましく、更に好ましくは、1〜6となる比重の攪拌部材が望ましい。
図1〜図3は、本発明の筆記具用水性インク組成物を充填した筆記具の一例を示すものであり、ペン先となるペン体(塗布体)を押圧することによりバルブ機構となる弁体をスプリング体の弾発力に抗して開弁させて、前記ペン体に本発明の筆記具用水性インク組成物を誘導するバルブ機構を有する筆記具(塗布具)であり、攪拌時にインク組成物に侵食されない材料からなる攪拌部材14がバルブ内に入りこむようにすることができる形態である。
図1に示すように、この筆記具は、軸筒10後部に本発明の筆記具用水性インク組成物を収容するタンク12と軸筒10前部内が連通しており、該タンク12に撹拌部材14を内装すると共に、前記軸筒10前部には、先端を突出させた状態の塗布体16、インク流路18を開閉する弁体20および弾発力によって該弁体20を前方に付勢するスプリング体22を内部に設けており、ペン先の塗布体16を押圧することにより前記弁体20をスプリング体22の弾発力に抗して開弁させて、前記塗布体16にインクを誘導し、これによって、対象物にインクを塗布(筆記)可能にするものである。なお、本形態の攪拌部材は、ポリアセタール樹脂(POM、比重1.4)で構成されている。
この形態の筆記具では、図1〜図2に示すように、後端部の閉鎖された軸筒10の後部は、その内部空間に本発明の筆記具用水性インク組成物を収容するタンク12になっており、後端部10aが段状に縮径してキャップ24を外嵌できる外径に形成されている。当該軸筒10の前端部に概略中空筒状の先軸26が嵌入されている。先軸26の後端(嵌入先端)26aは、軸筒10の中央部付近に至っており、軸筒10のタンク12内面には、リブ12aが軸方向に沿って後端から中央部付近まで複数が突出形成されている。
前記先軸26は、中央部外周にフランジ26bが形成されていて、このフランジ26b軸筒10先端部10bに当接してそれ以上軸筒10内に潜り込まないように位置決めしている。また、先軸26の前部内周に弁受け部26cが環状内向きに突出形成されていて、この弁受け部26c前記弁体20外周が当接離脱するようになっている。なお、先軸26のフランジ26b後方の外周面部には、雄ネジ部26dが形成されていて、この雄ネジ部26dが対応箇所の軸筒10の内周面部の雌ネジ部10cに螺合固定して軸筒10から先軸26が抜けないようになっている。また、フランジ26bの外周面には、スパナ等の治具が対応する平坦な切り欠きが180°の間隔を置いて形成されており、治具によってこの切り欠きを挟持して、先軸26を軸筒10に対して回転させることにより、先軸を軸筒10から取り外して、インクをタンク12内に注ぎ足すことがとできる。すなわち、再利用可能にする。もちろんタンク12を軸筒10と別体の装脱可能なものにしたカートリッジ式とすることもできる。
先軸26の前端部には塗布体16を進退動可能に内装する塗布体16保持部であるクチプラ28の後部28aが嵌入している。このクチプラ28前部28bの内周面に塗布体16を進退動可能にガイドするリブ28cが形成されている。クチプラ28の前部28bは塗布体16に合わせて後部28aよりも細径に形成されており、中央部外径はフランジ状に突出して先軸26先端に当接して後部28aがそれ以上先軸26内に潜り込まないようになっている。そのクチプラ28の後部28a内には、スポンジ30が塗布体16後部と弁体20の外周を囲んで内装されている。なお、スポンジ30は先軸26の弁受け部26cの前方に位置して弁体20と弁受け部26cが開弁した際に、塗布液流路に流れた塗布液が急激に塗布体16に流れて隙間(クチプラ前部28bのリブ28c間など)から溢れ出るのを防止するため、一旦保溜し、塗布体16に安定して
インクを流し出すように調整する機能を有する。
塗布体16は全体が概略棒状体であって、先端の先細りに丸くなり、かつ後端が切り落とされた形状を呈している。前記スプリング体22は、図1、図3に示すように、先端部に弁体20を、中央部に概略螺旋状の弾発部22aを、後部にフランジ状部32aを形成した筒状部(規制受け部)32を形成したものである。弁体20は前部20aが筒状であって、後部20bが円錐状の側面部を呈して、中央部に隔壁20cを有するものである。この後部20bの円錐状側面部が先軸26の弁受け部26cの円形開口内面に斜めに当接・離脱してインク流路18を開閉する構造である。
また、前記スプリング体22内には、前記撹拌体14が挿抜可能な空間34を設けている。つまり、後部の筒状部32から弾発部22aさらには前部の弁体20後部20bにかけて断面方向中央部に中空の空間34を形成しており、この空間34内に撹拌体14が挿脱自在に構成されている。ここで、前記撹拌部材14は、棒状であって後端部14aが他の部分よりも拡径して一部切り欠いたフランジ状に形成されている。
スプリング体22には、後端部にその内径が前記撹拌体14の後端部14a外径よりも小さい内径の当接部からなる筒状部(規制受け部)32を一体に樹脂形成したものである。これによって、前記筒状部32は、その内側段部32bに前記撹拌体14の後端部14aを係止して、前記撹拌体14の先端部がスプリング体22先端部の弁体20(の隔壁20c)内面に当接しないように規制するものである。
また、前記スプリング体22の後端部の筒状部32は、外周面の凹凸が先軸26後端内周面の凹凸に嵌合して、スプリング体22が先軸26から抜けないようにされている。また、筒状部32の後端は外向きに拡径してフランジ状部32aになっており、先軸26に装着した際に先軸26の後端26aにフランジ状部32aが当接してそれ以上潜り込まないようにされている。さらにこのスプリング体22を先軸26に装着した状態で軸筒10内の先端部10bに装着して螺合固定したときに、インクタンク12の内周面のリブ12aによって前記フランジ状部32aは位置決めされる。つまり、当該フランジ状部32aは、先方から先軸26によって、また、後方からリブ12aによってそれぞれ挟み付けられて、軸筒10内での後端部の位置が固定され、先端部に設けられた弁体20が先後方向に進退動可能に設けられている。
前記スプリング体22の弾発部22aは、図3に示すように、横断面視で概略矩形形状を呈する四面に沿って2条の線状体を概略螺線状に整形しており、対向する二面に沿った線状体は軸方向に対してほぼ垂直に向き、また、他の対向する二面に沿った線状体は軸方向に対して斜めに向いて形成されている。また、スプリング体22は、その先端部に前記弁体20が一体に樹脂形成されたものである。
上記塗布具の先端の先軸26からクチプラ28と塗布体16を覆って、先軸26にキャップ24が着脱自在に外嵌めされる。キャップ24は先端が閉鎖されかつ軸方向中央部の周囲が凹んだ概略椀状を呈し、後端部が先軸26のフランジ26bに当接する。なお、外側部には、クリップ24aが設けられて使用者のポケットをクリップ24aで挟んで塗布具を固定出来るようになっている。また、キャップ24の外側面部には、環状に凹部24bが形成されていて、使用者が指先で摘んで軸筒10から外しやすくしている。
なお、この形態の筆記具の攪拌部材14以外の各部材は焼却処理後の残さ率の点から、樹脂素材のみから構成することが好適である。実施形態では、塗布体16はポリエチレンテレフタレート(PET)からなる繊維束、連続気泡体、成形体等である。また、前記軸筒10、先軸26、クチプラ28、キャップ24は、ポリプロピレン(PP)からなるものである。また、スプリング体22はポリアセタール(POM)からなり、スポンジ30は、ウレタンからなるものである。また、各部は射出成形によって形成されたものであって、軸筒10と先軸26は射出成形によって精度良く形成できるため、対向するネジ結合箇所の精度が高くなり、また、後端部10aにバリが出にくく外観品質が向上する。
本形態に係る筆記具によれば、筆記具保管時には、前記塗布体16が下方に向く等しており、スプリング体22前端の弁体20がその弾発部22aの先方に向けての弾発力によって先軸26の弁受け部26cに密着して、塗布液流路18は閉鎖している(図1の状態)。一方、使用時に沈降性を有するインクを撹拌する。筆記具を振ると、撹拌部材14がタンク12内で先後運動して沈降性を有するインクを撹拌する。この際に、撹拌部材14には、その後端部14aがフランジ状に拡径しているので、図2に示すように先軸26後端の筒状部32の内側段部32bに引っかかり、それ以上は弁体20側に移動しないので、衝撃によって弁体20が開弁することがない。
そして、使用者は塗布体16を机上等に押し当てて塗布体16をスプリング体22の弾発力に抗して後退させる。これにより、前記塗布体16の後端でスプリング体22前端の弁体20が先軸26の弁受け部26cから離れて、塗布液流路18が開き、スポンジ30を経由して塗布体16にインクが供給される。なお、撹拌部材14の後端部14aは一部切り欠いたフランジ状部であるので、該撹拌部材14がスプリング体22の空間34内に入っていても、当該後端部14aの切り欠きで空間34内への塗布液流路18が確保され塗布液の流れが途切れることが無く、スムーズな塗布・筆記が可能である。
以上の形態に係る弁付の筆記具によれば、攪拌部材14を、棒状であって後端部が他の部分よりも拡径して形成し、前記スプリング体22内には、撹拌部材14が挿抜可能な空間34を設け、軸筒10内では筒状内側段部32bが前記撹拌部材14の後端部を係止して、撹拌部材14の先端部がスプリング体22先端部内に当接しないように規制する規制受け部を有する。
したがって、筆記具を振って前記撹拌部材14によって撹拌するときに、撹拌部材14がスプリング体22先端の内側に当たらないので、弁体20が開弁動作することが無く、インクの漏れや吹き出しが生じることがなく、インク流出性が良好で、経時において隠蔽剤がたとえ沈降しても前記撹拌部材14によって簡単な攪拌操作により再分散が容易で、隠蔽性、安定性に優れる筆記具となるものである。また、スプリング体22を、その先端部に弁体20が一体に樹脂形成されたものにするので、部品点数を少なくでき、成形及び取り扱いが容易になる。また、スプリング体22には、後端部にその内径が前記撹拌部材14の後端部外径よりも小さい当接部からなる筒状部(規制受け部)32を一体に樹脂形成すれば、別付けの必要がなく、成形および取り扱いが一層しやすい。
また、撹拌部材14を含む筆記具全体が樹脂で構成されているため、従来の金属製の攪拌部材を有する筆記具と比較して、廃棄時の焼却処理後の大気汚染も少なく、また、焼却処理後の残さ量を少ないので、環境負荷を更に低くすることができる。
このように構成される筆記具では、本発明の筆記具用水性インク組成物を充填されるものであれば、上記形態に限定されるものでなく、その筆記具構造、インク流出機構、攪拌部材の構造等は種々変更することができる。筆記具に内蔵される攪拌部材が攪拌時に内壁に当たる構造とすれば、攪拌時に筆記具内で音が鳴るので、攪拌確認が容易となる構造とすることができる。
次に、実施例及び比較例等により本発明を更に詳細に説明するが、本発明は下記実施例等に限定されるものではない。
(実施例1〜4及び比較例1〜8)
下記表1に示す配合組成に基づいて常法により筆記具用水性インク組成物(水性マーキングインク組成物、全量100質量%)を調製した。
得られた各水性マーキングインク組成物の25℃における各ずり速度3.83〜383sec.−1における各粘度を下記測定方法により測定した。
また、得られた各水性マーキングインク組成物を用いて、下記構成のマーキングペンに充填して、下記各評価方法により、筆記性、再攪拌性、再々初筆性、初期隠蔽性、下向き保存性について評価した。
これらの結果を下記表1に示す。
(水性マーキングインク組成物の25℃における粘度の測定方法)
得られた各水性マーキングインク組成物を十分に撹拌し、トキメック社製TV−20L型粘度計(コーンプレートタイプ)において、標準ロータ(1°34′×R24)、各ずり速度(3.83〜383sec−1の7段階のずり速度、25℃)で測定した
(マーキングペンの構成)
マーキングペンとして、下記構成のマーキングペンを使用した。
軸筒:三菱鉛筆社製PWX
ペン先:直径5mm、砲弾形状のPET繊維束芯
インク:各実施例及び比較例で調製した水性マーキングインク組成物4ml
インク流出構造:バルブ機構
攪拌部材:形状:棒状、ポリアセタール製、大きさ:φ5mm、比重1.4
(筆記性の評価方法)
各インクを充填したマーキングペンを用いて、黒画用紙に筆記して、インク追随性を下記評価基準で評価した。
評価基準:
◎:最適流出量
○:若干多い若しくは少ない
△:多い若しくは少ない
×:明らかに多い若しくは少ない
(再攪拌性の評価方法)
各インクを充填したマーキングペンを40℃、2週間キャップを上向きにしたときのボール動き回数をカウントし、下記評価基準で評価した。
評価基準:
◎:1〜5回
○:6〜10回
△:11〜20回
×:21回以上
(再々初筆性の評価方法)
各インクを充填したマーキングペンを室温下でキャップを上向きに保存し、一日毎に筆記した描線の隠蔽性(黒画用紙に筆記した際の隠蔽性)を評価し、1週間その評価を繰り返し行い、1週間後に下記評価基準で官能(目視)評価した。
評価基準:
◎:初期隠蔽と略同等
○:初期隠蔽に比べて若干隠蔽低下
△:初期隠蔽に比べて隠蔽力低下
×:初期隠蔽に比べて明らかに隠蔽力不足
(初期隠蔽性の評価方法)
各インクを充填したマーキングペンを用いて黒画用紙に筆記した際の隠蔽性を下記評価基準で評価した。
評価基準:
◎:十分な隠蔽力あり
○:隠蔽力あり
△:やや隠蔽力不足
×:隠蔽力ほとんどなし
(下向き保存性の評価方法)
各インクを充填したマーキングペンを40℃で、2週間下向きに保存した後、黒画用紙に筆記し、下記評価基準で評価した。
評価基準:
◎:初期筆記と同レベル
○:速書きでカスレ
△:ややカスレあり
×:筆記不良
Figure 2011202086
上記表1の結果から明らかなように、本発明範囲となる実施例1〜4は、本発明の範囲外となる比較例1〜8に較べて、筆記性、再攪拌性、再々初筆性、初期隠蔽性、下向き保存性の全てに優れることが判明した。
比較例を個別的に考察すると、比較例1は隠蔽剤が1種類(酸化チタン粒子)である場合、比較例2及び3は水溶性樹脂の含有量が本発明の範囲を外れる場合、比較例4及び5はずり速度における粘度範囲が本発明の範囲を外れる場合、比較例4及び5はずり速度における粘度範囲が本発明の範囲を外れる場合、比較例4及び5はずり速度における粘度範囲が本発明の範囲を外れる場合、比較例6は隠蔽剤2種類の合計含有量が本発明の範囲を外れる場合、比較例7は、特許文献1の実施例4に準拠する場合、比較例8は特許文献2の実施例2に準拠する場合であり、これらの場合は、本発明の効果を発揮できないことが判明した。
本発明の筆記具用水性インク組成物では、マーキングペン用、修正液、サインペンなどのインクとして好適に使用できる。
10 軸筒
12 タンク
14 撹拌部材
16 ペン体(塗布体)
18 インク流路
20 弁体
24 キャップ
26 先軸
28 クチプラ
30 スポンジ

Claims (5)

  1. 水と、比重の異なる2種類以上の隠蔽剤を合計で7〜50質量%と、水溶性樹脂を1〜20質量%と、増粘剤を0.05〜2質量%とを少なくとも含有し、25℃におけるELD型回転粘度計の下記ずり速度による粘度の測定値が、それぞれ下記の範囲にあることを特徴とする筆記具用水性インク組成物。
    ずり速度(S−1) 粘度(mPa・s)
    9.58 40〜75
    19.15 20〜50
    191.5 12〜22
    383 10〜18
  2. 前記比重の異なる2種類の隠蔽剤の内、第1の隠蔽剤が酸化チタン粒子、硫化亜鉛粒子、酸化亜鉛粒子、硫酸バリウム粒子、および、これらの粒子が複合した粒子から選ばれる粒子、あるいは、これらの粒子の分散体であって、第1の隠蔽剤の粒子径が40nm〜15000nmであり、かつ、第1の隠蔽剤の含有量が固形分で5〜30質量%であることを特徴とする請求項1に記載の筆記具用水性インク組成物。
  3. 前記比重の異なる2種類の隠蔽剤の内、第2の隠蔽剤がガラス粒子、金属粒子、樹脂粒子、中空樹脂粒子、炭酸カルシウム粒子、窒化硼素粒子、ワックス粒子、および、これらの複合粒子、あるいは、これらの粒子の分散体であり、第2の隠蔽剤の粒子径が40nm〜50000nmであって、かつ、第2の隠蔽剤の含有量が固形分で2〜20質量%であることを特徴とする請求項1又は2に記載の筆記具用水性インク組成物。
  4. 更に、着色剤を1〜10質量%含有することを特徴とする請求項1〜3の何れか一つに記載の筆記具用水性インク組成物。
  5. 攪拌部材を有するバルブ式の筆記具に充填されることを特徴とする請求項1〜4の何れか一つに記載の筆記具用水性インク組成物。
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