JP2023004211A - ボールペン用水性インク組成物 - Google Patents

ボールペン用水性インク組成物 Download PDF

Info

Publication number
JP2023004211A
JP2023004211A JP2021105761A JP2021105761A JP2023004211A JP 2023004211 A JP2023004211 A JP 2023004211A JP 2021105761 A JP2021105761 A JP 2021105761A JP 2021105761 A JP2021105761 A JP 2021105761A JP 2023004211 A JP2023004211 A JP 2023004211A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
water
ink composition
mass
ballpoint pen
based ink
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2021105761A
Other languages
English (en)
Inventor
雄介 小林
Yusuke Kobayashi
千裕 望月
Chihiro Mochizuki
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Mitsubishi Pencil Co Ltd
Original Assignee
Mitsubishi Pencil Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Mitsubishi Pencil Co Ltd filed Critical Mitsubishi Pencil Co Ltd
Priority to JP2021105761A priority Critical patent/JP2023004211A/ja
Publication of JP2023004211A publication Critical patent/JP2023004211A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Pens And Brushes (AREA)
  • Inks, Pencil-Leads, Or Crayons (AREA)

Abstract

【課題】長期保管してもペン先の腐食が発生しにくく、かつ、書き出し時のカスレが発生しない、ボールペン用水性インキ組成物を提供する。【解決手段】本発明のボールペン用水性インク組成物は、水、着色材、及び環状ペプチドを含有している。【選択図】なし

Description

本発明は、ボールペン用水性インク組成物に関する。
水性インキを内蔵する水性ボールペンが広く用いられており、かかる水性ボールペンにおいては、筆跡のカスレを生じさせないことが求められている。この目的のため、水性インキにポリペプチドを含有させることが行われている。
特許文献1では、少なくとも、水と、着色剤と、ポリペプチドと、樹脂エマルジョンを含有するボールペン用水性インキが開示されている。
特許文献2では、着色材と、水と、所定の一般式で示される構造単位を有する重合体と、ポリペプチドとを少なくとも含有するボールペン用水性インキ組成物が開示されている。
特許文献3では、平均分子量が200~15000であるシルクポリペプチドと、着色剤と、水溶性有機溶剤と、水とを少なくとも含んでなるボールペン用水性インキ組成物が開示されている。
特許文献4では、平均分子量が500~15000であり、アミノ酸組成においてグルタミン酸を15mol%以上含有するポリペプチドと、着色剤と、水溶性有機溶剤と、水とを少なくとも含んでなるボールペン用水性インキ組成物が開示されている。
なお、特許文献5では、環状ペプチドの一種である種々のサーファクチン塩が開示されている。
特開2010-202706号公報 特開2009-235378号公報 特開2006-328248号公報 特開2006-316093号公報 国際公開第2014/142177号
本発明は、長期保管してもペン先の腐食が発生しにくく、かつ、書き出し時のカスレが発生しない、ボールペン用水性インキ組成物を提供する。
本発明者らは、鋭意検討したところ、以下の手段により上記課題を解決できることを見出して、本発明を完成させた。すなわち、本発明は、下記のとおりである:
〈態様1〉水、着色材、及び環状ペプチドを含有している、ボールペン用水性インク組成物。
〈態様2〉前記環状ペプチドが、以下の式(I)で表される、環状サーファクチン塩である、態様1に記載のボールペン用水性インク組成物:
Figure 2023004211000001
(式中、Xは、ロイシン、イソロイシン、及びバリンから選択されるアミノ酸残基を示し、Rは、C9~18アルキル基を示し、M+はアルカリ金属イオン又は第四級アンモニウムイオンを示す)。
〈態様3〉前記環状ペプチドの含有率が、ボールペン用水性インク組成物の質量全体を基準として、0.01~10質量%である、態様2に記載のボールペン用水性インク組成物。
〈態様4〉水溶性有機溶剤を1~20質量%で更に含有している、態様1~3のいずれか一項に記載のボールペン用水性インク組成物。
〈態様5〉前記水溶性有機溶剤が、芳香族類、アルコール類、多価アルコール類、グリコールエーテル類、炭化水素類、エステル類からなる群より選択される少なくとも1種である、態様4に記載のボールペン用水性インク組成物。
〈態様6〉インク貯蔵部、ボールを有する筆記部及び保持部を少なくとも具備しており、
前記インク貯蔵部に態様1~5のいずれか一項に記載の筆記具用水性インク組成物が貯蔵されている、
ボールペン。
本発明によれば、長期保管してもペン先の腐食が発生しにくく、かつ、書き出し時のカスレが発生しない、ボールペン用水性インキ組成物を提供することができる。
《ボールペン用水性インク組成物》
本発明のボールペン用水性インク組成物は、水、着色材、及び環状ペプチドを含有している。
本発明者らは、上記の構成により、長期保管してもペン先の腐食が発生しにくく、かつ、書き出し時のカスレが発生しない、ボールペン用水性インキ組成物を提供することができることを見出した。理論に拘束されることを望まないが、これは、ペプチド結合が両親媒性であることにより、顔料と溶剤とを良好に親和させることによると考えられる。
更に、環状ペプチドは、非環状ペプチドと比較して、反応できる状態にある官能基が少ないことから、安定性が高い。その結果、環状ペプチドは、非環状ペプチドよりもボールと反応しにくく、それによってボールの表面の腐食を更に抑制することができると考えられる。
本発明の筆記具用水性インク組成物は、無機顔料、特に光輝性無機顔料を含有していない。
以下では、本発明の各構成要素について説明する。
〈水〉
水としては、イオン交換水、蒸留水等を用いることができる。
水の含有率は、ボールペン用水性インク組成物の質量全体を基準として、50質量%以上、55質量%以上、60質量%以上、63質量%以上、又は65質量%以上であってよく、また90質量%以下、80質量%以下、75質量%以下、又は70質量%以下であってよい。
〈着色材〉
着色材としては、染料、顔料、又は染料と顔料との混合物等、従来のインクに用いることができる種々の着色材を使用することができる。これらの着色材は、単独で用いてもよく、又は混合して用いてもよい。
染料としては、水に溶解又は分散する全ての染料を用いることができ、例えば、エオシン、フオキシン、ウォーターイエロー#6-C、アシッドレッド、ウォーターブルー#105、ブリリアントブルーFCF、ニグロシンNB等の酸性染料;ダイレクトブラック154,ダイレクトスカイブルー5B、バイオレットBB等の直接染料;ローダミン、メチルバイオレット等の塩基性染料などが挙げられる。
顔料としては、酸化チタン等の従来公知の無機系及び有機系顔料、顔料又は染料を含有した樹脂粒子顔料、樹脂エマルションを染料又は顔料で着色した疑似顔料、白色系プラスチック顔料、光輝性顔料、シリカや雲母を基材とし表層に酸化鉄や酸化チタンなどを多層コーティングした顔料、熱変色性顔料、光変色性粒子等を制限なく使用することができる。
無機系顔料としては、例えば、カーボンブラック、チタンブラック、亜鉛華、べんがら、アルミニウム、酸化クロム、鉄黒、コバルトブルー、酸化鉄黄、ビリジアン、硫化亜鉛、リトポン、カドミウムエロー、朱、カドミウムレッド、黄鉛、モリブデードオレンジ、ジンククロメート、ストロンチウムクロメート、ホワイトカーボン、クレー、タルク、群青、沈降性硫酸バリウム、バライト粉、炭酸カルシウム、鉛白、紺白、紺青、マンガンバイオレット、アルミニウム粉、真鍮粉等を用いることができる。
有機系顔料としては、アゾレーキ、不溶性アゾ顔料、キレートアゾ顔料、フタロシアニン顔料、ペリレン及びペリノン顔料、ニトロソ顔料などが挙げられる。このような有機系顔料としては、例えばC.I.ピグメントブルー17、C.I.ピグメントブルー15、C.I.ピグメントブルー17、C.I.ピグメントブルー27、C.I.ピグメントレッド5、C.I.ピグメントレッド22、C.I.ピグメントレッド38、C.I.ピグメントレッド48、C.I.ピグメントレッド49、C.I.ピグメントレッド53、C.I.ピグメントレッド57、C.I.ピグメントレッド81、C.I.ピグメントレッド104、C.I.ピグメントレッド146、C.I.ピグメントレッド245、C.I.ピグメントイエロー1、C.I.ピグメントイエロー3、C.I.ピグメントイエロー12、C.I.ピグメントイエロー13、C.I.ピグメントイエロー14、C.I.ピグメントイエロー17、C.I.ピグメントイエロー34、C.I.ピグメントイエロー55、C.I.ピグメントイエロー74、C.I.ピグメントイエロー95、C.I.ピグメントイエロー166、C.I.ピグメントイエロー167、C.I.ピグメントオレンジ5、C.I.ピグメントオレンジ13、C.I.ピグメントオレンジ16、C.I.ピグメントバイオレット1、C.I.ピグメントバイオレット3、C.I.ピグメントバイオレット19、C.I.ピグメントバイオレット23、C.I.ピグメントバイオレット50、C.I.ピグメントグリーン7等が挙げられる。
熱変色性顔料としては、発色剤として機能するロイコ色素と、該ロイコ色素を発色させる能力を有する成分となる顕色剤及び上記ロイコ色素と顕色剤の呈色において変色温度をコントロールすることができる変色温度調整剤を少なくとも含む熱変色性組成物を、所定の平均粒子径(例えば、0.1~6μm)となるように、マイクロカプセル化することにより製造された熱変色性顔料などを挙げることができる。この平均粒子径は、例えば0.1μm以上、0.2μm以上、0.3μm以上、0.5μm以上、0.7μm以上、又は0.9μm以上であってよく、また6μm以下、5μm以下、4μm以下、3μm以下、2μm以下、又は1μm以下であってよい。
光変色性粒子としては、例えば、少なくともフォトクロミック色素(化合物)、蛍光色素などの光変色性物質から選択される1種以上と、テルペンフェノール樹脂などの樹脂とにより構成される光変色性粒子を用いることができる。また、光変色性粒子としては、少なくともフォトクロミック色素(化合物)、蛍光色素などの光変色性物質から選択される1種以上と、有機溶媒と、酸化防止剤、光安定剤、増感剤などの添加剤とを含む光変色性組成物を、所定の平均粒子径(例えば、0.1~6μm)となるように、マイクロカプセル化することにより製造された光変色性粒子などを挙げることができる。
この光変色性粒子は、上記の光変色性物質を好適に用いることにより、例えば、室内照明環境(室内での白熱灯、蛍光灯、ランプ、白色LEDなどから選ばれる照明器具)において無色であり、紫外線照射環境(200~400nm波長の照射、紫外線を含む太陽光での照射環境)で発色する性質を有するものとすることができる。
本発明(実施例等含む)において、「平均粒子径」は、測定の対象となる粒子の大きさによって適宜選択され、概ね1μm未満の粒子の場合は、動的光散乱法により測定した散乱強度分布において、体積基準により算出されたヒストグラム平均粒子径(D50)の値であり、1μm以上の粒子の場合は、レーザー回折法において体積基準により算出されたメジアン径(D50)の値である。平均粒子径の測定は、粒度分析計〔マイクロトラックHRA9320-X100(日機装社)〕を用いて行うことができる。
上記熱変色性顔料及び上記光変色性粒子のマイクロカプセル化法としては、例えば、界面重合法、界面重縮合法、insitu重合法、液中硬化被覆法、水溶液からの相分離法、有機溶媒からの相分離法、融解分散冷却法、気中懸濁被覆法、スプレードライニング法などを挙げることができ、用途に応じて適宜選択することができる。
例えば、水溶液からの相分離法では、以下の工程を含む方法、特に以下の工程をこの順で行うことを含む方法により、熱変色性マイクロカプセル顔料を製造することができる:
(1)ロイコ色素、顕色剤、及び変色温度調整剤を加熱溶融すること、
(2)加熱溶融させたロイコ色素、顕色剤、及び変色温度調整剤を乳化剤溶液に投入し、加熱攪拌して油滴状に分散させて分散液を作製すること、
(3)カプセル膜剤として、ウレタン樹脂、エポキシ樹脂、アミノ樹脂等の壁膜を形成できる樹脂原料、例えば、アミノ樹脂溶液、具体的には、メチロールメラミン水溶液、尿素溶液、ベンゾグアナミン溶液などのアミノ樹脂溶液を、上記の分散液に徐々に投入し、この樹脂原料を反応させて、カプセル膜を生じさせることにより、熱変色性マイクロカプセル顔料を得ること、並びに
(4)熱変色性マイクロカプセル顔料を含むこの分散液を濾過すること。
この熱変色性顔料では、ロイコ色素、顕色剤及び変色温度調整剤の種類、量などを好適に組み合わせることにより、各色の発色温度、消色温度を好適な温度に設定することができる。
これらの色材は、単独で、又は2種以上を混合して用いることができる。また、これらの色材のうち、水に分散する顔料や、樹脂粒子顔料、疑似顔料、白色系プラスチック顔料、多層コーティングした顔料、熱変色性顔料、光変色性粒子等の平均粒子径は、ボール径、インク組成・粘度などにより変動するが、平均粒子径が0.02~6μmのものが望ましい。この平均粒子径は、例えば0.02μm以上、0.05μm以上、0.07μm以上、0.10μm以上、0.20μm以上、0.30μm以上、0.50μm以上、0.70μm以上、又は0.90μm以上であってよく、また6μm以下、5μm以下、4μm以下、3μm以下、2μm以下、又は1μm以下であってよい。
これらの色材の含有量は、インクの描線濃度に応じて適宜増減することが可能であるが、インク組成物全量に対して、0.1質量%以上、0.3質量%以上、0.5質量%以上、0.7質量%以上、0.9質量%以上、又は1.0質量%以上であってよく、また40質量%以下、35質量%以下、30質量%以下、25質量%以下、20質量%以下、15質量%以下、又は10質量%以下であることが好ましい。
〈環状ペプチド〉
環状ペプチドは、概して環状構造を有するペプチドを意味している。
環状ペプチドとしては、例えば以下の式(I)で表される環状サーファクチン塩を用いることができる。
Figure 2023004211000002
式中、Xは、ロイシン、イソロイシン、及びバリンから選択されるアミノ酸残基を示し、Rは、C9~18アルキル基を示し、Mはアルカリ金属イオン又は第四級アンモニウムイオンを示す。
このような環状サーファクチン塩の詳細は、特許文献5を参照することができる。また、このような環状サーファクチン塩としては、環状サーファクチン塩であるものとして商業的に入手可能なサーファクチン塩、例えばカネカ社から商業的に入手可能なサーファクチン塩を用いることができる。
環状ペプチドの含有率は、ボールペン用水性インク組成物の質量全体を基準として、0.01質量%以上、0.05質量%以上、0.10質量%以上、0.20質量%以上、0.30質量%以上、0.50質量%以上、0.70質量%以上、0.90質量%以上、1.00質量%以上、1.20質量%以上、1.50質量%以上、1.70質量%以上、2.0質量%以上、2.5質量%以上、3.0質量%以上、又は3.5質量%以上であってよく、また10質量%以下、9質量%以下、8質量%以下、7質量%以下、6質量%以下、又は5質量%以下であってよい。
〈水溶性有機溶剤〉
水溶性有機溶剤としては、例えば芳香族類、アルコール類、多価アルコール類、グリコールエーテル類、炭化水素類、エステル類等を用いることができる。これらの溶剤は、単独で用いてもよく、又は組み合わせて用いてもよい。
芳香族類としては、例えばベンジルアルコール、エチレングリコールモノフェニルエーテル、エチレングリコールモノベンジルエーテル、プロピレングリコールモノフェニルエーテル、ジエチレングリコールモノフェニルエーテル、アルキルスルフォン酸フェニルエステル、フタル酸ブチル、フタル酸エチルヘキシル、フタル酸トリデシル、トリメリット酸エチルヘキシル、ジエチレングリコールジベンゾエート、ジプロピレングリコールジベンゾエート等を用いることができる。
アルコール類としては、例えばエタノール、n-プロパノール、イソプロパノール、n-ブタノール、イソブタノール、tert-ブチルアルコール、1-ペンタノール、イソアミルアルコール、sec-アミルアルコール、3-ペンタノール、tert-アミルアルコール、n-ヘキサノール、メチルアミルアルコール、2-エチルブタノール、n-ヘプタノール、2-ヘプタノール、3-ヘプタノール、n-オクタノール、2-オクタノール、2-エチルヘキサノール、3,5,5-トリメチルヘキサノール、ノナノール、n-デカノール、ウンデカノール、n-デカノール、トリメチルノニルアルコール、テトラデカノール、ヘプタデカノール、シクロヘキサノール、2-メチルシクロヘキサノール等を用いることができる。
多価アルコール類としては、例えばエチレングリコール、ジエチレングリコール、3-メチル-1,3ブタンジオール、トリエチレングリコール、ジプロピレングリコール、1,3プロパンジオール、1,3ブタンジオール、1,5ペンタンジオール、ヘキシレングリコール、オクチレングリコール等を用いることができる。
グリコールエーテル類としては、例えば、メチルイソプロピルエーテル、エチルエーテル、エチルプロピルエーテル、エチルブチルエーテル、イソプロピルエーテル、ブチルエーテル、ヘキシルエーテル、2-エチルヘキシルエーテル、エチレングリコールモノヘキシルエーテル、エチレングリコールモノ-2-エチルブチルエーテル、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、トリエチレングリコールモノブチルエーテル、テトラエチレングリコールモノブチルエーテル、3-メチル-3-メトキシ-1-ブタノール、3-メトキシ-1-ブタノール、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノプロピルエーテル、プロピレングリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコールターシャリーブチルエーテルジプロピレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノエチルエーテル、ジプロピレングリコールモノプロピルエーテル、ジプロピレングリコールモノブチルエーテル、トリプロピレングリコールモノメチルエーテル、トリプロピレングリコールモノブチルエーテル、テトラプロピレングリコールモノブチルエーテル等を用いることができる。
炭化水素類としては、例えばヘキサン、イソヘキサン、ヘプタン、オクタン、ノナン、デカン等の直鎖炭化水素類、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン、エチルシクロヘキサン等の環状炭化水素類を用いることができる。
エステル類としては、例えばプロピレングリコールメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールジアセテート、3-メチル-3-メトキシブチルアセテート、プロピレングリコールエチルエーテルアセテート、エチレングリコールエチルエーテルアセテート、ギ酸ブチル、ギ酸イソブチル、ギ酸イソアミル、酢酸プロピル、酢酸ブチル、酢酸イソプロピル、酢酸イソブチル、酢酸イソアミル、プロピオン酸メチル、プロピオン酸エチル、プロピオン酸プロピル、プロピオン酸イソブチル、プロピオン酸イソアミル、酪酸メチル、酪酸エチル、酪酸プロピル、イソ酪酸メチル、イソ酪酸エチル、イソ酪酸プロピル、吉草酸メチル、吉草酸エチル、吉草酸プロピル、イソ吉草酸メチル、イソ吉草酸エチル、イソ吉草酸プロピル、トリメチル酢酸メチル、トリメチル酢酸エチル、トリメチル酢酸プロピル、カプロン酸メチル、カプロン酸エチル、カプロン酸プロピル、カプリル酸メチル、カプリル酸エチル、カプリル酸プロピル、ラウリン酸メチル、ラウリン酸エチル、オレイン酸メチル、オレイン酸エチル、カプリル酸トリグリセライド、クエン酸トリブチルアセテート、オキシステアリン酸オクチル、プロピレングリコールモノリシノレート、2-ヒドロキシイソ酪酸メチル、3-メトキシブチルアセテート等を用いることができる。
水溶性有機溶剤の含有率は、ボールペン用水性インク組成物の質量全体を基準として、3質量%以上、5質量%以上、7質量%以上、10質量%以上、又は12質量%以上であってよく、また30質量%以下、25質量%以下、20質量%以下、又は17質量%以下であってよい。
〈他の成分〉
本発明の筆記具用水性インク組成物は、随意の他の成分を含有していてもよい。他の成分としては、例えば、分散剤、防錆剤、増粘剤、防腐剤若しくは防菌剤、潤滑剤、pH調整剤、固着用樹脂等が挙げられる。
分散剤としては、ノニオン系界面活性剤、アニオン系界面活性剤や水溶性樹脂が用いられる。分散剤としては、好ましくは水溶性高分子が用いられる。
潤滑剤としては、顔料の表面処理剤に用いられる潤滑剤を用いることができ、例えば多価アルコールの脂肪酸エステル、糖の高級脂肪酸エステル、ポリオキシアルキレン高級脂肪酸エステル、アルキル燐酸エステルなどのノニオン系界面活性剤や、リン酸エステル、高級脂肪酸アミドのアルキルスルホン酸塩、アルキルアリルスルホン酸塩などのアニオン系界面活性剤、ポリアルキレングリコールの誘導体やポリエーテル変性シリコーンなどを用いることができる。
増粘剤としては、公知のものを用いることが、具体的には、セルロース誘導体、結晶セルロース、レオザンガム、ジェランガム、キサンタンガム、サクシノグリカンなどの多糖類群、アルカリ膨潤会合型エマルション、アルカリ膨潤型エマルション、ポリビニルピロリドン、架橋型アクリル酸重合体等の有機系の増粘剤、モンモリロナイト系粘土鉱物等の無機系の増粘剤などから選ばれる少なくとも1種を用いることができる。
pH調整剤としては、アンモニア、尿素、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミンなどのアミン、トリポリリン酸ナトリウム、炭酸ナトリウムなどの炭酸やリン酸のアルカリ金属塩、水酸化ナトリウムなどのアルカリ金属塩の水和物などが挙げられる。
また、防錆剤としては、ベンゾトリアゾール、トリルトリアゾール、ジシクロへキシルアンモニウムナイトライト、サポニン類などを用いることができる。防腐剤又は防菌剤としては、フェノール、ナトリウムオマジン、安息香酸ナトリウム、チアゾリン系化合物、ベンズイミダゾール系化合物などを用いることができる。
上記分散剤、潤滑剤、増粘剤、pH調整剤、防錆剤、防腐剤又は防菌剤などの各成分は、1種単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。また、これらの市販品があればそれを用いてもよい。
固着用樹脂は、必要に応じて、粘度調整、並びに、固着力向上の点用いる樹脂である。固着用樹脂としては、例えば水溶性樹脂及び樹脂エマルション等を用いることができる。
水溶性樹脂としては、例えば、ポリアクリル酸、水溶性スチレン-アクリル樹脂、水溶性スチレン・マレイン酸樹脂、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、水溶性マレイン酸樹脂、水溶性スチレン樹脂、水溶性エステル-アクリル樹脂、エチレン-マレイン酸共重合体、ポリエチレンオキサイド、水溶性ウレタン樹脂等の分子内に疎水部を持つ水溶性樹脂を用いることができる。
樹脂エマルジョンとしては、例えばポリオレフィン系エマルジョン、アクリル系エマルジョン、酢酸ビニル系エマルジョン、ウレタン系エマルジョン、スチレン-ブタジエンエマルジョン、スチレンアクリロニトリルエマルジョンなどから選ばれる少なくとも1種を用いることができる。
固着用樹脂は、単独で用いてもよく、又は混合させて用いてもよい。特に、上記の水溶性樹脂及び樹脂エマルジョンをそれぞれ1種類以上、すなわち合計2種類以上固着用樹脂を用いることが、固着性の観点から好ましい。
《ボールペン》
本発明のボールペンは、インク貯蔵部、ボールを有する筆記部及び保持部を少なくとも具備しており、
前記インク貯蔵部に上記の筆記具用水性インク組成物が貯蔵されている、
ボールペンである。
上記の筆記具用水性インク組成物を用いることによれば、長期保管してもペン先の腐食が発生しにくく、かつ、書き出し時のカスレが発生しない、ボールペンを提供することができる。
〈インク貯蔵部〉
インク貯蔵部には、上記の筆記具用水性インク組成物が貯蔵されている。
インク貯蔵部は、インクを貯蔵し、かつ筆記部にインクを供給することができる物であれば、任意の物を用いることができ、コレクター構造(インク保持機構)を備えた直液式であってもよく、又は中綿式のボールペンであってもよい。
〈筆記部〉
筆記部は、ボールペンチップを先端部に有する筆記部であることができる。
ボールペンチップは、ボール、及びボールを回転自在に抱持しているホルダーで構成されていてよい。ボールは、ボールペンのボールに用いられる随意の材料で構成されていてよく、例えばステンレス鋼、超硬合金、セラミックス等で構成されていてよい。またボールペンチップの形状は特に限定されず、例えば砲弾形状、ニードル形状などであってよい。
更に、ボールの表面粗さRaは10nm未満であることが、書き味の観点から望ましく、特に好ましくは、該筆記ボールは、ボールの表面粗さRaが4nm以下であることを特徴とする。
なお、本発明(後述する実施例を含む)における「表面粗さRa」は、非接触表面形状測定機(NewView7200、Zygo社)により、レンズ倍率50倍、評価長さ100μm、ガウシアンフィルタ25μmの条件で設定し、それ以外はJIS B0601(製品の幾何特性仕様-表面性状)に準拠して測定したものである。
本発明の水性ボールペンは、長期保管したときにペン先の腐食が発生しにくく、その結果、書き出し時のカスレを抑制することができる。したがって、本発明の水性ボールペンは、表面粗さが小さいボールを用いた場合に特に有益となる。
実施例及び比較例により本発明を具体的に説明するが、本発明は、これらに限定されるものではない。
《ボールペン用水性インキ組成物の製造》
〈実施例〉
8質量部の顔料(FUJI RED 2510)、6質量部の顔料分散剤(ジョンクリル61J、BASF JAPAN社)、0.32質量部の増粘剤としてのキサンタンガム(KELSANS、三晶社)、4質量部の環状ポリペプチド(サーファクチン、カネカ社)、防腐剤(バイオデン421、日本曹達社)、1.4質量部のpH調整剤としてのトリエタノールアミン、15質量部の水溶性有機溶剤としてのプロピレングリコール、及び残部のイオン交換水を混合させて、実施例のボールペン用水性インキ組成物を100質量部作製した。
〈比較例1〉
環状ポリペプチドの代わりに、同質量の非環状ポリペプチド(ぺプタイドPRA、ニッピ社)を用いたことを除き、実施例と同様にして、比較例1のボールペン用水性インキ組成物を100質量部作製した。
〈比較例2〉
環状ポリペプチドの代わりに、同質量のイオン交換水を用いたことを除き、実施例と同様にして、比較例2のボールペン用水性インキ組成物を100質量部作製した。
《ボールペンの作製》
ボールペン(シグノUM-151、三菱鉛筆社)の軸を使用し、内径3.8mm、長さ113mmのポリプロピレン製インク収容管とボールペンチップ(ホルダー:ステンレス製、ボール:超硬合金ボール、ボール径0.7mm)及び該収容管と該チップを連結する継手からなるリフィールに上記各インクを充填し、インク後端にポリブテンからなるインク追従体を充填し、遠心処理(500G、5分)にて脱泡し、水性ボールペン(各5本)を作製した。
《評価》
〈腐食試験〉
作製したボールペンを筆記可能であることを確認した後で、これを50℃、80%の恒温槽中にペン先を下向きにして放置した。3ヶ月後、恒温槽からボールペンを取り出し、室温で1日放置した。次いで、この室温で1日放置したボールペンについて、ボール表面の外観を光学顕微鏡にて目視により観察し、下記評価基準で評価した。
評価基準は以下のとおりである:
A:良好な金属光沢を有し、全く腐食は見られなかった。
B:金属光沢は弱くなっていて、わずかに腐食が見られた。
C:金属光沢は更に弱くなっていて、一部に腐食が見られた。
D:金属光沢はなく、金属表面全体に腐食が認められた。
〈摩耗試験〉
加重100gf、筆記角度75度、筆記速度4.5mm/minの条件で、1000m(終筆)螺旋筆記させる機械筆記試験を行った。
評価基準は以下のとおりである:
A:5本ともカスレなく最後まで筆記できた。
B:カスレがあったものがあったものの、5本とも最後まで筆記できた。
C:著しく摩耗し、5本とも途中で筆記できなくなった。
実施例及び比較例の構成及び評価結果を表1に示す。
Figure 2023004211000003
表1から、環状ペプチドを含有している実施例のボールペン用水性インキ組成物は、いずれの評価結果も良好であったことが理解できよう。

Claims (6)

  1. 水、着色材、及び環状ペプチドを含有している、ボールペン用水性インク組成物。
  2. 前記環状ペプチドが、以下の式(I)で表される、環状サーファクチン塩である、請求項1に記載のボールペン用水性インク組成物:
    Figure 2023004211000004
    (式中、Xは、ロイシン、イソロイシン、及びバリンから選択されるアミノ酸残基を示し、Rは、C9~18アルキル基を示し、M+はアルカリ金属イオン又は第四級アンモニウムイオンを示す)。
  3. 前記環状ペプチドの含有率が、ボールペン用水性インク組成物の質量全体を基準として、0.01~10質量%である、請求項2に記載のボールペン用水性インク組成物。
  4. 水溶性有機溶剤を1~20質量%で更に含有している、請求項1~3のいずれか一項に記載のボールペン用水性インク組成物。
  5. 前記水溶性有機溶剤が、芳香族類、アルコール類、多価アルコール類、グリコールエーテル類、炭化水素類、エステル類からなる群より選択される少なくとも1種である、請求項4に記載のボールペン用水性インク組成物。
  6. インク貯蔵部、ボールを有する筆記部及び保持部を少なくとも具備しており、
    前記インク貯蔵部に請求項1~5のいずれか一項に記載の筆記具用水性インク組成物が貯蔵されている、
    ボールペン。
JP2021105761A 2021-06-25 2021-06-25 ボールペン用水性インク組成物 Pending JP2023004211A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2021105761A JP2023004211A (ja) 2021-06-25 2021-06-25 ボールペン用水性インク組成物

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2021105761A JP2023004211A (ja) 2021-06-25 2021-06-25 ボールペン用水性インク組成物

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2023004211A true JP2023004211A (ja) 2023-01-17

Family

ID=85101247

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2021105761A Pending JP2023004211A (ja) 2021-06-25 2021-06-25 ボールペン用水性インク組成物

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2023004211A (ja)

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP6435202B2 (ja) 筆記具用水性インク組成物
JP2014051630A (ja) 水性ボールペン用インキ組成物およびそれを用いた出没式水性ボールペン
JP2009019191A (ja) 出没式ボールペン用水性インキ組成物及びそれを収容した出没式ボールペン
JP2011178973A (ja) ボールペン用水性インク組成物及びそれを用いた水性ボールペン
JP2008297544A (ja) 出没式ボールペン用水性インキ組成物及びそれを収容した出没式ボールペン
JP2009292878A (ja) ボールペン用水性インキ組成物及びそれを収容したボールペン
JP5475943B2 (ja) ボールペン用水性インキ組成物及びそれを収容したボールペン
JP2007297514A (ja) ボールペン用水性インキ組成物及びそれを内蔵したボールペンレフィル、ボールペン
JP2023004211A (ja) ボールペン用水性インク組成物
JP2010077337A (ja) ボールペン用水性インキ組成物及びそれを収容したボールペン
JP2018184608A (ja) ボールペン
JP2002235025A (ja) ボールペン用水性インキ組成物
JP2017052832A (ja) 筆記具用水性インク組成物
JP2017155162A (ja) 筆記具用水性インク組成物
JP5241167B2 (ja) ボールペン用水性インキ組成物及びそれを収容したボールペン
JP2007297448A (ja) ボールペン用水性インキ組成物及びそれを内蔵したボールペンレフィル、ボールペン
JP7097516B1 (ja) ボールペン用水性インク組成物
JP2007238736A (ja) ボールペン用水性インキ組成物及びそれを収容したボールペン
JP7341479B2 (ja) 水性ボールペン用インキ組成物、水性ボールペンレフィル及び水性ボールペン
JP2009040823A (ja) ボールペン用水性インキ組成物及びそれを収容したボールペン
JP2022157128A (ja) 水性ボールペン用インク組成物
WO2022224680A1 (ja) 水性ボールペン用インク組成物
JP2010059331A (ja) ボールペン用水性インキ組成物及びそれを収容したボールペン
JP2021109916A (ja) 水性ボールペン用インキ組成物、水性ボールペンレフィル及び水性ボールペン
JP2024077200A (ja) 筆記具用水中油滴型インク組成物

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20240529