JP2007231238A - 水性ボールペン用インキ組成物 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 少なくとも着色剤と、水溶性有機溶剤と、水と剪断減粘性付与剤と、潤滑剤と、気泡抑制剤とを含んでなる水性ボールペン用インキ組成物であって、特定の潤滑剤と気泡抑制剤とを含んでなる、水性ボールペン用インキ組成物とした。
Description
さらに、前記した剪断減粘性に依存してインキ漏れが発生することなく、しかも、ペン芯などのインキ流量を調節する流量調節部材を必要としないので、簡易な構造の筆記具が得られるという利点がある。
上記の改良案としてボールペン組み立ての際に減圧下で遠心脱泡処理する方法が提示されている(例えば、特許文献2)。
しかしながら、この方法では装置が大掛かりになり、処理時間もかかるといった生産面での問題を抱えていた。
また、特許文献3および5にはインキ中の気体を化学的に除去する為に、アスコルビン酸およびその誘導体を添加する試みが開示されている。
特許文献7に記載の燐酸エステル系界面活性剤や特許文献8に記載の不飽和脂肪酸の塩類が上記の目的に好適であり、従来一般的に用いられてきた。
不飽和脂肪酸の塩類はその構造上、カルボン酸基が金属と結合し、脂肪族基が水中に伸びるため、ボールペンとして適切な潤滑効果と筆感が得られる。
しかしながら、その構造面から界面活性剤としての効果も強い為、泡立ちが激しく、レフィル組み立て時の遠心脱泡の工程を経ても、レフィル中に気泡が残りやすい。
この欠点を解消する為に、アスコルビン酸等の酸化防止剤(気泡抑制剤)を添加する提案もあるが、潤滑剤の構造上泡が立ちやすいため、添加量が少ないと十分な効果が得られないという問題点を抱えていた。
このため、消泡効果を十分にするには大量のアスコルビン酸類を添加しなければならず、その弊害により、顔料の凝集や、染料の析出、変色など問題が生ずることとなっていた。
一方、本発明で使用する燐酸エステル系界面活性剤は良好な潤滑効果を有するだけでなく、泡立ちが少なく、残留気泡が問題になる直詰式の水性ゲルインキボールペンに好適である。
しかしながら、特許文献9で開示されている技術は、低粘度の水性ボールペン用インキの書き出し性能の向上に関するものであり、せん断減粘性付与剤を添加した本発明の水性ゲルインキボールペン用インキとは異なるものである。
また、特許文献9の中で使用されている燐酸エステル系の界面活性剤は、疎水基がスチレン化フェノール系のものであり、本発明と異なり筆感が硬く潤滑効果が十分ではない。
さらに、上記のようにアスコルビン酸類の中には問題を有するものがあり、ただ単にアスコルビン酸類を添加すれば効果を奏するというものでもなかった。例えば、、L−アスコルビン酸およびその塩類は、良好な気泡除去効果を有するものの、顔料の分散性に異常が発生したり、特定の染料を用いる系において顕著な変色があるなど問題があるものがある。
また、L−アスコルビン酸誘導体の光学異性体であるエリソルビン酸類だけは顔料の分散性に異常が発生したり、特定の染料を用いる系において顕著な変色があるなどの問題がなく、良好に使用できる事を見出した。
また、前記従来のリン酸エステル系界面活性剤であっても、泡立ちがあるので、さらに本発明の主眼であるエリソルビン酸系の化合物を添加し、両者を併用することにより、はじめて気泡発生を限りなく低減させることができる。
元来、リン酸エステル系界面活性剤は泡立ちが少ない為、添加するエリソルビン酸系化合物も少量で十分な気泡抑制効果が得られ、かつ、両者はそれぞれの作用効果に相互に干渉することがないため、相性が良く、顔料の分散安定性や染料の溶解安定性、耐変色性などの諸問題も解決できるのである。
すなわち、
「1.少なくとも着色剤と、水溶性有機溶剤と、水と剪断減粘性付与剤と、潤滑剤と、気泡抑制剤とを含んでなる水性ボールペン用インキ組成物であって、潤滑剤として下記一般式(1)の燐酸エステル系界面活性剤と、気泡抑制剤としてエリソルビン酸類とを含んでなる、水性ボールペン用インキ組成物。
一般式(1)
2.インキ組成物中に前記エリソルビン酸類を0.01〜3.0質量質量%含んでなる第1項記載の水性ボールペン用インキ組成物。」である。
また、前記したインキ中の気体を化学的に除去する特定の化合物と特定構造の燐酸エステル系界面活性剤を併用することによって、気泡の発生が抑制でき、実用性が広く、且つ、滑らかな筆感と良好な筆記性能を得ることができる水性ボールペン用インキ組成物を得ることができる。
すなわち、燐酸エステル系界面活性剤の潤滑効果は、燐酸基がチップのソケット部およびボールのそれぞれの金属面に吸着し、疎水基がインキ中に伸び、立体障害を発生する為発現すると思われる。
この際に直鎖状の疎水基を有するものは、その構造上、比較的直線状にインキ中に疎水基が伸びやすい。
このため、チップ/ボール間で伸びた疎水基同士のクッション作用によりボールペンとして好ましい潤滑効果、すなわち滑らかで柔らかい筆感が得られるものと考えられる。
一方、疎水基がスチレン化フェノールやノニルフェノール、オクチルフェノールなどのベンゼン環を有する場合は、その構造上、疎水基はインキ中に伸びず、チップ金属面に沿うように平面的に展開する。
このため、ボールペンとして筆記した際に十分なクッション効果が得られずに、硬くカリカリとした筆感となってしまうと考えられる。
疎水基が炭素数12未満の短鎖アルコール由来のアルキル基では、上記クッション効果が十分に得られず、逆に炭素数15を超える長鎖の高級アルコール由来のアルキル基では、インキ中での安定性に問題がある。
なお、上記の燐酸エステル系界面活性剤はアミン類やアルカリ金属類などのアルカリ性物質にて適宜中和して使用することもできる。
前記エリソルビン酸類は、L−アスコルビン酸類と同様に酸化防止剤としての作用があるため、インキ組成物中に添加することで良好な酸素吸収能を発現する。従って、インキ中の酸素を含む気体が集まって気泡となることを抑制するものと推察される。
L−アスコルビン酸の光学異性体であるエリソルビン酸がなぜ特別の効果があるのかについては必ずしも明確ではないが、L−アスコルビン酸類と異なりビタミンC効果が無い為、水溶液が黄色に着色する傾向が薄く、インキの変色を招き難いと考えられる。
また、光学異性体である為、酸化防止効果を発現する際に、インキ中の染料に影響を及ぼさず、色素を変色させることが無いと推察される。
化学式(2)
このうち、エリソルビン酸およびエリソルビン酸の塩類が特に好適に用いられる。
0.01質量%未満では所望の気泡発生抑止効果を得ることが困難な傾向があり、また、3.0質量%以下であれば必要な効果が十分に得られるので、これ以上の添加を要しないばかりか、必要以上に多量の添加はインキの安定性を阻害する傾向が強くなるので好ましくない。
前記染料としては、ダイレクトブラック19、ダイレクトブラック154、ダイレクトイエロー44、ダイレクトブルー3、ダイレクトブルー71、ダイレクトブルー86、ダイレクトオレンジ6等の直接染料や、アシッドオレンジ56、アッシドイレロー3、アシッドイエロー23、アシッドレッド18、アシッドレッド51、アシッドレッド52、アシッドレッド73、アシッドレッド87、アシッドレッド92、アシッドレッド94、アシッドブルー9、アシッドブルー62、アシッドブルー90、アシッドブルー103、アシッドブラック2等の酸性染料や、ローダミン、メチルバイオレット、ビクトリアブルーFB等の塩基性染料等の染料などが使用される。
また、予め界面活性剤や樹脂を用いて微細に安定的に水媒体中に分散された水分散顔料製品等も使用することができる。
例えば、山陽色素(株)社製のSandye Superシリーズ、富士色素(株)社製のFuji SPカラー シリーズ、日精化工業(株)社製のTC Colorシリーズ、御国色素(株)社製のチチカカ カラー シリーズ等を挙げることができる。
なお、前記顔料を分散する樹脂としては、ポリアミド樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリエステル樹脂、エポキシ樹脂、メラミン樹脂、フェノール樹脂、シリコーン樹脂、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、ポリ酢酸ビニル、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリスチレン、アクリル酸樹脂、マレイン酸樹脂、アラビアゴム、セルロース、デキストラン、ガゼイン等、およびそれらの誘導体、前記した樹脂の共重合体等が挙げられる。
また、極性カーボンや、酸性カーボン、グラフトカーボンや、顔料を分散性樹脂で表面加工した易分散性の加工顔料も好適に使用できる。
蛍光顔料としては、各種蛍光性染料を樹脂マトリックス中に固溶体化した合成樹脂微細粒子状の蛍光顔料も使用でき、例えば日本蛍光(株)社製のルミコール NKWシリーズ、シンロイヒ(株)社製の SWシリーズ、SPシリーズ、SGシリーズ、SFシリーズ、御国色素(株)社製のビクトリア カラー シリーズ等が挙げられる。
また、二酸化チタン等の白色顔料、アルミニウム等の金属粉顔料、天然雲母、合成雲母、アルミナ、ガラス片から選ばれる無機顔料、およびそれら芯物質の表面を二酸化チタン等の金属酸化物で被覆したパール顔料、コレステリック液晶型光輝性顔料等も使用することもできる。
さらに、可逆熱変色性組成物を内包したマイクロカプセル顔料や、前記可逆熱変色性組成物と共に、染料や顔料を内包したマイクロカプセル顔料等の熱変色性顔料も使用することもできる。
前記顔料は一種または二種以上を適宜混合して使用することができ、インキ組成物中1〜40質量%、好ましくは2〜25質量%の範囲で用いられる。
前記水溶性有機溶剤としては、水に相溶性のある従来汎用の溶剤が用いられ、エタノール、プロパノール、ブタノール、グリセリン、ソルビトール、トリエタノールアミン、ジエタノールアミン、モノエタノールアミン、エチレングリコール、ジエチレングリコール、チオジエチレングリコール、ヘキシレングリコール、1,3−ブタンジオール、ネオプレングリコール、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、ブチレングリコール、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル ジエチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、2−ピロリドン、N−メチル−2−ピロリドン等が挙げられる。
尚、前記水溶性有機溶剤は1種または2種以上を併用することもでき、インキ組成物中2〜60質量%、好ましくは5〜35質量%の範囲で用いられる。
前記擬塑性付与剤としては、水に可溶ないし分散性の物質が効果的であり、キサンタンガム、ウェランガム、構成単糖がグルコースとガラクトースの有機酸修飾ヘテロ多糖体であるサクシノグリカン(平均分子量約100〜800万)、グアーガム、ローカストビーンガムおよびその誘導体、ヒドロキシエチルセルロース、アルギン酸アルキルエステル類、メタクリル酸のアルキルエステルを主成分とする分子量10万〜15万の重合体、グルコマンナン、寒天やカラゲニン等の海藻より抽出されるゲル化能を有する増粘多糖類、ベンジリデンソルビトールおよびベンジリデンキシリトールまたはこれらの誘導体、架橋性アクリル酸重合体、シリカ、ベントナイト、ラポナイトなどの無機質微粒子、ポリグリセリン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ポリエチレングリコール脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンヒマシ油、ポリオキシエチレンラノリン・ラノリンアルコール・ミツロウ誘導体、ポリオキシエチレンアルキルエーテル・ポリオキシプロピレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル、脂肪酸アミド等のHLB値が8〜12のノニオン系界面活性剤、ジアルキルまたはジアルケニルスルホコハク酸の塩類等を例示でき、単独あるいは混合して使用することができる。
前記擬塑性付与剤は、インキ組成物中0.1〜20.0質量%の範囲で用いることができる。
前記pH調整剤としては、アンモニア、炭酸ナトリウム、リン酸ナトリウム、水酸化ナトリウム、酢酸ソーダ等の無機塩類、トリエタノールアミンやジエタノールアミン等の水溶性のアミン化合物等の有機塩基性化合物、乳酸、クエン酸等が挙げられる。
前記防腐剤あるいは防黴剤としては、石炭酸、1,2−ベンズイソチアゾリン−3−オンのナトリウム塩、安息香酸ナトリウム、デヒドロ酢酸ナトリウム、ソルビン酸カリウム、パラオキシ安息香酸プロピル、2,3,5,6−テトラクロロ−4−(メチルスルフォニル)ピリジン等が挙げられる。
前記防錆剤としては、ベンゾトリアゾールおよびその誘導体、トリルトリアゾール、ジシクロヘキシルアンモニウムナイトライト、ジイソプロピルアンモニウムナイトライト、チオ硫酸ナトリウム、エチレンジアミン四酢酸塩、サポニン、ジアルキルチオ尿素等が挙げられる。
なかでも、疎水基に炭素数12〜15の高級アルコール由来のアルキル基を使用したものが、滑らかで優れた筆感を達成できるため、特に好適である。
高級アルコールであるラウリルアルコール由来のアルキル基を疎水基として使用したものには、第一工業製薬製のプライサーフA208B、A210B、A213B、A219B等が挙げられ、トリデシルアルコール由来のアルキル基を疎水基として使用したものには、第一工業製薬製のプライサーフA212C、A215C等が挙げられる。
炭素数12〜15の合成高級アルコール由来のアルキル基の混合品を疎水基に使用したものとしては、第一工業製薬製のプライサーフA208S、A208N等が挙げられる。
また、前記ボールは、超硬合金、ステンレス鋼、ルビー、炭化珪素、セラミック等が使用できる。
前記インキ収容管にはチップを直接連結する他、接続部材を介して前記インキ収容管とチップを連結してもよい。
尚、前記インキ収容管はレフィルの形態として、前記レフィルを筆記具の軸筒内に収容するものでもよいし、先端部にチップを装着した軸筒自体をインキ収容体として、前記軸筒内に直接インキを充填してもよい。
前記インキ逆流防止体としては、液状またはグリース状のいずれも用いることもでき、前記液状のインキ逆流防止体としては、ポリブテン、シリコーン油等の不揮発性媒体が挙げられ、所望により前記媒体中にシリカ、珪酸アルミニウムや吸油性樹脂等を添加しグリース状にすることもできる。
さらに固体のインキ逆流防止体を併用することもできる。
実施例1
ダイレクトブラック154の15%水溶液 40.0
(オリエント化学(株)社製、商品名:ウォーターブラック187LM、黒色染料水溶液)
エチレングリコール(水溶性有機溶剤) 15.0
ジエチレングリコール(水溶性有機溶剤) 5.0
サクシノグリカン(剪断減粘性付与剤) 0.3
(構成単糖がグルコースとガラクトースの有機酸修飾ヘテロ多糖体)
1,2−ベンゾイソチアゾリン−3−オン(防菌剤) 0.2
(ゼネカ(株)社製、商品名:プロキセルXL−2)
トリエタノールアミン(pH調整剤) 0.5
エリソルビン酸ナトリウム(気泡抑制剤) 1.0
(扶桑化学工業(株)社製、商品名:エルビットN)
リン酸エステル系界面活性剤 0.5
(第一工業製薬(株)社製、商品名:プライサーフA213B ラウリルアルコール由来のアルキル基(C=12)を疎水基とした一般式(1)で表される潤滑剤)
イオン交換水 37.5
合計 100.0
ダイレクトブラック19の15%水溶液 40.0
(オリエント化学(株)社製、商品名:ウォーターブラック191L、黒色染料水溶液)
エチレングリコール(同上) 15.0
ジエチレングリコール(同上) 5.0
サクシノグリカン(同上) 0.3
1,2−ベンゾイソチアゾリン−3−オン(同上) 0.2
トリエタノールアミン(同上) 1.0
エリソルビン酸ナトリウム(同上) 0.1
リン酸エステル系界面活性剤 1.5
(第一工業製薬(株)社製、商品名:プライサーフA213B ラウリルアルコール由来のアルキル基(C=12)を疎水基とした一般式(1)で表される潤滑剤)
イオン交換水 36.9
合計 100.0
青色染料 3.0
(オリエント化学(株)社製、商品名:ウォーターブルー105S、C.I.Acid Blue90)
グリセリン(水溶性有機溶剤) 15.0
ポリエチレングリコール#200(水溶性有機溶剤) 5.0
キサンタンガム(剪断減粘性付与剤) 0.4
1,2−ベンゾイソチアゾリン−3−オン(同上) 0.2
トリエタノールアミン(同上) 0.5
エリソルビン酸ナトリウム(同上) 0.5
リン酸エステル系界面活性剤 0.5
(第一工業製薬(株)社製、商品名:プライサーフA210B ラウリルアルコール由来のアルキル基(C=12)を疎水基とした一般式(1)で表される潤滑剤)
イオン交換水 74.9
合計 100.0
赤色染料 3.0
(オリエント化学(株)社製、商品名:ウォーターレッド#1、C.I.Acid Red18)
エチレングリコール(同上) 15.0
尿素(保湿剤) 5.0
キサンタンガム(同上) 0.15
サクシノグリカン(同上) 0.15
架橋型アクリル酸共重合体(剪断減粘性付与剤) 0.15
(和光純薬(株)社製、商品名:ハイビスワコー104)
1,2−ベンゾイソチアゾリン−3−オン(同上) 0.2
トリエタノールアミン(同上) 0.5
エリソルビン酸ナトリウム(同上) 0.5
リン酸エステル系界面活性剤 1.0
(第一工業製薬(株)社製、商品名:プライサーフA215C トリデシルアルコール由来のアルキル基(C=13)を疎水基とした一般式(1)で表される潤滑剤)
イオン交換水 74.35
合計 100.0
緑色顔料水分散体 40.0
(富士色素(株)社製、商品名:SP Green7246 C.I.Pigment Green7の16%水性分散体、アクリル系樹脂分散剤)
グリセリン(同上) 20.0
架橋型アクリル酸共重合体(同上) 0.4
(和光純薬(株)社製、商品名:ハイビスワコー103)
1,2−ベンゾイソチアゾリン−3−オン(同上) 0.2
トリエタノールアミン(同上) 0.7
エリソルビン酸ナトリウム(同上) 0.5
リン酸エステル系界面活性剤(同上) 1.5
(第一工業製薬(株)社製、商品名:プライサーフA215C トリデシルアルコール由来のアルキル基(C=13)を疎水基とした一般式(1)で表される潤滑剤)
イオン交換水 36.7
合計 100.0
蛍光桃色顔料水分散体 40.0
(日本蛍光化学(株)製、商品名:ルミコールNKW−2117 顔料分約45%)
グリセリン(同上) 20.0
尿素(同上) 7.5
トリエタノールアミン(同上) 1.8
サクシノグリカン(同上) 0.25
1,2−ベンゾイソチアゾリン−3−オン(同上) 0.2
エリソルビン酸ナトリウム(同上) 0.3
リン酸エステル系界面活性剤 1.0
(第一工業製薬(株)社製、商品名:プライサーフA208N 炭素数12〜15の合成アルコール由来のアルキル基を疎水基とした一般式(1)で表される潤滑剤)
イオン交換水 28.95
合計 100.0
実施例1で用いたエリソルビン酸ナトリウムをL−アスコルビン酸(和光純薬(株)社製、商品名:試薬 L−アスコルビン酸)に換えた以外は実施例1と同様にして黒色ゲル状の水性ボールペン用インキ組成物を得た。
実施例2で用いた防錆潤滑剤をオレイン酸カリウムに換えた以外は実施例2と同様にして黒色ゲル状の水性ボールペン用インキ組成物を得た。
実施例3で用いた防錆潤滑剤をスチレン化フェノールを疎水基とした燐酸エステル系界面活性剤(第一工業製薬(株)社製、商品名:プライサーフAL))に変更し、エリソルビン酸ナトリウムをイオン交換水に換えた以外は実施例3と同様にして青色ゲル状の水性ボールペン用インキ組成物を得た。
実施例4で用いたエリソルビン酸ナトリウムをL−アスコルビン酸ナトリウム(扶桑化学工業(株)社製、商品名:L−アスコルビン酸ナトリウム)に換えた以外は実施例4と同様にして赤色ゲル状の水性ボールペン用インキ組成物を得た。
実施例5で用いた防錆潤滑剤をスチレン化フェノールを疎水基とした燐酸エステル系界面活性剤(第一工業製薬(株)社製、商品名:プライサーフAL)に変更し、エリソルビン酸ナトリウムをL−アスコルビン酸(和光純薬(株)社製、商品名:試薬 L−アスコルビン酸)に換えた以外は実施例5と同様にして緑色ゲル状の水性ボールペン用インキ組成物を得た。
実施例6で用いたエリソルビン酸ナトリウムをイオン交換水に換えた以外は実施例5と同様にして蛍光桃色ゲル状の水性ボールペン用インキ組成物を得た。
また、実施例6で得られたインキ組成物および比較例6で得られた蛍光色のインキ組成物については直径0.7mmのボールを抱持するステンレススチール製チップを利用した以外は、上記と同様にしてボールペンの形態とした。
筆感(n=20本)
○:滑らかで柔らかい筆感で良好である。
△:やや重たく硬い筆感であまり好ましくない。
×:筆記不能、筆跡のカスレ、ガリガリした筆感等で問題がある。
気泡の発生(n=20本)
ボールペンの気泡発生を目視にて確認し、その発生本数による気泡発生率にて判断した。
変色の有無(n=20本)
○:目視によるボールペン外観の変色は確認できなかった。
×:初期状態よりボールペン外観が変色し、筆跡も変色したものであった。
顕微鏡によるインキ観察(n=10本)
○:染料の析出、顔料の凝集、その他の異常なし。
×:染料の析出、顔料の凝集、その他の異常が見られる。
具体的には、比較例1は、気泡抑制剤と他の成分との相性が悪く、染料が析出してしまい、筆記不能となってしまった。
比較例2は、使用した防錆潤滑剤がエルソルビン酸ナトリウムの気泡抑制作用を阻害してしまい、気泡が発生してしまった。
比較例4は、L−アスコルビン酸の影響により染料が黒色に変色してしまった。
比較例6は、気泡抑制剤を配合しなかったため、著しく気泡が発生してしまった。
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