JP2797284B2 - 筆記板用水性マーキングペンインキ組成物 - Google Patents

筆記板用水性マーキングペンインキ組成物

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JP2797284B2
JP2797284B2 JP35538092A JP35538092A JP2797284B2 JP 2797284 B2 JP2797284 B2 JP 2797284B2 JP 35538092 A JP35538092 A JP 35538092A JP 35538092 A JP35538092 A JP 35538092A JP 2797284 B2 JP2797284 B2 JP 2797284B2
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water
marking pen
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pen ink
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純一郎 美川
彰 大達
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セーラー万年筆株式会社
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、白板と呼ばれる筆記板
上の筆跡を乾布や軟質紙などの消去具によって簡単に消
去することが可能な筆記板用水性マーキングペンインキ
組成物に関するものである。
【0002】
【従来の技術】非吸収性ないし非浸透性の筆記板に筆記
した筆跡を乾布や軟質紙などの消去具によって拭き取る
ようにして消去する筆記板用マーキングペンインキ組成
物は、溶剤に着色剤、樹脂とともに剥離剤、界面活性剤
などを溶解させている。そして従来は、溶剤として揮発
性の高いケトン類やアルコール類を使用するものが多か
った。
【0003】かかる筆記板用マーキングペンインキ組成
物において、ケトン類は毒性および臭気が強く、アルコ
ール類もメタノールは毒性および臭気が強い。また、エ
タノールは、毒性が比較的弱いものの、原料費用を高め
ることになる。このため、水を主成分にした溶剤を使用
する水性マーキングペンインキ組成物がいろいろと提案
されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところで、従来から提
案されている水性マーキングペンインキ組成物は、ケト
ン類やアルコール類の揮発性溶剤タイプの発想をそのま
ま水性化したものである。このため、筆跡が乾燥した後
には良く消去できる。
【0005】しかしながら、揮発性溶剤に比べて水性溶
剤は乾燥速度がきわめて遅く、特に多湿の環境下では乾
燥に数十分も要する。従って、筆跡が完全に乾燥する前
に消去することがあるが、この場合は筆記板面が汚れ、
完全に消去できない不具合がある。すなわち、水を主成
分にした溶剤を使用する水性マーキングペンインキ組成
物においては、揮発性溶剤タイプと同様に、単純に着色
剤と樹脂の混合皮膜と筆記板との間に常温で液体の不揮
発性溶剤を介在せしめて筆跡の消去を行う方法では対処
が難しい。
【0006】そこで本発明は、筆跡が乾燥する前の消去
性が優れた筆記板用水性マーキングペンインキ組成物を
提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】かかる目的を達成するた
めに、本発明は、水を主成分とする溶剤中に必須の成分
として着色剤としての顔料、樹脂および剥離剤を含有す
る筆記板用水性マーキングペンインキ組成物において、
剥離剤に一般式が化1で表されるリン酸エステル化合物
を使用する。
【化1】
【0008】
【作用】本発明者らは、前記の問題点を解決するために
鋭意研究した結果、一般式が化1で表されるリン酸エス
テル化合物が剥離剤として有効であることを見い出して
本発明を完成したものである。何故に一般式が化1で表
されるリン酸エステル化合物が乾燥前の筆跡の消去に有
効であるかは定かでないが、以下のように推測される。
【0009】すなわち、一般式が化1で表されるリン酸
エステル化合物は、本来、水不溶性でかつ界面活性能を
有するが、このリン酸エステル化合物が同じく水不溶性
である着色剤としての顔料表面に強固に吸着し、顔料粒
子の筆記板表面への付着力を弱めるとともに消去具の繊
維表面への吸着力を高めるため、筆跡の乾燥前に消去し
ようとした時の筆記板への後残りが少なくてきれいに消
去できるものと考えられる。
【0010】以下に本発明のマーキングペンインキの各
組成について説明すると、溶剤として水を使用する水性
インキであるために、揮発性溶剤の場合のように毒性や
不快臭の問題点がない。もっとも、エタノール、プロパ
ノールなどの低級アルコールを溶剤の補助として含有さ
せても良い。これらの低級アルコールは、着色剤として
使用される顔料を分散させるとともに剥離助剤として作
用するが、その含有量はインキ全量に対して3重量%以
内にするべきである。これ以上含有させると不快臭の原
因となり、水性インキとしての意義を失う。
【0011】着色剤としては、顔料が使用される。顔料
としては、例えばカーボンブラック、フタロシアニン
系、アゾ系、キナクリドン系などの合成ないしは天然顔
料が用いられる。これらの顔料は、予め水分散化された
市販品を使用することができる。また、かかる顔料分散
剤に各種の樹脂分散剤や界面活性剤などが含有させたも
のを使用しても良い。
【0012】かかる顔料は、インキ全量に対して通常
0.5〜30重量%、好ましくは0.5〜20重量%の
範囲で含有される。顔料を過多に含有させるとインキ組
成物の粘度が高くなり過ぎるために筆記性が劣るととも
に消去性も低下する。逆に過小すぎるときは、筆跡濃度
が薄くなり、実用的でなくなる。
【0013】次に、樹脂は造膜剤として水溶性樹脂また
は水性樹脂エマルジョンが使用されるが、かかる樹脂と
しては、水溶性アクリル樹脂、ポリビニルアルコール、
ポリビニルピロリトンなどの水溶性樹脂、ポリ酢酸ビニ
ル、ポリスチレン、アクリル樹脂およびこれらの共重合
樹脂のエマルジョンなどを任意に使用することができ
る。
【0014】剥離剤は、前記のとおり、一般式が化1で
表されるリン酸エステル化合物を使用するが、この化合
物は、インキ全量に対して0.05〜5重量%が好まし
い。過度に含有させると粘度が増加するとともに顔料が
凝縮し易くなる。逆に過小では本願発明の目的を達成す
ることができない。
【0015】更には必要に応じて剥離助剤が使用される
が、剥離助剤としては常温で液状の高級炭化水素、高級
アルコール、脂肪族カルボン酸エステル、シリコーンな
どの水性エマルジョンを挙げることができる。これらの
剥離助剤は、筆跡が十分に乾燥した後に、顔料と樹脂の
皮膜と筆記板の間に入り込むので、より簡単に消去でき
るようになる。これらの剥離助剤は、インキ全量に対し
て10重量%以下で使用される。
【0016】顔料や樹脂エマルジョンの水分散性を高め
るために、更には筆跡のレベリング性を高めるために、
各種の界面活性剤が使用される。これらの界面活性剤
は、インキ全量の10重量%以下、好ましくは3重量%
以下で使用する。過剰に添加すると筆跡の消去性が低下
する。
【0017】また、ペン先における乾燥抑制および乾燥
皮膜の可塑剤として、グリコール、グリセリンなどの多
価アルコール類、ピロリドン類。アルコールアミン類な
どの水溶性高沸点有機溶剤も用いることができる。これ
らはインキ全量の30重量%以下、好ましくは10重量
%以下で使用する。これも過剰に添加すると筆跡の消去
性が低下する。これらの添加剤の他、必要に応じて、防
腐剤、防カビ剤などを使用しても良い。
【0018】
〔実施例1〕
着色剤 カーボンブラック 4.0% 樹脂 ポリビニルアルコール 2.0% 活性剤 フロラードFC-430 0.1% (スリーエム社製フッ素系界面活性剤) 剥離剤 レシノールLL-20 1.0% (日本サーファクタント社製リン酸エステル化合物) 湿潤剤 グリセリン 3.0
% 防腐剤 プロキセルXl-2(ICI社製) 0.1%
【0019】〔実施例2〕 着色剤 カーボンブラック 4.0% 樹脂 ポリビニルアルコール 3.0% 活性剤 フロラードFC-430 0.1% 剥離剤 レシノールLL-20 1.0% 湿潤剤 グリセリン 3.0% 防腐剤 プロキセルXL-2 0.1%
【0020】〔実施例3〕 着色剤 カーボンブラック 4.0% 樹脂 ポリビニルアルコール 3.0% 活性剤 フロラードFC-430 0.1% 剥離剤 レシノールLL-20 1.0% シリコーンオイル 4.0% 湿潤剤 エチレングリコール 3.0% 防腐剤 プロキセルXL-2 0.1%
【0021】〔実施例4〕 着色剤 カーボンブラック 4.0% 樹脂 スミカフレックスS-900 5.0% (住友化学社製エチレン酢ビエマルジョン) 活性剤 フロラードFC-430 0.1% 剥離剤 レシノールS-10E 2.0% (日本サーファクタント社製リン酸エステル化合物) 湿潤剤 エチレングリコール 3.0% グリセリン 1.0% 防腐剤 プロキセルXL-2 0.1%
【0022】〔実施例5〕 着色剤 フタロシアンブルー 4.0% 樹脂 ポリビニルアルコール 3.0% 活性剤 フロラードFC-430 0.1% 剥離剤 レシノールS-10E 1.0% 湿潤剤 グリセリン 3.0% 防腐剤 プロキセルXL-2 0.1%
【0023】〔比較例1〕 着色剤 カーボンフラック 4.0% 樹脂 ポリビニルアルコール 2.0% 活性剤 フロラードFC-430 0.1% 剥離剤 添加せず 湿潤剤 グリセリン 3.0% 防腐剤 プロキセルXL-2 0.1%
【0024】〔比較例2〕 着色剤 カーボンブラック 4.0% 樹脂 ポリビニルアルコール 2.0% 活性剤 フロラードFC-430 0.1% 剥離剤 オレイルアルコール 5.0% 湿潤剤 グリセリン 3.0% 防腐剤 プロキセルXL-2 0.1%
【0025】以上の配合で調製したインキを用いて「ほ
うろう」からなる筆記板表面にそれぞれ筆記し、30秒
後(乾燥前)、5分後(乾燥後)、1週間後に乾布を用
いて軽く摩擦して筆跡の消去性を調査した。その結果を
表1に示す。なお、評価は目視にて4段階評価で行い、
極めて良好を◎、良好を○、若干不良を△、不良を×で
表示した。
【0026】
【表1】 これから分かるように、剥離剤に一般式が化1で表され
るリン酸エステル化合物を使用することによって消去性
が向上し、ことに筆跡の乾燥前の消去性が大きく向上す
る。
【0027】
【発明の効果】以上説明したように、本発明は、水を主
成分とする溶剤中に必須の成分として着色剤としての顔
料、樹脂および剥離剤を含有する筆記板用水性マーキン
グペンインキ組成物において、剥離剤に一般式が化1で
表されるリン酸エステル化合物を使用するので、特に筆
跡が乾燥する前の消去性が優れ、従来の揮発性タイプと
同様に使用することが可能な筆記板用水性マーキングペ
ンインキ組成物とすることができる。

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 水を主成分とする溶剤中に必須の成分と
    して、着色剤としての顔料、樹脂および剥離剤を含有
    し、該剥離剤は一般式が化1で表されるリン酸エステル
    化合物であることを特徴とする筆記板用水性マーキング
    ペンインキ組成物。 【化1】
JP35538092A 1992-12-21 1992-12-21 筆記板用水性マーキングペンインキ組成物 Expired - Lifetime JP2797284B2 (ja)

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