JP2003213191A - 水性消去性マーキングペンインキ組成物 - Google Patents
水性消去性マーキングペンインキ組成物Info
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Abstract
分に乾燥していない筆記後の初期の段階においても、筆
跡の消去性にすぐれ、白板に色汚れを残さない水性消去
性マーキングペンインキ組成物を提供する。 【解決手段】(a) 溶剤としての水、(b) 着色剤、(c) 常
温で難揮発性であって、20℃における粘度が50mP
a・秒以下の油状物質をノニオン界面活性剤を乳化剤と
して用いて調製したO/W型エマルジョン、及び(d) 常
温で造膜性を有する樹脂を含有してなる。
Description
ングペンインキ組成物に関する。詳しくは、本発明は、
水性であると共に、非吸収性乃至非浸透性の筆記面、代
表的には所謂白板と呼ばれる筆記面に筆記した筆跡が乾
燥した後は勿論、未だ十分に乾燥していない筆記後の初
期の段階においても、筆跡の消去性にすぐれると共に、
筆跡の消去後に白板に汚れを残さない水性消去性マーキ
ングペンインキ組成物に関する。
筆記した筆跡を柔らかい布帛からなるイレーザ(白板拭
き)にて軽く擦過することによって、筆記面から拭い去
って、筆跡を消去するようにした水性の消去性マーキン
グペンインキ組成物が種々知られている。このような従
来の水性消去性マーキングペンインキ組成物は、一般
に、溶剤としての水、着色剤、造膜性樹脂と共に、剥離
剤といわれる添加剤を含有しており、例えば、特開平1
−252681号公報に記載されているように、脂肪族
カルボン酸エステル等のような常温で難揮発性の油状物
質がエマルジョンとしてインキ組成物中に配合されて、
剥離剤として用いられている。
開平10−25443号公報には、上記剥離剤の安定化
剤として、シクロデキストリンやその誘導体を配合して
なる水性消去性マーキングペンインキ組成物も記載され
ている。
キングペンインキ組成物においては、白板に筆記した
後、筆跡が未だ十分に乾燥していない筆記後の初期の段
階においては、その筆跡をイレーザで擦過しても、イン
キ組成物が白板上に残って、筆跡を十分に消去すること
ができず、白板に色汚れが残る問題がある。
消去性マーキングペンインキ組成物における上述した問
題を解決するためになされたものであって、筆跡が乾燥
した後は勿論のこと、筆跡が未だ十分に乾燥していない
筆記後の初期の段階においても、筆跡の消去性にすぐ
れ、白板に色汚れを残さない水性消去性マーキングペン
インキ組成物を提供することを目的とする。
マーキングペンインキ組成物は、(a) 溶剤としての水、
(b) 着色剤、(c) 常温で難揮発性であって、20℃にお
ける粘度が50mPa・秒以下の油状物質をノニオン界
面活性剤を乳化剤として用いて調製したO/W型エマル
ジョン、及び(d) 常温で造膜性を有する樹脂を含有する
ことを特徴とする水性消去性マーキングペンインキ組成
物。を含有することを特徴とする。
とは、第1には、フェルトペンともいわれる筆記具であ
って、筒状の本体の先端にプラスチック成形物等からな
るペン先を備えると共に、本体内にフェルト、繊維束等
にインキを含浸させてなるインキ貯蔵手段を備え、この
ようなインキ貯蔵手段からペン先に毛細管現象を利用し
てインキを供給し、筆記を可能とする筆記具、所謂中芯
式マーキングペンをいい、第2には、筒状の本体内にイ
ンキをそのまま、直接に貯蔵し、このインキをペン先に
供給するようにした非中芯式又は所謂フリー・インキ型
マーキングペンをいい、本発明による水性消去性マーキ
ングペンインキ組成物は、このような筆記具に好適に用
いることができる。
においては、溶剤として、水が用いられる。インキ組成
物における水の量は、通常、50〜90重量%、好まし
くは60〜80重量%の範囲である。
ンキ組成物において、着色剤として、通常、顔料が用い
られる。このような顔料は、有機顔料でもよく、無機顔
料でもよい。具体例として、例えば、カーボンブラッ
ク、銅フタロシアニンブルー等のフタロシアニン系顔
料、スレン系、アゾ系、キナクリドン系、アンスラキノ
ン系、ジオキサン系、インジゴ系、チオインジゴ系、ペ
リノン系、ペリレン系、インドレノン系、アゾ−アゾメ
チン系等の顔料を挙げることができるが、しかし、これ
らに限定されるものではない。また、蛍光顔料も用いら
れる。
ば、樹脂微粒子を染料や顔料で着色したものや、内部に
染料を取り込んだ樹脂微粒子も用いられる。これらは、
通常、エマルジョンとして用いられる。
は、上記顔料が好ましく用いられ、特に、水溶性樹脂や
樹脂エマルジョンのような分散剤で顔料を水に分散させ
てなる顔料分散体として、インキ組成物に配合されてい
ることが好ましい。上記分散剤としては、特に、スチレ
ン−アクリル樹脂やスチレン−マレイン酸樹脂が好まし
く、これらの樹脂は、顔料1重量部に対して、固形分に
て、通常、0.05〜20重量部、好ましくは、0.1〜5
重量部の範囲で用いられる。
1重量%よりも少ないときは、筆跡の濃度が薄すぎて、
実用性に欠ける。しかし、40重量%を越えて過多に配
合しても、それに見合って筆跡が一層濃くなることもな
く、他方において、インキ組成物の粘度が高すぎるため
に、筆記性に劣ると共に、消去性も低下する。また、ペ
ン先からキャップをはずして放置したとき、ペン先でイ
ンキ組成物が乾燥して、目詰まりを起こしやすい。特
に、本発明によれば、顔料は、インキ組成物において、
好ましくは、1〜30重量%の範囲で配合される。
ンキ組成物において、筆跡の剥離剤として、常温で難揮
発性であって、20℃における粘度が50mPa・秒以
下の油状物質をノニオン界面活性剤を乳化剤として用い
て調製したO/W型エマルジョンがインキ組成物に配合
されている。上記油状物質としては、脂肪族カルボン酸
エステル、高級炭化水素又は高級アルコールが好ましく
用いられる。上記脂肪族カルボン酸エステルには、一塩
基酸エステル、二塩基酸ジエステル、二価アルコールの
モノ若しくはジエステル、三価アルコールのモノ、ジ若
しくはトリエステル、ポリグリセリンエステル等を含む
ものとする。本発明においては、特に、このような脂肪
族カルボン酸エステルが剥離剤として好ましく用いられ
る。
って、20℃における粘度が50mPa・秒以下の油状
物質として、例えば、イソオクタン酸セチル(20℃に
おける粘度(以下、同じ)13.1mPa・秒)、ミリ
スチン酸イソプロピル(粘度5.4mPa・秒)、パル
ミチン酸イソプロピル(粘度7.8mPa・秒)、ステ
アリン酸イソオクチル(粘度15.0mPa・秒)、イ
ソステアリン酸2−ヘキシルデシル(粘度36.8mP
a・秒)、アジピン酸ジイソプロピル(粘度4.2mP
a・秒)、セバシン酸ジエチル(粘度6.1mPa・
秒)、トリ(カプリル酸カプリン酸)グリセリル(粘度
28.3mPa・秒)等を挙げることができる。これら
のなかでも、本発明においては、ステアリン酸イソオク
チル、イソオクタン酸セチル又はトリ(カプリル酸カプ
リン酸)グリセリルが好ましく用いられる。
において、5mPa・秒以上の粘度を有することが好ま
しい。また、上記油状物質は、単独で用いてもよく、2
種以上を併用してもよい。従って、単独では、20℃に
おける粘度が50mPa・秒を越える油状物質であって
も、また、単独では、20℃における粘度が5mPa・
秒よりも小さい油状物質であっても、20℃において、
別の油状物質との混合物としたとき、粘度が5〜50m
Pa・秒の範囲にあるとき、その油状物質を上記油状物
質との混合物として用いることができる。例えば、アジ
ピン酸ジイソプロピルは、単独では、20℃における粘
度は4.2mPa・秒であるが、別の油状物質と混合し
て、その粘度を5〜50mPa・秒の範囲にあるように
して用いることができる。
は、ノニオン界面活性剤を乳化剤として用いて調製した
ものが用いられる。ここに、ノニオン界面活性剤は、エ
マルジョンにおいて、通常、1〜20重量%、好ましく
は、2〜15重量%の範囲で用いられる。剥離剤のエマ
ルジョンの調製において、ノニオン界面活性剤を20重
量%を越えて用いるときは、得られるインキ組成物にて
筆記したとき、筆跡にべたつきを生じて、消去性が低下
する。しかし、ノニオン界面活性剤の使用量が1重量%
よりも少ないときは、得られるエマルジョンの粒子径が
大きく、エマルジョンが不安定となり、延いては、イン
キ組成物を不安定化する。
ば、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシ
エチレンポリオキシプロピレンアルキルエーテル、ポリ
オキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ソルビタン
脂肪酸エステル、ポリオキシエチレングリセリン脂肪酸
エステル、ポリグリセリン脂肪酸エステル、ポリオキシ
エチレンソルビット脂肪酸エステル、ポリオキシエチレ
ンヒマシ油、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油、ポリエ
チレングリコール脂肪酸エステル、ポリオキシエチレン
アルキルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンラノリ
ン、ポリオキシエチレンラノリンアルコール等を挙げる
ことができる。なかでも、ポリオキシエチレンアルキル
エーテル、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンア
ルキルエーテル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸
エステル又はソルビタン脂肪酸エステルが好ましく用い
られる。
マルジョンをノニオン界面活性剤を乳化剤として用いて
調製することによって、その理由は必ずしも明らかでは
ないが、得られるインキ組成物の筆跡の未乾燥時の消去
性を著しく高めることができ、更に、白板の素材の如何
にかかわらず、筆跡の乾燥後の消去性をも著しく高める
ことができる。特に、樹脂塗装白板上の筆跡の乾燥後の
消去性を著しく高めることができる。
ジョンの調製方法は、特に制約を受けるものではなく、
従来より知られている通常の乳化方法によって調製する
ことができる。また、あれば、そのような市販品も用い
ることができる。
して、上記常温(25℃)で難揮発性であって、20℃
における粘度が50mPa・秒以下の油状物質が、通
常、それ自体の重量にて、1〜20重量%の範囲で含有
され、好ましくは、2〜15重量%の範囲で配合され
る。かくして、本発明のインキ組成物によれば、特に、
筆跡の未乾燥時にこれを擦過して、白板に色汚れを残す
ことなく、消去することができる。
よりも少ないときは、筆跡の消去性が十分でなく、他
方、20重量%を越えて過多に配合するときは、筆跡が
却って消去性に劣り、特に、筆跡が未乾燥時に擦過すれ
ば、筆跡が延びて、白板を汚すこととなる。
ペンインキ組成物においては、上記剥離剤のエマルジョ
ンの安定化剤として、シクロデキストリン又はその誘導
体(以下、これらを総称して、シクロデキストリン類と
いうことがある。)を用いることができる。シクロデキ
ストリンは、6乃至10のD−グルコピラノース基がα
−(1,4)グルコシド結合によって環状に結合してなる
糖オリゴマーであって、重合度がそれぞれ6、7及び8
であるα−、β−及びγ−シクロデキストリンがよく知
られている。
又はγ−シクロデキストリンのほか、それらの種々のメ
チル誘導体、例えば、2,6−ジメチル−β−シクロデキ
ストリン、2,3,6−トリメチル−β−シクロデキストリ
ン、部分メチル化β−シクロデキストリンや、マルトシ
ルシクロデキストリン、グリコシルシクロデキストリン
等も有効に用いられる。これらシクロデキストリン類
は、いずれも、程度の差はあるが、水溶性である。
成物において、0.1〜20重量%の範囲で用いられる。
シクロデキストリン類のインキ組成物への配合量が0.1
重量%よりも少ないときは、エマルジョンの安定化の効
果に乏しく、他方、20重量%を越えて過多に配合する
ときは、得られるインキ組成物が増粘して、筆記性に劣
ることとなるほか、筆跡の筆記面への接着力が過度に強
くなって、消去性にも劣ることとなる。本発明によれ
ば、シクロデキストリン類のインキ組成物への配合量
は、好ましくは、0.3〜15重量%の範囲であり、最も
好ましくは、0.5〜10重量%の範囲である。
収面上に筆記し、水が揮散した後に、筆跡が前記着色剤
を含む樹脂からなる被膜又は層を有し、且つ、この樹脂
被膜又は層が前述した剥離剤の層と分離し得るように、
常温で造膜性を有する水不溶性樹脂のエマルジョン若し
くはヒドロゾル、又は、本来、水不溶性であるが、塩基
による造塩によって水可溶化された樹脂か、又は水溶性
樹脂(以下、これらの樹脂を常温造膜性樹脂ということ
がある。)を含有する。
脂としては、好ましくは、(1) ポリ酢酸ビニル、酢酸ビ
ニル共重合体、アルキド樹脂若しくはウレタン樹脂のエ
マルジョン又はヒドロゾル、(2) 水可溶化された酢酸ビ
ニル共重合体、アルキド樹脂又はウレタン樹脂、又は
(3) 水溶性樹脂、又は(4) これらの任意の組合わせが用
いられる。
水可溶化された酢酸ビニル共重合体における共単量体と
しては、酢酸ビニル以外のビニルエステル化合物、例え
ばプロピオン酸ビニル、バーサチック酸ビニル等、不飽
和カルボン酸、例えば、アクリル酸、メタクリル酸、マ
レイン酸、無水マレイン酸、フマル酸、イタコン酸、ク
ロトン酸、シトラコン酸等、或いはビニル炭化水素、例
えば、エチレン、プロピレン、スチレン、α−メチルス
チレン等を挙げることができる。これらは混合して共単
量体として用いられてもよい。更に、上記に加えて、ア
クリル酸メチル、アクリル酸エチル、メタクリル酸メチ
ル、マレイン酸ジメチル等の前記不飽和カルボン酸のエ
ステル類も共単量体として用いることができる。また、
酢酸ビニル共重合体は、ポリ酢酸ビニルへのグラフト共
重合体であってもよい。
例として、例えば、酢酸ビニル−アクリル酸共重合体、
酢酸ビニル−メタクリル酸共重合体、酢酸ビニル−スチ
レン−アクリル酸共重合体、酢酸ビニル−スチレン−無
水マレイン酸共重合体、酢酸ビニル−アクリル酸−アク
リル酸メチル共重合体、酢酸ビニル−メタクリル酸−ア
クリル酸メチル共重合体、酢酸ビニル−アクリル酸−ア
クリル酸エチル共重合体、酢酸ビニル−メタクリル酸−
メタクリル酸メチル共重合体、酢酸ビニル−無水マレイ
ン酸共重合体等を挙げることができる。ポリ酢酸ビニル
や、上記したような酢酸ビニル共重合体のエマルジョン
及びヒドロゾルは、容易に市販品として入手することが
できる。
とは、上記したような酢酸ビニル共重合体を無機又は有
機塩基によって造塩させて水可溶化したものであって、
ナトリウムやカリウムのようなアルカリ金属塩、アンモ
ニウム塩や有機アミン塩のような有機塩を挙げることが
できる。このような水可溶化された酢酸ビニル共重合体
も、市販品として入手することができる。
過剰量の多塩基酸と多価アルコールとから得られる遊離
カルボキシル基を有するアルキド樹脂をアルカリ金属塩
基、アンモニウム塩基、有機アミン等にて中和造塩させ
て、水可溶化してなるもので、これらも市販品として入
手することができる。
えば、重合体主鎖にカルボキシル基を有せしめ、このカ
ルボキシル基をアルカリ金属塩基、アンモニウム塩基、
有機アミン等にて中和造塩させて、水可溶化してなるも
ので、これらも市販品として入手することができる。更
に、アルキド樹脂やウレタン樹脂のエマルジョンやヒド
ロゾルも市販品として入手することができる。
アルコール樹脂、ポリビニルアセタール樹脂、ポリビニ
ルピロリドン樹脂等の合成樹脂が好ましく用いられる。
また、アラビアゴム、セラック等の天然の水溶性樹脂も
用いることができる。
るインキ組成物において、固形分として、0.1〜20重
量%、好ましくは、0.3〜15重量%の範囲で含有され
る。樹脂を過多に含有させるときは、インキ組成物の粘
度が高すぎるために、筆記性に劣ると共に、消去性も低
下する。他方、樹脂の含量が過少にすぎるときは、筆跡
が延びて、筆記面を汚すほか、筆跡の消去性が劣る。
て、剥離助剤として、ノニオン界面活性剤を含有してい
てもよい。このようなノニオン界面活性剤として、例え
ば、ポリオキシエチレンアルキルエーテルやポリオキシ
エチレンアルキルフェニルエーテル等のようなポリオキ
シエチレンエーテル型ノニオン界面活性剤、多価アルコ
ール脂肪酸エステル、多価アルコール脂肪酸エステルの
ポリオキシエチレンエーテル等を挙げることができる。
このようなノニオン界面活性剤は、特に限定されるもの
ではないが、必要に応じて、インキ組成物に0.1〜5
重量%の範囲で配合される。
に応じて、レベリング剤として、ジオクチルスルホ琥珀
酸ナトリウムのようなアニオン界面活性剤のほか、シリ
コーン系界面活性剤、フッ素系界面活性剤、アセチレン
系界面活性剤等を含有していてもよい。このような界面
活性剤剤も、特に限定されるものではないが、必要に応
じて、インキ組成物に0.1〜5重量%の範囲で配合さ
れる。
濡れ剤として、フッ素系界面活性剤を含有していてもよ
い。フッ素系界面活性剤も、特に限定されるものではな
いが、必要に応じて、インキ組成物に0.1〜5重量%
の範囲で配合される。
性を高める乾燥促進剤として、インキ組成物に含まれる
前記エマルジョンを破壊しない程度において、通常、イ
ンキ組成物に基づいて15重量%以下、好ましくは1〜
10重量%の範囲で低級脂肪族アルコールを含有してい
てもよい。特に、エタノール、プロパノール又はブタノ
ールが好ましく用いられる。
に応じて、通常、水性インキ組成物に配合される任意の
pH調整剤や防腐剤、防腐剤等を含有していてもよい。
よるインキ組成物による筆跡は、これから水が蒸発した
ときは、即ち、筆跡が乾燥したときは、前記樹脂が着色
剤を含有しつつ、造膜し、他方、前記剥離剤としての脂
肪族カルボン酸エステル、高級炭化水素、高級アルコー
ル等の常温で難揮発性の油状物質のエマルジョンが破壊
されて、前述した油状層が非吸収性筆記面と上記樹脂膜
との間に介在して形成されるので、筆跡が消去性を有す
る。
して、筆跡における上記油状層と顔料を含む樹脂膜との
分離を助ける効果を有する。しかし、界面活性剤はま
た、筆記時のレベリング性を高めると共に、筆記面上で
の乾燥前の筆跡における剥離剤エマルジョンの偏在をな
くして、筆跡の乾燥後に一様な消去性を付与する効果も
有する。
脂と界面活性剤を水に溶解させ、必要に応じて、シクロ
デキストリン類を加え、攪拌した後、顔料水分散体と剥
離剤のエマルジョンを加え、攪拌することによって得る
ことができる。しかし、本発明によるインキ組成物は、
その製造方法において、特に限定されるものではない。
用インキ組成物は、溶剤としての水と着色剤と常温で造
膜性を有する樹脂と共に、剥離剤として、常温で難揮発
性であって、20℃における粘度が50mPa・秒以下
の油状物質をノニオン界面活性剤を乳化剤として用いて
調製したO/W型エマルジョンを有し、白板上の筆跡が
未だ十分に乾燥していない筆記後の初期の段階において
も、その筆跡を擦過することによって、白板上に色汚れ
を残すことなく、筆跡を消去することができる。勿論、
筆跡が乾燥した後の筆跡の消去性にもすぐれる。
本発明はこれら実施例により何ら限定されるものではな
い。以下の実施例及び比較例において、インキ組成物に
おいて各成分の割合は重量%で示されており、残部は水
である。
ンは次のようにて調製した。油状物質50重量部と乳化
剤10重量部を秤量し、80℃で攪拌した後、これにグ
リセリン5重量部を含むイオン交換水を加え、攪拌し
た。この後、室温まで冷却し、更に、イオン交換水を加
え、攪拌して、剥離剤のエマルジョン100重量部を調
製した。従って、エマルジョン中の剥離剤(油状物質)
の量は50重量%であり、ノニオン界面活性剤の量は1
0重量%である。剥離剤の粘度は、ELD型粘度計(東
機産業(株)製)を用いて、1°34’ロータ10rp
m又は測定可能な回転数にて20℃において測定した。
サ社製カーボンブラック)15%とジョンクリル70
(スチレン−アクリル樹脂水溶液(固形分30%)、ジ
ョンソンポリマー(株)製)10%を含む水分散液 2)ユニチカ化成(株)製ポリビニルアルコール樹脂 3)三洋化成工業(株)製ジオクチルスルホ琥珀酸ナト
リウム 4)セイミケミカル(株)製パーフルオロアルキルアミ
ンオキシド 5)武田薬品工業(株)製ベンズイミダゾール系防腐防
かび剤 6)アビシア(株)製1,2−ベンゾイソチアゾリン−
3−オン(防腐防かび剤) 7)ノヴォパーム・レッドGLF(クラリアントジャパ
ン(株)製赤色顔料)15%とジョンクリル63(スチ
レン−アクリル樹脂水溶液(固形分30%)、ジョンソ
ンポリマー(株)製)10%を含む水分散液 8)日本合成化学工業(株)製ポリビニルアルコール樹
脂 9)共栄社化学(株)製有機変性シリコーン 10)(株)クラレ製ポリビニルアルコール樹脂 11)エアープロダクツジャパン(株)製テトラメチル
デシンジオールポリオキシエチレン付加物
ンに充填し、温度20℃、相対湿度65%の条件下で琺
瑯白板及びアクリル樹脂塗装白板上に所定の記号をそれ
ぞれ筆記し、所定時間の後、イレーザで擦過して、筆跡
の消去性を調べた。即ち、上記筆跡を消去できるまでの
擦過回数を数えると共に、白板上に残存する筆跡(色汚
れ)を色差計(ミノルタ(株)製CR−300)を用い
て測定し、白板自体との色差ΔEにて評価した。即ち、
白板と色汚れの色空間におけるそれぞれの座標値の差を
ΔL、ΔaL 及びΔbL とすれば、ΔE= (ΔL2+Δ
aL 2+ΔbL 2)1/ 2 で定義される。結果を表1及び表2
に示す。
に、本発明のインキ組成物によれば、筆跡が乾燥後(即
ち、筆記して1週間後)の消去性にすぐれることは勿
論、筆跡が未乾燥時(即ち、筆記して5秒後)であって
も、消去性にすぐれており、筆跡を消去した後の白板上
の色汚れも殆どない。
成物によれば、剥離剤として用いる油状物質の粘度が2
0℃において50mPa・秒を越えるために、筆跡が未
乾燥時(即ち、筆記して5秒後)の消去性に劣ってい
る。また、比較例3及び4のインキ組成物によれば、剥
離剤として用いる油状物質の粘度は20℃において50
mPa・秒以下であるものの、剥離剤のエマルジョンを
アニオン界面活性剤を乳化剤として用いて調製したもの
を用いたために、筆跡が未乾燥時、特に、塗装白板上で
の筆跡の消去性に劣っており、更に、筆跡が乾燥後(即
ち、筆記して1週間後)、塗装白板(メラミン塗装白
板)上での筆跡の消去性に著しく劣っている。
Claims (5)
- 【請求項1】(a) 溶剤としての水、 (b) 着色剤、 (c) 常温で難揮発性であって、20℃における粘度が5
0mPa・秒以下の油状物質をノニオン界面活性剤を乳
化剤として用いて調製したO/W型エマルジョン、及び (d) 常温で造膜性を有する樹脂 を含有することを特徴とする水性消去性マーキングペン
インキ組成物。 - 【請求項2】(a) 溶剤としての水、 (b) 着色剤、 (c) 常温で難揮発性であって、20℃における粘度が5
0mPa・秒以下の油状物質をノニオン界面活性剤を乳
化剤として用いて調製したO/W型エマルジョン、 (d) 常温で造膜性を有する樹脂、及び (e) 剥離助剤としての界面活性剤 を含有することを特徴とする水性消去性マーキングペン
インキ組成物。 - 【請求項3】常温で難揮発性の油状物質が脂肪族カルボ
ン酸エステル、高級炭化水素及び高級アルコールから選
ばれる少なくとも1種である請求項1又は2に記載の水
性消去性マーキングペンインキ組成物。 - 【請求項4】常温で造膜性を有する樹脂がポリビニルア
ルコール樹脂である請求項1に記載の水性消去性マーキ
ングペンインキ組成物。 - 【請求項5】エマルジョンの安定化剤としてシクロデキ
ストリン類を含む請求項1から4のいずれかに記載の水
性消去性マーキングペンインキ組成物。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2002018999A JP3934427B2 (ja) | 2002-01-28 | 2002-01-28 | 水性消去性マーキングペンインキ組成物 |
Applications Claiming Priority (1)
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---|---|---|---|
JP2002018999A JP3934427B2 (ja) | 2002-01-28 | 2002-01-28 | 水性消去性マーキングペンインキ組成物 |
Publications (2)
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