JP5233593B2 - ボールペン用インキ - Google Patents

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Description

本発明は、インキを紙面等の被筆記面に転写するボールを、ボールホルダーの先端開口部から一部臨出させて回転自在に抱持したボールペンチップをペン先としたボールペンに収容されるボールペン用インキに関する。
具体的には、ペン先を空気に接した状態で、長期間静置していてもカスレが発生しにくいボールペン用インキに関するものである。
従来、ボールペン用インキは、染料や顔料などの着色材と、溶剤と、紙面への定着を主な目的とした樹脂と、必要に応じて粘度調整、流動特性調整、ボテを防止することを主な目的とした樹脂とからなっている。
このボールペンによる筆記は、ボールホルダーの内孔に流通したインキを、紙面などの被筆記面と接触して移動させられることによって回転するボールによって転写させ、筆跡をつくりだすものである。ペン先を空気に接した状態で、長期間静置しておくと、インキ表面から溶剤が揮発し、着色剤や樹脂がインキ表面に高濃度に局在するようになる。さらに溶剤の揮発が進むと、着色剤や樹脂が析出し、硬い膜となり、再筆記時に、ボールの回転を阻害して、インキの転写がされなくなる、いわゆるカスレが発生しやすいという問題がある。
カスレを防止する事は古くから様々な研究がなされている。その具体的手段としては、ポリオキシエチレンエステル、ポリオキシエチレンジエステル、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、グリセリルエステルといった潤滑剤を添加して、ボールの回転を円滑にしたもの(特許文献1参照)、蒸気圧の低い溶剤を添加して、溶剤の揮発を遅くしたもの(特許文献2参照)、アルキル基とポリオキシエチレン鎖を有するリン酸エステルの中和物を添加し、ボール表面で固まったインキ膜をはがれ易くしたもの(特許文献3参照)、ポリグリセリン脂肪酸エステルを添加し、ペン先に脆い膜を形成させて、溶剤の揮発を遅くしたもの(特許文献4、5参照)などが知られている。
特公昭61−52872号公報(第1頁第1欄2行〜12行) 特開平6−247093号公報(段落番号0004〜0007) 特開2004−107592号公報(段落番号0007〜0010) 特公昭62−34352号公報(第1頁第1欄2行〜20行) 特開2002−53785号公報(段落番号0005〜0008)
潤滑剤を添加し、筆記時のボールの回転を円滑にしたものは、長期間静置した場合は、溶剤の揮発を抑えることが出来ず、インキ表面が硬くなり、ボールの回転が阻害されて、カスレが発生してしまったり、チップ内部のインキまで乾燥してカスレが発生してしまったりした。
アルキル基とポリオキシエチレン鎖を有するリン酸エステルの中和物は、ボール表面に吸着し、硬くなったインキ膜をはがれ易くすることは出来るが、溶剤の揮発を抑えることが出来ず、チップ内部のインキまで乾燥してカスレが発生してしまった。
蒸気圧の低い溶剤を添加したものでは、一時的には効果があるが、長期的には徐々に溶剤が揮発し、インキ表面が硬くなり、ボールの回転が阻害されたり、チップ内部のインキまで乾燥しまったりして、カスレを充分に抑えることが出来なかった。
ポリグリセリン脂肪酸エステルを使用したものでは、インキの界面で脆い膜を形成し、揮発を遅くし、カスレを防ぐとされているが、溶剤とポリグリセリン脂肪酸エステルの親和性が高いため、溶剤が長期的には揮発し、チップ内部のインキまで乾燥してしまい、インキの吐出が減少し、カスレが発生してしまった。
即ち、本発明は、着色剤と、デイビス法により計算したHLB値が5.2以上9.1以下である有機溶剤から選ばれる1種もしくは2種以上の有機溶剤と、オレイルアルコールとリン酸のトリエステルとから少なくともなり、前記デイビス法により計算したHLB値が5.2以上9.1以下である有機溶剤から選ばれる1種もしくは2種以上の有機溶剤がインキ中の溶剤全量に対し50重量%以上であると共に、水分率がインキ全量に対して15重量%以下であるボールペン用インキを要旨とするものである。
ボールペンのインキ吐出部において、インキ表面から溶剤が揮発すると、局所的にオレイルアルコールとリン酸のトリエステルが高濃度で存在するようになる。
オレイルアルコールとリン酸のトリエステルは、リン原子を中心として、親水性の酸素原子との二重結合と、疎水性の3つのエステル基からなっており、酸素原子との二重結合と、3つのエステル基が、4方向に位置する、四面体構造をとっている。そのため、デイビス法により計算したHLB値が、5.2以上、9.1以下である有機溶剤から選ばれる1種もしくは2種以上の有機溶剤のインキ表面において、酸素原子との二重結合は、親水性で溶剤と親和しやすいため、インキ内を向き、疎水性の3つのエステル基は、溶剤と反発するため、インキ外を向き、1つのエステル基が、隣のオレイルアルコールとリン酸のトリエステルの2つのエステル基の間に入り、インキ表面を疎水基が、規則的に密に覆う層を形成する。
インキ表面を密に覆っているオレイル基は、疎水基であるオレイル基と、デイビス法により計算したHLB値が、5.2以上、9.1以下である有機溶剤から選ばれる1種もしくは2種以上の有機溶剤の親水基との反発により、この有機溶剤の揮発を長期的に抑制し、インキ表面が硬くなることを防ぐことが出来る。
オレイルアルコールとリン酸のトリエステルの疎水基であるオレイル基は、炭素鎖の中央部がCis型の2重結合をしているため、炭素鎖の中央部が屈曲している。オレイル基同士は、炭素原子間2重結合同士の相互作用による親和性と、疎水基同士の立体障害による反発性の両方を有しており、トリエステルのオレイル基同士が、屈曲した炭素鎖の中央部で、適度に絡まり合っているため、筆記時における、剪断力で破壊され、ボールの回転を阻害せず、再筆記時のカスレを防ぐことができる。
ここで、インキの水分率が15重量%を超えて存在すると、溶剤の極性が高くなり、疎水性の高いオレイルアルコールとリン酸のトリエステルの表面積を小さくしようと働く力が強くなり、オレイルアルコールとリン酸のトリエステルが液滴状になってしまい、インキ表面を覆うことが困難となり、溶剤の揮発を抑えることができなくなってしまう。
また、オレイルアルコールとリン酸のトリエステルでなく、モノエステル・ジエステルだったり、リン酸とオレイル基の間にポリオキシエチレン基が存在したりすると、ボールや、チップの金属面に吸着するため、インキ表面を覆うのが困難になってしまう。さらに、オレイルアルコールとリン酸のモノエステル・ジエステル、リン酸とオレイル基の間にポリオキシエチレン基が存在するエステルは、たとえインキ表面を覆えたとしても、インキ表面の疎水性が弱くなり、デイビス法により計算したHLB値が、5.2以上、9.1以下である有機溶剤から選ばれる1種もしくは2種以上の有機溶剤の揮発を、抑制することができない。
また、デイビス法により計算したHLB値が、5.2以上、9.1以下である有機溶剤から選ばれる1種もしくは2種以上の有機溶剤が、インキ中の溶剤全量に対し50重量%未満であると、カスレを抑えることができなくなってしまう。
具体的には、デイビス法により計算したHLB値が5.2未満の有機溶剤は、疎水性が強く、疎水基であるオレイル基との反発が得られず、溶剤が揮発してしまい、9.1を超える有機溶剤は、極性が強すぎて、疎水性の高いオレイルアルコールとリン酸のトリエステルの表面積を小さくしようと働く力が強くなり、オレイルアルコールとリン酸のトリエステルが液滴状になり、インキ表面を覆うことが困難となり、溶剤の揮発を抑えることができなくなってしまい、カスレを抑えることができなくなってしまう。
以下に発明を詳細に説明する。
着色剤は一般的に使用されている染料、顔料が使用可能である。染料の一例としては、SPILON BLACK GMH SPECIAL、SPILON RED C−GH、SPILON RED C−BH、SPILON BLUE C−RH、SPILON BLUE BPNH、SPILON YELLOW C−2GH、SPILON VIOLET C−RH、S.P.T. ORANGE6、S.P.T. BLUE111、SOT Yellow−1、SOT Yellow−2、SOT Yellow−3、SOT Yellow−4、SOT Yellow−6、SOT Orange−1、SOT Orange−2、SOT Scarlet−1、SOT Red−1、SOT Red−2、SOT Red−3、SOT Pink−1、SOT Brown−1、SOT Brown−2、SOT Blue−1、SOT Blue−2、SOT Blue−3、SOT Blue−4、SOT Violet−1、SOT Green−1、SOT Green−2、SOT Green−3、SOT Brack−1、SOT Brack−2、SOT Brack−4、SOT Brack−5、SOT Brack−6、SOT Brack−8、ORIENT SPRIT BLACK AB、VALIFAST BLACK 3804、VALIFAST RED 1320、VALIFAST RED 1360、VALIFAST ORANGE 2210、VALIFAST BLUE 1605、VALIFAST VIOLET 1701、VALIFAST BLUE 1601、VALIFAST BLUE 1603、VALIFAST BLUE 1621、VALIFAST BLUE 2601、VALIFAST YELLOW 1110、VALIFAST YELLOW 3104、VALIFAST YELLOW 3105、VALIFAST YELLOW 1109、Oil Colors Yellow #101、Oil Colors Yellow 3G、Oil Colors Yellow GGS、Oil Colors Yellow #105、Oil Colors Yellow #107、Oil Colors Yellow #136、Oil Colors Yellow #140、Oil Colors Orange PS、Oil Colors Orange PR、Oil Colors Orange #201、Oil Colors Pink OP、Oil Colors Pink #312、Oil Colors Scarlet #308、Oil Colors Red RR、Oil Colors Red 5B、Oil Colors Red #330、Oil Colors Brown GR、Oil Colors Brown #416、Oil Colors Brown BB、Oil Colors Green BG、Oil Colors Green #502、Oil Colors Green #533、Oil Colors Blue BOS、Oil Colors Blue IIN、Oil Colors Blue #603、Oil Colors Violet #730、Oil Colors Violet #732、Oil Colors Black BY、Oil Colors Black BS、Oil Colors Black HBB、Oil Colors Black #803、Oil Colors Black EB、Oil Colors Black EX、ネオスーパーブルーC−555、ローダミンBベース、ソルダンレッド3R、メチルバイオレット2Bベース、ビクトリアブルーF4R、C.I.ダイレクトブラック17、同19、同22、同32、同38、同51、同71、ダイレクトレッド1、同4、同23、同31、同37、同39、同75、同80、同81、同83、同225、同226、同227、C.I.ダイレクトブルー1、同15、同41、同71、同86、同87、同106、同108、同199、C.I.ダイレクトイエロー4、同26、同44、同50、などの直接染料や、C.I.アシッドブラック1、同2、同24、同26、同31、同52、同107、同109、同110、同119、同154、C.I.アシッドレッド8、同9、同14、同18、同26、同27、同35、同37、同50、同51、同52、同57、同82、同83、同87、同91、同92、同93、同94、同95、同98、同111、同129、同131、同138、同186、同249、同254、同265、同276、C.I.アシッドイエロー1、同7、同17、同19、同23、同25、同29、同38、同42、同49、同61、同72、同78、同110、同127、同135、同141、同142、C.I.アシッドバイオレット15、同17、同49、C.I.アシッドブルー1、同7、同9、同15、同22、同23、同25、同40、同41、同43、同62、同78、同83、同90、同93、同100、同103、同104、同112、同113、同158、C.I.アシッドグリーン3、同9、同16、同25、同27、C.I.アシッドオレンジ56、C.I.アシッドブルー74、C.I.アシッドグリーン5などの酸性用染料、ソルベントイエロー2、同6、同14、同15、同16、同19、同21、同33、同56、同61、同62、同79、同80、同82、同83:1、同151、ソルベントオレンジ1、同2、同5、同6、同14、同37、同40、同41、同44、同45、同62、ソルベントレッド1、同3、同8、同23、同24、同25、同27、同30、同49、同81、同82、同83、同84、同89、同91、同100、同109、同121、同122、同127、同132、同218、ディスパースレッド9、ソルベントバイオレット8、同13、同14、同21、同21:1、同27、ディスパースバイオレット1、ソルベントブルー2、同4、同5、同11、同12、同25、同35、同36、同38、同44、同45、同55、同67、同70、同73、ソルベントグリーン3、ソルベントブラウン3、同5、同20、同28、同37、ソルベントブラック3、同5、同7、同22、同22:1、同23、同27、同29、同34、同43、同123が挙げられる。
顔料の一例としては、カーボンブラックや不溶性アゾ顔料、アゾレーキ系顔料、縮合アゾ系顔料、ジケトピロロピロール系顔料、フタロシアニン系顔料、キナクリドン系顔料、イソインドリノン系顔料、イソインドリン系顔料、アントラキノン系顔料、ジオキサジン系顔料、インジゴ系顔料、チオインジゴ系顔料、キノフタロン系顔料、ペリノン、ペリレン系顔料等有機顔料などの従来公知の一般的な顔料が使用可能である。これらは単独で用いてもよいし、2種以上組合せて調色して用いてもよい。
カーボンブラックの一例としては、プリンテックス3、同25、同30、同35、同40、同45、同55、同60、同75、同80、同85、同90、同95、同300、スペシャルブラック4、同5、同100、同250、同550(以上、デグサヒュルスジャパン(株)製)、三菱カーボンブラック#2700、同#2650、同#2600、同#2400、同#2350、同#2300、同#2200、同#1000、同#990、同#980、同#970、同#960、同#950、同#900、同#850、同#750、同#650、同#52、同#50、同#47、同#45、同#45L、同#44、同#40、同#33、同#32、同#30、同#25、同#20、同#10、同#5、同#95、同#260、同CF9、同MCF88、同MA600、同MA77、同MA7、同MA11、同MA100、同MA100R、同MA100S、同MA220、同MA230(以上、三菱化学(株)製)、トーカブラック#8500/F、同#8300/F、同#7550SB/F、同#7400、同#7360SB/F、同#7350/F、同#7270SB、同#7100/F、同#7050(以上、東海カーボン(株)製)が挙げられる。青色顔料の一例としては、例えばC.I.Pigment Blue 2、同9、同15、同15:1、同15:2、同15:3、同15:4、同15:6、同16、同17、同28、同29、同36、同60、同68、同76、同80が挙げられる。赤色の顔料の一例としてはC.I.Pigment Red 2、同3、同5、同8、同14、同17、同22、同23、同31、同48:1、同48:2、同48:3、同48:4、同53:1、同53:2、同57:1、同112、同122、同144、同146、同149、同166、同170、同175、同176、同177、同179、同184、同185、同187、同188、同202、同207、同208、同209、同210、同211、同213、同214、同242、同253、同254、同255、同256、同257、同264、同266、同268、同270、同272が挙げられる。黄色の顔料の一例としてはC.I.Pigment Yellow 1、同3、同12、同13、同14、同16、同17、同55、同73、同74、同79、同81、同83、同93、同94、同95、同97、同109、同110、同111、同120、同128、同133、同136、同138、同139、同147、同151、同154、同155、同167、同173、同174、同175、同176、同180、同185、同191、同194、同213が挙げられる。橙色の顔料の一例としてはC.I.Pigment Orange5、同13、同16、同34、同36、同38、同43、同62、同68、同72、同74が挙げられる。緑色の顔料の一例としてはC.I.Pigment Green7、同36、同37が挙げられる。紫色の顔料の一例としてはC.I.Pigment Violet19、同23等が使用出来る。
これらの染料および顔料の使用量はボールペン用インキ全量に対し1重量%以上40重量%以下が好適に使用でき、1重量%以上30重量%以下がより好ましい。使用量が1重量%より少ないと筆跡が薄すぎて判読がし難くなる。また、顔料は40重量%より多いと経時的な沈降による目詰まりによる筆記不能やボールペン用インキ中の固形分の増加により書き味が重くなる不具合を生じやすくなる。
オレイルアルコールとリン酸のトリエステルは、リン酸の3つの水酸基のすべてが、オレイルアルコールとエステルを形成しており、具体的な商品名の一例としては、NIKKOL TOP−0V(日光ケミカルズ(株)製)が挙げられる。オレイルアルコールとリン酸のトリエステルの総量はインキ全量に対し0.1重量%以上10重量%以下で使用することが好ましい。0.1重量%よりも少ないと、充分にカスレを抑制することができず、10重量%よりも多くなると、着色剤や樹脂の溶解性を低下させてしまうおそれがある。
インキ中の水分率は15重量%を越えないようにする。インキの水分率が15重量%を超えると、溶剤の極性が高くなり、オレイルアルコールとリン酸のトリエステルのオレイル基と溶剤との反発力が強くなり、表面積を小さくする力である界面張力が強くなるため、オレイルアルコールとリン酸のトリエステルが液滴状になってしまい、オレイルアルコールとリン酸のトリエステルがインキ表面を覆うことが困難となり、溶剤の揮発を抑えることができなくなってしまう。水は、大気中に多量に存在するため、大気中に静置していると、インキの水分率が減少したり増加したりするが、本発明のインキを温度40℃、湿度80%に静置すると、15重量%付近に収束していく傾向があるようである。
HLB値とは、物質の親水性と疎水性のバランスを表現する値であり、デイビス法とは、物質の官能基によって決まる基数を定め(例えばメチル基やメチレン鎖は疎水基で0.475、水酸基は親水基で1.9、エーテル基は親水基で1.3など)、親水基の基数の総和から疎水基の基数の総和を引いた値に7を足した値である。(参考文献1)J.T.Dvies and E.K.Rideal ,Interfacial Phenomena,Academic Press,New York,1963,Page 371−383
デイビス法により計算したHLB値が、5.2以上、9.1以下である有機溶剤から選ばれる1種もしくは2種以上の有機溶剤の一例としては、メタノール(HLB値8.4)、エタノール(HLB値8.0)、プロピルアルコール(HLB値7.5)、イソプロピルアルコール(HLB値7.5)、ブタノール(HLB値7.0)、ベンジルアルコール(HLB値5.6)、3−メチル−3メトキシブタノール(HLB値7.4)、ヘキシレングリコール(HLB値8.0)、エチレングリコールモノメチルエーテル(HLB値8.8)、エチレングリコールモノエチルエーテル(HLB値8.3)、エチレングリコールモノイソプロピルエーテル(HLB値7.8)、エチレングリコールモノノルマルプロピルエーテル(HLB値7.8)、エチレングリコールモノノルマルブチルエーテル(HLB値7.4)、エチレングリコールモノイソブチルエーテル(HLB値7.4)、エチレングリコールモノフェニルエーテル(HLB値6.4)、エチレングリコールモノベンジルエーテル(HLB値5.9)、エチルヘキシルグリコール(HLB値5.5)、ジエチレングリコールモノメチルエーテル(HLB値9.1)、ジエチレングリコールモノエチルエーテル(HLB値8.7)、ジエチレングリコールモノイソプロピルエーテル(HLB値8.2)、ジエチレングリコールモノノルマルプロピルエーテル(HLB値8.2)、ジエチレングリコールモノイソブチルエーテル(HLB値7.7)、ジエチレングリコールモノフェニルエーテル(HLB値5.9)、ジエチレングリコールモノベンジルエーテル(HLB値5.5)、ジエチレングリコールジブチルエーテル(HLB値5.2)、プロピレングリコールモノメチルエーテル(HLB値8.3)、プロピレングリコールモノエチルエーテル(HLB値7.8)、プロピレングリコールモノイソプロピルエーテル(HLB値7.4)、プロピレングリコールモノノルマルプロピルエーテル(HLB値7.4)、プロピレングリコールモノブチルエーテル(HLB値6.9)、プロピレングリコールモノフェニルエーテル(HLB値5.9)、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル(HLB値8.2)、ジプロピレングリコールモノエチルエーテル(HLB値7.7)、ジプロピレングリコールモノブチルエーテル(HLB値6.8)、ジプロピレングリコールモノフェニルエーテル(HLB値5.8)、ジプロピレングリコールモノベンジルエーテル(HLB値5.3)、トリプロピレングリコールモノメチルエーテル(HLB値9.1)、トリプロピレングリコールモノエチルエーテル(HLB値8.1)、トリプロピレングリコールモノブチルエーテル(HLB値7.1)が挙げられる。これらの溶剤は単独あるいは組み合わせて使用でき、その使用量はインキ全量に対し10重量%以上80重量%以下、溶剤全量に対し50重量%以上が好ましい。水が多いインキにおいては、水に対する親和性と、オレイルアルコールとリン酸のトリエステルとの反発性のバランスから、デイビス法により計算したHLB値が6.0以上、8.0以下の有機溶剤が好ましい。
上記成分の他に必要に応じて、潤滑剤や樹脂、防錆剤、防腐剤、消泡剤、受け座磨耗防止剤等の添加剤を併用することも可能である。
潤滑剤は、ボールの回転を円滑にし、筆記感を向上させるために添加するものであり、一例としては、切削油類、高級脂肪酸類、リン酸エステル類、リン酸エステル類とポリオキシエチレンアルキルアミンとの塩、アシルアミノ酸類、チアゾール類、ポリエチレングリコール又はそのアルキルエーテル類を挙げることが出来る。
樹脂は、顔料などの固形物の分散、定着性向上、糸曳き性付与、筆跡の裏写り防止の他、粘度調整、染料の溶解促進の為に添加するものであり、一例としては、エステルガム、キシレン樹脂、アルキッド樹脂、フェノール樹脂、ポリビニルピロリドン、ポリビニルブチラール、ポリビニルアルコール、アクリル酸エステル系樹脂、メラミン系樹脂、セルロース系樹脂、シクロヘキサノン、アセトフェノン、尿素などのケトンとホルムアルデヒドとの縮合樹脂、シクロヘキサノンの縮合樹脂及びそれらを水素添加した樹脂、マレイン酸樹脂、スチレンとマレイン酸エステルとの共重合体、スチレンとアクリル酸又はそのエステルとの共重合体、ポリビニルアセタール、重合脂肪酸とポリアミン類との縮合体であるポリアミド、エポキシ樹脂、ポリビニルアルキルエーテル、クマロン−インデン樹脂、ポリテルペン、ロジン系樹脂やその水素添加物、ロジン変性されたマレイン酸樹脂、ロジン変性されたフェノール樹脂、ビニルピロリドン−酢酸ビニル共重合物、ポリメタクリル酸エステル、ポリオキシエチレンが挙げられる。これらの樹脂は単独あるいは混合して使用することができる。その使用量はインキ全量に対して0.05〜30重量%が好ましい。
受け座磨耗防止剤の一例としては、アルミナ、炭化珪素、酸化クロム、炭化ホウ素、ジルコン、セン晶石、ヒスイ石、フッ化カルシウム、タングステンカーバイド、シリカ、ダイヤ、ザクロ石、窒化アルミニウム、窒化珪素が挙げられる。
本発明のインキは不使用時のボールとチップの間隙からのインキ漏れだしを防止したり、筆記先端部を上向き(正立状態)で放置した場合のインキの逆流を防止したりするために剪断減粘性を付与しても良い。剪断減粘性剤としては、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、エチルヒドロキシエチルセルロース、エチルセルロースなどのセルロース誘導体、アラビアガム、トラガカントガム、グァーガム、ローカストビーンガム、アルギン酸、カラギーナン、ゼラチン、カゼイン、キサンテンガム、デキストラン、ウェランガム、ラムザンガム、アルカガム、デンプングリコール酸ナトリウム、アルギン酸ナトリウム、アルギン酸プロピレングリコールエステル、ヒドロキシプロピル化グァーガム、メチルセルロース、エチルセルロース、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、ポリビニルメチルエーテル、ポリアクリル酸、カルボキシビニルポリマー、ポリエチレンオキサイド、酢酸ビニルとポリビニルピロリドンの共重合体、アクリル樹脂塩、アクリル酸とアルキルメタクリレートの共重合体又はそれらの塩、ヒアルロン酸等の多糖類、ベンジリデンソルビトール、シリカ、ベントナイト系無機化合物、有機ベントナイトが挙げられる。
本発明において顔料を分散するには通常一般的な方法で可能である。例えば、顔料と、溶剤と、分散剤とを混合し、プロペラ撹拌機等で均一に撹拌した後、分散機で顔料を分散する。ロールミル、ボールミル、サンドミル、ビーズミル、ヘンシェルミキサー、ホモジナイザー、ニーダー等の分散機はインキの溶剤量や、顔料濃度によって適宜選択する。
インキを製造するには、上記で分散した顔料と染料から選ばれる1種もしくは2種以上の色材と、樹脂と、溶剤をホモミキサー等の撹拌機にて充分に混合攪拌した後、他の成分、例えば粘度調整剤や、色調調整のための染料、潤滑剤等を混合し、更に均一になるまで溶解・混合することで得られるが、場合によって混合したインキをさらに分散機にて分散したり、得られたインキを濾過や遠心分離機に掛けて粗大粒子や不溶解成分を除いたりすることは何ら差し支えない。
以下、実施例及び比較例に基づき更に詳細に説明する。尚、各実施例中単に「部」とあるのは「重量部」を表す。また、以下、デイビス法により計算したHLB値を、単に「HLB値」と称する。
(実施例1)
プリンテックス35(カーボンブラック、デグサヒュルスジャパン(株)製) 5.0部
ネオスーパーブルーC−555(C.I.SOLVENT BLUE70、中央合成化学(株)製 17.3部
SPILON RED C−GH(油性染料、保土谷化学工業(株)製) 4.6部
VALIFAST YELLOW 1151油性染料、オリエント化学工業(株)製)
3.1部
ジエチレングリコールモノメチルエーテル(HLB値9.1) 48.4部
エチレングリコールモノイソプロピルエーテル(HLB値7.8) 12.0部
NIKKOL TOP−0V(オレイルアルコールとリン酸のトリエステル、日光ケミカルズ(株)製) 1.0部
エスレックBL−1(ポリビニルブチラール、分散剤、積水化学工業(株)製)1.6部
エスレックBH−3(ポリビニルブチラール、増粘剤、積水化学工業(株)製)2.0部
フォスファノールLB400(リン酸エステル系界面活性剤、潤滑剤、東邦化学工業(株)製) 1.5部
アミート105(POEココナットアミン、界面活性剤、(株)花王製) 1.0部
ユニオールD2000(ポリプロピレングリコール、日本油脂(株)製) 3.5部
上記成分のうち、ジエチレングリコールモノメチルエーテルの全量と、エチレングリコールモノイソプロピルエーテルの全量と、エスレックBL−1の全量を70℃で攪拌、混合溶解した後、これを室温まで放冷してからプリンテックス35の全量を加えダイノーミル(ビーズミル、(株)シンマルエンタープライズ製)で直径0.3mmのジルコニアビーズを用い10回通しを行い黒色のペーストを得た。
次いで、このペーストにネオスーパーブルーC−555の全量と、SPILON RED C−GHの全量と、VALIFAST YELLOW 1151の全量と、NIKKOL TOP−0Vの全量と、フォスファノールLB400の全量と、アミート105の全量と、ユニオールD2000の全量と、エスレックBH−3の全量を加え、70℃で3時間攪拌、混合した後室温まで放冷し黒色のボールペン用インキを得た。
このものの粘度は剪断速度1/sで1020mPa・s、水分率は1.1重量%、であった。
(実施例2)
SPILON VIOLET C−RH(油性染料、保土谷化学工業(株)製)
15.0部
SPILON YELLOW C−GNH(油性染料、保土谷化学工業(株)製)
10.0部
エチレングリコールモノノルマルブチルエーテル(HLB値7.4) 30.0部
ジエチレングリコールジブチルエーテル(HLB値5.2) 30.5部
NIKKOL TOP−0V(オレイルアルコールとリン酸のトリエステル、日光ケミカルズ(株)製) 0.2部
ハイラック110H(ケトン樹脂、粘度調整剤、日立化成(株)製) 6.0部
PEMULEN TR−2(増粘剤、B.F.Goodrich社製、米国) 1.5部
ナイミーンO−205(ポリオキシエチレンオレイルアミン、界面活性剤、日本油脂
(株)製) 1.0部
フォスファノールRP710(POEアルキルエーテルリン酸、潤滑剤、東邦化学工業
(株)製) 0.8部
ユニオールD1200(ポリプロピレングリコール、日本油脂(株)製) 5.0部
上記成分を70℃で攪拌し、均一に溶解して黒色のボールペン用インキを得た。このものの剪断速度1/sの粘度は3150mPa・s、水分率は1.0重量%、であった。
(実施例3)
NOVOPERM RED F3RK70(C.I.Pigment Red 170、クラリアントジャパン(株)製) 5.0部
SPILON RED C−GH 15.6部
SPILON RED C−BH(油性染料、保土谷化学工業(株)製) 0.8部
SPILON YELLOW C−GNH 3.8部
エチレングリコールモノイソブチルエーテル(HLB値7.4) 51.1部
エチレングリコールモノイソプロピルエーテル(HLB値7.8) 13.5部
NIKKOL TOP−0V(オレイルアルコールとリン酸のトリエステル、日光ケミカルズ(株)製) 2.0部
エスレックBL−1 1.6部
PEMULEN TR−2(増粘剤、B.F.Goodrich社製、米国) 0.6部
フォスファノールRP710 1.5部
ナイミーンO−205 1.0部
ユニオールD2000 3.5部
上記成分のうち、エチレングリコールモノイソブチルエーテルの全量と、エチレングリコールモノイソプロピルエーテルの全量と、エスレックBL−1の全量を70℃で攪拌、混合溶解した後、これを室温まで放冷してからNOVOPERM RED F3RK70の全量を加えダイノーミル(ビーズミル、(株)シンマルエンタープライズ製)で直径0.3mmのジルコニアビーズを用い10回通しを行い赤色のペーストを得た。
次いで、このペーストにSPILON RED C−GHの全量と、SPILON RED C−BHの全量と、SPILON YELLOW C−GNHの全量と、NIKKOL TOP−0Vの全量と、フォスファノールRP710の全量と、ナイミーンO−205の全量と、PEMULEN TR−2の全量を加え、70℃で3時間攪拌、混合した後室温まで放冷し赤色のボールペン用インキを得た。このものの粘度は剪断速度1/sで760mPa・s、水分率は1.0重量%であった。
(実施例4)
SPILON VIOLET C−RH 15.0部
SPILON YELLOW C−GNH 10.0部
エチレングリコールモノイソブチルエーテル(HLB値7.4) 52.0部
エチルヘキシルグリコール(HLB値5.5) 9.8部
NIKKOL TOP−0V(オレイルアルコールとリン酸のトリエステル、日光ケミカルズ(株)製) 8.8部
エスレックBH−3(ポリビニルブチラール、増粘剤、積水化学工業(株)製)2.0部
ナイミーンO−205(ポリオキシエチレンオレイルアミン、日本油脂(株)製)
1.0部
フォスファノールRP710(POEアルキルエーテルリン酸、東邦化学工業(株)製)
1.0部
ユニオールD700(ポリプロピレングリコール、日本油脂(株)製) 0.4部
上記成分を70℃で攪拌し、均一に溶解して黒色のボールペン用インキを得た。このものの剪断速度1/sの粘度は920mPa・s、水分率は1.1重量%であった。
(実施例5)
HOSTAPERM P−BFS(C.I.Pigment Blue15:4、クラリアントジャパン(株)製) 7.0部
SPILON RED C−BH 4.0部
ネオスーパーブルーC−555 16.0部
エチレングリコールモノフェニルエーテル(HLB値6.4) 25.0部
エチレングリコールモノイソプロピルエーテル(HLB値7.8) 38.2部
NIKKOL TOP−0V(オレイルアルコールとリン酸のトリエステル、日光ケミカルズ(株)製) 1.0部
エスレックBL−1 1.6部
エスレックBH−3(ポリビニルブチラール、増粘剤、積水化学工業(株)製)1.2部
フォスファノールLB400 1.5部
ナイミーンO−205 1.0部
ユニオールD2000 3.5部
上記成分のうち、エチレングリコールモノフェニルエーテルの全量と、エチレングリコールモノイソプロピルエーテルの全量と、エスレックBL−1の全量を70℃で攪拌、混合溶解した後、これを室温まで放冷してからHOSTAPERM P−BFSの全量を加えダイノーミル(ビーズミル、(株)シンマルエンタープライズ製)で直径0.3mmのジルコニアビーズを用い10回通しを行い青色のペーストを得た。
次いで、このペーストにSPILON RED C−BHの全量と、ネオスーパーブルーC−555の全量と、NIKKOL TOP−0Vの全量と、フォスファノールRP710の全量と、ナイミーンO−205の全量を加え、70℃で3時間攪拌、混合した後室温まで放冷し青色のボールペン用インキを得た。このものの粘度は剪断速度1/sで960mPa・s、水分率は0.9重量%であった。
(実施例6)
実施例1において、ジエチレングリコールモノメチルエーテル5.0部の代わりに、水5.0部を加えた以外は同様にして黒色のボールペン用インキを得た。このものの粘度は剪断速度1/sで1100mPa・s、水分率は5.9重量%であった。
(実施例7)
実施例2において、エチレングリコールモノノルマルブチルエーテル7.0部の代わりに、水7.0部を加えた以外は同様にして黒色のボールペン用インキを得た。このものの粘度は剪断速度1/sで2510mPa・s、水分率は8.1重量%であった。
(実施例8)
実施例3において、エチレングリコールモノイソブチルエーテル13.0部の代わりに、水13.0部を加えた以外は同様にして赤色のボールペン用インキを得た。このものの粘度は剪断速度1/sで850mPa・s、水分率は14.0重量%であった。
(実施例9)
実施例4において、エチレングリコールモノイソブチルエーテル13.0部の代わりに、水13.0部を加えた以外は同様にして黒色のボールペン用インキを得た。このものの粘度は剪断速度1/sで770mPa・s、水分率は14.5重量%であった。
(実施例10)
実施例5において、エチレングリコールモノイソプロピルエーテル14.0部の代わりに、水14.0部を加えた以外は同様にして青色のボールペン用インキを得た。このものの粘度は剪断速度1/sで820mPa・s、水分率は15重量%であった。
(実施例11)
実施例3において、エチレングリコールモノイソブチルエーテル31.0部の代わりに、ジエチレングリコール(HLB値10.2)31.0部を加えた以外は同様にして赤色のボールペン用インキを得た。このものの粘度は剪断速度1/sで1220mPa・s、水分率は1.1重量%であった。
(実施例12)
実施例4において、エチレングリコールモノイソブチルエーテル30.0部の代わりに、ベンゼン(HLB値4.2)30.0部を加えた以外は同様にして黒色のボールペン用インキを得た。このものの粘度は剪断速度1/sで670mPa・s、水分率は0.5重量%であった。
(比較例1)
実施例1において、NIKKOL TOP−0Vの全量の代わりに、ジエチレングリコールモノメチルエーテルを加えた以外は同様にして黒色のボールペン用インキを得た。このものの粘度は剪断速度1/sで1010mPa・s、水分率は1.0重量%であった。
(比較例2)
実施例1において、NIKKOL TOP−0Vの全量、及びジエチレングリコールモノメチルエーテル9部の代わりに、ポリエチレングリコールジオレエート10.0部を加えた以外は同様にして黒色のボールペン用インキを得た。このものの粘度は剪断速度1/sで1420mPa・s、水分率は1.3重量%であった。
(比較例3)
実施例1において、NIKKOL TOP−0Vの全量、及びジエチレングリコールモノメチルエーテル9部の代わりに、ユニオールTG−1000(ポリオキシプロピルトリオール、日本油脂(株)製)10.0部を加えた以外は同様にして黒色のボールペン用インキを得た。このものの粘度は剪断速度1/sで1370mPa・s、水分率は1.5重量%であった。
(比較例4)
実施例1において、NIKKOL TOP−0V 1.0部の代わりに、ヘキサデシルアルコールとリン酸のモノエステル1.0部を加えた以外は同様にして黒色のボールペン用インキを得た。このものの粘度は剪断速度1/sで1020mPa・s、水分率は1.1重量%であった。
(比較例5)
実施例2において、NIKKOL TOP−0V 0.2部、及びエチレングリコールモノノルマルブチルエーテル7.1部の代わりに、RL−210(エチレンオキサイド付加モル数が2モルのステアリルアルコールとリン酸のモノエステル、ジエステル、及び微量なトリエステルからなる混合物、東邦化学工業(株)製)2.0部、ジブチルエタノールアミン0.3部、グリセリン5.0部を加えた以外は同様にして黒色のボールペン用インキを得た。このものの粘度は剪断速度1/sで3250mPa・s、水分率は1.0重量%であった。
(比較例6)
実施例3において、NIKKOL TOP−0V 2.0部の代わりに、ヘキサグリセリンジステアリル2.0部を加えた以外は同様にして赤色のボールペン用インキを得た。このものの粘度は剪断速度1/sで860mPa・s、水分率は1.3重量%であった。
(比較例7)
実施例4において、エチレングリコールモノイソブチルエーテル15.0部の代わりに、水15.0部を加えた以外は同様にして黒色のボールペン用インキを得た。このものの粘度は剪断速度1/sで740mPa・s、水分率は16.2重量%であった。
(比較例8)
実施例5において、エチレングリコールモノイソプロピルエーテル16.0部の代わりに、水16.0部を加えた以外は同様にして青色のボールペン用インキを得た。このものの粘度は剪断速度1/sで810mPa・s、水分率は17.4重量%であった。
(比較例9)
実施例5において、エチレングリコールモノイソプロピルエーテル19.0部の代わりに、水19.0部を加えた以外は同様にして青色のボールペン用インキを得た。このものの粘度は剪断速度1/sで810mPa・s、水分率は20.5重量%であった。
(比較例10)
実施例1において、ジエチレングリコールモノメチルエーテル30.4部の代わりに、エチレングリコール(HLB値9.9)30.4部を加えた以外は同様にして黒色のボールペン用インキを得た。このものの粘度は剪断速度1/sで1120mPa・s、水分率は1.2重量%であった。
(比較例11)
実施例2において、ジエチレングリコールジブチルエーテルの全量の代わりに、シクロへキサン(HLB値4.2)30.5部を加えた以外は同様にして黒色のボールペン用インキを得た。このものの粘度は剪断速度1/sで2150mPa・s、水分率は0.5重量%であった。
以上、実施例、比較例で得たインキについて、下記の試験を行った。結果を表1に示す。
尚、粘度の測定は、ジャスコインタナショナル(株)製のレオメーターVAR−100に、φ20のパラレルローターを取り付け試料台との間隙を0.2mmに調整後、一定速度の項目で剪断速度を1/sに設定して25℃にて、インキ作成後24時間以内に行った。
また、水分率の測定は、平沼産業製のカールフィッシャー水分率測定器 AQV−200、試薬として、HYDRANAL‐COMPOSITE 5(林純薬工業(株)製、ヨウ素と二酸化硫黄とピリジンの無水エタノール溶液)、溶媒として、メタノールを用いて、インキ作成後24時間以内に行った。
(試験用ボールペンの作製)
上記実施例及び比較例で得たボールペン用インキを市販のボールペン(ジェットストリーム、三菱鉛筆(株)製(ボール径φ0.7))からインキを抜いて洗浄した部品に0.3g充填し、遠心機にて遠心力を加えてインキ中の気泡を脱気して、試験用ボールペンを作製した。
初筆カスレ試験:
上記で試験用ボールペンを作製した直後に筆記後、ペン先を空気に接した状態で、無風の温度25℃、湿度65±5%にて3日間静置した後、上質紙に、荷重150g、筆記速度7.0cm/秒、筆記角度70°で直線を10cm筆記し、その書き始めから正常筆記できた筆跡の位置までの長さを定規で測定した結果を表1に示す。また、試験用ボールペンを、温度40℃、湿度80%の恒温槽に3ヶ月静置後、24時間以内に、温度25℃、湿度65±5%の恒温室にて、上質紙に、荷重150g、筆記速度7.0cm/秒、筆記角度70°で直線を10cm筆記し、その書き始めから正常筆記できた筆跡の位置までの長さを定規で測定した結果を表2に示す。
以上、詳細に説明したように本発明は、ペン先を空気に接した状態で、長期間静置していてもカスレが発生しにくいボールペン用インキに関するものである。

Claims (1)

  1. 着色剤と、デイビス法により計算したHLB値が5.2以上9.1以下である有機溶剤から選ばれる1種もしくは2種以上の有機溶剤と、オレイルアルコールとリン酸のトリエステルとから少なくともなり、前記デイビス法により計算したHLB値が5.2以上9.1以下である有機溶剤から選ばれる1種もしくは2種以上の有機溶剤がインキ中の溶剤全量に対し50重量%以上であると共に、水分率がインキ全量に対して15重量%以下であるボールペン用インキ。
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