JP2014091746A - ボールペン用油性インキ - Google Patents

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Abstract

【目的】 本発明は、筆跡のカスレが少ない、ボールペン用油性インキを提供することにある。
【構成】 着色剤と、水溶性有機溶剤と、HLBが4.0以下でかつ脂肪酸残基の炭素数が10以下のポリグリセリン脂肪酸エステルを少なくとも含むボールペン用油性インキ。
【選択図】 なし

Description

本発明は、書き出し時の筆跡のカスレが少ない、ボールペン用油性インキに関するものである。
従来のボールペンは、ボールペンチップ先端部に存在するインキ中の有機溶剤が蒸発すると、インキ中の固形分量が増えるので、該部のインキの粘度が局部的に増粘し、書き出し時にボールが回りにくくなり、書き始めにインキが吐出せずに筆跡がカスレる現象(以下このような書き出し時に生じるカスレ現象を初筆カスレと称する)が起こることがあった。
特許文献1には、不揮発性の溶剤をインキ中に補助的に添加することでインキの乾燥を極力抑制して初筆カスレを防止するものが開示されている。また、特許文献2には、インキに高沸点のテルペン類を添加し、ボール表面のインキがはじかれることでボール表面でのインキの凝集物の発生を抑制し、ボール回転を阻害することがないため初筆カスレを防止するものが開示されている。
更に、特許文献3や特許文献4には、酸性リン酸高級アルコールエステルやポリグリセリン脂肪酸エステルやグリセリン脂肪酸エステルなどの特定のエステル化物をインキ中に含有させることでペン先に脆い薄膜を形成させ、それ以上の揮発を抑制し、当該脆い薄膜は書き出し時のボールの回転力によって容易に破壊されることで初筆カスレが防止されるものが開示されている。
特開平6−247093号公報 特開2006−342321号公報 特公昭62−034352号公報 特開2002−53785号公報
特許文献1に記載の発明では、ボール表面のインキの乾燥速度を遅くし、初筆カスレが生じるまでの時間を長くすることは出来たが、結局、ペン先を外気に長時間露出しておくとインキ中の溶剤は徐々に蒸発してしまうため、初筆カスレを長期にわたって抑制することが出来ないものであった。
特許文献2に記載の発明では、筆記後放置したペン先のボール表面にインキが濡れていないため、再筆記の際にボール表面へのインキ付着部分が紙面に転写されるまでのタイムラグが発生したり、ボール表面は金属面が露出しており、紙との摩擦力が小さくなっていることから、机上に置かずに手持ちした手帳へのメモ書きのような不安定で力の入らない軽荷重筆記の状況ではボールが回転しにくく、初筆カスレの抑制は不十分なものであった。
特許文献3や特許文献4に記載の発明では、エステル化物中の疎水性を有する脂肪酸エステルの炭素数が大きく脂肪酸エステル同士の疎水性相互作用が強かったり、有機溶剤や空気中の水分との複合膜を形成してしまうため、ペン先に形成される薄膜は、机上に置かずに手持ちした手帳へのメモ書きのような不安定で力の入らない軽荷重筆記の時には紙面との摩擦が弱く、すぐに壊れる程度に十分に脆い薄膜とはならないものであった。
本発明は優れた初筆カスレ抑制効果を得ることを目的とするものである。
即ち、本発明は、着色剤と、水溶性有機溶剤と、HLBが4.0以下でかつ脂肪酸残基の炭素数が10以下のポリグリセリン脂肪酸エステルを少なくとも含むボールペン用油性インキを要旨とする。
本発明で使用するHLBが4.0以下でかつ脂肪酸残基の炭素数が10以下のポリグリセリン脂肪酸エステルは、HLBが4.0以下のため、液媒体である水溶性有機溶剤とは相溶せずに、当該水溶性有機溶剤中に液滴として分散した状態で存在し、液媒体である水溶性有機溶剤が揮発すると合一して膜を形成する。この膜は、当該ポリグリセリン脂肪酸エステルのHLBが4.0以下のため水とも親和性がなく、水溶性有機溶剤や水分を取り込まない膜となる。
そして、この膜を構成するポリグリセリン脂肪酸エステルの脂肪酸残基の炭素数が10以下であることから、脂肪酸残基の疎水性相互作用によるポリグリセリン脂肪酸同士の結合力よりも脂肪酸残基の分子運動によるエネルギーの方が大きいことから、上記のポリグリセリン脂肪酸エステルによる膜は、分子間の結合力が小さい。
以上のことから、ボールペンペン先のインキ吐出口において、水溶性有機溶剤が揮発することによって形成される膜は、分子間凝集力の弱いポリグリセリン脂肪酸エステルを構成成分とし、空気中の水分や溶剤を含まず、柔軟性が付与されない脆弱な膜となり、筆記時のボールの回転によって容易に破壊できるようになる。したがってペン先を外気に露出した際にはインキ中の溶剤の乾燥を抑制し、初筆カスレの抑制効果を一層向上させることが出来ると考察される。
本発明において水溶性有機溶剤とは水に無限大に相溶する有機溶剤を指し、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、プロピレングリコール、ポリエチレングリコール、ヘキシレングリコール、1,3−ブチレングリコール、チオジエチレングリコール、グリセリン等のグリコール類、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノイソプロピルグリコール、エチレングリコールモノイソブチルグリコール、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノブチルグリコール、エチレングリコールモノアリルエーテル、エチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノイソプロピルグリコール、ジエチレングリコールモノブチルグリコール、ジエチレングリコールモノイソブチルグリコール、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノベンジルエーテル、ジエチレングリコールメチルエチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、トリエチレングリコールモノメチルエーテル、トリエチレングリコールモノブチルグリコール、トリエチレングリコールジメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノプロピルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノエチルエーテル、トリプロピレングリコールモノメチルエーテル等のグリコールエーテル類、メタノール、エタノール、プロパノール、3−メチル−3−メトキシ−1−ブタノール等のアルコール類、2−ピロリドン、N−メチル−2−ピロリドン等が挙げられる。また、水溶性有機溶剤中にはインキの物性を低下させない範囲であれば水を含有していても良い。
これらの溶剤は単独あるいは組み合わせて使用でき、その使用量は油性インキ全量に対し5重量%以上95重量%以下が好ましい。
水溶性有機溶剤とは別に添加物の相溶性を向上させる目的として有機溶剤を添加することが出来る。例えば、フェニルグリコール、ベンジルモノグリコール、エチレングリコールモノヘキシルエーテル、エチレングリコールモノ2−エチルヘキシルエーテル、ジエチレングリコールモノヘキシルエーテル、ジエチレングリコールモノ2−エチルヘキシルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコールモノフェニルエーテル、ジプロピレングリコールジメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノブチルエーテル、トリプロピレングリコールモノブチルエーテル、3−メチル−3−メトキシ−1−ブチルアセテート等のグリコールエーテル類、ベンジルアルコール、β−フェニルエチルアルコール、α−メチルベンジルアルコール、ブタノール、3−メチル−3−メトキシペンタノール、ラウリルアルコール、トリデシルアルコール、イソデシルアルコール、イソトリデシルアルコール等のアルコール類、メチルイソプロピルエーテル、エチルエーテル、エチルプロピルエーテル、エチルブチルエーテル、イソプロピルエーテル、ブチルエーテル、ヘキシルエーテル、2−エチルヘキシルエーテル等のエーテル類、酢酸−2−エチルヘキシル、イソ酪酸イソブチル、乳酸ブチル等のエステル類を挙げることができる。
これらの溶剤は単独あるいは組み合わせて使用でき、水溶性有機溶剤と混合した時に分離しない量を限度として使用できる。
本明細書における「HLB」とは、「Hydrophile−Lipophile Balance」の略称であり、非イオン界面活性剤の親水性−親油性のバランスを0から20の範囲で表した数値である。0に近づくほど親油性を示し、20に近いほど親水性を示す。この値はIOBの値を10倍することによって計算されるものである。「IOB」とは、「Inorganic value Organic value Balance」の略称であり、有機概念図論に基づいて、無機性値(IV)/有機性値(OV)の比率(I/O比)で求められる数値である。この「IOB」については、「有機概念図」(甲田善生著、三共出版、1984年)などに詳細に説明されている。この手法は、官能基毎にパラメーターを設定する官能基寄与法の一つであり、各官能基に無機性値、有機性値が示されている。IV及びOVは、それぞれ無機性値及び有機性値を表す。
本発明にて使用するポリグリセリン脂肪酸エステルは、市販されているものを用いても良いし、ポリグリセリンと脂肪酸とによるエステル化反応によって自ら合成したものを用いても良い。グリセリンの縮合によって得られたHLBが4.0以下でかつ脂肪酸残基の炭素数が10以下のポリグリセリン脂肪酸エステルを使用する。例えば、テトラカプリン酸ジグリセリル(HLB=0.28、脂肪酸残基の炭素数=10)、テトラペラルゴン酸ジグリセリル(HLB=0.31、脂肪酸残基の炭素数=9)、テトラカプリル酸ジグリセリル(HLB=0.34、脂肪酸残基の炭素数=8)、テトラへプチル酸ジグリセリル(HLB=0.38、脂肪酸残基の炭素数=7)、ペンタカプリン酸トリグリセリル(HLB=0.32、脂肪酸残基の炭素数=10)、ペンタペラルゴン酸トリグリセリル(HLB=0.32、脂肪酸残基の炭素数=9)、ペンタカプリル酸トリグリセリル(HLB=0.35、脂肪酸残基の炭素数=8)、ペンタへプチル酸トリグリセリル(HLB=0.39、脂肪酸残基の炭素数=7)、テトラカプリン酸トリグリセリル(HLB=0.39、脂肪酸残基の炭素数=10)、ヘキサカプリン酸テトラグリセリル(HLB=0.29、脂肪酸残基の炭素数=10)、ヘキサペラルゴン酸テトラグリセリル(HLB=0.32、脂肪酸残基の炭素数=9)、ヘキサカプリル酸テトラグリセリル(HLB=0.35、脂肪酸残基の炭素数=8)、ヘキサへプチル酸テトラグリセリル(HLB=0.39、脂肪酸残基の炭素数=7)、ペンタカプリン酸テトラグリセリル(HLB=0.37、脂肪酸残基の炭素数=10)、ペンタペラルゴン酸テトラグリセリル(HLB=0.40、脂肪酸残基の炭素数=9)、ヘプタカプリン酸ペンタグリセリル(HLB=0.29、脂肪酸残基の炭素数=10)、ヘプタペラルゴン酸ペンタグリセリル(HLB=0.32、脂肪酸残基の炭素数=9)、ヘプタカプリル酸ペンタグリセリル(HLB=0.35、脂肪酸残基の炭素数=8)、ヘプタへプチル酸ペンタグリセリル(HLB=0.39、脂肪酸残基の炭素数=7)、ヘキサカプリン酸ペンタグリセリル(HLB=0.36、脂肪酸残基の炭素数=10)、ヘキサペラルゴン酸ペンタグリセリル(HLB=0.39、脂肪酸残基の炭素数=9)、オクタカプリン酸ヘキサグリセリル(HLB=0.30、脂肪酸残基の炭素数=10)、オクタペラルゴン酸ヘキサグリセリル(HLB=0.32、脂肪酸残基の炭素数=9)、オクタカプリル酸ヘキサグリセリル(HLB=0.35、脂肪酸残基の炭素数=8)、オクタへプチル酸ヘキサグリセリル(HLB=0.39、脂肪酸残基の炭素数=7)、ヘプタカプリン酸ヘキサグリセリル(HLB=0.35、脂肪酸残基の炭素数=10)、ヘプタペラルゴン酸ヘキサグリセリル(HLB=0.38、脂肪酸残基の炭素数=9)、ノナカプリン酸ヘプタグリセリル(HLB=0.30、脂肪酸残基の炭素数=10)、ノナペラルゴン酸ヘプタグリセリル(HLB=0.32、脂肪酸残基の炭素数=9)、ノナカプリル酸ヘプタグリセリル(HLB=0.36、脂肪酸残基の炭素数=8)、ノナへプチル酸ヘプタグリセリル(HLB=0.39、脂肪酸残基の炭素数=7)、オクタカプリン酸ヘプタグリセリル(HLB=0.35、脂肪酸残基の炭素数=10)、オクタペラルゴン酸ヘプタグリセリル(HLB=0.38、脂肪酸残基の炭素数=9)、デカカプリン酸オクタグリセリル(HLB=0.30、脂肪酸残基の炭素数=10)、デカペラルゴン酸オクタグリセリル(HLB=0.33、脂肪酸残基の炭素数=9)、デカカプリル酸オクタグリセリル(HLB=0.36、脂肪酸残基の炭素数=8)、デカへプチル酸オクタグリセリル(HLB=0.39、脂肪酸残基の炭素数=7)、ノナカプリン酸オクタグリセリル(HLB=0.34、脂肪酸残基の炭素数=10)、ノナペラルゴン酸オクタグリセリル(HLB=0.37、脂肪酸残基の炭素数=9)、オクタカプリン酸オクタグリセリル(HLB=0.39、脂肪酸残基の炭素数=10)、ウンデカカプリン酸ノナグリセリル(HLB=0.30、脂肪酸残基の炭素数=10)、ウンデカペラルゴン酸ノナグリセリル(HLB=0.33、脂肪酸残基の炭素数=9)、ウンデカカプリル酸ノナグリセリル(HLB=0.36、脂肪酸残基の炭素数=8)、ウンデカへプチル酸ノナグリセリル(HLB=0.39、脂肪酸残基の炭素数=7)、デカカプリン酸ノナグリセリル(HLB=0.34、脂肪酸残基の炭素数=10)、デカペラルゴン酸ノナグリセリル(HLB=0.37、脂肪酸残基の炭素数=9)、デカカプリル酸ノナグリセリル(HLB=0.40、脂肪酸残基の炭素数=8)、ノナカプリン酸ノナグリセリル(HLB=0.39、脂肪酸残基の炭素数=10)、ドデカカプリン酸デカグリセリル(HLB=0.30、脂肪酸残基の炭素数=10)、ドデカペラルゴン酸デカグリセリル(HLB=0.33、脂肪酸残基の炭素数=9)、ドデカカプリル酸デカグリセリル(HLB=0.36、脂肪酸残基の炭素数=8)、ドデカへプチル酸デカグリセリル(HLB=0.40、脂肪酸残基の炭素数=7)、ウンデカカプリン酸デカグリセリル(HLB=0.34、脂肪酸残基の炭素数=10)、ウンデカペラルゴン酸デカグリセリル(HLB=0.36、脂肪酸残基の炭素数=9)、ウンデカカプリル酸デカグリセリル(HLB=0.40、脂肪酸残基の炭素数=8)、デカカプリン酸デカグリセリル(HLB=0.38、脂肪酸残基の炭素数=10)などを挙げることが出来る。
これらのポリグリセリン脂肪酸エステルは単独あるいは組み合わせて使用でき、その使用量は油性インキ全量に対し0.01重量%以上20重量%以下が好ましい。0.01重量%未満では添加効果が十分発揮されず、20重量%を超えて添加するとインキ中の有機溶剤の含有量が減ってしまい、染料や樹脂のなどのインキ中の固形分の溶解性が不足し、文字カスレが生じやすくなる。ポリグリセリン脂肪酸エステルのHLBは3.0以上4.0以下が好ましく、ポリグリセリン脂肪酸エステルの親水性が高いことで、金属であるボール表面に吸着しやすく、ポリグリセリン脂肪酸エステルの膜とボール表面との摩擦力が大きいため軽荷重での筆記でも膜が壊れやすく初筆カスレの抑制に一層効果がある。ポリグリセリン脂肪酸エステルの脂肪酸残基の炭素数は8以上10以下が好ましく、脂肪酸残基の炭素数が多いと疎水性が大きいことから、親水性である水溶性有機溶剤との親和性が小さくなるためインキ中で液滴となっているポリグリセリン脂肪酸エステルはペン先に集まりやすく初筆カスレの抑制効果が短時間で現れる。
尚、グリセリンの縮合のないモノグリセリン脂肪酸エステルは脂肪酸残基の炭素数が短いものではグリセリン鎖長が短いことからグリセリン分子同士の絡み合いによる膜を形成せず高沸点溶剤としてのみ作用するため、長期間ペン先を外気に露出していると乾燥してしまい、初筆カスレの抑制作用を奏することが出来ない。
本発明において着色剤は特に制限されるものではなく、水溶性染料及び/又は油溶性染料及び/又は顔料を使用することができる。
水溶性染料として具体的には直接染料、酸性染料、塩基性染料などいずれも用いることができる。直接染料の具体例として、ジャパノールファストブラックDコンク(C.I.ダイレクトブラック17)、ウォーターブラック100L(同19)、ウォーターブラックL−200(同19)、ダイレクトファストブラックB(同22)、ダイレクトファストブラックAB(同32)、ダイレクトディープブラックEX(同38)、ダイレクトファストブラックコンク(同51)、カヤラススプラグレイVGN(同71)、カヤラスダイレクトブリリアントエローG(C.I.ダイレクトエロー4)、ダイレクトファストエロー5GL(同26)、アイゼンプリムラエローGCLH(同44)、ダイレクトファストエローR(同50)、アイゼンダイレクトファストレッドFH(C.I.ダイレクトレッド1)、ニッポンファストスカーレットGSX(同4)、ダイレクトファストスカーレット4BS(同23)、アイゼンダイレクトローデュリンBH(同31)、ダイレクトスカーレットB(同37)、カヤクダイレクトスカーレット3B(同39)、アイゼンプリムラピンク2BLH(同75)、スミライトレッドF3B(同80)、アイゼンプリムラレッド4BH(同81)、カヤラススプラルビンBL(同83)、カヤラスライトレッドF5G(同225)、カヤラスライトレッドF5B(同226)、カヤラスライトローズFR(同227)、ダイレクトスカイブルー6B(C.I.ダイレクトブルー1)、ダイレクトスカイブルー5B(同15)、スミライトスプラブルーBRRコンク(同71)、ダイボーゲンターコイズブルーS(同86)、ウォーターブルー#3(同86)、カヤラスターコイズブルーGL(同86)、カヤラススプラブルーFF2GL(同106)、カヤラススプラターコイズブルーFBL(同199)などが挙げられる。
酸性染料の具体例としてアシッドブルーブラック10B(C.I.アシッドブラック1)、ニグロシン(同2)、スミノールミリングブラック8BX(同24)、カヤノールミリングブラックVLG(同26)、スミノールファストブラックBRコンク(同31)、ミツイナイロンブラックGL(同52)、アイゼンオパールブラックWHエクストラコンク(同52)、スミランブラックWA(同52)、ラニルブラックBGエクストラコンク(同107)、カヤノールミリングブラックTLB(同109)、スミノールミリングブラックB(同109)、カヤノールミリングブラックTLR(同110)、アイゼンオパールブラックニューコンク(同119)、ウォーターブラック187−L(同154)、カヤクアシッドブリリアントフラビンFF(C.I.アシッドエロー7:1)、カヤシルエローGG(同17)、キシレンライトエロー2G140%(同17)、スミノールレベリングエローNR(同19)、ダイワタートラジン(同23)、カヤクタートラジン(同23)、スミノールファストエローR(同25)、ダイアシッドライトエロー2GP(同29)、スミノールミリングエローO(同38)、スミノールミリングエローMR(同42)、ウォーターエロー#6(同42)、カヤノールエローNFG(同49)、スミノールミリングエロー3G(同72)、スミノールファストエローG(同61)、スミノールミリングエローG(同78)、カヤノールエローN5G(同110)、スミノールミリングエロー4G200%(同141)、カヤノールエローNG(同135)、カヤノールミリングエロー5GW(同127)、カヤノールミリングエロー6GW(同142)、スミトモファストスカーレットA(C.I.アシッドレッド8)、カヤクシルクスカーレット(同9)、ソーラールビンエクストラ(同14)、ダイワニューコクシン(同18)、アイゼンボンソーRH(同26)、ダイワ赤色2号(同27)、スミノールレベリングブリリアントレッドS3B(同35)、カヤシルルビノール3GS(同37)、アイゼンエリスロシン(同51)、カヤクアシッドローダミンFB(同52)、スミノールレベリングルビノール3GP(同57)、ダイアシッドアリザリンルビノールF3G200%(同82)、アイゼンエオシンGH(同87)、ウォーターピンク#2(同92)、アイゼンアシッドフロキシンPB(同92)、ローズベンガル(同94)、カヤノールミリングスカーレットFGW(同111)、カヤノールミリングルビン3BW(同129)、スミノオールミリングブリリアントレッド3BNコンク(同131)、スミノールミリングブリリアントレッドBS(同138)、アイゼンオパールピンクBH(同186)、スミノールミリングブリリアントレッドBコンク(同249)、カヤクアシッドブリリアントレッド3BL(同254)、カヤクアシッドブリリドブリリアントレッドBL(同265)、カヤノールミリングレッドGW(同276)、ミツイアシッドバイオレット6BN(C.I.アシッドバイオレット15)、ミツイアシッドバイオレットBN(同17)、スミトモパテントピュアブルーVX(C.I.アシッドブルー1)、ウォーターブルー#106(同1)、パテントブルーAF(同7)、ウォーターブルー#9(同9)、ダイワ青色1号(同9)、スプラノールブルーB(同15)、オリエントソルブルブルーOBC(同22)、スミノールレベリングブルー4GL(同23)、ミツイナイロンファストブルーG(同25)、カヤシルブルーAGG(同40)、カヤシルブルーBR(同41)、ミツイアリザリンサフィロールSE(同43)、スミノールレベリングスカイブルーRエクストラコンク(同62)、ミツイナイロンファストスカイブルーB(同78)、スミトモブリリアントインドシアニン6Bh/c(同83)、サンドランシアニンN−6B350%(同90)、ウォーターブルー#115(同90)、オリエントソルブルブルーOBB(同93)、スミトモブリリアントブルー5G(同103)、カヤノールミリングウルトラスカイSE(同112)、カヤノールミリングシアニン5R(同113)、アイゼンオパールブルー2GLH(同158)、ダイワギニアグリーンB(C.I.アシッドグリーン3)、アシッドブリリアントミリンググリーンB(同9)、ダイワグリーン#70(同16)、カヤノールシアニングリーンG(同25)、スミノールミリンググリーンG(同27)などが挙げられる。
塩基性染料の具体例として、アイゼンカチロンイエロー3GLH(C.I.ベーシックイエロー11)、アイゼンカチロンブリリアントイエロー5GLH(同13)、スミアクリルイエローE−3RD(同15)、マキシロンイエロー2RL(同19)、アストラゾンイエロー7GLL(同21)、カヤクリルゴールデンイエローGL−ED(同28)、アストラゾンイエロー5GL(同51)、アイゼンカチロンオレンジGLH(C.I.ベーシックオレンジ21)、アイゼンカチロンブラウン3GLH(同30)、ローダミン6GCP(C.I.ベーシックレッド1)、アイゼンアストラフロキシン(同12)、スミアクリルブリリアントレッドE−2B(同15)、アストラゾンレッドGTL(同18)、アイゼンカチロンブリリアントピンクBGH(同27)、マキシロンレッドGRL(同46)、アイゼンメチルバイオレット(C.I.ベーシックバイオレット1)、アイゼンクリスタルバイオレット(同3)、アイゼンローダミンB(同10)、アストラゾンブルーG(C.I.ベーシックブルー1)、アストラゾンブルーBG(同3)、メチレンブルー(同9)、マキシロンブルーGRL(同41)、アイゼンカチロンブルーBRLH(同54)、アイゼンダイヤモンドグリーンGH(C.I.ベーシックグリーン1)、アイゼンマラカイトグリーン(同4)、ビスマルクブラウンG(C.I.ベーシックブラウン1)などが挙げられる。これらは単独で用いても複数を混合して用いてもよい。
油溶性染料として具体的には、酸性染料、塩基性染料、金属錯塩染料、造塩染料、アジン染料、アントラキノン染料、フタロシアニン染料、トリフェニルメタン染料などが使用でき、具体例として、ニグロシンベ−スEE、同EEL、同EX、同EXBP、同EB、オイルイエロー101、同107、オイルピンク312、オイルブラウンBB、同GR、オイルグリーンBG、オイルブルー613、オイルスカーレット308、同BOS、オイルブラックHBB、同860、同BS、バリファストイエロー1101、同1105、同1109、同3104、同3105、同3108、同4120、同AUM、バリファストオレンジ2210、同3209、同3210、バリファストレッド1306、同1308、同1320、同1355、同1360、同2303、同2320、同3304、同3306、同3320、バリファストピンク2310N、バリファストブラウン2402、同3405、バリファストグリーン1501、バリファストブルー1603、同1605、同1607、同1631、同2606、同2610、同2620、バリファストバイオレット1701、同1702、バリファストブラック1802、同1805、同1807、同3804、同3806、同3808、同3810、同3820、同3830、スピリットレッド102、スピリットブラックAB、オスピーイエローRY、ROB−B、MVB3、SPブルー105(以上、オリエント化学工業(株)製)、アイゼンスピロンイエロー3RH、同GRLHスペシャル、同C−2GH、同C−GNH、アイゼンスピロンオレンジ2RH、同GRHコンクスペシャル、アイゼンスピロンレッドGEH、同BEH、同GRLHスペシャル、同C−GH、同C−BH、アイゼンスピロンバイオレットRH、同C−RH、アイゼンスピロンブラウンBHコンク、同RH、アイゼンスピロンマホガニーRH、アイゼンスピロンブルーGNH、同2BNH、同C−RH、同BPNH、アイゼンスピロングリーンC−GH、同3GNHスペシャル、アイゼンスピロンブラックBNH、同MH、同RLH、同GMHスペシャル、同BHスペシャル、S.B.N.オレンジ703、S.B.N.バイオレット510、同521、S.P.T.オレンジ6、S.P.T.ブルー111、SOTピンク1、SOTブルー4、SOTブラック1、同6、同10、同12、13リキッド、アイゼンローダミンBベース、アイゼンメチルバイオレットベース、アイゼンビクトリアブルーBベース(以上、保土谷化学工業(株)製)、オイルイエローCH、オイルピンク330、オイルブルー8B、オイルブラックS、同FSスペシャルA、同2020、同109、同215、ALイエロー1106D、同3101、ALレッド2308、ネオスーパーイエローC−131、同C−132、同C−134、ネオスーパーオレンジC−233、ネオスーパーレッドC−431、ネオスーパーブルーC−555、ネオスーパーブラウンC−732、同C−733(以上、中央合成化学(株)製)、オレオゾールファストイエロー2G、同GCN、オレオゾールファストオレンジGL、オレオゾールファストレッドBL、同RL(以上、田岡化学工業(株)製)、サビニールイエロー2GLS、同RLS、同2RLS、サビニールオレンジRLS、サビニールファイアレッドGLS、サビニールレッド3BLS、サビニールピンク6BLS、サビニールブルーRN、同GLS、サビニールグリーン2GLS、サビニールブラウンGLS(以上、サンド社製、スイス国)、マゼンタSP247%、クリスタルバイオレット10B250%、マラカイトグリーンクリスタルコンク、ブリリアントグリーンクリスタルH90%、スピリットソルブルレッド64843(以上、ホリディ社製、英国)、ネプチューンレッドベース543、ネプチューンブルーベース634、ネプチューンバイオレットベース604、バソニールレッド540、バソニールバイオレット600、ビクトリアブルーF4R、ニグロシンベースLK(以上、BASF社製、独国)、メチルバイオレット2Bベース(以上、National Anilne Div.社製、米国)などが挙げられる。これらは単独で用いても複数を混合して用いてもよい。
顔料として具体的には、ファーネストブラック、コンタクトブラック、サーマルブラック、アセチレンブラックなどのカーボンブラック、黒色酸化鉄、黄色酸化鉄、赤色酸化鉄、群青、紺青、コバルトブルー、チタンイエロー、ターコイズ、モリブデートオレンジ、酸化チタン、金粉、銀粉、銅粉、アルミニウム粉、真鍮粉、錫粉、雲母系顔料、C.I.PIGMENT RED 2、同3、同5、同17、同22、同38、同41、同48:2、同48:3、同49、同50:1、同53:1、同57:1、同58:2、同60、同63:1、同63:2、同64:1、同88、同112、同122、同123、同144、同146、同149、同166、同168、同170、同176、同177、同178、同179、同180、同185、同190、同194、同206、同207、同209、同216、同245、C.I.PIGMENT ORANGE 5、同10、同13、同16、同36、同40、同43、C.I.PIGMENT VIOLET 19、同23、同31、同33、同36、同38、同50、C.I.PIGMENT BLUE 2、同15、同15:1、同15:2、同15:3、同15:4、同15:5、同16、同17、同22、同25、同60、同66、C.I.PIGMENT BROWN 25、同26、C.I.PIGMENT YELLOW 1、同3、同12、同13、同24、同93、同94、同95、同97、同99、同108、同109、同110、同117、同120、同139、同153、同166、同167、同173、C.I.PIGMENT GREEN 7、同10、同36などが挙げられる。これらは、1種もしくは2種以上混合して用いることが出来る。
また、これらの顔料の他に加工顔料も使用可能である。それらの一例を挙げると、Renol Yellow GG−HW30、同HR−HW30、同Orange RL−HW30、同Red HF2B−HW30、同FGR−HW30、同F5RK−HW30、同Carmine FBB−HW30、同Violet RL−HW30、同Blue B2G−HW30、同CF−HW30、同Green GG−HW30、同Brown HFR−HW30、Black R−HW30(以上、クラリアントジャパン(株)製)、UTCO−001エロー、同012エロー、同021オレンジ、同031レッド、同032レッド、同042バイオレット、同051ブルー、同052ブルー、同061グリーン、同591ブラック、同592ブラック(以上、大日精化工業(株)製)、MICROLITH Yellow 4G−A、同MX−A、同2R−A、Brown 5R−A、Scarlet R−A、Red 2C−A、同3R−A、Magenta 2B−A、Violet B−A、Blue 4G−A、Green G−A(以上、チバ・スペシャリティケミカルズ(株)製)等がある。
インキの粘度調整や筆跡の定着性を目的に、樹脂を適宜調整してインキ中に添加することができる。
具体例を挙げると、ポリビニルピロリドン樹脂、ポリビニルアルコール樹脂、ポリビニルブチラール樹脂、ケトン樹脂、アクリル酸エステル樹脂、メタクリル酸エステル樹脂、スチレン−アクリル酸樹脂、スチレン−マレイン酸樹脂、フェノール樹脂、カルボキシメチルセルローズ、カルボキシエチルセルロース、コラーゲン、カルボキシメチルセルローズ、カルボキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロースなどのセルロース類、キサンタンガム類、サクシノグルカン類、ウエランガム類、ラムザンガム類、グァーガム類、その他水溶性多糖類、N−ビニルアセトアミド重合架橋物等の水溶性合成高分子、無機粘土鉱物などが挙げられる。
これらは単独で用いても良いし、2種以上組み合わせて用いても良い。
本発明においては上記樹脂の中でも、有機溶剤への溶解性が優れ、インキの流動性が良好な、エスレックBL−1、BL−1H、BL−2、BL−2H、BL−5、BL−10、BL−S、BX−L、BM−1、BM−2、BM−5、BM−S、BH−3、BH−6、BH−S、BX−1、BX−5、KS−10、KS−1、KS−3、KS−5(以上、積水化学(株)製)、デンカブチラール#3000−1、#3000−2、#3000−4、#3000−K、#4000−2、#5000−A、#5000−D、#6000−C、#6000−EP、#6000−CS、#6000−AS(電気化学工業(株)製)などのポリビニルブチラール樹脂、ケトンレジンK−90(以上、荒川化学工業(株)製)、ハロン80、110H(以上、本州化学(株)製)、シンセティックレジンAP、SK、1201(以上、ヒュルス社製)、ハイラック111、222、901、110H(以上、日立化成工業(株)製)、SKレジン(以上、エアウォーター(株)製)などのケトン樹脂、ジョンクリル67、678、586、611、680、682、683、690(以上、ジョンソンポリマー(株)製)などのスチレン−アクリル樹脂、タマノル100S、200N、1010R、510、526、586、572S、7509(以上、荒川化学工業(株)製)、ヒタノール1133、1135、1140、1501、1002、2501、2100、2181、2181S、2181SL、2300N、2306N、2330N、2553N、2420、2422、2423A、2426B、643KN(以上、日立化成工業(株)製)、YP−90、YP90L、YSポリスターS145、#2100、#2115、#2130、T80、T100、T115、T130、T145、マイティエースG125、150(以上、ヤスハラケミカル(株)製などのフェノール樹脂を好適に用いることができる。
ボール受座摩耗防止や運筆性改良のための潤滑剤として、オレイン酸などの高級脂肪酸、長鎖アルキル基を有するノニオン性界面活性剤、ポリエーテル変性シリコーンオイル、チオ亜燐酸トリ(アルコキシカルボニルメチルエステル)やチオ亜燐酸トリ(アルコキシカルボニルエチルエステル)などのチオ亜燐酸トリエステル、ポリオキシエチレンアルキルエーテル又はポリオキシエチレンアルキルアリールエーテルのリン酸モノエステル、ポリオキシエチレンアルキルエーテル又はポリオキシエチレンアルキルアリールエーテルのリン酸ジエステル、或いは、それらの金属塩、アンモニウム塩、アミン塩、アルカノールアミン塩などを使用することもできる。
顔料の分散性を良好なものとするために、アニオン、カチオン、ノニオン、両性の界面活性剤や、高分子樹脂を補助的に使用することができる。具体的には、高級脂肪酸、高級アルコール硫酸エステル塩類、脂肪酸硫酸エステル塩類、アルキルアリルスルホン酸類、リン酸エステル類、ポリオキシアルキレンアルキルエーテル類、ポリオキシアルキレンアルキルフェニルエーテル類、ソルビタン脂肪酸エステル類等のアニオン、ノニオン、カチオン性の界面活性剤や、ポリビニルブチラール樹脂、ポリビニルピロリドン樹脂、ポリアクリル酸エステル樹脂、ポリメタクリル酸エステル樹脂、スチレン−アクリル酸樹脂、スチレン−マレイン酸樹脂、などの顔料分散用の樹脂やオリゴマーなどが挙げられる。
これらは単独で用いても良いし、2種以上組み合わせて用いても良い。
また、顔料を分散するには汎用されている一般的な方法を用いることが可能である。例えば、顔料と溶剤と分散剤を混合し、プロペラ撹拌機等で均一に撹拌した後、分散機で顔料を分散する。ロールミル、ボールミル、サンドミル、ビーズミル、ホモジナイザー等の分散機はインキの液媒体の量、顔料濃度によって適宜選択する。
その他必要に応じて、ベンゾトリアゾール、金属塩系、リン酸エステル系化合物などの防錆剤や、イソチアゾロン、オキサゾリジン系化合物などの防腐剤や、シリコン系、鉱物油、フッ素系化合物などの消泡剤や、グリセリン、ソルビタン系、多糖類、尿素、エチレン尿素またはこれらの誘導体などの湿潤剤や、アセチレングリコール、アセチレンアルコール、シリコン系、フッ素系界面活性剤などのレベリング性付与剤や、凍結防止剤などの従来公知のインキ用添加剤を併用することも可能である。
インキを製造するには、上記で分散した顔料と他の成分、例えば粘度調整用樹脂や溶剤、潤滑剤、水溶性多糖類等を混合し、ホモミキサー等の撹拌機にて均一になるまで溶解・混合することで得られるが、場合によって混合したインキをさらに分散機にて分散したり、得られたインキを濾過や遠心分離機に掛けて粗大粒子や不溶解成分を除いたりすることは何ら差し支えない。
実施例にてインキを配合するにあたって、ポリグリセリン脂肪酸エステルの作製を行った。特開昭63−68541号公報を参考にし、ルナック 10−98(カプリン酸、花王(株)製)とジグリセリンS(ジグリセリン、阪本薬品工業(株)製)とからテトラカプリン酸ジグリセリルを作成した。ルナック 8−98(カプリル酸、花王(株)製)とPGL 06(ポリグリセリン6量体、(株)ダイセル製)とからオクタカプリル酸ヘキサグリセリルを作成した。ヘプチル酸(伊藤製油(株)製)とPGL 06からオクタヘプチル酸ヘキサグリセリルを作成した。ヘプチル酸とPGL 10(ポリグリセリン 10量体、(株)ダイセル製)とからドデカヘプチル酸デカグリセリルを作成した。ルナック 10−98とPGL 10とからデカカプリン酸デカグリセリルを作成した。ペラルゴン酸(東京化成工業(株)製)とPGL 10とからデカペラルゴン酸デカグリセリルを作成した。ウンデカン酸(和光純薬工業(株)製)とPGL 10とからデカウンデカン酸デカグリセリルを作成した。
実施例1
PRINTEX35(着色剤、カーボンブラック、デグザヒュルスジャパン(株)製)
10.4重量%
ジエチレングリコールモノメチルエーテル(水溶性有機溶剤) 78.0重量%
テトラカプリン酸ジグリセリル(HLB=2.8、脂肪酸残基の炭素数=10のポリグリセリン脂肪酸エステル) 5.6重量%
エスレックBL−1(樹脂、ポリビニルブチラール、積水化学(株)製) 5.0重量%
エスレックBH−3(樹脂、ポリビニルブチラール、積水化学(株)製) 1.0重量%
上記成分のうち、ジエチレングリコールモノメチルエーテルの全量と、エスレックBL−1の全量を70℃で攪拌、混合溶解した後、これを室温まで放冷してからPRINTEX35の全量を加えダイノーミル(ビーズミル、(株)シンマルエンタープライズ製)で直径0.3mmのジルコニアビーズを用い10回通しを行い黒色のペーストを得た。次いで、このペーストに残りの材料の全量を加え、70℃で3時間攪拌して黒色のボールペン用油性インキを得た。
実施例2
Cromophtal Blue A3R(着色剤、C.I.Pigment Blue 60、大同化成工業(株)製) 5.3重量%
VALIFAST BLUE 1605(着色剤、油性染料、オリヱント化学工業(株))
10.0重量%
ジエチレングリコールモノメチルエーテル(水溶性有機溶剤) 47.6重量%
エチレングリコールモノイソプロピルエーテル(水溶性有機溶剤) 4.0重量%
ベンジルアルコール(有機溶剤) 20.6重量%
イオン交換水 3.0重量%
オクタカプリル酸ヘキサグリセリル(HLB=3.5、脂肪酸残基の炭素数=8のポリグリセリン脂肪酸エステル) 3.5重量%
エスレックBL−1(樹脂、ポリビニルブチラール、積水化学(株)製) 5.0重量%
エスレックBH−3(樹脂、ポリビニルブチラール、積水化学(株)製) 1.0重量%
上記成分のうち、ジエチレングリコールモノメチルエーテルと、エチレングリコールモノイソプロピルエーテルと、ベンジルアルコールの全量と、エスレックBL−1の全量を70℃で攪拌、混合溶解した後、これを室温まで放冷してからCromophtal Blue A3Rの全量を加えダイノーミル(ビーズミル、(株)シンマルエンタープライズ製)で直径0.3mmのジルコニアビーズを用い10回通しを行い青色のペーストを得た。次いで、このペーストに残りの材料の全量を加え、70℃で3時間攪拌して青色のボールペン用油性インキを得た。
実施例3
SPIRON VIOLET C−RH(着色剤、油性染料、保土ヶ谷化学工業(株)製)
13.0重量%
SPIRON YELLOW C−GNH(着色剤、油性染料、保土ヶ谷化学工業(株)
製) 7.0重量%
エチレングリコールモノイソプロピルエーテル(水溶性有機溶剤) 55.2重量%
エチレングリコールモノフェニルエーテル(有機溶剤) 15.1重量%
オクタヘプチル酸ヘキサグリセリル(HLB=3.9、脂肪酸残基の炭素数=7のポリグリセリン脂肪酸エステル) 8.2重量%
PVP−K90(樹脂、ポリビニルピロリドン、アイエスピー・ジャパン(株)製)
1.5重量%
上記成分を70℃で3時間攪拌して黒色のボールペン用油性インキを得た。
実施例4
PRINTEX35(着色剤、カーボンブラック、デグザヒュルスジャパン(株)製))
7.6重量%
SPIRON VIOLET C−RH(着色剤、油性染料、保土ヶ谷化学工業(株)製)
6.0重量%
SPIRON YELLOW C−GNH(着色剤、油性染料、保土ヶ谷化学工業(株)
製) 2.0重量%
ジエチレングリコールモノメチルエーテル(水溶性有機溶剤) 30.2重量%
エチレングリコールモノフェニルエーテル(有機溶剤) 28.7重量%
ドデカヘプチル酸デカグリセリル(HLB=4.0、脂肪酸残基の炭素数=7のポリグリセリン脂肪酸エステル) 19.5重量%
エスレックBL−1(樹脂、ポリビニルブチラール、積水化学(株)製) 5.0重量%
エスレックBH−3(樹脂、ポリビニルブチラール、積水化学(株)製) 1.0重量%
上記成分のうち、ジエチレングリコールモノメチルエーテルと、エチレングリコールモノフェニルエーテルの全量と、エスレックBL−1の全量を70℃で攪拌、混合溶解した後、これを室温まで放冷してからPRINTEX35の全量を加えダイノーミル(ビーズミル、(株)シンマルエンタープライズ製)で直径0.3mmのジルコニアビーズを用い10回通しを行い黒色のペーストを得た。次いで、このペーストに残りの材料の全量を加え、70℃で3時間攪拌して黒色のボールペン用油性インキを得た。
実施例5
SPIRON YELLOW C−GNH(着色剤、油性染料、保土ヶ谷化学工業(株)
製) 2.0重量%
SPIRON RED C−GH(着色剤、油性染料、保土ヶ谷化学工業(株)製)
15.0重量%
ジエチレングリコールモノメチルエーテル(水溶性有機溶剤) 60.9重量%
ベンジルアルコール(有機溶剤) 10.5重量%
イオン交換水 10.0重量%
デカカプリン酸デカグリセリル(HLB=3.8、脂肪酸残基の炭素数=10のポリグリセリン脂肪酸エステル) 0.1重量%
PVP−K90(樹脂、ポリビニルピロリドン、アイエスピー・ジャパン(株)製)
1.5重量%
上記成分を70℃で3時間攪拌して赤色のボールペン用油性インキを得た。
比較例1
実施例1において、テトラカプリン酸ジグリセリルの全量をデカペラルゴン酸デカグリセリル(HLB=4.1、脂肪酸残基の炭素数=9のポリグリセリン脂肪酸エステル)に置き換えた以外は実施例1と同様にして黒色のボールペン用油性インキを得た。
比較例2
実施例1において、テトラカプリン酸ジグリセリルの全量をデカウンデカン酸デカグリセリル(HLB=2.8、脂肪酸残基の炭素数=11のポリグリセリン脂肪酸エステル)に置き換えた以外は実施例1と同様にして黒色のボールペン用油性インキを得た。
比較例3
実施例1において、ジエチレングリコールモノメチルエーテルの全量をベンジルアルコールに置き換えた以外は実施例1と同様にして黒色のボールペン用油性インキを得た。
比較例4
実施例1において、テトラカプリン酸ジグリセリルの全量の全量をジエチレングリコールモノメチルエーテルに置き換えた以外は実施例1と同様にして黒色のボールペン用油性インキを得た。
比較例5
実施例1において、テトラカプリン酸ジグリセリルの全量の全量をD−リモネンN(テルペン類、ヤスハラケミカル(株)製)に置き換え、ジエチレングリコールモノメチルエーテルの全量を3−メチル−3−メトキシ−1−ブタノール(水溶性有機溶剤)に置き換えた以外は実施例1と同様にして黒色のボールペン用油性インキを得た。
比較例6
実施例1において、テトラカプリン酸ジグリセリルの全量をEMALEX DSG−6(ヘキサグリセリンジステアリル、HLB=4.0、脂肪酸残基の炭素数=18のポリグリセリン脂肪酸エステル、日本エマルジョン(株)製)に置き換え、ジエチレングリコールモノメチルエーテルの内60.0重量%をエタノール(水溶性有機溶剤)置き換え、18.0重量%をプロピレングリコールモノエチルエーテル(水溶性有機溶剤)に置き換えた以外は実施例1と同様にして黒色のボールペン用油性インキを得た。
試験用ボールペンの作製
上記実施例1〜5及び比較例1〜6で得たボールペン用油性インキを市販の油性ボールペン(.e−ball、製品符号BK127、ぺんてる(株)製(ボール径φ0.7))と同構造の筆記具に0.3g充填し、遠心機にて遠心力(1000rpm、5分間)を加えてインキ中の気泡を脱気して、試験用ボールペンを作製した。
初筆カスレの確認試験
上記試験用のボールペンを各実施例、比較例あたり10本ずつ作成し、それぞれ筆記荷重150g、筆記角度70°で10cm直線筆記をした直後に、ペン先を露出させた状態で横向きにて室温で静置した。それぞれ、30分後、24時間後、1週間後に、筆記荷重75g、筆記角度70°で筆記した時の書き出しのカスレ長さを測定し、初筆カスレ長さとした。測定結果より10本の平均値を計算した。
結果を表1に示す。
Figure 2014091746
実施例1〜5において、着色剤と、水溶性有機溶剤と、HLBが4.0以下でかつ脂肪酸残基の炭素数が10以下のポリグリセリン脂肪酸エステルを少なくとも含むボールペン用油性インキは初筆カスレを抑制していることを表している。実施例2及び実施例5において、ポリグリセリン脂肪酸エステルのHLBが3.0以上4.0以下で親水性が高いことで、金属であるボール表面に吸着しやすく、ポリグリセリン脂肪酸エステルの膜とボール表面との摩擦力が大きいため軽荷重での筆記でも膜が壊れやすく、さらに、ポリグリセリン脂肪酸エステルの脂肪酸残基の炭素数は8以上10以下で脂肪酸残基の炭素数が多く、疎水性が大きいことから、親水性である水溶性有機溶剤との親和性が小さくなるためインキ中で液滴となっているポリグリセリン脂肪酸エステルはペン先に集まりやすく初筆カスレの抑制効果が短時間で現れることを表している。
比較例1はHLBが大きいことによってインキ中の水分や有機溶剤成分を含んだ複合膜がペン先に形成されるため、軽荷重での筆記では上記膜は弾力性があり壊れにくいことを表している。比較例2及び比較例5はポリグリセリン脂肪酸エステル中の脂肪酸残基の炭素数が大きいことから、ペン先に形成された膜中のポリグリセリン脂肪酸エステル分子間の脂肪酸残基による疎水性相互作用が大きいため、上記膜が壊れにくいことを表している。比較例3は有機溶剤とポリグリセリン脂肪酸エステルが相溶しやすく、ペン先の膜が溶剤を含んだ複合膜を形成することから、軽荷重での筆記では上記膜は弾力性があり壊れにくいことを表している。比較例4はペン先からの溶剤蒸発を抑制することが出来ないためボール表面に発生したインキ成分の凝集物がボールの回転を阻害していることを表している。比較例6は筆記後のボール表面にはインキが残っておらず、再筆記の際にボールと紙面との抵抗が小さくボールが回転し難いこととボールが回転してもインキの付着した部分がすぐに転写されないことを表している。

Claims (1)

  1. 着色剤と、水溶性有機溶剤と、HLBが4.0以下でかつ脂肪酸残基の炭素数が10以下のポリグリセリン脂肪酸エステルを少なくとも含むボールペン用油性インキ。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2018154824A (ja) * 2017-03-17 2018-10-04 株式会社パイロットコーポレーション 油性ボールペン用インキ組成物及びそれを用いた油性ボールペン
JP2018184572A (ja) * 2017-04-27 2018-11-22 株式会社パイロットコーポレーション 油性ボールペン用インキ組成物およびそれを用いた油性ボールペン
JP2020083927A (ja) * 2018-11-16 2020-06-04 株式会社パイロットコーポレーション 筆記具用インキ組成物およびそれを用いた筆記具

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