JP4127762B2 - ボールペン - Google Patents

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【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、油性インキを充填したボールペンに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、筆記先端ボールを回転可能に抱持したボールペンチップを装着してなるボールペン用の油性インキとして、着色材、溶剤例えば高沸点、低蒸気圧溶剤であるエチレングリコールモノフェニルエーテル、ベンジルアルコールなどに代表されるアルコール類を含有し、インキ粘度10,000〜30,000mPa・s(20℃)からなるものは良く知られている。こうした油性インキを充填したボールペンにおいて、筆記時における100m当たりのインキ消費量は、例えば、筆記先端ボールのボール径がφ0.5mmの場合では約10mg、φ0.7mmの場合では約20mg、φ1.0mmの場合では約30mgであった。すなわち、ボール径をXmmとし、100m当たりのインキ消費量をY(mg)とした場合に、Y≦30Xの関係であるものが一般的であり、インキ消費量を多く設定してもY<35Xであった。
【0003】
しかし、前記油性インキは、インキ粘度が高いため、自ずと筆記時のボール回転抵抗が大きくなり、書き味が非常に重く良好とは言えない。だからといって、ただ単にインキ粘度を下げた場合には、書き味は良好となるが、筆跡の乾燥性が低下し、また垂れ下りが発生してしまう不具合が生じてしまうという問題があり、結果的には書き味を犠牲にしているのが現実であった。
【0004】
こうした問題を解決するものとして、特開平6−313143号公報、特開平6−313144号公報、特開平7−196972号公報、特開平9−48941号公報等により、インキ粘度特性を擬塑性とし、筆記時のインキ粘度は低粘度で、筆記していない状態では高粘度とする新たなインキが提案されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、インキ粘度特性を擬塑性としても、前述したような油性インキを充填したボールペンにおいては、前述したように、100m当たりのインキ消費量Y(mg)が少ないために(ボール径をXとした場合、Y<35Xである)、垂れ下りの抑制や筆感向上の効果はあるものの、筆跡の鮮明さという点で満足いたしかねる部分があった。
【0006】
そこで、発明者は、筆跡の鮮明さを得るために100m当たりのインキ消費量:Y(mg)を増量していろいろ調べた結果、筆記先端ボールの外径:Xとの関係をY≧60Xとすることにより、筆跡の鮮明なものが得られることを知得した。
【0007】
しかし、ボールペンチップのクリアランス等によって、インキ消費量を増量して高濃度の筆跡を得ることができたものの、従来の高沸点溶剤を有した油性インキにおいては、前述したように、インキ消費量が増量するに従って筆跡の滲み、紙面への裏抜け等の不具合や筆跡の乾燥性が悪いなどの新たな問題が生じてしまった。すなわち、100m当たりのインキ消費量:Y(mg)をY≧60Xとすることにより、より筆跡の鮮明なものが得られるが、筆跡の滲み、紙面への裏抜け等の不具合が生じてしまった。
【0008】
本発明はこうした問題を鑑みて、筆記先端ボールを回転可能に抱持したボールペンチップを装着し、油性インキを充填したボールペンにおいて、筆跡が鮮明であり、書き味が良く、滲み、裏抜け、垂れ下りのないボールペンを提供するものである。
【0009】
【課題を解決する手段】
本発明は、
「1.着色剤、非ニュートン粘性付与剤、インキ全量に対し10〜60質量%の高沸点の有機溶剤、インキ全量に対し5〜50質量%の炭素数4以下の脂肪族アルコールを含有した、非ニュートン粘性指数が0.4〜0.9であり、剪断速度500sec−1における粘度が500〜5,000mPa・s(20℃)である油性ボールペン用インキを充填し、ボールペンチップの筆記先端ボールをチップ先端縁の内壁に押圧するコイルスプリングを配設するとともに、前記筆記先端ボールのボール径がφ1.0mm以下であって、前記筆記先端ボールのボール径がX(mm)である100m当たりのインキ消費量Y(mg)が、200X≧Y≧60Xの関係にあることを特徴とするボールペン。
2.剪断速度500sec−1におけるインキ粘度が、1,000〜3,000mPa・s(20℃)であることを特徴とする第1項または第2項に記載のボールペン。」である。
【0010】
本発明における100m当たりのインキ消費量の算出方法は、ISO12757−1に準じた方法を用いる。
【0011】
また、インキ粘度は、英国キャリメ社製CLSレオメーターを用いて20℃の測定環境でコーンプレートの角度、直径を適切な値として剪断速度1〜600sec−1の範囲で測定した。非ニュートン粘性指数(n)は、前記CLSレオメーターにより得られた剪断応力値(T)及び剪断速度値(j)を粘度計による流動学的測定から得られる実験式(T=Kj:K及びnは計算された定数である)にあてはめることによって計算される値を示す。
【0012】
本発明の第一の特徴は、筆跡の鮮明さを出すために、100m当たりのインキ消費量:Y(mg)が、ボールペンチップの筆記先端ボールのボール径をX(mm)とした時に、Y≧60Xの関係式を満足するものであるとしたことである。
【0013】
インキ消費量が増量すれば筆跡の鮮明さが向上することはよく知られているが、Y<60Xでは、筆跡の鮮明さにおいて満足できるものは得られない。一方、インキ消費量が増量すれば、筆跡乾燥性が低下することも事実であり、Y>200Xになると、インキ消費量が多いため筆跡の乾燥性が低下する傾向となる。また、インキ消費量の増加に伴いボールペンの総筆記距離が低下してしまうことも考慮し、200X≧Y≧60Xとすることが好ましい。ここで言う総筆記距離とは、ボールペンの油性インキが無くなるまで筆記をした時の筆記距離のことである。
【0014】
第二の特徴は、インキ組成物中に炭素数4以下の脂肪族アルコールを含有することである。
【0015】
前述したように、筆跡が鮮明であるためには、100m当たりのインキ消費量:Y(mg)が、筆記先端ボールのボール径をX(mm)とした時にY≧60Xの関係式を満足するインキ消費量が必要であるが、従来のエチレングリコールモノフェニルエーテル、ベンジルアルコールのような高沸点溶剤を含有したインキ組成物では、蒸気圧が起因して、インキ粘度調整剤を含有しても滲み、裏抜けを防止することはできない。
【0016】
この欠点を解決するために、インキ組成物中に炭素数4以下の脂肪族アルコールを含有することで、蒸発力を増加させ紙面へ描写されたとき、瞬時に蒸発乾燥して増粘し、筆跡の滲み、紙面への裏抜けを防止することを見出した。炭素数4以下の脂肪族アルコールの含有量は、インキ全量に対し5〜50質量%が望ましい。5質量%より少ないと、十分な蒸発効果が得られず、筆跡の滲み,紙面への裏抜けが発生するとともに、筆跡の乾燥性が悪い。一方、50質量%より多いと、所望するインキ粘度が得難いだけでなく、蒸発力が大きくなり、書き出し性能が悪くなってしまう。炭素数4以下の脂肪族アルコールとしては、メタノール、エタノール、n−ブタノール、s−ブタノール、t−ブタノール、n−プロパノール等が挙げられる。好ましくは、エタノール、n−ブタノール、n−プロパノールが良い。これらは、単独又は併用して使用してもかまわない。
【0017】
第三の特徴は、剪断速度500sec−1における粘度を500〜5,000mPa・sとすることである。
【0018】
インキ粘度が500mPa・s未満では、筆感は良好となるものの、炭素数4以下の脂肪族アルコールを含有しても筆跡の滲み、紙面への裏抜けが防止できない。また、5,000mPa・sより大きくなると、書き味が良好でなく、筆跡の乾燥性も低下する傾向になる。
【0019】
第四の特徴は、インキ組成物中に非ニュートン粘性付与材を添加し、非ニュートン粘指数を0.4〜0.9とすることである。
【0020】
前述したように、筆感を良好となすために筆記時つまり高剪断時のインキ粘度を低く設定したため、必然的にインキ漏れ発生の可能性が増大する。また、100m当たりのインキ消費量を増加させるには、ボールとチップとの間隙を広げる、すなわちチップの開口面積も増加する必要があり、炭素数4以下の脂肪族アルコールの蒸発力だけでは、インキ漏れは防止できない。この欠点を解決するためにインキ組成物中に非ニュートン粘性付与剤を含有させることで、インキ粘度特性を擬塑性とし、ボールペンを使用していない時のインキ粘度を可能な限り高粘度とした。非ニュートン粘指数が0.4以下になると追従不良を発生し、線切れ、息継ぎ、筆跡カスレ現象となる。一方0.9以上になると十分な静止時粘度が得られず、垂れ下りを防止することができない。
【0021】
本発明の油性ボールペンインキに使用される非ニュートン粘性付与剤は、脂肪酸アマイドワックス及びその誘導体、架橋型ポリNビニルアセトアミド、直鎖脂肪酸エステル重合体、酸化ポリエチレン、硬化ヒマシ油、有機ベントナイト、シリカ、硫酸エステル系界面活性剤、架橋型アクリル酸重合体などがあるが、安定性から考えて、脂肪酸アマイドワックス、架橋型ポリNビニルアセトアミドが好適である。
【0022】
本発明に採用する着色材としては、染料及び/又は顔料が用いられる。染料としては、従来から油性ボールペンに採用されているアルコール可溶染料,油溶性染料,直接染料,酸性染料,塩基性染料、含金染料、及び各種造塩タイプ染料等が採用可能である。また、顔料としては、有機、無機、加工顔料、例えば、カーボンブラック、フタロシアニン系、アゾ系、キナクリドン系、キノフタロン系、スレン系、トリフェニルメタン系等がある。これらの着色材は単独又は2種以上混合して使用してもかまわない。含有量は、インキ組成物全量に対し、5〜40質量%が望ましい。
【0023】
また、有機溶剤は、インキ成分の溶媒、分散媒として用いる。具体的には、ベンジルアルコール、プロピレングリコール、ブチレングリコール等のアルコール類及びグリコール類、エチレングリコールモノフェニルエーテル等のグリコールエーテル類、Nメチルピロリドン等の含窒素系溶剤等が使用可能である。これらは、単独、2種以上混合して使用してもかまわない。含有割合は、インキ組成物全量に10〜60質量%が好ましい。
【0024】
インキ粘度調整剤としては、フェノール樹脂、マレイン樹脂、アミド樹脂、キシレン樹脂、水添ロジン樹脂、ケトン樹脂、テルペン樹脂、ブチラール樹脂等が挙げられる。これらは、紙面への定着剤,固着剤及び顔料分散剤としても効果を示す。これらは単独、2種以上混合して使用してもかまわない。
【0025】
また、泣き、ボテ性能を良好にするために、曳糸性付与剤も適時採用可能である。添加剤の例として、ポリビニルピロリドン、ポリエチレンオキサイド、ヒドロキシプロピルセルロース、ゴム系高分子化合物等が挙げられる。これらは、単独又は2種以上混合して使用してもかまわない。その他添加剤として、界面活性剤、防錆剤、分散剤、潤滑剤、染料溶解安定剤等が適時選択して添加することができる。
【0026】
また、本発明は、筆跡を鮮明とするために、100m当たりのインキ消費量:Y(mg)を、筆記先端ボールのボール径をX(mm)とした際にY≧60Xの関係式を満足するインキ出を有することが重要な用件の一つとしているが、ボール径がφ1.0mm以下の場合、全体のインキ消費量が少なく、筆跡の鮮明さが表現し難いので特に効果が顕著である。
【0027】
【実施例】
実施例1
本発明の実施例のボールペンは、図1に示すように、インキ収容筒2の先端に、ボール径がφ0.7mmのボール4を回転自在に抱時したボールペンチップ3を、チップホルダー5を介して装着するとともに、インキ収容筒2内に、下記油性インキ6を収容したボールペンレフィール1を、図示していないが、軸筒内に収納してなる一般的な構造のものである。尚、本実施例では便宜上、ボールペンチップを、チップホルダーを介してインキ収容筒に装着しているが、チップホルダーを有さない構造のものであっても良い。また、本実施例ではボールの後端に、ボールをチップ先端縁の内壁に押圧するコイルスプリングを配設していないが、コイルスプリングを配設することによって垂れ下りの抑制が向上するので好ましい。
【0028】
油性インキ6は、先ず、有機溶剤としてベンジルアルコール、エチレングリコールモノフェニルエーテルを採用し、これを所定量秤量して60℃に加温した後、ディスパー攪拌機を用いて、脂肪酸アマイドワックスとしてターレンBA600(共栄社化学株式会社製)を均一に分散膨潤させた。次いで潤滑剤としてオレイン酸を、曳糸性付与剤としてポリビニルピロリドンK−90(和光純薬工業株式会社製)を、着色剤として染料系のスピロンブラックGMH−スペシャル(保土谷化学工業株式会社製)及びバリファーストバイオレット1701(オリエント化学工業株式会社製)の2種類を完全に溶解させ、自然冷却により室温まで冷まし、黒色ベースインキを得た。一方、炭素数4以下の脂肪族アルコールとしてエタノール採用し、これを所定量秤量し、室温にてインキ粘度調整剤(油溶性粘度調整樹脂)としてハイラック110H(日立化成工業株式会社製、ケトン樹脂)をディスパー攪拌機を用いて完全溶解させ、これを先程の黒色べースインキにディスパー攪拌機を用いて少量ずつ添加させ室温にて1時間攪拌し、油性インキを得た。具体的な配合量は下記の通りである。
【0029】
炭素数4以下の脂肪族アルコール(エタノール) 18.0質量%
有機溶剤(ベンジルアルコール) 8.0質量%
有機溶剤(エチレングリコールモノフェニルエーテル) 14.7質量%
脂肪酸アマイドワックス(ターレンBA600) 1.2質量%
着色剤(スピロンブラックGMH−スペシャル) 15.0質量%
着色剤(バリファーストバイオレット1701) 15.0質量%
潤滑剤(オレイン酸) 1.0質量%
インキ粘度調整剤(ハイラック110H) 27.0質量%
曳糸性付与剤(ポリビニルピロリドンK−90) 0.1質量%
【0030】
実施例2、3
油性インキの炭素数4以下の脂肪族アルコールを表1に記載した通りとした以外は実施例1と同様にして油性インキを得てインキ収容筒に充填し、実施例1と同様にしてボールペンを得た。
【0031】
実施例4
油性インキの着色材として顔料を添加し、インキ中に均一に分散し、粘度調整樹脂としてブチラール樹脂を用い、各インキ組成物を表1に記載した通りに配合した以外は実施例1と同様にして油性インキを得てインキ収容筒に充填し、実施例1と同様にしてボールペンを得た。顔料としては、プリンテックス140V(デグサ社製)を採用した。ブチラール樹脂としては、PVB BX−L(積水化学工業株式会社製)を採用した。
【0032】
実施例5、6
油性インキの炭素数4以下の脂肪族アルコールを表1に記載した通りに2種類以上配合し、各インキ組成物を表1に記載した通りに配合した以外は実施例1と同様にして油性インキを得てインキ収容筒に充填し、実施例1と同様にしてボールペンを得た。
【0033】
実施例7
油性インキの非ニュートン粘性付与剤として架橋型ポリNビニルアセトアミドを表1に記載した通りに添加し、各インキ組成物を表1に記載した通りに配合した以外は実施例1と同様にして油性インキを得てインキ収容筒に充填し、実施例1と同様にしてボールペンを得た。架橋型ポリNビニルアセトアミドとしては、レオジックGX205(日本純薬株式会社製)を採用した。
【0034】
実施例8、9
ボール径がφ1.0mmのボールを回転自在に抱時したボールペンチップを装着した以外は、実施例1又は2と同様のボールペンを得た。
【0035】
実施例10、11
ボール径がφ0.5mmのボールを回転自在に抱時したボールペンチップを装着した以外は、実施例1又は2と同様のボールペンを得た。
【0036】
表1
Figure 0004127762
【0037】
比較例1
実施例1の油性用インキにおいて、炭素数4以下の脂肪族アルコールであるエタノールを添加せず、その他の配合を表2に記載した通りとした以外は実施例1と同様にして油性ボールペン用インキを得てインキ収容筒に充填し、実施例1と同様にしてボールペンを得た。
【0038】
比較例2
実施例4の油性インキにおいて、炭素数4以下の脂肪族アルコールであるエタノールを添加せず、その他の配合を表2に記載した通りとした以外は実施例1と同様にして油性インキを得てインキ収容筒に充填し、実施例1と同様にしてボールペンを得た。
【0039】
比較例3
実施例1の油性用インキにおいて、非ニュートン粘性付与剤を添加せず、その他の配合を表2に記載した通りとした以外は実施例1と同様にして油性ボールペン用インキを得てインキ収容筒に充填し、実施例1と同様にしてボールペンを得た。
【0040】
比較例4、5
実施例1の油性用インキにおいて、各インキ組成物の配合を表2に記載した通りとした以外は実施例1と同様にして油性ボールペン用インキを得てインキ収容筒に充填し、実施例1と同様にしてボールペンを得た。
【0044】
表2
Figure 0004127762
【0045】
試験方法及び評価
実施例1〜11及び比較例1〜10のボールペンについて、下記の試験を行い、評価した。
1.筆感(手書き筆記において)
低筆圧で筆記可能で滑らかで特に良好ものを ……◎
良好なものを ……○
やや劣るものを ……△
低筆圧で筆記できず滑り感のないものを ……× とした。
2.滲み(手書き筆記において)
全く発生せず極めて良好なものを ……◎
実用上において気にならないものを ……○
やや気になるものを ……△
非常に気になるものを ……× とした。
3.裏抜け:手書き筆記において
全く発生せず極めて良好なものを ……◎
実用上において気にならないものを ……○
やや気になるものを ……△
非常に気になるものを ……× とした。
4.筆記鮮明さ:100m筆記後、筆跡を目視にて確認。
インキ色が鮮やかで筆跡が鮮明であるものを ……○
インキ色が薄く筆跡が鮮明でないものを ……× とした。
5.筆跡乾燥性:筆記直後、1分間、500gfで用紙を圧着して、
転写の形成が認められないものを ……○
転写の形成が認めらたが実用上気にならないものを……△
転写の形成が認められ、非常に気になるものを ……× とした。
【0046】
各実施例及び比較例の評価結果は、表1及び表2に示す通りである。
比較例1並びに2は、炭素数4以下の脂肪族アルコールを含まないために、筆記直後の筆跡に十分な蒸発力が得られず乾燥性が悪く、紙へ浸透してしまい筆跡滲み,裏抜けが良好とはならなかった。
【0047】
比較例3は、非ニュートン粘性付与剤を含まないために、垂れ下りを防止できなかった。
【0048】
比較例4は、500sec−1時のインキ粘度が高く、ボール回転抵抗が強くなるため筆感が良好とはならない。さらに、筆記により転写されたインキの表面のみの蒸発が進み、筆跡内部のインキまで乾燥しないために、筆跡乾燥性が良好とはならなかった。
【0049】
比較例5は、インキ粘度が低過ぎるために、炭素数4以下の脂肪族アルコールの蒸発力を持ってしても滲み裏抜けが良好とはならなかった。
【0051】
【発明の効果】
以上、詳細に説明したように、筆記先端ボールを回転可能に抱持したボールペンチップを装着し、油性インキを充填したボールペンにおいて、筆跡が鮮明であり、書き味が良く、滲み、裏抜け、垂れ下りのないボールペンを提供することができた。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のボ−ルペンを示す縦断面図である。
【符号の説明】
1 ボールペン
2 インキ収容筒
3 ボールペンチップ
4 ボール
5 チップホルダー
6 油性ボールペンインキ

Claims (2)

  1. 着色剤、非ニュートン粘性付与剤、インキ全量に対し10〜60質量%の高沸点の有機溶剤、インキ全量に対し5〜50質量%の炭素数4以下の脂肪族アルコールを含有した、非ニュートン粘性指数が0.4〜0.9であり、剪断速度500sec−1における粘度が500〜5,000mPa・s(20℃)である油性ボールペン用インキを充填し、ボールペンチップの筆記先端ボールをチップ先端縁の内壁に押圧するコイルスプリングを配設するとともに、前記筆記先端ボールのボール径がφ1.0mm以下であって、前記筆記先端ボールのボール径がX(mm)である100m当たりのインキ消費量Y(mg)が、200X≧Y≧60Xの関係にあることを特徴とするボールペン。
  2. 剪断速度500sec−1におけるインキ粘度が、1000〜3000mPa・s(20℃)であることを特徴とする請求項1に記載のボールペン。
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