JP2005007774A - 油性ボールペン - Google Patents
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Abstract
【解決手段】着色剤として染料と、有機溶剤と、樹脂及び添加剤とからなる、20℃における粘度が5,000〜15,000mPa・sである油性ボールペン用インキを充填してなる、ボールを回転自在に抱持したボールペンチップを筆記媒体とした油性ボールペンであって、前記油性ボールペン用インキに、スチレンメタアクリル酸エステル系架橋超微粒子を含有するとともに、前記ボールペンチップのボール径をX(mm)、100m当たりのインキ消費量Y(mg)としたとき、60X>Y≧35Xの関係とする。
【選択図】 なし
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、油性ボールペン用インキを充填した油性ボールペンに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、筆記先端ボールを回転可能に抱持したボールペンチップを装着してなる油性ボールペン用インキとして、着色剤、溶剤、例えば高沸点、低蒸気圧溶剤であるエチレングリコールモノフェニルエーテル、ベンジルアルコールなどに代表されるアルコール類を含有し、インキ粘度10,000〜30,000mPa・s(20℃)からなるものは良く知られている。こうした油性ボールペン用インキを充填したボールペンにおいて、筆記時における100m当たりのインキ消費量は、筆記先端ボールのボール径がφ0.5mmの場合では約10mg、φ0.7mmの場合では約20mg、φ1.0mmの場合では約30mgであった。すなわち、ボール径をXmmとし、100m当たりのインキ消費量をY(mg)とした場合に、Y≦30Xの関係であるものが一般的であり、インキ消費量を多く設定してもY<35Xであった。
【0003】
しかし、前記油性ボールペン用インキは、インキ粘度が高いため、自ずと筆記時のボール回転抵抗が大きくなり、書き味が非常に重く良好とは言えない。だからといって、ただ単にインキ粘度を下げた場合には、書き味は良好となるが、筆跡の乾燥性が低下したり、またインキ漏れ等の不具合が生じてしまうという問題があり、結果的には書き味を犠牲にしているのが現実であった。
【0004】
こうした問題を解決するものとして、特開平6−313143号公報、特開平9−48941号公報等により、インキ粘度特性を擬塑性とし、筆記時のインキ粘度は低粘度で、筆記していない状態では高粘度とするインキが提案されている。
【0005】
また、チップ先端からのインキ漏れを防止するため、特開2003−73606号公報「ボールペン用インキ及びボールペン」、特開2003−138196号公報「ボールペン用インキ及び該インキを充填したボールペン」により、油性ボールペン用インキにアクリル系、スチレンアクリル系の超微粒子を含有することで、擬塑性流動からくる高い降伏値を利用し、インキ漏れを抑制するとともに、軽い筆圧でインキがスムーズに吐出されるインキが提案されている。
【0006】
【特許文献1】
「特開平6−313143号公報」
【特許文献2】
「特開平9−48941号公報」
【特許文献3】
「特開2003−73606号公報」
【特許文献4】
「特開2003−138196号公報」
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、インキ粘度特性を擬塑性としたり、油性ボールペン用インキ中にアクリル系、スチレンアクリル系超微粒子を含有しても、前述したような油性ボールペン用インキを充填したボールペンにおいては、100m当たりのインキ消費量Y(mg)が少ないために(ボール径をXとした場合、Y<35Xである)、インキ漏れの抑制や筆感向上の効果はあるものの、筆跡の鮮明さという点で満足いたしかねる部分が残る。
【0008】
ところで、筆跡の鮮明さを得るために、インキ消費量を増量することは知られている。このインキ消費量を増量する方法として、ボールペンチップのボールとチップ先端部内壁との隙間(以下、ボールペンチップのクリアランスという)を多くすることも知られている。
【0009】
しかし、ボールペンチップのクリアランス増大は、インキ消費量を増量して高濃度の筆跡を得ることはできるが、インキ漏れが発生しやすくなってしまう問題があった。
【0010】
本発明はこうした問題を鑑みて、従来の油性ボールペンに比べ筆跡が鮮明であり、書き味が良く、インキ漏れのない油性ボールペンを提供するものである。
【0011】
【課題を解決する手段】
本発明は、
「1.着色剤として染料と、有機溶剤と、樹脂及び添加剤とからなる、20℃における粘度が5,000〜15,000mPa・sである油性ボールペン用インキを充填してなる、ボールを回転自在に抱持したボールペンチップを筆記媒体とした油性ボールペンであって、前記油性ボールペン用インキに、スチレンメタアクリル酸エステル系架橋超微粒子を含有するとともに、前記ボールペンチップのボール径をX(mm)、100m当たりのインキ消費量Y(mg)としたとき、60X>Y≧35Xの関係にあることを特徴とするボールペン。
2.前記スチレンメタアクリル酸エステル系架橋超微粒子の粒子径が、0.02〜1.0μmであり、インキ全量に対し0.5〜2.0質量%含有したことを特徴とする第1項に記載のボールペン。
3.前記スチレンメタアクリル酸エステル系架橋超微粒子が、スチレンを10〜50%と、アクリルモノマーとを内部架橋した超微粒子であることを特徴とする第1項または第2項に記載のボールペン。
4.前記有機溶剤が、20℃における蒸気圧が0.1mmHg未満の有機溶剤と、20℃における蒸気圧が0.5mmHg以上の有機溶剤とからなることを特徴とする第1項ないし第3項の何れか1項に記載のボールペン。」である。
【0012】
本発明における100m当たりのインキ消費量の算出方法は、ISO12757−1に準じた方法を用いる。
【0013】
また、インキ粘度は、B型粘度計(東京計器株式会社製)を用いて、5rpmの回転数におけるインキの粘度で測定した数値である。
【0014】
本発明の第一の特徴は、筆跡の鮮明さを出すために、100m当たりのインキ消費量:Y(mg)が、ボールペンチップの筆記先端ボールのボール径をX(mm)とした時に、60X>Y≧35Xの関係式を満足するものであるとしたことである。
【0015】
従来の油性ボールペンのボール径をXmmとし、100m当たりのインキ消費量をY(mg)とした場合に、Y≦30Xの関係、インキ消費量を多く設定してもY<35Xであるのに対し、Y≧35X、好ましくはY≧40Xとインキ消費量を増量することで、筆跡の鮮明さを向上している。Y≧60Xになると、インキ消費量が多過ぎて筆跡の乾燥性が低下するため、筆跡への滲み、裏抜けなどの不具合が生じてしまう。またボールペンチップのクリアランスを大きくする必要があるので、インキ漏れが発生しやすい。
【0016】
第2の特徴は、20℃における粘度を5,000〜15,000mPa・sとすることである。
【0017】
20℃における粘度が、5,000mPa・s未満では、筆感は良好となるものの、100m当たりのインキ消費量:Y(mg)が、ボールペンチップの筆記先端ボールのボール径をX(mm)とし、60X>Y≧35Xとの関係になった場合、チップ先端からのインキ漏れを防止できない。また、15,000mPa・sより大きくなると、書き味が良好でなく、筆跡の乾燥性も低下する傾向になる。
【0018】
第3の特徴は、油性ボールペン用インキ中にスチレンメタアクリル酸エステル系架橋超微粒子を含有することである。
【0019】
前述したように、筆跡を鮮明とするためには、100m当たりのインキ消費量:Y(mg)が、20℃における粘度を5,000〜15,000mPa・sのとき、60>Y≧35Xを得る必要があるが、そのためには、ボールペンチップのクリアランスを増大するので、ペン先からのインキ漏れが発生しやすい。そのため、油性ボールペン用インキ中にスチレンメタアクリル酸エステル系架橋超微粒子を含有し、油性インキ中の樹脂、溶剤と、スチレンメタアクリル酸エステル系架橋超微粒子の表面との相互作用により、油性インキに構造粘性を付与することでインキ漏れを防止する。
【0020】
また、スチレンメタアクリル酸エステル系架橋超微粒子の形状は、球状であることが好ましく、粒子径は、0.02〜1.0μm、好ましくは0.02〜0.5μmとする。球状にすることによって、ボールとチップ先端部との隙間から吐出されやすく、また、粒径は小さいほうが好ましいが、0.02μm未満では、チップ先端のインキ漏れ防止効果が薄い。1.0μmを越えるとチップ先端部の隙間から吐出されにくい。また、粒子径が0.02〜1.0μmであっても、0.5質量%未満では、チップ先端のインキ漏れ防止効果が薄く、2.0%を越えるとインキ追従性が悪くなる。
【0021】
本発明では、スチレンメタアクリル酸エステル系架橋超微粒子を用いるが、アクリル系超微粒子の中でもスチレンアクリル系超微粒子は、前記したエチレングリコールモノフェニルエーテル、ベンジルアルコールのような高沸点溶剤への分散能が高く、インキ中に均一に分散する。また、スチレンアクリル系超微粒子の中でも、スチレンメタアクリル酸エステル系超微粒子を架橋した内部構造にすることにより、有機溶剤中で粒子形状が変化を起こさず、さらに加熱状態での粒子形状変化が少ない。
【0022】
また、スチレンメタアクリル酸エステル系架橋超微粒子は、スチレン量を10〜50%、好ましくは、20〜30%とすることで、インキ中に均一に分散し、有機溶剤中で安定するので好ましい。スチレン量が10%未満だと、アクリル量が多過ぎるため、微粒子の粒度分布が広く、均一な粒径の微粒子が得られないばかりでなく、溶剤分散安定性が悪くなり、経時的に微粒子が沈降を起こし、筆記不良の原因となる。スチレン量が50%を越えると、微粒子の作製が困難になるとともに、溶剤分散した場合の膨潤度が高く、有機溶剤中で粒子形状が変化しやすい。
【0023】
本発明に採用する着色剤としては、染料が用いられる。染料としては、従来から油性ボールペンに採用されているアルコール可溶染料,油溶性染料,直接染料,酸性染料,塩基性染料、含金染料、及び各種造塩タイプ染料等が採用可能である。これらの着色剤は単独又は2種以上混合して使用してもかまわない。含有量は、インキ組成物全量に対し、20〜40質量%が望ましい。また、前記した染料と顔料を併用して用いても良い。顔料としては、有機、無機、加工顔料、例えば、カーボンブラック、フタロシアニン系、アゾ系、キナクリドン系、キノフタロン系、スレン系、トリフェニルメタン系等がある。これらの着色材は単独、2種以上混合して使用してもかまわない。含有量は、インキ組成物全量に対し、5〜20重量%が望ましい。
【0024】
また、有機溶剤は、インキ成分の溶媒、分散媒として用いる。具体的には、ベンジルアルコール、プロピレングリコール、ブチレングリコール等のアルコール類及びグリコール類、エチレングリコールモノフェニルエーテル等のグリコールエーテル類、Nメチルピロリドン等の含窒素系溶剤等が使用可能である。これらは、単独、2種以上混合して使用してもかまわない。含有割合は、インキ組成物全量に10〜60質量%が好ましい。
【0025】
前述したように、筆感を良好となすため及び筆跡を鮮明にするためにインキ消費量を増大すると、筆跡の乾燥性が低下する。そのため、前述した高沸点、低蒸気圧溶剤、具体的には、20℃における蒸気圧が0.1mmHg未満の有機溶剤だけでは、筆跡乾燥性が低いので、インキ組成物中に20℃における蒸気圧が0.5mmHg以上の有機溶剤と併用して含有させることが好ましい。
【0026】
20℃における蒸気圧が0.5mmHg以上の有機溶剤としては、グリコールエーテル類はエチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、エチレングリコールジメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル等が挙げられる。また、アルコール類はメタノール、エタノール、1−プロパノール、2−プロパノール、t−ブタノール、プロパギルアルコール、アリルアルコール、3−メチル−1−ブチン−3−オール、エチレングリコールモノメチルエーテルアセタート等が挙げられる。これらの有機溶剤は単独、2種以上混合して使用してもよい。
【0027】
20℃における蒸気圧が0.5mmHg以上の有機溶剤は、5.0質量%未満であると、筆跡のインキ溶剤蒸発のコントロールによる、紙面に対する浸透性の効果が得られ難く、また、50.0質量%より多いと、溶剤の蒸発量が多くなりすぎるためインキの安定性が悪く、本発明の油性ボールペン用インキをボールペンレフィールで放置したとき書き出し不良などの筆記不良が発生する恐れがあるので、5.0〜50.0質量%が好ましい。
【0028】
インキ粘度調整剤として樹脂を含有する。樹脂は、フェノール樹脂、マレイン樹脂、アミド樹脂、キシレン樹脂、水添ロジン樹脂、ケトン樹脂、テルペン樹脂、ブチラール樹脂等が挙げられる。これらは、紙面への定着剤,固着剤及び顔料分散剤としても効果を示す。これらは単独、2種以上混合して使用してもかまわない。
【0029】
また、泣き、ボテ性能を良好にするために、曳糸性付与剤も適時採用可能である。添加剤の例として、ポリビニルピロリドン、ポリエチレンオキサイド、ヒドロキシプロピルセルロース、ゴム系高分子化合物等が挙げられる。これらは、単独又は2種以上混合して使用してもかまわない。その他添加剤として、界面活性剤、防錆剤、分散剤、潤滑剤、染料溶解安定剤等が適時選択して添加することができる。
【0030】
また、本発明は、筆跡を鮮明とするために、100m当たりのインキ消費量:Y(mg)を、筆記先端ボールのボール径をX(mm)とした際に60X>Y≧35Xの関係式を満足するインキ出を有することが重要な用件の一つとしているが、ボール径がφ1.0mm以下の場合、全体のインキ消費量が少なく、筆跡の鮮明さが表現し難いので特に効果が顕著である。
【0031】
【実施例】
実施例1
本発明の実施例のボールペンは、図1に示すように、インキ収容筒2の先端に、ボール径がφ0.7mmのボール4を回転自在に抱時したボールペンチップ3を、チップホルダー5を介して装着するとともに、インキ収容筒2内に、下記油性ボールペン用インキ6を収容したボールペンレフィール1を、図示していないが、軸筒内に収納してなる一般的な構造のものである。尚、本実施例では便宜上、ボールペンチップを、チップホルダーを介してインキ収容筒に装着しているが、チップホルダーを有さない構造のものであっても良い。また、本実施例ではボールの後端に、ボールをチップ先端縁の内壁に押圧するコイルスプリングを配設していないが、コイルスプリングを配設することによってインキ漏れの抑制が向上するので好ましい。
【0032】
油性ボールペン用インキ6は、先ず、有機溶剤としてベンジルアルコール、エチレングリコールモノフェニルエーテルを採用し、これを所定量秤量して60℃に加温した後、ディスパー攪拌機を用いて、粒径0.4μmのスチレンメタアクリル酸エステル系架橋超微粒子(日本ペイント社製 マイクロジェル)を均一に分散させた。次いで潤滑剤としてオレイン酸と、曳糸性付与剤としてポリビニルピロリドンK−90(和光純薬工業株式会社製)と、着色剤として染料系のスピロンブラックGMH−スペシャル(保土谷化学工業株式会社製)及びバリファーストバイオレット1701(オリエント化学工業株式会社製)と、インキ粘度調整剤(油溶性粘度調整樹脂)としてハイラック110H(日立化成工業株式会社製、ケトン樹脂)とを、ディスパー攪拌機を用いて完全溶解させ、黒色の油性ボールペン用インキを得た。具体的な配合量は下記の通りである。
【0033】
着色剤(スピロンブラックGMH−スペシャル) 15.0質量%
着色剤(バリファーストバイオレット1701) 15.0質量%
有機溶剤(ベンジルアルコール) 20.0質量%
有機溶剤(エチレングリコールモノフェニルエーテル) 30.0質量%
インキ粘度調整剤(ハイラック110H) 15.0質量%
曳糸性付与剤(ポリビニルピロリドンK−90) 0.5質量%
スチレンメタアクリル酸エステル系架橋超微粒子 1.5質量%
潤滑剤(オレイン酸) 3.0質量%
【0034】
実施例2、4
スチレンメタアクリル酸エステル系架橋超微粒子の粒径、インキ粘度、インキ消費量を表1に記載した通りとした以外は実施例1と同様にして油性ボールペン用インキを得てインキ収容筒に充填し、実施例1と同様にしてボールペンを得た。
【0035】
実施例3
溶剤を、20℃における蒸気圧が0.1mmHg未満の有機溶剤と、20℃における蒸気圧が0.5mmHg以上の有機溶剤を併用した以外は、表1に記載した通りであり、実施例1と同様にして油性ボールペン用インキを得てインキ収容筒に充填し、実施例1と同様にしてボールペンを得た。
【0036】
実施例5、6
ボール径がφ1.0mmのボールを回転自在に抱時したボールペンチップを装着した以外は、実施例1又は4と同様のボールペンを得た。
【0037】
実施例7、8
ボール径がφ0.5mmのボールを回転自在に抱時したボールペンチップを装着した以外は、実施例1又は2と同様のボールペンを得た。
【0038】
表1
【0039】
比較例1
実施例1の油性ボールペン用インキにおいて、スチレンメタアクリル酸エステル系架橋超微粒子を添加せず、その他の配合を表2に記載した通りとした以外は実施例1と同様にして油性ボールペン用インキを得てインキ収容筒に充填し、実施例1と同様にしてボールペンを得た。
【0040】
比較例2
実施例1の油性ボールペン用インキにおいて、スチレンメタアクリル酸エステル系架橋超微粒子に代えて、非架橋のアクリル系超微粒子(綜研化学社製、MP−1000)を添加し、その他の配合を表2に記載した通りとした以外は実施例1と同様にして油性ボールペン用インキを得てインキ収容筒に充填し、実施例1と同様にしてボールペンを得た。
【0041】
比較例3、4、5
実施例1の油性ボールペン用インキにおいて、各インキ組成物の配合を表2に記載した通りとした以外は実施例1と同様にして油性ボールペン用インキを得てインキ収容筒に充填し、実施例1と同様にしてボールペンを得た。
【0042】
比較例6、7
ボール径がφ1.0mmのボールを回転自在に抱時したボールペンチップを装着した以外は、実施例1と同様のボールペンを得た。
【0043】
比較例8、9
ボール径がφ0.5mmのボールを回転自在に抱時したボールペンチップを装着した以外は、実施例1と同様のボールペンを得た。
【0044】
表2
【0045】
試験方法及び評価
実施例1〜8及び比較例1〜10のボールペンについて、下記の試験を行い、評価した。
1.筆感(手書き筆記において)
低筆圧で筆記可能で滑らかで特に良好ものを ……◎
良好なものを ……○
低筆圧で筆記できず滑り感のないものを ……× とした。
2.インキ漏れ:各例のボールペンを、チップを下向きに直立して温度40℃、湿度95%RHで24時間放置後のチップ先端部のインキ流出の有無を目視にて観察した。
チップ先端からインキ漏れが認められないもの ……◎
チップ先端からインキ漏れが実用上気にならないものを……○
チップ先端からインキ漏れが認めらたもの ……× とした。
3.筆記鮮明さ:実施例・比較例の油性ボールペン用インキを100m当たりのインキ消費量Y(mg)=30Xとした油性ボールペンに収容したもの比較サンプルとして、官能試験を1対比較法により10人による検定をおこなった。。
比較サンプルに比べ、筆跡が鮮明さにおいて優位性のあるものを……○
比較サンプルに比べ、筆跡が鮮明さにおいて優位性のないものを……× とした。
4.筆跡乾燥性:筆記直後、1分間、500gfで用紙を圧着して、
転写の形成が認められないものを ……◎
転写の形成が認めらたが実用上気にならないものを……○
転写の形成が認められ、非常に気になるものを ……× とした。
【0046】
各実施例及び比較例の評価結果は、表1及び表2に示す通りである。
比較例1は、スチレンメタアクリル酸エステル系架橋超微粒子を含まないために、20℃における粘度が6,000mPa・s、Y=50Xとすることによって、インキ漏れが発生してしまった。
【0047】
比較例2は、非架橋のスチレンメタアクリル系超微粒子であるために、溶剤中で膨潤してしまい、インキ漏れが発生した。また、微粒子がボールとボールペンチップの隙間に目詰まりしてしまう等、筆感が良好にならなかった。
【0048】
比較例3は、インキ粘度が低過ぎるために、インキ漏れを防止することができなかった。また、筆跡の滲みや裏抜けが発生してしまった。
【0049】
比較例4は、インキ粘度が高く、ボール回転抵抗が強くなるため筆感が良好とはならない。また、筆跡の乾燥性も低下してしまう。
【0050】
比較例5、7、9は、ボール径(X)に対する100m当たりのインキ消費量(Ymg)の割合が多すぎるために、筆跡は鮮明であるものの、筆跡乾燥性が悪く、尚かつインキ漏れが発生してしまった。
【0051】
比較例6、8、10は、ボール径(X)に対する100m当たりのインキ消費量(Ymg)の割合が少ないために、インキ漏れがなく、筆跡乾燥性が良好なものの、インキ色が薄く筆跡が鮮明でなく、筆感も悪かった。
【0052】
【発明の効果】
以上、詳細に説明したように、従来の油性ボールペンに比べ筆跡が鮮明であり、書き味が良く、インキ漏れのない油性ボールペンを提供することができた。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のボ−ルペンを示す縦断面図である。
【符号の説明】
1 ボールペン
2 インキ収容筒
3 ボールペンチップ
4 ボール
5 チップホルダー
6 油性ボールペン用インキ
Claims (4)
- 着色剤として染料と、有機溶剤と、樹脂及び添加剤とからなる、20℃における粘度が5,000〜15,000mPa・sである油性ボールペン用インキを充填してなる、ボールを回転自在に抱持したボールペンチップを筆記媒体とした油性ボールペンであって、前記油性ボールペン用インキに、スチレンメタアクリル酸エステル系架橋超微粒子を含有するとともに、前記ボールペンチップのボール径をX(mm)、100m当たりのインキ消費量Y(mg)としたとき、60X>Y≧35Xの関係としたことを特徴とする油性ボールペン。
- 前記スチレンメタアクリル酸エステル系架橋超微粒子の粒子径が、0.02〜1.0μmであり、インキ全量に対し0.5〜2.0質量%含有したことを特徴とする請求項1に記載の油性ボールペン。
- 前記スチレンメタアクリル酸エステル系架橋超微粒子が、スチレンを10〜50%と、アクリルモノマーとを内部架橋した超微粒子であることを特徴とする請求項1または2に記載の油性ボールペン。
- 前記有機溶剤が、20℃における蒸気圧が0.1mmHg未満の有機溶剤と、20℃における蒸気圧が0.5mmHg以上の有機溶剤とからなることを特徴とする請求項1ないし3の何れか1項に記載の油性ボールペン。
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