JP2003011574A - 消しゴム消去性水性インキボールペン - Google Patents

消しゴム消去性水性インキボールペン

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JP2003011574A
JP2003011574A JP2001196534A JP2001196534A JP2003011574A JP 2003011574 A JP2003011574 A JP 2003011574A JP 2001196534 A JP2001196534 A JP 2001196534A JP 2001196534 A JP2001196534 A JP 2001196534A JP 2003011574 A JP2003011574 A JP 2003011574A
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eraser
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weight
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Tsutomu Kito
勤 鬼頭
Hiroyuki Hayashi
宏幸 林
Nobuyuki Kitaoka
伸之 北岡
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Pilot Ink Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 粘着性粒状体を必須成分とする消しゴム消去
性インキを用いたボールペンにおいて、筆跡性能と消し
ゴム消去性を効果的に満たすインキ流出要件を備えたボ
ールペンの提供。 【解決手段】 粒子径分布が2μm〜10μmの範囲に
80重量%以上を占める粘着性樹脂粒状体を必須成分と
して水性媒体に分散させた、粘度が5〜160mPa・
s〔EMD型粘度計による100rpmでの測定値(2
5℃)〕の消しゴム消去性水性インキを軸筒に充填して
なり、筆記距離100m当りのインキ消費量が0.1m
m筆跡幅換算当り、80mg〜150mgである消しゴ
ム消去性水性インキボールペン。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、消しゴム消去性水
性インキボールペンに関する。更に詳細には、特定粒子
径の粘着性樹脂粒状体を必須成分として含む消しゴム消
去性水性インキと、特定のボールペン機構の組合わせに
より、筆跡性能と消しゴム消去機能を効果的に発現させ
る消しゴム消去性水性インキボールペンに関する。
【0002】
【従来の技術】従来、消しゴム消去性インキに関して、
多数の提案が開示されているが、消しゴム消去性インキ
のインキ流出性や、ボールペン構造と組合わせた消しゴ
ム消去機能を安定的に持続して効果的に発現させる提案
は未だ開示されていない。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、消しゴム消
去性に有効な特定組成の水性インキと、該水性インキを
効果的に機能させる特定のボールペン構造を組合わせる
と共に、インキ流出特性を特定範囲に設定することによ
り、鮮明な筆跡と消しゴム消去性を持続して安定的に発
現させる消しゴム消去性水性インキボールペンを提供し
ようとするものである。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明を図面について説
明する(図1〜図7参照)。本発明は、粒子径分布が2
μm〜10μmの範囲に80重量%以上を占める、着色
樹脂粒状体71及び粘着性樹脂粒状体72、又は、表面
の少なくとも一部が粘着性を有する粘着性着色樹脂粒状
体73を必須成分として水性媒体に分散させた、粘度が
5〜160mPa・s〔EMD型粘度計による100r
pmでの測定値(25℃)〕の消しゴム消去性水性イン
キ7を軸筒6に充填してなり、筆記距離100m当りの
インキ消費量が、0.1mm換算筆跡幅当り80mg〜
150mgの範囲にあることを特徴とする消しゴム消去
性水性インキボールペン1を要件とする。更には、前記
インキ7は、剪断減粘性付与剤を含んでなり、粘度が2
5〜160mPa・s〔EMD型粘度計による100r
pmでの測定値(25℃)〕であり、剪断減粘指数が
0.1〜0.8の範囲にあること、着色樹脂粒状体71
は、顔料及び脂肪酸金属塩を含んでなること、脂肪酸金
属塩が0.1重量%含まれる着色樹脂粒状体71を5〜
30重量%、粘着性樹脂粒状体72を0.5〜15重量
%含んでなり、且つ、着色樹脂粒状体71と粘着性樹脂
粒状体72の重量比が100:2〜200であること、
等を要件とするものである。更には、先端にボール2を
抱持し、ボール受座3には軸心にボール2に通じるイン
キ通孔4が設けられ、前記インキ通孔4には、ボール背
面を弾発的に先端方向に押圧する弾発部材5を配して、
ボール外周をボール抱持部内壁に密接させてなる筆記先
端部を有すること、筆記先端部にはボール2先端を密接
状態に覆う弾性シール体10を内挿させたキャップ9が
装着されてなること、キャップ9の頂部又は軸筒6の後
部に消しゴム12を装着してなること、等を要件とする
ものである。
【0005】本発明ボールペンに適用する消しゴム消去
性水性インキ7は、本出願人が既に提案した、特開20
01−19888号公報、特開2001−19889号
公報に開示されている、粒子径分布が2μm〜10μm
の範囲に80重量%以上を占める、着色樹脂粒状体71
及び粘着性樹脂粒状体72、又は表面の少なくとも一部
が粘着性を有する粘着性着色樹脂粒状体73を必須成分
として水性媒体に分散させた消しゴム消去性水性インキ
7が、ボールペンチップよりのインキ流出性を満たすと
共に、紙面上に互いの粒状物を点接着状となすと共に、
紙内部への粒状体の浸透が抑制された筆跡を形成し、消
しゴムによる軽度の擦過により消しゴム消去性を効果的
に満たす(図6、図7参照)。本出願人は、前記提案イ
ンキのボールペンチップからの円滑な流出性と、スムー
ズな筆記感を得るため、着色樹脂粒状体71として顔料
及び脂肪酸金属塩を含んでなる特定の粒状体を適用する
インキ提案しており(特願2001−179404)、
この種のインキが更に好適である。
【0006】本発明者らは、前記した消しゴム消去性イ
ンキの筆跡性能と消しゴム消去性機能を効果的に発現さ
せるために、インキ流出特性とボールペン構造に関して
追求し、従来汎用のボールペンのインキ流出性を大幅に
逸脱した、筆記距離100m当りのインキ消費量が、
0.1mm換算筆跡幅当り80mg〜150mgの範囲
に設定することが効果的なことを実証した。ところで、
ボールペンにおける筆跡幅は、ボール径に関連し、筆跡
幅はボール径の概ね、1/2程度の関係にある。本発明
ボールペンにおけるボール径としては、0.45〜1.
2mm程度、好適には0.6〜0.8mmのものが実用
的であり、前記ボール径に対応して、ボール径の約1/
2mm幅の筆跡を与えるように設定される。本発明の前
記したインキ流出特性は、前記ボール径を備えた消しゴ
ム消去性ボールペンに適用される。前記した筆記距離1
00m当りのインキ消費量が、0.1mm換算筆跡幅当
り80mg未満の系では、筆記感が重い上、筆跡が不鮮
明であり、一方、0.1mm換算筆跡幅当り150mg
を超える系にあっては、インキ流出量が過多であり、イ
ンキのロスに加えて、筆跡の滲みや、消去時等におい
て、消しゴムや手指を汚染する等の不具合を発生させが
ちである。
【0007】前記インキ流出特性を安定的に持続して効
果的に発現させる、消しゴム消去性ボールペンチップ
は、金属パイプの先端部近傍の側壁を外面から内方に押
圧変形させた構造のもの(図2、図3参照)、内部構造
を切削加工等により形成した、従来より汎用の構造(図
4、図5参照)のチップが有効である。消しゴム消去性
インキ7は、前記ボールペンチップを筆記先端に備えた
軸筒6に収容するものであればよく、剪断減粘性インキ
7とインキ逆流防止体8を収容させた図1のボールペン
構造に限定されない。即ち、非剪断減粘性の分散型イン
キの系では、可撓性の軸筒内に当該インキと攪拌球とし
て金属ボール等を収容したボールペン、軸筒に当該イン
キを直接収容し、櫛溝状のインキ流量調節部材を介して
筆記先端部にインキを流出させる構成のボールペン、軸
筒内にインキ吸蔵体を収容し、前記吸蔵体にインキを含
浸させたボールペン構造であってもよい。
【0008】前記粒子径分布が2μm〜10μmの範囲
に80重量%以上を占める、着色樹脂粒状体71及び粘
着性樹脂粒状体72、又は表面の少なくとも一部が粘着
性を有する粘着性着色樹脂粒状体73を必須成分として
含む本発明インキ7を流出させるためには、ボール抱持
部内径Aは、ボール径が0.45mmでは、0.47〜
0.49mm、ボール径が0.5mmでは、0.52〜
0.54mm、ボール径が0.6mmでは、0.62〜
0.64mm、ボール径が0.7mmでは、0.72〜
0.74mm、ボール径が0.8mmでは0.82〜
0.84mm、ボール径が1.0mmでは、1.03〜
1.05mmが有効であり、更には、ボール2の軸方向
の可動範囲Bを30〜70μmに設定し、前記A及びB
の寸法をボール径やインキ種に対応して設定することに
より、前記インキ流出特性を制御することができる。更
に加えて、ボール受座3のインキ通孔4に、ボール背面
を弾発的に先端方向に押圧する弾発部材5を配して、前
記弾発度合いにより微妙なインキ流出性のコントロール
を行うこともでき、更には、前記弾発部材5の作用によ
り、非使用時にあっては、ボール外周をボール抱持部内
壁に密接させることにより、インキの乾きやドロップバ
ックを抑制できる。更には、筆記先端部側にはボール先
端を密接状態に覆う弾性シール体10を内挿させたキャ
ップ9を装着することにより、インキの乾燥を抑止し、
所期の筆記性能を保持させるために機能させることがで
きる。又、キャップ9の頂部又は軸筒6の後端部に消し
ゴム12を装着することにより使用時の利便性を満たす
ことができる。
【0009】本発明者らは、前記した消しゴム消去性イ
ンキ組成物の筆記感について鋭意検討した結果、着色樹
脂粒状体71自体に潤滑性を付与することによって、筆
跡の消しゴムによる消去性と筆記性能を損なうことな
く、滑らかな筆記感のボールペンを与えることを見出
し、新たな消しゴム消去性インキ(特願2001−17
9404号)を開発しており、実用性を更に満足させ
る。前記インキは、顔料及び脂肪酸金属塩を含む着色樹
脂粒状体71と、粘着性樹脂粒状体72と、水と、水溶
性極性溶剤と、潤滑剤とから少なくともなり、前記着色
樹脂粒状体71と粘着性樹脂粒状体72の粒子分布がい
ずれも2μm〜10μmの範囲に80重量%以上含んで
なることを要件とする。更には、前記脂肪酸金属塩が、
着色樹脂粒状体71中に0.1重量%以上含まれるこ
と、着色樹脂粒状体71を5〜30重量%、粘着性樹脂
粒状体72を0.5〜15重量%含んでなり、且つ、着
色樹脂粒状体71と粘着性樹脂粒状体72の重量比率が
100:2〜200であること、前記粘着性樹脂粒状体
72は、紙面上に形成された乾燥後の筆跡中で粒子相互
間及び粒子と紙面との間で点接着状態で存在してなるこ
と、前記着色樹脂粒状体71が熱可塑性着色樹脂粒状体
であること、前記熱可塑性着色樹脂粒状体は、軟化点が
60〜180℃であり、メルトフローインデックス(M
I)値が0.1〜30であること、前記粘着性樹脂粒状
体72は、紙面上に形成された乾燥後の筆跡中で粒子相
互間、及び粒子と紙面との間で点接着状態で存在してな
り、加熱により熱可塑性着色樹脂粒状体が溶融して筆跡
が紙面に定着すること、インキ組成物中に剪断減粘性付
与剤を含んでなり、100rpmでの粘度が25〜16
0mPa・s(EMD型粘度計25℃の値)であり、且
つ、剪断減粘指数が0.1〜0.8を示すこと等を要件
とする。
【0010】前記着色樹脂粒状体71は目視可能な筆跡
を与えるための着色された粒状体であり、且つ、紙への
浸透を防ぐためにその粒子分布が2μm〜10μmの範
囲に80重量%以上含まれる。前記着色樹脂粒状体71
は、樹脂粒子中に顔料が均質に分散された着色樹脂粒状
体、樹脂粒子の表面が顔料で被覆されている着色樹脂粒
状体が挙げられる。
【0011】前記着色樹脂粒状体71を構成する樹脂類
としては、ポリスチレン、アクリル樹脂、エポキシ樹
脂、メラミン樹脂、ポリエステル、ポリ塩化ビニル、ベ
ンゾグアナミン樹脂、ポリアミド、ウレタン樹脂、ポリ
メチルメタクリレート、アクリル−ウレタン共重合体、
フェノール樹脂、ポリエチレン、ポリアクリロニトリ
ル、スチレン−アクリル共重合体、スチレン−ブタジエ
ン共重合体、アクリロニトリル−ブタジエン共重合体等
が挙げられる。
【0012】前記樹脂を着色する顔料としては、アゾ
系、アンスラキノン系、縮合ポリアゾ系、チオインジゴ
系、金属錯塩系、フタロシアニン系、ペリノン系、ペリ
レン系、ジオキサジン系及びキナクリドン系の有機顔
料、カーボンブラック、アニリンブラック、群青、黄
鉛、酸化チタン、酸化鉄等の無機顔料が挙げられる。こ
れらの顔料は適宜必要に応じて1種類又は2種類以上を
混合して用いることができる。更には、特殊な顔料とし
て蛍光顔料、金属粉顔料、パール顔料、蓄光顔料、可逆
性熱変色顔料、導電性顔料等を用いることもできる。な
お、前記顔料類は、該モノマー等の溶液への分散性を向
上する目的で、従来より公知の方法により表面処理され
たものであってもよい。
【0013】前記着色樹脂粒状体71中に含まれる脂肪
酸金属塩としては、ラウリン酸リチウム、ラウリン酸ナ
トリウム、ラウリン酸マグネシウム、ラウリン酸アルミ
ニウム、ラウリン酸カリウム、ラウリン酸カルシウム、
ラウリン酸亜鉛、ミリスチン酸リチウム、ミリスチン酸
ナトリウム、ミリスチン酸マグネシウム、ミリスチン酸
アルミニウム、ミリスチン酸カリウム、ミリスチン酸カ
ルシウム、ミリスチン酸亜鉛、パルミチン酸リチウム、
パルミチン酸ナトリウム、パルミチン酸マグネシウム、
パルミチン酸アルミニウム、パルミチン酸カリウム、パ
ルミチン酸カルシウム、パルミチン酸亜鉛、ステアリン
酸リチウム、ステアリン酸ナトリウム、ステアリン酸マ
グネシウム、ステアリン酸アルミニウム、ステアリン酸
カリウム、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸亜
鉛、ベヘニン酸リチウム、ベヘニン酸ナトリウム、ベヘ
ニン酸マグネシウム、ベヘニン酸アルミニウム、ベヘニ
ン酸カリウム、ベヘニン酸カルシウム、ベヘニン酸亜
鉛、エルカ酸リチウム、エルカ酸ナトリウム、エルカ酸
マグネシウム、エルカ酸アルミニウム、エルカ酸カリウ
ム、エルカ酸カルシウム、エルカ酸亜鉛、オレイン酸リ
チウム、オレイン酸ナトリウム、オレイン酸マグネシウ
ム、オレイン酸アルミニウム、オレイン酸カリウム、オ
レイン酸カルシウム、オレイン酸亜鉛等の脂肪酸金属塩
を例示できる。前記脂肪酸金属塩は、着色樹脂粒状体中
に0.1重量%以上、好ましくは0.5重量%以上含ま
れる。0.1重量%未満では、所望の筆記感を向上させ
る効果を発現し難い。また、多量に添加することも可能
であるが、筆記感を向上させる効果は約10重量%迄の
添加で所期の効果が十分に得られるのでそれ以上の添加
量を必要としない。
【0014】前記着色樹脂粒状体71は、従来より公知
の粉砕法、重合法及びスプレードライ法等の製造方法を
利用して得ることができる。前記重合法として具体的に
は、懸濁重合法、懸濁重縮合法、分散重合法、乳化重合
法等が挙げられ、マイクロカプセル化法を用いることも
できる。本発明に用いられる大部分が2〜10μmの粒
子径を有する着色粒状体を得るためには粉砕法、懸濁重
合法、懸濁重縮合法、分散重合法が好適に用いられ、更
に好適には、懸濁重合法、粉砕法が用いられる。乳化重
合法は粒子径分布のほとんどが1μm以下の微細粒子と
して得られるため着色樹脂粒状体の調製には適さない。
【0015】また、着色樹脂粒状体71が熱可塑性着色
樹脂粒状体である場合、得られる筆跡をアイロン等の加
熱器具やコピー機等の熱ローラーで加熱すると消しゴム
や指の擦過では消去されない永久定着性を付与できる。
前記熱可塑性着色樹脂粒状体は、熱可塑性樹脂粒子中に
顔料が均質に分散された着色樹脂粒状体、熱可塑性樹脂
粒子の表面が顔料で被覆されている着色樹脂粒状体等が
挙げられる。
【0016】前記熱可塑性着色樹脂粒状体に用いられる
樹脂類としては、スチレン樹脂、アクリル樹脂、エポキ
シ樹脂、ポリエステル樹脂、スチレン−アクリル共重合
樹脂、ポリ塩化ビニル、ポリアミド、ウレタン樹脂、ポ
リメチルメタクリレート、ポリオール樹脂、アクリル−
ウレタン共重合体、フェノール樹脂、ポリエチレン、ポ
リアクリロニトリル、スチレン−ブタジエン共重合体、
アクリロニトリル−ブタジエン共重合体等の熱可塑性樹
脂が挙げられる。前記熱可塑性着色樹脂粒状体に用いら
れる樹脂はこれらに限定されるものではなく、電子写真
用トナーの樹脂成分に使われるものであればすべて適用
が可能である。
【0017】次に熱可塑性着色樹脂粒状体の熱的性質に
ついて詳しく説明する。前記熱可塑性着色樹脂粒状体に
用いられる熱可塑性樹脂、或いは、熱可塑性着色樹脂粒
状体自体は、得られた筆跡を加熱によって消しゴムで消
去されない状態とするために、軟化点が60℃〜180
℃であり、且つ、メルトフローインデックス(MI)値
が0.1〜30.0であり、より好ましくは0.1〜2
0である。前記軟化点及びMI値と加熱による熱融着性
には密接な関係があり、軟化点が60℃未満では筆跡上
に別の紙を重ねた際、重ねた紙側に筆跡が転移したり、
筆跡により紙同士が接着する不具合(ブロッキング現
象)を起こしやすくなる。一方、軟化点が180℃を越
えると高温の加熱器具や熱ローラー等を用いる必要があ
り、紙の材質劣化を生じる恐れがあり好ましくない。更
に、前記MI値が0.1未満では加熱時の流動性が少な
いために、十分な定着性を得ることができず、MI値が
30を越えると、前記加熱器具に筆跡が転移して筆跡が
薄くなったり、加熱器具を汚染し易くなり、更には加熱
によって紙面に浸透し易くなるため、定着性の低下や筆
跡の鮮明性を損なう。前記軟化点はJIS規格K253
1環球法軟化点試験により測定され、MI値はJIS規
格K7210のA法に従って測定し、測定条件は125
℃、荷重10kgが適用される。
【0018】次に、着色樹脂粒状体71を形成する顔料
と熱可塑性樹脂の重量比率について説明する。熱可塑性
着色樹脂粒状体を形成する着色剤と熱可塑性樹脂は、顔
料1重量部に対して熱可塑性を有する樹脂が2〜40重
量部であることが好ましい。2重量部未満では良好な定
着性を示さない。一方、40重量部を越えると着色濃度
が薄くなり良好な色濃度を示す筆跡が得られ難い。
【0019】次に、前記着色樹脂粒状体71と併用して
インキ組成物中に添加される粘着性樹脂粒状体72につ
いて説明する。前記粘着性樹脂粒状体72は、紙面に対
し接着又は粘着性を示さない前記着色樹脂粒状体を紙面
に接着させ、耐軽擦過性を付与すると共に消しゴムでの
消去性を付与する役割を有する。粘着性樹脂粒状体72
自体の粘着力とインキ組成中における配合量は消しゴム
消去性と耐軽擦過を満たす良好な範囲で決定される。粘
着性樹脂粒状体72についても紙面への浸透を防止、低
減させるためにその粒子分布は2μm〜10μmの範囲
に80重量%以上含まれることを必要とする。前記粘着
性樹脂粒状体72は、少なくとも表層部が粘着性を有し
ていれば特に製造方法に制約を受けるものではなく、従
来公知の樹脂粒子合成方法を用いることができる。
【0020】粘着性樹脂粒状体72の具体的な形態とし
ては、粘着性樹脂粒状体を形成する樹脂の全体が粘着性
を有する均質ポリマー組成物であるもの、粘着性樹脂粒
状体の全表面が粘着性を有するポリマー組成物で被覆さ
れたもの、粘着性樹脂粒状体が多層構造状のもので、少
なくとも表面の一部が粘着性を有するもの、粘着性樹脂
粒状体の少なくとも表面の一部が連続又は非連続状態の
粘着性を有するポリマー組成物で構成されたものが挙げ
られる。粘着性樹脂粒状体72の調製に用いられるポリ
マー類としては粘着性を有していれば特に限定されな
い。
【0021】前記の粘着性樹脂粒状体72を得る方法と
しては、懸濁重合法、懸濁重縮合法、懸濁付加反応法、
シード重合法、分散重合法、液中溶媒蒸発法等が適用で
きる。粒状体を形成する樹脂の全部が粘着性を有する均
質ポリマー組成のものを得るには、主として懸濁重合
法、分散重合法、シード重合法、液中溶媒蒸発法が適用
でき、一方、粒状体が多層構造状であるものを得るに
は、懸濁重合法、懸濁重縮合法、懸濁付加反応法、シー
ド重合法、分散重合法、液中溶媒蒸発法を適宜組み合わ
せたり、二次処理的な表面改質の手段を適用することが
できる。前記多層構造の粘着性樹脂粒状体としては、中
心部が硬質で表層部が粘着性を有するものが挙げられ
る。粘着性付与のための二次処理とは、粘着性の有無に
関わらず得られた一次粒子に対して、更に前記一次粒子
を改質して粘着性を付与する処理をいう。
【0022】前記粘着性樹脂粒状体72が示す粘着性と
は、それ自体が消しゴムでの摩擦により除去可能であ
り、且つ、軽擦過に対して必要最低限の粘着力を示す程
度を意味する。即ち、粘着力が強すぎれば消しゴムでの
消去性が低下したり、あるいは消去時に消しゴムでの強
い摩擦力を要する。逆に、粘着力が弱すぎれば軽擦過に
より粘着性樹脂粒状体は容易に剥離するため、良好な消
しゴム消去性と耐軽擦過性を満たすように粘着力を調整
することが必要である。粘着性樹脂粒状体72に好適な
粘着性を付与する指標として、得られた粘着性樹脂粒状
体72のガラス転移点が40℃未満であることが好まし
く、より好ましくは20℃未満である。ガラス転移点が
40℃を越える粘着性樹脂を用いると概して室温条件下
において粘着性の程度が弱く、耐軽擦過性を伴ない難く
なる。
【0023】次に前記着色樹脂粒状体71と粘着性樹脂
粒状体72を前述した粒子分布に調整する方法について
説明する。着色樹脂粒状体71と粘着性樹脂粒状体72
は湿式分級又は乾式分級法によって所望の粒子分布をも
つように粒度の分布を調整することができる。湿式分級
法としては、水等の媒体中に前記粒状体を分散した後、
遠心沈降法、又は、自然沈降法により粒子を分級する方
法が適用できる。又、粗大粒子の除去には、ろ紙、フィ
ルター等によるろ過処理も効果的である。一方、乾式分
級法は、乾燥状態にした粒状体をバリアブルインパクタ
ー、サイクロン、クラシクロン、ターボクラシファイア
ー、ミクロンセパレーター等の機具を用いて分級する方
法が適用できる。所望の粒度分布が得られるように分級
を複数回繰り返し行ってもよい。なお、乾式分級法は電
子写真用のコピー用トナーの分級方法にも用いられてい
る。かかる分級方法から単一或いは複数の方法を用いて
粒子分布が2μm〜10μmの範囲に80重量%以上が
含まれる粒状体が得られる。更に、狭い粒径範囲内に粒
子の量を集中させた、粒子径がより均一な粒状体を得る
ためには、上記分級をくり返したり、不要な粒子範囲部
分を拡大する方法が挙げられる。しかし、粘着性樹脂粒
状体72は室温下で粘着性を有するため、乾式分級は概
して適用が困難である。そのためできるかぎり粒子調製
段階で2μm〜10μmの範囲に80重量%以上が含ま
れるように前記粒状体を調製することが好ましい。仮に
分級が必要な場合は、湿式分級法が適用でき、ろ紙、フ
ィルター等によるろ過処理、及び遠心沈降法などが適し
ている。
【0024】次にインキ組成中における、着色樹脂粒状
体71と粘着性樹脂粒状体72の配合重量及びこれらの
重量比率について説明する。インキ組成物中のそれぞれ
の粒状体の配合量は、着色樹脂粒状体71が5〜30重
量%、粘着性樹脂粒状体72が0.5〜15重量%であ
り、且つ、着色樹脂粒状体71と粘着性樹脂粒状体72
の比率が着色樹脂粒状体71の100重量部に対して粘
着性樹脂粒状体72の2〜200重量部、好ましくは5
〜150重量部である。着色樹脂粒状体71が5重量%
未満では良好な色濃度が得られず、30重量%を越える
とインキ組成物中での固形分比率が高くなり、円滑なイ
ンキの吐出を妨げ易くなる。なお、熱可塑性着色樹脂粒
状体を用いる場合も着色樹脂粒状体と同様の重量%、及
び重量比率が好ましい。粘着性樹脂粒状体72が0.5
重量%未満では良好な耐軽擦過性が得られず、15重量
%を越えると良好な消しゴム消去性が得られ難くなるこ
とがある。又、着色樹脂粒状体71との配合比率が2重
量部未満では、良好な耐軽擦過性が得られず、200重
量部を越えると良好な消しゴム消去性が得られ難くなる
ことがある。
【0025】インキ組成物の調製方法としては、水及び
水溶性極性溶剤を含むビヒクル中に前述の各粒状体を均
質に混合、分散することによって調製することができ
る。前記水溶性極性溶剤は、筆記先端でのインキの乾燥
抑制、筆跡の耐水性の付与等の目的で用いられる。水溶
性極性溶剤としては水に相溶性のある従来汎用の溶剤が
全て有効であり、エチレングリコール、ジエチレングリ
コール、トリエチレングリコール、1,3−プロパンジ
オール、プロピレングリコール、ブチレングリコール、
ジプロピレングリコール、チオジエチレングリコール、
ソルビトール、グリセリン、ポリエチレングリコール等
の多価アルコール、エチレングリコールモノメチルエー
テル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、トリ
エタノールアミン、2−ピロリドン、N−メチル−2−
ピロリドン、ジメチルホルムアミド等を一種又は二種以
上併用して用いることができ、添加量はインキ組成物中
2〜35重量%が好ましい。
【0026】また、所望に応じて防腐剤、消泡剤、酸化
防止剤、安定剤、PH調整剤、界面活性剤、潤滑剤等の
慣用の添加剤を添加することもできる。前記添加剤は、
PH調整剤として、炭酸ナトリウム、リン酸ナトリウ
ム、酢酸ソーダ等の無機塩類、水溶性のアミン化合物等
の有機塩基性化合物が適用できる。 防錆剤としてベン
ゾトリアゾール、トリルトリアゾール、ジシクロヘキシ
ルアンモニウムナイトライト、ジイソプロピルアンモニ
ウムナイトライト、サポニン等が使用できる。防腐剤、
防黴剤としては、石炭酸、1,2−ベンズチアゾリン3
−オンのナトリウム塩、安息香酸ナトリウム、デヒドロ
酢酸ナトリウム、ソルビン酸カリウム、パラオキシ安息
香酸プロピル、2,3,5,6−テトラクロロ−4−
(メチルスルフォニル)ピリジン等が使用できる。湿潤
剤としては、尿素、ノニオン系界面活性剤、ソルビッ
ト、マンニット、ショ糖、ぶどう糖、還元デンプン加水
分解物、ピロリン酸ナトリウム等が使用できる。潤滑剤
としては、金属石鹸、ポリアルキレングリコール脂肪酸
エステル、エチレンオキサイド付加型カチオン活性剤、
リン酸エステル系活性剤、チオカルバミン酸塩、ジメチ
ルジチオカルバミン酸塩等が挙げられる。その他、イン
キの浸透性向上剤としてのフッ素系界面活性剤やシリコ
ン系、ノニオン、アニオン、カチオン系の界面活性剤、
ジメチルポリシロキサン等の消泡剤、分散剤等を使用し
てもよい。前記添加剤はいわゆる慣用的添加剤と呼ばれ
るもので、公知の化合物から適宜必要に応じて使用する
ことができる。更には、水性媒体にはインキの流動性の
向上や分散安定化、粘着性の微調整の目的で従来公知の
水溶性樹脂や、水性樹脂エマルジョンを添加することも
できる。
【0027】本発明の消しゴム消去性インキは、比較的
大きな粒状体を用いるために、インキ組成物中で粒状体
が沈降しやすい性質があり、軸筒内のインキ中にボール
等の攪拌球を存在させて、実用時に震盪、攪拌させて筆
記することができるが、インキ組成物中に剪断減粘性付
与剤を添加して、得られたインキ組成物の25℃におけ
るEMD型粘度計を用いた100rpmの粘度を25〜
160mPa・s、且つ、剪断減粘指数を0.1〜0.
8に調整することにより、粒状体の沈降、分離もなく経
時的に安定なボールペンを得ることができる。前記10
0rpmにおけるインキ粘度が160mPa・sを越え
るとインキ吐出性が低下して、筆記不能になったり、か
すれを生じる。また、25mPa・s未満では粒状体の
分散安定性が充分に保てない。即ち、剪断減粘指数が前
記範囲外では剪断減粘性による効果が適正でなく、粘着
性着色樹脂粒状体の分離防止、インキ吐出性及び筆跡性
能に支障を来す。なお、前記におけるインキの剪断減粘
指数は、剪断応力値(T)及び剪断速度値(j)の如き
粘度計による流動学測定から得られる実験式(T=Kj
n :K及びnは計算された定数である)にあてはめるこ
とによって計算されるn値である。
【0028】前記剪断減粘性付与剤としては、従来公知
の化合物を用いることが可能であり、キサンタンガム、
ウエランガム、構成単糖がグルコースとガラクトースの
有機酸修飾ヘテロ多糖体であるサクシノグリカン(平均
分子量約100乃至800万)、グアーガム、ローカス
トビーンガム及びその誘導体、ヒドロキシエチルセルロ
ース、アルギン酸アルキルエステル類、メタクリル酸の
アルキルエステルを主成分とする分子量10万〜15万
の重合体、グリコマンナン、寒天やカラゲニン等の海藻
より抽出されるゲル化能を有する炭水化物、ベンジリデ
ンソルビトール及びベンジリデンキシリトール又はこれ
らの誘導体、架橋性アクリル酸重合体等を例示でき、単
独或いは混合して使用することができる。更に、剪断減
粘性付与剤としてポリグリセリン脂肪酸エステル類、ポ
リオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル類、ポリエ
チレングリコール脂肪酸エステル類、ポリオキシエチレ
ンヒマシ油類、ポリオキシエチレンラノリン・ラノリン
アルコール・ミツロウ誘導体、ポリオキシエチレンアル
キルエーテル・ポリオキシプロピレンアルキルエーテル
類、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル類、
脂肪酸アミド類等から選ばれるHLB値が8〜12の範
囲のノニオン系界面活性剤、ジアルキル又はジアルケニ
ルスルホコハク酸の中和物、N−アルキル−2−ピロリ
ドンとアニオン系活性剤の混合物、ポリビニルアルコー
ルとアクリル系樹脂の混合物等を例示でき、単独或いは
混合して使用することができる。前記剪断減粘性付与剤
はインキ組成物中0.1〜20重量%の範囲で用いるこ
とが好ましい。
【0029】次に、ボールペン用消しゴム消去性水性イ
ンキ組成物に適用される粒状体の粒子径について説明す
ると、インキ組成物中に含まれる全粒状体の粒子分布が
2μm〜10μmの範囲に80重量%以上含まれること
が好ましく、より好ましくは、2μm〜10μmの範囲
に90重量%以上含まれることである。ボールペン用の
インキ組成物中の粒子分布はボールペンチップ部におけ
るボール抱持部近傍の狭い間隙を粒状体が円滑に通過す
るために、粒子サイズについて他の筆記具に比べてより
大きな制約を必要とする。ボールペンチップの構造にも
よるが、2μm〜10μmの範囲に80重量%以上含ま
れるような粒状体を適用するのが好ましい。更に好まし
くは、2μm〜10μmの範囲に90重量%以上含まれ
る粒子分布の粒状体が適用される。10μm以上の粒子
の割合が多くなると、前記ボール抱持部近傍で粗大な粒
子が通過することなく累積し、筆記不良になる場合があ
るためである。次に、ボールペン筆記用消しゴム消去性
水性インキ組成物を調製する際の粘着性着色樹脂粒状体
73、或いは、粘着性樹脂粒状体72の安定化剤につい
て説明する。前記粒状体は、筆記時のボールの回転に伴
い、ボール抱持部近傍における極圧作用により粘着性粒
状体間で凝集、又は団塊化する傾向がある。このためイ
ンキ組成物中に粘着性粒状体の安定化剤を配合すること
が好ましい。前記安定化剤としては、アニオン性界面活
性剤や両性界面活性剤が挙げられ、好適には両性界面活
性剤、或いは、アニオン性界面活性剤と両性界面活性剤
の併用であり、粘着性粒状体表面に配向してボール収容
部近傍で粘着性粒状体同士が凝集や団塊化することを防
止する著しい効果を有する。
【0030】前記アニオン性界面活性剤としては、アル
キル硫酸塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸
塩、スルホコハク酸塩、スルホン酸塩、タウリン誘導
体、サルコシン誘導体、アマイドエーテルサルフェ−
ト、アルキル燐酸塩、ポリオキシエチレンアルキルエー
テル燐酸塩、脂肪酸塩、アルキルエーテル脂肪酸塩等が
挙げられ、ラウリル硫酸ナトリウム、ラウリル硫酸トリ
エタノールアミン塩、ミリスチル硫酸ナトリウム、ポリ
オキシエチレンラウリルエーテル硫酸ナトリウム、ポリ
オキシエチレンラウリルエーテル硫酸トリエタノールア
ミン塩、スルホコハク酸ジオクチルナトリウム、ラウリ
ルスルホ酢酸ナトリウム、N−ラウロイルメチルタウリ
ンナトリウム、N−ミリストイルメチルタウリントリエ
タノールアミン塩、ラウロイルサルコシンナトリウム、
オレイルサルコシンカリウム、ミリストイルサルコシン
ナトリウム、ポリオキシヤシ油脂肪酸モノエタノールア
ミド硫酸ナトリウム、ラウリル燐酸ナトリウム、ポリオ
キシエチレンセチルエーテル燐酸ナトリウム、ポリオキ
シエチレンノニルフェニルエーテル燐酸トリエタノール
アミン塩、ジポリオキシエチレンラウリルエーテル燐酸
トリエタノールアミン塩、トリポリオキシエチレンラウ
リルエーテル燐酸トリエタノールアミン塩、ヤシ油脂肪
酸トリエタノールアミン塩、ポリオキシエチレンラウリ
ルエーテル酢酸ナトリウム等を例示できる。
【0031】前記両性界面活性剤としては、アルキルベ
タイン型、アルキルアミノベタイン型、イミダゾリン
型、グリシン型、エーテルアミンオキシド型の界面活性
剤が挙げられ、ラウリルジメチルアミノ酢酸ベタイン、
ヤシ油脂肪酸アミドプロピルジメチルアミノ酢酸ベタイ
ン、ラウリン酸アミドプロピルベタイン、2−アルキル
−N−カルボキシメチル−N−ヒドロキシエチルイミダ
ゾリニウムベタイン、ラウリルヒドロキシスルホベタイ
ン、ポリオクチルポリアミノエチルグリシン、ラウリル
ジメチルアミンオキシド、ポリオキシエチレンヤシ油ア
ルキルジメチルアミンオキシド等を例示できる。
【0032】
【発明の実施の形態】図1に例示するボールペンに下記
実施例の消しゴム消去性インキを充填し、後部に粘弾性
の液栓を配して、消しゴム消去性水性インキボールペン
を構成した。チップとしては、金属パイプの先端部外面
を内方に3個所、押圧変形させた構造のもの(図2及び
図3)、及び内部切削構造のもの(図4及び図5)を適
用し、ボール径0.6mm及び0.7mmのボールをそ
れぞれ装着した系のボールペンを適用した(供試サンプ
ル各3本)。以下に実施例を示すが、本発明はこれらの
実施例によって何ら限定されるものではない。又、実施
例における粒子径分布の測定にはレーザー回折式粒度分
布測定機〔(株)島津製作所製;SALD 1100〕
を用い、ガラス転移温度の測定には示差走査熱量計〔理
学電気(株)製:DSC 8230L〕を用いて測定し
た。筆記テストによるインキ流出性は、走行試験機を用
い、筆記角度65度、筆記荷重約100g、筆記速度4
m/分にて筆記試験紙上に筆記して求めた。尚、実施例
中の配合数字は重量部を示す。
【0033】実施例1 黒色樹脂粒状体の調製 セパラブルフラスコ(2リットル)に水600部を入
れ、更にラウリル硫酸ナトリウム0.2部、メチルセル
ロース(商品名メトローズ90SH−100、信越化学
(株)製)20部を加えて分散媒とした。前記分散媒に
カーボンブラック(商品名:MA−100、三菱化成
(株)製)20部、スチレン105部、ブチルアクリレ
ート15部、1,6−ヘキサンジオールジアクリレート
0.1部、2,2, −アゾビスイソブチロニトリル2
部、トルエン30部からなる着色組成物を加え、高速攪
拌により約6μmの液滴とした後、攪拌継続下で懸濁液
を70℃に昇温して6時間懸濁重合を行った。100℃
まで昇温してトルエン及び残存モノマーを共沸留去した
後、室温まで冷却し、水1000部を加えて希釈し、遠
心分離法によって固液分離した後、水で固形分を50%
に調整して黒色樹脂粒状体分散液Aを得た。前記黒色樹
脂粒状体分散液Aの粒状体の平均粒子径は6.7μmで
あり、粒子は2μm〜10μmの範囲に全粒状体の89
重量%が含まれるものであった。 粘着性樹脂粒状体の調製 撹拌機付きセパラブルフラスコ(2リットル)に水60
0部を入れ、更にラウリル硫酸ナトリウム0.2部、メ
チルセルロース(商品名メトローズ90SH−100、
信越化学(株)製)20部を溶解して分散媒とした。前
記分散媒にブチルアクリレート120部、メタクリル酸
メチル10部、エチレングリコールジメタクリレート2
部、2,2, −アゾビスイソブチロニトリル2.0部か
らなる油相溶液を加え、400rpmで平均粒子径が約
6μmとなるよう撹拌を続けた。ついで、窒素雰囲気下
で懸濁液を70℃に昇温して撹拌を6時間続けて懸濁重
合を行なった。その後室温まで冷却し、水1000部を
加えて希釈した後、遠心分離法によって固液分離し、水
で固形分を40%に調整して粘着性樹脂粒状体分散体B
を得た。前記粘着性樹脂粒状体分散液B中の粒状体の平
均粒子径は7.8μmであり、粒子は2μm〜10μm
の範囲に全粒状体の85重量%が含まれるものであっ
た。 インキの調製 黒色樹脂粒状体A 40.0 粘着性樹脂粒状体分散液B 10.0 エチレングリコール 10.0 浸透剤 0.3 〔商品名:アセチノールEH、川研ファインケミカル(株)製〕 シリコーン変性消泡剤 0.1 水 39.6 合計 100.0 前記配合物を混合しディスパーにて均質になるまで攪拌
してインキ組成物を得た。得られたインキ組成物の粘度
は6.7mPa・s(ELD型粘度計、25℃)であっ
た。 インキ流出性テスト ボール径:0.7mm、抱持部内径A:0.73mm、
軸方向可動範囲B:45μm、のチップを備えた軸筒内
に前記インキを充填し、後部に粘弾性液栓を配したボー
ルペン6本を作成し、走行テストを行ったところ、平均
筆跡幅は0.35mm、0〜100m間の平均インキ消
費量は、430mgであった。0.1mm換算筆跡幅当
りのインキ消費量=430mg/0.35mm=123
mgであり、色濃度、消去性、筆記感はいずれも良好で
あった。
【0034】実施例2 粘着性着色樹脂粒状体分散液の調製 セパラブルフラスコ(2リットル)に水480部を入
れ、更にポリビニルアルコール〔商品名:ゴーセノール
GL−03、日本合成(株)製〕20.0部を溶解して
分散媒とした。前記分散媒にカーボンブラック〔商品
名:Printex L、デグサ社製)8.0部、アク
リル酸ブチル46.0部、スチレン46.0部、2,2
, −アゾビスイソブチルロニトリル2.0部からなる着
色組成物を加え、高速攪拌により約7μmの液滴とした
後、攪拌を続けながら、60℃で6時間懸濁重合を行っ
た。室温まで冷却後、分散媒中のポリビニルアルコール
を除去するために水600部を加えて洗浄し、遠心分離
法により粘着性黒色樹脂粒状体を分離した。得られた粘
着性黒色樹脂粒状体のスラリーに、更に水600部を加
えて洗浄した後、再度遠心分離法により分離し、水で固
形分を50重量%に調整して粘着性黒色樹脂粒状体分散
液Cを得た。前記のようにして得た粘着性黒色樹脂粒状
体分散液C中の粒状体のガラス転移温度は8℃であり、
平均粒子径は8.2μmであり、粒子は2μm〜10μ
mの範囲に全粒状体の92.5重量%が含まれるもので
あった。 インキの調製 粘着性黒色樹脂粒状体分散液C 45.0 エチレングリコール 10.0 浸透剤 0.3 〔商品名:アセチノールEH、川研ファインケミカル(株)製〕 水 44.7 合計 100.0 前記配合物を混合しディスパーにて均質になるまで攪拌
してインキ組成物を得た。得られたインキ組成物の粘度
は7.2mPa・s〔ELD型粘度計、25℃)であっ
た。 インキ流出性テスト 実施例1と同様のチップを用い、同様の走行テストを行
ったところ、平均筆跡幅は0.35mm、0〜100m
間の平均インキ消費量は、420mgであった。0.1
mm換算筆跡幅当りのインキ消費量=420mg/0.
35mm=120mgであり、色濃度、消去性、筆記感
はいずれも良好であった。
【0035】実施例3 着色樹脂粒状体の調製 スチレン−アクリル酸ブチル−マレイン酸共重合体〔モ
ノマー比70:20:10〕77部、ポリスチレン9
部、カーボンブラック〔商品名:MA−100、三菱化
成(株)製〕10部、ステアリン酸亜鉛4部を混合し、
熱ロールミルで溶融混練して冷却した後、ハンマーミル
で粗粉砕し、更に、ジェットミルで微粉砕し、風力分級
機で分級を行って、熱可塑性黒色樹脂粒状体Dを得た
(平均粒子径6.3μmであり、2μm〜10μmの範
囲に全粒状体の92重量%が含まれるものであった。
尚、前記熱可塑性黒色樹脂粒状体Dの軟化点は130℃
であり、MI値は3.0であった。 粘着性樹脂粒状体の調製 撹拌機付きセパラブルフラスコ(2リットル)に水60
0部を入れ、更にラウリル硫酸ナトリウム0.2部、メ
チルセルロース(商品名メトローズ90SH−100、
信越化学(株)製)20部を溶解して分散媒とした。前
記分散媒にブチルアクリレート78部、エチルメタクリ
レート52部、t−ブチルパーオキシピバレート1部か
らなる油相溶液を加え、500rpmで平均粒子径が約
4μmとなるよう撹拌を続けた。ついで、窒素雰囲気下
で懸濁液を70℃に昇温して撹拌を6時間続けて懸濁重
合を行なった。その後室温まで冷却し、水1000部を
加えて希釈した後、遠心分離法によって固液分離し、水
で固形分を40%に調整して粘着性樹脂粒状体分散体E
を得た。前記粘着性樹脂粒状体分散液E中の粒状体の平
均粒子径は4.8μmであり、粒子は2μm〜10μm
の範囲に全粒状体の90重量%が含まれるものであっ
た。 インキ組成物の調製 熱可塑性黒色樹脂粒状体D 15.0 粘着性樹脂粒状体分散液E 15.0 エチレングリコール 9.0 ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル 1.0 シリコーン変性消泡剤 0.1 防腐剤(商品名:プロキセルXL−2、ゼネカ製) 0.1 架橋アクリル型増粘剤 1.5 〔商品名:プライマルASE−60、ローム&ハース社製〕 リン酸エステル系界面活性剤 0.5 〔商品名:プライサーフAL、第一工業製薬(株)製〕 トリエタノールアミン 1.0 水 56.8 合計 100.0
【0036】前記配合物のうち、予め水とエチレングリ
コールを混合した混合液中に架橋アクリル型増粘剤を加
えた後、ディスパーにて撹拌しながら熱可塑性黒色樹脂
粒状体D、粘着性樹脂粒状体分散液Eを添加し、更に消
泡剤、防腐剤、潤滑剤(リン酸エステル系界面活性
剤)、トリエタノールアミンを加えて撹拌を続けてイン
キ組成物を得た。得られたインキ組成物は粘度(25
℃、EMD型粘度計による100rpmでの粘度)が6
7mPa・sであり、剪断減粘指数(n)は0.390
であった。ボール径:0.7mm、抱持部内径A:0.
75mm、軸方向可動範囲B:43μm、のチップを備
えた軸筒内に前記インキを充填し、後部に粘弾性液栓を
配したボールペン3本を作成し、走行テストを行ったと
ころ、平均筆跡幅は0.35mm、0〜100m間の平
均インキ消費量は、420mgであった。0.1mm換
算筆跡幅当りのインキ消費量=420mg/0.35m
m=120mgであり、色濃度、消去性に優れており、
スムーズな筆記感を示した。
【0037】実施例4 着色樹脂粒状体の調製 セパラブルフラスコ(2リットル)に水600部を入
れ、更にラウリル硫酸ナトリウム0.2部、メチルセル
ロース〔商品名:メトローズ90SH−100(信越化
学(株)製〕20部を加えて分散媒とした。前記分散媒
に赤色有機顔料(商品名:CINQUASIA Sca
rletRt−787−D、チバガイギー社製)30
部、ステアリン酸カルシウム1.5部、スチレン105
部、ブチルアクリレート13.4部、1,6−ヘキサン
ジオールジアクリレート0.1部、2,2′−アゾビス
イソブチロニトリル2部、トルエン30部からなる着色
組成物を加え、高速撹拌により約5μmの液滴とした
後、撹拌継続下で懸濁液を70℃に昇温して6時間懸濁
重合を行った。100℃まで昇温してトルエン及び残存
モノマーを共沸留去した後、室温まで冷却し、水100
0部を加えて希釈し、遠心分離法によって固液分離した
後、水で固形分を50%に調整して赤色樹脂粒状体分散
液Fを得た。前記赤色樹脂粒状体分散液F中の粒状体の
平均粒子径は5.8μmであり、粒子は2μm〜10μ
mの範囲に全粒状体の91重量%が含まれるものであっ
た。尚、前記赤色樹脂粒状体の軟化点は146℃であ
り、MI値は2.0であった。
【0038】粘着性樹脂粒状体の調製 実施例1の粘着性樹脂粒状体分散液の油相を2−エチル
ヘキシルアクリレート110部、ブチルメタクリレート
20部、ジビニルベンゼン1部、2,2′−アゾビスイ
ソブチロニトリル2部とする以外は、実施例1と同様の
手順で反応を行った。得られた粘着性樹脂粒状体の固形
分を水で40%に調整して粘着性樹脂粒状体分散液Gを
得た。前記粘着性樹脂粒状体分散液G中の粒状体の平均
粒子径は4.2μmであり、粒子は2μm〜10μmの
範囲に全粒状体の98重量%が含まれるものであった。
【0039】 インキ組成物の調製 赤色樹脂粒状体分散液F 20.0 粘着性樹脂粒状体分散液G 15.0 エチレングリコール 10.0 尿素 5.0 シリコーン変性消泡剤 0.1 防腐剤(商品名:プロキセルXL−2、ゼネカ製) 1.0 サクシノグリカン 0.2 (有機酸修飾ヘテロ多糖体、平均分子量約100万乃至800万) リン酸エステル系界面活性剤 0.5 〔商品名:プライサーフM208B、第一工業製薬(株)製〕 水 48.2 合計 100.0
【0040】前記配合物を混合しディスパーにて均質に
なるまで撹拌してインキ組成物を得た。得られたインキ
組成物は粘度(25℃、EMD型粘度計による100r
pmでの粘度)が58mPa・sであり、剪断減粘指数
(n)は0.262であった インキ流出性テスト ボール径:0.6mm、抱持部内径A:0.63mm、
軸方向可動範囲B:53μm、のチップを備えた軸筒内
に前記インキを充填し、後部に粘弾性液栓を配したボー
ルペン3本を作成し、走行テストを行ったところ、平均
筆跡幅は0.30mm、0〜100m間の平均インキ消
費量は、370mgであった。0.1mm換算筆跡幅当
りのインキ消費量=370mg/0.30mm=123
mgであり、色濃度、消去性に優れており、スムーズな
筆記感を示した。
【0041】実施例5 着色樹脂粒状体の調製 ビーカー(2リットル)に水480部を入れ、更にポリ
ビニルアルコール〔商品名:ゴーセノールGL−03、
日本合成(株)製〕20部を溶解して分散媒とした。前
記分散媒にフタロシアニン系青色有機顔料(商品名ファ
ーストゲンブルー5007、大日本インキ(株)製)1
5部、エポキシ樹脂(ビスフェノールA/ジグリシジル
エーテル系、エポキシ当量184〜194)85部、ス
テアリン酸マグネシウム9部、酢酸エチル60部からな
る着色組成物を加えて高速撹拌により約5μmの液滴と
した後、撹拌継続下で60℃まで昇温し、エポキシ樹脂
硬化剤(脂肪族ポリアミン)21部を水200部中に溶
解した溶液を約1時間かけて滴下した。ついで液温を8
0℃まで上昇させて5時間撹拌を続けることにより酢酸
エチルを揮散させた。室温まで冷却し、水1000部を
加えて洗浄して遠心分離によって固液分離した後、水で
固形分を調整して固形分50%の青色樹脂粒状体分散液
Hを得た。前記青色樹脂粒状体分散液H中の粒状体の平
均粒子径は6.7μmであり、粒子は2μm〜10μm
の範囲に全粒状体の91重量%が含まれるものであっ
た。
【0042】 インキ組成物の調製 青色樹脂粒状体分散液H 30.0 粘着性樹脂粒状体分散液B 20.0 グリセリン 10.0 シリコーン変性消泡剤 0.1 防腐剤(商品名:プロキセルXL−2、ゼネカ製) 1.0 キサンタンガム 0.3 リン酸エステル系界面活性剤 0.5 〔商品名:プライサーフA212C、第一工業製薬(株)製〕 トリエタノールアミン 0.5 水 37.6 合計 100.0
【0043】前記配合物を混合しディスパーにて均質に
なるまで撹拌してインキ組成物を得た。得られたインキ
組成物は粘度(25℃、EMD型粘度計による100r
pmでの粘度)が61mPa・sであり、剪断減粘指数
(n)は0.278であった。
【0044】インキ流出性テスト ボール径:0.6mm、抱持部内径A:0.65mm、
軸方向可動範囲B:48μm、のチップを備えた軸筒内
に前記インキを充填し、後部に粘弾性液栓を配したボー
ルペン3本を作成し、走行テストを行ったところ、平均
筆跡幅は0.30mm、0〜100m間の平均インキ消
費量は、390mgであった。0.1mm換算筆跡幅当
りのインキ消費量=390mg/0.30mm=130
mgであり、色濃度、消去性に優れており、スムーズな
筆記感を示した。
【0045】
【発明の効果】本発明ボールペンに適用のインキは、粒
子径分布が2μm〜10μmの範囲に80重量%を占め
る特定の、着色樹脂粒状体と粘着性樹脂粒状体の組合わ
せ(又は表面の少なくとも一部が粘着性を示す粘着性着
色樹脂粒状体)を主構成要素とするものであり、前記粒
子相互が点接着状に紙面上に筆跡を形成して、消しゴム
消去性を有効に機能させるものであり、筆記距離100
m当りのインキ消費量が特定範囲に設定されてなるの
で、前記インキによる筆跡性能と消去機能を有効に発現
させることができる。更には、非筆記状態では、ボール
背面を弾発的に先端方向に押圧すると共にボール先端が
キャップ内に装着の弾性シール体により密接状態に覆わ
れることにより、所期のインキ流出性と、筆跡性能と消
去機能を持続的に安定化させることができる。更には、
着色樹脂粒状体を顔料及び脂肪酸金属塩を含む構成とな
したインキを適用する系にあっては、適性な潤滑効果が
得られ、筆記感に優れた消しゴム消去性水性インキボー
ルペンを提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の消しゴム消去性インキボールペンの一
実施例の要部拡大縦断面説明図である。
【図2】本発明の消しゴム消去性インキボールペンの一
実施例の先端部の要部拡大縦断面説明図である。
【図3】図2の先端部のX−X線の断面図である。
【図4】本発明の消しゴム消去性インキボールペンの他
の実施例の先端部の要部拡大縦断面説明図である。
【図5】図4の先端部のX−X線の断面図である。
【図6】本発明ボールペンに適用の消しゴム消去性イン
キによる筆跡の断面模式図である。
【図7】本発明ボールペンに適用の消しゴム消去性イン
キによる筆跡の他の例の断面模式図である。
【符号の説明】
1 消しゴム消去性水性インキボールペン 2 ボール 3 ボール受座 4 インキ通孔 5 弾発部材 6 軸筒 7 消しゴム消去性水性インキ 71 着色樹脂粒状体 72 粘着性樹脂粒状体 73 粘着性着色樹脂粒状体 8 インキ逆流防止体 9 キャップ 10 弾性シール体 11 尾栓 12 消しゴム
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 2C350 GA03 HA08 KF03 KF05 NA10 NA11 NA19 4J039 AD01 AD02 AD04 AD09 AD10 AD11 AE02 AE03 AE04 AE06 AE08 BA04 BA12 BC16 BC17 BC19 BC33 BC39 BC59 BC60 BC69 BD04 BE01 BE23 CA03 CA06 EA21 EA44 GA27

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 粒子径分布が2μm〜10μmの範囲に
    80重量%以上を占める、着色樹脂粒状体及び粘着性樹
    脂粒状体、又は、表面の少なくとも一部が粘着性を有す
    る粘着性着色樹脂粒状体を必須成分として水性媒体に分
    散させた、粘度が5〜160mPa・s〔EMD型粘度
    計による100rpmでの測定値(25℃)〕の消しゴ
    ム消去性水性インキを軸筒に充填してなり、筆記距離1
    00m当りのインキ消費量が、0.1mm換算筆跡幅当
    り80mg〜150mgの範囲にあることを特徴とする
    消しゴム消去性水性インキボールペン。
  2. 【請求項2】 前記インキは、水性媒体中に剪断減粘性
    付与剤を含んでなり、粘度が25〜160mPa・s
    〔EMD型粘度計による100rpmでの測定値(25
    ℃)〕であり、剪断減粘指数が0.1〜0.8の範囲に
    ある請求項1記載の消しゴム消去性水性インキボールペ
    ン。
  3. 【請求項3】 着色樹脂粒状体は、顔料及び脂肪酸金属
    塩を含んでなる請求項1又は2記載の消しゴム消去性水
    性インキボールペン。
  4. 【請求項4】 前記インキは、脂肪酸金属塩が0.1重
    量%以上含まれる着色樹脂粒状体を5〜30重量%、粘
    着性樹脂粒状体を0.5〜15重量%含んでなり、且
    つ、着色樹脂粒状体と粘着性樹脂粒状体の重量比が10
    0:2〜200である請求項3記載の消しゴム消去性水
    性インキボールペン。
  5. 【請求項5】 先端にボールを抱持し、ボール受座には
    軸心にボールに通じるインキ通孔が設けられ、前記イン
    キ通孔には、ボール背面を弾発的に先端方向に押圧する
    弾発部材を配して、ボール外周をボール抱持部内壁の先
    端部に密接させてなる筆記先端部を有する請求項1乃至
    4の何れか一項に記載の消しゴム消去性水性インキボー
    ルペン。
  6. 【請求項6】 筆記先端部にはボール先端を密接状態に
    覆う弾性シール体を内挿させたキャップが装着されてな
    る請求項1乃至5の何れか一項に記載の消しゴム消去性
    水性インキボールペン。
  7. 【請求項7】 キャップの頂部又は軸筒の後部に消しゴ
    ムを装着してなる請求項1乃至6の何れか一項に記載の
    消しゴム消去性水性インキボールペン。
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