JP4275225B2 - 消しゴム消去性ボールペン用水性インキ組成物 - Google Patents

消しゴム消去性ボールペン用水性インキ組成物 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は消しゴム消去性ボールペン用水性インキ組成物に関する。更に詳細には、紙面に筆記した筆跡が消しゴムでの擦過により容易に消去できる消去性ボールペン用水性インキ組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より、紙面上に消去可能な筆跡を形成するインキについて様々な提案がなされている。例えば、特開平1−217088号公報には40℃以上の造膜温度を有する樹脂と顔料を含有してなる消去性インキ組成物が提案されている。しかしながら、前記消去性インキ組成物は樹脂の造膜温度が高いため皮膜を形成し難い。よって、各々の樹脂粒子が紙面上に独立した状態で存在するため紙面への固着性に乏しく、指で擦過すると容易に剥離するという欠点があった。
また、前記インキ組成物は顔料が凝集、沈降し易い。従って、前記インキ組成物を充填した筆記具は経時によってインキが出難くなったり、筆跡の色濃度が薄くなる等、良好な筆記性能が得られ難いという問題があった。
更に、特開平10−195366号公報には0℃以下のガラス転移温度又は造膜温度を有する樹脂、顔料、及び、増粘剤を含有してなる消去性ボールペン用インキ組成物が開示されており、該インキ組成物に用いられる樹脂が紙面上でそれぞれ結着して造膜し、柔軟性を有する皮膜を形成するものである。
しかしながら、前記0℃以下のガラス転移温度又は造膜温度を有する樹脂として特にスチレン−ブタジエンゴム、ニトリルゴム、クロロプレンゴム等のラテックス類を用いると、紙面上に形成される皮膜は柔軟性に優れ、しかも、エラストマーのような凝集力を有することから、消しゴムで擦過すると皮膜が連続状態で剥離して消去性は向上するものの、同時に指で触る程度の軽い擦過によっても容易に筆跡が剥離してしまうため実用性に乏しい。また、塩化ビニル樹脂、アクリル樹脂、酢酸ビニル樹脂、ポリエチレン等のラテックス以外の0℃以下のガラス転移温度又は造膜温度を有する樹脂を選定して用いると、皮膜の紙面への固着性に優れ、筆跡を指で擦過する程度では剥離し難くなるが、その反面、消しゴムによる消去性も低下する。
前記のように、従来のインキ組成物は消しゴム消去性と通常時の筆跡保持性を共に満足してはいなかった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、表面塗工されたアート紙、コピー用紙のような特殊加工紙は元より、一般的に用いられている上質紙、中質紙等を含む全ての紙面に、指で擦過する程度の軽い摩擦、或いは、通常起こりうるような紙面同士の摩擦程度では剥離することがないと共に、消しゴムでの擦過によっては容易に消去できる筆跡をもたらし、しかも、剪断減粘性付与剤の添加により静置時に高粘度を示す効果によって、着色剤として用いられる着色樹脂粒状体の凝集、沈降を抑制して経時後も良好な筆跡が得られる消しゴム消去性ボールペン用水性インキ組成物を提供しようとするものである。
【0004】
【課題を解決するための手段】
本発明は、水と、着色樹脂粒状体と、ガラス転移温度又は最低造膜温度が0℃を越え、且つ、40℃未満の樹脂と、剪断減粘性付与剤とから少なくともなり、粘度が25〜160mPa・s(EM型回転粘度計における回転数100rpmでの値、25℃)、剪断減粘指数が0.1〜0.7を示し、前記樹脂は粒子径が2〜10μmの範囲に70%以上を含んでなり、且つ、前記着色樹脂粒状体と樹脂は乾燥後の筆跡において相互間及び紙面に対して点接着状に固着する消しゴム消去性ボールペン用水性インキ組成物を要件とする。更には、前記樹脂がインキ組成中0.5〜20重量%添加されてなること、前記樹脂は、アクリル系樹脂、メタクリル酸系樹脂、酢酸ビニル系樹脂から選ばれる樹脂であること、前記着色樹脂粒状体は、粒子径が2〜10μmの範囲に70%以上含まれること、前記剪断減粘性付与剤は、多糖類、架橋型アクリル樹脂、HLB値が8〜12のノニオン系界面活性剤、膨潤性粘土類、ジアルキル又はジアルケニルスルホコハク酸塩類、或いは、N−アルキル−2−ピロリドンとアニオン系界面活性剤の混合物のいずれかであること等を要件とする。
【0005】
前記ガラス転移温度又は最低造膜温度が0〜40℃の樹脂は、紙面に対して適度な固着性を有する。従来のガラス転移温度又は最低造膜温度が40℃以上の樹脂を用いたインキ組成物により得られる筆跡は皮膜を形成せず、各々の樹脂粒子が紙面上に独立状態で存在して、指で軽く擦過すると容易に剥離する不具合を生じる。また、ガラス転移温度又は最低造膜温度が0℃以下の樹脂を用いたインキ組成物により得られる筆跡は、皮膜が紙面に対して強固に接着して消しゴムで消去することが困難となる。更に0℃以下の樹脂としてラテックス類を用いたインキ組成物により得られる筆跡は指で触る程度の軽い擦過によって容易に筆跡が剥離する不具合を生じる。本発明に用いられる樹脂は通常の紙同士の摩擦や指での擦過で筆跡が剥離する不具合を生じることなく、筆跡の保存性を満足させ、しかも、消しゴムを用いて擦過すると筆跡が残ることなく容易に消去できることから、迅速に書き直しができ、しかも、再筆記により見栄えの良い筆跡が得られる。
【0006】
前記ガラス転移温度又は最低造膜温度が0〜40℃の樹脂を例示すると、
アクリル樹脂、アクリル酸エステル共重合樹脂、スチレン−アクリル酸エステル共重合樹脂、アクリル酸−アクリル酸エステル共重合樹脂、アクリロニトリル−アクリル酸エステル共重合樹脂、アクリル酸エステル−メタクリル酸エステル共重合樹脂、 スチレン−アクリロニトリル−アクリル酸エステル共重合樹脂等のアクリル系樹脂、メタクリル酸共重合樹脂、メタクリル酸−メタクリル酸エステル共重合樹脂、スチレン−メタクリル酸−メタクリル酸エステル共重合樹脂、アクリロニトリル−メタクリル酸エステル共重合樹脂、スチレン−アクリロニトリル−メタクリル酸エステル共重合樹脂、スチレン−メタクリル酸共重合樹脂等のメタクリル酸系樹脂、酢酸ビニル樹脂、エチレン−酢酸ビニル共重合樹脂、酢酸ビニル−アクリル酸エステル共重合樹脂、酢酸ビニル−ベオバ共重合樹脂等の酢酸ビニル系樹脂、ウレタン樹脂、ポリエステル樹脂、ナイロン樹脂、塩化ビニル樹脂、ポリブテン樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリアミド樹脂、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、スチレン−ブタジエン共重合樹脂、スチレン−アクリロニトリル共重合樹脂、及び、これらの樹脂の誘導体が挙げられ、好適には酢酸ビニル樹脂、エチレン−酢酸ビニル共重合樹脂、スチレン−アクリル共重合樹脂から選ばれる樹脂が用いられる。
なお、前記樹脂は一種または二種以上を併用して用いることもできる。
更に、必要に応じて官能性或いは多官能性の架橋剤を配合して樹脂の強度を向上させることもできる。
【0007】
また、既製の商品を適用することもでき、これらを例示すると、
大日本インキ化学工業(株)製の商品名:ボンコート3985(ガラス転移温度:27℃)、ボンコート40−418(ガラス転移温度:18℃)、ボンコートD−600(ガラス転移温度:33℃)、ボンコートEC−905(ガラス転移温度:19℃)、ボンコート6810−45L(ガラス転移温度:5℃)、ボンコートEC−880(ガラス転移温度:26℃)、ボンコートEC−863(ガラス転移温度:19℃)、ボンコート2315(ガラス転移温度:30℃)、ボンコート2610(ガラス転移温度:30℃)、ボンコート3981(ガラス転移温度:13℃)、
日本ゼオン(株)製の商品名:SX1103(ガラス転移温度:23℃)、G−576(ガラス転移温度:9℃)、ニューポールLX−814(ガラス転移温度:17℃)、ニューポールLX−825(ガラス転移温度:5℃)、ニューポールLX−842(ガラス転移温度:21℃)、ニューポールLX−1577(ガラス転移温度:4℃)、ニューポールLX−410(ガラス転移温度:23℃)、ニューポールLX−433(ガラス転移温度:23℃)、
日本カーバイド工業(株)製の商品名:ニカゾールCL−204(ガラス転移温度:20℃)、ニカゾールPL−667(ガラス転移温度:16℃)、ニカゾールRX−114H(ガラス転移温度:21℃)、ニカゾールRX−291(ガラス転移温度:9℃)、ニカゾールRX−832A(ガラス転移温度:6℃)、ニカゾールRX−701E(ガラス転移温度:7℃)、ニカゾールRX−301C(ガラス転移温度:29℃)、ニカゾールFX−329(ガラス転移温度:26℃)、ニカゾールKE−281(ガラス転移温度:29℃)、ニカゾールFX−619(ガラス転移温度:12℃)、ニカゾールPX−3383A(ガラス転移温度:33℃)、
或いは、日本合成ゴム(株)製の商品名:AE−316(A)(ガラス転移温度:17℃)、AE−318(ガラス転移温度:17℃)、AE−319(ガラス転移温度:25℃)が挙げられる。
前記既製の樹脂分散液は乳化重合或いはその応用技術によって製造することができ、一般的に樹脂は1μm以下の粒子分布をとる。
前記樹脂中に粒子径が2μm未満のものが多量に存在すると、紙面の繊維間に溶剤と共に浸透し易く、消しゴム消去性が低下する傾向にあるため、樹脂はインキ組成物中、2〜10μmの範囲に70%以上含まれる粒子径分布を有して粒子状態で分散してなることが好ましく、より好ましくは4〜10μmの範囲に70%以上含まれる。なお、前記樹脂は単一構造である他、適宜粒子表面に前記樹脂が均一或いは不連続的に設けられた多層構造を有する樹脂が挙げられる。
かかる粒子径の樹脂は一般的に懸濁重合法によって得ることができる。
また、粒子径が10μmを越えるものが多量に存在すると、ボールペン機構の筆記具においては筆記先端部からインキが出難くなり、ボールとボール抱持部間に目詰まりを生じてインキ追従性を損なったり、筆記不能になる恐れがある。
前記した粒子径分布を有するガラス転移温度又は最低造膜温度が0〜40℃の樹脂を用いたインキ組成物により得られる筆跡は、消しゴム消去性に優れるが、例えば、前記した粒子径分布を有するガラス転移温度又は最低造膜温度が0℃以下の樹脂を用いたインキ組成物は粘着性が高いため各々の樹脂粒子が凝集し易く、経時によってインキが出難くなると共に、乾燥後の筆跡において相互間及び紙面に対して点接着状に固着する機能を示さずに皮膜を形成するため、指で触る程度の擦過では剥離することなく、しかも、消しゴムによる消去性に優れる本発明の効果を奏することはできない。
【0008】
前記樹脂はインキ組成中0.5〜20重量%、好ましくは0.5〜10重量%の割合で添加される。
0.5重量%未満では、紙面上での接着性能を発揮し難くなる。また、20重量%を越えると接着が強固になり、消しゴムで消去でき難くなると共に、インキ粘度が上昇して筆跡がかすれる等、筆記性能に悪影響を与える。
【0009】
前記着色樹脂粒状体は、樹脂粒子中に顔料が均質に分散された着色樹脂粒状体、樹脂粒子の表面が顔料で被覆されている着色樹脂粒状体、及び、樹脂粒子に染料が化学的に表面又は全体的に結合されて染着されている着色樹脂粒状体が挙げられる。
【0010】
前記着色樹脂粒状体を構成する樹脂類としては、ポリスチレン、アクリル樹脂、エポキシ樹脂、メラミン樹脂、ポリエステル、ポリ塩化ビニル、ベンゾグアナミン樹脂、ポリアミド、ウレタン樹脂、ポリメチルメタクリレート、アクリル−ウレタン共重合体、フェノール樹脂、ポリエチレン、ポリアクリロニトリル、スチレン−アクリル共重合体、スチレン−ブタジエン共重合体、アクリロニトリル−ブタジエン共重合体等が挙げられる。
前記樹脂を着色する顔料としては、カーボンブラック、酸化鉄、群青、黒鉛、酸化クロムグリーン、酸化チタン等の無機顔料、アゾ系、アンスラキノン系、縮合ポリアゾ系、チオインジゴ系、フタロシアニン系、金属錯塩系、ペリノン系、ペリレン系、ジオキサジン系、キナクリドン系等の有機顔料が挙げられる。
また、前記樹脂を染着する染料としては、塩基性染料、分散染料、ソルベント染料、酸性染料等が挙げられる。
前記着色樹脂粒状体は、従来より公知の樹脂粒子合成法を利用して得ることができる。前記合成法として具体的には、懸濁重合法、懸濁重縮合法、分散重合法、乳化重合法等が挙げられる。
本発明に用いられる大部分が2〜10μmの粒子径を有する着色粒状体を得るためには懸濁重合法、懸濁重縮合法、分散重合法が好適に用いられる。
【0011】
前記着色樹脂粒状体は市販品を適用することもでき、例えば、日本蛍光化学(株)製の商品名:NKW−3002、NKW−3003、NKW−3007、NKW−3008、NKW−2102、NKW−2103、NKW−2104、NKW−2107、NKW−2108、NKW−S−2、NKW−S−3、NKW−S−4、NKW−S−7、シンロイヒ(株)製の商品名:SP−13、SP−14、SP−17、SW−18、日本触媒化学(株)製の商品名:エポカラーFP−10、FP−20、FP−40、FP−1007、FP−300、FP−112、FP−113、FP−116、FP−117、スターリング(株)製の商品名:フレアー210レッド3、フレアー210オレンジ5、フレアー210ピンク1、及び、積水化成品(株)製の商品名:テクポリマーMBX−5系、根上工業製のアートパールC−800等、各品番から選ばれる着色樹脂粒状体が挙げられる。
【0012】
なお、前記着色樹脂粒状体として、染料または顔料を媒体中に溶解又は分散させてなる着色体を公知のマイクロカプセル化法により樹脂壁膜形成物質からなる殻体に内包又は固溶体化させたマイクロカプセル顔料を用いることもできる。
前記殻体を形成する壁膜形成物質としては、ゼラチン、シェラック、アラビアガム、ロジン、ロジンエステル、エチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、パラフィン、トリステアリン、ポリビニルアルコール、ポリエチレン、ポリプロピレン、アクリル系樹脂、ビニル系樹脂、ポリイソブテン、ポリウレタン、ポリブタジエン、ポリエステル、ポリアミド、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、シリコーン樹脂、ポリスチレン、メラミン樹脂等を単独又は混合して使用することができる。
適用できるマイクロカプセル化法としては、コアセルベーション法、インサイチュー重合法、界面重合法、液中硬化被膜法、水溶液からの相分離法、有機溶媒からの相分離法、融解分散冷却法、気中けん濁被覆法、スプレードライイング法等が挙げられる。
【0013】
前記着色樹脂粒状体は、2〜10μmの範囲に70%以上含まれる粒子径分布を有することが好ましい。
粒子中に2μm未満の着色樹脂粒状体が多量に存在すると、紙面の繊維間に入り込み易く、紙面内部に浸透した微細着色樹脂粒状体を消しゴムで取り除くことはでき難い。よって、2μm以下の着色樹脂粒状体の含有率を下げることが好ましい。
また、10μmを越える着色樹脂粒状体が多量に存在すると、筆記先端部からインキが出難くなり、ボールペン機構の筆記具においては、ボールとボール抱持部間に目詰まりを生じてインキ追従性を損なったり、筆記不能になる恐れがある。
従って、2μm未満及び10μmを越える粒子径の着色樹脂粒状体の含有率が全着色樹脂粒状体中30%未満であれば実用性を満足させる性能をを示すが、より低い含有率であることが望ましい。
【0014】
前記着色樹脂粒状体は、インキ組成物中1〜30重量%の範囲で添加される。
1重量%未満では所望の筆記濃度が得られ難く、また、30重量%を越えるとインキ粘度が上昇して筆記先端部から充分なインキ出が得られず、筆跡がかすれたり筆記不能になる等、筆記性能に悪影響を与える。
【0015】
本発明のインキ組成物には、筆記直後の筆跡が高粘性を示して紙内部まで樹脂や着色樹脂粒状体が浸透することなく、良好な消去性能を付与する目的、及び、着色樹脂粒状体の凝集、沈降を抑制して経時後も良好な筆跡を得る目的のために剪断減粘性付与剤を添加する。
前記剪断減粘性付与剤としては、水に可溶乃至分散性の物質が効果的であり、キサンタンガム、ウェランガム、構成単糖がグルコースとガラクトースの有機酸修飾ヘテロ多糖体であるサクシノグリカン(平均分子量約100乃至800万)、グアーガム、ローカストビーンガム及びその誘導体、ヒドロキシエチルセルロース、アルギン酸アルキルエステル類、メタクリル酸のアルキルエステルを主成分とする分子量10万〜15万の重合体、グリコマンナン、寒天やカラゲニン等の海藻より抽出されるゲル化能を有する増粘多糖類、ベンジリデンソルビトール及びベンジリデンキシリトール又はこれらの誘導体、架橋性アクリル酸重合体、無機質微粒子、ポリグリセリン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ポリエチレングリコール脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンヒマシ油、ポリオキシエチレンラノリン・ラノリンアルコール・ミツロウ誘導体、ポリオキシエチレンアルキルエーテル・ポリオキシプロピレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル、脂肪酸アミド等のHLB値が8〜12のノニオン系界面活性剤、ジアルキル又はジアルケニルスルホコハク酸の塩類等を例示でき、単独或いは混合して使用することができる。
更に、N−アルキル−2−ピロリドンとアニオン系界面活性剤の混合物、ポリビニルアルコールとアクリル系樹脂の混合物を用いることもできる。
前記剪断減粘性付与剤は、インキ組成物中0.1〜20重量%の範囲で用いることができる。
前記剪断減粘性付与剤を添加したインキ組成物は、25℃でEM型回転粘度計における回転数100rpmでのインキ粘度が25〜160mPa・sの範囲を示し、且つ、剪断減粘指数が0.1〜0.7を示すように調整される。
粘度及び剪断減粘指数が前記範囲にあるとボールペン用水性インキとして好適であり、静置時のインキ安定性及び筆記時のインキ出が良好なボールペンが得られる。
また、剪断減粘度指数は剪断応力値(T)及び剪断速度(j)値の如き粘度計による流動学的測定から得られる実験式(T=Kjn :K及びnは計算された定数である)にあてはめることによって計算されるn値である。
【0016】
更に、必要によってスチレンマレイン酸共重合物、セルローズ誘導体、ポリビニルピロリドン、ポリビニルアルコール、デキストリン等の水溶性樹脂を粘性付与のために用いることもできる。
【0017】
前記した着色樹脂粒状体を分散する媒体としては水が用いられるが、必要により、水と相溶性のある水溶性有機溶剤を添加することもできる。
前記水溶性有機溶剤としては、例えば、エタノール、プロパノール、ブタノール、グリセリン、ソルビトール、トリエタノールアミン、ジエタノールアミン、モノエタノールアミン、エチレングリコール、ジエチレングリコール、ヘキシレングリコール、1,3−ブタンジオール、ネオプレングリコール、チオジエチレングリコール、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、ブチレングリコール、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、スルフォラン、2−ピロリドン、N−メチル−2−ピロリドン等が挙げられる。
【0018】
その他、必要に応じて添加剤を加えることもでき、例えば、PH調整剤として炭酸ナトリウム、燐酸ナトリウム、水酸化ナトリウム、酢酸ソーダ等の無機塩類やトリエタノールアミン、ジエタノールアミン等の水溶性のアミン化合物の有機塩基性化合物、また、石炭酸、1、2−ベンズチアゾリン−3−オンのナトリウム塩、安息香酸ナトリウム、デヒドロ酢酸ナトリウム、ソルビン酸カリウム、パラオキシ安息香酸プロピル、2,3,5,6−テトラクロロ−4−(メチルスルフォニル)ピリジン等の防腐剤或いは防黴剤、尿素、ソルビット、マンニット、ショ糖、ぶどう糖、還元デンプン加水分解物、ピロリン酸ナトリム等の湿潤剤、リン酸エステル系界面活性剤等の潤滑剤、着色液の浸透性を向上させるフッ素系界面活性剤やノニオン、アニオン、カチオン系界面活性剤、ジメチルポリシロキサン等の消泡剤、分散剤等があげられる。
【0019】
前記インキ組成物を充填するボールペンの筆記先端部(チップ)の構造は、従来より汎用の機構が有効であり、金属製のパイプの先端近傍を外面より内方に押圧変形させたボール抱持部にボールを抱持してなるチップ、或いは、金属材料をドリル等による切削加工により形成したボール抱持部にボールを抱持してなるチップ、或いは、金属製のパイプや金属材料の切削加工により形成したチップに抱持するボールをバネ体により前方に付勢させたもの等を適用できる。 又、前記ボールは、超硬合金、ステンレス鋼、ルビー、セラミック等の0.3〜1.2mm径程度のものが適用できる。
【0020】
前記インキ組成物を収容するインキ収容管は、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエチレンテレフタレート等の熱可塑性樹脂からなる成形体が、インキの低蒸発性、生産性の面で好適に用いられる。
又、前記インキ収容管は、2.5〜10mmの内径を有するものが好適に用いられる。
更に、前記インキ収容管として透明、着色透明、或いは半透明の成形体を用いることにより、インキ色やインキ残量等を確認できる。
前記インキ収容管にはチップを直接連結する他、接続部材を介して前記インキ収容管とチップを連結してもよい。
尚、前記インキ収容管は、ボールペン用レフィルの形態として、前記レフィルを軸筒内に収容するものでもよいし、先端部にチップを装着した軸筒自体をインキ収容体として、前記軸筒内に直接インキを充填してもよい。
前記軸筒内に収容するレフィルの内径は、2.5〜5mmのものが好適に用いられ、インキを直接収容する軸筒の内径は、4〜10mmのものが好適に用いられる。
【0021】
前記インキ収容管に収容したインキ組成物の後端にはインキ逆流防止体を充填することが好ましい。
前記インキ逆流防止体としては、液状または固体のいずれを用いることもでき、前記液状のインキ逆流防止体としては、ポリブテン、シリコーン油等の不揮発性媒体が挙げられ、所望により前記媒体中にシリカ、珪酸アルミニウム等を添加することもできる。
また、固体のインキ逆流防止体としては樹脂成形物が挙げられる。
更に、前記液状及び固体のインキ逆流防止体を併用して用いることもできる。
【0022】
【発明の実施の形態】
本発明の消しゴム消去性ボールペン用水性インキ組成物は、水に必要によって水溶性有機溶剤や界面活性剤を加えた溶媒中に、着色粒状体を添加して攪拌した後、樹脂及び剪断減粘性付与剤を添加し、更に攪拌して得られる。
【0023】
【実施例】
以下の表に実施例1〜5及び比較例1〜4のインキ組成物の配合組成を示す。
なお、表中の数値は重量%を示し、比較例3のインキ組成は特開平10−195366号公報の記載に準拠したインキ組成である。
【0024】
【表1】
Figure 0004275225
【0025】
表中の原料の内容の詳細を注番号に従って以下に説明する。
(1)ポリメチルメタクリル酸メチルにカーボンブラックを分散状態に固着してなる黒色樹脂粒状体(平均粒子径:5μm)
(2)蛍光赤色ベンゾグアナミン樹脂粒状体〔平均粒子径:1〜2μm、商品名:エポカラーFP−20、日本触媒化学(株)製〕
(3)ウレタン樹脂にカーボンブラックを分散状態に固着してなる黒色樹脂粒状体(平均粒子径:4〜8μm)
(4)エポキシ樹脂皮膜中にカーボンブラックを内包した黒色マイクロカプセル顔料(平均粒子径:3〜5μm)
(5)カーボンブラック〔平均粒子径:0.02μm、商品名:MA−100、三菱化学(株)製〕
(6)酢酸ビニル樹脂水分散体〔酢酸ビニル樹脂、ガラス転移温度:30℃、平均粒子径:0.5μm、樹脂分55%、商品名:ボンコート2315、大日本インキ化学工業(株)製〕
(7)アクリル樹脂水分散液〔アクリル樹脂、ガラス転移温度:13℃、平均粒子径:0.1μm、商品名:ボンコート3981、大日本インキ化学工業(株)製〕樹脂分50%、
(8)アクリル樹脂水分散液〔アクリル樹脂、ガラス転移温度:5℃、平均粒子径:0.2μm、商品名:AE−318、日本合成ゴム(株)製〕樹脂分55%
(9)架橋型アクリル共重合樹脂水分散液(架橋型アクリル共重合樹脂、ガラス転移温度:20℃、平均粒子径:2〜5μm)樹脂分30%
(10)スチレン−2エチルヘキシルアクリレート共重合樹脂水分散液〔スチレン−2エチルヘキシルアクリレート共重合樹脂、ガラス転移温度:15℃、平均粒子径:3〜6μm)樹脂分30%
(11)アクリル樹脂水分散液〔アクリル樹脂、ガラス転移温度:−47℃、平均粒子径:0.3μm、商品名:ボンコート3626、大日本インキ化学工業(株)製〕樹脂分58%
(12)スチレン−ブタジエン系ラテックス水分散液〔スチレン−ブタジエン系ラテックス、ガラス転移温度:−50℃、平均粒子径:0.08μm、商品名:Nipol LX110、日本ゼオン(株)製〕樹脂分40.5%、
(13)スチレン−ブタジエン系ラテックス水分散液〔スチレン−ブタジエン系ラテックス、ガラス転移温度:−20℃、平均粒子径:0.1μm、商品名:Nipol 2570X5、日本ゼオン(株)製〕樹脂分41%
(14)アクリル−スチレン共重合樹脂水分散液〔アクリル−スチレン共重合樹脂、最低造膜温度:100℃、商品名:モビニール970、ヘキスト合成(株)製〕樹脂分40%
(15)3%サクシノグリカン水分散液(サクシノグリカン、商品名:レオザン、三晶(株)製)
(16)2.5%キサンタンガム水分散液
(17)ヘキサグリセリンモノオレエートのエチレングリコール溶液〔ヘキサグリセリンモノオレエート、商品名:Hexaglyn−0、日光ケミカルズ(株)製、HLB9.0〕有効成分60%
(18)スルホコハク酸ジオクチルナトリウムのエチレングリコール溶液〔スルホコハク酸ジオクチルナトリウム、商品名:OTP−100、日光ケミカルズ(株)製〕有効成分60%
(19)ポリオキシエチレン(20)ポリオキシプロピレン(8)セチルエーテル〔商品名:PBC−44、日光ケミカルズ(株)製、HLB12.5〕
(20)ポリオキシチレン誘導体(商品名:エマルゲンA−90、日光ケミカルズ(株)製、HLB14.5〕
(21)オレイン酸の水性乳化液、有効成分30%
【0026】
表中のインキ粘度は、25℃におけるEM型回転粘度計における1rpm及び100rpmでの値を示す。
比較例2及び4については、25℃におけるEL型回転粘度計における回転数20rpm及び50rpmでの値を示す。
【0027】
実施例1の消しゴム消去性ボールペン用水性インキ組成物の調製方法
水と水溶性有機溶剤(ジエチレングリコール)と界面活性剤とからなるビヒクル中に、黒色樹脂粒状体(黒色ポリメチルメタクリル酸メチル、平均粒子径5μm)を添加した後、ディスパーで攪拌して均一な着色樹脂粒状体分散液を作成し、前記着色樹脂粒状体分散液中に樹脂分散液(酢酸ビニル樹脂、ガラス転移温度30℃、平均粒子径0.5μm)及び剪断減粘性付与剤(サクシノグリカン)を添加した後、更に攪拌して得られる。
前記のようにして得られたインキ組成物は1rpmにおける粘度が1408mPa・s、100rpmにおける粘度が40.5mPa・sを示し、剪断減粘指数は0.23であった。
【0028】
実施例2の消しゴム消去性ボールペン用水性インキ組成物の調製方法
着色樹脂粒状体として蛍光赤色ベンゾグアナミン樹脂粒状体(平均粒子径1〜2μm)、樹脂分散液としてアクリル樹脂分散液(ガラス転移温度13℃、平均粒子径0.1μm)、剪断減粘性付与剤としてキサンタンガムを使用し、実施例1のインキ組成物の調製方法に準じて調製した。
得られたインキ組成物は1rpmにおける粘度が2138mPa・s、100rpmにおける粘度が64.8mPa・sを示し、剪断減粘指数は0.24であった。
【0029】
実施例3の消しゴム消去性ボールペン用水性インキ組成物の調製方法
着色樹脂粒状体として黒色ウレタン樹脂粒状体(平均粒子径4〜8μm)、樹脂分散液としてアクリル樹脂分散液(ガラス転移温度5℃、平均粒子径0.2μm)、剪断減粘性付与剤としてキサンタンガムを使用し、実施例1のインキ組成物の調製方法に準じて調製した。
得られたインキ組成物は1rpmにおける粘度が1818mPa・s、100rpmにおける粘度が72.1mPa・sを示し、剪断減粘指数は0.30であった。
【0030】
実施例4の消しゴム消去性ボールペン用水性インキ組成物の調製方法
着色樹脂粒状体として黒色マイクロカプセル顔料(エポキシ樹脂皮膜中にカーボンブラックを内包した樹脂粒状体、平均粒子径3〜5μm)、樹脂分散液として架橋型アクリル共重合樹脂分散液(ガラス転移温度20℃、平均粒子径2〜5μm)、剪断減粘性付与剤としてヘキサグリセリンモノオレエートを使用し、実施例1のインキ組成物の調製方法に準じて調製した。
得られたインキ組成物は1rpmにおける粘度が1958mPa・s、100rpmにおける粘度が93.1mPa・sを示し、剪断減粘指数は0.34であった。
【0031】
実施例5の消しゴム消去性ボールペン用水性インキ組成物の調製方法
着色樹脂粒状体として黒色ウレタン樹脂粒状体(平均粒子径4〜8μm)、樹脂分散液としてスチレン−2エチルヘキシルアクリレート共重合樹脂分散液(ガラス転移温度15℃、平均粒子径3〜6μm)、剪断減粘性付与剤としてスルホコハク酸ジオクチルナトリウムを使用し、実施例1のインキ組成物の調製方法に準じて調製した。
得られたインキ組成物は1rpmにおける粘度が2393mPa・s、100rpmにおける粘度が147mPa・sを示し、剪断減粘指数は0.39であった。
【0032】
比較例1の消去性ボールペン用水性インキ組成物の調製方法
実施例1で用いた樹脂分散液をアクリル樹脂分散液〔ガラス転移温度:−47℃、平均粒子径:0.3μm)に替えた以外は実施例1のインキ組成物の調製方法に準じて調製した。
得られたインキ組成物は1rpmにおける粘度が1178mPa・s、100rpmにおける粘度が52.7mPa・sを示し、剪断減粘指数は0.32であった。
【0033】
比較例2の消去性ボールペン用水性インキ組成物の調製方法
実施例1で用いた剪断減粘性付与剤を使用しない以外は実施例1のインキ組成物の調製方法に準じて調製した。
得られたインキ組成物は1rpmにおける粘度が9.4mPa・s、100rpmにおける粘度が9.3mPa・sを示し、剪断減粘指数は1.0であった。
【0034】
比較例3の消去性ボールペン用水性インキ組成物の調製方法
特開平10−195366号公報に記載の調製方法に準じて調製を行なうものであって、樹脂分散液G(スチレン−ブタジエン系ラテックス、ガラス転移温度:−50℃、平均粒子径:0.08μm)及び樹脂分散液H(スチレン−ブタジエン系ラテックス、ガラス転移温度:−20℃、平均粒子径:0.1μm)を混合した後、オレイン酸乳化液を加えて攪拌したビヒクルと、水に、界面活性剤及びカーボンブラック(平均粒子径:0.02μm)を混合してディスパーで攪拌した顔料分散液を作成した。
前記ビヒクルと顔料分散液を混合、攪拌した後、剪断減粘性付与剤(キサンタンガム)を添加し、更に攪拌して得られる。
前記のようにして得られたインキ組成物は1rpmにおける粘度が1267mPa・s、100rpmにおける粘度が45.8mPa・sを示し、剪断減粘指数は0.28であった。
【0035】
比較例4の消去性ボールペン用水性インキ組成物の調製方法
実施例1で用いた樹脂分散液をアクリル−スチレン共重合樹脂分散液(最低造膜温度:100℃)に替え、更に、剪断減粘性付与剤を使用しない以外は実施例1のインキ組成物の調製方法に準じて調製した。
得られたインキ組成物は1rpmにおける粘度が11.3mPa・s、100rpmにおける粘度が11.4mPa・sを示し、剪断減粘指数は1.0であった。
【0036】
前記インキ組成物を充填したボールペンの作製と、前記ボールペンにより筆記して得た筆跡の消去性テスト
(1)試料ボールペンの作製
前記実施例及び比較例のインキ組成物を、直径0.4mmのボールを抱持するステンレススチール製チップがポリプロピレン製パイプの一端に嵌着されたボールペンレフィルに充填し、更に、前記インキ後端面に密接させてインキ逆流防止体を充填した後、前記ボールペンレフィルを軸筒に組み込み、各々5本ずつ作製して試料ボールペンとした。
(2)消しゴム消去性テスト方法
前記各試料ボールペンを用いて、コート紙、上質紙及び新聞紙の3種の紙面に所定の線を描き、得られた筆跡を消しゴムで擦過して消去性の難易度を判定した。
(3)筆跡の固着性テスト方法
上質紙に書いた筆跡を指で繰り返し擦過して筆跡の固着性を調べた。
(4)経時安定性試験方法
前記各々の試料ボールペンを5本ずつペン先を下向き状態(倒立状態)で40℃の条件下で1カ月間放置した後、筆記して筆跡の状態を調べた。
テスト結果を以下の表に示す。
【0037】
【表2】
Figure 0004275225
【0038】
表中の消しゴム消去性テストの判定内容は以下のとおり。
○:容易に消去される
△:5〜6回の擦過でも僅かな筆跡が残るが、実用上問題のない範疇である。
×:10回までの擦過では消去不可能
表中の筆跡の固着性テストの判定内容は以下のとおり。
○:10回までの擦過では筆跡は剥離しない。
×:5回以内の擦過で筆跡が剥離する。
表中の経時安定性試験の判定内容は以下のとおり。
○:良好な筆跡が得られる。
×:筆記不能
経時安定性試験は5本の試料ボールペンの平均を示す。
【0039】
【発明の効果】
本発明は、表面塗工されたアート紙、コピー用紙のような特殊加工紙は元より、一般的に用いられている上質紙、中質紙等を含む全ての紙面に指で触る程度の擦過では剥離することなく、また、消しゴムでの擦過により容易に消去できる筆跡を形成できる消しゴム消去性ボールペン用水性インキ組成物を提供することができる。
更に、剪断減粘性付与剤の添加による剪断減粘効果により、着色剤として用いられる着色樹脂粒状体の凝集、沈降を抑制して経時後も良好な筆跡が得られる。

Claims (5)

  1. 水と、着色樹脂粒状体と、ガラス転移温度又は最低造膜温度が0℃を越え、且つ、40℃未満の樹脂と、剪断減粘性付与剤とから少なくともなり、粘度が25〜160mPa・s(EM型回転粘度計における回転数100rpmでの値、25℃)、剪断減粘指数が0.1〜0.7を示し、前記樹脂は粒子径が2〜10μmの範囲に70%以上を含んでなり、且つ、前記着色樹脂粒状体と樹脂は乾燥後の筆跡において相互間及び紙面に対して点接着状に固着する消しゴム消去性ボールペン用水性インキ組成物。
  2. 前記樹脂がインキ組成中0.5〜20重量%添加されてなる請求項1記載の消しゴム消去性ボールペン用水性インキ組成物。
  3. 前記樹脂は、アクリル系樹脂、メタクリル酸系樹脂、酢酸ビニル系樹脂から選ばれる樹脂である請求項1又は2記載の消しゴム消去性ボールペン用水性インキ組成物。
  4. 前記着色樹脂粒状体は、粒子径が2〜10μmの範囲に70%以上含まれる請求項1記載の消しゴム消去性ボールペン用水性インキ組成物。
  5. 前記剪断減粘性付与剤は、多糖類、架橋型アクリル樹脂、HLB値が8〜12のノニオン系界面活性剤、膨潤性粘土類、ジアルキル又はジアルケニルスルホコハク酸塩類、或いは、N−アルキル−2−ピロリドンとアニオン系界面活性剤の混合物のいずれかである請求項1記載の消しゴム消去性ボールペン用水性インキ組成物。
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