JP2017226180A - 水性ボールペン - Google Patents
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Description
「1.インキ収容筒の先端部にボールペンチップを有し、前記インキ収容筒内に水、着色剤、有機樹脂粒子を含んでなる水性ボールペン用インキ組成物を収容してなる水性ボールペンであって、前記有機樹脂粒子がオレフィン系樹脂粒子であり、かつ、前記水性ボールペンの100mあたりのインキ消費量をA(mg)、前記ボール径をB(mm)とした場合、110≦A/B≦600の関係であることを特徴とする水性ボールペン。
2.前記ボールペンチップのボールの縦軸方向への移動量が、20〜50μmであることを特徴とする第1項に記載の水性ボールペン。
3.前記オレフィン系樹脂粒子が、ポリエチレン樹脂粒子であることを特徴とする第1項または第2項に記載の水性ボールペン。
4.前記水性ボールペン用インキ組成物のインキ粘度が、20℃、剪断速度1.92sec−1において、500〜5000mPa・sであることを特徴とする第1項ないし第3項のいずれか1項に記載の水性ボールペン。
5.前記着色剤が顔料粒子であり、前記オレフィン系樹脂粒子の平均粒子径をXμm、前記顔料粒子の平均粒子径をYμmとした場合、Y/X≦1.0であることを特徴とする第1項ないし第4項のいずれか1項に記載の水性ボールペン。
6.前記水性ボールペン用インキ組成物にリン酸エステル系界面活性剤または脂肪酸を含んでなることを特徴とする第1項ないし第5項のいずれか1項に記載の水性ボールペン。
7.第1項ないし第6項のいずれか1項に記載の水性ボールペンを軸筒内に摺動自在に配設し、前記ボールペンチップのチップ先端部を前記軸筒先端部から出没可能とすることを特徴とする出没式水性ボールペン。」とする。
なお、インキ消費量については、20℃、筆記用紙JIS P3201筆記用紙上に筆記角度65°、筆記荷重100gの条件にて、筆記速度4m/minの速度で、試験サンプル5本を用いて、らせん筆記試験を行い、その100mあたりのインキ消費量の平均値を、100mあたりのインキ消費量と定義する。
また、ボール径については、特に限定されないが、0.1〜2.0(mm)程度のボールを用いる。
オレフィン系樹脂粒子の材料としては、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブテンなどのポリオレフィン、ならびにそれらの混合物が挙げられる。これらの中でも、インキ漏れ抑制や書き味を向上することを考慮すれば、ポリエチレンを用いることが好ましく、具体的には、低密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、低分子ポリエチレン、変性ポリエチレン、変性高密度ポリエチレンなどが挙げられる。その中でもインキ漏れ抑制効果を考慮すれば、低密度ポリエチレン、低分子ポリエチレン、変性ポリエチレンが好ましく、特に低密度ポリエチレンは、他種のポリエチレンよりも融点が低く、柔らかい性質があるため、ポリエチレン粒子が密着しやすく、粒子間の隙間を生じづらく、インキ漏れしづらいため、低密度ポリエチレンが好ましく、さらに、低密度ポリエチレンは、柔らかいため、ボールとボール座の間でのクッション効果が得られやすく、書き味を向上し、ボール座の摩耗抑制が得られるため、好適に用いることが可能である。オレフィン系樹脂粒子は、必要に応じてポリオレフィン以外の材料を含んでいてもよい。
ボールペンチップのボールの縦軸方向への移動量(クリアランス)とは、ボールがボールペンチップ本体の縦軸方向への移動可能な距離を示す。
また、多糖類の中でも、キサンタンガム、サクシノグリカンを用いることが好ましいが、これは、オレフィン系樹脂粒子と併用することで、より三次元構造を形成しやすくなり、よりインキ漏れ抑制効果が得られやすいためである。
また、会合型増粘剤については、アルカリ膨潤会合型増粘剤が好ましいが、これは、会合型増粘剤の中でもインキ粘度発現効率が高く、さらに前記オレフィン系樹脂粒子に対する吸着性が高く、より架橋構造を形成しやすく、密度の高い三次元構造が形成されるため、インキ漏れ抑制や顔料分散性を向上してインキ経時安定性を向上しやすいためである。
カーボンブラックの吸油量は、カーボンブラックのストラクチャーを示す特性であり、乾燥された一定量のカーボンブラックがDBP(ジブチルフタレート)を吸収する量をいいJIS K6221に規定される試験方法で測定される。
また、顔料粒子の平均粒子径は、レーザー回折式粒度分布測定機(商品名「MicrotracHRA9320−X100」、日機装株式会社)を用いてレーザー回折法で測定される粒度分布の体積累積50%時の粒子径(D50)により測定することができる。
実施例1
顔料分散体(着色樹脂粒子:平均粒子径0.4μm、固形分量34%)20.0質量部
水 59.2質量部
オレフィン樹脂粒子(低密度ポリエチレン分散体、平均粒子径6μm、pH値9、固形分40%) 0.5質量部
多価アルコール(グリセリン) 10.0質量部
デキストリン(重量平均分子量:100000) 1.0質量部
尿素 5.0質量部
pH調整剤(トリエタノールアミン) 2.0質量部
エチレンジアミン四酢酸(EDTA) 0.5質量部
潤滑剤(リン酸エステル系界面活性剤) 1.0質量部
防錆剤(ベンゾトリアゾール) 0.5質量部
剪断減粘性付与剤(サクシノグリカン) 0.3質量部
尚、実施例1のインキ粘度は、ブルックフィールド社製DV−II粘度計(CPE−42ローター)を用いて20℃の環境下で、剪断速度1.92sec−1(回転数0.5rpm)の条件にてインキ粘度を測定したところ、1600mPa・sであった。
また、実施例1のpH値は、IM−40S型pHメーター(東亜ディーケーケー株式会社製)を用いて、20℃にて測定したところ、pH値=8.5であった。
実施例1〜20及び比較例1〜8で作製した水性ボールペン用インキ組成物を、インキ収容筒の先端にボール径が0.7mm、ボールを回転自在に抱持したボールペンチップ(ボールペンチップのボールの縦軸方向への移動量30μm、ボール表面の算術平均粗さ(Ra)1nm)をチップホルダーに介して具備したインキ収容筒内(ポリプロピレン製)に充填したレフィル(1.0g)を(株)パイロットコーポレーション製のゲルインキボールペン(商品名:G−knock)に装着して、以下の試験および評価を行った。尚、書き味、筆跡の濃さの評価は、筆記試験用紙としてJIS P3201 筆記用紙Aを用い、以下のような試験方法で評価を行った。
また、実施例1の水性ボールペン用インキ組成物を用いて水性ボールペンとして、らせん筆記試験を行い、100mあたりのインキ消費量をA(mg)、前記ボール径をB(mm)とした場合、A=170(mg)、ボール径をB=0.7(mm)となり、A/B=243であった。
インキ漏れ量が5mg未満であるもの ・・・◎
インキ漏れ量が5〜15mgであるもの ・・・○
インキ漏れ量が15mgを越えて、30mg未満のもの ・・・△
インキ漏れ量が30mg以上のもの ・・・×
濃く鮮明な筆跡であるもの ・・・◎
濃い筆跡であるもの ・・・○
実用上問題ない濃さの筆跡であるもの ・・・△
薄い筆跡のもの ・・・×
非常に滑らかなもの ・・・◎
滑らかであるもの ・・・○
実用上問題ないレベルの滑らかさであるもの ・・・△
重いもの ・・・×
Claims (7)
- インキ収容筒の先端部にボールペンチップを有し、前記インキ収容筒内に水、着色剤、有機樹脂粒子を含んでなる水性ボールペン用インキ組成物を収容してなる水性ボールペンであって、前記有機樹脂粒子がオレフィン系樹脂粒子であり、かつ、前記水性ボールペンの100mあたりのインキ消費量をA(mg)、前記ボール径をB(mm)とした場合、110≦A/B≦600の関係であることを特徴とする水性ボールペン。
- 前記ボールペンチップのボールの縦軸方向への移動量が、20〜50μmであることを特徴とする請求項1に記載の水性ボールペン。
- 前記オレフィン系樹脂粒子が、ポリエチレン樹脂粒子であることを特徴とする請求項1または2に記載の水性ボールペン。
- 前記水性ボールペン用インキ組成物のインキ粘度が、20℃、剪断速度1.92sec−1において、500〜5000mPa・sであることを特徴とする請求項1ないし3のいずれか1項に記載の水性ボールペン。
- 前記着色剤が顔料粒子であり、前記オレフィン系樹脂粒子の平均粒子径をXμm、前記顔料粒子の平均粒子径をYμmとした場合、Y/X≦1.0であることを特徴とする請求項1ないし4のいずれか1項に記載の水性ボールペン。
- 前記水性ボールペン用インキ組成物にリン酸エステル系界面活性剤または脂肪酸を含んでなることを特徴とする請求項1ないし5のいずれか1項に記載の水性ボールペン。
- 請求項1ないし6のいずれか1項に記載の水性ボールペンを軸筒内に摺動自在に配設し、前記ボールペンチップのチップ先端部を前記軸筒先端部から出没可能とすることを特徴とする出没式水性ボールペン。
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