JP2003192975A - 油性ボールペン用インキ組成物 - Google Patents

油性ボールペン用インキ組成物

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JP2003192975A
JP2003192975A JP2001398746A JP2001398746A JP2003192975A JP 2003192975 A JP2003192975 A JP 2003192975A JP 2001398746 A JP2001398746 A JP 2001398746A JP 2001398746 A JP2001398746 A JP 2001398746A JP 2003192975 A JP2003192975 A JP 2003192975A
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宏信 神林
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Abstract

(57)【要約】 【課題】本発明は、筆跡濃度が濃く、筆跡乾燥性に優
れ、筆跡、書き味良好な油性ボールペン用のインキ及び
油性ボールペンを提供する。 【解決手段】着色剤、リン酸エステル系界面活性剤、
水、及び20℃における蒸気圧が0.5mmHg以上の
有機溶剤と20℃における蒸気圧が0.1mmHg未満
の有機溶剤を含有してなる油性ボールペン用インキ組成
物である。前記水と、20℃における蒸気圧が0.5m
mHg以上の有機溶剤と、20℃における蒸気圧が0.
1mmHg未満の有機溶剤の合計が、インキ組成物全質
量に対し、20〜75質量%含有するとともに、前記水
の含有量をインキ組成物全質量に対し、3.0〜15.
0質量%とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、油性ボールペン用
インキ組成物に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、ボールペン用油性インキ組成物と
して、着色材、溶媒として有機溶剤、例えばエチレング
リコールモノフェニルエーテル、ベンジルアルコールな
ど、蒸気圧が0.1mmHg未満(20℃)の有機溶剤
を含有し、20℃におけるインキ粘度が、10,000
〜30,000mPa・s(20℃)であるものは良く
知られている。
【0003】しかし、前記油性ボールペン用インキ組成
物は、インキ粘度が高いため、ボールペンとして使用す
る場合には、自ずと筆記時のボール回転抵抗が大きくな
り、書き味が非常に重く良好とは言えない。だからとい
って、ただ単にインキ粘度を下げた場合には、書き味は
良好となるが、インキ漏れ出しが発生たり、筆跡乾燥性
が悪い等の不具合が生じてしまうという問題があり、結
果的には書き味を犠牲にしているのが現実であった。
【0004】また、油性ボールペンの筆跡濃度を濃くす
る為に、着色剤の含有量を増量したり、ボールペンとし
てのインキ流出量を増量する方法は、種々提案されてい
る。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかし、従来の油性ボ
ールペンより筆跡濃度を濃くするため、着色剤の含有量
を増量した場合には、インキ流動性が悪化したり、経時
的に不安定になり着色剤が析出するなど不具合が生じ
る。
【0006】また、溶媒として、蒸気圧が0.1mmH
g以下の有機溶剤であるベンジルアルコール、フェニル
グリコールなど高沸点の有機溶剤を用いる場合には、イ
ンキの含有成分の溶解、分散には好適であるが、筆記面
に転写されたインキの溶剤蒸発スピードが遅いために、
ボールペンとしてのインキ流出量を多くした場合には、
筆記面に対する十分な浸透作用、筆跡乾燥性が悪く、紙
面に対し滲み、裏抜けを起こす問題が発生していた。
【0007】ところで、油性ボールペンは水性ボールペ
ンに対し、インキ粘度が高く、インキ流出量も少ないこ
とは知られている。これは、油性ボールペンは、ペン先
のボールが回転し、インキが筆記面に転写されることに
よって筆跡となり、水性ボールペンは、ペン先のボール
が回転することで、インキが筆記面に毛管・浸透作用に
よりインキが流出することによって筆跡となる等、イン
キ流出の機構が相違しているからである。
【0008】本発明者は、鋭意検討した結果、溶媒とし
て水と20℃における蒸気圧が0.5mmHg以上の有
機溶剤を積極的に併用することにより、インキが筆記面
に多く流出した場合においても、筆記されたインキの溶
剤が速やかに蒸発すると共に、筆記面にインキが浸透す
るというような、従来の油性ボールペン用インキにはな
い水性ボールペン用インキに近いメカニズムを付与する
ことで、筆記面に対するインキの浸透効果を持たせ、筆
跡乾燥性を損なわずにインキ流出量を増加し、筆跡濃度
を濃くすることができることを見出し、本発明に至っ
た。
【0009】本発明の目的は、筆跡濃度が濃く、筆跡乾
燥性に優れ、書き味良好な油性ボールペン用インキ組成
物を提供するものである。
【0010】
【課題を解決する手段】本発明は、 「1.着色剤、リン酸エステル系界面活性剤、水、及び
20℃における蒸気圧が0.5mmHg以上の有機溶剤
と20℃における蒸気圧が0.1mmHg未満の有機溶
剤を含有してなる油性ボールペン用インキ組成物であっ
て、前記水と、20℃における蒸気圧が0.5mmHg
以上の有機溶剤と、20℃における蒸気圧が0.1mm
Hg未満の有機溶剤の合計が、インキ組成物全質量に対
し、20〜75%含有するとともに、前記水の含有量が
インキ組成物全質量に対し、3.0〜15.0質量%で
あることを特徴とする油性ボールペン用インキ組成物。 2.前記水と、20℃における蒸気圧が0.5mmHg
以上の有機溶剤と、20℃における蒸気圧が0.1mm
Hg未満の有機溶剤の合計が、インキ組成物全質量に対
し、35〜65質量%であることを特徴とする第1項に
記載の油性ボールペン用インキ組成物。 3.前記20℃における蒸気圧が0.5mmHg以上の
有機溶剤が、インキ組成物全質量に対し、3.0〜5
0.0質量%含有したことを特徴とする第1項ないし第
2項に記載の油性ボールペン用インキ組成物。 4.前記リン酸エステル系界面活性剤の含有量が、イン
キ組成物全質量に対し、0.1〜5.0質量%である、
第1項ないし第3項の何れか1項に記載の油性ボールペ
ン用インキ組成物。 5.20℃におけるインキ粘度が、100〜5,000
mPa・sである、第1項ないし第4項のいずれか1項
に記載の油性ボールペン用インキ組成物。」である。
【0011】本発明の第一の特徴は、筆跡のインキ溶剤
蒸発スピードのコントロールと、紙面に対する、にじ
み、裏抜けの抑制効果を得るために、油性ボールペン用
インキ組成物中に水を添加することにある。
【0012】本発明の油性ボールペン用インキ中の水分
量は、本発明油の性ボールペンインキ全量に対して、
3.0〜15.0質量%、好ましくは5.0〜10.0
質量%とする。水の含有量が3.0%未満であると、前
述の紙面に対しての滲みが発生してしまい、裏抜けの抑
制効果がない。また、水の含有量が15.0%より多い
と、インキ中の水分溶解安定性が悪くなり、筆記不良の
原因となってしまう。
【0013】第二の特徴は、インキ成分の溶解、分散媒
となる溶媒を、水と、20℃における蒸気圧が0.5m
mHg以上の有機溶剤と、20℃における蒸気圧が0.
1mmHg以下の有機溶剤とからなるものとした。
【0014】水と20℃における蒸気圧が0.5mmH
g以上の有機溶剤だけでは蒸発する溶剤量が多く、ボー
ルペンとしての書き出し性能が悪くなり、好ましくな
い。一方、水と20℃における蒸気圧が0.1mmHg
以下の有機溶剤だけでも、筆跡のインキ溶剤蒸発のコン
トロール、紙面に対する浸透効果、水分の溶解安定が得
られない。
【0015】水、0.5mmHg以上の有機溶剤及び
0.1mmHg以下の有機溶剤の含有量の合計は、イン
キ全組成物に対して、20.0〜75.0質量%、好ま
しくは、35.0〜65.0質量%とする。20.0質
量%未満では、インキ組成物の溶解、分散が不十分であ
り、また筆跡のインキ溶剤蒸発量が少ないため、ボール
ペンとしてのインキ流出量を増加させた場合の筆跡乾燥
性が悪く、筆記後に筆跡を擦るなどした場合、筆跡が汚
れてしまう。また、75.0質量%を超えると、筆跡鮮
明さが悪く、滲み、裏抜けが防止できない。
【0016】20℃における蒸気圧が0.5mmHg以
上の有機溶剤を添加することにより、筆跡のインキ溶剤
蒸発のコントロールと、紙面に対する浸透効果を得るこ
とができる。また、インキが筆記面に多く流出した場合
においても、筆記されたインキの溶剤が速やかに蒸発
し、筆記面にインキが浸透するので筆跡乾燥性が良好と
なる。
【0017】本発明の油性ボールペン用インキ中の20
℃における蒸気圧が0.5mmHg以上の有機溶剤は、
5.0質量%未満であると、筆跡のインキ溶剤蒸発のコ
ントロール、紙面に対する浸透効果の効果、水分の溶解
安定が得られ難く、また、50.0質量%より多いと、
溶剤の蒸発量が多くなりすぎるためインキの安定性が悪
く、本発明の油性ボールペン用インキをボールペンレフ
ィールで放置したとき書き出し不良などの筆記不良が発
生する恐れがあるので、5.0〜50.0質量%が好ま
しい。
【0018】20℃における蒸気圧が0.5mmHg以
上の有機溶剤は特に限定されるものでなく、水分の溶解
安定を考慮し、グリコエーテル類又はアルコール類が好
ましい。グリコールエーテル類としてはエチレングリコ
ールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチ
ルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、
エチレングリコールジメチルエーテル、プロピレングリ
コールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノ
エチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテ
ル等が挙げられる。また、アルコール類としてはメタノ
ール、エタノール、1−プロパノール、2−プロパノー
ル、t−ブタノール、プロパギルアルコール、アリルア
ルコール、3−メチル−1−ブチン−3−オール、エチ
レングリコールモノメチルエーテルアセタート等が挙げ
られる。これらの有機溶剤は単独又は2種以上混合して
使用してもよい。
【0019】油性ボールペン用インキ組成物の溶解、分
散のため、20℃における蒸気圧が0.1mmHg以下
の有機溶剤を含有する。10.0未満だとインキ成分の
溶解、分散が十分に行えないことがあり、40.0質量
%を超えると、溶剤の蒸発量が少なくなり、筆跡乾燥性
が悪く、紙面に対し滲み、裏抜けを起こす恐れがあるの
で、インキ組成物の全量に対し10.0〜40.0質量
%、好ましくは20.0〜30.0質量%がよい。
【0020】20℃における蒸気圧が0.1mmHg以
下の有機溶剤としては、ベンジルアルコール、ジエチレ
ングリコール、ポリエチレングリコール等のアルコール
類及びグリコール類、エチレングリコールモノフェニル
エーテル等のグリコールエーテル類等が使用可能であ
る。これらは、単独又は2種以上混合して使用してもか
まわない。
【0021】第三の特徴は、潤滑性、溶剤に対する水分
の溶解安定性を考慮し、リン酸エステル系界面活性剤を
含有するが、その含有量は、0.1質量%未満であると
潤滑性、溶剤に対する水分の溶解安定性が得られにく
く、5.0質量%を超えると、筆跡乾燥性が著しく低下
するため、油性ボールペン用インキ組成物の全量に対し
て、0.1〜5.0質量%が好ましい。
【0022】本発明の油性インキ組成物のインキ粘度
は、特に限定されるものではないが、20℃におけるイ
ンキ粘度が100mPa・s未満の場合には、滲み、裏
抜けが発生し易くなったり、インキの潤滑性能が低く、
筆記時に高荷重がペン先に掛かった場合に筆記不良など
が発生する恐れがあり、また、20℃におけるインキ粘
度が5,000mPa・sを超えると、ボールペンとし
て使用する場合には、筆記時のボール回転抵抗が大きく
なり、書き味が重くなる傾向となる。また、インキを多
く流出させた場合、筆記面に対するインキの浸透効果が
少なくなり、そのため筆跡乾燥性が悪化し易くなるの
で、20℃におけるインキ粘度がは100〜5,000
mPa・sが好ましい。
【0023】本発明で用いられる着色剤は特に限定され
るものでなく、一般に油性ボールペン用インキに用いら
れる染料及び/または顔料の全てが使用可能である。染
料としては、可溶化やマイクロカプセル化したものでも
良く、例えばバリファストカラー、オリエントオイルカ
ラー(オリエント化学工業株式会社製)、アイゼンスピ
ロン染料、アイゼンSOT染料(保土谷化学工業株式会
社製)等が挙げられる。顔料としては、有機、無機、加
工顔料、例えばカーボンブラック、フタロシアニン系、
アゾ系、キナクリドン系、キノフタロン系、スレン系、
トリフェニルメタン系などがある。これらの着色剤は、
それぞれ単独で用いてもよいし、2種以上適宜組み合わ
せて用いてもよい。着色剤の使用量は特に限定されない
が、5.0質量%未満の場合には、所望の筆跡濃度が得
られ難く、50質量%を超えるとインキ流動性が悪化し
たり、経時的に不安定になる傾向となるので、油性ボー
ルペン用インキ組成物の全量に対して、5.0〜50.
0質量%が望ましい。
【0024】また、所望によりインキ粘度調整剤を添加
しても良い。インキ粘度調整剤としては、フェノール樹
脂、マレイン樹脂、アミド樹脂、キシレン樹脂、水添ロ
ジン樹脂、ケトン樹脂、テルペン樹脂、ブチラール樹脂
等が挙げられる。これらは単独又は2種以上混合して使
用してもよい。
【0025】また、泣き、ボテ性能を良好にするため
に、所望により曳糸性付与剤を添加しても良い。曳糸性
付与剤としては、ポリビニルピロリドン、ポリエチレン
オキサイド、ヒドロキシプロピルセルロース、ゴム系高
分子化合物等が挙げられる。これらは、単独又は複合し
て使用してもよい。
【0026】その他添加剤として、界面活性剤、防錆
剤、分散剤、潤滑剤、染料溶解安定剤等が適時選択して
添加することができる。
【0027】
【実施例】本発明の実施例を説明する。実施例1の油性
ボールペン用インキ組成物は、蒸気圧0.1mmHg以
下(20℃)の有機溶剤としてベンジルアルコール、潤
滑性向上剤である脂肪酸としてオレイン酸、曳糸性付与
剤としてポリビニルピロリドン K−90(和光純薬工
業株式会社製)、インキ粘度調整剤としてハイラック
110H(日立化成工業株式会社製)、着色剤として、
スピロンブラックGMH−スペシャル(保土谷化学工業
株式会社製)、バリファーストバイオレット1701
(オリエント化学工業株式会社製)を混合し、ディスパ
ー撹拌機にて60℃で6時間加温撹拌した。次いで、得
られた混合物に蒸気圧0.5mmHg以上(20℃)の
有機溶剤としてプロピレングリコールモノエチルエーテ
ル、水、リン酸エステル系界面活性剤(フォスファノー
ル RE610;(東邦化学工業株式会社製)、ハイラ
ック110H(日立化成工業株式会社製、ケトン樹脂)
を混合し、ディスパー撹拌機にて30℃で2時間撹拌し
て、黒色の油性ボールペン用インキ組成物を得た。具体
的な配合量は、下記に示す通りである。尚、B型粘度計
(東京計器株式会社製)を用いて、その油性ボールペン
用インキ組成物の10rpmの回転数におけるインキの
粘度で測定したところ、1,000mPa・sであっ
た。
【0028】 有機溶剤(蒸気圧0.1mmHg以下(20℃)) (ベンジルアルコール) 24.0質量% 有機溶剤(蒸気圧0.5mmHg以上(20℃)) (プロピレングリコールモノエチルエーテル) 23.5 質量% 着色剤(スピロンブラックGMH−スペシャル) 19.0 質量% 着色剤(バリファーストバイオレット1701) 19.0 質量% 水 3.0 質量% リン酸エステル系界面活性剤 (フォスファノール RE610) 2.0 質量% 潤滑剤(オレイン酸) 2.0 質量% インキ粘度調整剤(ハイラック110H) 7.0 質量% 曳糸性付与剤(ポリビニルピロリドンK−90) 0.5 質量%
【0029】実施例2 各油性ボールペン用インキの組成物を表1の通りに配合
した以外は実施例1と同様にして、油性ボールペン用イ
ンキ組成物を得た。
【0030】実施例3 蒸気圧0.5mmHg以上(20℃)の有機溶剤のプロ
ピレングリコールモノエチルエーテルに代えてエチレン
グリコールモノプチエーテルを用い、各油性ボールペン
用インキの組成物を表1の通りに配合した以外は実施例
1と同様にして、油性ボールペン用インキ組成物を得
た。
【0031】実施例4 蒸気圧0.1mmHg以上(20℃)の有機溶剤のベン
ジルアルコールに代えてエチレングリコールモノフェニ
ルエーテルを用い、各油性ボールペン用インキの組成物
を表1の通りに配合した以外は実施例1と同様にして、
油性ボールペン用インキ組成物を得た。
【0032】実施例5 インキ粘度調整剤のハイラック 110Hを添加せず、
各油性ボールペン用インキの組成物を表1の通りに配合
した以外は実施例1と同様にして、粘度が100mPa
・sの油性ボールペン用インキ組成物を得た。
【0033】実施例6 各油性ボールペン用インキの組成物を表1の通りに配合
した以外は実施例1と同様にして、粘度が7000mP
a・sの油性ボールペン用インキ組成物を得た。
【0034】実施例7 蒸気圧0.5mmHg以上(20℃)の有機溶剤のプロ
ピレングリコールモノエチルエーテルに代えてエチレン
グリコールモノプチエーテルを用い、蒸気圧0.5mm
Hg以上(20℃)の有機溶剤のプロピレングリコール
モノエチルエーテルに代えてエチレングリコールモノプ
チエーテルと1−プロパノールの2種類混合して用い、
各油性ボールペン用インキの組成物を表1の通りに配合
した以外は実施例1と同様にして、油性ボールペン用イ
ンキ組成物を得た。
【0035】表1
【0036】比較例1 20℃における蒸気圧が0.5mmHg以上の溶剤を配
合せず、各油性ボールペン用インキの組成物を表2の通
りに配合した以外は実施例1と同様にして、油性ボール
ペン用インキ組成物を得た。
【0037】比較例2、3 各油性ボールペン用インキの組成物を表2の通りに配合
した以外は実施例1と同様にして、油性ボールペン用イ
ンキ組成物を得た。
【0038】比較例4 実施例7において、20℃における蒸気圧が0.1mm
Hg以下の溶剤を配合せず、各油性ボールペン用インキ
の組成物を表2の通りに配合した以外は実施例7と同様
にして、油性ボールペン用インキ組成物を得た。
【0039】比較例5 実施例5において、各油性ボールペン用インキの組成物
を表2の通りに配合した以外は実施例5と同様にして、
油性ボールペン用インキ組成物を得た。
【0040】比較例6 各油性ボールペン用インキの組成物を表2の通りに配合
した以外は実施例1と同様にして、油性ボールペン用イ
ンキ組成物を得た。
【0041】表2
【0042】試験方法及び評価 実施例1〜7及び比較例1〜6の油性ボールペン用イン
キ組成物を評価及びボールペンレフィールのインキ収容
筒に充填し、そのボールペンレフィールをボールペンの
軸筒内に収納してボールペンを作製し、下記の試験を行
い、評価した。 (1)水分溶解安定性: 良好であるものを…○ やや劣るものを …△ 劣るものを …× とした。 (2)筆跡乾燥性:筆記直後、1分間、500gfで用
紙を圧着して、 転写の形成が認められないものを ……○ 転写の形成が認めらたが実用上気にならないものを……△ 転写の形成が認められ、非常に気になるものを ……× とした。 (3)筆跡鮮明さ: インキ色が鮮やかで筆跡が鮮明であるものを…○ インキ色が薄く筆跡が鮮明でないものを …× とした。 (4)にじみ:筆記後のにじみを観察 全く発生せず極めて良好なものを …◎ 実用上において気にならないものを…○ やや気になるものを …△ 非常に気になるものを …× とした。 (5)裏抜け:筆記後の紙面の裏を観察 全く発生せず極めて良好なものを …◎ 実用上において気にならないものを…○ やや気になるものを …△ 非常に気になるものを …× とした。 (6)筆感:手書きによる官能試験を行い評価した。 滑らかで良好なものを…◎ やや劣るものを …○ 重く劣るものを …× とした。
【0043】各実施例及び比較例の評価結果は、表1及
び表2に示す通りである。比較例1は、20℃における
蒸気圧が0.1mmHg以下の溶剤のみを使用した為
に、水分の溶解安定が不足し、水分安定性が良好とはな
らなかった。
【0044】比較例2は、水の添加量が少ない為に、筆
記後の溶剤蒸発のコントロールが十分にできないために
筆跡乾燥性が良好とならなかっただけではなく、紙へ浸
透してしまい筆跡滲み、裏抜けも良好とはならなかっ
た。
【0045】比較例3は、水の添加量が多い為に、イン
キ中の水分溶解安定性が損なわれ、水分安定性が良好と
はならなかった。
【0046】比較例4は、20℃における蒸気圧が0.
5mmHg以上の溶剤のみを使用した為に、インキ組成
物が溶解しなかった。
【0047】比較例5は、溶媒(水、0.1mmHg以
下の有機溶剤、0.5mmHg以上の有機溶剤)の合計
が75%より多い為に、インキ粘度が低くなり、滲み、
裏抜けが良好とはならなかった。
【0048】比較例6は、溶媒(水、0.1mmHg以
下の有機溶剤、0.5mmHg以上の有機溶剤)の合計
が20%未満である為に、インキ組成物が溶解しなかっ
た。
【0049】
【発明の効果】以上、詳細に説明したように、本発明
は、筆跡濃度が濃く、筆跡乾燥性に優れ、筆跡、書き
味、書き出し性が良好な油性ボールペン用インキ組成物
を提供することができた。

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】着色剤、リン酸エステル系界面活性剤、
    水、及び20℃における蒸気圧が0.5mmHg以上の
    有機溶剤と20℃における蒸気圧が0.1mmHg未満
    の有機溶剤を含有してなる油性ボールペン用インキ組成
    物であって、前記水と、20℃における蒸気圧が0.5
    mmHg以上の有機溶剤と、20℃における蒸気圧が
    0.1mmHg未満の有機溶剤の合計が、インキ組成物
    全質量に対し、20〜75質量%含有するとともに、前
    記水の含有量がインキ組成物全質量に対し、3.0〜1
    5.0質量%であることを特徴とする油性ボールペン用
    インキ組成物。
  2. 【請求項2】前記水と、20℃における蒸気圧が0.5
    mmHg以上の有機溶剤と、20℃における蒸気圧が
    0.1mmHg未満の有機溶剤の合計が、インキ組成物
    全質量に対し、35〜65質量%であることを特徴とす
    る請求項1に記載の油性ボールペン用インキ組成物。
  3. 【請求項3】前記20℃における蒸気圧が0.5mmH
    g以上の有機溶剤が、インキ組成物全質量に対し、3.
    0〜50.0質量%含有したことを特徴とする請求項1
    ないし2に記載の油性ボールペン用インキ組成物。
  4. 【請求項4】前記リン酸エステル系界面活性剤の含有量
    が、インキ組成物全質量に対し、0.1〜5.0質量%
    である、請求項1ないし3の何れか1項に記載の油性ボ
    ールペン用インキ組成物。
  5. 【請求項5】20℃におけるインキ粘度が、100〜
    5,000mPa・sである、請求項1ないし4いずれ
    か1項に記載の油性ボールペン用インキ組成物。
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