JP4416676B2 - ボールペン用油性非黒色インキ組成物およびそれを用いたボールペン - Google Patents

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Description

本発明は、ボールペンに用いられる油性非黒色インキ組成物およびそれを用いたボールペンに関する。
従来、油性ボールペンインキは一般的に固形分が高く、その粘度は3.83〜9.58(1/秒)の剪断速度下で約5000〜30000mPa・sの範囲である。この高い固形分および高粘度は、チツブのボール受け座に対する摩耗を比較的抑制することが可能であるが、より耐摩耗性を向上させるために摩耗を抑制する添加剤を加えることが行われる。例えば、このような例として、特開2001−123103号公報に記載されるようにソルビタンオレイン酸エステルの添加、また特開平6−157966号公報に記載されるように4,4’−ジアミノジシクロヘキシルメタン等の添加があり、これらの添加剤によりボール受座の耐摩耗性を抑制する。
更に、インキ組成物の改良以外にも特開平6−210990号公報に記載するように、セラミック製のボール等を使用したチップを使用することで耐食性や耐摩耗性を抑制するといった工夫も行われる。
粘度が高いインキは書き味が重く、筆圧を高くしなければ紙面へのインキ転写をスムーズに行うことができないということから、最近では、ボールペンの書き味をよくすることを目的として低粘度インキを用いることが提案されている。
しかし、粘度を低く設定したインキ組成物を使用するためには従来の高粘度のインキで採用されている手法とは異なる手法で摩耗性に注意を払わなければならない。低粘度インキでの摩耗性改善手法は、水性系のボールペンインキでは多く見受けられるが、油性系インキでは従来あまりなかった。
粘度が低いボールペンインキの溶剤成分として下記化学構造式1
Figure 0004416676
を有するグリコールエーテルが知られている(国際公開第WO01/74956号パンフレット)。この溶剤は低い粘度範囲を有し、かつ揮発性が高いので、油性ボールペンの書き味を軽くし、しかも速乾性に優れてボテのないインキを構成することを可能にする。しかし、この種の溶剤は蒸気圧が相対的に高いので、ボール周囲にインキ凝着物が固化する場合があり、この場合はボールを動かす書き出しに対して非常に強い筆記荷重が必要となる。これは、通常の油性ボールペンインキに使用されている粘度が相対的に高い2−フェノキシエタノールやベンジルアルコールの混合溶剤等では、蒸気圧が0.001mmHgより低く問題になり難い。更に色材として顔料を使用するとボールとの潤滑性の悪さは顕著となり、これらの点はいずれも耐摩耗性が悪くなる傾向にはたらく。
特開2001−123103号公報 特開平6−157966号公報 特開平6−210990号公報 国際公開第WO01/74956号パンフレット
本発明は、従来の油性ボールペンインキに比べ低粘度のインキを用いて、筆跡の柔らかく滑らかな筆感及び高筆記荷重時に低速で筆記した時のインキ転写性を円滑にすると同時に、耐摩耗性に優れていることを可能にしたボールペン用油性非黒色インキ組成物及びそれを用いた油性ボールペンを提供することを目的とする。
本発明者は、上記課題を達成するために、ボールペン用油性インキ組成物が、以下に示す特徴を有することによりこれらの課題を解決できることを見いだし、本発明を完成した。
(1)少なくとも色材、樹脂、および溶剤を含んでなるボールペン用油性非黒色インキ組成物であって、
前記色材が、顔料であり、
前記インキ組成物がさらに摩耗抑制剤としてカーボンブラック分散体を含み、
前記溶剤の50%以上を占める主溶剤が、アルコール、多価アルコール、グリコールエーテルから選ばれ、かつ25℃での蒸気圧0.001mmHg以上を有し、そして
前記インキ組成物の粘度が38.30(1/秒)の剪断速度で100〜3000mPa・sである
ことを特徴とするボールペン用油性非黒色インキ組成物。
(2)前記グリコールエーテルが下記化学構造式1:
Figure 0004416676
で表される(1)記載のボールペン用油性非黒色インキ組成物。
(3)前記カーボンブラック分散体が、添加量として顔料濃度0.005質量%〜5.0質量%であることを特徴とする(1)または(2)記載のボールペン用油性非黒色インキ組成物。
)前記色材として、顔料と染料とを併用することを特徴とする(1)〜(3)のいずれか一つに記載のボールペン用油性非黒色インキ組成物。
)(1)〜()のいずれか一つに記載の油性インキ組成物を用いる油性ボールペン。
本発明は、ボールペン用油性インキとして好適に用いられ、従来の油性ボールペンに比べ低粘度であるが、筆跡の柔らかく滑らかな筆感および高筆記荷重時に低速で筆記した時のインキ転写性を円滑にし、且つ耐摩耗性に優れたボールペン用油性非黒色インキ組成物を提供する。
本発明のインキ組成物に用いられる主溶剤(全溶剤の50質量%以上を占める溶剤)としては、アルコール、多価アルコール、グリコールエーテルから選ばれる溶剤であって、25℃での蒸気圧が0.001mmHg以上である溶剤を用いる。本発明のボールペン用油性インキ組成物はこの様に蒸気圧の高い特定の溶剤を使用した場合に特有の問題を解決することを目的として開発されたものである。
具体的にアルコール類としては、炭素数が2以上の脂肪族アルコールであり、エタノール、n−プロパノール、イソプロパノール、n−ブタノール、イソブタノール、tert−ブチルアルコール、1−ペンタノール、イソアミルアルコール、sec−アミルアルコール、3−ペンタノール、tert−アミルアルコール、n−ヘキサノール、メチルアミルアルコール、2−エチルブタノール、n−ヘプタノール、2−ヘプタノール、3−ヘプタノール、n−オクタノール、2−オクタノール、2−エチルヘキサノール、3,5,5−トリメチルヘキサノール、ノナノール、n−デカノール、ウンデカノール、トリメチルノニルアルコール、テトラデカノール、ヘブタデカノール、シクロヘキサノール、2−メチルシクロヘキサノール、ベンジルアルコールやその他多種の高級アルコール等が挙げられる。
また、多価アルコールとしてはエチレングリコール、ジエチレングリコール、3−メチル−1,3ブタンジオール、トリエチレングリコール、ジプロピレングリコール、1,3プロパンジオール、1,3ブタンジオール、1,5ペンタンジオール、ヘキシレングリコール、オクチレングリコール等の分子内に2個以上の炭素、2個以上の水酸基を有する多価アルコールが挙げられる。
グリコールエーテルとしては、メチルイソプロピルエーテル、エチルエーテル、エチルブロピルエーテル、エチルブチルエーテル、イソプロピルエーテル、ブチルエーテル、ヘキシルエーテル、2−エチルヘキシルエーテル、エチレングリコールモノヘキシルエーテル、エチレングリコールモノフェニルエーテル、エチレングリコールモノ−2−エチルブチルエーテル、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、トリエチレングリコールモノブチルエーテル、テトラエチレングリコールモノブチル工−テル、3−メチル−3−メトキシ−1−ブタノール、3−メトキシ−1−ブタノール、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノプロピルエーテル、プロピレングリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコールフュニルエーテル、プロピレングリコール−tert−ブチルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノエチルエーテル、ジプロピレングリコールモノプロピルエーテル、ジプロピレングリコールモノブチルエーテル、トリプロピレングリコールモノメチルエーテル、トリプロピレングリコールモノブチルエーテル、テトラプロピレングリコールモノブチルエーテル等が挙げられる。
特に好ましい主溶剤は次の化学式1を有するものである:
Figure 0004416676
化学式1を有する溶剤として、例えば、プロピレングリコールモノメチルエーテル、1,3ブタンジオール、3−メトキシ−1−ブタノール、3−メチル−3−メトキシ−1−ブタノール等が挙げられる。
上述した溶剤の中で特に好ましいのは、炭素数2〜7のグリコールエーテルであって本発明において特に有用である。また、安全性および経口毒性等の点からエチレングリコール誘導体等以外の有機溶剤を使用するのが好ましい。
上述した溶剤の他にリン酸エステルとアミン系化合物の混合物との溶解性や揮発性能を妨げない範囲で以下に挙げる溶剤を添加することも可能である。
それらの例として、多価アルコール類誘導体があり、ソルビタン脂肪酸系、ポリクリセリン高級脂肪酸系、ショ糖脂肪酸系、プロピレングリコール脂肪酸系等の誘導体が挙げられる。
エステル類の溶剤としては例えば、プロピレングリコールメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールジアセテート、3−メチル−3−メトキシブチルアセテート、プロピレングリコールエチルエーテルアセテート、エチレングリコールエチルエーテルアセテート、ギ酸ブチル、ギ酸イソブチル、ギ酸イソアミル、酢酸プロピル、酢酸ブチル、酢酸イソプロピル、酢酸イソブチル、酢酸イソアミル、プロピオン酸メチル、プロピオン酸エチル、プロピオン酸プロピル、プロピオン酸イソブチル、プロピオン酸イソアミル、酪酸メチル、酪酸エチル、酪酸プロピル、イソ酪酸メチル、イソ酪酸エチル、イソ酪酸プロピル、吉草酸メチル、吉草酸エチル、吉草酸プロピル、イソ吉草酸メチル、イソ吉草酸エチル、イソ吉草酸プロピル、トリメチル酢酸メチル、トリメチル酢酸エチル、トリメチル酢酸プロピル、カプロン酸メチル、カプロン酸エチル、カプロン酸プロピル、カプリル酸メチル、カプリル酸エチル、カプリル酸プロピル、ラウリン酸メチル、ラウリン酸エチル、オレイン酸メチル、オレイン酸エチル、カプリル酸トリグリセライド、クエン酸トリブチルアセテート、オキシステアリン酸オクチル、プロピレングリコールモノリシノレート、2−ヒドロキシイソ酪酸メチル、3−メトキシブチルアセテート等様々なエステルが挙げられる。
また、分子内に水酸基を持たない溶剤として、ジエーテルやジエステルを用いることができ、具体的には、例えば、エチレングリコールジエチルエーテル、エチレングリコールジブチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールジブチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジプロピレングリコールジメチルエーテル等が挙げられる。
本発明のボールペン用油性非黒色インキでは、摩耗抑制剤として、カーボンブラックを用いる。カーボンブラックは通常、黒色インキにおける顔料として使用するものであるが、これを黒色インキ以外のインキに用いると摩耗抑制剤として有用な機能を発揮するということは全くの予想外であった。
顔料インキにカーボンブラック分散体を使用して、この様な摩耗抑制機能が発揮される理由としては定かではないが、チップ内のボールと受け座面での金属同士の接触に対して有機顔料、筆記紙面から巻き込まれたサイズ剤、添料等の紙表面の物質等またはそれらの変性したものをカーボンブラックが抑制するようなはたらきをしているのではないかと考えている。これによって摩耗や摩擦抵抗を軽減し、潤滑効果を発揮しているのではないかと考えられる。このようなはたらきのカーボンブラックを添加することによって、従来の油性ボールペンに比べ低粘度であっても、筆跡の柔らかく滑らかな筆感および高筆記荷重時に低速で筆記した時のインキ転写性を潤滑にし、耐摩耗性に優れたボールペン用油性インキ組成物を提供することが可能となった。
本発明のボールペン用油性インキに用いるカーボンブラックとしては、例えば、キャボット社、デグサ社、三菱化成株式会社等の、ファーネスカーボンブラック、チャンネルカーボンブラック等である。カーボンブラックは分散体として用いる。分散媒として使用する化学式1で表される前述の溶剤に分散可能なものであればいずれの種類のカーボンブラックでもよく、特に限定されるものではない。ただし、カーボンブラックの分散の程度としては、分散体のカーボンブラック濃度が5質量%で安定な分散体として存在することが望ましい。特に望ましくは10質量%で安定な分散状態はもちろん、沈降物としても少ない微分散されているものが好ましい。
インキ組成物に対するカーボンブラックの添加量は、所望のインキの色相が変わらない限度以下に抑えることが重要である。暖色系の色相を持つインキ組成物に対しては、カーボンブラック濃度0.005質量%〜1.0質量%である。寒色系の色相を持つインキ組成物に対しては、カーボンブラック濃度0.005質量%〜5.0質量%である。この上限より多い場合は色相が暗くなりインキとしての明度、輝度等に欠ける。この下限より少ない場合は必要とする耐摩耗性能を期待することが困難となる。
本発明のボールペン用油性インキ組成物は、インキの粘度調整および耐擦過性の向上のために樹脂を用いる。本発明の油性インキ組成物に使用することができる樹脂としては、例えば、ケトン樹脂、スチレン樹脂、スチレンーアクリル樹脂、テルペンフェノール樹脂、ロジン変性マレイン酸樹脂、ロジンフェノール樹脂、アルキルフェノール樹脂、フェノール系樹脂、スチレンマレイン酸樹脂、ロジン系樹脂、アクリル系樹脂、尿素アルデヒド系樹脂、マレイン酸系樹脂、シクロヘキサノン系樹脂、ポリビニルブチラール、ポリビニルピロリドン等に代表される樹脂がある。
これらの樹脂のインキ組成物への配合量は、1〜30質量%であり、より好ましくは1〜20質量%である。その配合量が1質量%未満であると粘度調整やペン先での摩耗防止が困難となり、30質量%を超えると樹脂以外の原材料が配合できなくなったり、書き味に悪影響を及ぼすことになる。
本発明のボールペン用油性インキ組成物に用いることができる色材としては、顔料または顔料と染料との併用が考えられる。
本発明のインキ組成物の色材に顔料を使用する場合、用いる分散剤としては上記に挙げるような樹脂の中から顔料を分散できるものを選択して使用することができる。また、活性剤やオリゴマー等、本発明の目的に合えばどの様なものでも用いることができる。具体的な分散剤としては、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、ポリビニルブチラール、ポリビニルエーテル、スチレン−マレイン酸共重合体、ケトン樹脂、ヒドロキシエチルセルロースやその誘導体、スチレン−アクリル酸共重合体等の合成樹脂やオキシエチレン・オキシプロピレン(EO・PO)付加物やポリエステルのアミン系オリゴマー等が挙げることができる。
色材として用いる顔料は使用する有機溶剤に溶解し難く、そして分散後の平均粒径が30nm〜700nmとなるものが好ましい。顔料の配合量は、インキ組成物全量に対し、0.5〜25質量%の範囲で必要に応じて配合することができ。好ましくは、0.5〜20質量%の範囲で配合することができる。
顔料としては、例えば、フタロシアニン、アゾ、キナクリドン、ジケトピロロピロール、インダスレン、ジオキサジン等の有機顔料を使用することができる。顔料は単独で、または2種以上の混合で使用することができる。また、必要に応じて無機顔料を用いた分散体も分散安定性に悪影響を与えない程度で添加することができる。更に、スチレン、アクリル酸、アクリル酸エステル、メタアクリル酸、メタアクリル酸エステル、アクリルニトリル、オレフィン系モノマーを重合して得られる樹脂エマルションや、インキ中では膨潤して不定形となる中空樹脂エマルション、または、これらのエマルション自身を着色剤で染着して得られる染着樹脂粒子からなる有機多色顔料等も用いることができる。
色材が顔料である場合、顔料分散インキ組成物の製造には、従来から公知の種々の方法が採用できる。例えば、上記各成分を配合し、ディソルバー等の撹拌機により混合撹拌することによって、および/または、ボールミル、ロールミル、ビーズミル、サンドミル、もしくはピンミル等によって混合粉砕した後、遠心分離や濾過によって顔料の粗大粒子、及び未溶解物、混入固形物を取り除いて容易に得ることができる。
色材として顔料と染料とを併用する場合、併用する染料は分散系を破壊しないものであればいずれの染料も使用することができる。それらの染料の例としては、通常の染料インキ組成物に用いられる直接染料、酸性染料、塩基性染料、媒染・酸性媒染染料、酒精溶性染料、アゾイック染料、硫化・硫化建染染料、建染染料、分散染料、油溶染料、食用染料、金属錯塩染料等や通常の顔料インキ組成物に用いられる無機および有機顔料の中から任意のものを使用することができる。その配合量は、組成物全量当たり1〜50質量%の範囲となることができる。
更に、本発明では必要に応じて、インキに悪影響を及ぼさず相溶することができる防錆剤、防徽剤、界面活性剤、潤滑剤および湿潤剤等を配合することがでる。特に脂肪酸等は、潤滑剤として好適に使用できる。また、製品特性上、悪影響を及ぼさない範囲で主溶剤に相溶する不揮発性溶剤等を、乾燥抑制用添加剤として配合することができる。
本発明のボールペンは、ボール、チップホルダーからなるペン先、インキ収容管、チップと該収容管をつなぐ継ぎ手、ペン軸等から構成され、前記インキ収容管に本発明のボールペン用インキ組成物を充填したものである。
本発明のインキ組成物をボールペンに用いる際には、インキ追従体をボールペン後端部に付与することが好ましい。使用する溶剤は揮発性が高いので、揮発防止、吸湿性防止、インキ漏れ防止としてインキ追従体を添加するものである。
インキ追従体としては、インキに使用する溶剤に対して低透過性、低拡散性であることが重要であり、そのベースとしては不揮発性や難揮発性の流動体、具体的には、ポリブテンや流動パラフィン等、本発明で用いる化学構造式1で表される溶剤と基本的に相溶性を有さない非シリコン系の油脂類を使用することができる。これらの物質の粘度が低い場合は、増結剤やゲル化剤を用いるとよい。具体的例としては、金属セッケン類、ベントナイト類、脂肪酸アマイド類、水添ヒマシ油類、酸化チタンやシリカやアルミナ等を含む金属微粒子類、セルロース類、エラストマー類等が挙げられる。
以下実施例により本発明を更に具体的に説明するが、本発明は、この実施例によって限定されるものではない。
この実施例で用いたカーボンブラック分散体は下記配合を有するものであり、予めジルコニアビーズ(φ0.5mm)を使用しビーズミル分散を行い調製しておく。それを評価用インキ組成物に所定量添加し、その後、50℃±10℃オイルバス中で2時間撹拝することで最終のインキ組成物を作成とした。なお、ここで用いるパーセンテージは全て質量パーセントである。
<カーボンブラック分散体−1>
カーボンブラック#40 [三菱化成社製] 20.0%
ポリビニルブチラール BL−S(樹脂)[積水化学製] 12.0%
3−メトキシ−3−メチルブタノール(溶剤) 68.0%
<カーボンブラック分散体−2>
カーボンブラック#25 [三菱化成社製] 20.0%
ポリビニルブチラール BL−1(樹脂)[積水化学製] 12.0%
3−メトキシ−3−メチルブタノール(溶剤) 68.0%
<カーボンブラック分散体−3>
カーボンブラック#900 [三菱化成社製] 20.0%
ポリビニルブチラール BL−1(樹脂)[積水化学製] 12.0%
3−メトキシ−3−メチルブタノール(溶剤) 68.0%
<評価用赤インキ組成物−1>
DPP BP(色材) [チバガイギー社製] 10.0%
ポリビニルブチラール BL−S(樹脂)[積水化学製] 5.0%
YP90L(樹脂) [ヤスハラケミカル製〕 12.0%
ポリビニルブチラ−ル BH−3(樹脂)[積水化学製] 0.5%
POE(15)オクチルフェニルエーテル (界面活性剤) 7.0%
3−メトキシブタノール(溶剤) 5.0%
3−メトキシ−3−メチルブタノール(溶剤) 60.5%
<評価用青インキ組成物−2>
スピロンブルーC−RH(色材) [保土ヶ谷化学工業製] 10%
スピロンバイオレットC−RH(色材)[保土ヶ谷化学工業製] 2%
クロモフタルブルーA−3R(色材) [チバガイギー社製] 8%
ポリビニルブチラ−ル BH−3(樹脂)[積水化学製] 1.1%
ハイラック110H(樹脂) [目立化成製] 8%
リン酸エステル:ブライサーフA208B(界面活性剤) 1.47%
アミン系化合物:ポリオキシエチレンアルキルアミン(AMIET105) 1.03%
(界面活性剤)
3−メトキシブタノール(溶剤) 10.5%
3−メトキシ−3−メチルブタノール(溶剤) 58.0%
<評価用赤インキ組成物−3>
DPP Flame Red FP(色材)[チバガイギー社製] 5.0%
ポリビニルブチラールBL−S(樹脂)[積水化学製] 2.0%
スピロンレッドC−GH(色材) [保土ケ谷化学工業製] 10.0%
スピロンイエローC−GNHnew(色材)[保土ケ谷化学製] 5.0%
PPG(分子量4000)(溶剤) 7.0%
3−メトキシ−3−メチルブタノール(溶剤) 71.0%
実施例1〜9および比較例1〜9は、上記カーボンブラック分散体およびインキ組成物を以下の通り組合せたものである。尚、評価用インキは100質量%とし、分散体組成物を表中の割合で添加した。
Figure 0004416676
Figure 0004416676
以上の様に実施例および比較例で得られた最終インキ組成物をボールペンのインキ収容管に充填し、下記評価テストを行った。この試験に用いたボールペンは、内径1.60mmのポリプロピレンチューブ、ステンレスチップ(ボールは超硬合金で、直径0.7mmである)を有するものである。また、充填した後、所定にて30分後に下記評価を行う。
(1)筆記性評価(強制摩耗評価)
温度25℃、湿度65%の条件下でボールペンを機械筆記試験機に60°にセットし、筆記荷重200g、筆記速度2.25m/分、筆記時にペンを回転させない状態で固定し、100m筆記を行った。筆記後にチップ受座の摩耗によるインキ吐出流量増加を観察した。ボールペンはそれぞれのインキ組成物に対して5本用意し、不具合本数を測定値とした。
注) 尚、この試験で用いた筆記荷重200gは高荷重であり、筆記速度2.25m/分は非常に低速で筆記している条件であると認識している。
(2)筆記による色判別評価(官能評価)
温度25℃湿度65%の条件下で、上記で得られたボールペンにてPPC用紙に活字を筆記し、ボールペンのインキ色を文字色から判別できるか観察し、以下のように評価した。
(活字:「三菱鉛筆」と筆記)
はっきり判別できるもの:○
判別でき難いもの:△
判別できないもの:×
評価結果
Figure 0004416676
Figure 0004416676
以上の結果から明らかなように本発明の範囲に入る実施例1〜9のインキ組成物は、本発明の範囲外となる比較例1〜9のインキ組成物に比べて低筆記速度且つ高荷重条件下での耐摩耗性の点および摩耗抑制添加量による色の判別に影響を与えない点で非常優れていることが判明した。

Claims (5)

  1. 少なくとも色材、樹脂、および溶剤を含んでなるボールペン用油性非黒色インク組成物であって、
    前記色材が、顔料であり、
    前記インク組成物がさらに摩耗抑制剤としてカーボンブラック分散体を含み、
    前記溶剤の50%以上を占める主溶剤が、アルコール、多価アルコール、グリコールエーテルから選ばれ、かつ25℃での蒸気圧0.001mmHg以上を有し、そして
    前記インキ組成物の粘度が38.30(1/秒)の剪断速度で100〜3000mPa・sである
    ことを特徴とするボールペン用油性非黒色インキ組成物。
  2. 前記グリコールエーテルが下記化学構造式1:
    Figure 0004416676
    で表される請求項1記載のボールペン用油性非黒色インキ組成物。
  3. 前記カーボンブラック分散体が、添加量として顔料濃度0.005質量%〜5.0質量%であることを特徴とする請求項1または2記載のボールペン用油性非黒色インキ組成物。
  4. 前記色材として、顔料と染料とを併用することを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項記載ボールペン用油性非黒色インキ組成物。
  5. 請求項1〜4のいずれか一項記載の油性インキ組成物を用いる油性ボールペン。
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