JP2006342321A - ボールペン用油性インキ組成物及びそれを用いる油性ボールペン - Google Patents

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Abstract

【課題】本発明の目的は、従来の方法とは異なる方法で、書き出し時の筆記カスレを抑制し、筆跡の柔らかく滑らかな筆感にする初筆性能を提供することを可能にしたボールペン用インキ組成物及びそれを用いた油性ボールペンを提供することである。
【解決手段】少なくとも着色剤、樹脂、及び溶剤を含んでなるボールペン用油性インキ組成物であって、モノテルペン類及び液状テルペン樹脂のうちの少なくとも1種から選ばれる初筆性能向上剤を、前記インキ組成物の全量基準で0.05〜25質量%含むことを特徴とするボールペン用油性インキ組成物。
【選択図】なし

Description

本発明は、ボールペン用油性インキとして好適に用いられ、書き出し時の筆記面に対するインキ量の不足による筆記カスレを抑制し、筆跡の柔らかく滑らかな筆感にすることに優れたボールペン用油性インキ組成物に関するものである。
従来、油性ボールペンは、ボールチップ先端部のインキの溶剤が蒸発してインキが増粘した場合、書き出し時にインキが吐出し難くなって筆跡がカスレたり、ボールが十分回転する様になるまで十分濃い筆跡が得られないといった欠点が発生しやすかった。書き初めのこのような特性を「初筆性能」という。このカスレ現象は、環境条件による依存性も強く、低温下及び高温下でたびたび発生し、不快なものとなっていた。
この様な欠点を解決するために従来から種々の工夫が検討されてきた。例えば、特公昭61−52872号公報には、特定の非イオン系界面活性剤を添加してインキの流動性を保持することが記載されている。特公昭57−38629号公報には高沸点芳香族炭化水素を溶剤として用いて、インキが乾燥したり、吸湿して変質するのを低減する発明が記載されている。特開平3−28279号公報には、ポリグリセリン脂肪酸エステルを添加してインキの流動性を保持することが記載されている。特開平6−247093号公報には、不揮発性の溶剤を使用してインキが完全に乾ききるのを防ぐことが記載されている。
特開平11−158421号公報には、塩基性染料とリン酸エステルとの塩を配合したことによりペン先での染料の結晶化を抑制して、ペン先端部で乾燥固化し難くグリス状からペースト状を保つことなどで、インキの流動性を常に保持して滑らかに書き出し、それぞれ問題となるカスレ現象を改善することが記載されている。また、特開平11−21495号公報にも、酸性ポリオキシエチレンアルキルエーテルリン酸エステルを所定のアルキルアルカノールアミン又はモルホリンで中和することによって同様な効果が得られることが記載されている。しかし、ここで使用されているアミン物質は臭気が強く、反応性が高いことから溶剤、染料等の選択の自由度が狭くなる傾向にあった。また、安定な中和物というものを選定するのが難しい。
上記のような手法は、従来の油性ボールペンに使用される様な蒸気圧が0.001mmHgより低い溶剤ではある程度有効であるが、速乾性インキを得るために、25℃での蒸気圧が0.001mmHg以上である様な揮発性の高い溶剤を使用する場合は有効でない。蒸気圧が高い溶剤を用いると、ボール周囲にインク凝着物が固化しやすく、ボールを動かす書き出しに対して非常に強い筆記荷重が必要となる。この問題はキャップが無いタイプのボールペンでは特に重要である。
また、従来の油性ボールペンに使用されている2−フェノキシエタノールやベンジルアルコールの混合溶剤では潤滑性に関してもあまり問題なく、特にオレイン酸を代表とする脂肪酸系のものを入れるという発明(特許文献3)はあるが、表面張力が30dyn/cmと低い溶剤ではあまり効果が発揮できない。さらに着色剤として顔料を使用してしまうと潤滑性は著しく悪くなる。
特公昭61−52872号 特公昭57−38629号 特開平3−28279号 特開平6−247093号 特開平11−158421号 特開平11−21495号
本発明の目的は、従来の方法とは異なる方法で、書き出し時の筆記カスレを抑制し、筆跡の柔らかく滑らかな筆感にする初筆性能を提供することを可能にしたボールペン用インキ組成物及びそれを用いた油性ボールペンを提供することである。
本発明のさらなる目的は、速乾性インキを得るために、揮発性の高い溶剤を使用した場合であっても、優れた初筆性能を提供することである。
さらに本発明の目的は、着色剤として、顔料を含んでなるインキ組成物を用いた油性ボールペンに優れた初筆性能を提供することである。
本発明のさらなる目的は、キャップが無いタイプのボールペンにおいて、優れた初筆性能を提供することである。
本発明者は、上記課題を達成するために、ボールペン用油性インキ組成物が、以下に示す特徴を有することによりこれらの課題を解決できることを見いだし、本発明を完成した。
(1) 少なくとも着色剤、樹脂、及び溶剤を含んでなるボールペン用油性インキ組成物であって、モノテルペン類及び液状テルペン樹脂のうちの少なくとも1種から選ばれる初筆性能向上剤を、前記インキ組成物の全量基準で0.05〜25質量%含むことを特徴とするボールペン用油性インキ組成物。
(2) 全溶剤の50質量%以上を占める主溶剤が、分子構造内に芳香環を持たない、アルコール、多価アルコール、グリコールエーテルから選ばれる(1)記載のボールペン用油性インキ組成物。
(3) 主溶剤であるグリコールエーテルが下記化学構造式1:
Figure 2006342321
で表される(2)記載のボールペン用油性インキ組成物。
(4) 前記主溶剤の蒸気圧が、25℃で0.001mmHg以上である(1)又は(2)に記載のボールペン用油性インキ組成物。
(5) 前記着色剤が、顔料、染料、又は顔料と染料との併用から選ばれる(1)〜(4)のいずれか一つに記載のボールペン用油性インキ組成物。
(6) 前記インキ組成物の粘度が、25±0.5℃において、38.30(1/S)の剪断速度で100〜3000mPa・sである(1)〜(5)のいずれか一つに記載のボールペン用油性インキ組成物。
(7) 前記(1)〜(6)のいずれか一つに記載の油性インキ組成物を用いる油性ボールペン。
本発明によれば、従来の方法とは異なる方法で、書き出し時の筆記カスレを抑制し、筆跡の柔らかく滑らかな筆感にすることを可能にしたボールペン用インキ組成物が提供される。
本発明の油性インキ組成物は、その成分として初筆性能向上剤を含有することを特徴とする。初筆性能向上剤とは、書き出しがスムースで描線のカスレを生じないボールペン用インキの特性を向上させる添加剤である。
本発明者は、研究の結果、従来用いられていない初筆性能向上剤を見出し本発明の油性ボールペン用インキ及びボールペンを完成するに至った。この初筆性能向上剤は、特に油性ボールペン用インキの溶剤として揮発性の高い溶剤を用いる場合に、非常に有効である。
本発明に使用される初筆性能向上剤は、予想外に、合成香料、天然香料、液状テルペン樹脂から選ばれることが見出された。本発明の初筆性能向上剤は香料として知られているテルペン類から選ばれる。テルペン類としては、常温で液体のモノテルペン類が好ましい。モノテルペンは、環式モノテルペン、非環式モノテルペンのいずれでもよい。本発明に係る初筆性能向上剤は、いずれも天然物質を起源にする有機化合物であり環境に非常に優しい材料である。
本発明の初筆性能向上剤の具体的な例としては、以下のものが挙げられる。ピネン(2環式モノテルペン)、例えば、ヤスハラケミカル社製の商品名α―ピネン及びβ−ピネン、ミルセン(非環式モノテルペン)、リモネン(単環式モノテルペン)、例えば、ヤスハラケミカル社製の商品名D−リモネンN、テルピノレン(単環式モノテルペン)、例えば、ヤスハラケミカル社製の商品名ターピノーレン、シネオール(2環式モノテルペン)、例えば、ヤスハラケミカル社製の商品名シネオールD及びシネオールC、アネトール(単環式モノテルペン)、例えば、ヤスハラケミカル社製の商品名アネトールG及びアネトールU、テルピネオール(単環式モノテルペン)、例えば、ヤスハラケミカル社製の商品名ターピネオール、ぺリラ油(単環式モノテルペン)、例えば、ヤスハラケミカル社製の商品名ペラオイル。
液状テルペン樹脂も初筆性能向上剤として用いることができる。これらの例としては、ヤスハラケミカル社製の商品名ダイマロン(テルペン低重合体)、商品名ダイマーレジン(変性テルペン低重合体)、商品名YSオイルDA(テルペン低重合体)が挙げられる。
また、それら以外としては日本テルペン化学(株)社製のn−Bomeol、dl−Camphor、I−Carveol、I−Carvyl acetate、Caryophylene、Caryopyl1ene oxide、1,4−Cineole、1,8−Cineole、Citronellal、I−Citroneol、p−Cymene、d−Dihydrocarveol、I−Dihydrocarveol、d−Dihydrocarvone、d−Dihydrocarvyl acetate、I−Dihydrocarvyl acetate、Dihydroterpineol、Dihydroterpinyl acetate、Dimal H、Elemene、Eugenol、β−Famesene、Isobornyl acetate、Isobornyl cyclohexanol、d−Limonene、I−Limonene、d−Limonene oxide、I−Limonene oxide、Linalool oxide furanoid、Linalool oxide pyranoid、p−Menthane、I−Menthol、I−Menthone、β−Myrcene、Myrtenal、Myrtenol、Myrtenyl acetate、I−perillyl alcohol、I−Perillyl acetate、3−Octanol、3−Octyl acetate、I−Perillaldehyde、α−Pinene、β−Pinene、α−Pinene oxide、d−Puregone、dl−Rose oxide、Sobrerol、α−Terpinene、γ−Terpinene、Terpineol C、α−Terpineol、I−α−Terpineol、4−Terpineol、Terpinolene、α−Terpinyl acetate、Verbenol、Verbenone、3−Carene、Carane oxide、Terusolve DTO−210、Terusolve THA−90、Terusolve THA−70、Terpinyloxy ethanol、Dihydroterpinyloxy ethanol、Terpinyloxy methylether、Dihydroterpinyl methylether、等があり、それらを主成分とした製品類等が挙げられる。
これらの樹脂の配合量としては、インキ組成物の全量基準で0.05〜25質量%であり、より好ましくは0.05〜23質量%である。更に好ましくは0.05〜20質量%である。
その配合量が0.05質量%未満であると、書き出し時の筆記カスレを抑制することができず、筆跡の柔らかく滑らかな筆感にすることができない。また、25質量%を超えるとペン先端でボテの誘発、ペン先のチップ内摩耗の誘発、インキの経時的な不安定性筆記性等や書き味に悪影響を及ぼすことになる。特に低温でのインキ安定性が悪くなる傾向を有し、連続的なラセン筆記をした時、描線の部分的なインキ未転写部(線割れ)が生じる。
本発明のインキ組成物に用いられる主溶剤(全溶剤の50質量%以上)としては、アルコール、多価アルコール、グリコールエーテルから選ばれる溶剤を用いる。25℃での蒸気圧が0.001mmHg以上である高揮発性の溶剤を用いる場合に、上述の初筆性能向上剤を一緒に用いることが特に好ましい。本発明に係る初筆性向上剤を用いると、この様に蒸気圧の高い特定の溶剤を使用した場合の特有の問題を解決することができる。
具体的なアルコール類としては、炭素数が2以上の脂肪族アルコールであり、エタノール、n−プロパノール、イソプロパノール、n−ブタノール、イソブタノール、tert−ブチルアルコール、1−ペンタノール、イソアミルアルコール、sec−アミルアルコール、3−ペンタノール、tert−アミルアルコール、n−ヘキサノール、メチルアミルアルコール、2−エチルブタノール、n-ヘプタノール、2−ヘプタノール、3−ヘプタノール、n−オクタノール、2−オクタノール、2−エチルヘキサノール、3,5,5−トリメチルヘキサノール、ノナノール、n−デカノール、ウンデカノール、トリメチルノニルアルコール、テトラデカノール、ヘプタデカノール、シクロヘキサノール、2−メチルシクロヘキサノールやその他多種の高級アルコール等が挙げられる。
また、多価アルコールとしてはエチレングリコール、ジエチレングリコール、3−メチル−1,3ブタンジオール、トリエチレングリコール、ジプロピレングリコール、1,3プロパンジオール、1,3ブタンジオール、1,5ペンタンジオール、ヘキシレングリコール、オクチレングリコール等の分子内に2個以上の炭素、2個以上の水酸基を有する多価アルコールが挙げられる。
グリコールエーテルとしては、メチルイソプロピルエーテル、エチルエーテル、エチルプロピルエーテル、エチルブチルエーテル、イソプロピルエーテル、ブチルエーテル、ヘキシルエーテル、2−エチルヘキシルエーテル、エチレングリコールモノヘキシルエーテル、エチレングリコールモノ−2−エチルブチルエーテル、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、トリエチレングリコールモノブチルエーテル、テトラエチレングリコールモノブチルエーテル、3−メチル−3−メトキシ−1−ブタノール、3−メトキシ−1−ブタノール、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノプロピルエーテル、プロピレングリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコール−tert−ブチルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノエチルエーテル、ジプロピレングリコールモノプロピルエーテル、ジプロピレングリコールモノブチルエーテル、トリプロピレングリコールモノメチルエーテル、トリプロピレングリコールモノブチルエーテル、テトラプロピレングリコールモノブチルエーテル等が挙げられる。
特に好ましいのは次の化学式1に示されるような溶剤が挙げられる。
化学式1:
Figure 2006342321
化学式1を有する溶剤として、例えば、プロピレングリコールモノメチルエーテル、1,3ブタンジオール、3−メトキシ−1−ブタノール、3−メチル−3−メトキシ−1−ブタノール等が挙げられる。
以上挙げた溶剤の中で特に好ましいのは、炭素数2〜7のグリコールエーテルであり、特に高い効果を発揮する。また、安全性及び経口毒性等の観点からエチレングリコール誘導体等以外の有機溶剤を使用するのが好ましい。
また、本発明のインキ組成物では、芳香環を持たないアルコール、多価アルコール、グリコールエーテルから選ばれる主溶剤のほかに補助溶剤として、分子構造内に芳香環を有する、アルコール、多価アルコール、グリコールエーテルを、インキ組成物の全量基準で0.1〜15質量%の量で用いることができる。
これらの補助溶剤の例として、アルコール類としては、ベンジルアルコール及びそのエチレンオキサイド誘導体又はプロピレンオキサイド誘導体、並びにそれらEO(エチレンオキサイド)、PO(プロピレンオキサイド)の混合物の誘導体等が挙げられる。
グリコールエーテル類としてはエチレングリコールモノフェニルエーテル(溶剤)及びそのエチレンオキサイド誘導体又はプロピレンオキサイド誘導体、並びにそれらEO、POの混合物の誘導体等が挙げられる。また、プロピレングリコールモノフェニルエーテル及びそのエチレンオキサイド誘導体又はプロピレンオキサイド誘導体並びにそれらEO、POの混合物の誘導体等が挙げられる。また、ブチレングリコールモノフェニルエーテル及びそのエチレンオキサイド誘導体又はプロピレンオキサイド誘導体、並びにそれらEO、POの混合物の誘導体等が挙げられる。
これらの溶剤は、補助溶剤として、リン酸エステル中和混合物と共に使用することで、金属ボール表面からインキを剥離あるいははじく効果を増大させる。その添加量は0.1〜15質量%としているが、0.1%より少ないとその効果が薄れ、15%より多いと速い捨て書きを行うと描線が割れる現象が生じてしまう。
また、以上に挙げた溶剤の他に原材料の溶解性や揮発性能を妨げない範囲で以下に挙げる溶剤を添加することも可能である。
それらの例として、多価アルコール類誘導体があり、ソルビタン脂肪酸系、ポリグリセリン高級脂肪酸系、ショ糖脂肪酸系、プロピレングリコール脂肪酸系等の誘導体も挙げられる。
エステル類の溶剤としては、例えば、プロピレングリコールメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールジアセテート、3−メチル−3−メトキシブチルアセテート、プロピレングリコールエチルエーテルアセテート、エチレングリコールエチルエーテルアセテート、ギ酸ブチル、ギ酸イソブチル、ギ酸イソアミル、酢酸プロピル、酢酸ブチル、酢酸イソプロピル、酢酸イソブチル、酢酸イソアミル、プロピオン酸メチル、プロピオン酸エチル、プロピオン酸プロピル、プロピオン酸イソブチル、プロピオン酸イソアミル、酪酸メチル、酪酸エチル、酪酸プロピル、イソ酪酸メチル、イソ酪酸エチル、イソ酪酸プロピル、吉草酸メチル、吉草酸エチル、吉草酸プロピル、イソ吉草酸メチル、イソ吉草酸エチル、イソ吉草酸プロピル、トリメチル酢酸メチル、トリメチル酢酸エチル、トリメチル酢酸プロピル、カプロン酸メチル、カプロン酸エチル、カプロン酸プロピル、カプリル酸メチル、カプリル酸エチル、カプリル酸プロピル、ラウリン酸メチル、ラウリン酸エチル、オレイン酸メチル、オレイン酸エチル、カプリル酸トリグリセライド、クエン酸トリブチルアセテート、オキシステアリン酸オクチル、プロピレングリコールモノリシノレート、2−ヒドロキシイソ酪酸メチル、3−メトキシブチルアセテート等様々なエステルが挙げられる。
また、分子内に水酸基を持たない溶剤ジエーテルやジエステルは具体的には、エチレングリコールジエチルエーテル、エチレングリコールジブチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールジブチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジプロピレングリコールジメチルエーテル等が挙げられる。
本発明のボールペン用油性インキ組成物は、インキの粘度調整および耐擦過性の向上のために樹脂を用いる。本発明のボールペン用油性インキ組成物に使用される樹脂としては、ケトン樹脂、スチレン樹脂、スチレン−アクリル樹脂、テルペンフェノール樹脂、ロジン変性マレイン酸樹脂、ロジンフェノール樹脂、アルキルフェノール樹脂、フェノール系樹脂、スチレンマレイン酸樹脂、ロジン系樹脂、アクリル系樹脂、尿素アルデヒド系樹脂、マレイン酸系樹脂、シクロヘキサノン系樹脂、ポリビニルブチラール、ポリビニルピロリドン等に代表される樹脂がある。
これらの樹脂のインキ組成物への配合量は、1〜30質量%であり、より好ましくは1〜20質量%である。その配合量が1質量%未満であると粘度調整やペン先での摩耗防止が困難となり、30質量%を超えると樹脂以外の原材料が配合できなくなるか、書き味に悪影響を及ぼすことになる。
本発明のインキ組成物は、25±0.5℃において、38.30(1/S)の剪断速度で100〜3000mPa・sの範囲の粘度を有する。
本発明のインキ組成物の着色剤に顔料を使用する場合、用いる分散剤としては上記に挙げるような樹脂の中から顔料を分散できるものを選択して使用することができる。また、活性剤やオリゴマー等、本発明の目的に合えばどの様なものでも用いることができる。具体的な分散剤としては、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、ポリビニルブチラール、ポリビニルエーテル、スチレン−マレイン酸共重合体、ケトン樹脂、ヒドロキシエチルセルロースやその誘導体、スチレン−アクリル酸共重合体等の合成樹脂やPO・EO付加物やポリエステルのアミン系オリゴマー等を挙げることができる。
本発明のボールペン用油性インキに用いる着色剤としては、染料のほか、顔料又は顔料と染料との併用の形で使用することができる。顔料としてはカーボンブラック、フタロシアニン、アゾ、キナクリドン、ジケトピロロピロール、インダスレン、ジオキサジン等の有機顔料を使用することができる。
また、顔料としては、用いる有機溶剤に溶解し難く分散後の平均粒径が30nm〜700nmとなるものが好ましい。顔料の配合量は、インキ組成物全量に対し、0.5〜25質量%、好ましくは0.5〜20%までの範囲で必要に応じて配合することができる。
顔料を用いる場合、顔料は、単独で又は2種以上の混合で使用することができる。また、必要に応じて無機顔料を用いた分散体や染料等も分散安定性に悪影響を与えない程度で添加することができる。更に、スチレン、アクリル酸、アクリル酸エステル、メタアクリル酸、メタアクリル酸エステル、アクリルニトリル、オレフィン系モノマーを重合して得られる樹脂エマルションや、インキ中では膨潤して不定形となる中空樹脂エマルション、又は、これらのエマルション自身を着色剤で染着して得られる染着樹脂粒子からなる有機多色顔料等が挙げられる。
本発明に使用する着色剤が顔料である場合、顔料分散インキ組成物を製造するには、従来から公知の種々の方法が採用できる。例えば、上記各成分を配合し、ディゾルバー等の攪拌機により混合攪拌することによって、また、ボールミルやロールミル、ビーズミル、サンドミル、ピンミル等によって混合粉砕した後、遠心分離や濾過によって顔料の粗大粒子、及び未溶解物、混入固形物を取り除くことによって容易に得ることができる。
これらの顔料に対して併用する染料としては分散系を破壊しないものであれは特に制限なく使用することができる。それらの染料としては、通常の染料インキ組成物に用いられる直接染料、酸性染料、塩基性染料、媒染・酸性媒染染料、酒精溶性染料、アゾイック染料、硫化・硫化建染染料、建染染料、分散染料、油溶染料、食用染料、金属錯塩染料等、並びに通常の顔料インキ組成物に用いられる無機及び有機顔料の中から任意のものを使用することができる。その配合量は、組成物全量当たり1〜50質量%の範囲で選ばれる。
更に、本発明では必要に応じて、インキに悪影響を及ぼさず相溶することができる防錆剤、防黴剤、界面活性剤、潤滑剤及び湿潤剤等を配合することがでる。特に脂肪酸などは、潤滑剤として好適に使用できる。また、乾燥抑制用添加剤として製品特性上、悪影響を及ぼさない範囲で主溶剤に相溶する不揮発性溶剤等も配合することができる。
本発明のボールペンは、ボール、チップホルダーからなるペン先、インキ収容管、チップと該収容管をつなぐ継ぎ手、ペン軸等から構成され、前記インキ収容管に本発明のボールペン用インキ組成物を充填したものである。
本発明のインキ組成物をボールペンに用いる場合には、インキ追従体をボールペン後端部に付与することが好ましい。使用する溶剤は揮発性があるので、揮発防止、吸湿性防止、インキ漏れ防止としてインキ追従体を添加するものである。
インキ追従体としては、インキに使用する溶剤に対して低透過性、低拡散性が必要であり、そのベースとしては不揮発性や難揮発性の流動体、具体的には、ポリブテンや流動パラフィン等、本発明で用いる溶剤と基本的に相溶性を有さない非シリコン系の油脂類を使用することができる。これらの物質の粘度が低い場合、増粘剤やゲル化剤を用いるとよい。具体的には、金属セッケン類、ベントナイト類、脂肪酸アマイド類、水添ヒマシ油類、酸化チタン、シリカ又はアルミナ等を含む金属微粒子類、セルロース類、エラストマー類等が挙げられる。
本発明のインキ組成物が優れた初筆性能を発揮する理由としてはインキ組成物の初筆性能向上剤に特徴があり、特に、書き出し時の筆記カスレを抑制し、筆跡の柔らかく滑らかな筆感に優れたインキが得られる理由としては、揮発性の脂肪族系有機溶剤系のインキに少量の本発明に係る合成及び天然香料、液状テルペン樹脂を使用することでペン先のチップ先端に付着したインキがチップのボール表面をぬれ難くし、ボール表面からインキがはじかれることでチップカシメ部周囲にインキが揮発により強固に凝着することを抑制するためと推測している。このため、ペン先にインキが付着し難くなることからインキ凝着物が形成し難く、チップのボール回転の阻害要因とはならず、書き出しがスムースになり、書き出し時のカスレの無い、筆跡の柔らかく滑らかな筆感にすることに優れたボールペン用油性インキ組成物を提供することが可能となった。
以下実施例により本発明を更に具体的に説明するが、本発明は、これらの実施例によって限定されるものではない。
本発明のインキの実施例1〜7を以下の処方で調製した。
<実施例−1>
スピロンバイオレットC−RH(着色剤染料) [保土ヶ谷化学工業製] 8.0%
スピロンイエローC−GNH(着色剤染料) [保土ヶ谷化学工業製] 5.0%
Printex#35(着色剤顔料) [デグッサ社製] 8.0%
ポリビニルブチラール BL−1(樹脂) [積水化学製] 4.0%
ポリビニルブチラール BH−3(樹脂) [積水化学製] 0.7%
ハイラック110H(樹脂) [日立化成製] 5.0%
YSオイルDA(初筆性能向上剤) [ヤスハラケミカル製] 10.0%
3−メトキシ、3−メチル、1−ブタノール(溶剤) 59.3%
<実施例−2>
スピロンブルーC−RH(着色剤染料) [保土ヶ谷化学工業製] 8.0%
スピロンバイオレットC−RH(着色剤染料) [保土ヶ谷化学工業製] 4.0%
クロモフタルブルーA−3R(着色剤顔料) [チバガイギー社製] 8.0%
ポリビニルブチラール BL−1(樹脂) [積水化学製] 4.0%
ポリビニルブチラール BH−S(樹脂) [積水化学製] 0.5%
ハイラック110H(樹脂) [日立化成製] 8.0%
D−リモネンN(初筆性能向上剤) [ヤスハラケミカル製] 0.5%
エチレングリコールモノフェニルエーテル(溶剤) 5.0%
3−メトキシ、3−メチル、1−ブタノール(溶剤) 62.0%
<実施例−3>
スピロンバイオレットC−RH(着色剤染料) [保土ヶ谷化学工業製] 10.0%
クロモフタルバイオレット B(着色剤染料) [チバガイギー社製] 5.0%
ポリビニルブチラール BL−S(樹脂) [積水化学製] 3.0%
ポリビニルブチラール BH−S(樹脂) [積水化学製] 0.5%
ハイラック110H(樹脂) [日立化成製] 8.0%
D−リモネンN(初筆性能向上剤) [ヤスハラケミカル製] 1.0%
エチレングリコールモノフェニルエーテル(溶剤) 5.0%
3−メトキシブタノール(溶剤) 12.5%
3−メトキシ、3−メチル、1−ブタノール(溶剤) 55.0%
<実施例−4>
スピロンバイオレットC−RH(着色剤染料) [保土ヶ谷化学工業製] 8.0%
スピロンイエローC−GNH(着色剤染料) [保土ヶ谷化学工業製] 5.0%
Printex#35(着色剤顔料) [デグッサ社製] 8.0%
ポリビニルブチラール BL−1(樹脂) [積水化学製] 4.0%
ポリビニルブチラール BH−3(樹脂) [積水化学製] 1.0%
ハイラック110H(樹脂) [日立化成製] 5.0%
YSオイルDA(初筆性能向上剤) [ヤスハラケミカル製] 8.0%
3−メトキシブタノール(溶剤) 9.0%
3−メトキシ、3−メチル、1−ブタノール(溶剤) 52.0%
<実施例−5>
スピロンバイオレットC−RH(着色剤染料) [保土ヶ谷化学工業製] 8.0%
スピロンイエローC−GNH(着色剤染料) [保土ヶ谷化学工業製] 5.0%
Printex#35(着色剤顔料) [デグッサ社製] 8.0%
ポリビニルブチラール BL−1(樹脂) [積水化学製] 4.0%
ポリビニルブチラール BH−3(樹脂) [積水化学製] 0.7%
ハイラック110H(樹脂) [日立化成製] 5.0%
D−リモネン(初筆性能向上剤) [日本テルペン化学製] 6.0%
Isobornyl cyclohexanol(初筆性能向上剤) [日本テルペン化学製] 4.0%
3−メトキシ、3−メチル、1−ブタノール(溶剤) 59.3%
<実施例−6>
スピロンブルーC−RH(着色剤染料) [保土ヶ谷化学工業製] 8.0%
スピロンバイオレットC−RH(着色剤染料) [保土ヶ谷化学工業製] 4.0%
クロモフタルブルーA−3R(着色剤顔料) [チバガイギー社製] 8.0%
ポリビニルブチラール BL−1(樹脂) [積水化学製] 4.0%
ポリビニルブチラール BH−S(樹脂) [積水化学製] 0.5%
ハイラック110H(樹脂) [日立化成製] 8.0%
D−リモネン(初筆性能向上剤) [日本テルペン化学製] 1.5%
Isobornyl cyclohexanol(初筆性能向上剤) [日本テルペン化学製] 1.5%
エチレングリコールモノフェニルエーテル(溶剤) 5.0%
3−メトキシ、3−メチル、1−ブタノール(溶剤) 59.5%
<実施例−7>
スピロンバイオレットC−RH(着色剤染料) [保土ヶ谷化学工業製] 10.0%
クロモフタルバイオレット B(着色剤顔料) [チバガイギー社製] 5.0%
ポリビニルブチラール BL−S(樹脂) [積水化学製] 3.0%
ポリビニルブチラール BH−S(樹脂) [積水化学製] 0.5%
ハイラック110H(樹脂) [日立化成製] 8.0%
Dihydroterpinyl acetate(初筆性能向上剤) [日本テルペン化学製] 1.0%
エチレングリコールモノフェニルエーテル(溶剤) 5.0%
3−メトキシブタノール(溶剤) 12.5%
3−メトキシ、3−メチル、1−ブタノール(溶剤) 55.0%
比較例1〜6を以下の処方で調製した。
<比較例−1>
この例の処方は本発明に係る初筆性能向上剤を含まない以外は実施例1と同じである。
スピロンバイオレットC−RH(着色剤染料) [保土ヶ谷化学工業製] 8.0%
スピロンイエローC−GNH(着色剤染料) [保土ヶ谷化学工業製] 5.0%
Printex#35(着色剤顔料) [デグッサ社製] 8.0%
ポリビニルブチラール BL−1(樹脂) [積水化学製] 4.0%
ポリビニルブチラール BH−3(樹脂) [積水化学製] 0.7%
ハイラック110H(樹脂) [日立化成製] 5.0%
3−メトキシ、3−メチル、1−ブタノール(溶剤) 69.3%
<比較例−2>
この例の処方は本発明に係る初筆性能向上剤を含まない以外は実施例2と同じである。
スピロンブルーC−RH(着色剤染料) [保土ヶ谷化学工業製] 8.0%
スピロンバイオレットC−RH(着色剤染料) [保土ヶ谷化学工業製] 4.0%
クロモフタルブルーA−3R(着色剤顔料) [チバガイギー社製] 8.0%
ポリビニルブチラール BL−1(樹脂) [積水化学製] 4.0%
ポリビニルブチラール BH−S(樹脂) [積水化学製] 0.5%
ハイラック110H(樹脂) [日立化成製] 8.0%
エチレングリコールモノフェニルエーテル(溶剤) 5.0%
3−メトキシ、3−メチル、1−ブタノール(溶剤) 62.5%
<比較例−3>
この例の処方は本発明に係る初筆性能向上剤を含まない以外は実施例3と同じである。
スピロンバイオレットC−RH(着色剤染料) [保土ヶ谷化学工業製] 10.0%
クロモフタルバイオレット B(着色剤染料) [チバガイギー社製] 5.0%
ポリビニルブチラール BL−S(樹脂) [積水化学製] 3.0%
ポリビニルブチラール BH−S(樹脂) [積水化学製] 0.5%
ハイラック110H(樹脂) [日立化成製] 8.0%
エチレングリコールモノフェニルエーテル(溶剤) 5.0%
3−メトキシブタノール(溶剤) 12.5%
3−メトキシ、3−メチル、1−ブタノール(溶剤) 56.0%
<比較例−4>
この例の処方は本発明に係る初筆性能向上剤を含まない以外は実施例4と同じである。
スピロンバイオレットC−RH(着色剤染料) [保土ヶ谷化学工業製] 8.0%
スピロンイエローC−GNH(着色剤染料) [保土ヶ谷化学工業製] 5.0%
Printex#35(着色剤顔料) [デグッサ社製] 8.0%
ポリビニルブチラール BL−1(樹脂) [積水化学製] 4.0%
ポリビニルブチラール BH−3(樹脂) [積水化学製] 1.0%
ハイラック110H(樹脂) [日立化成製] 5.0%
3−メトキシブタノール(溶剤) 9.0%
3−メトキシ、3−メチル、1−ブタノール(溶剤) 60.0%
本発明に係る初筆性能向上剤の濃度による効果を確認するために以下の比較例5及び6を調製した。
<比較例−5>
この例の処方は本発明に係る初筆性能向上剤濃度が0.01%である以外は実施例1と同じである。
スピロンバイオレットC−RH(着色剤染料) [保土ヶ谷化学工業製] 8.0%
スピロンイエロー C−GNH(着色剤染料) [保土ヶ谷化学工業製] 5.0%
Printex#35(着色剤顔料) [デグッサ社製] 8.0%
ポリビニルブチラール BL−1(樹脂) [積水化学製] 4.0%
ポリビニルブチラール BH−3(樹脂) [積水化学製] 0.7%
ハイラック110H(樹脂) [日立化成製] 5.0%
YSオイルDA(初筆性能向上剤) [ヤスハラケミカル製] 0.01%
3−メトキシ、3−メチル、1−ブタノール(溶剤) 59.29%
<比較例−6>
この例の処方は本発明に係る初筆性能向上剤濃度が30.0%である以外は実施例1と同じである。
スピロンバイオレットC−RH(着色剤染料) [保土ヶ谷化学工業製] 8.0%
スピロンイエローC−GNH(着色剤染料) [保土ヶ谷化学工業製] 5.0%
Printex#35(着色剤顔料) [デグッサ社製] 8.0%
ポリビニルブチラール BL−1(樹脂) [積水化学製] 4.0%
ポリビニルブチラール BH−3(樹脂) [積水化学製] 0.7%
ハイラック110H(樹脂) [日立化成製] 5.0%
YSオイルDA(初筆性能向上剤) [ヤスハラケミカル製] 30.0%
3−メトキシ、3−メチル、1−ブタノール(溶剤) 29.3%
以上の様に実施例1〜7および比較例1〜6で得られたインキを充填し、下記評価テストを行った。
試験に用いたボールペンは、内径1.60mmのポリプロピレンチューブ、ステンレスチップ(ボールは超硬合金で、直径1.0mmである)を有するものである。また、充填した後、温度25℃、湿度65%条件下にて30分放置した後に下記評価を行った。
評価1)書出時カスレ評価(官能評価):
「三菱」という文字を書き、文字のカスレ度合いで判定する。
◎:ほとんどかすれないもの(「三」の1あるいは2番目の線以降書ける)。
○:僅かにかすれるもの(「三」の2番目の線が多少かすれるが、それ以降かすれない)。
△:カスレが少し多いもの(「菱」以降かすれない)。
×:カスレが非常に多いもの(「菱」が最後まで書けない)。
評価2)書出時カスレ評価(機械評価):
温度25℃、湿度65%条件下において、ペンを60度にセツトし、200gの荷重をかけ、接触している紙を2m/分の速度で動かし、その筆記描線を観察する。その時、始点から書出始めた描線までの距離を測定する。ペンは5本用意し、その平均値を測定値とした。尚、この試験では、長期的なカスレ性を観察するために、温度25℃、湿度65%条件下での放置期間は1日間とした。
判定基準は以下のとおりである。
◎:測定値≦10mm
○:10mm<測定値≦50mm
△:50mm<測定値≦100mm
×:100mm<測定値
評価3)筆記性評価/線割れ性(官能評価):
室温下でPPC用紙を用い、連続的にラセン状に筆記した時の描線の線割れ(筆記時にインキが転写しない部分)度合いを観察し、判定する。
判定基準は以下のとおりである。
◎:ほとんど線割れしないもの。
○:僅かに線割れするもの。
△:少し線割れが多いもの。
×:非常に線割れが多いもの。
評価4)低温安定性・筆記性評価/線割れ性(官能評価):
0℃に3日間放置し、取り出し1時間後、室温下でPPC用紙を用い、連続的にラセン状に筆記した時の描線の線割れ(筆記時にインキが転写しない部分)度合いを観察し、判定する。
判定基準は以下のとおりである。
◎:ほとんど線割れしないもの。
○:僅かに線割れするもの。
△:少し線割れが多いもの。
×:非常に線割れが多いもの。
上記評価結果を次の表に示す。
Figure 2006342321
以上の結果から明らかなように本発明の範囲となる実施例1〜7のインキ組成物は、本発明の範囲外となる比較例1〜6のインキ組成物に比べて初筆性能に非常に優れ、筆跡の柔らかく滑らかな筆感にすることに優れていることが判明した。

Claims (7)

  1. 少なくとも着色剤、樹脂、及び溶剤を含んでなるボールペン用油性インキ組成物であって、モノテルペン類及び液状テルペン樹脂のうちの少なくとも1種から選ばれる初筆性能向上剤を、前記インキ組成物の全量基準で0.05〜25質量%含むことを特徴とするボールペン用油性インキ組成物。
  2. 全溶剤の50質量%以上を占める主溶剤が、分子構造内に芳香環を持たない、アルコール、多価アルコール、グリコールエーテルから選ばれる請求項1記載のボールペン用油性インキ組成物。
  3. 主溶剤であるグリコールエーテルが下記化学構造式1:
    Figure 2006342321
    で表される請求項2記載のボールペン用油性インキ組成物。
  4. 前記主溶剤の蒸気圧が、25℃で0.001mmHg以上である請求項1又は2記載のボールペン用油性インキ組成物。
  5. 前記着色剤が、顔料、染料、又は顔料と染料との併用から選ばれる請求項1〜4のいずれか一項記載のボールペン用油性インキ組成物。
  6. 前記インキ組成物の粘度が、25±0.5℃において、38.30(1/S)の剪断速度で100〜3000mPa・sである請求項1〜5のいずれか一項記載のボールペン用油性インキ組成物。
  7. 前記請求項1〜6のいずれか一項に記載の油性インキ組成物を用いる油性ボールペン。
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