JPH04236275A - 油性ボールペン用インク組成物 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明はボールペンインク用組成
物、更に詳しく言えば、書き出し時のインクの出がスム
ースで、かつ滑らかな運筆感が得られるボールペンイン
ク組成物に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】通常の油性ボールペンインク組成物には
、書き出しのインクの出をスムースにし、かつ滑らかな
運筆感を得るために、着色剤、有機溶剤、樹脂などを含
有してなるインク組成物にオレイン酸が配合されている
。しかしながら、このオレイン酸は銅や銅合金を腐食す
る性質を有するため、ボールペンに使用されているチッ
プがそれらから作られている場合、ボールペンの保存寿
命を著るしく短くするという欠点を有している。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、ボー
ルペンのチップに銅や銅合金が用いられている場合にも
、チップを腐食することなく、保存寿命が長く、しかも
書き出し時のインクの出がスムースで、滑らかな運筆感
が得られる油性ボールペン用インク組成物を提供するこ
とである。

【０００４】

【課題を解決するための手段】本発明者は、従来のボー
ルペン用インクの前記の様な欠点を改良し、初筆感や書
味に優れ、かつボールペンの経時劣化が少ない油性ボー
ルペンインク組成物を提供すべく鋭意研究を重ねた結果
、前記オレイン酸の代わりに後記の一般式で表わされる
構造を持つ有機化合物を用いることによりその目的を達
成しうることを見い出し、この知見に基づいて本発明を
完成するに至った。

【０００５】すなわち本発明は、着色剤、有機溶剤及び
樹脂を少くとも含有し、更に化１に示した化学構造を有
する有機化合物を含有してなる油性ボールペン用インク
組成物である。

【０００６】本発明組成物において用いられる着色剤と
しては、従来のボールペンインクに使用されている公知
の染料及び／または顔料の全てが使用可能である。なお
、これらの着色剤の使用に際してはそれぞれ単独に使用
するか適時組み合せて使用できる。そして、その配合量
はインクの全重量に基づき２０〜７０重量％の範囲であ
ることが好ましい。

【０００７】本組成物における有機溶剤は、通常の油性
ボールペンインク組成物に用いられている溶剤、すなわ
ち、前記の着色剤を溶解又は分散し、かつ比較的高沸点
であるものが使用される。このようなものとしては、例
えばベンジルアルコール、フェノキシエタノール、カー
ビトール類、セロソルブ類などが挙げられる。これらは
単独で用いてもよいし、２種以上混合して用いてもよく
、その配合量は組成物全量に基づき２０〜７０重量％の
範囲であることが好ましい。

【０００８】本発明における樹脂は、インク組成物を高
粘度に調製するためのものであり、通常の油性ボールペ
ンインク組成物に慣用されている樹脂、例えばケトン樹
脂、スルフォアミド樹脂、マレイン樹脂、エステルガム
、キシレン樹脂、アルキッド樹脂、フェノール樹脂、ロ
ジン樹脂、ポリビニルピロリドンなどが用いられる。 これらの樹脂は単独で用いてもよいし、２種以上混合し
て用いてもよく、また、インク組成物全量につき５〜３
０重量％の範囲であることが好ましい。

【０００９】本発明の特徴である化１の化学構造を有す
る有機化合物としては、カルベン、ジペンチン等を挙げ
ることができる。

【００１０】本発明における前記の有機化合物の配合量
は、組成物全体量に基づき１．０〜３０．０重量％が好
ましい。この量が１．０重量％未満では本発明の効果が
得られず、また３０重量％を越えると油性ボールペンイ
ンク組成物として経時安定性や乾燥性などの他の品質が
損なわれる場合がある。

【００１１】本発明の油性ボールペンインク組成物を用
いたボールペンは、書き出し時のインクの出がスムース
で、滑らかな運筆感を与え、その上従来のものに比べて
経時劣化が少ない。

【００１２】

【作用】油性ボールペンの初筆、すなわち書き出し時の
インクの出をスムースに保つためには、チップのボール
周辺部のインクの乾燥を防止しなければならない。本発
明で特徴とする化１の化学構造を含む構造式を有する有
機化合物は、これを油性ボールペンインクに添加した場
合、これらは常温で殆んど不揮発性である為に、インク
全体の乾燥速度が低下し、油性ボールペンチップのボー
ル周辺部からの乾燥を防止できる。これらの化合物は、
２つの２重結合により、常温で不揮発性であるにも拘ら
ず、配合物は常温で低粘度を保つことによると推定され
る。

【００１３】更に、本発明の有機化合物はボールとボー
ル受座との摩擦係数を低減させるので、これらを添加し
たインクを用いたボールペンは滑らかな運筆感を得るこ
とが出来る。

【００１４】

【実施例】以下に実施例によって本発明を更に詳細に説
明するが、本発明は、この実施例によって何等限定され
るものではない。

【００１５】なお、書き出しの時のかすれ長さの測定及
び強制劣化試験は以下の様にして行なった。また用いた
ボールペンは、ポリプロピレンチューブ、燐青銅チップ
、（ボールは超硬合金タングステンカーバイドで、直径
０．７ｍｍである）を有するものである。

【００１６】書き出し時のかすれ長さ 　　捨て書き後、室温に２４時間放置した後、荷重１０
０ｇ、筆記速度４．５ｍ／分で直線書きし、そのかすれ
の長さを測定した。 強制劣化試験 　　５０℃８０％ＲＨの恒温恒湿槽内に所定時間放置後
、室温まで放冷し、手書きで螺旋筆記して筆記性を調べ
た。

【００１７】（実施例１） 　　バリファーストブラック＃１８０２　　　　　　　
　　　　　２０重量部　　バリファーストイエロー＃１
１０５　　　　　　　　　　　　　　５重量部　　（以
上オリエント化学製、登録商標名）　　スピロンバイオ
レットＣＲＨ　　　　　　　　　　　　　　　　　　１
５重量部　　（保土谷化学製、登録商標名） 　　ベンジルアルコール　　　　　　　　　　　　　　
　　　　　　　　　　　　　　５重量部　　フェノキシ
エタノール　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　
　　　　４０重量部　　リモネンＧ　　　　　　　　　
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　
１０重量部　　（小川香料製、商標名、前述の構造を有
する有機化合物）　　ハイラック＃１１１　　　　　　
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　１５重量部
　　（日立化成製、登録商標名、ケトン樹脂）　　ＰＶ
Ｐ　　Ｋ−９０　　　　　　　　　　　　　　　　　　
　　　　　　　　　　　　０．１重量部　　（ＧＡＦ製
、ポリビニルピロリドン）

【００１８】（実施例２） 　　バリファーストブルー＃１６０３　　　　　　　　
　　　　　　１０重量部　　（以上オリエント化学製、
登録商標名）　　ネプチューンブルーベース＃６３４　
　　　　　　　　　　　１５重量部　　（ＢＡＳＦ製、
登録商標名） 　　ベンジルアルコール　　　　　　　　　　　　　　
　　　　　　　　　　　　　　５重量部　　フェノキシ
エタノール　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　
　　　　４０重量部　　リモネンＫ　　　　　　　　　
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　
１０重量部　　（小川香料製、商標名、前述の構造を有
する有機化合物）　　ハイラック＃１１１　　　　　　
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　１５重量部
　　（日立化成製、登録商標名、ケトン樹脂）　　ＰＶ
Ｐ　　Ｋ−３０　　　　　　　　　　　　　　　　　　
　　　　　　　　　　１０重量部　　ＰＶＰ　　Ｋ−９
０　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　
　　　　　　０．１重量部　　（以上　　ＧＡＦ製、ポ
リビニルピロリドン）

【００１９】上述の油性ボールペ
ンインク組成物を調製し、書き出し時のかすれ長さを測
定した。その結果、書き出し時のかすれ長さはどちらも
３ｍｍ以下と極めて短く良好であり、強制劣化試験につ
いては、９０日間後でも筆記可能であった。

【００２０】（比較例）実施例における特許請求の範囲
に示した有機化合物の代わりにオレイン酸を用いる以外
は、実施例と全く同様の油性ボールペンインク組成物を
調製し、書き出し時のかすれ長さ４ｍｍ以下と実施例と
ほぼ同じであるが、強制劣化試験については、４０日間
後に筆記不能となり、実施例に比べてはるかに経時劣化
が大きかった。

【００２１】また実施例、比較例のインクを用いたボー
ルペンに関し、２０名のブラインドテストを行い書味の
優劣を問うたところ、１８名が実施例のインクを優れる
とした。

【００２２】

【発明の効果】本発明の特徴とする有機化合物を１．０
〜３０．０重量％を添加した、油性ボールペンインク組
成物を用いたボールペンは、書き出し時のインクの出が
スムーズで、かつ滑らかな運筆感が得られ、しかも経時
劣化しにくい、新規な性能を提供するものである。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】　　着色剤、有機溶剤及び樹脂を少くとも
   含有し、更に下記化学構造を有する有機化合物を含有し
   てなる油性ボールペン用インク組成物。 【化１】