JPH08283646A - 筆記具用水性顔料インキ組成物 - Google Patents

筆記具用水性顔料インキ組成物

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JPH08283646A
JPH08283646A JP9363195A JP9363195A JPH08283646A JP H08283646 A JPH08283646 A JP H08283646A JP 9363195 A JP9363195 A JP 9363195A JP 9363195 A JP9363195 A JP 9363195A JP H08283646 A JPH08283646 A JP H08283646A
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pigment ink
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 顔料の分散性、経時安定性に優れた筆記具用
水性顔料インキ組成物を提供する。 【構成】 顔料、分散剤及び水と水溶性溶剤からなる筆
記具用インキ組成物において、インキ組成物中換算で
0.05〜5重量%のアルキル基の炭素数が4〜20の
アルキルピロリドンを含有させたことを特徴とする筆記
具用水性顔料インキ組成物。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、顔料の分散性、経時安
定性に優れた筆記具用水性顔料インキ組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、水性筆記具のボールペン、サ
インペン、プラスチックペン、筆ペン、フェルトペン等
に用いられる水性インキには、色素成分として主に水溶
性の染料が用いられてきた。しかし、これらの染料イン
キから得られた描線は、耐光性、耐水性等の点で劣ると
いう欠点があった。そこで、近年、これらの物性に優れ
た顔料を色素成分として使用する試みが行われ、それに
関する提案も数多く案出され、多種の用途に使用されて
いる。
【0003】しかしながら、従来の筆記具用水性顔料イ
ンキ組成物等の低粘度での使用では、経時的にも非常に
不安定で凝集し易く筆記不能となる課題があった。そこ
で、顔料を分散させるための分散剤として、各種界面活
性剤が使用されているが、未だ十分なものとは言えなか
った。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記従来の
課題に鑑み、これを解消しようとするものであり、分散
性、経時安定性に優れた筆記具用水性顔料インキ組成物
を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者は、顔料、分散
剤及び水と水溶性溶剤からなる筆記具用水性顔料インキ
組成物における、顔料の分散性、経時安定性等について
様々な検討を重ねてきた結果、特定のアルキルピロリド
ンが、分散性、経時安定性としての効果に優れているこ
とを見い出し、本発明を完成するに至った。すなわち、
本発明の筆記具用水性顔料インキ組成物は、顔料、分散
剤及び水と水溶性溶剤からなる筆記具用水性顔料インキ
組成物において、インキ組成物中換算で0.05〜5重
量%のアルキル基の炭素数が4〜20のアルキルピロリ
ドンを含有させたことを特徴とする。
【0006】
【作用】本発明では、顔料、分散剤及び水と水溶性溶剤
からなる筆記具用水性顔料インキ組成物中に、アルキル
基の炭素数が4〜20のアルキルピロリドンを特定量含
有させることにより、顔料の凝集作用を長期間防止し
て、分散性、経時安定性に優れたものとなる(この点に
関しては更に実施例等で説明する)。
【0007】以下、本発明の内容を詳細に説明する。本
発明の筆記具用水性顔料インキ組成物は、顔料、分散剤
及び水と水溶性溶剤からなる筆記具用水性顔料インキ組
成物において、インキ組成物中換算で0.05〜5重量
%のアルキル基の炭素数が4〜20のアルキルピロリド
ンを含有させたことを特徴とする。
【0008】本発明で用いるアルキルピロリドンは、ア
ルキル基の炭素数が4〜20のアルキルピロリドンであ
り、例えば、n‐オクチルピロリドンやn‐ドデシルピ
ロリドン等が挙げられる。これらは、単独あるいは、2
種以上を組み合わせて使用することができる。アルキル
基の炭素数が4未満では、効果は得られず、また、アル
キル基の炭素数が20を越えると、溶解性が小さくなる
ため、好ましくない。配合量は、インキ組成物中換算で
(インキ全重量に対して)、0.05〜5重量%、好ま
しくは0.1〜3重量%である。配合量が0.05重量
%未満では、効果は得られず、また、5重量%を越える
と、粘度が高くなり、筆記描線にかすれが生じてしま
う。
【0009】本発明で用いる顔料としては、一般に市販
されている無機及び有機顔料の中から任意のものを、単
独あるいは2種以上を組み合わせて使用することができ
る。例えば、酸化チタン系、カーボンブラック系、フタ
ロシアニン系、アゾ系、キナクリドン系、アンスラキノ
ン系、ジオキサジン系、インジゴ・チオインジゴ系、ペ
リノン・ペリレン系、イソインドレノン系、カドミウム
系等が使用でき、その使用量は5〜20重量%が好まし
い。
【0010】本発明で用いる溶剤としては、水は勿論の
こと、水溶性有機溶剤を単独あるいは、2種以上組み合
わせた混合物が挙げられる。例えば、メタノール、エタ
ノール、イソプロパノール等の低級1価アルコール類、
エチレングリコール、ジエチレングリコール、グリセリ
ン等の多価アルコール類、エチレングリコールモノメチ
ルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル
等のグリコールエーテル類、エチレングリコールモノメ
チルエーテルアセテートのようなグリコールエーテルエ
ステル類、ポリグリセリン、及びその誘導体等の水溶性
有機溶剤等が使用できる。
【0011】また、本発明で用いられる分散剤は、水溶
性溶剤に溶解するものであれば、特に限定されるもので
はなく、例えば、アラビアゴム、ロジン等の天然樹脂、
ヒドロキシエチルセルロースやその誘導体、ロジン誘導
体等の半合成樹脂、ポリビニルアルコール、ポリビニル
ピロリドン、ポリビニルブチラール、ポリビニルエーテ
ル、スチレンアクリル樹脂、スチレンマレイン酸樹脂、
ケトン樹脂等の合成樹脂や、アニオン界面活性剤、カチ
オン界面活性剤、両性界面活性剤等が挙げられ、これら
を単独あるいは2種以上を組み合わせて用いても良い。
【0012】更に、その他に従来から筆記具用水性顔料
インキ組成物に用いられている添加剤、防腐剤、防錆
剤、防菌剤、潤滑剤等を必要に応じて配合しても良い。
【0013】本発明の筆記具用水性顔料インキ組成物の
製造法としては、上述の顔料5〜20重量%、水70〜
40重量%、水溶性有機溶剤10〜30重量%、顔料分
散剤1〜20重量%、アルキルピロリドン0.05〜5
重量%とをボールミル、サンドミル、ビーズミル等に代
表される顔料分散機を用いて分散させることにより製造
することができる。
【0014】
【実施例】以下、実施例に基づき本発明を説明するが、
本発明は、これらの実施例によって限定されるものでは
ない。
【0015】(実施例1) カーボンブラック 10 重量% プロピレングリコール 20 重量% スチレンマレイン酸樹脂(アンモニア中和) 3 重量% n‐オクチルピロリドン 0.1重量% 精製水 66.9重量% 上記成分中、n‐オクチルピロリドン、プロピレングリ
コール、カーボンブラック、残りの成分を順次加え、撹
拌機にて2時間のプレミックスを行い、さらにサンドミ
ルにて分散処理を行い、この液をろ過等で粗大粒子を除
去し、インキ組成物を調製した。
【0016】(比較例1)実施例1において、n‐オク
チルピロリドンを配合せず、精製水を67.0重量%と
した以外は、同様にしてインキ組成物を調製した。
【0017】(実施例2) フタロシアニンブルー 9 重量% グリセリン 10 重量% エチレングリコール 10 重量% スチレンマレイン酸樹脂(アンモニア中和) 3 重量% n‐ドデシルピロリドン 0.5重量% 精製水 67.5重量% 実施例1と同様にして、インキ組成物を調製した。
【0018】(比較例2)実施例2において、n‐ドデ
シルピロリドンを配合せず。精製水を68.0重量%と
した以外は、同様にしてインキ組成物を調製した。
【0019】以上のようにして得られた実施例1〜2及
び比較例1〜2の水性顔料インキ組成物を用いて、市販
の筆記具(三菱鉛筆(株)製 PC−3M)に充填した
直後に、紙面に筆記し、その描線の状態を目視により評
価した。また、経時変化を評価するため、上記と同様に
して、1カ月後に紙面に筆記して描線状態を評価した。
その結果を下記表1に示す。
【0020】
【表1】
【0021】上記表1の結果から明らかなように、本発
明となる実施例1〜2は、アルキルピロリドンを配合し
ていない比較例1〜2に較べて、分散性及び経時安定性
に優れたものとなることが判った。
【0022】
【発明の効果】本発明によれば、アルキル基の炭素数が
4〜20のアルキルピロリドンを特定量添加した筆記具
用水性顔料インキ組成物は、分散性及び経時安定性に優
れ、また、この組成物を用いた筆記具は優れた描線状態
を長期間保つことができるという利点を有する。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 顔料、分散剤及び水と水溶性溶剤からな
    る筆記具用水性顔料インキ組成物において、インキ組成
    物中換算で0.05〜5重量%のアルキル基の炭素数が
    4〜20のアルキルピロリドンを含有させたことを特徴
    とする筆記具用水性顔料インキ組成物。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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