JP3032526B1 - 白板用水性インキ組成物 - Google Patents

白板用水性インキ組成物

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JP3032526B1
JP3032526B1 JP11285499A JP11285499A JP3032526B1 JP 3032526 B1 JP3032526 B1 JP 3032526B1 JP 11285499 A JP11285499 A JP 11285499A JP 11285499 A JP11285499 A JP 11285499A JP 3032526 B1 JP3032526 B1 JP 3032526B1
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Abstract

【要約】 【課題】本発明は、水性の白板用水性顔料インキ、とく
の分散安定性に優れ、消去時にインキ跡が残らないイン
キを提供する。 【解決手段】 水性媒体に顔料と分散剤と剥離剤とを必
須成分として分散させたインキにおいて、特定の顔料、
分散剤として特定の分子量とケン化度を有するポリビニ
ルアルコールを、剥離剤として特定のポリオキシエチレ
ングリコールモノアルキルエーテルと特定のアルキルア
ンモニウム塩を用いることを特徴とすることで、前記の
目的を達成する白板用水性インキを提供する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明が属する技術分野】本発明は、白板に文字や模様
を描くためのペンに内蔵されるインキに関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】黒板にチョークで文字や模様を描き、そ
れらが不要になれば黒板拭きで消去して再度表記可能と
なる表記具は、かつて日常生活において重宝に使用され
ていた。近年、黒板とチョークに代わって、白板とフェ
ルトペンが使用されるようになってきた。白板は非吸収
性かつ平滑な表面を有し、その表面材料はメラミン樹
脂、ポリエステル樹脂、ポリプロピレン樹脂、あるいは
セラミックス等である。従来、フェルトペンに装填して
使用される白板用インキは、基本的には顔料をケトン類
やアルコール類等の有機溶剤に分散させたものであっ
て、安定な分散と筆跡固定のために当該有機溶剤に可溶
性の樹脂が用いられている。また不要になった筆跡を
布、軟質紙やフェルト等で拭き取り消去し易いように高
沸点液状物質が剥離剤として配合されている。近年、有
機溶剤による環境汚染や人体有害性から、有機溶剤を使
用しない水性インキが切望されるようになり、すでにサ
インペンやボールペン等で商品化されている。しかし、
それら水性顔料インキを白板上に使用すると、筆跡を拭
き取ろうとしても顔料色が白板上に残る、いわゆるステ
インが残るので不適当である。また近年白板用水性顔料
インキとして提案されている水性顔料インキも、白板表
面によってステインが薄く残る場合が多く不適当である
ため、未だ広く商品として実用化されるに至っていな
い。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、白板用水性
顔料インキとして、有機顔料の長期分散安定性や良好な
筆記性を満たし、かつ各種材料からなる白板に対して筆
跡背の拭き取り消去が完全に行えるインキを実現しよう
とするものである。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明は、有機顔料の長
期分散安定性や良好な筆記性を確保しつつ、各種白板に
対して筆跡の拭き取り消去が完全に行える新しい剥離剤
組成を編み出すことで、課題の解決を期する。
【0005】各種の表面材に対して、有機顔料、分散
剤、剥離剤を従来公知の物質の組み合わせでインキに試
作し、白板上の筆跡を拭き取り消去しようとしても顔料
の色が薄く残ってしまう場合が多く、各種白板に対応で
きる白板用水性顔料インキは実現していない。
【0006】白板表面材の種類が異なるとインキ成分と
の親和力が異なるし、さらに一見平滑な表面も微視的に
は白板表面材の種類や製法に応じた様々な曲率の凹凸が
あり、これも親和力の大小にひいては筆跡の拭き取り易
さに影響している。顔料の種類や粒径も白板表面材の種
類や表面状態との関連でステイン発生の程度に差異を生
じる。水性媒体の種類は、水以外の溶剤が含まれていて
もステイン発生の程度に差異を生じることは認められな
い。分散剤の種類や使用量は白板表面や顔料との関連で
ステイン発生の程度に差異を生じる。さらに剥離剤は白
板表面や顔料や分散剤との関連でステイン発生の程度に
差異を生じる。インキが白板表面の微細な凹部に深く浸
透してもステイン発生の原因になる。筆記後のインキは
乾燥して膜状になるが、顔料は膜中に留まっていて欲し
いし、剥離剤は膜と白板の間に介在して拭き取りを容易
にする役割を果たさなければならない。しかしステイン
のみに注目していたのではインキの生命線とも言うべき
顔料の安定分散性が確保できない。この様にステインは
多くの因子が関連しあって発生するので、その解決方法
は決して単純ではない。本発明はこの難問をインキの組
成選択で解決すべく挑戦し、新規な組成で解決できるこ
とを見出し本発明に到達した。
【0007】水性媒体を前提として白板用インキ組成を
選択するにあたり、顔料の分散とその安定性の確保が第
一条件である。白板用インキでは安定分散とインキ乾燥
時の造膜とを兼ねて色々な樹脂の使用が提案されてきて
いるけれども、各種白板材との適合性と後述の剥離剤と
の併用でステイン発生させないことという観点をも重要
視して、本発明ではポリビニルアルコールを使用する。
しかも4%水溶液の粘度が1cps以上60cps以下
の範囲内であって、かつケン化度が70モル%以上95
モル%以下の範囲内のポリビニルアルコールを使用す
る。特に好ましくは粘度が3cps以上30cps以下
であり、ケン化度75モル%以上90モル%以下のポリ
ビニルアルコールである。100%に満たない残余のモ
ル%は、ポリビニルアルコール製造の中間体であるポリ
酢酸ビニルの未ケン化残基である。
【0008】4%水溶液の粘度が上記範囲を超えて高い
場合には分散安定性はより一層高まるものの、フェルト
ペンでの筆記性が悪くなり、粘度が低すぎると分散安定
性とステイン発生で不適当である。ケン化度が上記範囲
以外では安定分散が確保できないので不適当である。水
性媒体に可溶のポリビニルアルコール以外の樹脂、例え
ばポリビニルピロリドンやポリアクリル酸とその共重合
体類、あるいはスチレン−マレイン酸共重合体塩等を用
いる各種配合比でのインキを試作したが、満足すべき結
果は得られていない。
【0009】本発明において剥離剤は2者からなるが、
その第1の成分はHLB値が6以上12以下のポリオキ
シエチレングリコールモノアルキルエーテルである。こ
のモノアルキルエーテルのアルキル基とは炭素数6以上
22以下の単一または混合のアルキル基であり、アルキ
ル基の種類とオキシエチレン基の付加モル数でHLB値
が異なるが、当該アルキルの場合に付加モル数2ないし
10の範囲で、HLB値が上記範囲内の値となる。アル
キル基の炭素数とHLB値が上記の場合に、この化合物
は他の剥離剤成分であるアルキルアンモニウム塩と共同
で有効にステイン防止作用を発揮する。HLB値が上記
範囲以外の場合はステイン防止効果が貧弱ないし無に等
しいし顔料の分散安定性に劣る。より好ましいのはHL
B値が9の場合である。また本発明のこの成分はインク
の白板表面への濡れを良くして、乾燥途中に筆記線の細
くなるのを防止している。モノアルキルエーテルのアル
キル基の炭素数が上記範囲以外の場合やアルキルフェニ
ルの場合に、HLB値をの種々の値に選んでも、顔料の
分散安定性かステインで不満足なインキしか得られない
ので不適当であり、実施可能なアルキル基の炭素数6以
上22以下の内でも、特に好ましいのは炭素数8以上1
8以下の場合である。
【0010】本発明における、剥離剤の第2の成分であ
るアルキルアンモニウム塩はR1のアルキル基の炭素数
が8以上20以下の単一または混合アルキルアンモニウ
ム塩である。炭素数が上記範囲の場合にこの化合物は他
の剥離剤成分と共同で有効にステイン防止作用を発揮す
る。炭素数が上記範囲以外の場合にはステイン防止効果
が貧弱ないし無に等しいし顔料の分散安定性に劣る。ア
ルキルアンモニウム塩のアニオン部分は塩素や臭素とい
った各種ハロゲン類が好適だが、水溶性のアルキルアン
モニウム塩を形成するものであれば有効である。より好
ましいのはアルキル基の炭素数10以上18以下のアル
キルアンモニウムの塩化物の場合である。
【0011】本発明における剥離剤の作用機構は未詳で
あるが、インキ中の高分子成分が乾燥と共に顔料を封じ
込めた皮膜を形成した時、2成分からなる剥離剤が白板
と皮膜の間に存在するために、インキの白板表面への密
着や微細凹部侵入を適度の範囲で防止して筆跡の完全な
拭き取りを可能としているように思われる。
【0012】本発明における有機顔料はインキ中での大
部分の粒子が粒径0.1μm以上1.0μm以下の範囲
内にあって、平均粒径が0.3μ以上0.6μ以下の範
囲内にある顔料である。粒径0.1μ以下の顔料粒子は
安定な分散を確保し易いがステインが起こり易く、1.
0μm以上の粒子はステインが発生し難いものの安定な
分散を確保し難い。
【0013】しかし、この種の粒子の比較的少量の混入
は許容できるので、粒径0.1μm以下の顔料粒子が5
重量%以下、1.0μm以上の顔料粒子が10重量%以
下であれば十分実施可能である。このような粒度分布の
有機顔料は、当該分野に携わる者にとっては、顔料合成
段階やその後の粉砕あるいはインキ化の工程条件を選ぶ
ことで容易に実施可能である。
【0014】本発明のインキ組成は各種有機顔料に有効
であるが、とくに有効なのはカーボンブラック、キナク
リドン系顔料、ペリレン顔料、ペリノン顔料、ジケトピ
ロロピロール系顔料、高分子縮合アゾ系顔料、イソイン
ドリノン系顔料、イミダゾロン系顔料、アンソラキノン
系顔料、ジオキサジン系顔料、臭素化フタロシアニン系
顔料である。アゾ系顔料、ジスアゾ系顔料、フタロシア
ニン系顔料、塩素化フタロシアニン系顔料、チオインジ
ゴ系顔料等では有効であるものの前述の顔料に比較して
やや劣る。理由は未詳であるが、顔料表面の電気的特性
や顔料の比重、顔料種による粉砕の難易度に起因する微
細粒子の多寡など分散状態に影響する要因が、同時にス
テインにも関連しているためと思われる。
【0015】本発明のインキにおいて媒体は水である。
しかし、インキの速乾性を増進するためにエタノールや
イソプロピルアルコール等のアルコール類や、滑らかな
筆記性の確保やフェルト芯でのインキの乾燥による固化
を防ぐためのエチレングリコールやグリセリン等の多価
アルコール類といったものを任意の割合で含ませること
が可能である。本発明における水性媒体とは、水あるい
は上述のような親水性媒体を添加した水である。親水性
媒体の添加使用はペンとインキの使用性を高めるために
おこなわれる。しかし親水性媒体の種類によっては、顔
料の分散安定性やステイン防止性能を低下させる傾向が
あるものもあるので、そういったものについては必要最
小限に止めるのが良い。
【0016】本発明に好適に用いられる親水性媒体とし
ては、次のような水溶性有機溶剤が挙げられる。例えば
メタノール、エタノール、イソプロパノール、n-プロパ
ノール、n-ブタノール、sec-ブタノール、tert-ブタノ
ール、イソブタノール、ベンジルアルコール等のアルコ
ール類、ジメチルホルムアミド、ジエチルホルムアミド
等のアミド類、アセトン、ジアセトンアルコール等のケ
トン類、テトラヒドロフラン、ジオキサン等のエーテル
類、カプロラクタム等のラクタム類、エチレングリコー
ル、プロピレングリコール、ブチレングリコール、ペン
タンジオール、ジエチレングリコール、トリエチレング
リコール、テトラエチレングリコール、チオグリコー
ル、ヘキシレングリコール、2-メチル-2,4-ペンタンジ
オール、グリセリン、1,2,6,-ヘキサントリオール等の
多価アルコール類、水溶性ポリエチレングリコール、水
溶性ポリアルキレングリコール類、エチレングリコール
モノエチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエ
ーテル、エチレングリコールモノフェニルエーテル、ジ
エチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレング
リコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモ
ノブチルエーテル、トリエチレングリコールモノメチル
エーテル、トリエチレングリコールモノエチルエーテ
ル、トリエチレングリコールモノブチルエーテル、プロ
ピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリ
コールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノ
プロピルエーテル、プロピレングリコールモノブチルエ
ーテル、プロピレングリコールモノフェニルエーテル、
ジプロピレングリコールモノブチルエーテル、トリエチ
レングリコールジメチルエーテル、トリエチレングリコ
ールジエチルエーテル等の多価アルコールの低級アルキ
ルエーテル類、アセチレングリコール誘導体、モノエタ
ノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールア
ミン等のアルカノールアミン類、1,3-ジメチル-2-イミ
ダゾリジノン等の含窒素複素環式ケトン類、2-ピロリド
ン、N-メチル-2-ピロリドン、N-エチル-2-ピロリドン、
N-ビニル-ピロリドン、N-オクチル-2-ピロリドン、N-(2
-ヒドロキシエチル)-2-ピロリドン、N-シクロヘキシル-
2-ピロリドン、N-ドデシル-2-ピロリドン、N-イソプロ
ピル-2-ピロリドン、N-(n-ブチル)-2-ピロリドン、N-(t
-ブチル)-2-ピロリドン、N-ヘキシル-2-ピロリドン、N-
(3-ヒドロキシプロピル)-2-ピロリドン、N-(2-メトキシ
エチル)-2-ピロリドン、N-(3-メトキシプロピル)-2-ピ
ロリドン、N-ベンジル-2-ピロリドン、ポリビニルピロ
リドン等のピロリドン類が挙げられる。これらの水溶性
有機溶剤は顔料の分散を阻害しない範囲であれば、単独
であるいは2種類以上を任意の割合で混合して用いるこ
とができる。
【0017】本発明の白板用水性顔料インキにおける配
合比は、インキ100重量部中の各成分の重量部で述べ
ると以下のようになる。有機顔料は、1重量部以上10
重量部以下の範囲であり、顔料の発色性の応じて選ばれ
る。概して言えば、3重量部で筆跡の十分な視認性が達
成される。分散剤としてのポリビニルアルコールは顔料
の1/6重量倍以上から3重量倍以下で、インキ中0.
15重量部以上から20重量部以下である。この範囲を
越えて少なすぎるとインキ中の分散性が確保できなくな
るし、多すぎるとインキの粘度が高くて筆記性が悪くな
るなど筆記具材料としての基本性能が損なわれる。好ま
しくは0.5重量部以上2.5重量部以下である。剥離
剤は顔料の等重量以上16重量倍以下で使用可能であ
り、この範囲を越えて少なすぎるとステインの防止効果
が発揮できないし、多すぎるとステインの防止効果が飽
和してしまい剥離剤の無駄であるばかりか筆記性に欠点
が現れる。好ましくは顔料の3重量倍以上6重量倍以
下、インキ中10重量部以上15重量部以下である。以
上に述べた配合物の残余が水性媒体である。
【0018】前述配合の剥離剤の内訳は、ポリオキシエ
チレングリコールのモノアルキルエーテルが顔料に対し
て1/3重量倍以上から4重量倍で、インキ中0.7重
量部以上から7重量部以下であり、とくに好ましくは2
重量部以上から5重量部以下である。アルキルアンモニ
ウム塩は、顔料に対して1/3重量倍以上8重量倍以下
で、インキ中0.7重量部以上15重量部以下でとくに
好ましくは4重量部以上9重量部以下である。各剥離剤
の使用量が上記の範囲外でも水性顔料インキとなしうる
が、過小の場合はステインの防止効果が発揮されない
し、過大の場合は筆記性が悪化してしまう。
【0019】本発明の白板用水性顔料インキには、上記
の成分の他に防腐剤等が必要に応じて添加される。その
種類や添加量は従来公知の技術で選択可能であり、イン
キ100重量部中で1重量部程度である。
【0020】本発明の白板用水性顔料インキは、上記の
各種成分を用い従来公知の混合、粉砕、分散等一連の方
法によりインキとすることが可能である。
【0021】以下、本発明について実施例を挙げて説明
する。実施例中での部は重量部である。顔料の粒度分布
は、調製したインキをレーザー回折式粒度分布測定装置
(島津製作所製、SALD−2000)にて測定した。
ポリビニルアルコールの水溶液の粘度は、B型粘度計を
用い20℃で測定した値である。
【0022】
【実施例1】ペリレン系顔料であるピグメントレッド1
49 3.0部、分散剤として4%水溶液粘度が30c
ps、ケン化度が88モル%であるポリビニルアルコー
ル1.0部、剥離剤としてHLB値が8であるポリオキ
シエチレンモノラウリルエーテル 3.0部、ラウリル
トリメチルアンモニウム塩化物 4.0部、防腐剤とし
て含ハロゲン窒素硫黄系化合物 0.3部、水性媒体と
して水82.7部を混合、粉砕、分散して赤色水性顔料
インキを調製した。顔料粒子は平均粒径0.45μm、
粒径0.1μm以下と1.0μm以上の粒子が共に1重
量%以下であり、その分散は均一で良好であった。この
インキをフェルトペンに装填し、セラミック白板上、メ
ラミン樹脂白板上およびポリエステル樹脂白板上に筆記
した。筆記性は良好であり鮮明な筆跡が残った。筆記5
分後に布性消去具で拭き取った時にステインは残らなか
った。また筆記1日後にも布製消去具で拭き取り後にス
テインは残らなかった。なお、当該インキは一ヶ月間室
温放置後も顔料の分散は均一であり、上記と同じ筆記と
消去の試験をセラミック白板上、メラミン樹脂白板上お
よびポリエステル樹脂白板上で行ったところ、同じく満
足すべき結果を得た。
【0023】
【比較例1】実施例1における分散剤を4%水溶液粘度
が5.0cps、ケン化度が98.5モル%であるポリ
ビニルアルコール 1.0部に変えた以外は、実施例1
と同一の操作をして赤色水性顔料インキを調製した。調
製直後の顔料の粒度分布は実施例1の場合とほぼ同様で
あり、その分散状態は均一で良好であった。このインキ
をフェルトペンに装填し、セラミック白板上、メラミン
樹脂白板上およびポリエステル樹脂白板上に筆記した。
滑らかに筆記可能であったし、筆記5分後に布製消去具
で拭き取るとステインが残らなかった。しかし時間の経
過と共に鮮やかで滑らかな筆記ができなくなり、別途室
温保管のインキを観察したところ顔料の凝集がおこり分
散状態が悪化していた。本比較例の組成配合のインキで
はステインは防止できたものの、顔料の安定分散の点で
不適格であった。
【0024】
【比較例2】実施例1における剥離剤の一種ラウリルト
リメチルアンモニウム塩化物に代えてラウリルアミン塩
酸塩 4.0部を使用した以外は、実施例1と同一の操
作をして赤色水性顔料インキを調製した。顔料の粒度分
布は実施例1の場合と同様であり、その分散状態は均一
で良好であった。このインキをフェルトペンに装填し、
セラミック白板上とメラミン樹脂白板上に筆記した。滑
らかに筆記可能であったが、いずれも筆跡の線幅がイン
キの乾燥につれて縮んだ。筆記5分後に布製消去具で拭
き取り、いずれもステインが薄く残った。また筆記1日
後にも布製消去具で拭き取ったところいずれもステイン
が薄く残った。なお、このインキを一ヶ月間室温放置後
に観察したところ、顔料の分散状態が悪化していたし、
筆記と消去の試験をセラミック白板上とメラミン樹脂白
板上で行ったところ、いずれもステインが薄く残って不
満足な結果となった。
【0025】
【実施例2】アンソラキノン系顔料の1種であるインダ
ンスレン顔料のピグメントブルー60 4.0部、分散
剤として4%水溶液粘度が5.0cps、ケン化度が8
8モル%であるポリビニルアルコール 1.5部、剥離
剤としてHLB値が9であるポリオキシエチレンモノラ
ウリルエーテル 2.0部、ラウリルトリメチルアンモ
ニウム塩化物 7.0部、防腐剤として含ハロゲン窒素
硫黄系化合物 0.3部、水性媒体として水80.2部
とイソプロパノール3部を混合、粉砕、分散して青色水
性顔料インキを調製した。顔料は平均粒径0.5μm、
粒径0.1μm以下と1.0μm以上の粒子が共に1重
量%以下であり、その分散状態は均一で良好であった。
このインキをフェルトペンに装填し、セラミック白板
上、メラミン樹脂白板上およびポリプロプロピレン樹脂
白板上に筆記した。筆記性は良好であり鮮明な筆跡が残
った。筆記5分後に軟質紙で拭き取りステインは残らな
かった。また筆記1日後にも軟質紙で拭き取りステイン
は残らなかった。なお、このインキは室温で1ヶ月間放
置後も顔料の分散は均一で良好であり、上記と同じ筆記
と消去の試験を3種の白板上で行ったところ、同様の満
足すべき結果を得た。
【0026】
【比較例3】実施例2における剥離剤の1種ポリオキシ
エチレンモノラウリルエーテルに代えて、HLB値が9
であるポリオキシエチレンモノノニルフェニルエーテル
2.0部を使用した以外は、実施例2の場合と同一の
操作をして青色水性顔料インキを調製した。顔料の粒度
分布は実施例2の場合と同様であり、その分散状態は均
一で良好であった。このインキをフェルトペンに装填
し、セラミック白板上、メラミン樹脂白板上およびポリ
プロピレン樹脂白板上に筆記した。滑らかに筆記可能で
あったが、筆跡の線幅がインキの乾燥につれて縮んだ。
筆記5分後に軟質紙で拭き取ったがステインが薄く残っ
た。また筆記1日後にも軟質紙で拭き取ったがステイン
が薄く残った。なお、このインキを1ヶ月間放置後に観
察したところ顔料の分散状態が悪化していたし、筆記と
消去の試験をセラミック白板上、メラミン樹脂白板上お
よびポリプロピレン樹脂白板上で行ったところ、同一の
不満足な結果であった。
【0027】
【比較例4】実施例2における剥離剤の1種ポリオキシ
エチレンモノラウリルエーテルに代えて、トリエチレン
グリコールモノエチルエーテル2.0部を使用した以外
は、実施例2と同一の操作をして青色水性顔料インキを
調製した。顔料の粒度分布は実施例2の場合と同様であ
り、その分散状態は均一で良好であった。このインキを
フェルトペンに装填し、セラミック白板上、メラミン樹
脂白板上およびポリプロピレン樹脂白板上に筆記した。
滑らかに筆記可能であったが、筆記5分後に軟質紙で拭
き取ったところステインが残った。また筆記1日後にも
軟質紙で拭き取ったがステインが薄く残った。
【0028】
【実施例3】黒色顔料であるカーボンブラック(吸油量
100ml/100g、pH3.5)2.0部、分散剤
として4%水溶液粘度が22cps、ケン化度が88モ
ル%であるポリビニルアルコール 2.0部剥離剤とし
てHLB値が9であるポリオキシエチレンモノラウリル
エーテル 2.0部、ラウリルアンモニウムの塩化物
5.0部、防腐剤として含ハロゲン窒素硫黄系化合物
0.3部、水性媒体として水88.7部を混合、粉砕、
分散して水性顔料インキを調製した。顔料粒子は平均粒
径0.4μm、粒径0.1μm以下と1.0μm以上の
粒子が共に2重量%以下であり、その分散は均一で良好
であった。このインキをフェルトペンに装填し、セラミ
ック白板上、メラミン樹脂白板上およびポリエステル樹
脂白板上に筆記した。筆記性は良好であり鮮明な筆跡が
残った。筆記5分後に布製消去具で拭き取ったところス
テインは残らなかった。なお、当該インキは1ヶ月間室
温放置後も顔料の分散は均一で良好であり、上記と同じ
筆記と消去の試験をセラミック白板上、メラミン樹脂白
板上およびポリエステル樹脂白板上で行ったところ、同
じく満足すべき結果を得た。
【0029】
【比較例5】実施例3における分散剤を4%水溶液粘度
が5.0cps、ケン化度が98.5モル%であるポリ
ビニルアルコール 1.0部に代えた以外は、実施例3
の場合と同一の操作をして黒色水性顔料インキを調製し
た。顔料の粒度分布は実施例3の場合と同様であり、そ
の分散状態は均一で良好であった。このインキをフェル
トペンに装填し、セラミック白板上、メラミン樹脂白板
上およびポリプロピレン樹脂白板上に筆記した。滑らか
に筆記可能であったが、筆跡の線幅がインキの乾燥につ
れて縮んだ。筆記5分後に布製消去具で拭き取ったがス
テインが薄く残った。また筆記1日後にも布製消去具で
拭き取ったがステインが薄く残った。なお、このインキ
を1ヶ月間放置後に観察したところ顔料の分散状態が悪
化していたし、筆記と消去の試験をセラミック白板上、
メラミン樹脂白板上およびポリプロピレン樹脂白板上で
行ったところ、同一の不満足な結果であった。
【0030】
【比較例6】実施例3における剥離剤の1種ポリオキシ
エチレンモノラウリルエーテルに代えて、ジエチレング
リコールジエチルエーテル2.0部を使用した以外は、
実施例3と同一の操作をして黒色水性顔料インキを調製
した。顔料の粒度分布は実施例3の場合と同様であり、
その分散状態は均一で良好であった。このインキをフェ
ルトペンに装填し、セラミック白板上、メラミン樹脂白
板上およびポリプロピレン樹脂白板上に筆記した。滑ら
かに筆記可能であったが、筆記5分後に布製消去具で拭
き取ったところステインが残った。また筆記1日後にも
軟質紙で拭き取ったがステインが薄く残った。
【0031】
【発明の効果】水性媒体に顔料と分散剤と剥離剤とを必
須成分として分散させたインキにおいて、特定の顔料を
用い、分散剤として特定の分子量とケン化度を有するポ
リビニルアルコールを、剥離剤として特定のHLBを有
するポリオキシエチレングリコールモノアルキルエーテ
ルと特定のアルキルアンモニウム塩を用いることで、分
散安定性に優れ、消去時にインキ跡が残らない水性の白
板用顔料インキを提供することが可能となった。

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 水性媒体に有機顔料と分散剤と剥離剤と
    を必須成分として分散させたインキにおいて、分散剤と
    して4%水溶液の粘度が1cps以上60cps以下
    で、しかもケン化度が70モル%以上95モル%以下の
    ポリビニルアルコールを、剥離剤としてアルキル基の炭
    素数が6以上22以下でHLB値が6以上12以下のポ
    リオキシエチレングリコールモノアルキルエーテルと、
    下記一般式で表されるアルキルアンモニウム塩とを含む
    ことを特徴とする白板用水性インキ。 【化1】 (式中、R1は炭素数8以上20以下のアルキル基を示
    し、R2、R3及びR4はそれぞれ、水素原子、メチル
    基、エチル基のいずれかを示し(ただしR2=R3=R4
    =水素原子の場合を除く)、Xはアニオン基を示す。)
  2. 【請求項2】 各成分の配合比がインキ組成において、
    水性媒体46重量%以上92重量%以下、有機顔料1.
    0重量%以上10.0重量%以下、分散剤0.15重量
    %以上20.0重量%以下、剥離剤5.0重量%以上2
    4重量%以下の範囲から選ばれ、かつ使用する顔料に対
    する各剥離剤の配合比が、ポリオキシエチレングリコー
    ルのモノアルキルエーテルは1/3重量倍以上から4重
    量倍以下、アルキルアンモニウム塩は1/3重量倍以上
    8重量倍以下の範囲から選ばれた割合であることを特徴
    とする、請求項1に記載の白板用水性顔料インキ。
  3. 【請求項3】 有機顔料のインキ中での平均粒径が0.
    3μm以上0.6μm以下の範囲内であり、しかも粒径
    0.1μm以下の粒子が5重量%以下と粒径1μ以上の
    粒子が10重量%以下であることを特徴とする、請求項
    1に記載の白板用水性顔料インキ。
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