JP3122402B2 - 白板用水性黒色顔料インク - Google Patents

白板用水性黒色顔料インク

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JP3122402B2 JP34181797A JP34181797A JP3122402B2 JP 3122402 B2 JP3122402 B2 JP 3122402B2 JP 34181797 A JP34181797 A JP 34181797A JP 34181797 A JP34181797 A JP 34181797A JP 3122402 B2 JP3122402 B2 JP 3122402B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】 白板に文字や図形を描くための
フェルトペンに内蔵されるインクが本発明の利用分野で
ある。
【0002】
【従来の技術】 黒板にチョークで文字や模様を描き、
それらが不要になれば黒板拭きで消去して再度表記可能
となる表記具は、かって日常生活において重宝に使用さ
れていた。近年、黒板とチョークに替わって、白板とフ
ェルトペンが使用されるようになってきた。白板は非吸
収性かつ平滑な表面を有し、その表面材料はメラミン樹
脂、ポリエステル樹脂、ポリプロピレン樹脂、あるいは
セラミックス等である。従来、フェルトペンに装填して
使用される白板用インクは、基本的には顔料をケトン類
やアルコール類等の有機溶剤に分散させたものであっ
て、安定な分散と筆跡固定のために当該有機溶剤に可溶
性の樹脂が用いられている。また不要になった筆跡を
布、軟質紙やフェルト等で拭き取り消去しすいように高
沸点液状物質が剥離剤として配合されている。近年、有
機溶剤による環境汚染や人体有害性から、有機溶剤を使
用しない水性インクが切望されるようになり、すでにサ
インペンやボールペン等で商品化されている。しかし、
それら水性顔料インクを白板上に使用すると、筆跡を拭
き取ろうとしても顔料色が白板上に残る、いわゆるステ
インが残るので不適当である。また近年白板用水性顔料
インクとして提案されている水性顔料インクも、白板表
面によってステインが薄く残る場合が多く不適当である
ため、未だ広く商品として実用化されるに到っていな
い。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】 本発明は白板用水性
黒色顔料インクとして、黒色顔料であるカーボンブラッ
クの長期分散安定性や良好な筆記性を満たし、かつ各種
素材からなる白板に対して筆跡の拭き取り消去が完全に
行える水性黒色顔料インクを実現しようとするものであ
る。
【0004】
【課題を解決するための手段】 本発明は、黒色顔料の
長期分散安定性や良好な筆記性を確保しつつ、各種白板
に対して筆跡の拭き取り消去が完全に行える新しいイン
ク組成を編み出すことで、課題の解決を期する。
【0005】各種の表面材に対して、黒色顔料、分散
剤、剥離剤を従来公知の物質の組合せでインクに試作
し、白板上の筆跡を拭き取り消去しようとしても顔料の
色が薄く残ってしまう場合が多く、各種白板に対応でき
る白板用水性顔料インクは実現していない。
【0006】白板表面材の種類が異なるとインク成分と
の親和力が異なるし、さらに一見平滑な表面も微視的に
は白板表面材の種類や製法に応じた様々な曲率の凹凸が
あり、これも親和力の大小にひいては筆跡の拭き取り易
さに影響している。顔料の種類や粒径も白板表面材の種
類や表面状態との関連でステイン発生の程度に差違を生
じる。水性媒体の種類は水以外の溶剤が含まれていても
ステイン発生の程度に差違を生じることは認められな
い。分散剤の種類や使用量は白板表面や顔料との関連で
ステイン発生の程度に差違を生じる。さらに剥離剤は白
板表面や顔料や分散剤との関連でステイン発生の程度に
差違を生じる。インクが白板表面の微細な凹部に深く浸
透してもステイン発生の原因になる。筆記後のインクは
乾燥して膜状になるが、顔料は膜中に留まっていて欲し
いし、剥離剤は膜と白板の間に介在して拭き取りを容易
にする役割を果たさねばならない。しかしステインのみ
に注目していたのではインクの生命線とも言うべき顔料
の安定分散性が確保できない。この様にステインは多く
の因子が関連しあって発生するので、その解決方法は決
して単純ではない。本発明はこの難問をインクの組成選
択で解決すべく挑戦し、新規な組成で解決できることを
見出し本発明に到達した。
【0007】本発明のインク組成に使用する黒色顔料
は、DBP吸油量が50以上130(ml/100g)
以下であり、かつ水懸濁液のpHが3.0以上、8.5
以下のカーボンブラックである。吸油量はカーボンブラ
ックの粒度や構造を、水懸濁のpHはカーボンブラック
表面の化学組成を表す尺度である。測定法は「顔料試験
法:JISK5101−1991」に定められ、当業界
で汎用されている。ただし、吸油量はJISの規定に準
じて、煮あまに油の代わりに便宜上ジブチルフタレート
を使用して測定した。カーボンブラックの特性値が上記
の範囲を逸脱すると、後述の分散剤や剥離剤を選択して
も、安定な分散とステイン防止効果が確保できないので
目的とするインクになりえない。特性値が上記の範囲内
であればカーボンブラックの由来がファーネスブラック
でもチャネルブラックでも目的を達成することが可能で
ある。
【0008】本発明における黒色顔料のインク中での粒
径は、大部分の粒子が粒径0.1μm以上1.0μm以
下の範囲内にあつて、平均粒径が0.2μm以上0.6
μm以下の範囲内にあるべきである。このような黒色顔
料で安定な分散と筆跡の完全な拭き取りが可能である。
粒径0.1μm以下の顔料粒子は安定な分散を確保し易
いがステインも起こり易く、1.0μm以上の粒子はス
テインが発生し難いものの安定な分散が確保し難い。し
かしこの種粒子の比較的少量の混入は許容できるので、
粒径0.1μm以下の顔料粒子が20重量%以下、1.
0μm以上の顔料粒子が10重量%以下であれば十分実
施可能である。このような粒度分布の黒色顔料は、当該
分野に携わる者にとっては、インク化の工程条件、とく
に粉砕条件を選ぶことで容易に実現可能である。
【0009】水性媒体を前提として白板用インク組成を
選択するに当たり、顔料の分散とその安定性の確保が第
一条件である。白板用インクでは安定分散とインク乾燥
時の造膜を兼ねて種々の樹脂の使用が提案されてきてい
るけれども、各種白板材との適合性と後述の剥離剤との
併用でステインを発生させないことという観点をも重要
視して、本発明ではポリビニルアルコールを使用する。
しかも4%水溶液の粘度が1cps以上60cps以下
の範囲内であって、かつケン化度が70モル%以上95
モル%以下の範囲内のポリビニルアルコールを使用す
る。とくに好ましくは粘度が3cps以上30cps以
下であり、ケン化度75モル%以上90モル%以下のポ
リビニルアルコールである。100%に満たない残余の
モル%は、ポリビニルアルコール製造の中間体であるポ
リ酢酸ビニルの未ケン化残基である。4%水溶液の粘度
が上記範囲を越えて高い場合は分散安定性はより一層高
まるものの、フェルトペンでの筆記性が悪くなり、粘度
が低すぎると分散安定性とステイン発生で不適当であ
る。ケン化度が上記範囲以外では安定分散が確保できな
いので不適当である。水性媒体に可溶のポリビニルアル
コール以外の樹脂、例えばポリビニルピロリドンやポリ
アクリル酸とその共重合体類、あるいはスチレン−マレ
イン酸共重合体塩等を用いる各種配合比でのインクを試
作したが、満足すべき結果はえられていない。
【0010】本発明において剥離剤は複数の成分からな
るが、その1成分はHLB値が6以上10以下のポリオ
キシエチレングリコールモノアルキルエーテルである。
このモノアルキルエーテルのアルキル基とは炭素数6以
上22以下の単一または混合のアルキル基であり、アル
キル基の種類とオキシエチレン基の付加モル数でHLB
値が異なるが、当該アルキルの場合に付加モル数2ない
し10の範囲で、HLB値が上記範囲内の値となる。ア
ルキル基の炭素数とHLB値が上記の場合に、この化合
物は剥離剤の第2の成分であるアルキルアミンアセテー
トと共同で有効にステイン防止作用を発揮する。HLB
値が上記範囲以外の場合はステイン防止効果が貧弱ない
し無に等しいか、顔料の分散安定性に劣る。より好まし
いのはHLB値が8ないし9の場合である。また本発明
のこの成分はインクの白板表面への濡れを良くして、乾
燥途中に筆記線の細くなるのを防止している。モノアル
キルエーテルのアルキル基の炭素数が上記範囲以外の場
合やアルキルフェニルの場合には、HLB値を種々の値
に選んでも、顔料の分散安定性かステインで不満足なイ
ンクしかえられないので不適当であり、実施可能なアル
キル基の炭素数6以上22以下の内でも、とくに好まし
いのは炭素数8以上18以下の場合である。
【0011】本発明における、剥離剤の第2の成分であ
るアルキルアミンアセテートはアルキル基の炭素数が8
以上20以下の単一または混合アルキルアミンの酢酸塩
である。炭素数が上記範囲の場合にこの化合物は前述の
剥離剤の第1成分であるポリオキシエチレングリコール
モノアルキルエーテルと共同で有効にステイン防止作用
を発揮する。炭素数が上記範囲以外の場合はステイン防
止効果が貧弱ないし無に等しいし顔料の分散安定性に劣
る。酢酸以外の酸の塩例えば塩酸塩はステイン防止効果
がなく、しかも分散安定性に欠ける。より好ましいのは
アルキル基の炭素数10以上18以下のアルキルアミン
の酢酸塩の場合である。
【0012】本発明における白色板水性黒色顔料インク
において、前記剥離剤ポリオキシエチレングリコールモ
ノアルキルエーテルとアルキルアミンアセテートの2成
分が必須成分である。一方の成分のみではステイン防止
効果は不十分なため併用が必須条件である。しかし、黒
色顔料インクにおいて黒色顔料に微量の有機顔料を併用
して色調を調整するような場合には、前記必須成分に加
えて、D−マンニトール、デキストリン、可溶性デンプ
ン等有機顔料のステイン防止のための別種剥離剤成分を
併用することが可能であり、これらは黒色顔料の安定な
分散とステイン防止に悪影響を及ぼさないので、その併
用は推奨するところである。
【0013】本発明における剥離剤の作用機構は未詳で
あるが、ポリオキシエチレングリコールモノアルキルエ
ーテルとアルキルアミンアセテートの特定の組合せが、
黒色顔料インクの筆跡の剥離剤として有効であり、さら
に有機顔料を併用した場合にはD−マンニトール等が筆
記後インクの乾燥につれて結晶として析出し、顔料の白
板表面への密着や微細凹部浸入を適度の範囲で防止して
筆跡の完全な拭き取りを可能としているように思われ
る。
【0014】本発明のインクにおいて媒体は水である。
しかしインクの速乾性を増進するためにエタノールやイ
ソプロピルアルコール等のアルコール類や、滑らかな筆
記性の確保やフェルト芯でのインクの乾燥による固化を
防ぐためのエチレングリコールやグリセリン等の多価ア
ルコール類を小割合で含ませることが可能である。本発
明における水性媒体とは、水と上述のような親水性媒体
を添加した水である。添加する親水性媒体の種類と添加
量はインクの商品性の観点から従来公知の技術で選択可
能である。親水性媒体の添加使用はペンとインクの使用
性を高めるものの、顔料の分散安定性やステイン防止性
能を低下させる傾向があるので必要最小限に止めるのが
良い。添加量は水100重量部に対して、概略で高々1
0重量部までとするのが良い。親水性媒体であるケトン
類は顔料の分散安定性の観点から使用を避けるのが賢明
である。
【0015】本発明の白板用水性顔料インクにおける配
合比は、インク100重量部中の各成分の重量部で述べ
ると以下のようになる。黒色顔料は1重量部以上6重量
部以下の範囲であり、顔料の発色性に応じて選ばれる。
概して言えば、3重量部で筆跡の十分な視認性が達成さ
れる。分散剤としてのポリビニルアルコールは顔料の1
/6重量倍以上1重量倍以下で、インク中0.15重量
部以上6重量部である。この範囲を越えて少なすぎると
インク中の顔料の分散性が確保できなくなるし、多すぎ
るとインクの粘度が高くて筆記性が悪くなるなど筆記具
材料としての基本性能が損なわれる。好ましくは0.5
重量部以上2.5重量部以下である。剥離剤は顔料の等
重量以上16重量倍以下で使用可能あり、この範囲を越
えて少なすぎるとステインの防止効果が発揮できない
し、多すぎるとステインの防止効果が飽和してしまい剥
離剤の無駄であるばかりか筆記性に欠点が現れる。好ま
しくは顔料の1.5重量倍以上6重量倍以下、インク中
5重量部以上12重量部以下である。以上に述べた配合
物の残余が水性媒体である。
【0016】前述配合の剥離剤の内訳は、ポリオキシエ
チレングリコールのモノアルキルエーテルが顔料に対し
て1/3重量倍以上等重量倍で、インク中0.7重量部
以上5重量部以下であり、とくに好ましくは1重量部以
上4重量部である。アルキルアミンアセテートは顔料に
対して1/3重量倍以上3.5重量倍以下で、インク中
0.7重量部以上15重量部以下でとくに好ましくは3
重量部以上8重量部以下である。D−マンニトール、デ
キストリン、可溶性デンプン等を併用する場合には、そ
の使用量は顔料に対して1/2重量倍以上2.5重量倍
以下で、インク中1重量部以上10重量部で、とくに好
ましくは2重量部以上8重量部以下である。各剥離剤の
使用量が上記の範囲外でも水性顔料インクとなしうる
が、過小の場合はステインの防止効果が発揮されないか
不足する場合があるし、過大の場合は筆記性が悪化して
しまう。
【0017】本発明の白板用水性黒色顔料インクには、
上記の成分の他に防腐剤等が必要に応じて添加される。
その種類や添加量は従来公知の技術で選択可能であり、
インク100重量部中で高々1重量部程度以下である。
【0018】本発明の白板用水性顔料インクは、上記の
各種成分を用いて従来公知の混合、粉砕、分散等一連の
方法によりインクとすることが可能である。
【0019】以下、本発明について実施例を挙げて説明
する。実施例中での部は重量部である。顔料の粒度分布
は、調製したインクをレーザ回折式粒度分布測定装置
(島津製作所製、SALD−1100)にかけて測定し
た。ポリビニルアルコールの水溶液の粘度は、B型粘度
計を用い20℃で測定した値である。DBP吸油量やp
Hは「顔料試験法:JISK5101−1991」に準
じて測定した。
【0020】(実施例1)黒色顔料であるカーボンブラ
ック(三菱化学製ファーネスブラック、MA−100、
DBP吸油量100(ml/100g)、pH3.5)
2.0部、分散剤として4%水溶液粘度が22cps、
ケン化度が88モル%であるポリビニルアルコール(日
本合成化学工業(株)製、ゴーセノールGM−14)
2.0部、剥離剤としてHLB値が8であるポリオキシ
エチレンモノラウリルエーテル(第一工業製薬(株)
製、ノイゲンET−83)2.0部、ラウリルアミンア
セテート(花王(株)製、アセタミン24)5.0部、
防腐剤として含ハロゲン窒素硫黄系化合物(武田薬品
(株)製、スラオフ72N)0.3部、水性媒体として
水88.7部を混合、粉砕、分散して水性顔料インクを
調製した。顔料粒子は平均粒径0.4μm、粒径0.1
μm以下と1.0μm以上の粒子がともに2重量%以下
であり、その分散は均一で良好であった。このインクを
フェルトペンに装填し、セラミック白板上、メラミン樹
脂白板上およびポリエステル樹脂白板上に筆記した。筆
記性は良好であり鮮明な筆跡が残った。筆記5分後に布
製消去具で拭き取りステインは残らなかった。また筆記
1日後にも布製性消去具で拭き取りステインは残らなか
った。なお、当該インクは1ケ月間室温放置後も顔料の
分散は均一で良好であり、上記と同じ筆記と消去の試験
をセラミック白板上、メラミン樹脂白板上およびポリエ
ステル樹脂白板上で行ったところ、同じく満足すべき結
果をえた。
【0021】(比較例1)実施例1における分散剤を4
%水溶液粘度が5.0cps、ケン化度が98.5モル
%であるポリビニルアルコール(日本合成化学工業
(株)製、ゴーセノールNL−05)1.0部に替えた
以外は、実施例1と同一の操作をして水性顔料インクを
調製した。調製直後の顔料の粒度分布は実施例1の場合
とほぼ同様であり、その分散状態は均一で良好であっ
た。このインクをフェルトペンに装填し、セラミック白
板上、メラミン樹脂白板上およびポリエステル樹脂白板
上に筆記した。滑らかに筆記可能であったし、筆記5分
後に布性消去具で拭き取るとステインが残らなかった。
また筆記1日後にも布性消去具で拭き取りステインが残
らなかった。しかし時間の経過とともに鮮やかで滑らか
な筆記ができなくなり、別途室温保管のインクを観察し
たところ顔料の凝集がおこり分散状態が悪化していた。
本比較例の組成配合のインクではステインは防止できた
ものの、顔料の安定分散の点で不適格であった。
【0022】(比較例2)実施例1における剥離剤の1
種ラウリルアミンアセテートに替えてラウリルアミン塩
酸塩(花王(株)製、ファーミンR24H)5.0部を
使用した以外は、実施例1と同一の操作をして水性顔料
インクを調製した。顔料の粒度分布は実施例1の場合と
同様であり、その分散状態は均一で良好であった。この
インクをフェルトペンに装填し、セラミック白板上とメ
ラミン樹脂白板上に筆記した。滑らかに筆記可能であっ
たが、いずれも筆跡の線幅がインクの乾燥につれて縮ん
だ。筆記5分後に布性消去具で拭き取り、いずれもステ
インが薄く残った。また筆記1日後にも布性消去具で拭
き取りいずれもステインが薄く残った。なお、このイン
クを1ケ月間室温放置後に観察したところ顔料の分散状
態が悪化していたし、筆記と消去の試験をセラミック白
板上とメラミン樹脂白板上で行ったところ、いずれもス
テインが薄く残って不満足な結果となった。
【0023】(実施例2)カーボンプラック(デグサ社
(独)製チャネルブラック、Printex V、DB
P吸油量120(ml/100g)、pH4.0)3.
0部、分散剤として4%水溶液粘度が5.0cps、ケ
ン化度が88モル%であるポリビニルアルコール
((株)クラレ製、クラレポバールPVA−205)
1.5部、剥離剤としてHLB値が8であるポリオキシ
エチレンモノラウリルエーテル(第一工業製薬(株)
製、ノイゲンET−83)3.0部、ステアリルアミン
アセテート(花王(株)製、アセタミン86)3.0
部、防腐剤として含ハロゲン窒素硫黄系化合物(武田薬
品(株)製、スラオフ72N)0.3部、水性媒体とし
て水89.2部を混合、粉砕、分散して水性顔料インク
を調製した。顔料は平均粒径0.3μm、粒径0.1μ
m以下と1.0μm以上の粒子がともに1重量%以下で
あり、その分散状態は均一で良好であった。このインク
をフェルトペンに装填し、セラミック白板上、メラミン
樹脂白板上およびポリプロピレン樹脂白板上に筆記し
た。筆記性は良好であり鮮明な筆跡が残った。筆記5分
後に軟質紙で拭き取りステインは残らなかった。また筆
記1日後にも軟質紙で拭き取りステインは残らなかっ
た。なお、このインクは室温で1ケ月間放置後も顔料の
分散は均一で良好であり、上記と同じ筆記と消去の試験
を3種の白板上で行ったところ、同様の満足すべき結果
をえた。
【0024】(比較例3)実施例2における剥離剤の1
種ポリオキシエチレンモノラウリルエーテルに替えて、
HLB値が8であるポリオキシエチレンモノノニルフェ
ニルエーテル(第一工業製薬(株)製、ノイゲEA−7
0)3.0部を使用した以外は、実施例2と同一の操作
をして水性顔料インクを調製した。顔料の粒度分布は実
施例2の場合と同様であり、その分散状態は均一で良好
であった。このインクをフェルトペンに装填し、セラミ
ック白板上、メラミン樹脂白板上およびポリプロピレン
樹脂白板上に筆記した。滑らかに筆記可能であったが、
筆跡の線幅がインクの乾燥につれて縮んだ。筆記5分後
に軟質紙で拭き取ったがステインが薄く残った。また筆
記1日後にも軟質紙で拭き取ったがステインが薄く残っ
た。なお、このインクを1ケ月間放置後に観察したとこ
ろ顔料の分散状態が悪化していたし、筆記と消去の試験
をセラミック白板上、メラミン樹脂白板上およびポリプ
ロピレン樹脂白板上で行ったところ、同一の不満足な結
果であった。
【0025】(比較例4)実施例2における剥離剤の1
種ポリオキシエチレンモノラウリルエーテルに替えて、
トリエチレングリコールモノエチルエーテル2.0部を
使用した以外は、実施例2と同一の操作をして青色水性
顔料インクを調製した。顔料の粒度分布は実施例2の場
合と同様であり、その分散状態は均一で良好であった。
このインクをフェルトペンに装填し、セラミック白板
上、メラミン樹脂白板上およびポリプロピレン樹脂白板
上に筆記した。滑らかに筆記可能であったが、筆記5分
後に軟質紙で拭き取ったところステインが残った。また
筆記1日後にも軟質紙で拭き取ったがステインが薄く残
った。
【0026】(実施例3)カーボンブラック(キャボッ
ト社(米)製フアーネスブラック、Regal−660
R、DBP吸油量65(ml/100g)、pH7.
5)4.0部、分散剤として4%水溶液粘度が5.0c
ps、ケン化度が79モル%であるポリビニルアルコー
ル(日本合成化学工業(株)製、ゴーセノールKL−0
5)1.0部、剥離剤としてHLB値が9であるポリオ
キシエチレンモノアルキルエーテル(第一工業製薬
(株)製、ノイゲンET−97)3.0部、ラウリルア
ミンアセテート(花王(株)製、アセタミン24)4.
0部、防腐剤として含ハロゲン窒素硫黄系化合物(武田
薬品(株)製、スラオフ72N)0.3部、水性媒体と
して水87.7部を混合、粉砕、分散して水性顔料イン
クを調整した。顔料の平均粒径が0.3μm、粒径0.
1μm以下と1.0μm以上の粒子がとも1重量%以下
であり、その分散状態は均一で良好であった。このイン
クをフェルトペンに装填し、セラミック白板上とメラミ
ン樹脂白板上に筆記した。筆記性は良好であり鮮明な筆
跡が残った。筆記5分後にフェルト製消去具で拭き取り
ステインは残らなかった。また筆記1日後にもフェルト
製消去具で拭き取りステインは残らなかった。なお、1
ケ月間放置後もインク中の顔料の分散は均一で良好であ
り、上記と同じ筆記と消去の試験をセラミック白板上と
メラミン樹脂白板上で行ったところ、ステインの残らな
い満足すべき結果をえた。
【0027】(比較例5)実施例3におけるカーボンブ
ラックに替えて、カーボンブラック(デグッサ社(独)
製チャネルブラック、Color Black FW2
00、DBP吸油量150(ml/100g)、pH
2.5)4.0部を使用した以外は、実施例3と同一の
操作をして水性顔料インクを調製した。顔料の分散は均
一で良好であった。このインクをフェルトペンに装填
し、セラミック白板上とメラミン樹脂白板上に筆記し
た。筆記性は良好であり鮮明な筆跡が残った。筆記5分
後にフェルト製消去具で拭き取りステインが残らなかっ
た。しかし筆記1日後にフェルト製消去具で拭き取ろう
としたがステインが薄く残った。なお、このインクを1
ケ月間放置後に観察したところ、顔料の分散状態が悪化
していたし、筆記と消去の試験をセラミック白板上とメ
ラミン樹脂白板上で行ったところ、筆記性が悪くしかも
フェルト製消去具で拭き取ろうとしたがステインが残っ
た。
【0028】(比較例6)実施例3における剥離剤の1
種ラウリルアミンアセテート4.0部に替えて、エチル
アミンと酢酸の等モルを塩として4.0部となる量で使
用した以外は、実施例3と同一の操作をして緑色水性顔
料インクを調製した。顔料の粒度分布は実施例3の場合
とほぼ同様であり、顔料の分散は均一で良好であった。
このインクをフェルトペンに装填し、セラミック白板上
とメラミン樹脂白板上に筆記した。筆記性は良好であり
鮮明な筆跡が残った。筆記5分後にフェルト製消去具で
拭き取ったところステインが残った。筆記1日後にフェ
ルト製消去具で拭き取ろうとしたがステインが残った。
【0029】
【発明の効果】水性媒体に黒色顔料と分散剤と剥離剤と
を必須成分として分散させたインクにおいて、特定の黒
色顔料を用い、分散剤として特定の分子量とケン化度を
有するポリビニルアルコールを、剥離剤として特定のH
LB値を有するポリオキシエチレングリコールモノアル
キルエーテルと特定のアルキルアミンアセテートを用い
ることで、分散安定性に優れ、消去時にインクの跡が残
らない水性の白板用黒色顔料インクを提供することが可
能となった。

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 水性媒体に黒色顔料と分散剤と剥離剤と
    を必須成分として分散させたインクにおいて、黒色顔料
    としてDBP吸油量が50以上130(ml/100
    g)以下であり、かつ水懸濁液のpHが3.0以上8.
    5以下のカーボンブラックを、分散剤として4%水溶液
    の粘度が3cps以上60cps以下で、しかもケン化
    度が70モル%以上95モル%以下のポリビニルアルコ
    ールを、剥離剤としてアルキル基の炭素数が6以上22
    以下でHLB値が6以上10以下のポリオキシエチレン
    グリコールモノアルキルエーテルと、アルキル基の炭素
    数が8以上20以下のアルキルアミンアセテートを用い
    ることを特徴とする白板用水性黒色顔料インク。
  2. 【請求項2】 各成分の配合比がインク100重量部に
    おいて、水性媒体72重量部以上92重量部以下、黒色
    顔料1.0部以上6.0重量部以下、分散剤0.15重
    量部以上6.0重量部以下、剥離剤4.5重量部以上1
    6重量部以下の範囲から選ばれ、かつ使用する黒色顔料
    に対する各剥離剤の配合比が、ポリオキシエチレングリ
    コールのモノアルキルエーテルは1/3重量倍以上等重
    量倍以下、アルキルアミンアセテートは1/3重量倍以
    上3.5重量倍以下の範囲から選ばれた割合であること
    を特徴とする、請求項1に記載の白板用水性黒色顔料イ
    ンク。
  3. 【請求項3】 黒色顔料のインク中での平均粒径が0.
    2μm以上0.6μm以下の範囲内であり、しかも粒径
    0.1μm以下の粒子が20重量%以下と粒径1.0μ
    m以上の粒子が10重量%以下であることを特徴とす
    る、請求項1に記載の白板用水性黒色顔料インク。
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