JP3969752B2 - 筆記具用水性顔料インキ組成物 - Google Patents
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Description
【産業上の利用分野】
本発明は、顔料の分散性、経時安定性に優れた筆記具用水性顔料インキ組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より、水性筆記具のボールペン、サインペン、プラスチックペン、筆ペン、フェルトペン等に用いられる水性インキには、色素成分として主に水溶性の染料が用いられてきた。
しかし、これらの染料インキから得られた描線は、耐光性、耐水性等の点で劣るという欠点があった。
そこで、近年、これらの物性に優れた顔料を色素成分として使用する試みが行われ、それに関する提案も数多く案出され、多種の用途に使用されている。
【0003】
しかしながら、従来の筆記具用水性顔料インキ組成物等の低粘度での使用では、経時的にも非常に不安定で凝集し易く筆記不能となる課題があった。
そこで、顔料を分散させるための分散剤として、各種界面活性剤が使用されているが、未だ十分なものとは言えなかった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、上記従来の課題に鑑み、これを解消しようとするものであり、分散性、経時安定性に優れた筆記具用水性顔料インキ組成物を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明者は、顔料、分散剤及び水と水溶性溶剤からなる筆記具用水性顔料インキ組成物における、顔料の分散性、経時安定性等について様々な検討を重ねてきた結果、分散剤として特定の樹脂を含有すると共に、特定のアルキルピロリドンが、分散性、経時安定性としての効果に優れていることを見い出し、本発明を完成するに至った。すなわち、
本発明の筆記具用水性顔料インキ組成物は、顔料、分散剤及び水と水溶性溶剤からなる筆記具用水性顔料インキ組成物において、上記分散剤として、アンモニア中和樹脂を含有すると共に、インキ組成物中換算で0.05〜5重量%のアルキル基の炭素数が4〜20のアルキルピロリドンを含有することを特徴とする。
【0006】
【作用】
本発明では、顔料、分散剤及び水と水溶性溶剤からなる筆記具用水性顔料インキ組成物中に、分散剤として、アンモニア中和樹脂を含有すると共に、インキ組成物中換算で0.05〜5重量%のアルキル基の炭素数が4〜20のアルキルピロリドンを特定量含有することにより、顔料の凝集作用を長期間防止して、分散性、経時安定性に優れたものとなる(この点に関しては更に実施例等で説明する)。
【0007】
以下、本発明の内容を詳細に説明する。
本発明の筆記具用水性顔料インキ組成物は、顔料、分散剤及び水と水溶性溶剤からなる筆記具用水性顔料インキ組成物において、上記分散剤として、アンモニア中和樹脂を含有すると共に、インキ組成物中換算で0.05〜5重量%のアルキル基の炭素数が4〜20のアルキルピロリドンを含有することを特徴とするものである。
【0008】
本発明で用いるアルキルピロリドンは、アルキル基の炭素数が4〜20のアルキルピロリドンであり、例えば、n‐オクチルピロリドンやn‐ドデシルピロリドン等が挙げられる。
これらは、単独あるいは、2種以上を組み合わせて使用することができる。
アルキル基の炭素数が4未満では、効果は得られず、また、アルキル基の炭素数が20を越えると、溶解性が小さくなるため、好ましくない。
配合量は、インキ組成物中換算で(インキ全重量に対して)、0.05〜5重量%、好ましくは0.1〜3重量%である。
配合量が0.05重量%未満では、効果は得られず、また、5重量%を越えると、粘度が高くなり、筆記描線にかすれが生じてしまう。
【0009】
本発明で用いる顔料としては、一般に市販されている無機及び有機顔料の中から任意のものを、単独あるいは2種以上を組み合わせて使用することができる。例えば、酸化チタン系、カーボンブラック系、フタロシアニン系、アゾ系、キナクリドン系、アンスラキノン系、ジオキサジン系、インジゴ・チオインジゴ系、ペリノン・ペリレン系、イソインドレノン系、カドミウム系等が使用でき、その使用量は5〜20重量%が好ましい。
【0010】
本発明で用いる溶剤としては、水は勿論のこと、水溶性有機溶剤を単独あるいは、2種以上組み合わせた混合物が挙げられる。例えば、メタノール、エタノール、イソプロパノール等の低級1価アルコール類、エチレングリコール、ジエチレングリコール、グリセリン等の多価アルコール類、エチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル等のグリコールエーテル類、エチレングリコールモノメチルエーテルアセテートのようなグリコールエーテルエステル類、ポリグリセリン、及びその誘導体等の水溶性有機溶剤等が使用できる。
【0011】
また、本発明で用いられる分散剤は、水溶性溶剤に溶解するものであれば、特に限定されるものではなく、例えば、アラビアゴム、ロジン等の天然樹脂、ヒドロキシエチルセルロースやその誘導体、ロジン誘導体等の半合成樹脂、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、ポリビニルブチラール、ポリビニルエーテル、スチレンアクリル樹脂、スチレンマレイン酸樹脂、ケトン樹脂等の合成樹脂や、アニオン界面活性剤、カチオン界面活性剤、両性界面活性剤等が挙げられ、これらを単独あるいは2種以上を組み合わせて用いても良い。
【0012】
更に、その他に従来から筆記具用水性顔料インキ組成物に用いられている添加剤、防腐剤、防錆剤、防菌剤、潤滑剤等を必要に応じて配合しても良い。
【0013】
本発明の筆記具用水性顔料インキ組成物の製造法としては、上述の顔料5〜20重量%、水70〜40重量%、水溶性有機溶剤10〜30重量%、顔料分散剤としてアンモニア中和樹脂1〜20重量%、アルキルピロリドン0.05〜5重量%とをボールミル、サンドミル、ビーズミル等に代表される顔料分散機を用いて分散させることにより製造することができる。
【0014】
【実施例】
以下、実施例に基づき本発明を説明するが、本発明は、これらの実施例によって限定されるものではない。
【0015】
(実施例1)
カーボンブラック 10 重量%
プロピレングリコール 20 重量%
スチレンマレイン酸樹脂(アンモニア中和) 3 重量%
n‐オクチルピロリドン 0.1重量%
精製水 66.9重量%
上記成分中、n‐オクチルピロリドン、プロピレングリコール、カーボンブラック、残りの成分を順次加え、撹拌機にて2時間のプレミックスを行い、さらにサンドミルにて分散処理を行い、この液をろ過等で粗大粒子を除去し、インキ組成物を調製した。
【0016】
(比較例1)
実施例1において、n‐オクチルピロリドンを配合せず、精製水を67.0重量%とした以外は、同様にしてインキ組成物を調製した。
【0017】
(実施例2)
フタロシアニンブルー 9 重量%
グリセリン 10 重量%
エチレングリコール 10 重量%
スチレンマレイン酸樹脂(アンモニア中和) 3 重量%
n‐ドデシルピロリドン 0.5重量%
精製水 67.5重量%
実施例1と同様にして、インキ組成物を調製した。
【0018】
(比較例2)
実施例2において、n‐ドデシルピロリドンを配合せず。精製水を68.0重量%とした以外は、同様にしてインキ組成物を調製した。
【0019】
以上のようにして得られた実施例1〜2及び比較例1〜2の水性顔料インキ組成物を用いて、市販の筆記具(三菱鉛筆(株)製 PC−3M)に充填した直後に、紙面に筆記し、その描線の状態を目視により評価した。また、経時変化を評価するため、上記と同様にして、1カ月後に紙面に筆記して描線状態を評価した。
その結果を下記表1に示す。
【0020】
【表1】
【0021】
上記表1の結果から明らかなように、本発明となる実施例1〜2は、アルキルピロリドンを配合していない比較例1〜2に較べて、分散性及び経時安定性に優れたものとなることが判った。
【0022】
【発明の効果】
本発明によれば、分散剤としてアンモニア中和樹脂を含有すると共に、アルキル基の炭素数が4〜20のアルキルピロリドンを特定量含有した筆記具用水性顔料インキ組成物は、分散性及び経時安定性に優れ、また、この組成物を用いた筆記具は優れた描線状態を長期間保つことができるという利点を有する。
Claims (1)
- 顔料、分散剤及び水と水溶性溶剤からなる筆記具用水性顔料インキ組成物において、上記分散剤として、アンモニア中和樹脂を含有すると共に、インキ組成物中換算で0.05〜5重量%のアルキル基の炭素数が4〜20のアルキルピロリドンを含有することを特徴とする筆記具用水性顔料インキ組成物。
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