JP2011111578A - 油性ボールペン用インキ - Google Patents

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Abstract

【課題】滑らかな書き味で、書き始めからインキを使い終わるまで筆記性能が低下することが無く、長期保存後でも筆記不能やカスレが発生することが無い安定な油性ボールペン用インキを提供すること。
【解決手段】少なくとも、着色剤、アルコール、グリコール、グリコールエーテルから選ばれる有機溶剤、この有機溶剤に可溶なポリブチレングリコール・ポリプロピレングリコール共重合体を含有する油性ボールペン用インキ。
【選択図】なし

Description

本発明は、筆記部材としてインキを紙面等の被筆記面に転写するボールを先端から一部臨出させて回転自在に抱持するボールペンチップをペン先としたボールペンに収容されたボールペン用油性インキに関する。さらに詳しく言えば、滑らかな書き味で、書き始めからインキを使い終わるまで筆記性能が低下することが無く、長期保存後でも筆記不能やカスレが発生することが無い安定な油性ボールペン用インキに関する。
油性ボールペンは、人が手に持って使うことを想定した筆記具であるために臭気が少なく安全性が高い溶剤として、アルコール、グリコール、グリコールエーテルを主溶剤とし、着色剤、樹脂、その他添加剤などからなり、インキの漏れやボテを防ぐために粘度が10000mPa・s〜30000mPa・s程度の比較的高粘度のインキを使用することが知られていが、近年、書き味を優先した低粘度の油性ボールペン用インキが開発されている。油性ボールペンは、ボールホルダー内から供給されたインキがボールの回転と共に紙面へ転写されることで筆跡を形成する機構のため、回転するボールとボール受け座の間に摩擦が発生し、使い続けている間にボールホルダー内が摩耗して変形することがある。すると、インキ流出量が激しく増大してボテが発生し紙面を汚したり、逆にインキ流路を塞いでインキが吐出しなくなるなどの現象が起きる。特に、書き味を優先した低粘度のインキでは、この現象が顕著に表れる。
この問題を解決するため、インキに潤滑性を付与する目的で様々な提案がなされている。たとえば、特許文献1では特定の構造のリン酸エステル系化合物を添加したインキ。特許文献2では、特定の構造のアンモニウム塩を添加したインキ。特許文献3では、プラスチップピグメントと称される球状樹脂粒子を含むインキ。特許文献4では、球状シリカパウダーを添加したインキが開示されている。また、書き出しカスレの防止が目的の研究であるが潤滑性付与が期待される化合物としてポリアルキレングリコール類を添加したインキの研究も様々になされている。たとえば、特許文献5では、分子量200〜4000000のポリエチレングリコールを添加したインキ。特許文献6では、平均分子量1000〜3000のポリプロピレングリコールを添加したインキ。特許文献7では、平均分子量1000〜3000のポリオキシエチレンポリプレングリコールを添加したインキ。また、インキではないが、特許文献8では油性ボールペンインキペーストに使える粉末染料調剤の助剤としてポリブチレングリコールを添加することが開示されている。
特開2002−012806号公報 特開2000−219839号公報 特開昭63−218779号公報 特開平11−286642号公報 特開平07−019671号公報 特開平03−168254号公報 特開平03−207771号公報 特開平05−239369号公報
特許文献1、特許文献2に記載の発明では、特定の活性剤を添加することが試みられているが、分子量が小さいイオン性の化合物であり潤滑性の効果は小さく、インキに添加する他の成分との反応性が高いために保存中にインキが増粘してカスレが発生する問題が有った。
特許文献3、特許文献4に記載の発明では、球状樹脂粒子や球状シリカパウダーが、粒子であるため保存中に凝集して潤滑効果が低下したり、沈降してボールペンチップ内で目詰まりを発生させて筆記不能になるなどの問題が有った。
特許文献5、特許文献6、特許文献7に記載の発明では、ポリエチレングリコール、ポリプロリレングリコール、ポリオキシエチレンポリプロピレングリコールを使用しているが乾燥防止としては有効であるが潤滑効果は小さく、ポリエチレングリコールは結晶性があり粘度の温度依存性が大きい為に、ボールが回転することによる発熱によって急激に粘度低下が起こり潤滑効果阻害されてしまう。また、水分を吸収する性質があるため、その水分が滑りを阻害してしまう。
特許文献8に記載の発明では、親油性のエチル基を持つブチレンオキサイドが単独で重合体したポリブチレングリコールは、油としての性質が強く高い潤滑性を持つことが予測される。しかしながら、親油性が強くなりすぎて、一般に油性ボールペン用インキに使用する溶剤であるアルコール、グリコール、グリコールエーテル、これらの溶剤に可溶な樹脂との相溶性が悪くなるために、インキ中で分離して潤滑効果が却って小さくなってしまう。
本発明の目的は、滑らかな書き味で、書き始めからインキを使い終わるまで筆記性能が低下することが無く、長期保存後でも筆記不能やカスレが発生することが無い安定な油性ボールペン用インキを提供することである。
本発明は、少なくとも、着色剤、アルコール、グリコール、グリコールエーテルから選ばれる有機溶剤、この有機溶剤に可溶なポリブチレングリコール・ポリプロピレングリコール共重合体を含有する油性ボールペン用インキを要旨とする。
ポリブチレングリコール・ポリプロピレングリコール共重合体は、主鎖の−(CHCHO)n−が螺旋構造をとることによりクッション効果を生み、側鎖にポリブチレンに由来する親油性のエチル基をたくさん有しているため、油としての性質が強く、アルコール、グリコール、グリコールエーテルから選ばれる有機溶剤に対する相溶性と、粘度の温度依存性が小さいという性質を兼ね備えている。よって、ポリブチレングリコール・ポリプロピレングリコール共重合体を使用したボールペン用油性インキは、滑らかな書き味で、書き始めからインキを使い終わるまで筆記性能が低下することが無く、長期保存後でも筆記不能やカスレが発生することが無い。
次に、本発明に使用するインキの組成について説明する。
着色剤としては、従来油性ボールペン用インキに使用されている染料および/または顔料を用いることができる。
染料としては、従来公知の水溶性染料と油溶性染料を使用することが出来る。
水溶性染料の具体例としては、C.I.ダイレクトブラック17、同19、同22、同32、同38、同51、同71、C.I.ダイレクトイエロー4、同26、同44、同50、C.I.ダイレクトレッド1、同4、同23、同31、同37、同39、同75、同80、同81、同83、同225、同226、同227、C.I.ダイレクトブルー1、同15、同41、同71、同86、同87、同106、同108、同199等の直接染料や、C.I.アシッドブラック1、同2、同24、同26、同31、同52、同107、同109、同110、同119、同154、C.I.アシッドイエロー1、同7、同17、同19、同23、同25、同29、同38、同42、同49、同61、同72、同78、同110、同127、同135、同141、同142、C.I.アシッドレッド8、同9、同14、同18、同26、同27、同35、同37、同51、同52、同57、同82、同83、同87、同92、同94、同111、同129、同131、同138、同186、同249、同254、同265、同276、C.I.アシッドバイオレット15、同17、同49、C.I.アシッドブルー1、同7、同9、同15、同22、同23、同25、同40、同41、同43、同62、同78、同83、同90、同93、同100、同103、同104、同112、同113、同158、C.I.アシッドグリーン3、同9、同16、同25、同27、C.I.アシッドオレンジ56等の酸性染料、C.I.フードイエロー3等の食用染料、マラカイトグリーン(C.I.42000)、ビクトリアブルーFB(C.I.44045)、メチルバイオレットFN(C.I.42535)、ローダミンF4G(C.I.45160)、ローダミン6GCP(C.I.45160)等の塩基性染料等が挙げられる。
油溶性染料の具体例としては、ローダミンBベース(C.I.45170B、田岡染料製造(株)製)、ソルダンレッド3R(C.I.21260、中外化成(株)製)、メチルバイオレット2Bベース(C.I.42535B、米国、National Aniline Div.社製)、ビクトリアブルーF4R(C.I.42563B)、ニグロシンベースLK(C.I.50415)(以上、BASF社製、独国)、バリファーストイエロー#3104(C.I.13900A)、バリファーストイエロー#3105(C.I.18690)、オリエントスピリットブラックAB(C.I.50415)、バリファーストブラック#3804(C.I.12195)、バリファーストイエロー#1109、バリファーストオレンジ#2210、バリファーストレッド#1320、バリファーストブルー#1605、バリファーストバイオレット#1701、バリファーストバイオレット#1704、オイルブルー#613、オイルイエロ−#129、ニグロシンベースEX(以上、オリエント化学工業(株)製)、スピロンブラックGMHスペシャル、スピロンイエローC−2GH、スピロンイエローC−GNH、スピロンレッドC−GH、スピロンレッドC−BH、スピロンブルーBPNH、スピロンブルーC−RH、スピロンバイオレットC−RH、S.P.T.オレンジ6、S.P.T.ブルー111(以上、保土ヶ谷化学工業(株)製)等が挙げられる。
また、着色剤として顔料を用いる場合は、従来公知の有機顔料と無機顔料を使用することができる。
有機顔料の具体例としては、C.I.PIGMENT RED2、同3、同5、同17、同22、同38、同41、同48:2、同48:3、同49、同50:1、同53:1、同57:1、同58:2、同60、同63:1、同63:2、同64:1、同88、同112、同122、同123、同144、同146、同149、同166、同168、同170、同176、同177、同178、同179、同180、同185、同190、同194、同202、同206、同207、同209、同216、同245、同254、同255、同256、同272、C.I.PIGMENT ORANGE 5、同10、同13、同16、同36、同40、同43、同61、同64、同71、同73、C.I.PIGMENT VIOLET 19、同23、同31、同33、同36、同37、同38、同50、C.I.PIGMENT BLUE 2、同15、同15:1、同15:2、同15:3、同15:4、同15:5、同15:6、同16、同17、同22、同25、同60、同66、C.I.PIGMENT BROWN 23、同25、同26、C.I.PIGMENT YELLOW 1、同3、同12、同13、同24、同83、同93、同94、同95、同97、同99、同108、同109、同110、同117、同120、同128、同139、同147、同151、同153、同166、同167、同173、C.I.PIGMENT GREEN 7、同10、同36、同37、C.I.PIGMENT BLACK 7等の有機顔料等が挙げられる。
また、無機顔料としては、ファーネスブラック、チャンネルブラック、サーマルブラック、アセチレンブラック等のカーボンブラック、黒色酸化鉄、黄色酸化鉄、赤色酸化鉄、群青、紺青、コバルトブルー、チタンイエロー、ターコイズ、モリブデートオレンジ、酸化チタン等が挙げられる。
カーボンブラックの具体例としては、三菱カーボンブラック#10B、同#20B、同#14、同#30、同#33、同#40、同#44、同#45、同#45L、同#50、同#55、同#95、同#260、同#900、同#1000、同#2200B、同#2300、同#2350、同#2400B、同#2650、同#2700、同#4000B、同CF9、同MA8、同MA11、同MA77、同MA100、同MA220、同MA230、同MA600及びMCF88(以上、三菱化学(株)製)、モナーク120、モナーク700、モナーク800、モナーク880、モナーク1000、モナーク1100、モナーク1300、モナーク1400、モーガルL、リーガル99R、リーガル250R、リーガル300R、リーガル330R、リーガル400R、リーガル500及びリーガル660R(以上、米国、キャボット コーポレーション社製)、プリンテックスA、プリンテックスG、プリンテックスU、プリンテックスV、プリンテックス55、プリンテックス140U、プリンテックス140V、プリンテックス35、プリンテックス40、プリンテックス45、プリンテックスプリンテックス85、プリンテックスG、ナインペックス35、スペシャルブラック4,スペシャルブラック4A、スペシャルブラック5、スペシャルブラック6,スペシャルブラック100、スペシャルブラック250、スペシャルブラック350、スペシャルブラック550、カラーブラックFW1、カラーブラックFW2、カラーブラックFW2V、カラーブラックFW18、カラーブラックFW200、カラーブラックS150、カラーブラックS160及びカラーブラックS170(以上、デグサ ジャパン(株)製)、ラーベン5000ウルトラII、ラーベン2500ウルトラ、ラーベン1250、ラーベン760ウルトラ(以上、コロンビアカーボン日本(株)製)等が挙げられる。
これらの着色剤は、1種又は2種以上混合して使用することができ、使用量は全インキ組成物に対し3重量%〜50重量%が好ましい。
有機溶剤としては、安全性や臭気の問題から、アルコール、グリコール、グリコールエーテルを主溶剤として使用する。
アルコールの具体例としては、ベンジルアルコール、α−メチルベンジルアルコール、ラウリルアルコール、トリデシルアルコール、イソドデシルアルコール、イソトリデシルアルコール等が使用できる。
グリコールの具体例としては、エチレングリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、ヘキシレングリコール等が挙げられる。
グリコールエーテルの具体例としては、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、エチレングリコールモノヘキシルエーテル、エチレングリコールモノフェニルエーテル、エチレングリコールモノベンジルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノヘキシルエーテル、ジエチレングリコールモノフェニルエーテル、ジエチレングリコールモノベンジルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノノルマルブチルエーテル、プロピレングリコールモノフェニルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノエチルエーテル、ジプロピレングリコールモノノルマルブチルエーテル、ジプロピレングリコールモノフェニルエーテル、トリプロピレングリコールモノメチルエーテル、トリプロピレングリコールモノエチルエーテル、トリプロピレングリコールモノノルマルブチルエーテル、トリプロピレングリコールモノフェニルエーテル等が挙げられる。
その他、プロピレングリコールメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールジアセテート、N−メチル−2−ピロリドンなどを併用することが使用できる。
これらの溶剤は単独あるいは2種以上併用して使用することができ、使用量は全インキ組成物に対し35重量%〜80重量%が好ましい。また、油性ボールペン用インキの成分である着剤剤や樹脂の溶解性に悪影響を与えない範囲で、水、植物油、植物油誘導体、動物性油、動物性油誘導体等などの他の溶剤も併用できる。
アルコール、グリコール、グリコールエーテルから選ばれる有機溶剤に可溶な樹脂は、粘度調整剤、顔料分散助剤、染料溶解促進剤、紙面への定着剤として、従来公知の樹脂が使用出来る。樹脂の具体的例としては、アクリル樹脂、アクリル酸樹脂、マレイン酸樹脂、スチレンとマレイン酸エステルとの共重合体、スチレンとアクリル酸又はそのエステルとの共重合体、尿素樹脂、ポリビニルブチラール樹脂、ポリビニルアセタール、ポリアミド樹脂、ポリエステル樹脂、アルキッド樹脂、ポリウレタン樹脂、エポキシ樹脂、ポリビニルアルキルエーテル、クマロン−インデン樹脂、ポリテルペン、ロジン系樹脂やその水素添加物、ケトン樹脂、エステルガム、キシレン樹脂、テルペン−フェノール共重合物、ポリアクリル酸ポリメタクリル酸共重合物、フェノール樹脂、ポリビニルピロリドン、ポリエチレンオキサイド、N−ビニルアセトアミド、エチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、エチルヒドロキシエチルセルロースやこれらの共重合体や各種誘導体などが挙げられる。これらの樹脂は単独あるいは混合して用いることができ配合量はインキ組成物全量に対し0.1重量%以上50重量%以下が好ましい。
ポリブチレングリコール・ポリプロリレングリコール共重合体は、潤滑性を付与する目的で使用される。ポリブチレングリコール・ポリプロピレングリコール共重合体はプロピレンオキサイドとブチレンオキサイドを付加重合して合成され、付加重合の方法によって、ブロック型とランダム型が有るがいずれの型でも良い。一般に市販されているものとしては、ユニオールPB−500(平均分子量500)、ユニオールPB−700(平均分子量700)、ユニオールPB−1000(平均分子量1000)、ユニオールPB−2000(平均分子量2000)(以上、日油(株)製)等が挙げられる。これらのポリブチレングリコール・ポリプロリレングリコール共重合体は単独あるいは混合して用いることができ配合量はインキ組成物全量に対し1重量%以上30重量%以下が好ましい。1重量%より少ないと潤滑効果が不十分で、30重量%を超えると筆跡がいつまでも乾かない。特に、着色剤として顔料を使用すると潤滑効果がさらに上がる。その理由としては、ポリブチレングリコールの強い親油性部分が、顔料表面の疎水性部分に吸着して顔料を結合点としてポリブチレングリコール・ポリプロピレングリコール共重合体が繋がった緩やかな網目構造を形成すると考えられる。この網目構造により、共重合体の見かけの分子量が大きくなり、筆記時の強い衝撃や圧力でもボールとボール受け座の間のインキ膜がチギレにくくなることで潤滑性が更によくなると考えられる。
その他必要に応じてつぎのような添加剤を加えることができる。
pH調節剤として、アンモニア、尿素、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、トリポリ燐酸ナトリウム、炭酸ナトリウムなど炭酸やリン酸のアルカリ金属塩、水酸化ナトリウムなどアルカリ金属の水酸化物など、防腐剤もしくは防黴剤としては、フェノール、ナトリウムオマジン、ペンタクロロフェノールナトリウム、1,2‐ベンズイソチアゾリン3‐ワン、2,3,5,6‐テトラクロロ‐4(メチルスルフォニル)ピリジン、安息香酸ナトリウム、安息香酸、ソルビン酸やデヒドロ酢酸のアルカリ金属塩、ベンズイミダゾール系化合物など、防錆剤としては、ベンゾトリアゾール、ジシクロヘキシルアンモニウムナイトライト、ジイソプロピルアンモニウムナイトライト、トリルトリアゾールなどが挙げられる。湿潤剤としては、尿素、エチレン尿素、パーフルオロアルキルリン酸エステルなどフッ素化アルキル基を有する界面活性剤などがあげられる。
本発明の油性ボールペン用インキを製造するには、着色剤、有機溶剤、樹脂、ポリブチレングリコール・ポリプロピレングリコール共重合体、前述の添加剤等を、プロペラ翼やパドル翼やタービン翼やエッジタービン翼を取り付けた撹拌機またはホモミキサーにて均一になるまで溶解・混合することで得られる。このとき加熱することで溶解を促進することは何ら問題ない。得られたインキから濾過や遠心分離にて粗大粒子や不溶解成分を除いたりすることも何ら問題ない。
本発明において着色剤に顔料を用いた場合、顔料を通常一般的な方法で分散してよい。顔料の分散に使用する分散機はボールミル、サンドミル、ビーズミル等のメディアを使用した分散機やロールミル、コロイドミル、ホモジナイザー等の狭小間隙を通過させるタイプの分散機が使用可能である。分散を行う油性ボールペン用インキの製造は例えば、顔料と樹脂を溶解可能な有機溶剤と必要により分散剤や他の添加剤を混合し、前述の撹拌機やホモジナーザー等で均一に撹拌した後、前述の分散機で顔料を分散する。得られた顔料分散液とポリブチレングリコール・ポリプロピレングリコール共重合体、前述の添加剤等を、前述の撹拌機にて均一になるまで溶解・混合することで得られる。また、顔料分散時に全ての材料を加えて分散を行い、後からの攪拌機による溶解・混合工程をなくすることも可能である。
また、筆記時の抵抗を少なくして軽い書き味を付与する目的で、筆記時のインキ粘度を低くすることは有効である。具体的には、剪断速度が500s−1での粘度を5000mPa.s以下にするとことで、書き味が軽いと感じる事ができるようになる。特に3500mPa.s以下にすると非常に軽いと感じる事ができるようになる。
以下、本発明は実施例を示して具体的に説明する。
各実施例及び比較例における粘度は、VICOANALYSER VAR−100(Reologica社製、スウェーデン)にて測定した。測定条件は、温度25℃、剪断速度500s−1、ディレイタイム5秒、積算時間5秒、20mmコーンプレート(1°)にて、粘度を測定した。
実施例1
プリンテックス 35(カーボンブラック、デグサ・ヒュルスジャパン(株)製)
25.00重量部
エスレックBL−1(ピリビニルブチラール樹脂、積水化学工業(株)製)
7.00重量部
エチレングリコールモノフェニルエーテル 34.50重量部
ヘキシレングリコール 12.00重量部
レジンSK(ケトン樹脂、デグサ ジャパン(株)製) 8.00重量部
ポリビニルピロリドンK90(ISPジャパン(株)製) 0.50重量部
DGMO90(活性剤、日光ケミカルズ(株)製) 3.00重量部
ユニオールPB−2000(ポリブチレングリコール・ポリプロピレングリコール共重合体、日油(株)製) 10.00重量部
ポリビニルピロリドンK90、DGMO90、ユニオールPB−2000以外の成分をビーズミルで分散した後、ポリビニルピロリドンK90、DGMO90、ユニオールPB−2000を添加しプロペラ撹拌機にて60℃で2時間撹拌して、黒色の油性ボールペン用インキを得た。せん断速度500s−1の粘度は2500mPa・sであった。
実施例2
C.I.ピグメント ブルー 15:6 20.00重量部
ジョンクリル 67(高分子顔料分散剤、ジョンソンポリマー(株)製)
10.00重量部
エチレングリコールモノフェニルエーテル 36.30重量部
ヘキシレングリコール 10.00重量部
レジンSK(前述) 12.00重量部
ポリビニルピロリドン K90(前述) 0.70重量部
DGMO90(前述) 3.00重量部
ユニオールPB−1000(ポリブチレングリコール・ポリプロピレングリコール共重合体、日油(株)製) 8.00重量部
ポリビニルピロリドンK90、DGMO90、ユニオールPB−1000以外の成分をビーズミルで分散した後、ポリビニルピロリドンK90、DGMO90、ユニオールPB−1000を添加しプロペラ撹拌機にて60℃で2時間撹拌して、青色の油性ボールペン用インキを得た。せん断速度500s−1の粘度は2200mPa・sであった。
実施例3
C.I.ピグメント レッド 170 20.00重量部
ジョンクリル 67(前述) 10.00重量部
エチレングリコールモノフェニルエーテル 32.30重量部
ヘキシレングリコール 10.00重量部
レジンSK(前述) 12.00重量部
ポリビニルピロリドン K90(前述) 0.70重量部
DGMO90(前述) 3.00重量部
ユニオールPB−700(ポリブチレングリコール・ポリプロピレングリコール共重合体、日油(株)製) 12.00重量部
ポリビニルピロリドンK90、DGMO90、ユニオールPB−700以外の成分をビーズミルで分散した後、ポリビニルピロリドンK90、DGMO90、ユニオールPB−700を添加しプロペラ撹拌機にて60℃で2時間撹拌して、青色の油性ボールペン用インキを得た。せん断速度500s−1の粘度は2700mPa・sであった。
実施例4
実施例1において、ユニオールPB−2000の代わりにユニオールPB−500を15重量部添加し、エチレングリコールモノフェニルエーテルを29.5重量部にした以外は同様に為して黒色の油性ボールペン用インキを得た。せん断速度500s−1の粘度は2800mPa・sであった。
実施例5
実施例2において、ユニオールPB−1000の代わりにユニオールPB−500を10重量部とユニオールPB−2000を3重量部添加し、エチレングリコールモノフェニルエーテルを31.3重量部にした以外は同様に為して赤色の油性ボールペン用インキを得た。せん断速度500s−1の粘度は2600mPa・sであった。
実施例6
バリファストバイオレット1704(染料、オリエント化学工業(株)製)
20.00重量部
ニグロシンベースEX(染料、オリエント化学工業(株)製) 10.00重量部
ドデシルベンゼンスルホン酸 5.00重量部
エチレングリコールモノフェニルエーテル 29.30重量部
ベンジルアルコール 15.00重量部
ダイトライト1000N(スルホアミド樹脂、大東化成工業(株)製)7.00重量部
DGMO90(前述) 3.00重量部
ユニオールPB−2000(前述) 12.00重量部
上記成分をステンレル容器に秤り入れ、プロペラ撹拌機にて60℃で更に2時間撹拌して、黒色の油性ボールペン用インキを得た。せん断速度500s−1の粘度は2900mPa・sであった。
比較例1
実施例1において、ユニオールPB−2000をエチレングリコールモノフェニルエーテルに置き換え加えた以外は同様に為して黒色の油性ボールペン用性インキを得た。せん断速度500s−1の粘度は2400mPa・sであった。
比較例2
実施例1において、ユニオールPB−2000の代わりに特許文献1に示されたリン酸エステル化合物であるPhosphanol RL210を0.5重量%添加し、不足分をエチレングリコールモノフェニルエーテルに置き換え加えた以外は同様に為して黒色の油性ボールペン用インキを得た。せん断速度500s−1の粘度は2400mPa・sであった。
比較例3
実施例1において、ユニオールPB−2000の代わりにポリエチレングリコール#1000に置き換えた以外は同様に為して黒色の油性ボールペン用インキを得た。せん断速度500s−1の粘度は2900mPa・sであった。
比較例4
実施例2において、ユニオールPB−1000の代わりにユニオールD−1000(ポリプロピレングリコール、平均分子量1000)に置き換えた以外は同様に為して黒色の油性ボールペン用インキを得た。せん断速度500s−1の粘度は2200mPa・sであった。
比較例5
実施例6において、ユニオールPB−2000を未添加とし、ダイトライト1000を18.0重量%、エチレングリコールモノフェニルエーテルを28.3重量%とした以外は同様にして黒色の油性ボールペン用インキを得た。せん断速度500s−1の粘度は7500mPa・sであった。
試験サンプルの作成
上記実施例1〜6及び比較例1〜5で得た各ボールペン用油性インキを、直径0.7mmの超硬製のボールを、ステンレス製のボールホルダーにて、ボールホルダーの先端開口部より一部突出した状態で抱持したボールペンチップと、押出成形により成形したポリプロピレン製パイプとを接続したリフィル体を収容するノック式ボールペン(Rolly、製品符号BP127、ぺんてる(株)製)のインキ収容管に0.25g充填し、市販の遠心機(H−103NR、株式会社コクサン)を用い、回転速度1700rpmで10分間遠心を行い、試験用ボールペンサンプルとした。
吐出量変化試験:
市販の螺旋式筆記試験機(MODEL TS−4C−20 精機工業研究所製)を用い、筆記速度7cm/sec、筆記角度70度、荷重150gでJISP3201筆記用紙Aに600m連続筆記し、書き始めから100mまでの吐出量と500mから600mまでの吐出量を測定して吐出量の変化を計算した。
高温高湿度での保存試験:
ペン先を下向きにした状態で60℃、80%の恒温恒湿槽に30日放置後、筆記角度70度筆記荷重150gで直線筆記しカスレ長さを測定した。ただし、30cm筆記しても書けないものはそれ以上筆記するのを止め、筆記途中にカスレが間欠して発生した場合はその合計長さを測定した。また、点線状にとぎれた筆跡であったりして、正常な筆跡が得られなかった試験体については、筆記不能と判断した。
書き味抵抗値:
静・動摩擦測定機(Tribo−master Type TL201Sa、(株)トリニティーラボ製)を用い、ペン作成後未筆記のボールペンサンプルを、筆記条件として筆記荷重を150g、筆記角度70度、筆記速度7cm/secで15cm筆記させたときの筆記抵抗値を測定した。値が大きいほど筆記時の抵抗が大きいことを表す。
Figure 2011111578

Claims (2)

  1. 少なくとも、着色剤、アルコール、グリコール、グリコールエーテルから選ばれる有機溶剤、この有機溶剤に可溶なポリブチレングリコール・ポリプロピレングリコール共重合体を含有する油性ボールペン用インキ。
  2. 前記の着色剤が顔料である請求項1記載の油性ボールペン用インキ。
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