JP3569812B2 - ボールペン用水性インキ - Google Patents
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Description
【産業上の利用分野】
本発明はボールペン用水性インキに関する。更に詳細には、インキ出を円滑にして、かすれや線切れのない良好な筆跡を得ると共に、ボールとボール抱持部の磨耗を減少させることによって、滑らかな筆感を得るためのボールペン用水性インキに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来よりボールペン用水性インキは、低粘性に依存して、一般的にボールペン用油性インキよりも弱い筆圧で然も滑らかな筆記が可能である。しかしながら、インキ自体が潤滑性に乏しく、ボール抱持部の磨耗を起こさせがちである。
一般にボールとボール抱持部の磨耗に関しては、種々の潤滑剤を添加することによって解消することが可能であるが、それに伴って染料の可溶化を妨げたり、粘度上昇によって筆跡のかすれや線切れ等を起こす欠点を有していた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
本発明ボールペン用水性インキは、前記した如き従来のボールペン用水性インキの不具合を解消するものである。即ち、インキ出がよく、然もボールとボール抱持部の磨耗が少なく、滑らかな筆記が可能であると共に、筆跡の滲みがなく、その他の筆記性能を満足させるボールペン用水性インキを提供することにある。
【0004】
【課題を解決するための手段】
本発明ボールペン用水性インキは、必須成分として染料、水、及び下記一般式で表されるポリオキシエチレンアルキルエーテルを含んでなる。
一般式
【化1】
(式中、Rは炭素数16乃至18のアルキル基であり、nは3以上の数を表す。)
【0005】
前記ポリオキシエチレンアルキルエーテルは、nが2以下であると、水或いは水溶性有機溶剤に溶解し難くなる。一方、nが大きくなるにつれて増粘化するので、低粘性インキの系ではnが7乃至14の数であることが好ましい。
又、Rは16乃至18のアルキル基であることにより、ボールペン用水性インキに好適な粘度と潤滑性を有する。
【0006】
前記したポリオキシエチレンアルキルエーテルは、インキ組成中0.01〜10重量%、好ましくは0.05〜3重量%の割合で添加することができる。
0.01重量%以下では所望の潤滑性を得ることは困難であり、又、10重量%以上ではインキの増粘によって、インキ出が悪く、筆記し難くなる。
【0007】
前記染料として、酸性染料、塩基性染料、直接染料等を使用することができる。
酸性染料としては、
ニューコクシン(C.I.16255)、
タートラジン(C.I.19140)、
アシッドブルーブラック10B(C.I.20470)、
ギニアグリーン(C.I.42085)、
ブリリアントブルーFCF(C.I.42090)、
アシッドバイオレット6B(C.I.42535)、
ソルブルブルー(C.I.42755)、
ナフタレングリーン(C.I.44025)、
エオシン(C.I.45380)、
フロキシン(C.I.45410)、
エリスロシン(C.I.45430)、
ニグロシン(C.I.50420)、
アシッドフラビン(C.I.56205)等が用いられる。
【0008】
塩基性染料としては、
クリソイジン(C.I.11270)、
メチルバイオレットFN(C.I.42535)、
クリスタルバイオレット(C.I.42555)、
マラカイトグリーン(C.I.42000)、
ビクトリアブルーFB(C.I.44045)、
ローダミンB(C.I.45170)、
アクリジンオレンジNS(C.I.46005)、
メチレンブルーB(C.I.52015)等が用いられる。
【0009】
直接染料としては、
コンゴーレッド(C.I.22120)
ダイレクトスカイブルー5B(C.I.24400)
バイオレットBB(C.I.27905)
ダイレクトディープブラックEX(C.I.30235)
カヤラスブラックGコンク(C.I.35225)
ダイレクトファストブラックG(C.I.35255)
フタロシアニンブルー(C.I.74180)等が用いられる。
【0010】
これらの染料は一種又は二種以上を適宜混合して使用することができ、インキ組成中1乃至25重量%、好ましくは2乃至15重量%の範囲で用いられる。
【0011】
又、水溶性有機溶剤として、エタノール、プロパノール、ブタノール等のアルコール、エチレングリコール、プロピレングリコール、ジエチレングリコール等のグリコール、グリセリン、ソルビトール等の多価アルコール、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル等のエチレングリコールモノアルキルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル等のジエチレングリコールモノアルキルエーテル等の1種又は2種以上をインキの乾燥抑制や染料の溶解助剤として用いることができ、インキ組成中5乃至30重量%の範囲で用いられる。
又、必要に応じて、防腐剤、防錆剤、消泡剤等を添加することもできる。
【0012】
又、樹脂として、水溶性のアルキッド樹脂、アクリル樹脂、スチレンマレイン酸共重合物、セルローズ誘導体、ポリビニルピロリドン、ポリビニルアルコール、デキストリン等の1種又は2種以上を紙面への固着性や粘性付与のために用いることができ、インキ組成中1乃至30重量%の範囲で用いられる。
【0012】
【作用】
前記ポリオキシエチレンアルキルエーテルをボールペン用水性インキに添加することにより、インキ出が向上し、しかも潤滑効果により、ボールとボール抱持部の磨耗は減少する。又、なめらかな筆感が得られる。
【0013】
【実施例】
実施例1乃至8及び比較例1乃至5で作成したインキ組成を表1に示す。
【表1】
尚、表中の配合を示す数値は重量%を示す。
【0014】
表中の原料の内容を注番号に沿って説明する。
(1) フロキシン〔アイゼン(株)製、C.I.Acid Red92、C.I.45410〕
(2) タートラジン〔保土谷化学工業(株)製、C.I.Acid Yellow23、C.I.19140〕
(3) ブリリアントブルーFCF〔アイゼン(株)製、C.I.Acid Blue9、C.I.42090〕
(4) ローダミンB〔田岡科学工業(株)製、C.I.Basic Violet10、C.I.45170〕
(5) ウォーターブラック100〔オリエント化学工業(株)製、C.I.Direct Black19、C.I.35255〕
(6)C18H37O(CH2 CH2 O)4 H〔三洋化成工業(株)製〕
(7)C18H37O(CH2 CH2 O)7 H〔三洋化成工業(株)製〕
(8)C16H33O(CH2 CH2 O)14H〔三洋化成工業(株)製〕
【0015】
表1で表した配合物を60℃で加温しながら、1時間ミキサーにて攪拌した後、冷却して濾過することにより、本発明ボールペン用水性インキが得られる。
【0016】
実施例1及び比較例1の揺変性を有するインキを、先端部にボールペンチップ(直径0.5mm、内径0.32mmのステンレススチール製パイプに直径0.3mmの超硬合金製ボールを回動自在に抱持してなるチップ)を装着したインキ収容管に充填した後、インキの後端にインキ逆流防止剤を充填してボールペンとした。尚、前記インキ収容管はポリプロピレン製のパイプであり、前記インキ逆流防止剤はポリブテンよりなる組成物である。
【0017】
実施例2乃至8及び比較例2乃至5のインキを、直径0.5mmの超硬合金製ボールが、切削加工によりボール受け座を形成したステンレススチール製チップに抱持された筆記先端部を有し、前記筆記先端部の後部には、櫛溝状のインキ調節部材を備えるタイプのボールペンに直接内蔵した。
【0018】
前記実施例及び比較例のインキを内蔵したボールペンで、紙面上に筆記して、インキ消費量、ボール沈み量、及び筆感を測定した。
その結果を表2及び表3に示す。
【表2】
【表3】
尚、表中のインキ消費量の測定に関しては、自動筆記試験機で500m筆記した後、そのインキ消費量を算出した。
ボール沈み量に関しても同様に、自動筆記試験機で500m筆記した後、ボールとボール抱持部の磨耗寸法を測定して求めた。
ここで、自動筆記試験機での筆記条件は、筆記速度4m/分、筆記荷重100g、筆記角度70°である。
筆感についての判定結果は以下の通り。
◎:なめらかに筆記でき、かすれや線切れもない
○:若干なめらかな筆感に欠けるが、かすれや線切れはなく、通常の筆記は問題ない。
△:筆感はなめらかでなく、若干かすれや線切れが起こる。
×:筆感はなめらかでなく、かすれや線切れが起こる。
【0019】
【発明の効果】
前記インキ消費量、ボール沈み量及び筆感テストの結果より、本発明のボールペン用水性インキは紙面に筆記した際、インキ出が良く、かすれや線切れがないことは勿論、潤滑効果に優れ、滑らかな筆感を得ることのできるボールペン用水性インキを提供することができる。
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- 1995-04-27 JP JP12964095A patent/JP3569812B2/ja not_active Expired - Lifetime
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