JPH10183048A - ボールペン用油性インキ組成物 - Google Patents

ボールペン用油性インキ組成物

Info

Publication number
JPH10183048A
JPH10183048A JP34338696A JP34338696A JPH10183048A JP H10183048 A JPH10183048 A JP H10183048A JP 34338696 A JP34338696 A JP 34338696A JP 34338696 A JP34338696 A JP 34338696A JP H10183048 A JPH10183048 A JP H10183048A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
ink composition
resins
oil
writing
ball
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Withdrawn
Application number
JP34338696A
Other languages
English (en)
Inventor
Shigeru Okumura
茂 奥村
Toshiaki Takayanagi
利明 高柳
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Mitsubishi Pencil Co Ltd
Original Assignee
Mitsubishi Pencil Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Mitsubishi Pencil Co Ltd filed Critical Mitsubishi Pencil Co Ltd
Priority to JP34338696A priority Critical patent/JPH10183048A/ja
Publication of JPH10183048A publication Critical patent/JPH10183048A/ja
Withdrawn legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Inks, Pencil-Leads, Or Crayons (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 書き出し時のペン先からのインキの流出がス
ムースで、滑らかな運筆感が得られ、かつボールペンの
寿命に影響の及ばない筆記性能の保持性の優れたボール
ペン用油性インキ組成物を提供する。 【解決手段】 有機溶剤、着色剤、樹脂および脂肪酸を
含有するボールペン用油性インキにおいて、式 【化3】 で表されるビス〔(1−ベンゾトリアゾリル)メチル〕
ホスホン酸を含有させることを特徴とするボールペン用
油性インキ組成物。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はボールペン用油性イ
ンキ組成物に関するものである。
【0002】
【従来の技術】油性インキのボールペンの書き始めに、
ペン先からのスムースなインキの流出と滑らかな運筆感
を得るために、そのインキに着色剤、有機溶剤、樹脂な
ど以外にオレイン酸などの脂肪酸類が配合されている場
合が多い。しかし、これら脂肪酸類は、銅または銅合金
を腐食させる性質を有するため、ボールペンのチップが
それらの材料からなる場合、ボールペンの使用寿命すな
わち筆記性能の保持性を著しく短かくなるいう欠点があ
る。そのため、チップホルダーにステンレス鋼などの耐
腐食性金属を使用することが近年増加している。このチ
ップに使用されるステンレス鋼には高い切削加工性が要
求されるためにSUS304に代表されるような耐食性
のあるステンレス鋼はその特性から使用できない。従っ
て、油性ボールペンチップにはステンレスの中では比較
的耐食性に劣るが切削加工性に優れた快削ステンレスが
使用されている。しかしながら、この快削ステンレスは
インキ中に脂肪酸類などの酸が存在しかつ水分が2%以
上存在すると銅合金同様に腐食による品質劣化が起きや
すい。また、オレイン酸に代表される脂肪酸類の代わり
に他の物質を添加したり、種々の防錆剤を添加したイン
キも各種提案されているが、その効果が不十分である場
合が多い。さらに、ホルダーやボールなどのペン先部品
に樹脂やセラミックを使用りする方法が提案されている
が、樹脂部品は金属に比較して耐摩耗性が著しく劣るた
めにその劣化が激しく初期性能を維持できない。また、
セラミック部品ではインキが非常に濡れ難いため金属を
使用したチップに比較して良好な描線が得られなくかつ
経済性の面で大きく劣る。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、上記
問題点を解決することであり、書き出し時のペン先から
のインキの流出がスムースで、滑らかな運筆感が得ら
れ、かつボールペンの使用寿命に影響の及ぼさない筆記
性能の保持性の優れたボールペン用油性インキ組成物を
提供することである。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記課題
を解決するために鋭意研究を重ねた結果、特定の化学物
質をインキ組成物に含有させることによりその目的を達
成しうることを見出し、この知見に基づいて本発明を完
成するに至った。
【0005】本発明のボールペン用油性インキ組成物
は、有機溶剤、着色剤、樹脂および脂肪酸を含有するボ
ールペン用油性インキにおいて、式
【0006】
【化2】
【0007】で表されるビス〔(1−ベンゾトリアゾリ
ル)メチル〕ホスホン酸(以下BTA−PAという)を
含有させることを特徴とする。 BTA−PAの含有量
は、組成物全量に対して0.1〜5.0重量%が好まし
い。
【0008】
【発明の実施の形態】本発明のインキ組成物に用いられ
るBTA−PAの含有量は、組成物全量に対して0.1
〜5.0重量%が好ましい。この量が0.1重量%未満
では本発明の効果であるボールペンの使用寿命に影響の
及ぼさない筆記性能の保持性の優れたインキ組成物が得
られず、また5.0重量%を越えて添加しても効果に変
化はみられず経済的ではなく、更にボールペン用油性イ
ンキ組成物として経時安定性や乾燥性などの他の品質が
損なわれる場合もある。
【0009】本発明のインキ組成物に用いられる着色剤
としては、従来のボールペン用インキに使用されている
公知の染料、顔料が使用可能である。たとえば、油溶性
染料としては、使用する有機溶剤に可溶な染料、例えば
バリファーストカラー〔オリエント化学工業(株)製、
登録商標名〕、アイゼンスピロン染料、アイゼンSOT
染料〔保土谷化学工業(株)製、登録商標名〕などが挙
げられる。また、顔料としては、酸化チタン、カーボン
ブラック、金属粉などの無機系顔料、アゾレーキ、不溶
性アゾ顔料、キレートアゾ顔料、フタロシアニン顔料、
ペリレン、ペリレン顔料、アントラキノン顔料、キナク
リドン顔料、染料レーキ、ニトロ顔料、ニトロソ顔料な
どの有機顔料が挙げられる。これらの着色剤は、それぞ
れ単独で用いても良いし、2種以上混合して用いても良
く、また、染料と顔料を併用しても良い。その含有量は
インキ組成物の全重量に対して20〜70重量%の範囲
であることが好ましい。
【0010】本発明のインキ組成物に用いる有機溶剤
は、通常のボールペン用油性インキに用いられている溶
剤、すなわち、前記の着色剤を溶解または分散し、かつ
比較的高沸点であるものが使用される。たとえば、ベン
ジルアルコール、フェノキシエタノール、カービトール
類、セロソルブ類などが挙げられる。これらは単独で用
いてもよいし、2種以上混合して用いてもよく、その含
有量は組成物全量に基づき20〜70重量%の範囲であ
ることが好ましい。
【0011】本発明のインキ組成物における樹脂は、通
常のボールペン用油性インキに慣用されている樹脂、例
えばケトン樹脂、スルフォアミド樹脂、マレイン樹脂、
エステルガム、キシレン樹脂、アルキッド樹脂、フェノ
ール樹脂、ロジン樹脂、ポリビニルピロリドンなどが用
いられる。これらの樹脂は単独で用いてもよいし、2種
以上混合して用いてもよく、その含有量は、インキ組成
物全量に対して5〜30重量%の範囲である。これらの
樹脂はインキ組成物を高粘度に保つ作用をする。
【0012】本発明のインキ組成物に用いる脂肪酸とし
ては、炭素数12〜22個の高級脂肪酸、例えばラウリ
ン酸、ミリスチン酸、ステアリン酸などの飽和脂肪酸や
オレイン酸、リシノール酸、リノール酸などの不飽和脂
肪酸などが挙げられる。これらは単独で用いてもよい
し、2種以上混合して用いてもよく、その含有量は組成
物全量に対して0.5〜10重量%の範囲であることが
好ましい。
【0013】本発明のインキ組成物は、前記成分に加え
て、通常のボールペン用油性インキに用いられている他
の添加物、例えば界面活性剤、酸化防止剤、潤滑油など
を必要に応じて添加することもできる。
【0014】
【作用】本発明のインキ組成物は非常に高い筆記性能の
保持性がある。そのため本発明のインキ組成物を用いた
ボールペンは、書き出し時のペン先からのインキの流出
のスムースさや滑らかな運筆感を失われず使用寿命が長
い。この理由としては、添加されたBTA−PAがホル
ダー材質および超硬合金ボールに吸着するために、オレ
イン酸などの脂肪酸類の腐食作用を抑制するためと考え
られる。
【0015】
【実施例】つぎに実施例、比較例によって本発明を更に
詳細に説明する。実施例、比較例で調製されたインキ組
成物について下記の試験を行なった。試験用ボールペン
として、ポリプロピレンチューブ、黄銅チップあるいは
ステンレスチップ(ボールはともに超硬合金タングステ
ンカーバイドで、直径0.7mmである)を有するボール
ペンに所定のインキ組成物を充填して用いた。黄銅チッ
プおよびステンレスチップの両方について試験した。
【0016】書き出し時のかすれ長さ:所定のインキ組
成物を充填した試験用ボールペンを、捨て書き後、室温
に24時間放置した。このペンにより荷重100g、筆
記速度4.5m/分で直線書きし、そのかすれの長さを
測定した。 強制劣化試験:所定のインキ組成物を充填した試験用ボ
ールペンを、50℃80%RHの恒温恒湿槽内に所定時
間放置後、室温まで放冷し、手書きで螺旋筆記して筆記
性を調べた。 書き味:所定のインキ組成物を充填した試験用ボールペ
ンを用いて20名のブラインドテストを行い書き味の優
劣を調査した。
【0017】実施例 1 還流冷却器、撹拌機を備えた容器に下記成分を所定量投
入し、60℃、10時間撹拌し、不溶物を除いて黒色の
ボールペン用油性インキ組成物を得た。 BTA−PA 0.5重量部 染 料 (バリファーストブラック#1802)*1 20 〃 〃 (バリファーストイエロー#1105)*1 5 〃 〃 (スピロンバイオレットCRH)*2 15 〃 溶 剤 ベンジルアルコール 9.5 〃 〃 フェノキシエタノール 40.9 〃 樹 脂 ケトン樹脂 (ハイラック#111)*4 15 〃 〃 ポリビニルピロリドン(PVP K−90)*5 0.1 〃 脂肪酸 オレイン酸 4 〃
【0018】実施例 2 下記の配合で、実施例1と同様にして、青色のボールペ
ン用油性インキ組成物を調製した。 BTA−PA 0.9重量部 染 料 (バリファーストブルー#1603)*1 10 〃 〃 (ネプチューンブルーベース#634)*3 10 〃 溶 剤 ベンジルアルコール 4 〃 〃 フェノキシエタノール 45 〃 樹 脂 ケトン樹脂 (ハイラック#111)*4 15 〃 〃 ポリビニルピロリドン(PVP K−30)*5 10 〃 〃 ポリビニルピロリドン(PVP K−90)*5 0.1 〃 脂肪酸 リシノール酸 5 〃
【0019】 注 *1〔オリエント化学工業(株)製、登録商標名〕 *2〔保土谷化学工業(株)製、登録商標名〕 *3〔BASF製、登録商標名〕 *4〔日立化成(株)製、登録商標名〕 *5〔GAF製〕
【0020】実施例で得られたボールペン用油性インキ
組成物は、チップの材質に関係なく書き出し時のかすれ
長さは、どちらも3mm以下と極めて短く良好であり、強
制劣化試験については、120日間でも筆記可能であっ
た。
【0021】比較例 1 BTA−PAをベンジルアルコールに替える以外は、実
施例1と全く同様に行った。
【0022】比較例 2 BTA−PAをベンジルアルコールに替える以外は、実
施例2と全く同様に行った。
【0023】比較例で得られたボールペン用インキ組成
物は、書き出し時のかすれ長さ3mm以下と実施例と同じ
であるが、強制劣化試験については、黄銅チップでは4
0日間後に、ステンレスチップでも90日後には筆記不
能となり、実施例に比べてはるかに経時劣化が大きかっ
た。また、実施例、比較例のインキを充填した所定のボ
ールペンについて、書き味の優劣を調査したところ、比
較例と実施例との間に差は認められなかった。
【0024】
【発明の効果】本発明のボールペン用油性インキ組成物
は、経時劣化しにくい筆記性能の非常に高い保持性があ
る。そのため本発明のインキ組成物を用いて、書き出し
時のペン先からのインキの流出がスムースで滑らかな運
筆感を失われず使用寿命が長い、すなわち筆記性能の保
持性の優れたボールペンを提供することができる。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 有機溶剤、着色剤、樹脂および脂肪酸を
    含有するボールペン用油性インキにおいて、式 【化1】 で表されるビス〔(1−ベンゾトリアゾリル)メチル〕
    ホスホン酸を含有させることを特徴とするボールペン用
    油性インキ組成物。
  2. 【請求項2】前記ビス〔(1−ベンゾトリアゾリル)メ
    チル〕ホスホン酸を組成物全量に対して0.1〜5.0
    重量%含有してなる請求項1記載のボールペン用油性イ
    ンキ組成物。
JP34338696A 1996-12-24 1996-12-24 ボールペン用油性インキ組成物 Withdrawn JPH10183048A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP34338696A JPH10183048A (ja) 1996-12-24 1996-12-24 ボールペン用油性インキ組成物

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP34338696A JPH10183048A (ja) 1996-12-24 1996-12-24 ボールペン用油性インキ組成物

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH10183048A true JPH10183048A (ja) 1998-07-07

Family

ID=18361117

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP34338696A Withdrawn JPH10183048A (ja) 1996-12-24 1996-12-24 ボールペン用油性インキ組成物

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH10183048A (ja)

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
EP1721946A1 (de) * 2005-05-10 2006-11-15 J.S. Staedtler GmbH & Co KG Tinte mit verlängerter "Cap-Off Time"
JP2013247339A (ja) * 2012-05-29 2013-12-09 Tdk Corp 電子部品モジュールの製造方法
JP2016210828A (ja) * 2015-04-29 2016-12-15 株式会社パイロットコーポレーション ボールペン用油性インキ組成物及びそれを内蔵したボールペン

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
EP1721946A1 (de) * 2005-05-10 2006-11-15 J.S. Staedtler GmbH & Co KG Tinte mit verlängerter "Cap-Off Time"
JP2006316270A (ja) * 2005-05-10 2006-11-24 Js Staedtler Gmbh & Co Kg 延長された“キャップ開放時間”を有するインク
JP2013247339A (ja) * 2012-05-29 2013-12-09 Tdk Corp 電子部品モジュールの製造方法
JP2016210828A (ja) * 2015-04-29 2016-12-15 株式会社パイロットコーポレーション ボールペン用油性インキ組成物及びそれを内蔵したボールペン

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JPH0892519A (ja) 水性ボールペン用インキ組成物
JP2004067769A (ja) 水性ボールペン用インキ組成物及びその水性ボールペン
JP2006008974A (ja) ボールペン用油性インキ
JP2712273B2 (ja) ボールペン用インキ組成物
JPH10183048A (ja) ボールペン用油性インキ組成物
JPH11293174A (ja) 油性インキ組成物及び油性ボールペン
JPH09194784A (ja) 油性ボールペン用インキ組成物
JPH0848928A (ja) 油性ボールペン用インキ組成物
JP3683063B2 (ja) 水性ボールペン用インキ組成物
JP3259923B2 (ja) ボールペン用油性インキ組成物
JPH0848927A (ja) 油性ボールペン用インキ組成物
JP3569812B2 (ja) ボールペン用水性インキ
JPH10219174A (ja) ボールペン用油性インキ組成物
JP2001247806A (ja) 油性ボールペンインキ
JPH05214286A (ja) 油性ボールペン用インキ組成物
JPH0588749B2 (ja)
JP7280684B2 (ja) 筆記具用水性インク組成物
JP5598059B2 (ja) ボールペン用油性インキ組成物
JPH06157970A (ja) ボールペン用油性インキ組成物
JPH07196971A (ja) 油性ボールペン用インキ組成物
JPH08209055A (ja) 直液式水性ボールペン用インキ
JP2006063336A (ja) 油性ボールペン用インキ組成物
JPH11228900A (ja) 水性ボールペン用インキ組成物及びそれを充填した水性ボールペン
JP3259925B2 (ja) ボールペン用油性インキ組成物
JP4863586B2 (ja) ボールペン用油性インキ

Legal Events

Date Code Title Description
A300 Withdrawal of application because of no request for examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A300

Effective date: 20040302