JPH11228900A - 水性ボールペン用インキ組成物及びそれを充填した水性ボールペン - Google Patents

水性ボールペン用インキ組成物及びそれを充填した水性ボールペン

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JPH11228900A
JPH11228900A JP10034761A JP3476198A JPH11228900A JP H11228900 A JPH11228900 A JP H11228900A JP 10034761 A JP10034761 A JP 10034761A JP 3476198 A JP3476198 A JP 3476198A JP H11228900 A JPH11228900 A JP H11228900A
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water
ball
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ballpoint pen
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JP10034761A
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Shigeru Okumura
茂 奥村
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Mitsubishi Pencil Co Ltd
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Mitsubishi Pencil Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 長期間保管しても、ペン先に腐食が発生せ
ず、高い筆記性レベルを保持する水性ボールペン用イン
キ及びそれを充填したボールペンを提供すること。 【解決手段】 少なくとも化学式M2O・MoO3(但し
Mはアルカリ金属、NH4 +、アルカノールアミンの何れ
かである)で示されるモリブデン酸塩、着色剤及び水を
含有してなる水性ボールペン用インキ組成物である。又
それを充填したボールペンである。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、水性ボールペン用
インキ組成物及びそれを充填した水性ボールペンに関
し、特にペン先の耐腐食性を改良した水性ボールペン用
インキ及び水性ボールペンに関する。
【0002】
【従来の技術】水性ボールペンのペン先に用いられるボ
ールの金属材料としては超硬合金が用いられる。超硬合
金とは、元素周期律表のIVa、Va、VIa族の金属の炭
化物の粉末をFe、Co、Niの鉄族金属で焼結結合し
た合金であり、具体的にはWC−Co系、WC−TiC
−Ta(Nb)C−Co系などがある。この金属部材を
使用した場合、ボールの筆記による機械的耐摩耗性はよ
いが、インキ中に含まれる腐食成分のため金属部材が腐
食し、筆記不能となる問題があった。このような問題を
改良する目的で、ペン先に用いられている超硬合金ボー
ルにCr32を添加しているものが多い。
【0003】特公昭49−45333号公報には、腐食
抑制剤として、インキ中にベンゾトリアゾールを添加し
たインキが開示されている。しかしながら、超硬合金ボ
ールにCr32を添加しても、またインキ中にベンゾト
リアゾールを添加しても、耐腐食性は十分ではなく、長
期に保存した場合、筆記不能となる問題は未だ解決され
ていない。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、長期
保管してもペン先に腐食が発生せず、高い筆記性レベル
を保持できる水性ボールペン用インキ及びそれを充填し
たボールペンを提供するものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者は、前記課題を
解決するため、鋭意研究を行った結果、インキ組成物に
モリブデン酸塩を含有させることにより、前記目的を達
成し得ることを見いだし、この知見に基いて本発明を完
成した。
【0006】本発明の水性ボールペン用インキ組成物
は、少なくとも、化学式M2O・MoO3(但しMはアル
カリ金属、NH4 +、アルカノールアミンの何れかであ
る)で示されるモリブデン酸塩、着色剤及び水を含有し
てなる水性ボールペン用インキ組成物である。ここでモ
リブデン酸塩の含有量はMoO3として0.01〜1
0.0重量%であり、着色剤は0.05〜30重量%、
水は40〜90重量%含有するものである。
【0007】本発明の水性ボールペンは、M2O・Mo
3で示されるモリブデン酸塩、着色剤、および水を含
有する水性ボールペンインキを充填したインキ収容管、
ステンレス、真鍮及び洋白からなる群から選んだ少なく
とも一種からなる材質のチップホルダー、及び超硬合金
ボールを有するペン先を具備してなるものである。
【0008】
【発明の実施の形態】本発明の水性ボールペン用インキ
組成物に用いるモリブデン酸塩は化学式M2O・MoO3
(但しMはアルカリ金属、NH4 +、アルカノールアミ
ン)で示される化合物であり、インキ組成物中の含有量
はMoO3として0.01〜10.0重量%であり、よ
り好ましくは0.5〜5.0重量%である。0.01重
量%未満では、充分な耐腐食性は得られず、また10.
0重量%超では沈澱物を発生させるおそれがあるので不
適切である。
【0009】本発明のインキ組成物において、前記にお
いて水と記載した部分に水溶性有機溶剤を水と共に含ん
でもよい。その溶剤としてはエチレングリコール、プロ
ピレングリコール、グリセリンなどの水溶性多価アルコ
ール類、エチレングリコールモノメチルエーテル(メチ
ルセロソルブ)、エチレングリコールモノエチルエーテ
ル(エチルセロソルブ)、などのセロソルブ類、ジエチ
レングリコールモノメチルエーテル(メチルカルビトー
ル)、ジエチレングリコールモノエチルエーテル(エチ
ルカルビトール)などのカルビトール類、エチレングリ
コールモノエチルエーテルアセテートのようなグリコー
ルエーテルエステル類などが、挙げられる。その含有量
は、全組成物に対して、通常40重量%以下、好ましく
は5〜40重量%の範囲で選ばれる。40重量%を超え
ると、紙に書いた時、インキが裏抜けしたり、乾き難か
ったりして好ましくない。
【0010】本発明のインキ組成物中に用いられる着色
材としては、顔料又は水溶性染料である。顔料の種類に
ついては、特に制限はなく、従来水性インキ組成物に慣
用されている無機系及び有機系顔料の中から任意のもの
を使用することができる。無機顔料としては、例えば酸
化チタン、カーボンブラック、金属粉などが挙げられ
る。また有機系顔料としては、例えばアゾレーキ、不溶
性アゾ顔料、キレートアゾ顔料、フタロシアニン顔料、
ペリレン及びペリノン顔料、アントラキノン顔料、キナ
クリドン顔料、染料レーキ、ニトロ顔料、ニトロソ顔料
などが挙げられる。具体的には、フタロシアニンブルー
(C.I.74160)、フタロシアニングリーン
(C.I.74260)、ハンザイエロー3G(C.
I.11670)、ジスアゾエローGR(C.I.21
100)、パーマネントレッド4R(C.I.1233
5)、ブリリアントカーミン6B(C.I.1585
0)、キナクリドンレッド(C.I.46500)など
が使用できる。
【0011】水溶性染料としては、直接染料、酸性染
料、食用染料、塩基性染料、のいずれも用いることがで
きる。直接染料の一例を以下に記載する。C.I.ダイ
レクトブラック17、同19、同22、同32、同3
8、同51、同71、C.I.ダイレクトエロー4、同
26、同44、同50、C.I.ダイレクトレッド1、
同4、同23、同31、同37、同39、同75、同8
0、同81、同83、同225、同226、同227、
C.I.ダイレクトブルー1、同15、同71、同8
6、同106、同119等が挙げられる。
【0012】酸性染料の一例を以下に記載する。C.
I.アシッドブラック1、同2、同24、同26、同3
1、同52、同107、同109、同110、同11
9、同154、C.I.アシッドエロー7、同17、同
19、同23、同25、同29、同38、同42、同4
9、同61、同72、同79、同110、同141、同
127、同135、同142、C.I.アシッドレッド
8、同9、同14、同18、同26、同27、同35、
同37、同51、同52、同57、同82、同87、同
92、同94、同111、同129、同131、同13
8、同186、同249、同254、同265、同27
6、C.I.アシッドバイオレット15、同17、C.
I.アシッドブルー1、同7、同9、同15、同22、
同23、同25、同40、同41、同43、同62、同
78、同83、同90、同93、同103、同112、
同113、同158、C.I.アシッドグリーン3、同
9、同16、同25、同27等が挙げられる。
【0013】食用染料は、その大部分が直接染料又は酸
性染料に含まれるが、含まれないものの一例としては、
C.I.フードエロー3が挙げられる。塩基性染料の一
例を以下に記載する。C.I.ベーシックエロー1、同
2、同21、C.I.ベーシックオレンジ2、同14、
同32、C.I.ベーシックレッド1、同2、同9、同
14、C.I.ベーシックバイオレット1、同3、同
7、C.I.ベーシックグリーン4、C.I.ベーシッ
クブラウン12、C.I.ベーシックブラック2、同8
等が挙げられる。
【0014】これらの着色剤は、それぞれ単独で用いて
もよいし、2種類以上を組み合わせて用いてもよく、全
組成物中の含有量は、通常0.5〜30重量%、好まし
くは1〜15重量%の範囲である。30重量%を超えて
長期に保存した場合、顔料が凝集してしまったり、染料
が析出したりしてペン先につまり、筆記不良をおこす。
0.5重量%未満では、着色が弱くなり、紙に書いた時
の色相が分からなくなってしまうので好ましくない。
【0015】着色剤として顔料を用いた場合には、分散
剤を使用する必要がある。この分散剤は顔料粒子表面に
吸着して、水中に顔料を分散させる作用をするものであ
り、ノニオン・オニオン系界面活性剤や水溶性高分子が
用いられる。好ましくは水溶性高分子が用いられる。
【0016】ノニオン系界面活性剤としては、ポリオキ
シアルキレン高級脂肪酸エステル、多価アルコールの高
級脂肪酸部分エステル、糖の高級脂肪酸エステルなどが
あり、具体的にはグリセリンの脂肪酸エステル、ポリグ
リセリン脂肪酸エステル、プロピレングリコール脂肪酸
エステル、ペンタエリスリトール脂肪酸エステル、ポリ
オキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシ
エチレンソルビット脂肪酸エステル、ポリオキシエチレ
ングリセリン脂肪酸エステル、ポリエチレングリコール
脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンアルキルエーテ
ル、ポリオキシエチレンフィトステロール、ポリオキシ
エチレンポリオキシプロピレンアルキルエーテル、ポリ
オキシエチレンアルキルフェニルエーテル、ポリオキシ
エチレンヒマシ油、ポリオキシエチレンラノリン、ポリ
オキシエチレンラノリンアルコール、ポリオキシエチレ
ンアルキルアミン、ポリオキシエチレン脂肪酸アミド、
ポリオキシエチレンアルキルフェニルホルムアルデヒド
縮合物などがある。
【0017】アニオン系界面活性剤としては、高級脂肪
酸アミドのアルキル化スルフォン酸塩、アルキルアリル
スルフォン酸塩等があり、具体的にはアルキル硫酸塩、
ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸塩、N−アシ
ルアミノ酸塩、N−アシルメチルタウリン塩、ポリオキ
シエチレンアルキルエーテル酢酸塩、アルキルリン酸
塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテルリン酸塩など
がある。
【0018】水溶性高分子としては、ポリアクリル酸、
アクリル酸共重合体、マレイン酸樹脂等がある。具体的
には、アクリル樹脂、スチレンアクリル酸樹脂、スチレ
ンマレイン酸樹脂等の樹脂を塩の形にして水溶性にした
ものを用いる。塩を形成するアルカリ金属としては、ナ
トリウム、カリウムが代表的であり、アミンとしては、
モノ−、ジ−、又はトリ−メチルアミン等の脂肪族第1
から第3級アミン、モノ−、ジ又はトリ−プロパノール
アミン、メチルエタノールアミン、メチルプロパノール
アミン、ジメチルエタノールアミン等のアルコールアミ
ンその他アンモニア、モルホリン及びN−メチルホリン
等が代表的である。分散剤の配合量は、その組成中0.
1〜10重量%である。
【0019】本発明の組成物に用いる水は特に限定しな
いが、40〜90重量%が望ましい。40重量%未満で
は、相対的に溶剤や着色剤が多くなるため揮発しにく
く、紙に書いた時、インキが乾きにくくなってしまい、
90重量%を超えると、揮発し易くなって、ペン先が乾
燥し、筆記不良となるので好ましくない。
【0020】以上の他、本発明の組成物は必要に応じ
て、潤滑剤、防腐剤、pH調節剤、増粘剤、腐食抑制剤
を含有させることができる。潤滑剤としては、リノール
酸カリウム、リシノール酸ナトリウム、オレイン酸カリ
ウム、オレイン酸ナトリウムなどの脂肪酸塩、その他分
散剤として挙げた界面活性剤を挙げることができる。
【0021】防腐剤としては、フェノール、イソプロピ
ルメチルフェノール、ペンタクロロフェノールナトリウ
ム、安息香酸、安息香酸ナトリウム、デヒドロ酢酸、デ
ヒドロ酢酸ナトリウム、ソルビン酸、ソルビン酸カリウ
ム、2−ピリヂンチオール−1オキサイドナトリウム
塩、1,2−ベンズイソチアゾリン−3−オン、5−ク
ロル−2−メチル−4−イソチゾリン−3−オン、2,
4−チアゾリンベンズイミダゾール、パラオキシ安息香
酸エステルなどを挙げることができる。
【0022】pH調節剤としては、アミンまたは塩基、
例えばトリエタノールアミン、モノエタノールアミン、
ジエタノールアミン等の各種有機アミン、水酸化ナトリ
ウム、水酸化リチウム、水酸化カリウム等のアルカリ金
属の水酸化物の無機アルカリ剤、アンモニアなどを示す
ことができる。
【0023】増粘剤としては、天然系のアラビアガム、
トラガカントガム、グアーガム、ローカストビーンガ
ム、アルギン酸、カラギーナン、ゼラチン、カゼイン、
キサンタンガム、デキストリン、半合成系のメチルセル
ロース、エチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロー
ズ、カルボキシメチルセルロース、デンプングリコール
酸ナトリウム、アルギン酸プロピレングリコールエステ
ル、合成系のポリビニルアルコール、ポリビニルピロリ
ドン、ポリビニルメチルエーテル、ポリアクリル酸ナト
リウム、カルボキシビニルポリマー、ポリエチレンオキ
サイド、酢酸ビニルとポリビニルメチルピロリドンの共
重合体、アクリル樹脂のアルカリ金属塩などの水溶性高
分子を示すことができる。
【0024】腐食抑制剤としては、トリルトリアゾー
ル、ベンゾトリアゾール及びその誘導体、リン酸オクチ
ル、チオリン酸ジオクチル等の脂肪酸リン誘導体、イミ
ダゾール、ベンゾイミダゾールおよびその誘導体、2−
メルカプトベンゾチアゾール、オクチルメタンスルホン
酸、ジシクロヘキシルアンモニウム・ナイトライト、ジ
イソプロピルアンモニウム・ナイトライト、プロパルギ
ルアルコール、ジアルキルチオ尿素などが挙げられる。
【0025】本発明の水性インキ組成物は、インキ粘度
が1〜数mPa・sのものは中綿方式のボールペン、または
インキを直接貯留するインキタンクを有する貯留方式の
ボールペンに使用される。50〜2,000mPa・sのも
のは、主にインキ貯蔵体としてインキを直接貯留するチ
ューブを用いた構造のものに使用される。
【0026】本発明のボールペンとしては、中綿方式、
直液方式をあげることができる。中綿方式のボールペン
は、前記本発明のインキを吸蔵させた中綿を収容した軸
筒、その中綿に接続される繊維束等からなる中継芯、ボ
ールとチップホルダーからなるペン先などから構成され
る。
【0027】また直液方式のボールペンには2種類あ
り、前記本発明のインキを直接貯留するインキタンク、
インキタンク内の空気が温度上昇などによって、膨脹し
た場合、インキタンクから押し出されるインキをペン先
や空気孔からボタ落ちさせないために一時的に保留する
インキ保留体、ボール、チップホルダーからなるペン先
などから構成されるものと、前記本発明のインキを直接
貯留するチューブ、ボール、チップホルダーからなるペ
ン先などから構成されるものがある。また、水性ボール
ペンに使用されるチップホルダーは、ステンレス・スチ
ール、真鍮、洋白から選ばれた少なくとも一種の材質及
び超硬合金、ジルコニア、炭化珪素などのボールを有す
るペン先を装着させている。
【0028】本発明の水性インキ組成物は、ペン先の耐
腐食性に優れ、長期保管してもペン先に腐食を発生させ
ず、高い筆記性レベルを保つことができる。その防錆の
詳細な作用機構は明らかではないが、本発明で使用する
モリブデン酸塩は、ボールやチップホルダーの金属表面
に対し、不働態化剤として酸化膜を形成あるいは不溶性
のモリブデン酸化合物が形成され、腐食を防止している
ものと推測される。
【0029】〔実施例〕以下に実施例によって、本発明
を更に具体的に説明するが、本発明は、これらの実施例
によって何ら限定されるものではない。各実施例、比較
例で得られたインキの評価は、つぎの耐腐食試験1,2
の判定により行った。結果を表2に示す。
【0030】(耐腐食性試験1)試験管にインキを5g
入れ、そこにボールペンの筆記部である超硬合金ボール
及びそれを保持したホルダーを5個浸漬した後、栓をし
て70℃、30日間放置した。その後室温に戻し、ボー
ル及びホルダーの表面を光学顕微鏡にて観察した。
【0031】判定基準 ○:良好な金属光沢を有し、全く腐食は見られない。 △:金属光沢は弱くなっていて、わずかに腐食が見られ
る。 ▲:金属光沢は鈍く、金属表面に部分腐食が認められ
る。 ×:金属光沢はなく、金属表面全体に腐食が認められ
る。
【0032】また、実施例1〜12、比較例1〜15で
は所定のインキを中綿に吸蔵させ、軸筒に入れ、中継芯
とこの試験で得られたボールおよびチップホルダーを用
いて組み立てたペン先を装着させた水性ボールペンを組
立て筆感を調べた。実施例13〜21、比較例16〜2
7では、所定のインキをポリプロピレン製チューブに充
填し、その一端にこの試験で得られたボール及びチップ
ホルダーを用いて組み立てられたペン先を装着させた水
性ボールペンを組立て筆感を調べた。インキは各々のボ
ール及びホルダーを浸漬したものを用いた。筆感は、約
1.5cm高さの螺旋を10周描き下記の基準で判定し
た。
【0033】判定基準 ○:滑らかで安定した書味 △:ゴツゴツした硬い書味 ×:ゴツゴツした硬い書味で、かつ線切れ、方向性があ
る。
【0034】(耐腐食性試験2)実施例1〜12、比較
例1〜15では所定のインキを中綿に吸蔵させ、軸筒に
入れ、中継芯とこの試験で得られたボールおよびチップ
ホルダーを用いて組み立てたペン先を装着させた水性ボ
ールペンを組立て、実施例13〜21、比較例16〜2
7では、インキをポリプロピレン製チューブに充填し、
その一端にこの試験で得られたボール及びチップホルダ
ーを用いて組み立てられたペン先を装着させた水性ボー
ルペンを組み、360日間常温で横向に放置後チップ表
面を光学顕微鏡にて観察した。
【0035】判定基準 ○:良好な金属光沢を有し、全く腐食は見られない。 △:金属光沢は弱くなっていて、わずかな腐食が見られ
る。 ▲:金属光沢は鈍く、金属表面に部分腐食が認められ
る。 ×:金属光沢はなく、金属表面全体に腐食が認められ
る。 また、筆感を調べた。筆感は、約1.5cm高さの螺旋を
10周描き、下記の基準で判定した。 ○:滑らかで安定した書味 △:ゴツゴツした硬い書味 ×:ゴツゴツした硬い書味でかつ線切れ、方向性があ
る。
【0036】インキA 下記の配合で黒色水性ボールペン顔料ペンインキを調製
した。各成分を撹拌機にて3時間撹拌・混合した後サン
ドミルにて5時間分散し、更に、粗大粒子を遠心分離機
により除去することにより得た。 顔料:カーボンブラック 8.0重量% (三菱化成(株)製“カーボンブラックMA100”) 溶媒:グリセリン 10.0 溶媒:エチレングリコール 5.0 分散剤:スチレンアクリル酸樹脂アンモニウム塩 3.0 潤滑剤:オレイン酸カリウム 0.3 pH調節剤:トリエタノールアミン 0.5 防腐剤:1,2−ベンズイソチアゾリン−3−オン 0.1 (ゼネカ(株)製“Proxel BDN”) 腐食抑制剤:モリブデン酸ナトリウム 3.0 精製水: 70.1 合計 100.0
【0037】インキB 下記の配合で黒色水性ボールペン顔料インキを実施例A
と同様の方法で調製した。 顔料:カーボンブラック 8.0重量% (三菱化成(株)製“カーボンブラックMA100”) 溶媒:グリセリン 10.0 溶媒:エチレングリコール 5.0 分散剤:スチレンアクリル酸樹脂アンモニウム塩 3.0 潤滑剤:オレイン酸カリウム 0.3 pH調節剤:トリエタノールアミン 0.5 防腐剤:1,2−ベンズイソチアゾリン−3−オン 0.1 (ゼネカ(株)製“Proxel BDN”) 腐食抑制剤:モリブデン酸ナトリウム 3.0 腐食抑制剤:ベンゾトリアゾール 0.2 精製水: 69.9 合計 100.0
【0038】インキC 下記の配合で青色水性ボールペン顔料インキを実施例A
と同様の方法で調製した。 顔料:フタロシアニンブルー 8.0重量% (大日精化(株)製“Chromofine Blue 4965”) 溶媒:グリセリン 10.0 溶媒:プロピレングリコール 7.0 分散剤:スチレンマレイン酸樹脂アンモニウム塩 3.0 潤滑剤:リノール酸カリウム 0.5 pH調節剤:トリエタノールアミン 0.7 防腐剤:1,2−ベンズイソチアゾリン−3−オン 0.1 (ゼネカ(株)製“Proxel BDN”) 腐食抑制剤:モリブデン酸ナトリウム 1.0 精製水: 69.7 合計 100.0
【0039】インキD 下記の配合で黒色水性ボールペン染料インキを調製し
た。各成分を40〜60℃で1時間撹拌した後に冷却
し、更に濾過して得た。 染料:C.I.ダイレクトブラック#19 5.0重量% 溶媒:エチレングリコール 15.0 溶媒:リノール酸カリウム 0.3 pH調節剤:トリエタノールアミン 0.5 防腐剤:1,2−ベンズイソチアゾリン−3−オン 0.1 (ゼネカ(株)製“Proxel BDN”) 腐食抑制剤:モリブデン酸ナトリウム 0.5 精製水: 78.6 合計 100.0
【0040】インキE 下記の配合で赤色水性ボールペン染料インキを調製し
た。各成分を室温で3〜4時間撹拌した後に濾過した。 染料:エオシン(C.I.アシッドレッド87) 4.0重量% 溶媒:エチレングリコール 30.0 増粘剤:グアーガム 4.0 潤滑剤:オレイン酸カリウム 0.1 防腐剤:1,2−ベンズイソチアゾリン−3−オン 0.1 (ゼネカ(株)製“Proxel BDN”) 腐食抑制剤:モリブデン酸アンモニウム 0.5 精製水: 60.3 合計 100.0
【0041】インキF 下記の配合で黒色水性ボールペン顔料インキを調製し
た。下記成分のうちポリアクリル酸Naを除く各成分を
撹拌機にて3時間撹拌・混合した後サンドミルにて5時
間分散し、更に、粗大粒子を遠心分離機により除去し、
その後室温で撹拌しながらポリアクリル酸Naをゆっく
りと加えた後に更に3〜4時間撹拌してから濾過して得
た。 顔料:カーボンブラック 7.0重量% (三菱化成(株)製“カーボンブラックMA100”) 溶媒:グリセリン 20.0 分散剤:スチレンアクリル酸樹脂アンモニウム塩 2.0 増粘剤:ポリアクリル酸Na 2.0 潤滑剤:オレイン酸カリウム 0.1 pH調節剤:トリエタノールアミン 0.5 防腐剤:1,2−ベンズイソチアゾリン−3−オン 0.1 (ゼネカ(株)製“Proxel BDN”) 腐食抑制剤:モリブデン酸ナトリウム 3.0 精製水: 65.3 合計 100.0
【0042】インキG インキAにおいてモリブデン酸ナトリウムを除き、その
量の水を加えた以外はインキAと同様にして黒色水性ボ
ールペン顔料インキを得た。 インキH インキBにおいてモリブデン酸ナトリウムを除き、その
量の水を加えた以外はインキBと同様にして黒色水性ボ
ールペン顔料インキを得た。 インキI インキCにおいてモリブデン酸ナトリウムを除き、その
量の水を加えた以外はインキCと同様にして青色水性ボ
ールペン顔料インキを得た。 インキJ インキDにおいてモリブデン酸ナトリウムを除き、その
量の水を加えた以外はインキDと同様にして黒色水性ボ
ールペン染料インキを得た。 インキK インキEにおいてモリブデン酸ナトリウムを除き、その
量の水を加えた以外はインキEと同様にして赤色水性ボ
ールペン染料インキを得た。 インキL インキEにおいてモリブデン酸ナトリウムを除き、その
量のベンゾトリアゾールを加えた以外はインキEと同様
にして赤色水性ボールペン染料インキを得た。 インキM インキFにおいてモリブデン酸ナトリウムを除き、その
量の水を加えた以外はインキFと同様にして黒色水性ボ
ールペン顔料インキを得た。
【0043】実施例1〜24、比較例1〜27 インキ収容管に所定のインキ(表1)を充填し、チップ
のボール(直径0.5mm)とホルダーの材質を表1に示
すようにかえて水性ボールペンを組み立てた。その耐食
性試験の結果を表2に示す。
【0044】
【表1】
【0045】
【表2】
【0046】
【表3】
【0047】
【表4】
【0048】
【発明の効果】実施例、比較例の結果より明らかな如
く、モリブデン酸塩を配合した本発明の水性ボールペン
用インキは、長期間保管しても、ペン先に腐食が発生せ
ず、高い筆記性レベルを保つことができるものである。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 少なくとも、化学式M2O・MoO3(但
    しMはアルカリ金属、NH4 +、アルカノールアミン)で
    示されるモリブデン酸塩と、着色剤、水を含有してなる
    水性ボールペン用インキ組成物。
  2. 【請求項2】 少なくとも、モリブデン酸塩をMoO3
    として0.01〜10.0重量%含有してなる請求項1
    記載の水性ボールペン用インキ組成物。
  3. 【請求項3】 少なくとも、モリブデン酸塩をMoO3
    として0.01〜10.0重量%、着色剤を0.5〜3
    0重量%、および水を40〜90重量%含有してなる請
    求項1記載の水性ボールペン用インキ組成物。
  4. 【請求項4】 請求項1記載の水性ボールペン用インキ
    組成物を収容するホルダー、ステンレス、真鍮および洋
    白よりなる群より選ばれた少なくとも一種の材質からな
    るチップホルダー、および超硬合金ボールを有するペン
    先とを少なくとも具備してなる水性ボールペン。
JP10034761A 1998-02-17 1998-02-17 水性ボールペン用インキ組成物及びそれを充填した水性ボールペン Withdrawn JPH11228900A (ja)

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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2004018675A (ja) * 2002-06-17 2004-01-22 Sakura Color Prod Corp 水性インキ組成物
JP2008201821A (ja) * 2007-02-16 2008-09-04 Asahi Kasei Chemicals Corp 金属顔料組成物
JP2016216622A (ja) * 2015-05-21 2016-12-22 株式会社パイロットコーポレーション ボールペン用水性インキ組成物及びそれを内蔵したボールペン

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