JP2004018675A - 水性インキ組成物 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】顔料分散剤により水中に顔料を分散させた水性顔料分散体を用いた水性インキ組成物において、顔料分散剤が、カルボキシル基含有化合物のアルカリ塩を含有しており、かつ当該アルカリ塩がアンモニウム塩と難揮発性アルカリ塩を含有していることを特徴とする水性インキ組成物。
【選択図】 なし
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、水性顔料分散体を用いた水性インキ組成物に関する。本発明の水性インキ組成物は各種用途に適用できる。特にサインペン、ボールペン、フェルトペン、筆ペン等の筆記具用の水性インキ組成物として有用である。
【0002】
【従来の技術】
従来より、水中に顔料を分散させた水性顔料分散体を用いた水性インキでは、水性顔料分散体における顔料分散剤として、カルボキシル基を有する樹脂のアルカリ塩が用いられている。カルボキシル基を有する樹脂をアルカリ可溶化させるアルカリ物質としては、水酸化ナトリウム、アンモニア、トリエタノールアミン等が用いられている。
【0003】
また筆記具用の水性インキでは、筆跡直後の耐水性を発現させるために、顔料分散剤をアルカリ可溶化させるアルカリ物質としてアンモニア等の揮発性アルカリ物質が一般に用いられている。しかし、揮発性アルカリ物質を用いた場合にはペン先での湿潤確保に係わるキャップオフ性が悪い。一方、キャップオフ性の点からは、アルカリ物質として水酸化ナトリウム、トリエタノールアミン等の難揮発性アルカリ物質が用いられる。しかし、難揮発性アルカリ物質を用いた場合には、筆跡直後の耐水性が悪い。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、カルボキシル基含有化合物のアルカリ塩を顔料分散剤とする水性顔料分散体を用いた水性インキ組成物であって、筆跡直後の耐水性とキャップオフ性の両特性に優れる水性インキ組成物を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、上記課題を解決すべく鋭意研究したところ、以下に示す水性インキ組成物により、上記目的を達成できることを見出し本発明を完成するに至った。
【0006】
すなわち本発明は、顔料分散剤により水中に顔料を分散させた水性顔料分散体を用いた水性インキ組成物において、
顔料分散剤が、カルボキシル基含有化合物のアルカリ塩を含有しており、かつ当該アルカリ塩がアンモニウム塩と難揮発性アルカリ塩を含有していることを特徴とする水性インキ組成物に関する。
【0007】
上記本発明の水性インキ組成物では、顔料分散剤として、カルボキシル基がアンモニウム塩と難揮発性アルカリ塩となっている化合物を用いる。そのため、筆記直後にはアンモニウム塩が揮発する結果、実質的に低酸価のカルボキシル基含有化合物を用いた場合と同様の状態となり筆跡直後の耐水性を満足することができる。なお、顔料分散剤の調製に、低酸価のカルボキシル基含有化合物を用いることにより耐水性を向上させることができるが、その場合には、カルボキシル基含有化合物が低酸価のため水への溶解性が困難である。また分散安定性が不十分な場合もある。これに対し、本発明では従来と同様の水への溶解性が良好な酸価のカルボキシル基含有化合物を用いることができる。一方、顔料分散剤は、難揮発性アルカリ塩を有しているため、ペン先においては、カルボキシル基含有化合物の溶解性が確保されてキャップオフ性を満足することができる。
【0008】
前記水性インキ組成物において、カルボキシル基含有化合物の難揮発性アルカリ塩が、アルカリ金属塩であることが好ましい。
【0009】
前記水性インキ組成物において、カルボキシル基含有化合物のアンモニウム塩と難揮発性アルカリ塩の割合がモル比で、1:10〜10:1であることが好ましい。アンモニウム塩と難揮発性アルカリ塩の割合は、アルカリ物質によりアルカリ塩化されているカルボキシル基の割合である。当該割合は、水性インキ組成物が適用される用途に応じて適宜に決定されるが、筆跡直後の耐水性とキャップオフ性の両特性のバランスから、前記範囲とするのが好ましい。前記割合は1:7:〜7:1、さらには1:5〜5:1であることが好ましい。
【0010】
また筆跡直後の耐水性を満足させるうえからは、難揮発性アルカリ塩に係わるカルボキシル基含有化合物の酸価(カルボキシル基含有化合物の酸価から、アンモニウム塩に係わる酸価を引いた値)が30〜140KOHmg/gになるように調整するのが好ましい。筆記後にはアンモニウム塩が揮発することから、アンモニウム塩の揮発後に、かかる低酸価に調整されたカルボキシル基含有化合物の難揮発性アルカリ塩を用いることで耐水性に優れた水性インキ組成物を提供できる。前記難揮発性アルカリ塩に係わるカルボキシル基含有化合物の酸価は140KOHmg/g以下、好ましくは130KOHmg/g以下、さらには120KOHmg/g以下であるのが好ましい。一方、キャップオフ性の点から前記酸価は30KOHmg/g以上、さらには50KOHmg/g以上であるのが好ましい。
【0011】
また本発明の水性インキ組成物は、尿素化合物を含有することが好ましい。水性インキ組成物において、尿素化合物は湿潤剤として用いられ、水性インキ組成物のキャップオフ性を向上させる。一方、キャップオフ性を向上させようとして、尿素化合物の使用量を多くすると、ペン先において結晶の析出が生じ、使用し難くなる。本発明の水性インキ組成物は、前述の通り、キャップオフ性に優れており、尿素化合物を適度に配合することにより、不具合を生じさせることなく湿潤効果を向上できる。
【0012】
また本発明の水性インキ組成物は、湿潤溶剤を含有する場合にも好適に用いることができる。湿潤溶剤を用いることにより、キャップオフ性を向上させることができる。
【0013】
前記本発明の水性インキ組成物は、筆記具用の水性インキ組成物として有用である。特に、筆跡直後の耐水性がよく、キャップオフ性にも優れる。
【0014】
【発明の実施の形態】
以下本発明の水性インキ組成物について説明する。
【0015】
本発明の水性インキ組成物は水性顔料分散体を用いている。水性顔料分散体は、カルボキシル基含有化合物のアルカリ塩であって、当該アルカリ塩がアンモニウム塩と難揮発性アルカリ塩を含有するものを顔料分散剤として用い、当該顔料分散剤により水中に顔料を分散させたものである。
【0016】
前記カルボキシル基含有化合物は顔料分散剤として機能しうるものを特に制限なく使用できる。カルボキシル基含有化合物の酸価は特に制限されないが、水への溶解性、顔料分散安定性の点から、80〜250KOHmg/g程度のものが好ましい。特に110〜200KOHmg/gが好ましい。前記顔料分散剤は、通常、親水部と疎水部を有し、親水部にはカルボキシル基を有する。
【0017】
前記カルボキシル基含有化合物の具体例としては、カルボキシル基含有モノマーと疎水性モノマーの共重合体があげられる。カルボキシル基含有モノマーとしては、たとえば、アクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸等の一塩基酸、イタコン酸、マレイン酸等の二塩基酸、さらには二塩基酸の無水物、その半エステル等があげられる。疎水性モノマーとしては、たとえば、スチレン、α−メチルスチレン、ビニルトルエン等の芳香族系モノマー、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル等のアクリル酸エステル、同メタクリル酸エステル、α−オレフィン、酢酸ビニル等のビニルエステル等が例示される。前記共重合体は、カルボキシル基含有モノマーと疎水性モノマーを適宜に組み合わせて、その酸価が前記範囲になるように調整されたものを用いる。前記共重合体としては、スチレン−(メタ)アクリル酸系共重合体、スチレン−マレイン酸系共重合体、(メタ)アクリル酸エステル−(メタ)アクリル酸系共重合体、スチレン−(メタ)アクリル酸エステル−(メタ)アクリル酸系共重合体、スチレン−(メタ)アクリル酸エステル−マレイン酸系共重合体等が好ましい。特にスチレン−(メタ)アクリル酸系共重合体、スチレン−(メタ)アクリル酸エステル−(メタ)アクリル酸系共重合体に代表される、疎水性モノマーとしてスチレンを、親水性モノマーであるカルボキシル基含有モノマーとしてアクリル酸を含有する共重合体が好ましい。なお、共重合体はオリゴマー、ポリマーのいずれでもよい。重量平均分子量は特に制限されないが、通常、1500〜20000程度である。
【0018】
前記カルボキシル基含有化合物のカルボキシル基のアルカリ塩化には、アンモニアと難揮発性アルカリ物質を用いる。難揮発性アルカリ物質は、常温(23℃)において、揮発しないものを特に制限なく使用できる。難揮発性アルカリ物質は、沸点が50℃以上、好ましくは100℃以上、さらに好ましくは200℃以上である。難揮発性アルカリ物質としては、たとえば、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化リチウム等のアルカリ金属の水酸化物、トリエタノールアミン、ジエタノールアミン、モノエタノールアミン、ジメチルエタノールアミン、トリエチルアミン、モルホリン等のアミン化合物等があげられる。これらの難揮発性アルカリ物質のなかでも、カルボキシル基がアルカリ金属塩になるアルカリ金属の水酸化物が好ましい。特に水酸化ナトリウムが好ましい。
【0019】
カルボキシル基含有化合物のアルカリ塩化は、アンモニウム塩と難揮発性アルカリ塩の割合を、好ましくは前記範囲になるように調製する。なお、アルカリ塩化は、カルボキシル基含有化合物が水に溶解できる程度にカルボキシル基をアルカリ塩化する。通常は、カルボキシル基の全部をアルカリ塩化することができる量またはそれ以上の難揮発性アルカリ物質を加えて中和する。アルカリ塩化後には、さらに水を加えて顔料分散剤を含有する水溶液の濃度を適宜に調整することができる。前記カルボキシル基含有化合物のアルカリ塩化にあたっては、これにアルカリ物質を含有する水溶液を加えることにより行うことができる。アルカリ塩化は、アンモニウム塩化と難揮発性アルカリ塩化を同じに行うこともでき、順次に行うことができる。
【0020】
水性顔料分散体は、前記顔料分散剤により、前記顔料を分散することにより調製する。水性顔料分散体の調製にあたっては、さらに水を加えて粘度を調整することができる。顔料としては、各種有機顔料、無機顔料を特に制限なく使用できる。たとえば、カーボンブラック、キナクドリン系顔料、アゾ系染料、フタロシアニン系顔料、ジオキサン系顔料、アントラキノン系顔料、ペリレン系顔料、アンサンスロン系顔料、ペリノン系顔料、アゾメチン系顔料等があげられる。顔料の粒径は特に制限されないが、通常、0.02〜0.5μm程度とするのが好適である。顔料分散剤(固形分)の使用量は、通常、顔料100重量部に対して5〜100重量部程度、さらには10〜50重量部とするのが好適である。水性顔料分散体中の顔料の割合は、その割合が多くなると粘度が上昇しやすくなるため、通常、1〜50重量%程度、好ましくは3〜20重量%である。
【0021】
本発明の水性インキ組成物は、前記水性顔料分散体を用いて調製する。なお、水性インキ組成物の調製にあたっては水を加えて粘度を調整することができる。水性インキ組成物は、サインペン等の筆記具では詰まりやすくなるため、その割合が少なくなると、着色が薄くなるため、通常、その不揮発分濃度が3〜30重量%程度、さらには5〜20重量%程度に調製するのが好ましい。
【0022】
前記水性インキ組成物の調製にあたっては、常法に従って適宜に分散機等を用いて撹拌し、分散される。水性顔料分散体には、湿潤剤、湿潤溶剤の他に、pH調整剤、防腐剤、防カビ剤、酸化防止剤、粘度調整剤等の添加剤が適宜に加えられる。また、水性顔料分散体の調製にあたっても同様の添加剤を加えることができる。
【0023】
湿潤剤としては、尿素化合物が好適に用いられる。尿素化合物としては、尿素、チオ尿素、エチレン尿素、ジメチル尿素、ジエチルチオ尿素、エチル尿素、メチル尿素、エチレンチオ尿素等があげられる。湿潤剤(尿素化合物)を配合する場合には、水性インキ組成物の25重量%以下とするのが好ましい。さらには3〜25重量%程度、5〜18重量%程度とするのが好ましい。
【0024】
湿潤溶剤としては、たとえば、グリセリン、ジグリセリン、トリグリセリン、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、トリプロピレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール等のグリコール類、糖、さらにはその誘導体等があげられる。湿潤溶剤を配合する場合には、水性インキ組成物の60重量%以下とするのが好ましい。さらには、3〜60重量%程度、5〜50重量%程度とするのが好ましい。
【0025】
pH調整剤としては、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化リチウム等のアルカリ金属の水酸化物、トリエタノールアミン、ジエタノールアミン、モノエタノールアミン、ジメチルエタノールアミン、モルホリン、トリエチルアミン等のアミン化合物、アンモニア等があげられる。
【0026】
また本発明の水性インキ組成物には界面活性剤を加えて表面張力を低下することができる。界面活性剤としては、アルキルベンゼンスルホン酸、アルキルスルホコハク酸、アルキルリン酸エステル、アルキル硫酸エステル、アルキルフェニルリン酸エステル等のアニオン系界面活性剤、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンアルキルアリルエーテル、ソルビタンエステル類、アルキルスルホコハク酸、アルキルリン酸エステル、アセチレンジオール、アセチレンジオールのポリオキシエチレン付加物等のノニオン系界面活性剤があげられる。界面活性剤の使用量が多くなると滲みやすく、分散安定性が悪くなるため水性インキ組成物の0.01〜3重量%程度、さらには0.1〜1重量%とするのが好ましい。
【0027】
さらに表面張力の調整には水溶性有機溶剤を用いることができる。水溶性有機溶剤としては、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、エチレングリコールモノイソプロピルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル等のアルキレングリコールモノアルキルエーテル、ジエチレングリコール、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジプロピレンエチレングリコールモノメチルエーテル等のジアルキレングリコールまたはそのモノアルキルエーテル、3−メトキシブタノール等があげられる。
【0028】
【実施例】
以下、本発明の具体例を実施例等について説明する。
【0029】
なお、各例において用いたカルボキシル基含有化合物(樹脂A、樹脂B)は、いずれも疎水性モノマーとしてスチレン、親水性モノマーとしてアクリル酸を含有する共重合体である。樹脂Aとしては、「ジョンクリル683」(ジョンソンポリマー社製,酸価160,重量平均分子量8000)、樹脂Bとしては、「ジョンクリル678」(ジョンソンポリマー社製,酸価215,重量平均分子量8500)を用いた。
【0030】
(顔料分散剤1〜10の調製)
イオン交換水を撹拌しながら、樹脂Aまたは樹脂Bを加え、室温下で撹拌した。次いで、表1に示す水酸化ナトリウムおよび25重量%のアンモニア水を加えた後、60℃まで昇温しアルカリ塩化を行った。樹脂が溶解したことを確認してから室温まで冷却攪拌した。顔料分散剤1〜10を得た。なお、顔料分散剤1〜10中の各成分の割合(重量%)を表1に示す。
【0031】
【表1】
表1中の数値は重量%である。
【0032】
(水性顔料分散体の調製)
前記顔料分散剤1〜5を用いて、表2に示す配合の分散体配合1の組成物を混合撹拌した後、脱泡した。次いで、前記組成物を公知のビーズミルで分散して水性顔料分散体を得た。前記顔料分散剤1〜5に対応して、これを黒分散体1〜5とした。
【0033】
一方、前記顔料分散剤6〜10を用いて、表2に示す配合の分散体配合2の組成物を混合撹拌した後、脱泡した。次いで、前記組成物を公知のビーズミルで分散して水性顔料分散体を得た。前記顔料分散剤6〜10に対応して、これを青分散体1〜5とした。
【0034】
【表2】
表4中の顔料aとしては「モナーク800」(キャボット社製,カーボンブラック)、顔料bとしては「ファストゲンブルーTGR」(大日本インキ化学工業(株)製,フタロシアニンブルー)、を用いた。
【0035】
実施例1〜6、比較例1〜4(水性インキ組成物の調製)
前記黒分散体1〜5、青分散体1〜5を用いて、表3に示す配合1または配合2の組成物を混合撹拌した後、遠心分離によって粗大粒子を除去して水性インキ組成物を得た。なお、表4に各例に用いた前記黒分散体1〜5、青分散体1〜5を示す。
【0036】
【表3】
表3中、ホスファノールPE−510(界面活性剤,東邦化学(株)製)、サンモリン0T−70(界面活性剤,三洋化成工業(株)製)、プロクセルXL−2(防腐剤,アビシア(株)製)、コートサイドH(防カビ剤,武田薬品工業(株)製)である。
【0037】
実施例および比較例で得られた水性インキ組成物を用いて、ピグマサインペン(登録商標)を作成し、以下の耐水性およびキャップオフ性を評価した。結果を表4に示す。
【0038】
(耐水性)
上記サインペンを用い、AHケント紙(6行)に手書きで連続4回V字を筆記後、所定時間毎(30秒、60秒)に水道水を軽く含ませた筆(サクラ画筆ネオセブロン(登録商標)平型−ENF14号)で筆記線を一定方向に2回なぞり、乾燥後の滲みの程度を以下の基準で5段階に評価した。V字一辺は10〜15mm、筆記速度はV字2個で1秒程度とした。評価は3回行った。その平均値を示す。
<評価基準>
5:滲みがでない。
3:始点、終点からにじみあり。
1:線全体から滲みあり。
【0039】
(キャップオフ性)
上記サインペンを用い、20℃、65%RHの環境下で、キャップを外した状態で5時間横置き放置し、その後に筆記状態に異常が生じるか否かを評価した。評価は直径15cmの連続円を10個書いたときの筆跡のカスレの状態を以下の基準で評価した。評価は3回行った。その平均値を示す。
<評価基準>
5:カスレ1丸以内で正常筆記可能。
4:カスレ2以内で正常筆記可能。
3:カスレ5以内で正常筆記可能。
2:カスレ9以内で正常筆記可能。
1:全てカスレ。
【0040】
【表4】
表4から、実施例の水性インキ組成物は筆記直後の耐水性、キャップオフ性の特性を満足できることが認められる。一方、比較例の水性インキ組成物は筆記直後の耐水性またはキャップオフ性のいずれかが不良である。
Claims (6)
- 顔料分散剤により水中に顔料を分散させた水性顔料分散体を用いた水性インキ組成物において、
顔料分散剤が、カルボキシル基含有化合物のアルカリ塩を含有しており、かつ当該アルカリ塩がアンモニウム塩と難揮発性アルカリ塩を含有していることを特徴とする水性インキ組成物。 - カルボキシル基含有化合物の難揮発性アルカリ塩が、アルカリ金属塩であることを特徴とする請求項1記載の水性インキ組成物。
- カルボキシル基含有化合物のアンモニウム塩と難揮発性アルカリ塩の割合がモル比で、1:10〜10:1であることを特徴とする請求項1または2記載の水性インキ組成物。
- さらに、尿素化合物を含有していることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の水性インキ組成物。
- さらに、湿潤溶剤を含有していることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の水性インキ組成物。
- 筆記具用に適用される請求項1〜5のいずれかに記載の水性インキ組成物。
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