JP2001271020A - 水性ボールペン用インキ組成物 - Google Patents

水性ボールペン用インキ組成物

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JP2001271020A
JP2001271020A JP2000087315A JP2000087315A JP2001271020A JP 2001271020 A JP2001271020 A JP 2001271020A JP 2000087315 A JP2000087315 A JP 2000087315A JP 2000087315 A JP2000087315 A JP 2000087315A JP 2001271020 A JP2001271020 A JP 2001271020A
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aqueous
ball
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JP2000087315A
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Hideyuki Ikoma
英行 生駒
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Mitsubishi Pencil Co Ltd
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Mitsubishi Pencil Co Ltd
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    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C09DYES; PAINTS; POLISHES; NATURAL RESINS; ADHESIVES; COMPOSITIONS NOT OTHERWISE PROVIDED FOR; APPLICATIONS OF MATERIALS NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
    • C09DCOATING COMPOSITIONS, e.g. PAINTS, VARNISHES OR LACQUERS; FILLING PASTES; CHEMICAL PAINT OR INK REMOVERS; INKS; CORRECTING FLUIDS; WOODSTAINS; PASTES OR SOLIDS FOR COLOURING OR PRINTING; USE OF MATERIALS THEREFOR
    • C09D11/00Inks
    • C09D11/16Writing inks
    • C09D11/18Writing inks specially adapted for ball-point writing instruments

Abstract

(57)【要約】 【課題】 長期保管においてもインキ組成が変化するこ
となく、耐裏抜け性が良好で、かつ、優れた描線乾燥性
の全てを同時に満足させる水性ボールペン用インキを提
供すること。 【解決手段】 少なくとも、水と、着色剤とを含有する
水性ボールペン用インキ組成物において、ブチルセロソ
ルブおよびブチルカルビトールから選ばれる少なくとも
1種の描線乾燥性向上剤を組成物全量に対し0.1〜
2.5重量%含有し、表面張力が16〜45mN/mで
あることを特徴とする水性ボールペン用インキ組成物お
よびこれを内蔵する水性ボールペン。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、描線乾燥性が改良
された水性ボールペン用インキ組成物およびそれを利用
した水性ボールペンに関するものである。
【0002】
【従来の技術】水性ボールペンの描線乾燥性は、インキ
の紙への浸透性、インキの蒸発乾燥速度および単位面積
あたりのインキ流出量に大きく依存している。特に単位
面積あたりのインキ流出量によって、付与させる描線乾
燥性のレベルは異なり、今まで一般的に使用されてきた
水性ボールペンにおける筆記時のインキ流出量(4.5
×10-3mg/mm2未満)であれば、紙への浸透性や
インキ蒸発乾燥速度について特に向上を図ることなく、
従来あるインキにおいても必要な描線乾燥性を維持する
事が出来た。しかし、水性ボールペンにおいて太い描線
を得るためにボール径をφ0.7mmより大きくした
り、濃厚な描線を得ようとする場合には、多くの場合、
筆記時のインキ流出量が4.5×10-3〜10.0×1
-3mg/mm2となり、紙への浸透性、あるいはイン
キ乾燥速度のどちらかを向上させなければ、実用に耐え
うる程度の描線乾燥性を得ることが出来なかった。
【0003】しかし、水性ボールペンの場合、インキ蒸
発乾燥速度を向上させることは、ペン先からのドライア
ップ等によるペン先でのインキの目詰まりと直結する問
題であり、安易にインキ乾燥速度を向上させることは現
実的ではない。また目詰まり対策としてボールペンチッ
プにおけるボール周辺のクリアランスを大きく設定する
ことも考えられるが、この方法では、直流、吹き出し等
の新たな問題が発生する場合があり、特に粘度の低い
(1〜10mPa・s)インキを用いる水性ボールペン
においてその傾向が顕著であった。
【0004】従って、十分な描線乾燥性を得るための取
り組みとしては、一般にインキの紙への浸透性を向上さ
せる方法が採用されてきた。従来、水性インキの紙への
浸透性を向上させる手段として、インキ中に多量の界面
活性剤を添加し、インキの表面張力を下げる方法が取ら
れてきたが、この場合には、紙等の被筆記面の種類によ
っては滲みが非常に多く発生したり、インキが紙面の裏
まで浸透してしまう(以下、「裏抜け性」と称す)現象
が発生してしまう事が多い。また、インキのボールペン
チップに対する表面張力も大きく低下し、ペン体の長期
保管時における環境変化に伴う品質等(直流・吹き出し
性等)に問題が生じていた。
【0005】また、上記の問題を解決する方法としてシ
クロヘキサノール等の比較的表面張力の高いアルコール
系溶剤をインキに配合することも考えられるが、この場
合、配合されたインキがアルコール系溶剤特有の異臭を
放ち、水性ボールペンの商品価値を下げたり、水への溶
解性が小さいため、長期保管中やペン先解放時にペン先
より水分が蒸発した際に、インキ中の他の成分の溶解性
を悪化させる恐れがあった。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、長期保管に
おいてもインキ組成が変化することなく、耐裏抜け性が
良好で、かつ、優れた描線乾燥性の全てを同時に満足さ
せる水性ボールペン用インキを提供するものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者は、上記実情に
鑑み鋭意研究を行った結果、インキ組成物に特定の化合
物からなる描線乾燥性向上剤を特定量配合することによ
り、前記目的を達成できることを見いだし、この知見に
基づいて本発明を完成した。
【0008】すなわち本発明は、以下の(1)〜(5)
に存する。 (1) 少なくとも、水と、着色剤とを含有する水性ボ
ールペン用インキ組成物において、ブチルセロソルブお
よびブチルカルビトールから選ばれる少なくとも1種の
描線乾燥性向上剤を組成物全量に対し0.1〜2.5重
量%含有し、表面張力が16〜45mN/mであること
を特徴とする水性ボールペン用インキ組成物。 (2) 粘度が1〜10mPa・s(25℃)、表面張
力が35〜45mN/mであることを特徴とする上記
(1)に記載の水性ボールペン用インキ組成物。 (3) せん断速度3.84s-1における粘度が、10
0〜4000mPa・s(25℃)、表面張力が16〜
38mN/mであり、擬塑性を有することを特徴とする
上記(1)に記載の水性ボールペン用インキ組成物。 (4) 着色剤としての顔料の配合量が、組成物全量に
対し0.05〜30重量%であり、さらに組成物全量に
対し5.0〜40.0重量%の水溶性有機溶剤を含有
し、かつ、pHが7.0〜10.0であることを特徴と
する上記(1)ないし(3)のいずれかに記載の水性ボ
ールペン用インキ組成物。 (5) 上記(1)ないし(4)のいずれかに記載の水
性ボールペン用インキ組成物を内蔵し、かつ、ボール径
が0.7を越え1.5mm以下のボールチップを備え、
単位面積あたりのインキ流出量が4.5×10-3〜1
0.0×10-3mg/mm2である水性ボールペン。
【0009】
【発明の実施の形態】本発明の水性ボールペン用インキ
組成物において、描線乾燥性向上剤として用いるブチル
セロソルブは、次の化学式(I)、 CH3(CH23−OCH2CH2OH (I) で示される化合物であり、またブチルカルビトールは、
次の化学式(II)、 CH3(CH23−(OCH2CH22OH (II) で示される化合物である。
【0010】上記式(I)のブチルセロソルブおよび上
記式(II)のブチルカルビトールは、公知物質であり、
ブチルセルソルブは酸化エチレンと1−ブタノールを加
圧下で反応させて合成することができ、その副生物とし
てブチルカルビトールが得られる。
【0011】本発明インキ組成物における上記描線乾燥
性向上剤の配合量は、組成物全量に対し0.1〜2.5
重量%とすることができ、好ましくは0.1〜1.7重
量%、さらに好ましくは0.5〜1.0重量%である。
0.1重量%未満では本発明の目的である充分な描線乾
燥性が得られず、逆に2.5重量%を超えると耐裏抜け
性やインキの表面張力が低下する等の問題を生じたり、
また、着色剤である顔料がフタロシアニン系やナフトー
ル系の場合には、理由は明らかではないが、インキ中に
おいて凝集を生じ筆記不能となることがある。この傾向
は、他のセロソルブ類およびカルビトール類に関しても
同様である。
【0012】本発明のインキ組成物における水の配合量
は特に限定されないが、組成物全量に対して40〜90
重量%とすることが望ましい。配合量が40重量%未満
では、相対的に溶剤や着色剤が多くなるためインキが揮
発しにくくなり、紙に書いた時、インキが乾きにくくな
ってしまうことがあり、逆に90重量%を超えるとイン
キが揮発し易くなり、ペン先が乾燥して筆記不良となる
ことがある。
【0013】本発明のインキ組成物に用いられる着色剤
としては、顔料又は水溶性染料を挙げることができる。
顔料の種類については特に制限はなく、従来水性インキ
組成物に慣用されている無機系または有機系顔料の中か
ら任意のものを使用することができる。無機系顔料とし
ては、例えば酸化チタン、カーボンブラック、金属粉な
どが挙げられる。また、有機系顔料としては、例えばア
ゾレーキ、不溶性アゾ顔料、キレートアゾ顔料、フタロ
シアニン顔料、ペリレン及びペリノン顔料、アントラキ
ノン顔料、キナクリドン顔料、染料レーキ、ニトロ顔
料、ニトロソ顔料などが挙げられる。具体的には、フタ
ロシアニンブルー(C.I.74160)、フタロシア
ニングリーン(C.I.74260)、ハンザイエロー
3G(C.I.11670)、ジスアゾエローGR
(C.I.21100)、ナフトールレッド(C.I.
12390)、パーマネントレッド4R(C.I.12
335)、ブリリアントカーミン6B(C.I.158
50)、キナクリドンレッド(C.I.46500)な
どが例示される。
【0014】水溶性染料としては、直接染料、酸性染
料、食用染料、塩基性染料のいずれも用いることができ
る。直接染料の例としては、C.I.ダイレクトブラッ
ク17、同19、同22、同32、同38、同51、同
71、C.I.ダイレクトエロー4、同26、同44、
同50、C.I.ダイレクトレッド1、同4、同23、
同31、同37、同39、同75、同80、同81、同
83、同225、同226、同227、C.I.ダイレ
クトブルー1、同15、同71、同86、同106、同
119等が挙げられる。
【0015】酸性染料の例としては、C.I.アシッド
ブラック1、同2、同24、同26、同31、同52、
同107、同109、同110、同119、同154、
C.I.アシッドエロー7、同17、同19、同23、
同25、同29、同38、同42、同49、同61、同
72、同78、同110、同141、同127、同13
5、同142、C.I.アシッドレッド8、同9、同1
4、同18、同26、同27、同35、同37、同5
1、同52、同57、同82、同87、同92、同9
4、同111、同129、同131、同138、同18
6、同249、同254、同265、同276、C.
I.アシッドバイオレッド15、同17、C.I.アシ
ッドブルー1、同7、同9、同15、同22、同23、
同25、同40、同41、同43、同62、同78、同
83、同90、同93、同103、同112、同11
3、同158、C.I.アシッドグリーン3、同9、同
16、同25、同27等が挙げられる。
【0016】食用染料は、その大部分が直接染料又は酸
性染料に含まれるが、これらに含まれないものの例とし
ては、例えば、C.I.フードエロー3等が挙げられ、
このような染料も本願の着色剤として用いることができ
る。
【0017】塩基性染料の例としては、C.I.ベーシ
ックエロー1、同2、同21、C.I.ベーシックオレ
ンジ2、同14、同32、C.I.ベーシックレッド
1、同2、同9、同14、C.I.ベーシックバイオレ
ット1、同3、同7、C.I.ベーシックグリーン4、
C.I.ベーシックブラウン12、C.I.ベーシック
ブラック2、同8等が挙げられる。
【0018】着色剤は、それぞれ単独で用いてもよい
し、2種類以上を組み合わせて用いてもよく、その配合
量は組成物全量に対し、通常0.05〜30重量%とす
ることができ、好ましくは1〜15重量%の範囲であ
る。着色剤の配合量が30重量%を超えると、長期に保
存した場合に顔料が凝集してしまったり、染料が析出し
たりしてペン先につまり、筆記不良をおこすことがあ
る。一方、配合量が0.05重量%未満では、着色が弱
くなり、紙に書いた時の色相を認識できなくなってしま
うことがある。また、本発明インキ組成物において、特
に着色剤として顔料を用いる場合には、顔料の配合量を
組成物全量に対して0.05〜30重量%とし、ペン先
の乾燥を防ぐための保湿剤として水溶性有機溶剤を5〜
40重量%配合し、インキのpHを7〜10に調整する
ことが好ましい。
【0019】本発明のインキ組成物には、必要に応じ、
保湿剤として水溶性有機溶剤を配合することができる。
水溶性有機溶剤の例としては、エチレングリコール、ジ
エチレングリコール、プロピレングリコール、グリセリ
ンなどの水溶性多価アルコール類、エチレングリコール
モノエチルエーテルアセテートのようなグリコールエー
テルエステル類などが挙げられる。水溶性有機溶剤を使
用する場合の配合量は、5〜40重量%とすることが好
ましい。配合量が5重量%未満では、ペン先の乾燥を防
ぐという配合の目的が十分に達せられない場合があり、
40重量%超えると描線が乾き難くなる場合がある。
【0020】本発明のインキ組成物には、必要に応じて
分散剤を配合することができ、特に着色剤として顔料を
用いた場合には、分散剤を使用することが好ましい。分
散剤は、顔料粒子表面に吸着して水中に顔料等を分散さ
せる作用をするものであり、概ね以下に例示するような
ノニオン系またはアニオン系の界面活性剤や、水溶性高
分子等を用いることができる。
【0021】ノニオン系界面活性剤としては、ポリオキ
シアルキレン高級脂肪酸エステル、多価アルコールの高
級脂肪酸エステル及びその誘導体、糖の高級脂肪酸エス
テルなどが例示される。より具体的には、例えば、グリ
セリンの脂肪酸エステル、ポリグリセリン脂肪酸エステ
ル、プロピレングリコール脂肪酸エステル、ペンタエリ
スリトール脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビ
タン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビット脂
肪酸エステル、ポリオキシエチレングリセリン脂肪酸エ
ステル、ポリエチレングリコール脂肪酸エステル、ポリ
オキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレン
フィトステロール、ポリオキシエチレンポリオキシプロ
ピレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキル
フェニルエーテル、ポリオキシエチレンヒマシ油、ポリ
オキシエチレンラノリン、ポリオキシエチレンラノリン
アルコール、ポリオキシエチレンアルキルアミン、ポリ
オキシエチレン脂肪酸アミド、ポリオキシエチレンアル
キルフェニルホルムアルデヒド縮合物などを挙げること
ができる。
【0022】アニオン系界面活性剤としては、高級脂肪
酸アミドのアルキル化スルフォン酸塩、アルキルアリル
スルフォン酸塩等が例示され、より具体的には、例え
ば、アルキル硫酸塩、ポリオキシエチレンアルキルエー
テル硫酸塩、N−アシルアミノ酸塩、N−アシルメチル
タウリン塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテル酢酸
塩、アルキルリン酸塩、ポリオキシエチレンアルキルエ
ーテルリン酸塩などを挙げることができる。
【0023】分散剤として用いられる水溶性高分子は、
バインダーとしての働きを有し、顔料インキにおける顔
料の分散安定性を向上させるという性質から本発明にお
いて好ましく用いられるものであり、ポリアクリル酸、
アクリル酸共重合体、マレイン酸樹脂等が例示される。
より具体的には、例えばアクリル樹脂、スチレンアクリ
ル酸樹脂、スチレンマレイン酸樹脂等の樹脂を塩の形に
して水溶性にしたものなどを挙げることができ、上記の
塩を形成するアルカリ金属としては、例えばナトリウ
ム、カリウム等が挙げられる。また、アルカリ可溶性分
散剤のアミンとしては、例えばモノ−、ジ−又はトリ−
メチルアミン等の脂肪族第1ないし第3級アミン、モノ
−、ジ又はトリ−プロパノールアミン、メチルエタノー
ルアミン、メチルプロパノールアミン、ジメチルエタノ
ールアミン等のアルコールアミン等を挙げることができ
る。その他の分散剤としては、例えばアンモニア、モル
ホリン、N−メチルホリン等を挙げることができる。
【0024】分散剤を使用する場合の配合量は、組成物
全量に対し0.1〜10重量%とすることが好ましい。
【0025】本発明インキ組成物の表面張力は、約16
〜約45mN/m(測定温度:25℃、測定器:協和界
面科学製表面張力測定器)の範囲で適宜設定することが
できる。例えば、本発明インキ組成物を、粘度が1〜1
0mPa・s(25℃)程度の低粘度インキとする場合
には、ペン体の品質を維持するために、表面張力を約3
5〜約45mN/mに調整することが好ましく、より好
ましくは約36〜約42mN/m、望ましくは約38〜
約40mN/mである。この場合、表面張力が35mN
/m未満では、描線が滲みやすくなったり、ペン体品質
に悪影響(直流・吹き出し等)を生じることがあり、4
5mN/mを越えるとペンの書き味や流量安定性が低下
することがある。一方、本発明インキ組成物に擬塑性を
付加させ、粘度が100〜4000mPa・s(25
℃)程度の中粘度インキとする場合には、表面張力を約
16〜約38mN/mの範囲となるように調整すること
が好ましく、より好ましくは約17〜約35mN/m、
望ましくは約20〜約33mN/mである。表面張力が
16mN/m未満では、直流現象を起こしやすく、ま
た、含量の凝集や沈降を起こしやすくなってしまう。一
方、38mN/mを超えると、ボテ現象や、線割れ現象
などを起こしやすく、更に、保存環境や筆記状態によっ
て、インキの流出量が不安定になり、描線の濃度や幅に
バラツキを生じやすくなってしまうことがある。組成物
の表面張力は、界面活性剤、乾燥性向上剤等の配合量に
より調整することが可能である。しかし、書き味を十分
なレベルに維持するために界面活性剤を添加すると、表
面張力が著しく低下する。このようなインキに対して、
描線乾燥性を向上させるためには、ブチルセルソルブお
よび/またはブチルカルビトールのように、あまり表面
張力を下げることがなく、同時に描線乾燥性を向上させ
得る添加物を用いることが、非常に重要な手段となる。
【0026】また、本発明インキ組成物の粘度は、1〜
4000mPa・s(測定温度:25℃、測定器:東京
計器製ELD型粘度計)程度の範囲から選択でき、後記
するように、使用するボールペンの方式により適宜最適
な粘度範囲を設定することができる。例えば、本発明の
インキ組成物は、粘度が1〜10mPa・s(測定温
度:25℃、測定器:東京計器製ELD型粘度計)程度
の低粘度インキとすることができる。また、本発明のイ
ンキ組成物に擬塑性を付加させる場合のインキ粘度とし
ては、せん断速度3.84s-1におけるインキ粘度を1
00〜4000mPa・s(測定温度:25℃、測定
器:東京計器製EMD型粘度計)程度に調整することが
好ましく、より好ましくは200〜2000mPa・
s、望ましくは300〜1000mPa・sである。こ
の場合、インキの粘度が100mPa・sより低いと、
ペン先からインキがぼた落ちしてしまうことがある。ま
た、二酸化チタンなどの比重の大きい着色剤を用いた際
には、着色剤の沈降防止のために粘度を高めに調整する
必要があるが、その場合でもインキの粘度が4000m
Pa・sを越えると、インキ追従不良による筆記性の低
下を引き起こす恐れがあるため、上限は4000mPa
・s程度にすることが好ましい。本発明インキ組成物の
粘度は、例えば、水溶性有機溶剤、樹脂エマルジョン、
増粘剤などの配合量により調整できる。
【0027】本発明インキ組成物においては、金属ボー
ルペンチップの防錆とともに、顔料を分散させるために
用いる分散剤の凝集を防ぐ目的で、インキ組成物のpH
を7〜10程度に調整することが好ましい(測定温度:
25℃、測定器:ホリバ製pHメータ)。特に分散剤と
してアルカリ溶解型の分散剤を用いる場合には、pHを
上記範囲に調整することにより、その効果を十分に発揮
することができる。
【0028】以上の成分の他、本発明の組成物には、必
要に応じて、例えば、潤滑剤、防腐剤、pH調節剤、増
粘剤、腐食抑制剤、樹脂エマルジョン等の成分を配合す
ることができる。
【0029】潤滑剤としては、例えば、リノール酸カリ
ウム、リシノール酸ナトリウム、オレイン酸カリウム、
オレイン酸ナトリウムなどの脂肪酸塩の他、分散剤とし
て挙げた前記界面活性剤を挙げることができる。
【0030】防腐剤としては、例えば、フェノール、イ
ソプロピルメチルフェノール、ペンタクロロフェノール
ナトリウム、安息香酸、安息香酸ナトリウム、デヒドロ
酢酸、デヒドロ酢酸ナトリウム、ソルビン酸、ソルビン
酸カリウム、2−ピリジンチオール−1−オキサイドナ
トリウム塩、1,2−ベンズイソチアゾリン−3−オ
ン、5−クロル−2−メチル−4−イソチゾリン−3−
オン、2,4−チアゾリンベンズイミダゾール、パラオ
キシ安息香酸エステルなどを挙げることができる。
【0031】pH調節剤としては、アミンまたは塩基、
例えばアミノメチルプロパノール、トリエタノールアミ
ン、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン等の各
種有機アミン、水酸化ナトリウム、水酸化リチウム、水
酸化カリウム等のアルカリ金属水酸化物の無機アルカリ
剤、アンモニアなどを挙げることができる。
【0032】増粘剤は、有機系増粘剤と無機系増粘剤と
に大別されるが、有機系増粘剤としては、例えばアクリ
ル系合成高分子、天然ガム、セルロース、多糖類等が使
用できる。より具体的には、例えばアラビアガム、トラ
ガカントガム、グアーガム、ローカストビーンガム、ア
ルギン酸、カラギーナン、ゼラチン、カゼイン、キサン
タンガム、デキストラン、メチルセルロース、エチルセ
ルロース、ヒドロキシエチルセルロース、カルボキシメ
チルセルロース、デンプングリコール酸ナトリウム、ア
ルギン酸プロピレングリコールエステル、ポリビニルア
ルコール、ポリビニルピロリドン、ポリビニルメチルエ
ーテル、ポリアクリル酸ナトリウム、カルボキシビニル
ポリマー、ポリエチレンオキサイド、酢酸ビニルとポリ
ビニルピロリドンの共重合体、架橋型アクリル酸重合
体、スチレンアクリル酸共重合体の塩などが挙げられ
る。また、無機系増粘剤としては、例えばスメクタイ
ト、ベントナイト、ケイソウ土等の粘土類、二酸化珪素
等の微少粒体等が挙げられる。なお、これら増粘剤の配
合量は、インキの粘度値により適宜増減されるものであ
る。
【0033】腐食抑制剤としては、例えば、トリルトリ
アゾール、ベンゾトリアゾール及びその誘導体、リン酸
オクチル、チオリン酸ジオクチル等の脂肪酸リン誘導
体、イミダゾール、ベンゾイミダゾールおよびその誘導
体、2−メルカプトベンゾチアゾール、オクチルメタン
スルホン酸、ジシクロヘキシルアンモニウム・ナイトラ
イト、ジイソプロピルアンモニウム・ナイトライト、プ
ロパルギルアルコール、ジアルキルチオ尿素などが挙げ
られる。
【0034】樹脂エマルジョンは、主として粘度調整剤
として、またはその不透明感から視認性向上剤としての
働きを期待して配合されるものであり、例えばポリ塩化
ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリスチレン、ポリエチ
レン、ポリカーボネイト、ポリメチルメタクリレート、
ベンゾグアナミン樹脂、スチレン・アクリロニトリル共
重合体、変性アクリルメチルメタクリレート・スチレン
共重合体、アクリル酸アルキルエステル共重合物、アク
リロニトリル・アクリル酸アルキルエステル共重合物、
スチレン・アクリル酸アルキルエステル共重合物、スチ
レン・メタクリル酸アルキルエステル・アクリル酸アル
キルエステル共重合物、スチレン・アクリロニトリル・
アクリル酸アルキルエステル共重合物、スチレン・アク
リロニトリル・メタクリル酸アルキルエステル・アクリ
ル酸アルキルエステル共重合物、メタクリル酸アルキル
エステル・アクリル酸アルキルエステル共重合物、アク
リル酸・メタクリル酸・アクリル酸アルキルエステル共
重合物、塩化ビニリデン・アクリル酸アルキルエステル
共重合物などが挙げられる。
【0035】本発明のインキ組成物は、常法に従い、上
記成分を撹拌、混合等することにより製造できる。
【0036】本発明のボールペンとしては、例えば、上
記インキ組成物を内蔵するインキ収容管と、ステンレ
ス、真鍮、洋白、樹脂等の材質のチップホルダーと、超
硬合金、ジルコニア、炭化珪素等の材質のボールを有す
るペン先とを具備する構成を採用することができる。
【0037】本発明の水性インキ組成物は、インキ粘度
が1〜10mPa・s程度のものは中綿方式のボールペ
ンや、ボールペン内にインキを直接貯蔵する直液方式の
ボールペンなどに好適に使用される。また、せん断速度
3.84s-1におけるインキ粘度が100〜4000m
Pa・s程度のものは、主に貯留直液方式のボールペン
に好適に使用される。ここで、中綿方式のボールペンと
は、前記本発明のインキを吸蔵させた中綿を収容した軸
筒、その中綿に接続される繊維束等からなる中継芯、ボ
ールとチップホルダーからなるペン先などから構成され
るボールペンである。また、直液方式のボールペンには
2種類あり、直留直液方式は、インキを直接貯溜するイ
ンキタンク、インキタンク内の空気が温度上昇などによ
って膨張した場合にインキタンクから押し出されるイン
キをペン先や空気孔からボタ落ちさせないために一時的
に保留するインキ保留部材(コレクター)、ボール、チ
ップホルダーからなるペン先等から構成されるボールペ
ンであり、貯留直液方式は、インキを直接貯溜するチュ
ーブ、ボール、チップホルダーからなるペン先などから
構成されるボールペンである。
【0038】上記直液方式のボールペンのうち、貯留直
液方式のボールペンにおいては、インキを一時的に保留
する保留部材(緩衝部)を持たないため、いきおいイン
キの流出量が多くなる傾向にあるが、この場合、ボール
とチップのクリアランスを適宜設定することによりイン
キの流出量を抑制するか、あるいは、インキに擬塑性剤
等を添加することによりインキに剪断減粘性をもたせ、
流出量の設定をすることができる。
【0039】また、本発明のインキ組成物は、単位面積
あたりのインキ流出量が4.5×10-3〜10.0×1
-3mg/mm2で、ボール径が0.7を越え1.5m
m(特に1.0〜1.5mm)以下のボールチップを備
えた水性ボールペンに、粘度が1〜10mPa・s(測
定温度:25℃、測定器:東京計器製ELD型粘度計)
となるように調整して適用した場合、特に優れた効果を
発揮する。すなわち、上記のような粘度範囲のインキを
使用するボールペンとしては、前記の中綿式水性ボール
ペンや直留直液方式の水性ボールペンなどが挙げられる
が、このようなタイプのボールペンは、太い描線を得る
ことを目的とした場合、その手段としてボール径が0.
7を越え1.5mm以下のボールチップを用い、単位面
積あたりのインキ流出量を4.5×10-3〜10.0×
10-3mg/mm2に設定する必要がある。このように
設定されたボールペンに本発明のインキを適用すること
で、描線の優れた乾燥性や、インキ流量からの潤滑性か
らくる滑らかな筆記感などの特性がより効果的に引き出
される。なお、本発明のインキ組成物は、上記以外の水
性ボールペンにも適用可能であることは言うまでもな
い。
【0040】
【作用】本発明の水性インキ組成物において描線乾燥性
が向上する作用機構は未だ明らかではないが、本発明に
使用するブチルセロソルブおよびブチルカルビトールは
他の水溶性有機溶剤に比べて紙に対する濡れ性が優れて
おり、この性質が描線乾燥性の向上に寄与しているもの
と推測される。ブチルセロソルブおよびブチルカルビト
ールを特定の比率でインキに配合した場合に描線乾燥性
向上作用を持つことは、本発明において初めて見出され
た知見である。
【0041】
【実施例】次に、実施例等によって、本発明を更に具体
的に説明するが、本発明はこれらによって何ら制約され
るものではない。 実施例1 下記の各成分を攪拌機にて3時間攪拌・混合した後、サ
ンドミルにて5時間分散し、更に粗大粒子を遠心分離器
により除去することにより、黒色水性ボールペン用顔料
インキを調製した。 <成 分> <配合量:重量%> 顔料:カーボンブラック 8.0 (三菱化成製:カーボンブラックMA100) 溶媒:グリセリン 5.0 溶媒:プロピレングリコール 6.0 溶媒:ジエチレングリコール 6.0 分散剤:スチレンアクリル酸樹脂アンモニウム塩 3.0 潤滑剤:ノニオン性界面活性剤 0.1 (花王製:スコアロール700) pH調整剤:アミノメチルプロパノール 0.2 防腐剤:1,2−ベンズイソチアゾリン−3−オン 0.1 (ゼネカ製:Proxel BDN) 防錆剤:ベンゾトリアゾール 0.1 描線乾燥向上剤:ブチルカルビトール 2.0 精製水: 残 部
【0042】比較例1 ブチルカルビトールを除く以外は、実施例1と同様にし
て調製した。
【0043】比較例2 ブチルカルビトールの添加量を10.0重量%に増量し
た以外は、実施例1と同様にして調製した。
【0044】実施例2 下記の配合に従い、実施例1と同様の方法で青色水性ボ
ールペン用顔料インキを調製した。 <成 分> <配合量:重量%> 顔料:フタロシアニンブルー 8.0 (大日精化製:Chromofine Blue 4965) 溶媒:グリセリン 8.0 溶媒:プロピレングリコール 1.0 溶媒:ジエチレングリコール 8.0 分散剤:スチレンアクリル酸樹脂アンモニウム塩 3.0 潤滑剤:ノニオン性界面活性剤 0.1 (花王製:スコアロール700) pH調整剤:アミノメチルプロパノール 0.2 防腐剤:1,2−ベンズイソチアゾリン−3−オン 0.1 (ゼネカ製:Proxel BDN) 防錆剤:ベンゾトリアゾール 0.1 描線乾燥向上剤:ブチルセロソルブ 1.5 精製水: 残 部
【0045】比較例3 ブチルセロソルブを除いた以外は実施例2と同様にして
調製した。
【0046】比較例4 ブチルセロソルブの添加量を10.0重量%に増量した
以外は、実施例2と同様にして調製した。
【0047】実施例3 下記の配合に従い、実施例1と同様の方法により赤色水
性ボールペン用顔料インキを調製した。 <成 分> <配合量:重量%> 顔料:ナフトールレッド 8.0 (住友化学製:スミトーンスカーレット) 溶媒:グリセリン 5.0 溶媒:プロピレングリコール 3.0 溶媒:ジエチレングリコール 8.0 分散剤:スチレンアクリル酸樹脂アンモニウム塩 3.0 潤滑剤:ノニオン性界面活性剤 0.1 (花王製:スコアロール700) pH調整剤:アミノメチルプロパノール 0.2 防腐剤:1,2−ベンズイソチアゾリン−3−オン 0.1 (ゼネカ製:Proxel BDN) 防錆剤:ベンゾトリアゾール 0.1 描線乾燥向上剤:ブチルカルビトール 1.5 精製水: 残 部
【0048】比較例5 ブチルカルビトールを除いた以外は、実施例3と同様に
して調製した。
【0049】比較例6 ブチルカルビトールの添加量を10.0重量%に増量し
た以外は、実施例3と同様にして調製した。
【0050】実施例4 下記の各成分を室温で3〜4時間攪拌した後に濾過し、
赤色水性ボールペン染料インキを調製した。 <成 分> <配合量:重量%> 染料:エオシン(C.I.アシッドレッド87) 8.0 溶媒:グリセリン 20.0 潤滑剤:ノニオン性界面活性剤 0.1 (花王製:スコアロール900) pH調整剤:アミノメチルプロパノール 0.2 防腐剤:1,2−ベンズイソチアゾリン−3−オン 0.1 (ゼネカ製:Proxel BDN) 防錆剤:ベンゾトリアゾール 0.1 視認性向上剤:ポリスチレンエマルジョン 15.0 (昭和高分子製:C−10) 描線乾燥向上剤:ブチルカルビトール 1.5 精製水: 残 部
【0051】比較例7 ブチルカルビトールを除いた他は、実施例4と同様にし
て調製した。
【0052】比較例8 ブチルカルビトールの添加量を10.0重量%に増量し
た以外は、実施例4と同様にして調製した。
【0053】実施例5 下記の配合に従い、実施例1と同様の方法で青色水性ボ
ールペン用顔料インキを調製した。 <成 分> <配合量:重量%> 顔料:フタロシアニンブルー 8.0 (大日精化製:Chromofine Blue 4965) 溶媒:エチレングリコール 20.0 分散剤:スチレンアクリル酸樹脂アンモニウム塩 3.0 潤滑剤:ノニオン性界面活性剤 0.7 (花王製:スコアロール700) pH調整剤:アミノメチルプロパノール 0.5 増粘剤:アクリル系合成高分子 0.4 防錆剤:ベンゾトリアゾール 0.2 描線乾燥向上剤:ブチルカルビトール 1.5 精製水: 残 部
【0054】比較例9 ブチルカルビトールを除く以外は、実施例5と同様にし
て調製した。
【0055】比較例10 ブチルカルビトールの添加量を10.0重量%に増量し
た以外は、実施例5と同様にして調製した。
【0056】比較例11 ブチルカルビトールに替え、メチルカルビトール2.0
重量%を使用した以外は実施例1と同様にして調製し
た。
【0057】参考例1 実施例1のインキを直留方式のインキタンクに充填し、
直径φ0.7mmのボールおよびチップホルダーを用い
て組み立てられたペン先を装着した水性ボールペンを製
造した。そのペン体を用いて、後記描線評価試験および
裏抜け性試験を行った。
【0058】試験例 上記実施例、比較例および参考例で得られたインキの評
価は、以下の描線乾燥性試験および描線裏抜け性試験に
より判定した。その結果を表1に示す。
【0059】(描線乾燥性試験)前記実施例および比較
例のインキを、以下のボールペン仕様に充填し、組立て
た。 直留方式ボールペン(ボール径φ1.0) 実施例1、2、4 比較例1、2、3、4、7、8、11 中綿方式ボールペン(ボール径φ1.0) 実施例3 比較例5、6 貯留方式ボールペン(ボール径φ1.0) 実施例5 比較例9、10 直留方式ボールペン(ボール径φ0.7) 参考例1 その後、ISO14145−1規定の用紙を試験紙とし
て、手書き螺旋筆記7周を行い、筆記直後、筆記3秒
後、および5秒後に指で擦った時の紙面の汚れ具合を、
下記の基準にて評価した。
【0060】<判定基準> ○:紙面における描線を原因とする汚れはなし。 △:紙面における描線を原因とする汚れが若干認められ
る。 ×:描線の大部分が紙面を汚す。
【0061】(描線裏抜け性試験)前記試験を行った
後、筆記面の裏側を観察し、描線が裏抜けしているかど
うか下記の基準にて評価した。
【0062】<判定基準> ○:裏抜けなし。 △:若干の裏抜けが確認できる。 ×:描線の大部分が、裏抜けしている。
【0063】
【表1】
【0064】上記の実施例および比較例の結果より明ら
かな如く、ブチルセロソルブまたはブチルカルビトール
のうち少なくとも1種からなる描線乾燥性向上剤を配合
した本発明の水性ボールペン用インキは、インキの表面
張力を約35〜45mN/mに保つことが可能で、裏抜
けすることなく描線乾燥性を向上させることが出来る。
また、インキ流量が多い場合に特に効果を発揮すること
も確認できた。さらに、上記実施例および比較例の組成
物を、上記以外の任意の組み合わせで各方式のボールペ
ン仕様に充填して同様な実験を行った結果、すべて同じ
傾向を示した。
【0065】
【発明の効果】本発明の水性インキ組成物は、描線乾燥
性が早く、表面張力を高く維持できることにより、ペン
先部からの直流・吹き出し性の抑制といった高い筆記レ
ベルを保つことができるものであり、特にボール径φ
0.7mmを越えるボール等を用いて4.5×10-3
10.0×10-3mg/mm2となるようにインキの流
出量を設定した水性ボールペンにおいても耐裏抜け性を
良好なものとすることができる等、上記の全ての性能を
同時に満足できる優れたインキ組成物である。
フロントページの続き Fターム(参考) 2C350 GA03 HA09 NA10 NA11 4J039 AB02 AB04 AB05 AB07 AD03 AD04 AD09 AD10 AD11 AD14 AE06 BC14 BC15 BE01 BE06 BE12 BE22 BE30 CA06 EA10 EA47 EA48 GA27

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 少なくとも、水と、着色剤とを含有する
    水性ボールペン用インキ組成物において、ブチルセロソ
    ルブおよびブチルカルビトールから選ばれる少なくとも
    1種の描線乾燥性向上剤を組成物全量に対し0.1〜
    2.5重量%含有し、表面張力が16〜45mN/mで
    あることを特徴とする水性ボールペン用インキ組成物。
  2. 【請求項2】 粘度が1〜10mPa・s(25℃)、
    表面張力が35〜45mN/mであることを特徴とする
    請求項1記載の水性ボールペン用インキ組成物。
  3. 【請求項3】 せん断速度3.84s-1における粘度
    が、100〜4000mPa・s(25℃)、表面張力
    が16〜38mN/mであり、擬塑性を有することを特
    徴とする請求項1記載の水性ボールペン用インキ組成
    物。
  4. 【請求項4】 着色剤としての顔料の配合量が、組成物
    全量に対し0.05〜30重量%であり、さらに組成物
    全量に対し5.0〜40.0重量%の水溶性有機溶剤を
    含有し、かつ、pHが7.0〜10.0であることを特
    徴とする請求項1ないし3のいずれかの項に記載の水性
    ボールペン用インキ組成物。
  5. 【請求項5】 請求項1ないし4のいずれかの項に記載
    の水性ボールペン用インキ組成物を内蔵し、かつ、ボー
    ル径が0.7を越え1.5mm以下のボールチップを備
    え、単位面積あたりのインキ流出量が4.5×10-3
    10.0×10-3mg/mm2である水性ボールペン。
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