JP2004231943A - 中芯式筆記具用水性顔料インキ組成物 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 顔料0.5〜7重量%、水溶性樹脂2〜10重量%及びインキ粘度を3.5〜10mPa・sとすることで、パステル調の色調を得ることができるとともに、筆記具とした場合インキの分散安定性を得られ、またインキドロップ、筆記具の正倒立放置後の色の濃淡を防ぐことができる効果がある。さらに筆記具容器からのインキ洩れの恐れもない。
【選択図】なし
Description
本発明の目的は、前記のような中芯式筆記具における経時分散安定性及びインキ流出性の欠点を克服し、かつパステル調の筆跡が得られる筆記具用水性顔料インキ組成物を提供することである。
これにより、かかるインキを筆記具の中芯に収容させても、筆跡はパステル調が得られるとともに、ペン先でのインキドロップが起らず、また中芯内でインキの分散安定性が良いという効果がある。
更に水溶性樹脂がアクリル酸樹脂、スチレン−アクリル酸樹脂、スチレン−マレイン酸樹脂から選択された少なくとも1種又は2種以上であることが好ましい。
従って、本発明のインキ組成物は、公知の構造を備えた中芯式筆記具に適用することができる。例えば、インキ収容部として繊維束が収束された中芯を有し、中芯に貯蔵されたインキを流出するペン先(チップ)を有する筆記具であり、例えば前記ペン先としては例えばボール、繊維、プラスチック芯、ブラシ状物、筆状物が備えられている筆記具である。
その他、必要に応じてpH調整剤、防錆剤、防腐防黴剤等も適宜選択して使用可能である。pH調整剤としては、カセイソーダ、アンモニア等が使用可能である。防錆剤、防腐剤としては公知のものが使用可能である。
実施例1
表1に示す組成のインキをそれぞれ調製した。先ず、水溶性樹脂液(スチレン−アクリル酸樹脂20重量%、カセイソーダ2重量%および水78重量%)25重量部にアゾ系黄色顔料25重量部、エチレングリコール20重量部、ブチルセロソルブ2重量部、水28重量部を加え、公知のビーズミルで分散し、顔料濃度が水性顔料分散体A全量に対して17重量%になるように水32重量部を更に加え、水性顔料分散体Aを得た。次に、この水性顔料分散体Aに、表1に示す配合量で、グリセリン27重量部、尿素10重量部、水28.8重量部、防腐・防黴剤としてコートサイドH(武田薬品製)0.1重量部及びプロクセルXL−2(アビシア製)0.1重量部、前記水溶性樹脂液(スチレン−アクリル酸樹脂20重量%、カセイソーダ2重量%および水78重量%)5重量部を加え、水性顔料インキを得た。
表1に示す組成のインキをそれぞれ調製した。まず、水溶性樹脂液(スチレン−アクリル酸樹脂20重量%、カセイソーダ2重量%および水78重量%)25重量部にキナクリドン系赤色顔料25重量部、エチレングリコール20重量部、ブチルセロソルブ2重量部、水28重量部を加え、公知のビーズミルで分散し、顔料濃度が17重量%になるように水32重量部を加え、水性顔料分散体Bを得た。次に、この水性顔料分散体Bに、グリセリン28重量部、尿素10重量部、水41.5重量部、コートサイドH 0.1重量部、プロクセルXL−2 0.1重量部、前記水溶性樹脂液(スチレン−アクリル酸樹脂20重量%、カセイソーダ2重量%および水78重量%)15重量部を加え、水性顔料インキを得た。
表1に示す組成のインキをそれぞれ調製した。まず、水溶性樹脂液(スチレン−アクリル酸樹脂20重量%、カセイソーダ2重量%および水78重量%)25重量部にDPP系赤色顔料25重量部、エチレングリコール20重量部、ブチルセロソルブ2重量部、水28重量部を加え、公知のビーズミルで分散し、顔料濃度が17重量%になるように水32重量部を加え、水性顔料分散体Cを得た。次に、この水性顔料分散体Cに、グリセリン25重量部、尿素10重量部、水41.0重量部、コートサイドH 0.1重量部、プロクセルXL−2 0.1重量部、前記水溶性樹脂液(スチレン−アクリル酸樹脂20重量%、カセイソーダ2重量%および水78重量%)15重量部を加え、水性顔料インキを得た。
表1に示す組成のインキをそれぞれ調製した。まず、水溶性樹脂液(スチレン−アクリル酸樹脂20重量%、カセイソーダ2重量%および水78重量%)25重量部にフタロシアニン系緑色顔料25重量部、エチレングリコール20重量部、ブチルセロソルブ2重量部、水28重量部を加え、公知のビーズミルで分散し、顔料濃度が17重量%になるように水32重量部を加え、水性顔料分散体Dを得た。次に、この水性顔料分散体Dに、グリセリン25重量部、尿素10重量部、水41.7重量部、コートサイドH 0.1重量部、プロクセルXL−2 0.1重量部、前記水溶性樹脂液(スチレン−アクリル酸樹脂20重量%、カセイソーダ2重量%および水78重量%)15重量部を加え、水性顔料インキを得た。
表1に示す組成のインキをそれぞれ調製した。まず、水溶性樹脂液(スチレン−アクリル酸樹脂20重量%、カセイソーダ2重量%および水78重量%)25重量部にフタロシアニン系青色顔料25重量部、エチレングリコール20重量部、ブチルセロソルブ2重量部、水28重量部を加え、公知のビーズミルで分散し、顔料濃度が17重量%になるように水32重量部を加え、水性顔料分散体Eを得た。次に、この水性顔料分散体Eに、グリセリン28重量部、尿素10重量部、水43.0重量部、コートサイドH 0.1重量部、プロクセルXL−2 0.1重量部、前記水溶性樹脂液(スチレン−アクリル酸樹脂20重量%、カセイソーダ2重量%および水78重量%)15重量部を加え、水性顔料インキを得た。
表1に示す組成のインキをそれぞれ調製した。先ず、水溶性樹脂液(スチレン−アクリル酸樹脂20重量%、カセイソーダ2重量%および水78重量%)25重量部にアゾ系黄色顔料25重量部、エチレングリコール20重量部、ブチルセロソルブ2重量部、水28重量部を加え、公知のビーズミルで分散し、顔料濃度が17重量%になるように水32重量部を加え、水性顔料分散体Aを得た。次に、この水性顔料分散体Aの29重量部に、酸化チタン分散体3.0重量部、グリセリン27重量部、尿素10重量部、水28.8重量部、防腐・防黴剤としてコートサイドH(武田薬品製)0.1重量部及びプロクセルXL−2(アビシア製)0.1重量部、前記水溶性樹脂液(スチレン−アクリル酸樹脂20重量%、カセイソーダ2重量%および水78重量%)5重量部を加え、水性顔料インキを得た。
表1に示す組成のインキをそれぞれ調製した。まず、水溶性樹脂液(スチレン−アクリル酸樹脂20重量%、カセイソーダ2重量%および水78重量%)25重量部にアゾ系黄色顔料25重量部、エチレングリコール20重量部、ブチルセロソルブ2重量部、水28重量部を加え、公知のビーズミルで分散し、顔料濃度が17重量%になるように水32重量部を加え、水性顔料分散体Aを得た。次に、この水性顔料分散体Aに、グリセリン27重量部、尿素10重量部、水33.8重量部、コートサイドH 0.1重量部、プロクセルXL−2 0.1重量部を加え、水性顔料インキを得た。
表1に示す組成のインキをそれぞれ調製した。まず、水溶性樹脂液(スチレン−アクリル酸樹脂20重量%、カセイソーダ2重量%および水78重量%)25重量部にキナクリドン系赤色顔料25重量部、エチレングリコール20重量部、ブチルセロソルブ2重量部、水28重量部を加え、公知のビーズミルで分散し、顔料濃度が17重量%になるように水32重量部を加え、水性顔料分散体Bを得た。次に、この水性顔料分散体Bに、グリセリン28重量部、尿素10重量部、水56.5重量部、コートサイドH 0.1重量部、プロクセルXL−2 0.1重量部を加え、水性顔料インキを得た。
表1に示す組成のインキをそれぞれ調製した。まず、水溶性樹脂液(スチレン−アクリル酸樹脂20重量%、カセイソーダ2重量%および水78重量%)25重量部にDPP系赤色顔料25重量部、エチレングリコール20重量部、ブチルセロソルブ2重量部、水28重量部を加え、公知のビーズミルで分散し、顔料濃度が17重量%になるように水32重量部を加え、水性顔料分散体Cを得た。次に、この水性顔料分散体Cに、グリセリン25重量部、尿素10重量部、水56.0重量部、コートサイドH 0.1重量部、プロクセルXL−2 0.1重量部を加え、水性顔料インキを得た。
表1に示す組成のインキをそれぞれ調製した。まず、水溶性樹脂液(スチレン−アクリル酸樹脂20重量%、カセイソーダ2重量%および水78重量%)25重量部にフタロシアニン系緑色顔料25重量部、エチレングリコール20重量部、ブチルセロソルブ2重量部、水28重量部を加え、公知のビーズミルで分散し、顔料濃度が17重量%になるように水32重量部を加え、水性顔料分散体Dを得た。次に、この水性顔料分散体Dに、グリセリン25重量部、尿素10重量部、水56.7重量部、コートサイドH 0.1重量部、プロクセルXL−2 0.1重量部を加え、水性顔料インキを得た。
表1に示す組成のインキをそれぞれ調製した。まず、水溶性樹脂液(スチレン−アクリル酸樹脂20重量%、カセイソーダ2重量%および水78重量%)25重量部にフタロシアニン系青色顔料25重量部、エチレングリコール20重量部、ブチルセロソルブ2重量部、水28重量部を加え、公知のビーズミルで分散し、顔料濃度が17重量%になるように水32重量部を加え、水性顔料分散体Eを得た。次に、この水性顔料分散体Eに、グリセリン28重量部、尿素10重量部、水58.0重量部、コートサイドH 0.1重量部、プロクセルXL−2 0.1重量部を加え、水性顔料インキを得た。
1)酸化チタン分散体:水溶性樹脂液25重量部に酸化チタン25重量部、エチレングリコール20重量部、水30重量部を加え、公知のビーズミルで分散し、酸化チタン濃度が17重量%になるように水32重量部を添加した組成からなる。なお、水溶性樹脂液は、スチレン−アクリル酸樹脂20重量%、カセイソーダ2重量%および水78重量%で構成され、水溶性樹脂はスチレン−アクリル酸樹脂である。
2)顔料濃度:インキ全量中の顔料濃度(重量%)
3)水溶性樹脂:顔料分散体A〜E中に含まれるスチレン−アクリル酸樹脂であって、インキ全量中における濃度(重量%)
4)水溶性樹脂:スチレン−アクリル酸樹脂であって、インキ全量中における濃度(重量%)
5)紙面にて手書き筆記して、保存前後の筆跡濃度を目視評価した。
◎は、濃度変化が全くない。○は、ほとんど濃度変化しない。△は、濃度変化が良くわかる。×は、濃度変化が著しい。
(顔料)
キナクリドン(商品名:クロモフタルピンクPT、チバスペシャリティケミカルズ社製)
フタロシアニンブルー(商品名:ファストゲンブルーTGR、大日本インキ社製)
フタロシアニングリーン(商品名:ファストゲングリーンB、大日本インキ社製)
アゾイエロー(商品名:リオノールイエロー10GPT、東洋インキ社製)
DPPレッド(商品名:クロモフタルレッド2030、チバスペシャリティーケミカルズ社製)
実施例1〜5及び比較例1〜5で得られた水性インキ組成物を、中芯式筆記具に充填し、紙面に筆記して、その筆跡を調べた。更に、筆記した後、その筆記具をそれぞれ正立状態(ペン先を上に向けた状態)又は倒立状態(ペン先を下に向けた状態)にて50℃でlヶ月間、放置した後、筆記して、筆跡の当初との濃度変化を調べた。結果を表1に示す。
白紙上に実施例のインキを筆記し、その筆記線と白紙との色差を評価した。測定器は、ミノルタ社製、商品名「CR−241」の色彩色差計であり、JIS Z 8729に準拠して測定した。その結果、白紙のL*は93.8、a*は0.6、b*は−1.1であるのに対して、各実施例のインキのL*は68以上、白紙との色差△E*(ab)が45以下であった。これにより、各実施例のインキは、パステル色としての発色の程度が大きいことを確認した。
実施例1〜5に係る水性インキ組成物は、パステル調の筆跡を得られ、且つ、正倒立濃度変化筆記性も濃度変化が全く無かった。一方、比較例1〜5に係る水性インキ組成物では、パステル調の筆跡は得られたが、正倒立濃度変化、筆記性は著しく悪かった。
Claims (7)
- 着色材として白色無機顔料または白色樹脂粒子を含まない中芯式筆記具用水性顔料インキ組成物において、顔料がインキ全量に対し0.5〜7重量%、水溶性樹脂が2〜10重量%であって、且つ粘度が3.5〜10mPa・sであることを特徴とする中芯式筆記具用水性顔料インキ組成物。
- 前記白色無機顔料または白色樹脂粒子以外の顔料が、キナクリドンレッド、DPPレッド、フタロシアニンブルー、フタロシアニングリーン、アゾイエロー、ジスアゾイエローの中から選ばれる1種又は2種以上を含む請求項1記載の中芯式筆記具用水性顔料インキ組成物。
- 前記キナクリドンレッド、DPPレッド、フタロシアニンブルー、フタロシアニングリーン、アゾイエロー、ジスアゾイエローの中から選ばれる1種又は2種以上の顔料がインキ全量に対し少なくとも0.1〜7重量%含む請求項2記載の中芯式筆記具用水性顔料インキ組成物。
- 前記水溶性樹脂がアクリル酸樹脂、スチレン−アクリル酸樹脂、スチレン−マレイン酸樹脂の中から選ばれる1種又は2種以上である請求項1記載の中芯式筆記具用水性顔料インキ組成物。
- インキ収容部として繊維束が収束された中芯と、当該中芯に収容されたインキを流出するペン先を有する中芯式筆記具であって、
上記インキが、着色材として白色無機顔料または白色樹脂粒子を含まないインキであり、顔料がインキ全量に対し0.5〜7重量%、水溶性樹脂が2〜10重量%であって、且つ粘度が3.5〜10mPa・sである中芯式筆記具。 - インキ収容部として繊維束が収束された中芯と、当該中芯に収容されたインキを流出するペン先を有する中芯式筆記具であって、
上記インキが、着色材として白色無機顔料または白色樹脂粒子を含まないインキであり、
前記白色無機顔料または白色樹脂粒子以外の顔料、及び水溶性樹脂が含まれ、
前記白色無機顔料または白色樹脂粒子以外の顔料が、キナクリドンレッド、DPPレッド、フタロシアニンブルー、フタロシアニングリーン、アゾイエロー、ジスアゾイエローの中から選ばれる1種又は2種以上であり、
前記水溶性樹脂が、アクリル酸樹脂、スチレン−アクリル酸樹脂、スチレン−マレイン酸樹脂の中から選ばれる1種又は2種以上であり、
インキ全量に対し、
前記白色無機顔料または白色樹脂粒子以外の顔料が0.5〜7重量%、
前記水溶性樹脂が2〜10重量%であって、
且つ粘度が3.5〜10mPa・sである、
中芯式筆記具。 - 前記ペン先が、ボール、繊維、プラスチック芯、ブラシ状物、筆状物のいずれかからなる請求項6記載の中芯式筆記具。
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- 2003-12-24 JP JP2003426222A patent/JP2004231943A/ja active Pending
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