WO2004063297A1

WO2004063297A1 - 中芯式筆記具用水性顔料インキ組成物

Info

Publication number: WO2004063297A1
Application number: PCT/JP2003/016904
Authority: WO
Inventors: Kazuhiro Kawauchi; Takeshi Omatsu
Original assignee: Sakura Color Products Corporation
Priority date: 2003-01-10
Filing date: 2003-12-26
Publication date: 2004-07-29
Also published as: AU2003296143A1; US20060142418A1; US7541394B2

Abstract

本発明の中芯式筆記具用水性顔料インキ組成物は、着色剤として白色無機顔料または白色樹脂粒子を含まない中芯式筆記具用水性顔料インキ組成物において、顔料がインキ全量に対し0.5～７重量％、水溶性樹脂が2～10重量％であって、且つ粘度が3.5～10ｍPa・ｓである。

Description

中芯式筆記具用水性顔料ィンキ組成物

背景技術

明

本発明は中芯式筆記具用水性顔料インキ組成物に関するものである。更に詳しく言えば、筆跡が白い紙の上でパステル調を有し、且つインキ洩れ、筆跡の濃淡等の不具合がない中芯書式筆記具用水性顔料インキ組成物に関するものである。

従来、パステル調筆記具用水性顔料インキ組成物としては、特公平 0 8 - 0 0 9 7 0 3号公報（特許文献 1参照）ゃ特公平 0 8— 0 0 9 7 0 4号公報（特許文献 2参照）に開示されているものが公知である。かかるパステル筆記具用水性顔料インキ組成物は、パステル調（筆跡を不透明とする）を出すために、酸化チタン等の白色無機顔料又は白色樹脂粒子を用いている。

しかしながら、前記従来のパステル筆記具用水性顔料ィンキ組成物は、中芯式筆記具に用いた場合、該白色無機顔料または白色樹脂粒子が沈降するため中芯内での経時分散安定性が悪く、またペン先からのインキ流出性が悪いという問題があった。

本発明の目的は、前記のような中芯式筆記具における経時分散安定性及びィンキ流出性の欠点を克服し、かつパステル調の筆跡が得られる筆記具用水性顔料ィンキ組成物を提供することである。発明の開示

本発明は、着色材として白色無機顔料または白色樹脂粒子を含まない中芯式筆記具用水性顔料ィンキ組成物において、顔料がィンキ全量に対し 0 . 5〜 7重量％、水溶性樹脂が 2〜 1 0重量％であって、且つ粘度が 3. 5〜 1 0mP a ' s であることを特徴とする中芯式筆記具用水性顔料ィンキ組成物である。

これにより、かかるインキを筆記具の中芯に収容させても、筆跡はパステル調が得られるとともに、ペン先でのインキドロップが起らず、また中芯内でィンキの分散安定性が良いという効果がある。

なお、本発明における粘度は、 E LD型粘度計を用いて測定され、 3° 1 4' コーンローターを使用し、 20°C、 5 0 r p mの条件での測定値である。

また前記白色無機顔料または白色樹脂粒子以外の顔料が、キナクリドンレッド、 D P Pレッド、フタロシアニンプノレー、フタロシアニングリーン、ァゾイェロー、ジスァゾイェローの中から選ばれる 1種又は 2種以上である請求項 1記載の中芯式筆記具用水性顔料インキ組成物とすることで、耐光性が良いという効果がある。さらに前記水溶性樹脂がァクリル酸樹脂、スチレン一アクリル酸樹脂、スチレン一マレイン酸樹脂の中から選ばれる 1種又は 2種以上である請求項 1又は請求項 2記載の中芯式筆記具用水性顔料インキ組成物とすることで、さらに分散安定性が良くなる効果があることを見出した。

即ち、本発明の中芯式筆記具用水性顔料インキ組成物は、着色剤として白色無機顔料または白色樹脂粒子を含まず、白色無機顔料または白色樹脂粒子以外の顔料がインキ全量に対し 0. 5 ~ 7重量％とすることでパステル調が得られる。しかし、水溶性樹脂の含有量が従来のように 2 重量％未満では、インキの粘度が 2 mP a · 5 程度となり、インキドロップ、分散安定性が悪いという問題があった。そこで、該水溶性樹脂を 2〜 1 0重量％と従来に比較して配合比率を高め、インキ粘度を 3. 5 〜 1 0 mP a ■ sに調整することで上記問題を解決した。

さらに本発明では、着色材として、キナクリドンレツド、 D P Pレツド、フタ口シァニンプノレー、フタロシアニングリーン、ァゾイェロー、ジスァゾイェローから選択された少なくとも 1種が含まれていることが好ましい。特に本発明ではキナクリドンレッド、 D P Pレッド、フタロシアニンブノレー、フタロシアニングリーン、ァゾイェロー、ジスァゾイェロー力、ら選択された少なくとも 1種が組成物全量に対し少なくとも 0 . 1重量％〜 7重量％含まれていることが好ましい。

更に水溶性樹脂がアクリル酸樹脂、スチレン一アクリル酸樹脂、スチレン一マレイン酸樹脂から選択された少なくとも 1種又は 2種以上であることが好ましい。発明を実施するための最良の形態

本発明の中芯式筆記具用水性顔料インキ組成物には、着色材として白色無機顔料または白色樹脂粒子を含まない中芯式筆記具用水性顔料ィンキ組成物であり、白色無機顔料または白色樹脂粒子以外の顔料がィンキ全量に対し 0 . 5〜 7重量％、水溶性樹脂が 2〜 1 0重量％であって、且つ粘度が 3 . 5〜1 0 m P a ' s であることで、経時分散安定性及びパステル調が得られることを特徴とする中芯式筆記具用水性顔料ィンキ組成物である。

本発明に使用される着色材としては、通常の有機顔料が使用でき、ァゾ顔料として不溶性ァゾ顔料であるモノァゾ顔料（一ナフトール系、ナフトール A S系、ァセト酢酸ァリールァミド系、ピラゾ口ン系ァセト酢酸ァリニド系、ハンザ一エロー系、ファーストイェロー系）やジスァゾ系（縮合ァゾ顔料を除く）（ァセト酢酸ァリールアミド系、ピラゾ口ン系）及びァゾレーキ（溶性ァゾ顔料）（]3—ナフトール系、 ]3—ォキシナフトェ酸系（B O N酸系）、ナフトール A S系、ァセト酢酸ァリリド系）、さらに縮合ァゾ顔料、キレートァゾ顔料、また多環式顔料としてフタロシアニン系、アントラキノン系（スレン系）（バット染料系、キレート型）、ペリレン系 'ペリノン系、ィンジゴ系 ·チオインジゴ系、キナクリドン系、ジォキサジン系、イソインドリノン系、キノフタロン系、金属錯体顔料（ニトロ系 N i錯体、ァゾメチン系 C u錯体、ァゾ系 N i錯体）、メチン · ァゾメチン系等の顔料が使用でき、耐光性の点でキナクリドンレッド、 D P Pレッド、フタロシアニンブルー、フタロシアニングリーン、ァゾイェロー、ジスァゾイェローの顔料が好ましい。尚、これらの着色材は単独又は二種以上組合わせて使用できる。

これらの顔料の使用量は組成物全量に対して 0 . 5〜 7重量％使用でき、好ましくは 1〜 5重量％使用できる。 0 . 5重量％未満では筆跡が薄くなり、 7重量％を超えるとパステル調の色調が得られない。また、キナクリドンレッド、 D P Pレッド、フタロシアニンブゾレー、フタロシアニングリーン、ァゾイェロー、ジスァゾイェローの中から少なくとも

1種使用する場合は、これら以外の顔料を併用できるが、その場合キナクリドンレッド、 D P Pレッド、フタロシアニンブノレー、フタロシア二ングリーン、ァゾイェロー、ジスァゾイェローの使用量は、 0 . 1〜 7 重量％の範囲で使用することが、耐光性及び筆記特性の点で好ましい。さらに好ましい使用範囲は、 1〜 5重量％でぁる。

本発明に使用する水溶性樹脂としては、水性筆記具に使用する水溶性樹脂が使用でき、具体的にはアクリル酸樹脂、スチレン一アクリル酸樹月旨、スチレン一マレイン酸樹脂等が挙げられる。水溶性樹脂の使用量は、組成物全量に対して 2〜 1 0重量％使用でき、好ましくは 2 ~ 5重量％の使用できる。 2重量％未満ではインキ粘度が低くなり、インキドロップゃ顔料の分散安定性が悪くなる。また、 1 0重量。 /₀を超えるとインキ粘度が高くなり過ぎインキの流出が悪くなる。

溶媒としては、水を用いる。その使用量は通常 4 0〜 6 0重量％の範囲である。水の使用量が 4 0重量％未満ではインキ粘度が高くなり過ぎィンキ流出が悪くなる。 6 0重量％を超えると筆跡の乾燥性が悪くなる。本発明には湿潤剤として水溶性有機溶剤を用いることもできる。水溶性有機溶剤を用いる場合、その水溶性有機溶剤としては、グリセリン、エチレングリコーノレ、ジエチレングリコーノレ、プロピレングリコーノレ等が使用できる。これらの水溶性有機溶剤は単独又は二種以上組み合わせて使用できる。これらの水溶性有機溶剤の使用量は組成物全量に対して 1 0〜 3 0重量％の範囲が好ましい。使用量が 1 0重量％未満では湿潤効果が弱く、筆記カスレが生じ、 3 0重量％を超えると筆跡の乾燥性が悪くなり、また耐水性が弱くなる。

また、界面活性剤を使用しても良い。界面活性剤としては、ァニオン活性剤（カルボン酸型、硫酸エステル型、スルホン型、燐酸エステル型）、ノニオン活性剤（エーテル型、エステル型、アミノエ一テル型、アルキルアミド型）及びその他フッ素系活性剤、シリコーン系活性剤、反応性活性剤が使用できる。これらの活性剤は単独又は二種以上組み合わせて使用できる。これらの活性剤の使用量は組成物全量に対して 5重量％以下，好ましくは 0 . 0 5〜 3重量％の範囲が好ましい。 5重量％を超えるとインキ組成物の分散安定性を阻害させる。

さらに、キャップオフ性（ペン先の乾燥防止）向上の目的で尿素及びその誘導体、糖、糖エステル等を添加しても良い。

その他、必要に応じて p H調整剤、防鲭剤、防腐防黴剤等も適宜選択して使用可能である。 p H調整剤としては、カセイソーダ、アンモニア等が使用可能である。防鲭剤、防腐剤としては公知のものが使用可能である。

インキ粘度は 3 . 5〜 1 O m P a · s に調整する必要がある。当該粘度が 3 . 5 m P a · s 未満のときは、顔料分散安定性が悪くなり、またインキドロップ、筆跡の濃淡、インキ漏れ等の不具合が生じる。一方、 1 O m P a · s を越えるときはインキ流出が悪くなる。ィンキの粘度調整の方法としては、顔料、水溶性樹脂、水溶性有機溶剤の使用量の他、活性剤その他の添加剤の使用により調整できる。

次に実施例により本発明をさらに詳細に説明する。なお、本発明の範囲は、これらの実施例の範囲に限定されるものではない。なお実施例及び比較例における粘度の測定には E L D型粘度計を用いて測定した。測定条件は、既述の通り、 3 ° 1 4 ' 、コーンローター使用、 2 0 °C、 5

0 r p mで測定した。実施例

実施例 1

表 1に示す組成のインキをそれぞれ調製した。先ず、水溶性樹脂液（スチレン一アタリル酸樹脂 2 0重量⁰ /₀、カセイソーダ 2重量％および水 7 8重量％) 2 5重量部にァゾ系黄色顔料 2 5重量部、エチレングリコール 2 0重量部、プチルセ口ソルブ 2重量部、水 2 8重量部を加え、公知のビーズミルで分散し、顔料濃度が水性顔料分散体 A全量に対して 1 7 重量°/。になるように水 3 2重量部を更に加え、水性顔料分散体 Aを得た。次に、この水性顔料分散体 Aに、表 1に示す配合量で、グリセリン 2 7 重量部、尿素 1 0重量部、水 2 8 . 8重量部、防腐 ·防黴剤としてコートサイド H (武田薬品製） 0 . 1重量部及びプロクセル X L— 2 (アビシァ製） 0 . 1重量部、前記水溶性樹脂液（スチレン一アクリル酸樹脂

2 0重量。/。、カセイソーダ 2重量％および水 7 8重量％) 5重量部を加え、水性顔料インキを得た。実施例 2

表 1に示す組成のィンキをそれぞれ調製した。まず、水溶性樹脂液（スチレン一アタリル酸樹脂 2 0重量％、カセィソーダ 2重量％および水 7 8重量⁰ /₀ ) 2 5重量部にキナクリドン系赤色顔料 2 5重量部、エチレングリコール 2 0重量部、プチルセ口ソルブ 2重量部、水 2 8重量部を加え、公知のビーズミルで分散し、顔料濃度が 1 7重量％になるように水

3 2重量部を加え、水性顔料分散体 Bを得た。次に、この水性顔料分散体 Bに、グリセリン 2 8重量部、尿素 1 0重量部、水 4 1 . 5重量部、コートサイド H 0 . 1重量部、プロクセル X L— 2 0 . 1重量部、前記水溶性樹脂液（スチレン一アクリル酸樹脂 2 0重量⁰ /₀、カセイソ一ダ 2重量％および水 7 8重量％) 1 5重量部を加え、水性顔料インキを得た。実施例 3 表 1に示す組成のインキをそれぞれ調製した。まず、水溶性樹脂液（スチレン一アタリル酸樹脂 2 0重量⁰ /₀、カセィソーダ 2重量⁰ /₀および水 7 8重量％) 2 5重量部に D P P系赤色顔料 2 5重量部、エチレングリコール 2 0重量部、ブチルセ口ソルブ 2重量部、水 2 8重量部を加え、公知のビーズミルで分散し、顔料濃度が 1 7重量⁰ /₀になるように水 3 2重量部を加え、水性顔料分散体 Cを得た。次に、この水性顔料分散体 Cに、グリセリン 2 5重量部、尿素 1 0重量部、水 4 1 . 0重量部、コートサイド H 0 . 1重量部、プロクセル X L— 2 0 . 1重量部、前記水溶性樹脂液（スチレン—アクリル酸樹脂 2 0重量％、カセイソーダ 2重量⁰ /₀ および水 7 8重量％) 1 5重量部を加え、水性顔料インキを得た。実施例 4

表 1に示す組成のインキをそれぞれ調製した。まず、水溶性樹脂液（スチレン一ァクリル酸樹脂 2 0重量⁰ /₀、カセィソーダ 2重量％および水 7 8重量％) 2 5重量部にフタロシアニン系緑色顔料 2 5重量部、ェチレングリコール 2 0重量部、ブチルセ口ソルブ 2重量部、水 2 8重量部を加え、公知のビーズミルで分散し、顔料濃度が 1 7重量％になるように水 3 2重量部を加え、水性顔料分散体 Dを得た。次に、この水性顔料分散体 Dに、グリセリン 2 5重量部、尿素 1 0重量部、水 4 1 . 7重量部、コートサイド H 0 . 1重量部、プロクセル X L— 2 0 . 1重量部、前記水溶性樹脂液（スチレン一アクリル酸樹脂 2 0重量％、カセイソ一ダ 2重量。/。および水 7 8重量％) 1 5重量部を加え、水性顔料インキを得た。実施例 5

表 1に示す組成のィンキをそれぞれ調製した。まず、水溶性樹脂液（スチレン一ァクリル酸樹脂 2 0重量⁰ /₀、カセィソーダ 2重量⁰ /₀および水 7 8重量。/。） 2 5重量部にフタロシアユン系青色顔料 2 5重量部、ェチレングリコール 2 0重量部、ブチルセ口ソルブ 2重量部、水 2 8重量部を加え、公知のビーズミルで分散し、顔料濃度が 1 7重量％になるように水 3 2重量部を加え、水性顔料分散体 Eを得た。次に、この水性顔料分散体 Eに、グリセリン 2 8重量部、尿素 1 0重量部、水 4 3 . 0重量部、コートサイド H 0 . 1重量部、プロクセル X L— 2 0 . 1重量部、前記水溶性樹脂液（スチレン一アクリル酸樹脂 2 0重量％、カセイソ一ダ 2重量％および水 7 8重量％) 1 5重量部を加え、水性顔料インキを得た。比較例 1

表 1に示す組成のィンキをそれぞれ調製した。先ず、水溶性樹脂液（スチレン一ァクリル酸樹脂 2 0重量⁰ /₀、カセィソーダ 2重量％および水 7 8重量％) 2 5重量部にァゾ系黄色顔料 2 5重量部、エチレングリコール 2 0重量部、プチルセ口ソルブ 2重量部、水 2 8重量部を加え、公知のビーズミルで分散し、顔料濃度が 1 7重量％になるように水 3 2重量部を加え、水性顔料分散体 Aを得た。次に、この水性顔料分散体 Aの 2 9重量部に、酸化チタン分散体 3 . 0重量部、グリセリン 2 7重量部、尿素 1 0重量部、水 2 8 . 8重量部、防腐■防黴剤としてコートサイド H (武田薬品製） 0 . 1重量部及びプロクセル X L— 2 (アビシァ製） 0 . 1重量部、前記水溶性樹脂液（スチレンーァクリル酸樹脂 2 0重量％、カセイソーダ 2重量。/。および水 7 8重量％) 5重量部を加え、水性顔料インキを得た。比較例 2

表 1に示す組成のインキをそれぞれ調製した。まず、水溶性樹脂液（スチレン一アクリル酸樹脂 2 0重量⁰ /₀、カセイソーダ 2重量％および水 7 8重量％) 2 5重量部にァゾ系黄色顔料 2 5重量部、エチレングリコール 2 0重量部、ブチルセ口ソルプ 2重量部、水 2 8重量部を加え、公知のビーズミルで分散し、顔料濃度が 1 7重量％になるように水 3 2重量部を加え、水性顔料分散体 Aを得た。次に、この水性顔料分散体 Aに、グリセリン 2 7重量部、尿素 1 0重量部、水 3 3 . 8重量部、コートサイド H 0 . 1重量部、プロクセル X L— 2 0 . 1重量部を加え、水性顔料ィンキを得た。比較例 3

表 1に示す組成のィンキをそれぞれ調製した。まず、水溶性樹脂液（スチレン一アタリル酸樹脂 2 0重量％、カセイソーダ 2重量 °/₀および水 7 8重量⁰ /₀ ) 2 5重量部にキナクリドン系赤色顔料 2 5重量部、エチレングリコール 2 0重量部、プチルセ口ソルプ 2重量部、水 2 8重量部を加え、公知のビーズミルで分散し、顔料濃度が 1 7重量％になるように水 3 2重量部を加え、水性顔料分散体 Bを得た。次に、この水性顔料分散体 Bに、グリセリン 2 8重量部、尿素 1 0重量部、水 5 6 . 5重量部、コートサイド H 0 . 1重量部、プロクセル X L— 2 0 . 1重量部を加え、水性顔料インキを得た。比較例 4

表 1に示す組成のインキをそれぞれ調製した。まず、水溶性樹脂液（スチレン一ァクリル酸樹脂 2 0重量％、カセィソーダ 2重量％および水 7 8重量％) 2 5重量部に D P P系赤色顔料 2 5重量部、エチレンダリコール 2 0重量部、ブチルセ口ソルブ 2重量部、水 2 8重量部を加え、公知のビーズミルで分散し、顔料濃度が 1 7重量％になるように水 3 2重量部を加え、水性顔料分散体 Cを得た。次に、この水性顔料分散体 Cに、グリセリン 2 5重量部、尿素 1 0重量部、水 5 6 . 0重量部、コートサイド H 0 . 1重量部、プロクセル X L— 2 0 . 1重量部を加え、水性顔料インキを得た。比較例 5

表 1に示す組成のインキをそれぞれ調製した。まず、水溶性樹脂液（スチレンーァクリル酸樹脂 2 0重量⁰ /₀、カセィソーダ 2重量⁰ /₀および水 7 8重量％) 2 5重量部にフタロシアニン系緑色顔料 2 5重量部、ェチレングリコール 2 0重量部、プチルセ口ソルプ 2重量部、水 2 8重量部を加え、公知のビーズミルで分散し、顔料濃度が 1 7重量％になるように水 3 2重量部を加え、水性顔料分散体 Dを得た。次に、この水性顔料分散体 Dに、グリセリン 2 5重量部、尿素 1 0重量部、水 5 6 . 7重量部、コートサイド H 0 . 1重量部、プロクセル X L— 2 0 . 1重量部を加え、水性顔料インキを得た。比較例 6

表 1に示す組成のィンキをそれぞれ調製した。まず、水溶性樹脂液（スチレンーァクリル酸樹脂 2 0重量⁰ /₀、カセィソーダ 2重量％および水 7 8重量％) 2 5重量部にフタロシアニン系青色顔料 2 5重量部、ェチレングリコール 2 0重量部、ブチルセ口ソルブ 2重量部、水 2 8重量部を加え、公知のビーズミルで分散し、顔料濃度が 1 7重量％になるように水 3 2重量部を加え、水性顔料分散体 Eを得た。次に、この水性顔料分散体 Eに、グリセリン 2 8重量部、尿素 1 0重量部、水 5 8 . 0重量部、コートサイド H 0 . 1重量部、プロクセル X L— 2 0 . 1重量部を加え、水性顔料インキを得た。

【表 1】難例比糊

1 2 3 4 5 1 2 3 4 5 6 嫌粉散体 A 30.0 30.0 30.0

5.8 5.8

8.8 8.8

8.1 8.1 料 w^ 3.8 3.8 酸化チタン^ m体

1) 3.0

謝離 ²⁾ 4.9 1.0 1.5 1.4 0.6 5.4 4.9 1.0 1.5 1.4 0.6 水溶國旨 ³⁾ 1.0 0.2 0.3 0.3 0.1 1.1 1.0 0.2 0.3 0.3 0.1 プロクセル XL— 2 0.1 0.1 0.1 0.1 0.1 0.1 0.1 0.1 0.1 0.1 0.1 トサイド H 0.1 0.1 0.1 0.1 0.1 0.1 0.1 0.1 0.1 0.1 0.1 水赚樹職 5.0 15.0 15.0 15.0 15.0 5.0

(水溶'闘旨 ⁴⁾) (1.0) (3.0) (3.0) (3.0) (3.0) (1.0) グリセリン 27.0 28.0 25.0 25.0 28.0 27.0 27.0 28.0 25.0 25.0 28.0 水 27.8 41.0 41.0 41.7 43.0 24.8 32.8 56.0 56.0 56.7 58.0 尿素 10.0 10.0 10.0 10.0 10.0 10.0 10.0 10.0 10.0 10.0 10.0 合計（軍》%) 100.0 100.0 100.0 100.0 100.0 100.0 100.0 100.0 100.0 100.0 100.0 水溶園旨総量

*%) 2.0 3.2 3.3 3.3 3.1 2.1 1.0 0.2 0.3 0.3 0.1 讓

粘度 (mPa · s) 5.8 4.5 4.3 4.2 4.3 6.0 4.9 3.2 3.0 2.9 3.0 正倒立記 ⁵⁾ ◎ ◎ ◎ ◎ ◎ X Δ X X X X

(表注）

1 ) 酸化チタン分散体：水溶性樹脂液 2 5重量部に酸化チタン 2 5重量部、エチレングリコール 2 0重量部、水 3 0重量部を加え、公知のビーズミルで分散し、酸化チタン濃度が 1 7重量％になるように水 3 2重量部を添加した組成からなる。なお、水溶性樹脂液は、スチレンーァクリル酸樹脂 2 0重量％、カセィソーダ 2重量％および水 7 8重量％で構成され、水溶性樹脂はスチレンーァクリル酸樹脂である。

2 ) 顔料濃度：インキ全量中の顔料濃度（重量％)

3 ) 水溶性樹脂：顔料分散体 A ~ E中に含まれるスチレンーァクリル酸樹脂であって、インキ全量中における濃度（重量％)

4 ) 水溶性樹脂：スチレン一アクリル酸樹脂であって、インキ全量中における濃度（重量％)

5 ) 紙面にて手書き筆記して、保存前後の筆跡濃度を目視評価した。 ◎は、濃度変化が全くない。〇は、ほとんど濃度変化しない。 △は、濃度変化が良くわかる。 Xは、濃度変化が著しい。実施例及び比較例に示す既述の顔料成分は以下の通りである。

(顔料）

キナタリドン（商品名：クロモフタルピンク P T、チバスぺシャリティケミカルズ社製）

フタロシアニンブルー（商品名：ファストゲンプル一 T G R、大本ィンキ社製）

フタロシアニングリーン（商品名：ファストゲングリーン B、大日本ィンキ社製）

ァゾイェロー（商品名：リオノールイェロー 1 O G P T、東洋インキ社製）

D P P レッド（商品名：クロモフタルレツド 2 0 3 0、チバスぺシャリティーケミカルズ社製） (ィンキ組成物の評価）

実施例 1〜 5及び比較例 1〜 5で得られた水性ィンキ組成物を、中芯式筆記具に充填し、紙面に筆記して、その筆跡を調べた。更に、筆記した後、その筆記具をそれぞれ正立状態（ペン先を上に向けた状態）又は倒立状態（ペン先を下に向けた状態）にて 5 0 °Cで 1ヶ月間、放置した後、筆記して、筆跡の当初との濃度変化を調べた。結果を表 1に示す。

(筆記線と白紙との色差）

白紙上に実施例のィンキを筆記し、その筆記線と白紙との色差を評価した。測定器は、ミノルタ社製、商品名「CR _ 2 4 1」の色彩色差計であり、 J I S Z 8 7 2 9に準拠して測定した。その結果、白紙の L *は 9 3 . 8、 a *は 0 . 6、 b *は一 1 . 1であるのに対して、各実施例のインキの L *は 6 8以上、白紙との色差 l E * ( a b ) が 4 5以下であった。これにより、各実施例のインキは、パステル色としての発色の程度が大きいことを確認した。

(評価結果）

実施例 1〜 5に係る水性インキ組成物は、パステル調の筆跡を得られ、且つ、正倒立濃度変化筆記性も濃度変化が全く無かった。一方、比較例：!〜 5に係る水性インキ組成物では、パステル調の筆跡は得られたが、正倒立濃度変化、筆記性は著しく悪かった。以上のように本発明の中芯式筆記具用水性顔料インキは、白色顔料を用いず、特定量の顔料と特定量の水溶性樹脂及び特定のインキ粘度としたことで、パステル調の色調を得ることができるとともに、中芯式筆記具に適用した場合、ィンキの分散安定性が得られ、またィンキドロップ、筆記具の正倒立による色の濃淡を防ぐことができる効果がある。さらに筆記具容器からのィンキ洩れの恐れもない。産業上の利用可能性

本発明のィンキ組成物は、公知の構造を備えた中芯式筆記具に適用することができる。例えば、インキ収容部として繊維束が収束された中芯を有し、中芯に貯蔵されたインキを流出するペン先（チップ）を有する筆記具であり、例えば前記ペン先としては例えばボール、繊維、プラスチック芯、ブラシ状物、筆状物が備えられている筆記具である。

Claims

請求の範囲

1. 着色材として白色無機顔料または白色樹脂粒子を含まない中芯式筆記具用水性顔料インキ組成物において、顔料がインキ全量に対し 0. 5〜7重量％、水溶性樹脂が 2〜 1 0重量％であって、且つ粘度が 3. 5〜1 OmP a · s であることを特徴とする中芯式筆記具用水性顔料ィンキ組成物。

2. 前記白色無機顔料または白色樹脂粒子以外の顔料が、キナタリドンレッド、 D P Pレッド、フタロシアニンプノレー、フタロシアニングリーン、ァゾイェロー、ジスァゾイェローの中から選ばれる 1種又は 2 種以上を含む請求項 1記載の中芯式筆記具用水性顔料ィンキ組成物。

3. 前記キナクリドンレッド、 D P Pレッド、フタロシアニンブル一、フタロシアニングリーン、ァゾイェロー、ジスァゾイェローの中力ら選ばれる 1種又は 2種以上の顔料がィンキ全量に対し少なくとも 0. 1〜 7重量％含む請求項 2記載の中芯式筆記具用水性顔料ィンキ組成物。

4. 前記水溶性樹脂がァクリル酸樹脂、スチレンーァクリル酸樹脂、スチレン一マレイン酸樹脂の中から選ばれる 1種又は 2種以上である請求項 1記載の中芯式筆記具用水性顔料ィンキ組成物。 5. インキ収容部として繊維束が収束された中芯と、当該中芯に収容されたィンキを流出するペン先を有する中芯式筆記具であって、上記インキが、着色材として白色無機顔料または白色樹脂粒子を含まないインキであり、顔料がインキ全量に対し 0. '5〜7重量％、水溶性樹脂が 2〜 1 0重量％であって、且つ粘度が 3.

5〜1 0mP a ' s である中芯式筆記具。

6 . インキ収容部として繊維束が収束された中芯と、当該中芯に収容されたィンキを流出するペン先を有する中芯式筆記具であって、上記インキが、着色材として白色無機顔料または白色樹脂粒子を含まないィンキであり、

前記白色無機顔料または白色樹脂粒子以外の顔料、及び水溶性樹脂が含まれ、

前記白色無機顔料または白色樹脂粒子以外の顔料が、キナタリドンレッド、 D P P レッド、フタ口シァニンブルー、フタ口シアニングリーン、ァゾイェロー、ジスァゾイェローの中から選ばれる 1種又は 2種以上であり、

前記水溶性樹脂が、アクリル酸樹脂、スチレン一アクリル酸樹脂、スチレン一マレイン酸樹脂の中から選ばれる 1種又は 2種以上であり、インキ全量に対し、

前記白色無機顔料または白色樹脂粒子以外の顔料が 0 . 5〜 7重量％、前記水溶性樹脂が 2〜 1 0重量％であって、

且つ粘度が 3 . 5〜： L O m P a ' sである、

中芯式筆記具。

7 . 前記ペン先が、ボール、繊維、プラスチック芯、ブラシ状物、筆状物のいずれかからなる請求項 6記載の中芯式筆記具。