JP5150446B2 - ボールペン用水性インキ組成物及びそれを内蔵したボールペン - Google Patents
ボールペン用水性インキ組成物及びそれを内蔵したボールペン Download PDFInfo
- Publication number
- JP5150446B2 JP5150446B2 JP2008261891A JP2008261891A JP5150446B2 JP 5150446 B2 JP5150446 B2 JP 5150446B2 JP 2008261891 A JP2008261891 A JP 2008261891A JP 2008261891 A JP2008261891 A JP 2008261891A JP 5150446 B2 JP5150446 B2 JP 5150446B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- ball
- ink composition
- water
- ballpoint pen
- writing
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Expired - Fee Related
Links
- 0 CC*NC(C)* Chemical compound CC*NC(C)* 0.000 description 1
Landscapes
- Inks, Pencil-Leads, Or Crayons (AREA)
- Pens And Brushes (AREA)
Description
そこで、前記問題を解決するために、インキ組成物中にN−アシルサルコシン塩やアミノ酸型ベタイン等を潤滑剤として添加し、水性インキの潤滑性を向上させてボール受け座の摩耗を低減する試みが開示されている(例えば、特許文献1、2参照)。
特に、ボール径が0.4mm以下の小径のものでは、筆記距離に対するボールの回転数が多くなることから、より摩耗を生じ易い。そのため、より潤滑効果の高いものが必要となる。
更に、前記縮合物及び/又はその塩がインキ組成物全量中0.1〜7.0重量%の範囲で添加されること、前記縮合物を構成するN−アシル−L−グルタミン酸のアシル基がラウロイル基であることを要件とする。
更には、前記ボールペン用水性インキ組成物を内蔵したボールペンと、前記ボールペンが、0.4mm以下のボールを筆記先端部に備えること、前記ボールペンが水性インキ組成物をレフィル内に内蔵したボールペンレフィルを1本又は複数本収容し、出没機構の作動によって前記ボールペンレフィルの筆記先端部が軸筒前端開口部から出没する出没式形態であることを要件とする。
また、これらの塩としては、ナトリウム塩、カリウム塩等のアルカリ金属塩、アンモニウム塩、アルカノールアミン塩等が用いられる。
これらの化合物は、水性媒体中でボールやチップ(ボール受け座)の表面に被膜を形成することにより、筆記時のボールと受け座間の接触抵抗を低減させていると考えられる。
0.1重量%未満では所期の効果を得ることは困難であり、又、7重量%を越えて添加しても摩耗抑制効果の向上は認められないので、これ以上の添加を要しない。
酸性染料としては、ニューコクシン(C.I.16255)、タートラジン(C.I.19140)、アシッドブルーブラック10B(C.I.20470)、ギニアグリーン(C.I.42085)、ブリリアントブルーFCF(C.I.42090)、アシッドバイオレット6B(C.I.42640)、ソルブルブルー(C.I.42755)、ナフタレングリーン(C.I.44025)、エオシン(C.I.45380)、フロキシン(C.I.45410)、エリスロシン(C.I.45430)、ニグロシン(C.I.50420)、アシッドフラビン(C.I.56205)等が用いられる。
尚、前記水溶性有機溶剤は一種又は二種以上を併用して用いることができ、2〜60重量%、好ましくは5〜35重量%の範囲で用いられる。
更に、ポリアルキレングリコール脂肪酸エステル、エチレンオキサイド付加型カチオン活性剤、リン酸エステル系界面活性剤、チオカルバミン酸塩、ジメチルジチオカルバミン酸塩、N−アシルアミノ酸、N−アシルメチルタウリン、2,5−ジメルカプト−1,3,4−チアジアゾールやその塩又はオリゴマー、3−アミノ−5−メルカプト−1,2,4−トリアゾール、金属石鹸等、汎用の潤滑剤を併用することもできる。
前記剪断減粘性付与剤としては、水に可溶乃至分散性の物質が効果的であり、キサンタンガム、ウェランガム、構成単糖がグルコースとガラクトースの有機酸修飾ヘテロ多糖体であるサクシノグリカン(平均分子量約100〜800万)、グアーガム、ローカストビーンガム及びその誘導体、ゼータシーガム、ダイユータンガム、ポリN−ビニル−カルボン酸アミド架橋物、ヒドロキシエチルセルロース、アルギン酸アルキルエステル類、メタクリル酸のアルキルエステルを主成分とする分子量10万〜15万の重合体、グルコマンナン、寒天やカラゲニン等の海藻より抽出されるゲル化能を有する炭水化物、ベンジリデンソルビトール及びベンジリデンキシリトール又はこれらの誘導体、架橋性アクリル酸重合体、無機質微粒子、HLB値が8〜12のノニオン系界面活性剤、ジアルキルスルホコハク酸の金属塩やアミン塩等を例示でき、更には、インキ組成物中にN−アルキル−2−ピロリドンとアニオン系界面活性剤を併用して添加しても安定した剪断減粘性を付与できる。
前記インキ逆流防止体としては、液状または固体のいずれを用いることもでき、前記液状のインキ逆流防止体としては、ポリブテン、α−オレフィンオリゴマー、シリコーン油、精製鉱油等の不揮発性媒体が挙げられ、所望により前記媒体中にシリカ、珪酸アルミニウム、膨潤性雲母、脂肪酸アマイド等を添加することもできる。また、固体のインキ逆流防止体としては樹脂成形物が挙げられる。前記液状及び固体のインキ逆流防止体は併用することも可能である。
また、前記ボールは、超硬合金、ステンレス鋼、ルビー、セラミック等からなる汎用のものが適用でき、直径0.1mm〜2.0mm、好ましくは0.15mm〜1.0mmの範囲のものが好適に用いられる。特に、ボール径が0.4mm以下の小径のものでは、筆記距離に対するボールの回転数が多くなることから、本願のインキがより好適に作用する。
前記軸筒にはチップを直接連結する他、接続部材を介して前記軸筒とチップを連結してもよい。
前記軸筒内に収容されるインキ組成物は、インキ組成物が低粘度である場合は軸筒前部にインキ保留部材を装着し、軸筒内に直接インキ組成物を収容する方法と、多孔質体或いは繊維加工体に前記インキ組成物を含浸させて収容する方法が挙げられる。
尚、前記軸筒は、ボールペン用レフィルの形態として、前記レフィルを外筒内に収容するものでもよいし、先端部にチップを装着した軸筒自体をインキ収容体として、前記軸筒内に直接インキを充填してもよい。
出没機構の操作方法としては、例えば、ノック式、回転式、スライド式等が挙げられる。
前記ノック式は、外軸後端部や外軸側面にノック部を有し、該ノック部の押圧により、ボールペンレフィルの筆記先端部を外軸前端開口部から出没させる構成、或いは、外軸に設けたクリップ部を押圧することにより、ボールペンレフィルの筆記先端部を外軸前端開口部から出没させる構成を例示できる。
前記回転式は、外軸に回転部(後軸等)を有し、該回転部を回すことによりボールペンレフィルの筆記先端部を外軸前端開口部から出没させる構成を例示できる。
前記スライド式は、軸筒側面にスライド部を有し、該スライドを操作することによりボールペンレフィルの筆記先端部を外軸前端開口部から出没させる構成、或いは、外軸に設けたクリップ部をスライドさせることにより、ボールペンレフィルの筆記先端部を外軸前端開口部から出没させる構成を例示できる。
尚、前記出没式ボールペンは、外軸内に一本のボールペンレフィルを収容したもの以外に、複数のボールペンレフィルを収容してなる複合タイプの出没式ボールペンであってもよい。
以下の表に実施例及び比較例のボールペン用水性インキの組成を示す。尚、表中の組成の数値は重量部を示す。
(1)オリエント化学工業(株)製、商品名:ウォーターブラック100L、C.I.ダイレクトブラック19(染料分20%)
(2)保土ヶ谷化学工業(株)製、商品名:エオシン、C.I.アシッドレッド87
(3)三晶(株)製、商品名:KELZAN
(4)東レ・ダウコーニング社製、商品名:FZ2163
(5)N−ラウロイル−L−グルタミン酸とL−リジンとの縮合物のナトリウム塩、旭化成ケミカルズ(株)製、商品名:ペリセアL−30(有効成分30%)
(6)日光ケミカルズ(株)製、商品名:NIKKOL サルコシネートOH
(7)日光ケミカルズ(株)製、商品名:NIKKOL AM−301(有効成分35%)
水に各成分を添加して、20℃で、ディスパーにて400rpm、1時間攪拌し、濾過することで各インキを調製した。
基油としてポリブテン98.5部中に、増粘剤として脂肪酸アマイド1.5部を添加した後、3本ロールにて混練してインキ逆流防止体を得た。
前記実施例及び比較例のインキ組成物を、直径0.3mmの超硬合金ボールを抱持するステンレススチール製チップがポリプロピレン製パイプの一端に嵌着されたボールペンレフィルに同量充填し、その後端に前記インキ逆流防止体を配設した後、前記ボールペンレフィルを外軸に組み込み、キャップを装着することで試料ボールペンAを作製した。
前記ボールペンAに用いた実施例1、3のインキを内蔵するボールペンレフィルと、比較例1、3のインキを内蔵するボールペンレフィルとを、それぞれスライドレバー型出没式筆記具の外軸に組み込むことで、二本のレフィルを収容する出没式形態の複合ボールペンBを作製した。
磨耗試験
筆記可能であることを確認した試料ボールペンAを、自動筆記試験機にて、JIS P3201筆記用紙Aに螺旋状の丸を1500m連続筆記した後のボール受け座部分の初期状態に対する摩耗量(ペン先上向き状態におけるボール沈み量)を測定した。
尚、前記試験機は、筆記荷重50g、筆記角度70°、筆記速度4m/分の条件で使用した。また、測定値は、各5本ずつ試験したものの平均値である。
筆記試験
前記試験後のボールペンを用いて、筆記用紙Aに手書きで螺旋状の丸を連続筆記した際の筆跡状態を目視により確認した。
耐乾燥性試験
筆記可能であることを確認した試料ボールペンBを横置き状態で保持し、温度20℃で30日間放置した後、JIS P3201筆記用紙Aに手書きで丸を一行に12個連続で筆記し、何個目から正常に筆記できるかを目視により確認した。
前記試験の結果を以下の表に示す。
筆記試験
○:良好な筆跡が得られた。
△:筆跡にかすれや線飛びが見られた。
×:筆跡にかすれや線飛びが多数見られ、筆記時にひっかかり感が感じられた。
耐乾燥性試験
○:書き出し一丸以内に筆記可能。
×:一丸以内に筆記できない。
Claims (6)
- 前記縮合物及び/又はその塩がインキ組成物全量中0.1〜7.0重量%の範囲で添加される請求項1記載のボールペン用水性インキ組成物。
- 前記縮合物を構成するN−アシル−L−グルタミン酸のアシル基がラウロイル基である請求項1記載のボールペン用水性インキ組成物。
- 前記請求項1乃至3のいずれかに記載のボールペン用水性インキ組成物を内蔵したボールペン。
- 前記ボールペンが0.4mm以下のボールを筆記先端部に備える請求項4記載のボールペン。
- 前記ボールペンが水性インキ組成物をレフィル内に内蔵したボールペンレフィルを1本又は複数本収容し、出没機構の作動によって前記ボールペンレフィルの筆記先端部が軸筒前端開口部から出没する出没式形態である請求項4又は5に記載のボールペン。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2008261891A JP5150446B2 (ja) | 2008-10-08 | 2008-10-08 | ボールペン用水性インキ組成物及びそれを内蔵したボールペン |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2008261891A JP5150446B2 (ja) | 2008-10-08 | 2008-10-08 | ボールペン用水性インキ組成物及びそれを内蔵したボールペン |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2010090280A JP2010090280A (ja) | 2010-04-22 |
JP5150446B2 true JP5150446B2 (ja) | 2013-02-20 |
Family
ID=42253309
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2008261891A Expired - Fee Related JP5150446B2 (ja) | 2008-10-08 | 2008-10-08 | ボールペン用水性インキ組成物及びそれを内蔵したボールペン |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP5150446B2 (ja) |
Families Citing this family (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2014024286A (ja) * | 2012-07-28 | 2014-02-06 | Pilot Corporation | ボールペン |
JP7299778B2 (ja) * | 2019-07-18 | 2023-06-28 | 株式会社パイロットコーポレーション | 筆記具用インキ組成物およびそれを用いた筆記具 |
Family Cites Families (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPH09208875A (ja) * | 1996-01-30 | 1997-08-12 | Pentel Kk | ボールペン |
JP3348183B2 (ja) * | 1996-05-27 | 2002-11-20 | ぺんてる株式会社 | ボールペン用水性顔料インキ |
JP3798117B2 (ja) * | 1997-05-21 | 2006-07-19 | パイロットインキ株式会社 | ボールペン用水性金属光沢色インキ |
JP4183579B2 (ja) * | 2003-08-19 | 2008-11-19 | 三菱鉛筆株式会社 | 油性系ゲルインキ組成物 |
JP2006206738A (ja) * | 2005-01-28 | 2006-08-10 | Mitsubishi Pencil Co Ltd | 油性系ゲルインキ組成物及びこのインキ組成物を用いた塗布具 |
-
2008
- 2008-10-08 JP JP2008261891A patent/JP5150446B2/ja not_active Expired - Fee Related
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP2010090280A (ja) | 2010-04-22 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP2007177011A (ja) | ボールペン用水性インキ組成物及びそれを内蔵したボールペンレフィル、ボールペン | |
JP4754225B2 (ja) | 水性染料ボールペン | |
JP5641698B2 (ja) | 水性ボールペン | |
JP5249824B2 (ja) | ボールペン用水性インキ組成物及びそれを内蔵したボールペン | |
JP2010005797A (ja) | 水性ボールペン | |
JP5053012B2 (ja) | ボールペン用水性インキ組成物及びそれを内蔵したボールペン | |
JP5150446B2 (ja) | ボールペン用水性インキ組成物及びそれを内蔵したボールペン | |
JP4771676B2 (ja) | ボールペン | |
JP2013108055A (ja) | ボールペン用水性インキ組成物及びそれを内蔵したボールペン | |
JP5166098B2 (ja) | ボールペン用水性インキ組成物及びそれを内蔵したボールペン | |
JP5053006B2 (ja) | ボールペン用水性インキ組成物及びそれを内蔵したボールペン | |
JP5090866B2 (ja) | ボールペン用水性インキ組成物及びそれを内蔵したボールペン | |
JP5043377B2 (ja) | ボールペン | |
JP2009297921A (ja) | 水性ボールペン | |
JP4885520B2 (ja) | ボールペン用水性インキ組成物及びそれを内蔵したボールペン | |
JP6049066B2 (ja) | ボールペン用水性インキ組成物及びそれを内蔵したボールペン | |
JP5145276B2 (ja) | ボールペン用水性インキ組成物及びそれを内蔵したボールペン | |
JP6017193B2 (ja) | ボールペン用水性インキ組成物及びそれを内蔵したボールペン | |
JP2018001755A (ja) | ボールペン | |
JP5053024B2 (ja) | ボールペン用水性インキ組成物及びそれを内蔵したボールペン | |
JP5431011B2 (ja) | ボールペン用水性インキ組成物及びそれを内蔵したボールペン | |
JP5427557B2 (ja) | ボールペン用水性インキ組成物及びそれを内蔵したボールペン | |
JP5427457B2 (ja) | ボールペン用水性インキ組成物及びそれを内蔵したボールペン | |
JP6002011B2 (ja) | ボールペン | |
JP5627987B2 (ja) | ボールペン |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20110829 |
|
TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20121127 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20121203 |
|
R150 | Certificate of patent or registration of utility model |
Ref document number: 5150446 Country of ref document: JP Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20151207 Year of fee payment: 3 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
LAPS | Cancellation because of no payment of annual fees |