JP7299778B2 - 筆記具用インキ組成物およびそれを用いた筆記具 - Google Patents
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特に、ボールペンの場合は、ボール径が1.0~2.0mmとした場合は、インキ吐出量を多くなるようにボールペンチップを設定するため、インキ漏れの影響が出やすく、さらに筆記先端部が乾燥した時の書き出し性能が劣りやすい。
「1.着色剤、溶媒、油性成分、アシルアミノ酸リシンまたはその塩を含んでなることを特徴とする筆記具用インキ組成物。
2.前記アシルアミノ酸リシンが、脂肪酸アシルアミノ酸リシンであることを特徴とする第1項に記載の筆記具用インキ組成物。
3.前記アシルアミノ酸リシンまたはその塩の含有量が、インキ組成物全量に対して、0.01~5質量%であることを特徴とする第1項または第2項に記載の筆記具用インキ組成物。
4.前記油性成分が、油脂であることを特徴とする第1項ないし第3項のいずれか1項に記載の筆記具用インキ組成物。
5.前記溶媒が、少なくとも水を含んでなることを特徴とする第1項ないし第4項のいずれか1項に記載の筆記具用インキ組成物。
6.前記筆記具用インキ組成物に、さらにノニオン系界面活性剤を含んでなることを特徴とする第1項ないし第5項のいずれか1項に記載の筆記具用インキ組成物。
7.20℃、剪断速度1.0sec-1におけるインキ粘度が、100~10000mPa・sであることを特徴とする第1項ないし第6項のいずれか1項に記載の筆記具用インキ組成物。
8.インキ収容筒の先端部に、ボールを回転自在に抱持したボールペンチップを有し、前記インキ収容筒内に第1項ないし第7項のいずれか1項に記載の筆記具用インキ組成物を収容してなることを特徴とするボールペン。」とする。
本発明で用いるアシルアミノ酸リシンまたはその塩については、アシル基を有するアミノ酸系界面活性剤で、アミノ酸を原料とする両親媒性化合物であるため、分子中に疎水基と親水基を有しており、前記疎水基が、油性成分に対して吸着すると同時に、一方では、前記親水基が溶媒中でバランスを取りながら安定していることで、溶媒に油性成分を安定に微分散することができる。また、前記親水基は溶媒分子と安定したネットワーク構造を形成し、ゲル構造を有することができ、インキ粘度発現性を有することが可能となるものと推測する。
アシルアミノ酸リシンまたはその塩の構造において、疎水基が、より油性成分に対して吸着しやすく、溶媒中に油性成分を安定に微分散することができるため、アシル基が脂肪酸由来である脂肪酸アシルグルタミン酸リシンまたはその塩が好ましく、より考慮すれば、複数の脂肪酸アシル基をリンカーである親水基へ双子型に結合させた、ジ脂肪酸アシルアミノ酸リシンまたはその塩を用いることが好ましい。
また、アシルアミノ酸リシンまたはその塩の構造中の親水基は溶媒分子と安定したネットワーク構造を形成し、ゲル構造を有することによって、静止時のインキ粘度を高く設定することができ、インキの流動を抑えることで、筆記先端部の間隙から(ボールペンの場合はボールとチップ先端の間隙からのインキ漏れ)インキがしみ出ることを抑えることで、筆記先端部の間隙からのインキ漏れ(ボールとチップ先端の間隙からのインキ漏れ)を抑制する効果が得られる。さらに、筆記時に剪断などの衝撃により、一時的にゲル構造が解けることで、インキ粘度が低くなり、書き味を良好に保つことが可能である。特に、ボールペンに用いた場合は、筆記時にボールの剪断などの衝撃により、書き味を向上させやすい効果が得られるものと推測する。
さらに、着色剤として、顔料を用いた場合は、ゲル構造により、顔料分散性を向上しやすいため、より好適に用いることができ、好ましい。
本発明では、塩としては、ナトリウム塩、カリウム塩などのアルカリ金属塩、トリエタノールアミン塩等の有機アミン塩、アルギニン等の塩基性アミノ酸塩が挙げられるが、溶媒に対する安定性を考慮すれば、ナトリウム塩、カリウム塩などのアルカリ金属塩が好ましく、より考慮すれば、ナトリウム塩とすることが好ましい。
また、脂肪酸アシルグルタミン酸リシンまたはその塩については、具体的には、ジ脂肪酸アシルグルタミン酸またはその塩が挙げられ、ジ脂肪酸アシルグルタミン酸またはその塩としては、ジラウロイルグルタミン酸リシンまたはその塩、ジミリストイルグルタミン酸リシンまたはその塩、ジステアロイルグルタミン酸リシンまたはその塩、ジリノレオイルグルタミン酸リシンまたはその塩などが挙げられる。その中でも、インキ中で安定して溶媒に油性成分が微分散して安定したネットワーク構造を形成しやすいため、ジラウロイルグルタミン酸リシンまたはその塩を用いることが好ましく、最も好ましくは、ジラウロイルグルタミン酸リシンナトリウムである。
また、脂肪酸アシルグルタミン酸リシンおよびまたはその塩については、インキ中での安定性を考慮すれば、N-アシル-L-グルタミン酸と、L-リジンの縮合物のナトリウム塩とすることが好ましい。さらに、より安定性を考慮すれば、N-アシル-L-グルタミン酸と、L-リジンの縮合物とのモル比は、1:1~1:4であることが好ましく、さらに考慮すれば、1:1~1:3であることが好ましい。
本発明で用いる油性成分としては、常温で液体である液状油または常温で固体である固体脂のいずれをも使用することができる。エステル油、植物油、動物油のような油脂類、炭化水素類、脂肪酸、高級アルコール、シリコ-ン油などが挙げられるが、アシルアミノ酸リシンまたはその塩の構造中の疎水基と、油性成分が吸着しやすいことを考慮すれば、少なくとも油脂類または脂肪酸を用いることが好ましく、より油性成分と吸着しやすいことを考慮すれば、油脂類を用いることが好ましい。さらに、生分解性に優れ、人体に対する刺激性が少なく、環境安全性を考慮すれば、植物油が好ましく、より考慮すれば、後述する大豆油が好ましい。
本発明で用いる溶媒としては、水、および水と有機溶剤との混合溶媒が挙げられ、溶媒を用いることで、アシルアミノ酸リシンまたはその塩の疎水基が吸着された油性成分はアシルアミノ酸リシンまたはその塩の親水基部分が溶媒と親和性があるため、安定したO/Wエマルジョン構造を形成することが可能となり、溶媒中に微分散した油性成分と溶媒分子が安定したネットワーク構造を形成したO/Wエマルジョンインキ組成物になりやすい。さらに、溶媒の中でも、水を含んでなることが好ましい、これは、水を含んでなることで、筆記先端部の間隙から水が蒸発することで、インキ中に含まれる樹脂などが筆記先端部の間隙に被膜を生じやすくなり、筆記先端部の間隙からのインキ漏れを抑制する効果が得られやすいためである。また、インキが紙面に筆記された際、水が素早く蒸発することで、良好な筆跡乾燥性も得られやすいためである。
また、有機溶剤としては、水溶性有機溶剤を含んでなることが好ましい、これは、水溶性有機溶剤を含んでなることで、アシルアミノ酸リシンまたはその塩の親水基が水溶性有機溶剤分子と水素結合をしやすいため、安定なネットワーク構造を形成し、ゲル構造を有しやすいためである。さらに、水溶性有機溶剤のなかでも、インキ中で安定なネットワーク構造を形成しやすくすることを考慮すれば、多価アルコール溶剤が好ましく、多価アルコールの中でも水酸基が3基以上ある多価アルコール溶剤の方が、水素結合しやすく、より安定したネットワーク構造を形成したしやすいため、好ましく、最も好ましくは、グリセリンである。多価アルコール溶剤とは、二個以上の水酸基が脂肪族あるいは脂環式化合物の相異なる炭素原子に結合した構造を有する溶剤である。
そのため、本発明では、水と水溶性有機溶剤との混合溶媒としたO/Wエマルジョンインキ組成物とすることが好ましい。
また、溶媒として、水を含んでなる場合は、水の含有量は、インキ組成物全量に対し、50質量%以下であることが好ましく、10~50質量%であることがより好ましく、より好ましくは、15~40質量%であることがより好ましい。水の含有量は、上記数値範囲内であれば、油性成分と安定したO/Wエマルジョン構造を保ちやすく、筆記先端部の間隙からのインキ漏れを抑制する効果も得られやすく、インキが紙面に筆記された際、水が素早く蒸発することで、良好な筆跡乾燥性も得られやすい。
本発明に用いる着色剤は、染料、顔料等、特に限定されるものではなく、適宜選択して使用することができる。染料、顔料を併用しても良い。
染料としては、油溶性染料、酸性染料、塩基性染料、含金染料などや、それらの各種造塩タイプの染料等として、酸性染料と塩基性染料との造塩染料、有機酸と塩基性染料との造塩染料、酸性染料と有機アミンとの造塩染料などの種類が挙げられる。
顔料としては、無機、有機、加工顔料などが挙げられるが、具体的にはカーボンブラック、アニリンブラック、群青、黄鉛、酸化チタン、酸化鉄、フタロシアニン系、アゾ系、キナクリドン系、ジケトピロロピロール系、キノフタロン系、スレン系、トリフェニルメタン系、ペリノン系、ペリレン系、ジオキサジン系、メタリック顔料、パール顔料、蛍光顔料、蓄光顔料等が挙げられる。これらの染料は、単独又は2種以上組み合わせて使用してもかまわない。
さらに、顔料を用いることで、ボールペンの場合は、ボールとチップ本体の隙間に顔料粒子が入り込むことで、ベアリングのような作用が働きやすく、金属接触を抑制することで、潤滑性を向上し、書き味を向上し、ボール座の摩耗を抑制する効果が得られやすいため、顔料を用いることが好ましい。本発明のように、アシルアミノ酸リシンまたはその塩を用いることで、インキをゲル構造とし、筆記時のインキ粘度が低粘度化するため、ボールとチップ本体の金属接触が起こりやすくなるため、潤滑性を向上し、ボール座の摩耗が抑制できるため、顔料を用いることは好ましい。
本発明においては、潤滑性を向上することで書き味を向上しやすく、チップ先端部を大気中に放置した状態で、該チップ先端部が乾燥したときの書き出し性能を向上し、さらに紙面へのインキ浸透をしやすくし、筆跡乾燥性を向上することを考慮すれば、界面活性剤を用いることが好ましいが、アシルアミノ酸リシンまたはその塩による溶媒と油性成分との安定したO/Wエマルジョン構造を維持しやすいことを考慮すれば、ノニオン系界面活性剤を用いることが好ましい。ノニオン系界面活性剤は、形成される潤滑層によって、潤滑性を向上しやすくし、さらにインキ中に含まれる樹脂などによって形成される被膜を柔らかくし、書き出し性能を改良しやすくすることができるためである。
前記ノニオン系界面活性剤については、溶媒、油性成分、前記アシルアミノ酸リシンまたはその塩とインキ中での安定性を考慮して、HLB値が5~16であることが好ましい。よりインキ中での安定性と、書き味、書き出し性能を考慮し、本発明の効果を得られやすくするには、HLB値が6~14であることが好ましく、より考慮すれば、HLB値が6~10であることが好ましい。
尚、HLBは、グリフィン法、川上法などから求めることができる。特に、ノック式筆記具や回転繰り出し式筆記具等の出没式筆記具においては、キャップ式筆記具とは異なり、常時ペン先が外部に露出した状態であるため、筆記先端部の乾燥時の書き出し性能に影響しやすいため、上記HLB値とした界面活性剤を用いることはより好ましい。
さらに、ソルビタン脂肪酸エステルの中でも、書き味を考慮すれば、ソルビタン脂肪酸エステルのアルキル基に含まれる炭素数が1~20であることが好ましく、より考慮すれば、潤滑層を形成するのに適した長さである、前記アルキル基に含まれる炭素数が10~20であるソルビタン脂肪酸エステルを用いることが好ましい。
さらに、 前記脂肪酸エステルのエステル化反応に用いられるアルコールは、多価アルコールが好ましい。これは、前記脂肪酸エステルの水酸基が多いと、吸湿作用が働き、チップ先端部が乾燥したときに形成する被膜の強度を和らげ、ボールの回転をスムーズにする効果が得られるので、ドライアップ時の書き出しにおいて、筆跡カスレが発生せずに、書き出し性能が向上するものと推測されるためである。より書き出し性能を向上することを考慮すれば、水酸基が4価以上の多価アルコールを用いることが好ましく、より好ましくは水酸基が5価以上であることが好ましい。また、水酸基が多すぎると、インキ中での安定性に影響が出やすいため、水酸基が8価以下であることが好ましい。
本発明については、前記油性成分以外のものとして、より書き味、書き出し性能を向上することを考慮すれば、少なくとも脂肪酸を用いることが好ましい。脂肪酸は、該脂肪酸が有するアルキル基が、筆記先端部が金属類であるボールとチップ本体に吸着することで、吸着層を形成して、筆記先端部と被筆記面との間(ボールペンの場合は、ボールとチップ本体との間の潤滑性も含む)の潤滑性を保ち、筆記先端部の筆記抵抗を抑制して、書き味を向上することを可能とする。特に、ノニオン系界面活性剤によって形成される潤滑層と、脂肪酸によって形成される吸着層による相互作用によって、より滑らかな潤滑効果が得られ、ボール座の摩耗を抑制し、書き味を一層向上することが可能となり、好ましい。さらに、脂肪酸は、短時間書き出し性能を向上しつつ、長時間チップ先端部を大気中に放置した場合でも、ボールペンチップ先端で形成されるインキ被膜を柔らかくする効果があり、書き出し性能(長時間書き出し性能)を向上することができる。
また、ノック式筆記具や回転繰り出し式筆記具等の出没式筆記具においては、インキ漏れ抑制をより考慮する必要があるため、効果的である。
本発明の筆記具用インキ組成物は、繊維チップ、フェルトチップ、プラスチックチップなどのペン芯またはボールペンチップなどをペン先としたマーキングペンやボールペンなどの筆記具に用いることができる。
本発明の筆記具は、筆記具用インキ組成物を直に充填する構成のものであってもよく、筆記具用インキ組成物を充填することのできるインキ収容体またはインキ吸蔵体を備えるものであってもよい。
一実施形態において、筆記具は、ボールペンであり、インキ逆流防止体を備えたボールペンであることが好ましい。
また、ボールペンの場合、ボールペンチップのボールの縦軸方向の移動量が、3~25μmとするのが好ましい。これは、3μm未満であると、濃い筆跡や良好な書き味が得られづらくなり、25μmを越えると、インキ漏れ抑制、泣きボテ、インキ追従性能に影響が出やすくなるためで、より考慮すれば、3~20μmとするのが好ましく、より考慮すれば、前記縦軸方向の移動量を5~16μmとするのが好ましい。
また、ボールの直径は、特に限定されないが、ボールの直径が大きいと、ボールペンチップ本体とボールとの隙間からインキ漏れがしやすく、筆記先端部の乾燥時に書き出し性能が劣りやすいため、ボール径を通常よりも大きくして、1.0mm~2.0mmとした場合では、影響が出やすく、本発明で用いるアシルアミノ酸リシンまたはその塩を用いると効果的であり、特に1.2mm~2.0mmとした場合は顕著で、より効果的である。
実施例1の筆記具用インキ組成物は、まず、顔料を大豆油で分散させて、顔料分散体を得た。その後、顔料分散体、大豆油、ノニオン系界面活性剤、脂肪酸を混合し、油相とした。その後、水、水溶性有機溶剤の混合溶媒と、アクリル系樹脂、アシルアミノ酸リシンとを含有した水相に、油相を滴下し、ディスパー攪拌機を用いて、微分散させて、ゲル状組成物(O/Wエマルジョン組成物)を作成した。その後、ゲル状組成物(O/Wエマルジョン組成物)に、エチレンオキサイド重合体を攪拌して筆記具用インキ組成物(O/Wエマルジョンインキ組成物)を得た。
具体的な配合量は下記の通りである。尚、ブルックフィールド株式会社製粘度計 ビスコメーターRVDVII+Pro CP-52スピンドルを使用して、実施例1のインキ粘度を測定したところ、20℃の環境下、剪断速度1.0sec-1、インキ粘度=4400mPa・s、20℃の環境下、剪断速度200sec-1でインキ粘度=830mPa・sであった。また、非ニュートン粘性付与指数nは、0.69であった。
着色剤(顔料、カーボンブラック分散体) 35.0質量%
溶媒(水) 23.5質量%
溶媒(グリセリン) 15.5質量%
油性成分(大豆油) 7.0質量%
アシルアミノ酸リシン([化1構造式:Rの炭素数(アルキル基の炭素数)=11、m=0、n=2]、 脂肪酸アシルグルタミン酸リシンナトリウム塩、有効成分29%含有) 5.0質量%
ノニオン系界面活性剤(ソルビタン脂肪酸エステル、HLB値:8.6) 4.0質量%
ノニオン系界面活性剤(分岐鎖アルキル基を有する脂肪酸エステル) 3.0質量%
脂肪酸(イソステアリン酸、炭素数18) 0.5質量%
樹脂(スチレン-アクリル樹脂) 2.0質量%
エチレンオキサイド重合体 0.5質量%
表1に示すように、インキ成分を変更した以外は、実施例1と同様な手順でインキを配合し、実施例2~13の筆記具用インキ組成物を得た。表に評価結果を示す。
実施例1~13および比較例1~4で作製した筆記具用インキ組成物(0.27g)を、インキ収容筒(ポリプロピレン)に、ボール径がφ0.7mmのボールを回転自在に抱持したボールペン用チップ(チップ内にボールを直接チップ先端縁の内壁に押圧したコイルスプリングを有する、ボールの軸方向の移動量:8μm、ボール表面の算術平均粗さ(Ra):5nm)を装着したボールペン用レフィルに充填し、ボールペンを作製した。筆記試験用紙として筆記用紙JIS P3201を用いて以下の試験および評価を行った。
チップ先端のインキ滴がないもの ・・・◎
チップ先端のインキ滴がテーパー部の1/4以内のもの ・・・○
チップ先端のインキ滴がテーパー部の1/4以上、1/2以内のもの ・・・△
チップ先端のインキ滴がテーパー部の1/2以上のもの ・・・×
非常に滑らかなもの ・・・◎
滑らかであるもの ・・・○
実用上問題ないレベルの滑らかさであるもの ・・・△
重いもの ・・・×
筆跡にカスレ、点ムラがない、または少ないもの ・・・◎
筆跡にカスレ、点ムラが若干あるが、実用上問題ないレベルのもの ・・・○
筆跡にカスレ、点ムラがあり、実用上に影響があるもの ・・・△
筆跡にカスレ、点ムラが多いもの ・・・×
<筆記条件>筆記荷重200gf、筆記角度70°、筆記速度4m/minの条件で、走行試験機にて直線書きを行い評価した。
筆跡カスレの長さが、15mm未満であるもの ・・・◎
筆跡カスレの長さが、15mm以上、30mm未満であるもの ・・・○
筆跡カスレの長さが、30mm以上、40mm未満であるもの ・・・△
筆跡カスレの長さが、40mm以上であるもの ・・・×
また、実施例1~13で、顔料インキを、顕微鏡で見たところ、顔料分散性が良好で、析出物もなく良好であった。
尚、ブルックフィールド株式会社製粘度計 ビスコメーターRVDVII+Pro CP-52スピンドルを使用して、実施例2、3のインキ粘度を測定し、非ニュートン粘性付与指数nを算出した。
実施例2では、20℃の環境下、剪断速度1.0sec-1、インキ粘度=3500mPa・s、20℃の環境下、剪断速度200sec-1でインキ粘度=800mPa・s、非ニュートン粘性付与指数nは、0.72であった。
実施例3では、20℃の環境下、剪断速度1.0sec-1、インキ粘度=5000mPa・s、20℃の環境下、剪断速度200sec-1でインキ粘度=900mPa・s、非ニュートン粘性付与指数nは、0.68であった。
また、本実施例では便宜上、線材を切削によって形成したボールペンチップを例示しているが、パイプ材を押圧加工によって形成するボールペンチップであってもよい。
Claims (9)
- 着色剤、溶媒、油性成分、アシルアミノ酸リシンまたはその塩を含んでなり、前記油性成分は大豆油、あまに油、オリーブ油の中から選択することを特徴とする筆記具用インキ組成物。
- 請求項1に記載の筆記具用インキ組成物において、20℃の環境下、非ニュートン粘性付与指数nは0.5~0.85であることを特徴とする筆記具用インキ組成物。
- 前記油性成分の含有量が、インキ組成物全量に対して、6~30質量%であることを特徴とする請求項1または2に記載の筆記具用インキ組成物。
- 前記アシルアミノ酸リシンが、脂肪酸アシルアミノ酸リシンであることを特徴とする請求項1ないし3のいずれか1項に記載の筆記具用インキ組成物。
- 前記溶媒が、少なくとも水を含んでなることを特徴とする請求項1ないし4のいずれか1項に記載の筆記具用インキ組成物。
- 前記筆記具用インキ組成物に、さらにノニオン系界面活性剤を含んでなることを特徴とする請求項1ないし5のいずれか1項に記載の筆記具用インキ組成物。
- 20℃、剪断速度1.0sec-1におけるインキ粘度が、100~10000mPa・sであることを特徴とする請求項1ないし6のいずれか1項に記載の筆記具用インキ組成物。
- インキ収容筒の先端部に、ボールを回転自在に抱持したボールペンチップを有し、前記インキ収容筒内に請求項1ないし7のいずれか1項に記載の筆記具用インキ組成物を収容してなることを特徴とするボールペン。
- 前記ボールペンチップのボールの縦軸方向の移動量が、3~25μmであることを特徴とする請求項8に記載のボールペン。
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