JPWO2002024821A1 - 油性インキ組成物、筆記具およびそれに用いる染料 - Google Patents

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Abstract

色材として下記一般式:〔C(−Ar−Y)3〕A(式中、Arはそれぞれ独立してハロゲン又はアルキル基で置換されている又は置換されていないアリール基であり、Yはそれぞれ独立してジエチルアミノ基又は水素であるが少なくとも2個はジエチルアミノ基であり、Aはハロゲン又は有機酸基である。Aは残基に対して電荷バランスされている。)で表される化合物からなるトリアリールメタン系染料の少なくとも一種類以上を含み、溶剤として炭素数2以上のアルコール、多価アルコールまたはグリコールエーテルを含み、かつ前記溶剤に溶解する樹脂を含有してなるインキ組成物。

Description

発明の技術分野
本発明は、筆記具用油性インキ組成物として好適に用いられ、インキ中での染料溶解性や他の原材料との相溶性に優れた特性を持つインキ組成物、それを用いた筆記具、およびそのための新規な染料に関する。
背景技術
従来、油性の黒系インキとしては、コスト面から低価格のニグロシンや堅牢性の面から金属錯塩染料を使用する場合が多いが、ニグロシンの場合は溶解性や他の原材料との相溶性の点で適当でないという問題があり、金属錯塩染料の場合は隠蔽性が低いという欠点があった。そのため、後者の金属錯塩染料を使用する場合は発色が良好なトリフェニルメタン系(トリアリールメタン系)の染料と併用することが多く、使用する溶剤やその他の原材料及びそれらの添加量によっては極端なインキ粘度の増粘や沈降物の発生等インキの不具合を引き起こす原因にもなっていた。また、金属錯塩染料の代わりに堅牢性を付与するために顔料分散体が使用される場合も同様の問題が生じることがしばしばであった。
本発明は、炭素数2以上のアルコール、多価アルコール、グリコールエーテル類を使用した際、黒や青色で隠蔽性を付与する染料として高濃度の添加が可能で、高濃度条件下においても上記欠点を解決する染料を含み、金属錯塩染料やインキ中の他の原材料に対しても相溶性が良好であり、低温経時安定性に優れた油性インキ組成物およびそのために有用な染料を提供することを目的とする。
筆記具用インキの主要な染料として使用されるトリアリールメタン系の染料には、C.I.Basic Violet 1,C.I.Basic Violet 3,C.I.Basic Blue 26のような芳香環に導入されたアミノ基がモノメチルアミノ基及び/又はジメチルアミノ基及び/又はモノフェニルアミノ基である塩基性染料を母体とした造塩染料がある。
しかし、筆記具用インキの溶剤として使用される炭素数約4以下のアルコール、グリコール及びグリコールエーテルに、これら広く使用されているトリフェニルメタン系の染料と金属錯塩染料を併用して溶解させた場合、非常に安定性が悪く、低温に放置されたときに沈降物が発生することがあった。
これらの染料を使って筆記具用インキとする場合、描線の隠蔽力(必要な描線の濃さ)を得るためには、ある程度以上の染料の濃度が必要であるが、高濃度にした場合には沈降物が生じ、筆記具用インキとしては適さないものとなる。
このような弊害は、描線の速乾性を求め蒸気圧の高い溶剤を用いた場合、例えば溶剤としてプロピレングリコールモノメチルエーテルを使用したときにはその傾向が強い。
そこで、本発明は、上記従来の問題に鑑みなされたものであり、筆記具用インキ溶剤として多く使用される特に炭素数約4以下のアルコール、グリコール及びグリコールエーテル、特にプロピレングリコールモノメチルエーテルに溶解した際にも、金属錯塩染料と併用しても流動性に優れ、安定性が良好なトリアリールメタン系、特にトリフェニルメタン系の筆記具用インキに好適な染料を提供することをもう1つの目的とする。
発明の開示
本発明は、上記課題を解決するために下記を提供するものである。
(1)色材として下記一般式
Figure 2002024821
(式中、Arはハロゲン又はアルキル基で置換されている又は置換されていないアリール基であり、Yはジエチルアミノ基又は水素であるが少なくとも2個はジエチルアミノ基であり、Aはハロゲン又は有機酸基である。Aは残基に対して電荷バランスされている。)
で表される化合物からなるトリアリールメタン系染料の少なくとも一種類以上を含み、溶剤として炭素数2以上のアルコール、多価アルコールまたはグリコールエーテルを含み、かつ前記溶剤に溶解する樹脂を含有してなることを特徴とするインキ組成物。
(2)前記染料の3個のアリール基が全てフェニル基である上記のインキ組成物。
(3)前記染料の3個のYが全てジエチルアミノ基である上記のインキ組成物。
(4)前記染料の全てのアリール基がハロゲン又はアルキル基で置換されていない上記のインキ組成物。
(5)前記染料が、Aが有機酸基である化合物であり、かつ溶剤として使用する炭素数2以上のアルコール、多価アルコールまたはグリコールエーテルに20質量%以上の濃度で溶解するものである、上記のインキ組成物。
(6)前記染料のAがカルボキシル基、アシル基、チオカルボキシル基、ジチオカルボキシル基、スルホン酸基、スルフイン酸基、スルフェン酸基、スルホアミノ基、メルカプト基、フェノール性ヒドロキシル基、ヒドロキシアミノ基、ヒドロキシイミノ基からなる群から選択された有機酸基である上記のインキ組成物。
(7)前記染料のAがアジピン酸、アセト酢酸、アニス酸、アビエチン酸、安息香酸、コハク酸、クエン酸、フタル酸、オレイン酸、ステアリン酸、リノール酸、リノレン酸、トルイル酸、ナフトエ酸、パルミチン酸、ヒドロキシ安息香酸、ケイ皮酸、ヒドロキシケイ皮酸、ピマル酸、ピペロニル酸、フェニルプロピオン酸、フェノキシ酢酸、マンデル酸、マレイン酸、ロジン変性マレイン酸、ヘキサンチオカルボン酸、ヘキサンジチオカルボン酸、ラウリルスルホン酸、1−ピヘリジンスルフィン酸、ベンゼンスルフェン酸、エタンスルフィニルクロリド、フェニルメタンチオール、ベンゼンジチオール、フェニルヒドロキシルアミン、ヒドロキシアミノフェノール、シクロヘキサノンオキシム、ベンズアルデヒドオキシム、ラウリルリン酸エステル、ジノニルフェニルリン酸エステル、アントラニル酸、馬尿酸からなる有機酸の酸基である上記のインキ組成物。
(8)前記染料のAが少なくとも1つ以上のスルホン酸基を有する芳香環を含む上記のインキ組成物。
(9)前記染料のAがアルキルベンゼンスルホン酸及びその塩、アルキルナフタレンスルホン酸及びその塩、アルキルアリルスルホン酸塩のホルマリン縮合物及びその塩、アルキルジフェニルエーテルジスルホン酸及びその塩等のアニオン界面活性剤、C.I.Acid Orange 7,C.I.Acid Yellow 36,C.I.Acid Red 88等の酸性染料から選ばれる上記のインキ組成物。
(10)金属錯塩染料または顔料をさらに含む上記のインキ組成物。
(11)前記樹脂として少なくともポリビニルブチラールを含む上記のインキ組成物。
(12)炭素数2以上のアルコール、多価アルコールまたはグリコールエーテルからなる前記溶剤であって脂肪族系溶剤である溶剤が、インキ組成物の全溶剤の40質量%以上を占める、上記のインキ組成物。
(13)前記溶剤が下記i)〜iii)の溶剤のうち少なくとも1種を主溶剤として含む上記のインキ組成物。
i)化学式C2n+1OCOH(式中、nは1〜3の整数である。)で表される溶剤
ii)プロピレングリコールモノメチルエーテル
iii)下記構造式(2)で表される溶剤
Figure 2002024821
(式中、R,R,Rはそれぞれ独立してHまたはCHである。)
(14)上記のインキ組成物を含む筆記具。
(15)サインペンである上記の筆記具。
(16)ボールペンである上記の筆記具。
(17)スタンプ台である上記の筆記具。
(18)下記一般式(3)
Figure 2002024821
(式中、Arはそれぞれ独立してハロゲン又はアルキル基で置換されている又は置換されていないアリール基であり、Yはそれぞれ独立してジエチルアミノ基又は水素であるが少なくとも2個はジエチルアミノ基であり、Aは有機酸基である。Aは残基に対して電荷バランスされている。)
で表される染料。
(19)Arが全てフェニルである上記の染料。
(20)プロピレングリコールモノメチルエーテルに10重量%以上溶解する上記の染料。
(21)3個のYが全てジエチルアミノ基である上記の染料。
(22)有機酸基が少なくとも1つ以上のスルホン酸基を有する芳香環を含む上記の染料。
発明の実施の形態
本発明のインキ組成物で用いる色材は、一般式(1)で表されるトリアリールメタン系染料である。
Figure 2002024821
(式中、Arはそれぞれ独立してハロゲン又はアルキル基で置換されている又は置換されていないアリール基であり、Yはそれぞれ独立してジエチルアミノ基又は水素であるが少なくとも2個はジエチルアミノ基であり、Aはハロゲン又は有機酸基である。Aは残基に対して電荷バランスされている。)
このトリアリールメタン系染料は、下記一般式(4)
Figure 2002024821
(式中、Arはハロゲン又はアルキル基で置換されている又は置換されていないアリール基であり、Yはジエチルアミノ基又は水素であるが少なくとも2個はジエチルアミノ基であり、Xはハロゲンである。Aは残基に対して電荷バランスされている。)
で表されるトリアリールメタン系の塩基性染料、またはそれと有機酸又は有機酸塩とから造塩された染料である。このトリアリールメタン系染料は芳香環に2個又は3個結合しているアミノ基がジエチルアミノ基だけであることを特徴とする染料である。
本発明に従い上記の染料を用いて油性インキ組成物を構成すれば、金属錯塩染料または顔料分散体を使用する場合に、発色が良好なトリフェニルメタン系の染料として併用しても、使用する溶剤や原材料及びそれらの添加量によって極端なインキ粘度の増粘や沈降物の発生等インキの不具合を引き起こす等の欠点を解決することができる。上記の染料は、炭素数2以上のアルコール、多価アルコール、グリコールエーテル類を使用した際、黒や青色で隠蔽性を付与する染料として高濃度の添加が可能で、高濃度条件下においても金属錯塩染料やインキ中の他の原材料、特にポリビニルブチラール樹脂との相溶性も良好にすることが可能となり、低温経時安定性に優れた油性インキ組成物を提供することを可能にする。
この様な効果を発揮する理由としては、芳香環に導入されたアミノ基の全てがジエチルアミノ基であることにより、溶媒のアルキル基の部分との親和性が非常に強くなり、その結果溶媒が溶媒和しやすくなり、溶解安定性が高いと考えられる。また金属錯塩染料や顔料分散体などは酸塩基に影響を受けやすいが、一般式(1)の酒性溶性型の染料に対して、対イオンの交換平衡のバランスを崩さないと考えられる。また、金属錯塩染料や顔料分散体などを溶解する媒体がアルコールや多価アルコールそしてグリコールエーテルに溶存する際、他の原材料とも溶解平衡のバランスを崩さないため、ポリビニルブチラール樹脂の様な吸着性の高い樹脂に対しても粘度増加や沈降物発生等の不具合も制御することができる。そのため、高濃度条件下や低温での経時安定性に対しても優れた油性インキ組成物を提供することが可能となったと考えられる。
一般式(4)で表されるトリアリールメタン系の塩基性染料であって本発明で特に好ましく使用できる染料としては、下記構造式(5)で表わされる共鳴混成体であるC.I.Basic Violet 4を挙げることができる。
Figure 2002024821
トリアリールメタン系の芳香環に結合するジエチルアミノ基は2個でもよいが、3個であるものが立体障害的に有利に働き分子の安定性が向上するので好ましい。アリール基としてはナフタレン基などでもよいがフェニル基が好ましく、アリール基はハロゲンやアルキル基(炭素原子数は一般的に1〜3個、好ましくは1〜2個)が導入されたもの即ち置換フェニル基でもよい。このようにジエチルアミノ基が結合したトリアリールメタン系染料は対イオンとしてハロゲン(塩素が好ましい)を有する塩基性染料がC.I.Basic Violet 4の如く公知あるいは市販されている。
本発明ではこのようなトリアリールメタン系の塩基性染料をそのまま使用してもよいが、有機酸又は有機酸塩と反応させて造塩した染料をインキ組成物に使用することが好ましい。アルコールや多価アルコールあるいはグリコールエーテルを溶媒とする場合に、トリアリールメタン系骨格が有機酸基と強いイオン対を形成して、金属錯塩染料などな他の成分との望ましくないイオン的な相互作用が起きることを難しくするからであると考えられる。
造塩染料の有機基としては、例えば、カルボキシル基、アシル基、チオカルボキシル基、ジチオカルボキシル基、スルホン酸基、スルフイン酸基、スルフェン酸基、スルホアミノ基、メルカプト基、フェノール性ヒドロキシル基、ヒドロキシアミノ基、ヒドロキシイミノ基等の酸性の官能基を挙げることができる。
このような有機酸基で造塩するためには有機酸もしくは有機酸塩を使用するが、塩基性染料との造塩体を形成するものであれば特に限定なく、いずれでも使用可能である。
有機酸基で造塩するためには有機酸もしくは有機酸塩としては、具体的には、例えば、アジピン酸、アセト酢酸、アニス酸、アビエチン酸、安息香酸、コハク酸、クエン酸、フタル酸、オレイン酸、ステアリン酸、リノール酸、リノレン酸、トルイル酸、ナフトエ酸、パルミチン酸、ヒドロキシ安息香酸、ケイ皮酸、ヒドロキシケイ皮酸、ピマル酸、ピペロニル酸、フェニルプロピオン酸、フェノキシ酢酸、マンデル酸、マレイン酸、ロジン変性マレイン酸、ヘキサンチオカルボン酸、ヘキサンジチオカルボン酸、ラウリルスルホン酸、1−ピヘリジンスルフィン酸、ベンゼンスルフェン酸、エタンスルフィニルクロリド、フェニルメタンチオール、ベンゼンジチオール、フェニルヒドロキシルアミン、ヒドロキシアミノフェノール、シクロヘキサノンオキシム、ベンズアルデヒドオキシム、ラウリルリン酸エステル、ジノニルフェニルリン酸エステル、アントラニル酸、馬尿酸等、及びそれらの塩を使用することができる。
このような有機酸基を有する造塩体のうち、芳香環に少なくとも1つ以上のスルホン酸基を有する有機酸基を有する造塩体は、それ以外の有機酸基の場合より染料単体での溶解性も向上し、高濃度で金属錯塩染料と併用しても安定性が良好であるので、特に好ましい。
芳香環に少なくとも1つ以上のスルホン酸基を有する有機酸及び有機酸塩としては、アルキルベンゼンスルホン酸及びその塩、アルキルナフタレンスルホン酸及びその塩、アルキルアリルスルホン酸塩のホルマリン縮合物及びその塩、アルキルジフェニルエーテルジスルホン酸及びその塩等のアニオン界面活性剤、C.I.Acid Orange 7,C.I.Acid Yellow 36,C.I.Acid Red 88等の酸性染料が挙げられる。なかでも、アルキルジフェニルエーテルジスルホン酸の塩、C.I.Acid Orange 7,C.I.Acid Yellow 36が好ましく、アルキルジフェニルエーテルジスルホン酸の塩であれば、アルキル基の炭素数は8〜13のものが、より好ましい。
上記の有機酸基を有する染料を形成する方法としては、上記のようなトリアリール系骨格を有する塩基性染料と有機酸又は有機酸塩とを普通に酸塩基反応させて造塩体を形成すればよく、特に限定されないが、一般的には以下の方法で行うことができる。
塩基性染料を加温された水中に溶解し、撹拌しながら有機酸もしくは有機酸塩を加えて造塩させる。また、逆に有機酸もしくは有機酸塩を加温された水中に溶解し、これに塩基性染料を加えて造塩させても良い。反応温度、反応のpH、反応終了時のpH等の詳細な条件は造塩する染料によって適宜決定する。
また、造塩体を水中から回収、精製するには、濾過、塩析、溶媒抽出、貧溶媒添加等様々な方法を併用することができる。
一般式(1)で表される染料、特にその有機酸基含有塩染料は、炭素数2以上のアルコール、多価アルコール、グリコールエーテルに対する溶解性に優れている。特に、この染料は炭素数2以上のアルコール、グリコール及びグリコールエーテルに溶解したとき、金属錯塩染料あるいは顔料と併用しても安定性が良好である。特に炭素数が6以下あるいは4以下でも溶解性、安定性に優れている。その理由としては、定かではないが以下のように考えられる。
即ち、芳香環に導入されたアミノ基の全てが、ジエチルアミノ基であることにより、溶媒のアルキル基の部分との親和性が非常に強くなり、その結果、溶媒が溶媒和しやすくなると考えられる。また、有機酸もしくは有機酸塩として、芳香環に少なくとも1つ以上のスルホン酸基を有するものが特に溶解性が良好であるのは、これらの化合物が塩基性染料と非常に強いイオン対を形成しやすく、溶媒中で安定な状態として存在しやすいためであると考えられる。つまり、金属錯塩染料と併用した際にも本発明の染料の安定性が良好なのは、染料自体の溶解安定性が向上していること、更に有機酸との強いイオン対を形成しているため、金属錯塩染料とのイオン的な挙動が起こりにくいためであると考えられる。
さらに、本発明のこの染料は、アルコール、多価アルコール、グリコールエーテルが低粘度あるいは高揮発性の溶剤成分である場合、即ち、低炭素数の場合にも上記の優れた溶解性を示すことができる利点がある。例えば、プロピレングリコールモノメチルエーテルに10質量%以上(25℃)溶解できるものが提供される。
これらの染料の配合量としては、インキ組成物基準に0.5〜30質量%が可能であり、使用する製品によって異なる。例えば油性サインペンであれば、0.5〜15質量%であるが、油性ボールペンや油性スタンプ台などでは0.5〜30質量%の範囲となる。これらの添加量は配合濃度が高い程、隠蔽性が向上する。
本発明の油性インキ組成物に用いる一般式(1)で表される染料以外の着色剤としては、一般式(1)で表される以外の染料及び顔料が使用できる。
染料としては、通常の染料インキ組成物に用いられる直接染料、酸性染料、塩基性染料、媒染・酸性媒染染料、酒精溶性染料、アゾイック染料、硫化・硫化建染染料、建染染料、分散染料、油溶染料、食用染料、金属錯塩染料等や通常の顔料インキ組成物に用いられる無機および有機顔料の中から任意のものを使用することができる。その配合量は、組成物全量当たり1〜50質量%の範囲で選ばれる。
また、顔料としては、用いる有機溶剤に溶解し難く分散後の平均粒径が30nm〜700nmとなるものが好ましい。顔料の配合量は、インキ組成物全量に対し、0.5〜25質量%、好ましくは0.5〜20質量%までの範囲で必要に応じて配合することができる。
使用できる顔料は、単独又は2種以上の混合で使用することができる。また、必要に応じて無機顔料を用いた分散体や染料等も分散安定性に悪影響を与えない程度で添加することができる。更に、スチレン、アクリル酸、アクリル酸エステル、メタアクリル酸、メタアクリル酸エステル、アクリルニトリル、オレフィン系モノマーを重合して得られる樹脂エマルションや、インキ中では膨潤して不定形となる中空樹脂エマルション、または、これらのエマルション自身を着色剤で染着して得られる染着樹脂粒子からなる有機多色顔料等が挙げられる。
本発明のインキ組成物の色材に顔料を使用した場合、用いる分散剤としては、ケトン樹脂、スチレン樹脂、スチレン−アクリル樹脂、テルペンフェノール樹脂、ロジン変性マレイン酸樹脂、ロジンフェノール樹脂、アルキルフェノール樹脂、フェノール系樹脂、スチレンマレイン酸樹脂、ロジン系樹脂、アクリル系樹脂、尿素アルデヒド系樹脂、マレイン酸系樹脂、シクロヘキサノン系樹脂、ポリビニルブチラール、ポリビニルピロリドン等に代表される樹脂の中から顔料を分散できるものを選択して使用することができ、活性剤やオリゴマーでも目的にあえばどの様なものでも種類を問わない。具体的な分散剤としては、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、ポリビニルブチラール、ポリビニルエーテル、スチレン−マレイン酸共重合体、ケトン樹脂、ヒドロキシエチルセルロースやその誘導体、スチレン−アクリル酸共重合体等の合成樹脂やプロピレンオキシド・エチレンオキシド付加物やポリエステルのアミン系オリゴマー等が挙げることができる。
本発明に使用する色材が顔料である場合は、顔料分散インキ組成物を製造するには、従来から公知の種々の方法が採用できる。例えば、上記各成分を配合し、ディゾルバー等の攪拌機により混合攪拌することによって、また、ボールミルやロールミル、ビーズミル、サンドミル、ピンミル等によって混合粉砕した後、遠心分離や濾過によって顔料の粗大粒子、及び未溶解物、混入固形物を取り除くことによって容易に得ることができる。
本発明のインキ組成物に用いられる溶剤としては、アルコール、多価アルコール、グリコールエーテルから選ばれる溶剤が好ましい。なお、本発明ではアルコール、多価アルコール、グリコールエーテルから選ばれる溶剤を含むインキ組成物を油性インキ組成物と表記している。
具体的にアルコール類としては、炭素数が2以上の脂肪族アルコールであり、エタノール、n−プロパノール、イソプロパノール、n−ブタノール、イソブタノール、tert−ブチルアルコール、1−ペンタノール、イソアミルアルコール、sec−アミルアルコール、3−ペンタノール、tert−アミルアルコール、n−ヘキサノール、メチルアミルアルコール、2−エチルブタノール、n−ヘプタノール、2−ヘプタノール、3−ヘプタノール、n−オクタノール、2−オクタノール、2−エチルヘキサノール、3,5,5−トリメチルヘキサノール、ノナノール、n−デカノール、ウンデカノール、n−デカノール、トリメチルノニルアルコール、テトラデカノール、ヘプタデカノール、シクロヘキサノール、2−メチルシクロヘキサノール、ベンジルアルコールやその他多種の高級アルコール等が挙げられる。
また、多価アルコールとしてはエチレングリコール、ジエチレングリコール、3−メチル−1,3ブンタンジオール、トリエチレングリコール、ジプロピレングリコール、1,3プロパンジオール、1,3ブタンジオール、1,5ペンタンジオール、ヘキシレングリコール、オクチレングリコール等の分子内に2個以上の炭素、2個以上の水酸基を有する多価アルコールが挙げられる。
グリコールエーテルとしては、メチルイソプロピルエーテル、エチルエーテル、エチルプロピルエーテル、エチルブチルエーテル、イソプロピルエーテル、ブチルエーテル、ヘキシルエーテル、2−エチルヘキシルエーテル、エチレングリコールモノヘキシルエーテル、エチレングリコールモノフェニルエーテル、エチレングリコールモノ−2−エチルブチルエーテル、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、トリエチレングリコールモノブチルエーテル、テトラエチレングリコールモノブチルエーテル、3−メチル−3−メトキシ−1−ブタノール、3−メトキシ−1−ブタノール、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノプロピルエーテル、プロピレングリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコールフェニルエーテル、プロピレングリコールターシャリーブチルエーテルジプロピレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノエチルエーテル、ジプロピレングリコールモノプロピルエーテル、ジプロピレングリコールモノブチルエーテル、トリプロピレングリコールモノメチルエーテル、トリプロピレングリコールモノブチルエーテル、テトラプロピレングリコールモノブチルエーテル等が挙げられる。
以上挙げた溶剤の中で特に好ましいのは、炭素数2〜7のグリコールエーテルが特に効果が解り易い。また、安全性及び経口毒性等の点から好ましくはエチレングリコール誘導体等以外の有機溶剤を使用した方が好ましい。
また、本発明者らは、軽い書き味、速乾性等に優れたインキを提供すべく下記の溶剤の1種又は組合せを用いたボールペン用油性インキ組成物を提案しているが、本発明の染料はこれらの溶剤系にも特に有用である。
(i)化学構造式C2n+1OCOH(式中、nは1〜3の整数である)を持つ溶剤。
(ii)プロピレングリコールモノメチルエーテル。
(iii)下記化学構造式(2)を持つ溶剤。
Figure 2002024821
(式中、R,R,Rはそれぞれ独立してHまたはCHである。)
また、以上に挙げた溶剤の他にリン酸エステルとイミダゾリン型活性剤あるいはポリオキシエチレンアルキルアミンの溶解性や発揮性能を妨げない範囲で以下に挙げる溶剤を添加することも可能である。
それらの例として、多価アルコール類誘導体があり、ソルビタン脂肪酸系、ポリグリセリン高級脂肪酸系、ショ糖脂肪酸系、プロピレングリコール脂肪酸系等の誘導体も挙げられる。
エステル類の溶剤としては例えば、プロピレングリコールメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールジアセテート、3−メチル−3−メトキシブチルアセテート、プロピレングリコールエチルエーテルアセテート、エチレングリコールエチルエーテルアセテート、ギ酸ブチル、ギ酸イソブチル、ギ酸イソアミル、酢酸プロピル、酢酸ブチル、酢酸イソプロピル、酢酸イソブチル、酢酸イソアミル、プロピオン酸メチル、プロピオン酸エチル、プロピオン酸プロピル、プロピオン酸イソブチル、プロピオン酸イソアミル、酪酸メチル、酪酸エチル、酪酸プロピル、イソ酪酸メチル、イソ酪酸エチル、イソ酪酸プロピル、吉草酸メチル、吉草酸エチル、吉草酸プロピル、イソ吉草酸メチル、イソ吉草酸エチル、イソ吉草酸プロピル、トリメチル酢酸メチル、トリメチル酢酸エチル、トリメチル酢酸プロピル、カプロン酸メチル、カプロン酸エチル、カプロン酸プロピル、カプリル酸メチル、カプリル酸エチル、カプリル酸プロピル、ラウリン酸メチル、ラウリン酸エチル、オレイン酸メチル、オレイン酸エチル、カプリル酸トリグリセライド、クエン酸トリブチルアセテート、オキシステアリン酸オクチル、プロピレングリコールモノリシノレート、2−ヒドロキシイソ酪酸メチル、3−メトキシブチルアセテート等様々なエステルが挙げられる。
また、分子内に水酸基を持たない溶剤ジエーテルやジエステルは具体的には、エチレングリコールジエチルエーテル、エチレングリコールジブチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールジブチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジプロピレングリコールジメチルエーテル等が挙げられる。
以上の中で溶剤中に芳香環を持つ様な溶剤成分が多量にあると通常の脂肪族系溶剤とは異なる溶解性を示すため、本発明のC.I.Basic Violet 4系の染料を使用するためには、芳香族系溶剤量に制限が必要である。そのため、インキ組成物の全溶剤の40質量%以上を脂肪族系溶剤成分とすることが望ましい。特に炭素数2以上のアルコール、多価アルコール、グリコールエーテルの脂肪族系溶剤成分で40質量%以上とすることが好ましい。
本発明の油性インキ組成物に使用される樹脂としては、顔料の分散剤としても使用可能なケトン樹脂、スチレン樹脂、スチレン−アクリル樹脂、テルペンフェノール樹脂、ロジン変性マレイン酸樹脂、ロジンフェノール樹脂、アルキルフェノール樹脂、フェノール系樹脂、スチレンマレイン酸樹脂、ロジン系樹脂、アクリル系樹脂、尿素アルデヒド系樹脂、マレイン酸系樹脂、シクロヘキサノン系樹脂、ポリビニルブチラール、ポリビニルピロリドン等に代表される樹脂が挙げられる。
ここで、ポリビニルブチラール樹脂は筆記描線の造膜性やインキの増粘作用が強いため添加樹脂として使用する場合が多い。しかし、ポリビニルブチラール樹脂は溶剤中の酸塩基成分に溶剤中での溶存状態が非常に左右されるため、原材料の使用種については注意を払う必要がある。特に造塩染料を使用する際、そのインキの安定性領域が大きく異なることがあるため、ポリビニルブチラールを使用するためにはより安定な染料を使用することが望ましい。つまり、通常、色材中で、隠蔽性用の染料として使用されているC.I.Basic Violet 1あるいはC.I.Basic Violet 3からなるインキより更に安定性が高い染料が望まれる。ポリビニルブチラールを中心としてこれらの樹脂の配合量としては、1〜30質量%がよく、より好ましくは1〜20質量%である。その配合量が1質量%未満であると粘度調整やペン先での摩耗が困難となり、30質量%超だと樹脂以外の原材料が配合できなくなったり、書き味に悪影響を及ぼすことになる。
更に、本発明では必要に応じて、インキ悪影響を及ぼさず相溶することができる防錆剤、防黴性、界面活性剤、潤滑剤及び湿潤剤等を配合することができる。特に脂肪酸などは、潤滑剤として好適に使用できる。また、乾燥抑制用添加剤として製品特性上、悪影響を及ぼさない範囲で主溶剤に相溶する不揮発性溶剤等も配合することができる。
本発明のインキ組成物は、油性サインペン、油性ボールペン、等の筆記具や油性スタンプ台等の机上用品などに有用に使用できる。
本発明のインキ組成物に使用する一般式(1)で表される染料のうち、有機酸基含有塩染料は新規な染料であり、本発明は、もう1つの側面として、下記一般式(3)
Figure 2002024821
(式中、Arはそれぞれ独立してハロゲン又はアルキル基で置換されている又は置換されていないアリール基であり、Yはそれぞれ独立してジエチルアミノ基又は水素であるが少なくとも2個はジエチルアミノ基であり、Aは有機酸基である。Aは残基に対して電荷バランスされている。)
で表される染料を提供する。
本発明のこの新規な染料は、上記の如く油性インキ組成物を構成する染料として有用であるほか、とりわけ、炭素数約4以下のアルコール、グリコール及びグリコールエーテルに対する溶解性が良好で、プロピレングリコールモノメチルエーテルに10重量%以下(25℃)溶解する点で、有用性を有するものである。このような溶解性を持つことで100mg/100m以下のインキの流出量を持つ油性ボールペンに適用したときに、その描線に優れた隠蔽性が発揮される。
一般式(3)の染料のうち好ましい化合物は、一般式(1)の染料について好ましいと説明したものであり、またそれらは上記の用途でも好ましい。
この染料が、炭素数約4以下のアルコール、グリコール及びグリコールエーテルに溶解したとき、金属錯塩染料と併用しても安定性が良好な理由としては、定かではないが以下のように考えられる。
即ち、芳香環に導入されたアミノ基の全てが、ジエチルアミノ基であることにより、溶媒のアルキル基の部分との親和性が非常に強くなり、その結果、溶媒が溶媒和しやすくなると考えられる。これに反して、芳香環に導入されたアミノ基がジメチルアミノ基及び/又はモノメチルアミノ基である場合は、溶媒とアルキル基との部分との親和性が弱く溶媒和しにくい。さらに、モノメチルアミノ基の様に窒素原子に直接水素原子が結合している場合は、分子間で水素結合しやすい。即ち、分子自体の凝集力が強まり、安定性が更に低下すると考えられる。また、有機酸もしくは有機酸塩として、芳香環に少なくとも1つ以上のスルホン酸基を有するものが特に溶解性が良好であるのは、これらの化合物が塩基性染料と非常に強いイオン対を形成しやすく、溶媒中で安定な状態として存在しやすいためであると考えられる。
つまり、金属錯塩染料と併用した際にも一般式(3)の染料の安定性が良好なのは、染料自体の溶解安定性が向上していること、更に有機酸との強いイオン対を形成しているため、金属錯塩染料とのイオン的な挙動が起こりにくいためであると考えられる。また、芳香環に導入されたアミノ基がジメチルアミノ基であるものより、ジエチルアミノ基のものは、立体障害的にも有利に働き、分子自体の安定性が向上していると考えられる。
また、一般式(3)の染料は、特に油性インキ組成物用に開発したものであるが、筆記具以外の用途にも有用であることは明らかである。
本発明によれば、上記のインキ組成物、染料を用いた筆記具、例えば、ボールペン、サインペン、スタンプ台なども提供される。
実施例
以下実施例により本発明を更に具体的に説明するが、本発明は、この実施例によって限定されるものではない。以下の配合量は質量基準である。また、実施例および比較例で使用した各成分は下記のものである。
C.I.Acid Yellow 36:
Figure 2002024821
C.I.Acid Yellow 42:
Figure 2002024821
C.I.Acid Orange 7:
Figure 2002024821
アルキルジフェニルエーテルジスルフォン酸ナトリウム:
Figure 2002024821
C.I.Basic Violet 1:
Figure 2002024821
C.I.Basic Violet 3:
Figure 2002024821
C.I.Basic Green 1:
Figure 2002024821
スピロンブラックGMHスペシャル:酸性含クロム染料+アミン成分の造塩体
スピロンイエローシリーズ:塩基性染料+酸性成分の造塩体
バリファーストブラック:酸性含クロム染料+アミン成分の造塩体
Printex #35:カーボンブラック(顔料)
YP90L:テルペンフェノール樹脂
ラロパールA101:尿素ホルムアルデヒド縮合物
サビニールブルーGLS:シアニンブルー染料+アミン成分の造塩体
(有機酸基含有染料の製造例)
以下の実施例2、5,8、21の造塩体は下記の如く製造した。
C.I.Acid Orange 7の20gを90℃に加温した精製水80gに溶解し、撹拌しながら、これに反応液のpHが6.0となるまでC.I.Basic Violet 4を加え、その後30分撹拌した。添加したC.I.Basic Violet 4は25gであった。
撹拌終了後、反応液を放冷し、室温にした後、沈降した粘稠体を分取し、更に粘稠体中の水分を取り除き、生成物35gを得た。
生成物は、水に溶けず、一方アルコールなどの油相に溶解することなどからC.I.Basic Violet 4のカチオン部分とC.I.Acid Orange 7のアニオン部分(有機酸基)から成る塩であることが確認された。
以下の実施例および比較例の他の造塩体についても、同様の方法で製造した。
上記の如くして製造した造塩体染料を用いて以下の実施例および比較例のインキ組成物を作成し、評価した。
油性サインペン形態
(実施例1)
スピロンブラックGMHスペシャル  [保土ヶ谷化学工業製]  5.0%
C.I.Basic Violet 4とC.I.Acid Yellow
36の造塩体                         4.0%
ポリビニルブチラール BL−1   [積水化学製]      1.5%
YP90L             [ヤスハラケミカル製]  3.0%
エタノール                         30.0%
プロピレングリコールモノメチルエーテル           33.5%
3−メトキシ−1−ブタノール                20.0%
(比較例1)
スピロンブラックGMHスペシャル  [保土ヶ谷化学工業製]  5.0%
C.I.Basic Violet 1とC.I.Acid Yellow
36の造塩体                         4.0%
ポリビニルブチラール BL−1   [積水化学製]      1.5%
YP90L             [ヤスハラケミカル製]  3.0%
エタノール                         30.0%
プロピレングリコールモノメチルエーテル           33.5%
3−メトキシ−1−ブタノール                20.0%
(実施例2)
カーボンブラック #25      [デグサ製]       3.0%
C.I.Basic Violet 4とC.I.Acid Orange
7の造塩体                          4.0%
スピロンイエローC−GNH     [保土ヶ谷化学工業製]  1.5%
ポリビニルブチラール BL−1   [積水化学製]      1.0%
エタノール                         38.5%
プロピレングリコールモノメチルエーテル           40.0%
ベンジルアルコール                     12.0%
(比較例2)
カーボンブラック #25      [デグサ製]       3.0%
C.I.Basic Violet 1とC.I.Acid Orange
7の造塩体                          4.0%
スピロンイエローC−GNH     [保土ヶ谷化学工業製]  1.5%
ポリビニルブチラール BL−1   [積水化学製]      1.0%
エタノール                         38.5%
プロピレングリコールモノメチルエーテル           40.0%
ベンジルアルコール                     12.0%
(実施例3)
バリファーストブラック#3830  [オリエント化学工業製] 5.0%
C.I.Basic Violet 4と
アルキルジフェニルエーテルジスルフォン酸ナトリウムの造塩体  3.0%
ポリビニルブチラール BL−S   [積水化学製]      1.5%
マルキードNo.34        [荒川化学製]      1.5%
エタノール                         25.0%
プロピレングリコールモノメチルエーテル           49.0%
ベンジルアルコール                     15.0%
(比較例3)
バリファーストブラック#3830  [オリエント化学工業製] 5.0%
C.I.Basic Violet 1と
アルキルジフェニルエーテルジスルフォン酸ナトリウムの造塩体  3.0%
ポリビニルブチラール BL−S   [積水化学製]      1.5%
マルキードNo.34        [荒川化学製]      1.5%
エタノール                         25.0%
プロピレングリコールモノメチルエーテル           49.0%
ベンジルアルコール                     15.0%
(実施例4)
スピロンブルー2GNHnew    [保土ヶ谷化学製]    2.0%
C.I.Basic Violet 4と
アルキルジフェニルエーテルジスルフォン酸ナトリウムの造塩体  4.0%
ポリビニルブチラール BL−S   [積水化学製]      2.0%
エタノール                         27.0%
プロピレングリコールモノメチルエーテル           55.0%
ベンジルアルコール                     10.0%
(比較例4)
スピロンブルー2GNHnew    [保土ヶ谷化学工業製]  2.0%
C.I.Basic Violet 1と
アルキルジフェニルエーテルジスルフォン酸ナトリウムの造塩体  4.0%
ポリビニルブチラール BL−S   [積水化学製]      2.0%
エタノール                         27.0%
プロピレングリコールモノメチルエーテル           55.0%
ベンジルアルコール                     10.0%
油性スタンプ台の形態
(実施例5)
Printex #35       [デグサ製]      10.0%
C.I.Basic Violet 4とC.I.Acid Orange
7の造塩体                          5.0%
ポリビニルブチラール BM−1   [積水化学製]      3.0%
ポリプロピレングリコール                  40.0%
ジプロピレングリコール                   42.0%
(比較例5)
Printex #35       [デグサ製]      10.0%
C.I.Basic Violet 1とC.I.Acid Orange
7の造塩体                          5.0%
ポリビニルブチラール BM−1   [積水化学製]      3.0%
ポリプロピレングリコール                  40.0%
ジプロピレングリコール                   42.0%
(実施例6)
バリファーストブラック#3830  [オリエント化学工業製]10.0%
C.I.Basic Violet 4と
アルキルジフェニルエーテルジスルフォン酸ナトリウムの造塩体 20.0%
ポリビニルブチラール BL−S   [積水化学製]      7.0%
マルキードNo.34        [荒川化学製]      5.0%
ジグリセリンモノステアレート                 1.0%
ジプロピレングリコール                   17.0%
3−メトキシ−3−メチル−1−ブタノール          40.0%
(比較例6)
バリファーストブラック#3830  [オリエント化学工業製]10.0%
C.I.Basic Violet 1と
アルキルジフェニルエーテルジスルフォン酸ナトリウムの造塩体 20.0%
ポリビニルブチラール BL−S   [積水化学製]      7.0%
マルキードNo.34        [荒川化学製]      5.0%
ジグリセリンモノステアレート                 1.0%
ジプロピレングリコール                   17.0%
3−メトキシ−3−メチル−1−ブタノール          40.0%
(実施例7)
スピロンブラックGMHスペシャル  [保土ヶ谷化学工業製] 20.0%
C.I.Basic Violet 4とC.I.Acid Yellow
36の造塩体                        10.0%
ポリビニルブチラール BL−1   [積水化学製]      5.0%
YP90L             [ヤスハラケミカル製]  5.0%
3−メトキシ−3−メチル−1−ブタノール          45.0%
ベンジルアルコール                     15.0%
(比較例7)
スピロンブラックGMHスペシャル  [保土ヶ谷化学工業製] 20.0%
C.I.Basic Violet 1とC.I.Acid Yellow
36の造塩体                        10.0%
ポリビニルブチラール BL−1   [積水化学製]      5.0%
YP90L             [ヤスハラケミカル製]  5.0%
3−メトキシ−3−メチル−1−ブタノール          45.0%
ベンジルアルコール                     15.0%
油性ボールペン
(実施例8)
スピロンブラックGMHスペシャル  [保土ヶ谷化学工業製]  8.0%
C.I.Basic Violet 4とC.I.Acid Orange
7の造塩体                         20.0%
ポリビニルブチラール BM−1   [積水化学製]      5.0%
ラロパールA101         [BASF製]      5.0%
ジプロピレングリコール                   10.0%
3−メトキシ−1−ブタノール                35.0%
ベンジルアルコール                     17.0%
(比較例8)
スピロンブラックGMHスペシャル  [保土ヶ谷化学工業製]  8.0%
C.I.Basic Violet 1とC.I.Acid Orange
7の造塩体                         20.0%
ポリビニルブチラール BM−1   [積水化学製]      5.0%
ラロパールA101         [BASF製]      5.0%
ジプロピレングリコール                   10.0%
3−メトキシ−1−ブタノール                35.0%
ベンジルアルコール                     17.0%
(実施例9)
サビニルブルーGLS        [クラリアント製]   16.0%
C.I.Basic Violet 4と
アルキルジフェニルエーテルジスルフォン酸ナトリウムの造塩体  9.0%
ポリビニルブチラール BM−1   [積水化学製]      6.0%
ラロパールA101         [BASF製]      5.0%
ジプロピレングリコール                   10.0%
3−メトキシ−1−ブタノール                37.0%
ベンジルアルコール                     17.0%
(比較例9)
サビニルブルーGLS        [クラリアント製]   16.0%
C.I.Basic Violet 1と
アルキルジフェニルエーテルジスルフォン酸ナトリウムの造塩体  9.0%
ポリビニルブチラール BM−1   [積水化学製]      6.0%
ラロパールA101         [BASF製]      5.0%
ジプロピレングリコール                   10.0%
3−メトキシ−1−ブタノール                37.0%
ベンジルアルコール                     17.0%
(実施例10)
スピロンブラックGMHスペシャル  [保土ヶ谷化学工業製]  9.0%
C.I.Basic Violet 4とC.I.Acid Yellow
36の造塩体                        10.0%
C.I.Basic Violet 4とアルキルスルホン酸ナトリウムの造
塩体                             8.0%
ポリビニルブチラール BM−1   [積水化学製]      6.0%
YP90L             [ヤスハラケミカル製]  5.0%
3−メトキシ−3−メチル−1−ブタノール          32.0%
ベンジルアルコール                      6.0%
ジエチレングリコールモノフェニルエーテル          18.0%
(比較例10)
スピロンブラックGMHスペシャル  [保土ヶ谷化学工業製]  9.0%
C.I.Basic Violet 3とC.I.Acid Yellow
36の造塩体                        10.0%
C.I.Basic Violet 1と
アルキルジフェニルエーテルジスルフォン酸ナトリウムの造塩体  8.0%
ポリビニルブチラール BM−1   [積水化学製]      6.0%
YP90L             [ヤスハラケミカル製]  5.0%
3−メトキシ−3−メチル−1−ブタノール          40.0%
ベンジルアルコール                      4.0%
ジエチレングリコールモノフェニルエーテル          12.0%
(実施例11)
カーボンブラック #25      [デグサ製]      10.0%
C.I.Basic Violet 4と
アルキルジフェニルエーテルジスルフォン酸ナトリウムの造塩体 10.0%
ポリビニルブチラール BL−1   [積水化学製]      3.0%
ポリビニルブチラール BM−1   [積水化学製]      2.0%
ベンジルアルコール                     20.0%
ジエチレングリコールモノフェニルエーテル          55.0%
(比較例11)
バリファーストブラック#3830  [オリエント化学工業製]10.0%
C.I.Basic Violet 1とC.I.Acid Yellow4
2の造塩体                         20.0%
ポリビニルブチラール BM−S   [積水化学製]      8.0%
マルキードNo.34        [荒川化学製]      7.0%
プロピレングリコールモノメチルエーテル           35.0%
3−メトキシ−3−メチル−1−ブタノール          20.0%
注) C.I.Basic Violet 1とC.I.Acid Yellow42の造塩体の溶解度は20%以下である。
(参考例1)
スピロンブラックGMHスペシャル  [保土ヶ谷化学工業製]  9.0%
C.I.Basic Violet 3とC.I.Acid Yellow
36の造塩体                        10.0%
ポリビニルブチラール BM−1   [積水化学製]      2.0%
YP90L             [ヤスハラケミカル製] 15.0%
3−メトキシ−3−メチル−1−ブタノール          10.0%
ベンジルアルコール                     13.0%
ジエチレングリコールモノフェニルエーテル          41.0%
(参考例2)
カーボンブラック #25      [デグサ製]      10.0%
C.I.Basic Violet 1と
アルキルジフェニルエーテルジスルフォン酸ナトリウムの造塩体 10.0%
ポリビニルブチラール BL−1   [積水化学製]      3.0%
ポリビニルブチラール BM−1   [積水化学製]      2.0%
ベンジルアルコール                     20.0%
ジエチレングリコールモノフェニルエーテル          55.0%
以上の様な配合でディスパー攪拌あるいはビーズミルまたはロールミル分散によってインキを得た。その後、インキの評価テストとして下記の様に行った。
インキの低温およびサイクル温度安定性評価
実施例1〜11、比較例1〜11および参考例1〜2で得られた各インキを20mlのガラス瓶に15ml程度入れ、密栓した後、0℃の恒温層にて1ヶ月間放置し、インキ底部をスパチュラなどで観察することにより、インキの低温安定性を評価した。更に、各製品形態に整え、製品の劣化性も観察した。
また、サイクル温度安定性は、同様に準備したガラス瓶を恒温槽で、6時間毎に0℃→15℃→30℃→15℃→0℃の温度変化を与えた後にインキ底部を観察して評価した。
製品劣化度評価
製品は次のように準備し、恒温槽でインキと同様の温度条件に処理して、下記の評価方法で評価した。
(油性サインペン形態の場合)
実施例、比較例で得られた各インキをフェルトのペン芯を使用したマーキングペン(三菱油性マーカー[ピース])に適量充填し、評価用試験サンプルとした。
(油性スタンプ台の形態)
実施例5、比較例5で得られた各インキを羊毛フェルトと極細繊維を使用したスタンプ台(三菱油性スタンプ台[HSP−2G])に適量充填し、評価試験用サンプルとした。
但し、実施例6,7及び比較例6,7についてはインキ粘度が低いため、ニードルフェルトと平織りの極細繊維を使用した。
(油性ボールペンの形態)
実施例、比較例で得られた各インキを内径1.60mmのポリプロピレンチューブに適量充填し、ステンレスチップ(ボールは超硬合金で、直径1.0mmである)に装着し、後端部にインキ追従体を入れボールペン形態とし、評価用試験サンプルとした。
結果
1)インキの低温及びサイクル温度安定性評価:ガラス瓶中のインキ底部の状態確認により下記○、△、×に評価した。
底部に何もないもの;○、
沈降物が発生している様に感じられるもの;△、
沈降物が多いためはっきりと発生していると確認できるもの;×
2)製品劣化度は次の如く評価した。
a)油性サインペン形態の場合
PPC用紙にフリーハンド筆記(丸書き)し、「カスレ」が生じる度合いについて、カスレが生じ難いもの;○、カスレがやや生じているもの;△、カスレが生じやすいもの;×とした。
b)油性スタンプ台の形態
ゴム印にスタンプ台のインキを転写させ、PPC用紙に捺印する。その時、初期印影と経時後の印影の濃度差について、差が生じていないもの;○、差が少ないもの;△、差が非常によく解るもの;×とした。
c)油性ボールペンの形態
PPC用紙にフリーハンド筆記(丸書き)し、「カスレ」が生じる度合いについて、カスレが生じ難いもの;○、カスレがやや生じているもの;△、カスレが生じやすいもの;×とした。
Figure 2002024821
Figure 2002024821
以上の結果から明らかなように、本発明の範囲となる実施例1〜11のインキ組成物は、本発明の範囲外となる比較例1〜11のインキ組成物に比べてインキ安定性や製品としての性能劣化の点で非常に優れていることが判明した。
(実施例21〜25および比較例21〜25)
前記の造塩体製造例と同様にして、それぞれ下記の造塩体を製造した。
(実施例21)
C.I.Basic Violet 4とC.I.Acid Orange 7の造塩体。
(実施例22)
C.I.Basic Violet 4とアルキルスルホン酸ナトリウムの造塩体。
(実施例23)
C.I.Basic Violet 4とアルキルジフェニルエーテルジスルホン酸ナトリウムの造塩体。
(実施例24)
C.I.Basic Green 1とアルキルジフェニルエーテルジスルホン酸ナトリウムの造塩体。
(実施例25)
C.I.Basic Violet 4とC.I.Acid Yellow 36の造塩体。
(比較例21)
C.I.Basic Violet 1とC.I.Acid Orange 7の造塩体。
(比較例22)
C.I.Basic Violet 3とアルキルスルホン酸ナトリウムの造塩体。
(比較例23)
C.I.Basic Violet 1とアルキルジフェニルエーテルジスルホン酸ナトリウムの造塩体。
(比較例24)
C.I.Basic Green 4とアルキルジフェニルエーテルジスルホン酸ナトリウムの造塩体。
(比較例25)
C.I.Basic Violet 3とC.I.Acid Yellow 36の造塩体。
金属錯塩染料併用時の安定性評価
金属錯塩染料として、スピロンブラックGMH(保土谷化学社製)を使用し、実施例21〜25及び比較例21〜25で製造した染料を金属錯塩染料と併用したときの溶解安定性を試験し、下記の基準で評価した。
(試験1)
スピロンブラックGMHを10重量%、上記実施例もしくは比較例で製造した染料が10重量%、プロピレングリコールモノメチルエーテル80重量%の溶液を調合した。
(試験2)
スピロンブラックGMHを25重量%、上記実施例もしくは比較例で製造した染料が25重量%、プロピレングリコールモノメチルエーテル50重量%の溶液を調合した。
それぞれの試験で調合した溶液を密閉し、0℃、6時間→15℃、6時間→30℃、6時間→15℃、6時間を1サイクルとして恒温槽に7日間放置し、放置後沈降物の有無を確認した。
(試験評価基準)
○:沈降物全くなし
△:少し沈降物あり
×:沈降物あり
××:筆記具用の染料としては適さない高粘度化が生じた
上記試験にて得られた結果を表3に示す。
Figure 2002024821
上記表1の結果から明らかなように、実施例21〜25で得られた染料は比較例21〜25で得られた染料より、金属錯塩染料と併用した際に安定性が良かった。
また、有機酸もしくは有機酸塩として、芳香環に少なくとも1つ以上のスルホン酸基を有するものは、それ以外の有機酸もしくは有機酸塩を使用したもの(実施例22)より、金属錯塩染料と併用したときの安定性が良かった。
産業上の利用可能性
本発明によれば、従来の油性インキ組成物には得られ難い性能として炭素数2以上のアルコール、多価アルコール、グリコールエーテル類を使用した際、黒や青色で隠蔽性を付与する染料を高濃度に添加が可能で、高濃度条件下においても金属錯塩染料やインキ中の他の原材料に対しても相溶性を良好にし、また低温経時安定性に優れた油性インキ組成物が提供される。
また、本発明によれば、筆記具用溶剤として多く使用される炭素数4以下のアルコール、グリコール及びグリコールエーテルに溶解したときに、金属錯塩染料と併用しても安定性が良好なトリアリールメタン系の筆記具インキ用染料が提供される。この染料は、プロピレングリコールモノメチルエーテルに溶解した場合には沈降物を生じず、著しい増粘を起こすこともなく、構造的にチャネルやオリフィスを持つボールペンやサインペンのインキとして用いることが可能な良好な流動性を保つことができる。

Claims (22)

  1. 色材として下記一般式(1)
    Figure 2002024821
    (式中、Arはそれぞれ独立してハロゲン又はアルキル基で置換されている又は置換されていないアリール基であり、Yはそれぞれ独立してジエチルアミノ基又は水素であるが少なくとも2個はジエチルアミノ基であり、Aはハロゲン又は有機酸基である。Aは残基に対して電荷バランスされている。)
    で表される化合物からなるトリアリールメタン系染料の少なくとも一種類以上を含み、溶剤として炭素数2以上のアルコール、多価アルコールまたはグリコールエーテルを含み、かつ前記溶剤に溶解する樹脂を含有してなることを特徴とするインキ組成物。
  2. 前記染料の3個のアリール基が全てフェニル基である請求項1記載のインキ組成物。
  3. 前記染料の3個のYが全てジエチルアミノ基である請求項1又は2記載のインキ組成物。
  4. 前記染料の全てのアリール基がハロゲン又はアルキル基で置換されていない請求項1〜3にいずれかに記載のインキ組成物。
  5. 前記染料が、Aが有機酸基である化合物であり、かつ溶剤として使用する炭素数2以上のアルコール、多価アルコールまたはグリコールエーテルに20質量%以上の濃度で溶解するものである、請求項1〜4にいずれかに記載のインキ組成物。
  6. 前記染料のAがカルボキシル基、アシル基、チオカルボキシル基、ジチオカルボキシル基、スルホン酸基、スルフイン酸基、スルフェン酸基、スルホアミノ基、メルカプト基、フェノール性ヒドロキシル基、ヒドロキシアミノ基、ヒドロキシイミノ基からなる群から選択された有機酸基である請求項1〜5にいずれかに記載のインキ組成物。
  7. 前記染料のAがアジピン酸、アセト酢酸、アニス酸、アビエチン酸、安息香酸、コハク酸、クエン酸、フタル酸、オレイン酸、ステアリン酸、リノール酸、リノレン酸、トルイル酸、ナフトエ酸、パルミチン酸、ヒドロキシ安息香酸、ケイ皮酸、ヒドロキシケイ皮酸、ピマル酸、ピペロニル酸、フェニルプロピオン酸、フェノキシ酢酸、マンデル酸、マレイン酸、ロジン変性マレイン酸、ヘキサンチオカルボン酸、ヘキサンジチオカルボン酸、ラウリルスルホン酸、1−ピヘリジンスルフィン酸、ベンゼンスルフェン酸、エタンスルフィニルクロリド、フェニルメタンチオール、ベンゼンジチオール、フェニルヒドロキシルアミン、ヒドロキシアミノフェノール、シクロヘキサノンオキシム、ベンズアルデヒドオキシム、ラウリルリン酸エステル、ジノニルフェニルリン酸エステル、アントラニル酸、馬尿酸からなる有機酸の酸基である請求項1〜5にいずれかに記載のインキ組成物。
  8. 前記染料のAが少なくとも1つ以上のスルホン酸基を有する芳香環を含むものである請求項1〜7のいずれかに記載のインキ組成物。
  9. 前記染料のAがアルキルベンゼンスルホン酸及びその塩、アルキルナフタレンスルホン酸及びその塩、アルキルアリルスルホン酸塩のホルマリン縮合物及びその塩、アルキルジフェニルエーテルジスルホン酸及びその塩等のアニオン界面活性剤、C.I.Acid Orange 7,C.I.Acid Yellow 36,C.I.Acid Red 88等の酸性染料から選ばれる請求項8記載のインキ組成物。
  10. 金属錯塩染料または顔料をさらに含む請求項1〜9にいずれかに記載のインキ組成物。
  11. 前記樹脂として少なくともポリビニルブチラールを含む請求項1〜10にいずれかに記載のインキ組成物。
  12. 炭素数2以上のアルコール、多価アルコールまたはグリコールエーテルからなる前記溶剤であって脂肪族系溶剤である溶剤が、インキ組成物の全溶剤の40質量%以上を占める、請求項1〜11のいずれかに記載のインキ組成物。
  13. 前記溶剤が下記i)〜iii)の溶剤のうち少なくとも1種を主溶剤として含む請求項1〜12のいずれかに記載のインキ組成物。
    ii)化学式C2n+1OCOH(式中、nは1〜3の整数である。)で表される溶剤
    ii)プロピレングリコールモノメチルエーテル
    iii)下記構造式(2)で表される溶剤
    Figure 2002024821
    (式中、R,R,Rはそれぞれ独立してHまたはCHである。)
  14. 請求項1〜13のいずれかに記載のインキ組成物を含む筆記具。
  15. サインペンである請求項14記載の筆記具。
  16. ボールペンである請求項14記載の筆記具。
  17. スタンプ台である請求項14記載の筆記具。
  18. 下記一般式(3)
    Figure 2002024821
    (式中、Arはそれぞれ独立してハロゲン又はアルキル基で置換されている又は置換されていないアリール基であり、Yはそれぞれ独立してジエチルアミノ基又は水素であるが少なくとも2個はジエチルアミノ基であり、Aは有機酸基である。Aは残基に対して電荷バランスされている。)
    で表される染料。
  19. Arがフェニルである請求項18記載の染料。
  20. プロピレングリコールモノメチルエーテルに10重量%以上溶解する請求項18または19記載の染料。
  21. 3個のYが全てジエチルアミノ基である請求項18〜20のいずれか1項に記載の染料。
  22. 有機酸基が少なくとも1つ以上のスルホン酸基を有する芳香環を含む請求項18〜21のいずれかに記載の染料。
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