JPH08183922A - 油性黒色インキ - Google Patents

油性黒色インキ

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JPH08183922A
JPH08183922A JP33901594A JP33901594A JPH08183922A JP H08183922 A JPH08183922 A JP H08183922A JP 33901594 A JP33901594 A JP 33901594A JP 33901594 A JP33901594 A JP 33901594A JP H08183922 A JPH08183922 A JP H08183922A
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JP
Japan
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weight
parts
ink
dye
oil
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JP33901594A
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English (en)
Inventor
Tomohisa Nishimoto
智久 西本
Hiroshi Takahashi
博 高橋
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Pentel Co Ltd
Original Assignee
Pentel Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【構成】 C.I.ベーシックバイオレット1または
C.I.ベーシックバイオレット3と、C.I.アシッ
ドイエロー36とを造塩させて得られる黒色染料と、脂
肪族アルコールと、前記脂肪族アルコールに可溶な樹脂
と、アシルサルコシンとを少なくとも含むことを特徴と
する油性黒色インキ。 【効果】 筆跡濃度に優れると共に経時後も良好に筆記
ができ、更に長期間保管しても染料の溶解性が低下しな
い。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、筆記具用、記録計用及
びジェットプリンタ−用として好適に用いられ、経時安
定性及び筆跡の濃度が優れた油性黒色インキに関するも
のである。
【0002】
【従来の技術】従来、速乾性マーキングペン等に用いる
油性黒色インキは、油溶性黒色染料と油溶性樹脂と溶剤
とを主成分としている。油性黒色インキは、水性染料と
水とを主成分とする水性インキに比べ、紙、布などのイ
ンキ吸収面ばかりでなく、ガラス、金属、プラスチック
等のインキ非吸収面にも良好な筆記が可能であることか
ら多く使用されている。油性黒色インキの油溶性黒色染
料としては、ニグロシン系染料、1:2型金属錯塩染
料、造塩タイプ油溶性染料などが用いられ、溶剤として
は、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素やエチレン
グリコールモノメチルエール、エチレングリコールモノ
エチルエーテル等のグリコールエーテル等が使用されて
いる。しかしながら、上記溶剤は臭気や毒性が高いなど
人体に対する安全性が問題となり、近年、臭気や毒性が
低い炭素数4以下の脂肪族アルコ−ルを油性インキの溶
剤として使用することが多く提案されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかし、溶剤として炭
素数4以下の低級脂肪族アルコールを使用した油性黒色
インキにおいて、筆跡の濃度を上げることは非常に困難
であった。この問題を解決するには染料を多量に添加す
ることが考えられる。しかし、ニグロシン系染料や1:
2型金属錯塩染料を多量に添加した場合、インキが高粘
度になり、筆記具などに使用した際のペン先からのイン
キ吐出低下を考慮すると、添加量が制限される為、十分
な濃度を得るには到っていない。更に、ニグロシン系染
料は低級脂肪族アルコ−ルへの溶解性が悪く、長期経時
状態では溶剤の蒸発によりインキ中で染料が析出しやす
くなる。その為、ペン先の毛細管での目詰まりが起こり
筆跡のカスレが発生し易いという問題があった。また、
比較的に低級脂肪族アルコール溶解性の良い造塩タイプ
油溶性染料を用いた場合、染料の添加によってインキが
高粘度になることや溶剤蒸発によって染料が析出するこ
とは防止できる。しかし、造塩タイプ油溶性染料は、長
期間保存すると一部の染料分子の造塩がくずれ、染料同
士や樹脂との2次凝集が発生し、析出物が発生し蓄積す
るという根本的な問題を有している。析出物の発生は、
インキの濃度低下や、製造工程における生産性の低下
(例えば、インキ充填時におけるインキ充填機ノズルの
目詰まり)等といった問題の原因となる。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明は、C.I.ベー
シックバイオレット1またはC.I.ベーシックバイオ
レット3と、C.I.アシッドイエロー36とを造塩さ
せて得られる黒色染料と、脂肪族アルコールと、前記脂
肪族アルコールに可溶な樹脂と、アシルサルコシンとを
少なくとも含むことを特徴とする油性黒色インキを要旨
とするものである。
【0005】以下、詳細に説明する。C.I.ベーシッ
クバイオレット1またはC.I.ベーシックバイオレッ
ト3と、C.I.アシッドイエロー36とを造塩させて
得られる黒色染料は着色材として使用するものである。
その添加量は、インキ全量に対し、2〜20重量%添加
することが好ましい。添加量が2重量%より少なくなる
と筆跡とした場合の濃度が低下する傾向にあり、添加量
が20重量%より多くなると粘度が高くなり筆記具用、
記録計用及びジェットプリンター用として用いた場合、
インキ吐出が低下する傾向にある。
【0006】炭素数4以下の脂肪族アルコールは、溶剤
として用いるものである。具体的には、メチルアルコー
ル、エチルアルコール、ノルマルプロピルアルコール、
イソプロピルアルコール、ノルマルブチルアルコール、
イソブチルアルコール、ターシャリーブチルアルコール
などが挙げられる。これらは単独あるいは複数混合して
使用でき、使用量はインキ全量に対して40〜90重量
%添加することが好ましい。
【0007】炭素数4以下の脂肪族アルコールに可溶な
樹脂は、インキ粘度の調整、黒色染料の定着性向上の為
に用いられるものである。例えば、フェノール樹脂、ケ
トン樹脂、ロジン樹脂、ブチラール樹脂、ポリアミド樹
脂などが挙げられる。具体的一例を挙げれば、フェノー
ル樹脂として、タマノール100S、同510(以上、
荒川化学工業(株)製)、ヒタノール1501、同25
01(以上、日立化成工業(株)製)などが、ケトン樹
脂として、ケトンレジンK−90(荒川化学工業(株)
製)、ハロン80、同110H(以上、本州化学(株)
製)などが、ロジン樹脂として、ハーコリンD、ペンタ
リン255、同261(以上、理化ハーキュレス(株)
製)、ハリエスターNL、ネオトールC、ガムロジンX
(以上、ハリマ化成(株)製)、ガムロジンWW(中国
産)、エステルガムH(荒川化学工業(株)製)など
が、ブチラール樹脂として、デンカブチラール#200
0−L、同#3000−1、同#3000−2、同#3
000−4、同#3000−K(以上、電気化学工業
(株)製)、エスレックBL−1、同BL−3、同BL
−S、同BX−L(以上、積水化学工業(株)製)など
が、ポリアミド樹脂として、AQ−ナイロンA−90、
同A−70、同A−50、同P−70、同K−80、同
K−14(以上、(株)東レ製)、ニューマイド82
5、同840(以上、ケーシー有限会社製)、トレジン
F30、同MF−30、同EF−30T、同M−20、
同TK5036(以上、帝国化学産業(株)製)、バー
サミド744、同756、同711(以上、ヘンケル白
水(株)製)、トーマイド#90、同#92(以上、富
士化成工業(株)製)、サンマイド611DK−1、同
615A(以上、三和化学工業(株)製)などが挙げら
れる。これらは単独あるいは複数混合して使用でき、使
用量はインキ全量に対して1〜20重量%添加すること
が好ましい。
【0008】アシルサルコシンは、C.I.ベーシック
バイオレット1またはC.I.ベーシックバイオレット
3と、C.I.アシッドイエロー36とを造塩させて得
られる黒色染料の炭素数4以下の脂肪族アルコールに対
する溶解性を向上し、インキの経時安定性及び筆跡の濃
度を向上するものである。具体的には、ラウロイルサル
コシン、ミリストイルサルコシン、パルミトイルサルコ
シン、オレオイルサルコシンなどが挙げられる。その添
加量はインキ全量に対し、0.5〜10重量%添加する
ことが好ましく、0.5重量%より少なくなると効果が
小さくなり、10重量%より多くなると筆跡乾燥性が悪
くなる傾向にある。また、経時安定性及び筆跡濃度向上
に関してより効果の高いものとしては、アシル基の炭素
数が8〜20であるものが好ましい。
【0009】更に、以上に示した成分以外に必要に応じ
て、補色用着色剤、防腐剤、防黴剤、湿潤剤、可溶化
剤、乾燥抑制剤、粘度調節剤、凍結安定剤、消泡剤、界
面活性剤など、種々の添加剤を適宜選択して使用するこ
ともできる。
【0010】本油性黒色インキの調製は、上記必須成分
を従来知られている撹拌機を用いて撹拌混合し、均一に
溶解することによって得られる。
【0011】
【作用】アシルサルコシンは低級脂肪族アルコ−ルに良
好に溶解すると共に、他分子への吸着に優れたアニオン
系界面活性剤である。ところで、前述のように造塩タイ
プ油性染料を使用した油性黒色インキにおける析出物発
生現象のメカニズムは、なんらかの影響で溶液中の一部
の染料分子の造塩がくずれ、染料同士や樹脂との2次凝
集が起こるためであるが、アシルサルコシンは、この造
塩がくずれた染料に吸着し、安定した溶解状態を保つの
で、析出物の発生を防止することができる。その為、長
期間保存しておいてもインキは安定であり、更に、染料
分子の分散性も向上することから、筆記具用として、筆
記具に充填して用いた場合にも優れた筆跡濃度が得られ
ると推察される。
【0012】
【実施例】以下、実施例により更に詳細に説明する。 実施例1 バリーファーストバイオレット1702(C.I.ベーシックバイオレット3 とC.I.アシッドイエロー36との造塩染料、オリエント化学工業(株)製) 15重量部 エチルアルコ−ル 60重量部 イソプロピルアルコ−ル 13重量部 タマノール1OOS(フェノール樹脂、荒川化学工業(株)製) 5重量部 オレオイルサルコシン 5重量部 スピロンイエローC−2GH(補色剤、保土谷化学工業(株)製) 2重量部 上記成分を撹拌機にて4時間撹拌して油性黒色インキを
得た。
【0013】実施例2 バリーファーストバイオレット1702(前述) 18重量部 エチルアルコ−ル 50重量部 メチルアルコ−ル 20重量部 ハロン110H(ケトン樹脂、本州化学(株)製) 5重量部 ラウロイルサルコシン 7重量部 上記成分を実施例1と同様になして油性黒色インキを得
た。
【0014】実施例3 バリーファーストバイオレット1702(前述) 12重量部 エチルアルコ−ル 13重量部 ノルマルプロピルアルコ−ル 60重量部 ガムロジンWW(ロジン樹脂、中国産) 10重量部 ミリストイルサルコシン 2重量部 オイルイエローCH(補色剤、中央合成化学(株)製) 3重量部 上記成分を実施例1と同様になして油性黒色インキを得
た。
【0015】実施例4 バリーファーストバイオレット1701(C.I.ベーシックバイオレット1 とC.I.アシッドイエロー36との造塩染料、オリエント化学工業(株)製) 15重量部 イソプロピルアルコ−ル 50重量部 ノルマルブチルアルコ−ル 23重量部 トーマイド#92(ポリアミド樹脂、富士化成工業(株)製) 8重量部 オレオイルサルコシン 4重量部 上記成分を実施例1と同様になして油性黒色インキを得
た。
【0016】実施例5 バリーファーストバイオレット1701(前述) 10重量部 エチルアルコ−ル 63重量部 タマノ−ル100S(前述) 3重量部 ハロン110H(前述) 2重量部 パルミトイルサルコシン 7重量部 プロピレングリコールモノメチルエーテル(粘度調節剤) 15重量部 上記成分を実施例1と同様になして油性黒色インキを得
た。
【0017】比較例1 実施例1においてオレオイルサルコシンを除き、その量
だけエチルアルコールを加えた他は、実施例1と同様に
なして油性黒色インキを得た。
【0018】比較例2 実施例1においてオレオイルサルコシンを除き、その量
だけドデシルベンゼンスルホン酸を加えた他は、実施例
1と同様になして油性黒色インキを得た。
【0019】上記、実施例1〜5、比較例1、2で得た
油性黒色インキに関して、インキ低温経時試験を行い、
また繊維芯のペン先、中綿を使用した筆記具(ぺんてる
布がきペンスーパー〔細字〕NM10、ぺんてる(株)
製)に充填し、筆跡濃度試験を行なった。結果を表1に
示す。
【0020】
【表1】
【0021】インキ低温経時試験 上記の油性黒色インキを蓋付きビンに密封し、−20℃
恒温室に1ヶ月保管した後、インキを濾紙(アドバンテ
ック東洋(株)製)で濾過し、濾紙上の残留物の状態を
確認した。 評価 ○:析出物なし ×:析出物あり
【0022】筆跡濃度試験 クリアーシート〔薄口〕(リコー教育機器(株)製)
に、上記油性黒色インキを充填した筆記具を用いて横各
1回均一にインキを塗布し乾燥させたものを、SMカラ
ーコンピューター(MODEL、SM−4、スガ試験機
(株)製)により濃度を測定した。判定方法は、視感反
射率Y値を用いて評価し、数字は小さいほど濃度が高
い。(単位:%)
【0023】
【発明の効果】以上、詳細に説明したように、本発明に
係る油性黒色インキは、筆跡濃度に優れると共に経時後
も良好に筆記ができ、更に長期間保管しても染料の溶解
性が低下しないという特長を有するものである。
【手続補正書】
【提出日】平成8年3月7日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0015
【補正方法】変更
【補正内容】
【0015】実施例4 C.I.ベーシックバイオレット1とC.I.アシッドイエロー36との造塩 染料) 15重量部 イソプロピルアルコール 50重量部 ノルマルブチルアルコール 23重量部 トーマイド#92(ポリアミド樹胞、富士化成工業(株)製) 8重量部 オレオイルサルコシン 4重量部 上記成分を実施例1と同様になして油性黒色インキを得
た。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0016
【補正方法】変更
【補正内容】
【0016】実施例5 C.I.ベーシックバイオレット1とC.I.アシッドイエロー36との造塩 染料) 10重量部 エチルアルコール 63重量部 タマノール100S(前述) 3重量部 ハロン110H(前述) 2重量部 パルミトイルサルコシン 7重量部 プロピレングリコールモノメチルエーテル(粘度調節剤) 15重量部 上記成分を実施例1と同様になして油性黒色インキを得
た。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 C.I.ベーシックバイオレット1また
    はC.I.ベーシックバイオレット3と、C.I.アシ
    ッドイエロー36とを造塩させて得られる黒色染料と、
    脂肪族アルコールと、前記脂肪族アルコールに可溶な樹
    脂と、アシルサルコシンとを少なくとも含むことを特徴
    とする油性黒色インキ。
JP33901594A 1994-12-28 1994-12-28 油性黒色インキ Pending JPH08183922A (ja)

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