JPH10183042A - 油性赤色インキ - Google Patents
油性赤色インキInfo
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- JPH10183042A JPH10183042A JP35732796A JP35732796A JPH10183042A JP H10183042 A JPH10183042 A JP H10183042A JP 35732796 A JP35732796 A JP 35732796A JP 35732796 A JP35732796 A JP 35732796A JP H10183042 A JPH10183042 A JP H10183042A
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Abstract
ることなく、従って、筆跡のカスレが発生しにくい赤色
インキを提供すること。 【解決手段】 化1で示される赤色染料と、化2で示さ
れる黄色染料と、炭素数4以下の脂肪族アルコールと、
前記脂肪族アルコールに可溶な樹脂とを少なくとも含む
ことを特徴とする油性赤色インキ。 【化1】 【化2】
Description
用及びジェットプリンタ−用として好適に用いられ、経
時安定性に優れた油性赤色インキに関するものである。
油性インキは、油溶性染料と油溶性樹脂と溶剤とを主成
分としている。油性インキは、水性染料と水とを成分と
する水性インキに比べ、紙、布などのインキ吸収面ばか
りでなく、ガラス、金属、プラスチック等のイキ非吸収
面にも良好な筆記が可能である。油性インキの溶剤とし
ては、油溶性染料に対する溶解力の高いトルエン、キシ
レン等の芳香族炭化水素やエチレングリコールモノメチ
ルエール、エチレングリコールモノエチルエーテル等の
グリコールエーテル等が使用されている。しかしなが
ら、上記溶剤は臭気や毒性が高いなど人体に対する安全
性が問題となり、近年臭気や毒性が低い炭素数4以下の
脂肪族アルコ−ル、特に安全性の高いエチルアルコール
を油性インキの溶剤として用いることが要求されてい
る。ところが、芳香族炭化水素やグリコールエーテル等
を溶剤とした油性インキに使用されてきた油溶性染料
は、低級脂肪族アルコ−ルへの溶解性が悪く、実用上で
十分な濃度を得ることは困難である。これまでにこの問
題を改善する方法としては、低級脂肪族アルコールへの
溶解性が比較的良い、塩基性染料と酸性染料および又
は、直接染料、アニオン系界面活性剤などとを反応させ
て得られる造塩タイプの油溶性染料を用いることが提案
されている。そのことから、低級脂肪族アルコールを溶
剤とする油性インキにおいて、赤色の色調を求める場合
は、化1で示される造塩タイプの赤色染料が主要着色剤
として使用されている。
ン用の油性赤色インキとして、筆跡の濃度や色彩の鮮明
さを上げる為に、化1で示される赤色染料を多量に添加
した場合や、その補色となる黄色染料を添加した場合に
おいて、初期の溶解性は良好であるが、長期間保存する
と染料分子の会合が増大し、溶剤への溶解レベルを越え
た析出物が形成され蓄積するという問題を有している。
析出物の発生は、ペン先の毛細管での目詰まりによる筆
跡のカスレやインキの濃度低下、製造工程における生産
性の低下(例えば、インキ充填時におけるインキ充填機
ノズルの目詰まり)等といった問題の原因となってい
る。
る赤色染料と、化2で示される黄色染料と、炭素数4以
下の脂肪族アルコールと、前記脂肪族アルコールに可溶
な樹脂とを少なくとも含むことを特徴とする油性赤色イ
ンキを要旨とするものである。
色染料は、主要着色剤として使用するものであり、市販
されている油溶性赤色染料の中においては炭素数4以下
の脂肪族アルコールに対しての溶解性が良い。この赤色
染料は、従来公知の方法により容易に製造することがで
きる。例えば、塩基性染料の水溶液と酸性染料、直接染
料またはアニオン系界面活性剤の水溶液とを、温度が室
温〜100℃の条件で混合攪拌する。その後、水不溶性
となった反応生成物を濾過し、水洗い、乾燥して赤色染
料を得ることができる。具体的一例を挙げれば、C.
I.ベーシックレット゛1とC.I.アシッドイエロー2
3との造塩染料として、バリファーストレッド1308
(オリエント化学工業(株)製)、ALレッド2308
(中央合成化学(株)製)などが、C.I.ベーシック
レット゛1とC.I.アシッドイエロー42との造塩染料
として、スピリットレッド102(オリエント化学工業
(株)製)などが、C.I.ベーシックレット゛1とドデ
シル(スルホフエノキシ)−ベンゼンスルホン酸との造
塩染料として、スピロンレッドC−GH(保土谷化学工
業(株)製)などが挙げられる。赤色染料の使用量は、
油性赤色インキ全量に対し、2〜15重量%添加するこ
とが好ましい。筆跡濃度を好適に保つ点で2重量%以上
が好ましく、また、析出物の発生がなく、良好な経時安
定性を保ち、且つ、筆記具用、記録計用及びジェットプ
リンター用として用いた場合のインキ吐出に好適な粘度
となす点で15重量%以下が好ましい。
キとしての筆跡の濃度や色彩の鮮明さを上げる為に用い
られる。すなわち、従来知られている炭素数4以下の脂
肪族アルコールを溶剤とする油性インキに使用している
造塩タイプ黄色染料とは異なり、優れた経時安定性を長
期間維持することができる。具体的一例を挙げれば、化
2で示される黄色染料中のR3 をドデシル基としたもの
として、オイルイエローCH(中央合成化学(株)
製)、スピロンイエローC−GNH(保土谷化学工業
(株)製)などが挙げられる。その添加量は油性赤色イ
ンキ全量に対して0.2〜10重量%添加することが好
ましい。筆跡の濃度や色彩の鮮明さを上げる為には0.
2重量%が好ましく、適度な濃度や、色彩とするために
は、10重量%が好ましい。
として用いるものである。具体的には、メチルアルコー
ル、エチルアルコール、ノルマルプロピルアルコール、
イソプロピルアルコール、ノルマルブチルアルコール、
イソブチルアルコール、ターシャリーブチルアルコール
等が挙げられる。これらは単独あるいは複数混合して使
用でき、使用量は油性赤色インキ全量に対して40〜9
0重量%添加することが好ましい。
樹脂は、インキ粘度の調整、染料の定着性向上の為に用
いるものである。例えば、フェノール樹脂、ケトン樹
脂、ロジン樹脂、ブチラール樹脂、ポリアミド樹脂など
が挙げられる。具体的一例を挙げれば、フェノール樹脂
として、タマノール100S、同510(以上、荒川化
学工業(株)製)、ヒタノール1501、同2501
(以上、日立化成工業(株)製)、YSポリスターS1
45、YP−90L(以上、ヤスハラケミカル(株)
製)、ケトン樹脂として、ケトンレジンK−90(荒川
化学工業(株)製)、ハロン80、同110H(以上、
本州化学(株)製)、シンセティックレジンAP、同S
K、同1201(以上、独国ヒュルス社製)などが、ロ
ジン樹脂として、ハーコリンD、ペンタリン255、同
261(以上、理化ハーキュレス(株)製)、ハリエス
ターNL、ネオトールC、ガムロジンX(以上、ハリマ
化成(株)製)、ガムロジンWW(中国産)、エステル
ガムH(荒川化学工業(株)製)などが、ブチラール樹
脂として、デンカブチラール#2000−L、同#30
00−1、同#3000−2、同#3000−4、同#
3000−K(以上、電気化学工業(株)製)、エスレ
ックBL−1、同BL−3、同BL−S、同BX−10
(以上、積水化学工業(株)製)などが、ポリアミド樹
脂として、AQ−ナイロンA−90、同A−70、同A
−50、同P−70、同K−80、同K−14(以上、
東レ(株)製)、ニューマイド825、同840(以
上、ケーシー有限会社製)、トレジンF30、同MF−
30、同EF−30T、同M−20、同TK5036
(以上、帝国化学産業(株)製)、バーサミド744、
同756、同711(以上、ヘンケル白水(株)製)、
トーマイド#90、同#92(以上、富士化成工業
(株)製)、サンマイド611DK−1、同615A
(以上、三和化学工業(株)製)などが挙げられる。こ
れらは単独あるいは複数混合して使用でき、その使用量
は油性赤色インキ全量に対して1〜20重量%添加する
ことが好ましい。
て、インキの粘度調節剤、金属の腐食防止の為の防蝕
剤、インキ塗膜に柔軟性を与え密着性を高める可塑剤な
どを、適宜選択して使用することができる。例えば、イ
ンキの粘度調節剤としては、ベンジルアルコール等の高
沸点アルコール系溶剤、エチレングリコールモノフェニ
ルエーテル、プロピレングリコール低級アルキルエーテ
ル等のグリコールエーテル系溶剤、酢酸エチル、乳酸エ
チル等のエステル系溶剤が挙げられる。金属の防蝕剤と
しては、ベンゾトリアゾール等が挙げられる。可塑剤と
しては、フタル酸エステル、セバシン酸エステル、リン
酸エステル、アジピン酸エステル、マレイン酸エステ
ル、ステアリン酸エステル、トリメット酸エステル等が
挙げられる。
止剤、インキの塗布性向上剤、インキの吐出向上剤とし
て、各種界面活性剤を使用することもできる。具体的に
は、アルキル硫酸塩、N−アシルアミノ酸及びその塩、
ポリオキシエチレンアルキルエーテル酢酸塩、ポリオキ
シエチレンアルキルエーテルリン酸塩などの陰イオン界
面活性剤、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ソル
ビタン脂肪酸エステル類、デカグリセリン脂肪酸エステ
ル等の非イオン界面活性剤、パーフルオロアルキルスル
ホン酸塩、ポリオキシエチレンパーフルオロエーテル等
のフッ素系界面活性剤、ポリエーテル変性シリコーン、
アルコール変性シリコーン等のシリコーン系界面活性剤
が挙げられる。
分を従来知られている撹拌機を用いて撹拌混合し、均一
に溶解することによって得られる。
の会合状態で存在しているが、高濃度ではさらに会合し
やすい性質をもっている。また、比較的イオン解離度が
大きい溶剤である炭素数4以下の脂肪族アルコール中に
おいて、造塩タイプ油溶性染料の溶解状態は、イオン対
の状態で安定に存在しているが、経時環境の変化により
イオン対会合体、フリーイオンに変化すると思われる。
これらの影響により、低級脂肪族アルコールを溶剤とす
る油性赤色インキの着色剤として、化1で示される赤色
染料を用いた場合、筆跡の濃度を上げる為に染料使用量
を多くすると、長期間の経時では染料イオン対の会合量
が増大し、溶剤への溶解レベルを越えて析出物が形成さ
れると考えられる。化2で示される黄色染料は、カチオ
ン成分として複素環アンモニウム基がシッフ塩基と共役
しているアゾメチン構造を有しており、アニオン成分と
してカチオン成分と安定したイオン対を形成し易い界面
活性剤を有している、造塩タイプの油溶性染料である。
その為、色相が鮮明でかつ優れた経時安定性を長期間維
持することができる。そこで、油性赤色インキの組成中
に化2で示される黄色染料を使用すると、化1で示され
る赤色染料に悪影響を与えることなく相互溶解性を向上
し、筆跡の濃度や色彩の鮮明さを上げることが可能だと
推察される。
得た。
た。
た。
た。
た。
けC.I.ベーシックイエロー2とドデシル(スルホフ
エノキシ)−ベンゼンスルホン酸との造塩染料を加えた
他は、実施例1と同様になして油性赤色インキを得た。
その量だけC.I.ソルベントイエロー82(金属錯塩
酸性染料とカチオン系活性剤との造塩染料)を加えた他
は、実施例1と同様になして油性赤色インキを得た。
けALレッド2308を加えた他は、実施例1と同様に
なして油性赤色インキを得た。
油性赤色インキに関して、インキ低温経時試験を行なっ
た。
恒温室に1ヶ月保管した後、インキを濾紙(アドバンテ
ック東洋(株)製)で濾過し、濾紙上の残留物の状態を
確認した。
る油性赤色インキは、染料が析出しやすい低温経時試験
においても析出しないので、筆跡のカスレが発生するこ
となく、濃度が濃い筆跡が得られる。
Claims (1)
- 【請求項1】 【化1】 で示される赤色染料と、 【化2】 で示される黄色染料と、炭素数4以下の脂肪族アルコー
ルと、前記脂肪族アルコールに可溶な樹脂とを少なくと
も含むことを特徴とする油性赤色インキ。
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