JPH089706B2 - 耐水性インキ組成物とその製造方法 - Google Patents

耐水性インキ組成物とその製造方法

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JPH089706B2
JPH089706B2 JP2220059A JP22005990A JPH089706B2 JP H089706 B2 JPH089706 B2 JP H089706B2 JP 2220059 A JP2220059 A JP 2220059A JP 22005990 A JP22005990 A JP 22005990A JP H089706 B2 JPH089706 B2 JP H089706B2
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博史 清本
康之 杉本
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Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は水性インキ組成物に関し、更に詳しくは筆記
具用、プロッターペン用、インキジェットプリンター用
インキとして優れた紙上耐水性と経時安定性とを有する
水性インキ組成物に関する。
[従来技術と本発明が解決しようとする課題] 従来より筆跡に紙上耐水性を与える目的で種々の研
究、開発が行なわれている。顔料を用いた顔料系水性イ
ンキが一般によく知られているが、この顔料系水性イン
キは分散安定性に難があり顔料粒子が沈降するなど、経
時安定性に問題を有している。
[課題を解決するための手段] 本発明者らは、かかる課題を解決するために、顔料と
比較して経時安定性に優位な水溶性染料を使用した良好
な紙上耐水性を有するいわゆる染料系水性インキ組成物
の研究を行なった。
本発明者らは芳香環もしくはC数が6〜12の脂肪族炭
化水素から選んだ親油基と、O、N、S原子を少なくと
も1個有する基から選んだ親水基と、両基を含有する水
難溶性化合物を添加したアニオン型染料インキは、紙上
耐水性が著しく向上することを見出した。
しかるに前記した化合物は水に難溶であり分散系イン
キしか得られない。ところが前記化合物の中でエチルア
ルコールに20℃で5重量%以上の溶解度を示す化合物の
みは、水に0.1重量%溶解したときの表面張力が20℃に
おいて60dyn/cm以下であるアニオン型染料によって水に
極めて好適に可溶化されるという新知見を得た。
この新知見にもとずき、紙上耐水性にすぐれかつ経時
安定性にもすぐれた水性インキを発明した。
これが本発明者のなした特願平1−277313号発明であ
る。この発明は耐水性、経時安定性に優れているが、
(B)染料は、色の種類に制限があり、色調に多少不満
足な点があった。
本発明者はさらに研究の結果(B)染料の量をインキ
組成物中2〜30重量%以上で且つインキの総染料中60重
量%以上にすることにより前述の(D)水に難溶性でエ
チルアルコールに溶解した時の溶解度が20℃において2
重量%以上である油溶性染料と同様の分散性染料を溶解
することができることを見出だして本発明を完成した。
(B)染料は色が限られるので、色調を調整すること
が望ましい。油溶性染料と分散性染料は色も多種で耐水
性筆跡を形成するが水に溶けないためインキに使用でき
なかったのである。
このように本発明によって特定の油溶性染料と分散性
染料が色調調整剤としてインキの染料に使用でき、耐水
性の一層の向上と多種の色調を得る事に成功した。
前述の本発明の(C)成分と(D)及び/または
(E)成分を可溶化するには(B)染料はインキ組成物
中2〜30重量%で且つ、インキの総染料重量の60重量%
以上でなければならない。この範囲外では、(C)成分
と、(D)および/または(E)成分を完全には可溶化
できない。
また、(C)成分の量はインキ組成物中0.5〜5重量
%が耐水性を付与するために適当である。(D)成分お
よび/または(E)成分の量は、染料総重量の40重量%
以下が好適である。
本発明はまた補助色調調整剤として更に、前述の
(F)染料を併用することができる。(F)染料は色が
非常に多く、色調の調整効果が優れている。その使用料
は、インキ組成物中5重量%以下で且つインキの総染料
重量中の9重量%以下でなければならない。この範囲外
では耐水性に悪影響が生じる。
すなわち本発明は、 「 1. (A)水と、 (B)インキ組成物中2〜30重量%の量で且つインキの
総染料重量中60重量%以上であり、水に0.1重量%溶解
した時の表面張力が20℃において60dyn/cm以下であるア
ニオン型染料と、 (C)芳香環もしくはC数が6〜12の脂肪族炭化水素を
親油基とし、O、N、S原子を少なくとも1個有する基
を親水基とし、この両基をそれぞれ1以上含有する水難
溶性化合物であって、該化合物をエチルアルコールに溶
解したときの溶解度が20℃で5重量%以上である水難性
化合物を有効性分とする耐水性付与剤、 とを配合して溶解したインキ組成物に 色調調整剤として、 (D)水に難溶性でエチルアルコールに溶解した時の溶
解度が20℃において2重量%以上である油溶性染料の1
または2以上 及び/又は (E)水に難溶性でエチルアルコールに溶解した時の溶
解度が20℃において2重量%以上である分散性染料の1
または2以上を配合した耐水性インキ組成物。
2.(C)成分の耐水性付与剤がインキ組成物中0.5〜
5重量%である、請求項1に記載された耐水性インキ組
成物。
3.(D)成分及び/又は(E)成分の色調調整剤がイ
ンキの総染料重量中40重量%以下である、請求項1また
は2に記載された耐水性インキ組成物。
4.補助色調調整剤として、 (F)水に0.1重量%溶解した時の表面張力が20℃にお
いて60dyn/cmを越えているアニオン型染料をインキ組成
物中5重量%以下であって且つインキの総染料重量中9
重量%以下配合した、請求項1ないし3のいずれか1項
に記載された耐水性インキ組成物。
5.請求項1に記載した(B)のアニオン型染料を
(A)の水に添加して完全に溶解し、つぎに(D)の油
溶性染料の1または2以上及び又は、 (E)の分散性染料の1または2以上と(C)の耐水性
付与剤を添加し室温以上の温度で撹拌を行い、その後残
りの成分を添加混合するることを特徴とする耐水性イン
キ組成物の製造方法。
6.(B)のアニオン型染料と(F)のアニオン型染料
を(A)の水に添加して完全に溶解し、つぎに(D)の
油溶性染料の1または2以上及び/又は、(E)の分散
性染料の1または2以上と(C)の耐水性付与剤を添加
し室温以上の温度で撹拌を行い、その後残りの成分を添
加混合することを特徴とする、耐水性インキ組成物の製
造方法。」である。
耐水性付与剤の、脂肪族炭化水素基としてはアルキレ
ン基が好適である。
[作用] 紙上耐水性向上については、学問的解明は必ずしも充
分ではないが本発明が反復再現性を有することなどから
本発明者は次のように考えている。すなわち、電気陰性
度の高いO、N、S原子を少なくとも1個有する親水基
を1個以上含有する水難溶性化合物が存在することによ
り、従来の、紙と染料との間の水素結合よりも、より強
固な、紙と染料と水難溶性化合物との間の水素結合が形
成され、さらに、水難溶性化合物と油溶性染料及び/又
は分散染料との疎水性によってインキの紙上耐水性が向
上すると考えられる。
また、水難溶性化合物と油溶性染料及び/又は分散染
料との水への可溶化については、前述の(B)アニオン
型染料、とくに水に0.1重量%溶解したときの表面張力
が20℃において60dyn/cm以下のものが、水中においてミ
セルを形成し、水難溶性化合物と油溶性染料及び/又は
分散染料とを可溶化していると考える。
この(B)染料は,充分な耐水性を奏するためには、
インキ組成物中2〜30重量%であって且つインキの総染
料重量中60重量%以上である必要がある。インキ組成物
中2%重量以下では耐水性付与剤と油溶性染料及び/又
は分散染料とを可溶化させる能力が低下し,経時的に不
安定になり,かつ耐水性を低下させる。また30重量%以
上では染料の析出が生じ、経時的に不安定であり、イン
キの粘度の上昇を招き筆記具用、プロッターペン用、イ
ンキジェットプリンター用インキとして不適当である。
インキの総染料重量中60%重量以下では良好な耐水性イ
ンキとならない。
そして、水難溶性化合物の中でエチルアルコールに対
して20℃で5重量%以上の溶解度を有する化合物が好適
に可溶化されるのである。
本発明で使用する、前述の(B)染料である水に0.1
重量%溶解したときの表面張力が20℃において60dyn/cm
以下であるアニオン型染料を例示すると次のものがあ
る。
酸性染料: C.I.アシッドイエロー40 C.I.アシッドオレンジ51 C.I.アシッドレッド114,249 C.I.アシッドブルー83,90,103,127 C.I.アシッドグリーン25,27 直接染料: C.I.ダイレクトブラック154 エポキシ付加C.I.ダイレクトブラック154 上記染料の1種又は2種以上を使用することができ
る。
本発明で使用する前述の(C)成分である芳香環もし
くは、C数が6〜12の脂肪族炭化水素から選んだ親油基
と、O、N、S原子を少なくとも1個有する基から選ん
だ親水基の、両基を夫々1以上含有する水難溶性化合物
としては次のものが挙げられる。
(a)ジカルボン酸エステル骨格を有する化合物 (b)ベンゾフェノン骨格を有する化合物 (c)フェノール骨格を有する化合物 (d)イミダゾール骨格を有する化合物 (e)ベンゾチアゾール骨格を有する化合物 (f)ベンゾイン骨格を有する化合物 (g)安息香酸エステル骨格を有する化合物 から選ばれる1又はそれ以上の化合物であり、時に、エ
チルアルコールに対して20℃で5重量%以上の溶解度を
有する化合物である。
(a)の具体例としてはセバシン酸ジエチル、ビス
(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)セバケー
ト、ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジ
ル)セバケートなどがある。
(b)の具体例としてはベンゾフェノン、2,2′−ジ
ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン、2,4−ジヒ
ドロキシ−ベンゾフェノンなどがある。
(c)の具体例としては2,2′−ビス(4′−ヒドロ
キシフェニル)プロパン没食子酸エチル、没食子酸nプ
ロピル、没食子酸イソアミルサリチルアルドキシム、4
−ヒドロキシ−1,2,フタル酸ジエチル、パラーtert−ブ
チルフェノールなどがある。
(d)の具体例としてはベンゾイミダゾールなどがあ
る。
(e)の具体例としては2−クロロ・ベンゾチアゾー
ル、2−メチル5クロロベンゾチアゾール、2メルカプ
トベンゾチアゾールなどがある。
(f)の具体例としてはベンゾインメチルエーテルな
どがある。
(g)の具体例としてはパラーヒドロキシ安息香酸プ
ロピル、フェニルベンゾエートなどがある。
上記化合物の1種又は2種以上を使用することができ
る。
(D)成分の油溶性染料としてはつぎのものが挙げら
れる。
C.I. ソルベントイエロー15,21,61 C.I. ソルベントオレンジ5,6,37 C.I. ソルベントレッド8,30,49,82,83,84 C.I. ソルベントブルー2,55 上記化合物の1種又は2種以上を使用することができ
る。
(E)成分の分散性染料としてはつぎのものが挙げら
れる。
C.I.ディスパースイエロー3,5,31 C.I.ディスパースオレンジ13 C.I.ディスパースレッド1,4,5,11 C.I.ディスパースブルー3,7 上記化合物の1種又は2種以上を使用することができ
る。
(F)成分の染料としてはつぎのものが挙げられる。
酸性染料: C.I.アッシドイエロー6,23 C.I.アッシドレッド1,37,73,87,92 C.I.アッシドブルー80 直接染料: C.I.ダイレクトイエロー44 C.I.ダイレクトレッド4,9,23,31,227 C.I.ダイレクトブルー1,15,86,87 199 C.I.ダイレクトブラック19 上記化合物の1種又は2種以上を使用することができ
る。
本発明のインキは溶媒成分として水を使用するもので
あるが、インキの乾燥を防止するためと染料の溶解性を
向上するため及び水難溶性化合物と油溶性染料及び/又
は分散染料との可溶化量を増すため等の目的で、下記に
例示したような物質を配合すると耐ドライアップ性が改
善される。
エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエ
チレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレ
ングリコール、グリセリン、ポリグリセリン、ポリエチ
レングリコール、ポリプロピレングリコール、メチルセ
ロソルブ、エチルセロソルブ、ブチルセロソルブ、メチ
ルカービトール、エチルカービトール、ブチルカービト
ール、プロピレングリコールメチルエーテル、ジプロピ
レングリコールメチルエーテル、トリプロピレングリコ
ールメチルエーテル、3メチル3メトキシブタノート、
2−ピロリドン、トリエタノールアミン、尿素およびそ
の誘導体などがある。
尿素誘導体としては、チオ尿素、エチレン尿素、ヒド
ロキシエチル尿素、ヒドロキシプロピル尿素、エチレン
チオ尿素、ジエチルチオ尿素などがある。
上記の物質の1種又は2種以上を使用することができ
る。
本発明のインキは上記成分の他に必要に応じて、p−
オキシ安息香酸メチル、1,2−ベンゾイソチアゾリン−
3オンなどの防菌剤や、ベンゾトリアゾール、ブトキシ
エチルアシッドホスフェートジエチルアミン塩などの防
錆剤や、ポリビニルプロリドン、ポリビニルアルコー
ル、セルロース誘導体、マレイン酸樹脂などの水溶性樹
脂などの粘度調整剤や、界面活性剤などの表面張力調整
剤やポリエステルフィルム等の非浸透性支持体への固着
性向上のためにポリマーエマルジョンなどの固着性向上
剤をインキの性能を害さない範囲で適宜添加することが
できる。
次に本発明の水性インキの製造方法について簡単に述
べると、アニオン型染料を水に完全溶解した後、水難溶
性化合物を添加し溶解すればよい。
なお室温以上で撹拌溶解することが好適である。とく
に80℃以上が好適である。
水難溶性化合物が完全に可溶化されたことを確認した
後、その他の成分を加え撹拌溶解することによりインキ
が製造される。
[実施例] 次に実施例と比較例をあげて本発明を説明する。
わかりやすいように、油性染料を配合した例は符号I
を付し次に番号の数字を入れた。例えばI−1等であ
る。分散性染料を配合した例にはIIを付した。
また両者を併用した例にはIIIを、補助色調調整料を
併用した例にはIVを付した。
実施例I−1 (B) C.I.アシッドブルー90 (表面張力52.3dyn/cm) 3.60重量部 (D) C.I.ソルベントイエロー61 (エチルアルコール溶解度 2重量%以上) 2.40重量
部 (C) 2,2−ビス(4′−ヒドロキシフェニル)プロ
パン (エチルアルコール溶解度 5重量%以上) 1.00重量
部 エチレングリコール 10.00重量部 ジエチレングリコール 10.00重量部 トリエタノールアミン 1.00重量部 プロキセルXL−2 1.00重量部 (A) イオン交換水 71.00重量部 100.00重量部 操作:アシッドブルー90をイオン交換水中に撹拌によっ
て完全溶解させた後(60℃)ソルベントイエロー61、2,
2−ビス(4′−ヒドロキシフェニル)プロパンを添加
し80℃1時間加熱撹拌する。次に残りの成分を添加し室
温で1時間撹拌した後、放置冷却後に過を行いアシッ
ドブルー90の青色にトルベントイエロー61の黄色が調色
された緑色インキを得た。
実施例I−2 (B) C.I.アシッドブルー90 (表面張力52.3dyn/cm) 3.60重量部 (D) C.I.ソルベントレッド49 (エチルアルコール溶解度 2重量%以上) 2.40重量
部 (C) 2,2−ビス(4′−ヒドロキシフェニル)プロ
パン (エチルアルコール溶解度 5重量%以上) 1.00重量
部 エチレングリコール 10.00重量部 ジエチレングリコール 10.00重量部 トリエタノールアミン 1.00重量部 プロキセルXL−2 1.00重量部 (A) イオン交換水 71.00重量部 100.00重量部 操作:アシッドブルー90をイオン交換水中に撹拌によっ
て完全溶解させた後(60℃)ソルベントイエロー49、2,
2−ビス(4′−ヒドロキシフェニル)プロパンを添加
し80℃1時間加熱撹拌する。次に残りの成分を添加し室
温で1時間撹拌した後、放置冷却後に過を行いアシッ
ドブルー90の青色にトルベントレッド49の赤色が調色さ
れた赤紫色インキを得た。
実施例I−3 (B) C.I.アシッドイエロー40 (表面張力37.4dyn/cm) 5.00重量部 (D) C.I.ソルベントオレンジ37 (エチルアルコール溶解度 2重量%以上) 2.00重量
部 (C) ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジ
ル) セバケート(エチルアルコール溶解度 5重量%以上)
1.00重量部 ポリエチレングリコール#200 20.00重量部 トリエタノールアミン 1.00重量部 プロキセルXL−2 1.00重量部 (A) イオン交換水 70.00重量部 100.00重量部 操作:アシッドイエロー40をイオン交換水中に撹拌によ
って完全溶解させた後(60℃)ソルベントオレンジ37、
ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)セバ
ケートを添加し80℃1時間加熱撹拌する。次に残りの成
分を添加し室温で1時間撹拌した後、放置冷却後に過
を行いアシッドイエロー40の黄色にソルベントオレンジ
37の橙色が調色された赤橙色インキを得た。
実施例I−4 (B) C.I.アシッドイエロー40 (表面張力37.4dyn/cm) 5.00重量部 (D) C.I.ソルベントブルー2 (エチルアルコール溶解度 2重量%以上) 2.00重量
部 (C) ベンゾインメチルエーテル (エチルアルコール溶解度 5重量%以上) 1.00重量
部 ポリエチレングリコール#200 20.00重量部 トリエタノールアミン 1.00重量部 プロキセルXL−2 1.00重量部 (A) イオン交換水 70.00重量部 100.00重量部 操作:アシッドイエロー40をイオン交換水中に撹拌によ
って完全溶解させた後(60℃)ソルベントブルー2、ベ
ンゾインメチルエーテルを添加し80℃1時間加熱撹拌す
る。次に残りの成分を添加し室温で1時間撹拌した後放
置冷却後に過を行いアシッドイエロー40の黄色にソル
ベントブルー2の青色が調色された黄緑色インキを得
た。
実施例I−5 (B) C.I.アシッドレッド114 (表面張力54.4dyn/cm) 2.50重量部 (B) C.I.アシッドイエロー40 (表面張力37.4dyn/cm) 2.50重量部 (D) C.I.ソルベントオレンジ5 (エチルアルコール溶解度 2重量%以上) 2.00重量
部 (C) ベンゾインメチルエーテル (エチルアルコール溶解度 5重量%以上) 1.00重量
部 エチレングリコール 10.00重量部 ジエチレングリコール 10.00重量部 トリエタノールアミン 1.00重量部 プロキセルXL−2 1.00重量部 (A) イオン交換水 70.00重量部 100.00重量部 操作:アシッドレッド114、アシッドイエロー40をイオ
ン交換水中に撹拌によって完全溶解させた後(60℃)ソ
ルベントオレンジ5、ベンゾインメチルエーテルを添加
し80℃1時間加熱撹拌する。次に残りの成分を添加し室
温で1時間撹拌した後放置冷却後に過を行いアシッド
レッド114の赤色とアシッドイエロー40の黄色にソルベ
ントオレンジ5の橙色が調色された茶色インキを得た。
比較例I−1{(D)成分であるエチルアルコール溶解
度2重量%以上の油溶染料が染料総量中41重量%以上の
もの} (B) C.I.アシッドブルー90 (表面張力52.3dyn/cm) 3.00重量部 (D) C.I.ソルベントイエロー61 (エチルアルコール溶解度 2重量%以上) 3.00重量
部 (C) 2,2−ビス(4′−ヒドロキシフェニル)プロ
パン (エチルアルコール溶解度 5重量%以上) 1.00重量
部 エチレングリコール 10.00重量部 ジエチレングリコール 10.00重量部 トリエタノールアミン 1.00重量部 プロキセルXL−2 1.00重量部 (A) イオン交換水 71.00重量部 100.00重量部 操作:アシッドブルー90をイオン交換水中に撹拌によっ
て完全溶解させた後(60℃)ソルベントイエロー61、2,
2−ビス(4′−ヒドロキシフェニル)プロパンを添加
し80℃1時間加熱撹拌する。次に残りの成分を添加し室
温で1時間撹拌した後、放置冷却後に過を行い緑色イ
ンキを得た。
※ソルベントイエロー61の未溶解物がかなり紙上に残
った。
比較例I−2{(D)成分であるエチルアルコール溶解
度2重量%以上の油溶染料が染料総量中41重量%以上の
もの} (B) C.I.アシッドブルー90 (表面張力52.3dyn/cm) 3.00重量部 (D) C.I.ソルベントレッド49 (エチルアルコール溶解度 2重量%以上) 3.00重量
部 (C) 2,2−ビス(4′−ヒドロキシフェニル)プロ
パン (エチルアルコール溶解度 5重量%以上) 1.00重量
部 エチレングリコール 10.00重量部 ジエチレングリコール 10.00重量部 トリエタノールアミン 1.00重量部 プロキセルXL−2 1.00重量部 (A) イオン交換水 71.00重量部 100.00重量部 操作:アシッドブルー90をイオン交換水中に撹拌によっ
て完全溶解させた後(60℃)ソルベントレッド49、2,2
−ビス(4′−ヒドロキシフェニル)プロパンを添加し
80℃1時間加熱撹拌する。次に残りの成分を添加し室温
で1時間撹拌した後、放置冷却後に過を行い赤紫色イ
ンキを得た。
※ソルベントレッド49の未溶解物がかなり紙上に残っ
た。
比較例I−3{(D)成分であるエチルアルコール溶解
度2重量%未満の油溶染料を添加したもの} (B) C.I.アシッドブルー90 (表面張力52.3dyn/cm) 4.00重量部 (D) C.I.ソルベントイエロー33 (エチルアルコール溶解度 2重量%未満) 2.00重量
部 (C) 2,2−ビス(4′−ヒドロキシフェニル)プロ
パン (エチルアルコール溶解度 5重量%以上) 1.00重量
部 エチレングリコール 10.00重量部 ジエチレングリコール 10.00重量部 トリエタノールアミン 1.00重量部 プロキセルXL−2 1.00重量部 (A) イオン交換水 71.00重量部 100.00重量部 操作:アシッドブルー90をイオン交換水中に撹拌によっ
て完全溶解させた後(60℃)ソルベントイエロー33、2,
2−ビス(4′−ヒドロキシフェニル)プロパンを添加
し80℃1時間加熱撹拌する。次に残りの成分を添加し室
温で1時間撹拌した後、放置冷却後に過を行った。
※ソルベントイエロー33の未溶解物が多量紙上に残
り、過後のインキは青色になり、最初に予定していた
緑色のインキが得られなかった。
実施例II−1 (B) C.I.アシッドブルー90 (表面張力52.3dyn/cm) 3.60重量部 (E) C.I.ディスパースイエロー3 (エチルアルコール溶解度 2重量%以上) 2.40重量
部 (C) 2,2−ビス(4′−ヒドロキシフェニル)プロ
パン (エチルアルコール溶解度 5重量%以上) 1.00重量
部 エチレングリコール 10.00重量部 ジエチレングリコール 10.00重量部 トリエタノールアミン 1.00重量部 プロキセルXL−2 1.00重量部 (A) イオン交換水 71.00重量部 100.00重量部 操作:アシッドブルー90をイオン交換水中に撹拌によっ
て完全溶解させた後(60℃)ディスパーストイエロー
3、2,2−ビス(4′−ヒドロキシフェニル)プロパン
を添加し80℃1時間加熱撹拌する。次に残りの成分を添
加し室温で1時間撹拌した後、放置冷却後に過を行い
緑色インキを得た。
実施例II−2 (B) C.I.アシッドブルー90 (表面張力52.3dyn/cm) 3.60重量部 (E) C.I.ディスパースレッド4 (エチルアルコール溶解度 2重量%以上) 2.40重量
部 (C) 2,2−ビス(4′−ヒドロキシフェニル)プロ
パン (エチルアルコール溶解度 5重量%以上) 1.00重量
部 エチレングリコール 10.00重量部 ジエチレングリコール 10.00重量部 トリエタノールアミン 1.00重量部 プロキセルXL−2 1.00重量部 (A) イオン交換水 71.00重量部 100.00重量部 操作:アシッドブルー90をイオン交換水中に撹拌によっ
て完全溶解させた後(60℃)ディスパースレッド4、2,
2−ビス(4′−ヒドロキシフェニル)プロパンを添加
し80℃1時間加熱撹拌する。次に残りの成分を添加し室
温で1時間撹拌した後、放置冷却後に過を行い赤紫色
インキを得た。
実施例II−3 (B) C.I.アシッドイエロー40 (表面張力37.4dyn/cm) 5.00重量部 (E) C.I.ディスパースオレンジ13 (エチルアルコール溶解度 2重量%以上) 2.00重量
部 (C) ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジ
ル) セバケート(エチルアルコール溶解度 5重量%以上)
1.00重量部 ポリエチレングリコール#200 20.00重量部 トリエタノールアミン 1.00重量部 プロキセルXL−2 1.00重量部 (A) イオン交換水 70.00重量部 100.00重量部 操作:アシッドイエロー40をイオン交換水中に撹拌によ
って完全溶解させた後(60℃)ディスパースオレンジ1
3、ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)セ
バケートを添加し80℃1時間加熱撹拌する。次に残りの
成分を添加し室温で1時間撹拌した後、放置冷却後に
過を行い赤橙色インキを得た。
実施例II−4 (B) C.I.アシッドイエロー40 (表面張力37.4dyn/cm) 5.00重量部 (E) C.I.ディスパースブルー3 (エチルアルコール溶解度 2重量%以上) 2.00重量
部 (C) ベンゾイルメチルエーテル (エチルアルコール溶解度 5重量%以上) 1.00重量
部 ポリエチレングリコール#200 20.00重量部 トリエタノールアミン 1.00重量部 プロキセルXL−2 1.00重量部 (A) イオン交換水 70.00重量部 100.00重量部 操作:アシッドイエロー40をイオン交換水中に撹拌によ
って完全溶解させた後(60℃)ディスパースブルー3、
ベンゾインメチルエーテルを添加し80℃1時間加熱撹拌
する。次に残りの成分を添加し室温で1時間撹拌した後
放置冷却後に過を行い黄緑色インキを得た。
実施例II−5 (B) C.I.アシッドレッド114 (表面張力54.4dyn/cm) 2.50重量部 (B) C.I.アシッドイエロー40 (表面張力37.4dyn/cm) 2.50重量部 (E) C.I.ディスパースレッド1 (エチルアルコール溶解度 2重量%以上) 2.00重量
部 (C) ベンゾインメチルエーテル (エチルアルコール溶解度 5重量%以上) 1.00重量
部 エチレングリコール 10.00重量部 ジエチレングリコール 10.00重量部 トリエタノールアミン 1.00重量部 プロキセルXL−2 1.00重量部 (A) イオン交換水 70.00重量部 100.00重量部 操作:アシッドレッド114、アシッドイエロー40をイオ
ン交換水中に撹拌によって完全溶解させた後(60℃)デ
ィスパースレッド1、ベンゾインメチルエーテルを添加
し80℃1時間加熱撹拌する。次に残りの成分を添加し室
温で1時間撹拌した後放置冷却後に過を行い茶色イン
キを得た。
比較例II−1{(E)成分であるエチルアルコール溶解
度2重量%以上の分散染料が染料総量中41重量%以上の
もの} (B) C.I.アシッドブルー90 (表面張力52.3dyn/cm) 3.00重量部 (E) C.I.ディスパースイエロー3 (エチルアルコール溶解度 2重量%以上) 3.00重量
部 (C) 2,2−ビス(4′−ヒドロキシフェニル)プロ
パン (エチルアルコール溶解度 5重量%以上) 1.00重量
部 エチレングリコール 10.00重量部 ジエチレングリコール 10.00重量部 トリエタノールアミン 1.00重量部 プロキセルXL−2 1.00重量部 (A) イオン交換水 71.00重量部 100.00重量部 操作:アシッドブルー90をイオン交換水中に撹拌によっ
て完全溶解させた後(60℃)ディスパースイエロー3、
2,2−ビス(4′−ヒドロキシフェニル)プロパンを添
加し80℃1時間加熱撹拌する。次に残りの成分を添加し
室温で1時間撹拌した後、放置冷却後に過を行い緑色
インキを得た。
※ディスパースイエロー3の未溶解物がかなり紙上に
残った。
比較例II−2{(E)成分であるエチルアルコール溶解
度2重量%以上の分散染料が染料総量中41重量%以上の
もの} (B) C.I.アシッドブルー90 (表面張力52.3dyn/cm) 3.00重量部 (E) C.I.ディスパースレッド4 (エチルアルコール溶解度 2重量%以上) 3.00重量
部 (C) 2,2−ビス(4′−ヒドロキシフェニル)プロ
パン (エチルアルコール溶解度 5重量%以上) 1.00重量
部 エチレングリコール 10.00重量部 ジエチレングリコール 10.00重量部 トリエタノールアミン 1.00重量部 プロキセルXL−2 1.00重量部 (A) イオン交換水 71.00重量部 100.00重量部 操作:アシッドブルー90をイオン交換水中に撹拌によっ
て完全溶解させた後(60℃)ディスパースレッド4、2,
2−ビス(4′−ヒドロキシフェニル)プロパンを添加
し80℃1時間加熱撹拌する。次に残りの成分を添加し室
温で1時間撹拌した後、放置冷却後に過を行い赤紫色
インキを得た。
※ディスパースレッド4の未溶解物がかなり紙上に残
った。
比較例II−3{(E)成分であるエチルアルコール溶解
度2重量%未満の分散染料を添加したもの} (B) C.I.アシッドブルー90 (表面張力52.3dyn/cm) 4.00重量部 (E) C.I.ディスパースイエロー64 (エチルアルコール溶解度 2重量%未満) 2.00重量
部 (C) 2,2−ビス(4′−ヒドロキシフェニル)プロ
パン(エチルアルコール溶解度 5重量%以上) 1.00
重量部 エチレングリコール 10.00重量部 ジエチレングリコール 10.00重量部 トリエタノールアミン 1.00重量部 プロキセルXL−2 1.00重量部 (A) イオン交換水 71.00重量部 100.00重量部 操作:アシッドブルー90をイオン交換水中に撹拌によっ
て完全溶解させた後(60℃)ディスパースイエロー64、
2,2−ビス(4′−ヒドロキシフェニル)プロパンを添
加し80℃1時間加熱撹拌する。次に残りの成分を添加し
室温で1時間撹拌した後、放置冷却後に過を行った。
※ディスパースイエロー64の未溶解物が多量紙上に残
り、過後のインキは青色になり、最初に予定していた
緑色のインキが得られなかった。
実施例III−1{(D)成分と(E)成分の入った実施
例} 表3に示す組成で実施例I−1と同様としてインキと
した。
実施例IV−1〜3{(F)成分である60dny/cm以上のア
ニオン型染料を併用} 表3に示す組成で実施例I−1と同様としてインキと
した。
実施例I,II,III,IVおよび比較例I,IIの組成を表1〜
表3に示す。
比較試験 実施例および比較例でえたインキ組成物について、経
時安定性と紙上耐水性を下記の試験方法により試験し
た。その結果は表4乃至表6の通りであった。
(試験方法) 紙上耐水性 筆記直後に筆跡を1分間水に浸漬したときのインキの
にじみ出しおよび筆記紙の汚れの有無を観察する。
◎インキにじみ出し、筆記紙汚れ無し。
○インキにじみ出しわずかに有り、筆記紙汚れ無し。
△インキにじみ出し多い、筆記紙汚れ有り。
×筆記線がほとんど残らない。
経時安定性 50℃60日ガラス容器中で放置した後の物性値を測定
し、経時前との物性値の比較を行なった。
又、光学顕微鏡(倍率100倍)によって、染料、耐水
性付与剤等の析出の有無を観察した。
(検鏡) ◎経時前、後の物性値変化ほとんど無し。
析出無し。
○経時前、後の物性値変化わずかに見られる。
析出無し。
×経時前、後の物性値変化大。
又は析出有り。
粘度:東京計器株式会社製B型粘度計で20℃時の粘度
を測定。
pH:東亜電波工業株式会社製pHメーター使用してpHを
測定。
表面張力:協和界面科学株式会社製表面張力計CBUPA
−3型にて20℃時の値を測定。
(効果) 本発明のインキは前記の比較試験からも明らかなよう
に紙上耐水性および経時安定性に優れたインキであり、
筆記具用、プロッターペン用、インキジェットプリンタ
ー用インキとして好適なものである。

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】(A)水と、 (B)インキ組成物中2〜30重量%の量で且つインキの
    総染料重量中60重量%以上であり、水に0.1重量%溶解
    した時の表面張力が20℃において60dyn/cm以下であるア
    ニオン型染料と、 (C)芳香環もしくはC数が6〜12の脂肪族炭化水素を
    親油基とし、O、N、S原子を少なくとも1個有する基
    を親水基とし、この両基をそれぞれ1以上含有する水難
    溶性化合物であって、該化合物をエチルアルコールに溶
    解したときの溶解度が20℃で5重量%以上である水難性
    化合物を有効性分とする耐水性付与剤、 とを配合して溶解したインキ組成物に 色調調整剤として、 (D)水に難溶性でエチルアルコールに溶解した時の溶
    解度が20℃において2重量%以上である油溶性染料の1
    または2以上 及び/又は、 (E)水に難溶性でエチルアルコールに溶解した時の溶
    解度が20℃において2重量%以上である分散性染料の1
    または2以上を配合した耐水性インキ組成物。
  2. 【請求項2】(C)成分の耐水性付与剤がインキ組成物
    中0.5〜5重量%である、請求項1に記載された耐水性
    インキ組成物。
  3. 【請求項3】(D)成分及び/又は(E)成分の色調調
    整剤がインキの総染料重量中40重量%以下である、請求
    項1または2に記載された耐水性インキ組成物。
  4. 【請求項4】補助色調調整剤として、 (F)水に0.1重量%溶解した時の表面張力が20℃にお
    いて60dyn/cmを越えているアニオン型染料をインキ組成
    物中5重量%以下であって且つインキの総染料重量中9
    重量%以下配合した、請求項1ないし3のいずれか1項
    に記載された耐水性インキ組成物。
  5. 【請求項5】請求項1に記載した(B)のアニオン型染
    料を(A)の水に添加して完全に溶解し、つぎに(C)
    の耐水性付与剤と(D)の油溶性染料の1または2以上 及び/又は、 (E)の分散性染料の1または2以上を添加し室温以上
    の温度で撹拌を行い、その後残りの成分を添加混合する
    ことを特徴とする耐水性インキ組成物の製造方法。
  6. 【請求項6】(B)のアニオン型染料と(F)のアニオ
    ン型染料を(A)の水に添加して完全に溶解し、つぎに
    (C)の耐水性付与剤と(D)の油溶性染料の1または
    2以上及び/又は、(E)の分散性染料の1または2以
    上とを添加し室温以上の温度で撹拌を行いその後残りの
    成分を添加混合することを特徴とする、耐水性インキ組
    成物の製造方法。
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