JP3545462B2 - 油性青色インキ組成物 - Google Patents

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Description

【0001】
【産業上の利用分野】
本発明は筆記具用インキ、インクジェット記録用インキおよびスタンプ用インキ等に用いる油性青色インキ組成物に関し、詳しくは、アルコールおよびグリコールのようなアルコール系有機溶媒に溶解する造塩型の酸付加型トリフェンジオキサジン塩基性染料塩を含有する油性青色インキ組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来から、紙のような被記録材に記録を行うための筆記具用インキ、インクジェット記録用インキおよびスタンプ用インキ等として、種々の青色インキ組成物が利用されている。
【0003】
油性インキは、印字の際の乾燥が速い、にじみが生じない、樹脂製フィルムなどに記録できる、および記録文字や筆跡が比較的堅牢であるなど長所がある。しかしながら、キシレン溶解型の油性インキ、およびケトン系溶媒樹脂液に顔料を分散した工業用インクジェト油性インキ等には、臭気等による環境衛生の問題があり、近年ではエチルアルコールおよびプロピレングリコールモノメチルエーテルのようなアルコール系有機溶媒を用いる油性インキが求められている。
【0004】
アルコール系有機溶媒に対する良溶解性を示す青色染料としては、例えば銅フタロシアニン系酸性染料の有機塩および塩基性青色染料の有機酸塩など知られている。
【0005】
しかしながら、この種の造塩型のアルコール可溶性染料(例えば、C.I.SOLVENTBLUE 38、C.I.SOLVENT BLUE 5)を用いた油性インキは、一般に、温度や湿度の環境変化に対する安定性が悪く染料の固形分が析出し易いという問題を有する。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、上記従来の問題を解決するものであり、その目的とするところは、経時溶解安定性、筆跡の耐光性、耐水性および染着性に優れるアルコール系の油性青色インキ組成物を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明は、式
【0008】
【化7】
Figure 0003545462
【0009】
[式中、Xは、両方が同時にアンモニウム基−NH またはアミノ基ではないという条件でそれぞれ独立して、式
【0010】
【化8】
Figure 0003545462
【0011】
【化9】
Figure 0003545462
【0012】
および
【0013】
【化10】
Figure 0003545462
【0014】
(式中、Rは、それぞれ独立して、ヒドロキシ基またはC〜Cのアルコキシ基で置換されていてもよいC〜Cのアルキル基であり、mは1〜3の整数である。)
からなる群から選択されるカチオン性基であり、Zはハロゲン原子であり、Aは有機酸でなる対アニオンであり、そしてnは4以下の数値である。]
で表わされるトリフェンジオキサジン染料塩を含有する油性青色インキ組成物を提供するものであり、そのことにより上記目的が達成される。
【0015】
尚、本明細書において「染料ベース」とは遊離の塩基性基を有する造塩していない状態の塩基性染料をいう。これに対して、「染料塩」とはトリフェンジオキサジン染料ベースに有機酸を加えることにより形成される造塩した状態の塩基性染料をいう。また、本発明に用いるトリフェンジオキサジン染料塩もしくはベースにおけるスルホン酸基は、遊離酸の形でX基の位置に対してオルト位(2位のX基に対しては、1位または3位、9位のX基に対しては、8位または10位)にそれぞれ1個置換している。
【0016】
本発明の油性青色インキ組成物で用いるトリフェンジオキサジン染料塩は、式
【0017】
【化11】
Figure 0003545462
【0018】
[式中、Yは、両方が同時にアミノ基ではないという条件でそれぞれ独立して、式
【0019】
【化12】
Figure 0003545462
【0020】
【化13】
Figure 0003545462
【0021】
および
【0022】
【化14】
Figure 0003545462
【0023】
(式中、Rおよびmは上記と同意義である。)
からなる群から選択される塩基性基であり、Zは上記と同意義である。]
で表わされるトリフェンジオキサジン染料ベースと有機酸との造塩型のアルコール可溶性染料である。
【0024】
本発明で用いるトリフェンジオキサジン染料ベースにおける塩基性基Yの具体例としては、
−NH
−NH−(CH−N(CH
−NH−(CH−N(C
−NH−(CH−N(C
−NH−(CH−N(C
−NH−(CH−N(COH)
−NH−(CH−N(COH)C
−NH−(CH−N(COCH
−NH−(CH−N(C
−NH−CH−N(C
【0025】
【化15】
Figure 0003545462
【0026】
【化16】
Figure 0003545462
【0027】
【化17】
Figure 0003545462
【0028】
【化18】
Figure 0003545462
【0029】
および
【0030】
【化19】
Figure 0003545462
【0031】
等が挙げられる。
【0032】
上記トリフェンジオキサジン染料ベースは、当業者に周知の方法により調製できる。例えば、式[II]において両方のYが共に、式
【0033】
【化20】
Figure 0003545462
【0034】
[式中、Rおよびmは上記と同意義である。]
で示す塩基性基であるトリフェンジオキサジン染料ベースは、以下に示す操作により調製される。
【0035】
まず、式
【0036】
【化21】
Figure 0003545462
【0037】
[式中、Zは上記と同意義である。]
で示すトリフェンジオキサジン染料ベース1モルと、式
【0038】
【化22】
Figure 0003545462
【0039】
[式中、Zは上記と同意義である。]
で示すハロゲノトリアジン(例えば塩化シアヌル)1モルまたは2モルとを反応させて式
【0040】
【化23】
Figure 0003545462
【0041】
[式中、Zは上記と同意義である。]
または
【0042】
【化24】
Figure 0003545462
【0043】
[式中、Zは上記と同意義である。]
で示すモノまたはジシアヌル化生成物を得る。ついで、この生成物をさらに式
【0044】
【化25】
Figure 0003545462
【0045】
[式中、Rおよびmは上記と同意義である。]
で示すアミン2〜4モルと反応させる。
【0046】
また、式[II]において一方のYがアミノ基であり、他方のYが、式
【0047】
【化26】
Figure 0003545462
【0048】
[式中、Rおよびmは上記と同意義である。]
で示す塩基性基であるトリフェンジオキサジン染料ベースは、式
【0049】
【化27】
Figure 0003545462
【0050】
[式中、Zは上記と同意義である。]
で示すトリフェンジオキサジン染料ベース1モルと式
【0051】
【化28】
Figure 0003545462
【0052】
[式中、Z、Rおよびmは上記と同意義である。]
で示すハロゲノアルキルアミン(塩酸塩)1モルとを反応させて得られる。
【0053】
なお、式(a)のトリフェンジオキサジン染料は、公知の方法で製造することができる。例えば、2,4−ジアミノベンゼンスルホン酸を水中で、酸結合剤として酸化マグネシウムを用いてクロラニルと縮合し、縮合物を硫酸で閉環して得られる。
【0054】
本発明の有機酸としては、トリフェンジオキサジン染料ベースの色彩に悪影響を及ぼさない無色性の種々の有機アニオン付与剤を用い得る。有機アニオン付与剤は、有機酸の塩またはエステルの形であってもよく、「12093の化学商品」、化学工業日報社、第1079〜1087頁に記載のアニオン界面活性剤であってもよい。
【0055】
例えば、N−アシルアミノ酸およびその塩、アルキルエーテルカルボン酸塩およびアシル化ペプチドのようなカルボン酸塩、アルキルベンゼンスルホン酸塩、アルキルナフタレンスルホン酸塩、ナフタレンスルホン酸の塩(Na、K、Li、Ca)ホルマリン重縮合物、メラミンスルホン酸の塩(Na、Ca)ホルマリン重縮合物、ジアルキルスルホコハク酸エステル塩、アルキルスルホ酢酸塩、α−オレフィンスルホン酸塩およびN−アシルメチルタウリンのようなスルホン酸塩、硫酸化油、高級アルコール硫酸エステル塩、第2高級アルコール硫酸エステル塩、アルキルエーテル硫酸塩、第2高級アルコールエトキシサルフェート、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル硫酸塩、モノグリサルフェートおよび脂肪酸アルキロールアマイドの硫酸エステル塩のような硫酸エステル塩、アルキルエーテルリン酸エステル塩およびアルキルリン酸エステル塩のようなリン酸エステル塩が挙げられる。
【0056】
具体的には、ドデシルベンゼンスルホン酸(アルカリ金属塩)のようなアルキルアリールスルホン酸(塩)、アルキル−ジ−フェニルエーテル−ジ−スルホン酸(塩)、スルホコハク酸エステル(塩)、アルキル燐酸エステルのようなアニオン界面活性剤、オレイン酸、マレイン酸、リンゴ酸およびマンデル酸のようなカルボン酸化合物、二塩基酸のモノエステルおよび2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン−5−スルホン酸のようなスルホン化された紫外線吸収剤などが本発明の有機酸として好適に使用できる。これらは、1種または2種以上混合して用いられる。有機酸は炭素数3〜20、特に4以上のアルコール易溶性のものであることが好ましい。耐水性染料塩が得られるからである。
【0057】
上述のようにして調製されたトリフェンジオキサジン染料ベースを当業者に周知の方法により有機酸で処理して、アルコール可溶性のトリフェンジオキサジン染料塩とすることができる。例えば、トリフェンジオキサジン染料ベースを3〜5%の水溶液とし、塩酸または酢酸を加え、加熱溶解させ、濾過した後、この濾液に有機酸3〜5%水溶液を滴加して反応させる。反応終了後pH4〜7に調製して、ついで加熱、粗粒子化し、濾過、水洗、乾燥することによりトリフェンジオキサジン染料塩が得られる。また、トリフェンジオキサジン染料ベースのアルコール溶液に直接有機酸を加えてもよい。
【0058】
トリフェンジオキサジン染料ベースと有機酸との比率(配合比)は、基本的には化学量論量でよい。その際、一般には、式
【0059】
【化29】
Figure 0003545462
【0060】
および
【0061】
【化30】
Figure 0003545462
【0062】
[式中、Rおよびmは上記と同意義である。]
で示す基は1価の塩基性基、式
【0063】
【化31】
Figure 0003545462
【0064】
[式中、Rおよびmは上記と同意義である。]
で示す基は2価の塩基性基とする(本明細所の化学式もそのように記載してある。)。但し、本発明においてトリフェンジオキサジン染料ベースと有機酸との比率(配合比)は厳格なものではなく、得られる塩基性染料塩のアルコールに対する溶解性を考慮して適宜変化させうる。好ましくは、トリフェンジオキサジン染料ベースと有機酸との比率は重量比で10:1〜1:1、好ましくは8:1〜1:1、さらに好ましくは4:1〜1:1の範囲である。
【0065】
乳酸およびグリコール酸のような有機酸のみでは油溶性に欠け、所期のアルコール可溶性が得られない場合がある。その場合には、アニオン界面活性剤を単独で、または有機酸と併用して酸付加塩とすることが特に好ましい。
【0066】
本発明の油性青色インキ組成物に用いるトリフェンジオキサジン染料塩の具体例を表1および2に示す。ここで、AH欄に示す化合物から任意に選ばれる1種以上を有機酸として用いうる。この際、有機酸の不足がある場合にはトリフェンジオキサジンの上記定義した塩基性基(カチオン性基)の一部は、遊離基の形態(例えば、−NH )で存在しうる。
【0067】
【表1】
Figure 0003545462
【0068】
【表2】
Figure 0003545462
【0069】
本発明は、上述の式[I]で表されるトリフェンジオキサジン染料塩を含有する耐水性及び耐光性にすぐれた速乾性のアルコール系油性青色インキ組成物を提供する。
【0070】
本発明の油性インキ組成物にはアルコール系有機溶媒を液媒体として用いることが好ましい。本明細書において「アルコール系有機溶媒」には、グリコール系溶媒(グリコールのモノエーテルまたはモノエステルを含む。)も含まれる。アルコール系有機溶媒を主体とする無公害インキを提供できるからである。
【0071】
本発明の油性液媒体に用い得るアルコール系有機溶媒としては、1価のアルコール(例えばエタノール、n−プロパノール、イソプロパノール、n−ブタノール、アミルアルコール、ベンジルアルコール、シクロヘキサノール、ジアセトンアルコ−ル等のアルコール類;エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、ジプロピレングリコールモノエチルエーテル等のグリコール類のモノアルキルエーテル;エチレングリコールモノアセテート、プロピレングリコールモノアセテート等のグリコール類のモノアセテート)、2価のアルコール(例えば、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリメチレングリコール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、ブタンジオール等のグリコール類)、など挙げられる。
【0072】
本発明では、特に低毒性乃至無毒性のエタノール、n−プロパノール、イソプロパノール、ベンジルアルコール、エチレングリコール、フェニルグリコール、プロピレングリコールモノC〜Cアルキルエーテル、更には乳酸メチル、乳酸エチル、乳酸ブチル、γブチロラクトン等の有機溶媒を適宜混合して、環境衛生上問題のないインキ組成物を調製できる。
【0073】
また、N−(2−ヒドロキシエチル)−2−ピロリドン、N−メチルピロリドンおよび2−ピロリドンなどのピロリドン化合物をインキ組成物の全重量に対して15重量%を下回る量で併用できる。
【0074】
本発明のインキ組成物は、インキ組成物全重量に対して、本発明のトリフェンジオキサジン染料塩3〜30重量%、好ましくは5〜20重量%を、上記の有機溶媒60〜90重量%、好ましくは75〜85重量%及び樹脂1〜15重量%、好ましくは3〜12重量%からなる液媒体に(加熱)溶解後、濾過して得られる。この際必要であれば、アルカノールアミンのようなpH調製剤、粘度調製剤、防錆剤などの添加剤が加えられてもよい。
【0075】
本発明のトリフェンジオキサジン染料塩のインキ組成物中の含有量はインキ組成物の用途により異なり限定的でない。一般にボールペン用としては15〜30重量%、マーキングペン用としては5〜15重量%、インクジェット記録用としては3〜10重量%である。
【0076】
本発明のインキ組成物には、当業者に周知のアルコール可溶性樹脂を含有させうる。例えば、この種のインキ用樹脂として汎用されるケトン樹脂、フェノール樹脂、ビニルピロリドンの低縮合物、アルキッド樹脂、アクリル樹脂、スチレンマレイン酸樹脂およびロジン樹脂などが例示できる。
【0077】
【実施例】
つぎに、実施例および比較例を挙げて本発明をさらに詳しく説明する。なお、特に断らない限り、「部」は重量部である。
【0078】
実施例1
表1の染料例(1)で示す染料塩に対応する式[II]で示す構造を有する染料ベース(以下、「染料ベース(1)」という。また、染料例(2)、(3)等の染料塩に対応する染料ベースも、以下それぞれ同様に「染料ベース(2)、(3)」のように表記する。)85.2g(0.1mol)を水2000mlに加え、約70℃に加熱して、酢酸を加えpH4〜4.5に調製し溶解した後、室温で濾過した。一方、第一工業製薬社製のアニオン界面活性剤「ABS100」65gを水1000mlに加え溶解させ、先の濾液に滴加してpH6〜6.5に調製した。その後、この溶液を70〜80℃に加熱し、ついで濾過、水洗、乾燥してトリフェンジオキサジン染料塩136gを得た。
【0079】
以下の表3に示す配合物を密閉容器で60〜70℃、3時間撹拌し均一に混合溶解し、メンブランフィルターで濾過してマーカーペン用青色インキ組成物を調製した。次いで、このインキ組成物の経時安定性、筆跡の耐水性および耐光性を評価した。結果を表11に示す。
【0080】
【表3】
トリフェンジオキサジン染料塩 8部
エタノール 67部
ベンジルアルコール 5部
乳酸エチル 10部
ヒュルス社製のケトン樹脂
「SYNTHETIC RESIN SK」 5部
荒川化学社製のフェノール樹脂
「タマノール510」 5部
【0081】
比較例1
実施例1で用いたトリフェンジオキサジン染料塩の代わりにオリヱント化学工業社製の酸性染料と塩基性染料との造塩型染料「Valifast Blue #1603」8部を用いること以外は実施例1と同様にして、マーカーペン用青色インキ組成物を調製した。ついで、このインキ組成物の経時安定性、筆跡の耐水性および耐光性を評価した。結果を表11に示す。このインキ組成物は、筆跡の耐水性および耐光性について劣っていた。
【0082】
実施例2
以下の表4に示す配合物を用いること以外は実施例1と同様にしてマーカーペン用青色インキ組成物を得た。ついで、このインキ組成物の経時安定性、筆跡の耐水性および耐光性を評価した。結果を表11に示す。
【0083】
【表4】
染料ベース(2) 8部
東邦化学社製のアルキルリン酸
エステルアニオン界面活性剤
「ホスファノールRA−600」 5部
エタノール 57部
プロピレングリコールモノメチ
ルエーテル 10部
乳酸エチル 10部
日立化成社製のケトン樹脂
「ハイラック」 5部
日立化成社製のフェノール樹脂
「ヒタノール1501」 5部
【0084】
実施例3
以下の表5に示す配合物を用いること以外は実施例1と同様にしてマーカーペン用青色インキ組成物を得た。ついで、このインキ組成物の経時安定性、筆跡の耐水性および耐光性を評価した。結果を表11に示す。
【0085】
【表5】
染料ベース(3) 8部
第一工業製薬社製のアルキ
ルリン酸エステルアニオン
界面活性剤
「プライサーフA−207−H」 5部
エタノール 60部
ベンジルアルコール 5部
乳酸エチル 10部
ヒュルス社製のケトン樹脂
「SYNTHETIC RESIN SK」 5部
日立化成社製のフェノール
樹脂「ヒタノール1501」 5部
【0086】
実施例4
以下の表6に示す配合物を用いること以外は実施例1と同様にしてマーカーペン用青色インキ組成物を得た。ついで、このインキ組成物の経時安定性、筆跡の耐水性および耐光性を評価した。結果を表11に示す。
【0087】
【表6】
染料ベース(4) 8部
2−ヒドロキシ−4−メトキシベ
ンゾフェノン−5−スルホン酸 3部
第一工業製薬社製のドデシルベ
ンゼンスルホン酸アニオン界面
活性剤「ABS100」 2部
プロピレングリコールモノメチ
ルエーテル 60部
エタノール 10部
ベンジルアルコール 5部
日立化成社製のケトン樹脂
「ハイラック」 10部
荒川化学社製のフェノール樹脂
「タマノール510」 2部
【0088】
実施例5
以下の表7に示す配合物を用いること以外は実施例1と同様にしてマーカーペン用青色インキ組成物を得た。ついで、このインキ組成物の経時安定性、筆跡の耐水性および耐光性を評価した。結果を表11に示す。
【0089】
【表7】
染料ベース(5) 8部
オレイン酸 3部
プロピレングリコールモノメチ
ルエーテル 59部
エタノール 15部
ベンジルアルコール 5部
荒川化学社製のロジン系樹脂
「ガムロジンWW」 10部
【0090】
実施例6
以下の表8に示す配合物を密閉容器中、80〜90℃、3時間撹拌溶解し、ケイソード濾過してボールペン用青色インキ組成物を調製した。ついで、このインキ組成物の経時安定性、筆跡の耐水性および耐光性を評価した。結果を表11に示す。
【0091】
【表8】
染料ベース(6) 20部
オリヱント化学工業社製塩基
性染料ベース「ビクトリアピュ
アーブルー」 5部
東邦化学社製のアルキルリン酸
エステルアニオン界面活性剤
「ホスファノールRA−600」 5部
オレイン酸 2部
フェニルグリコール 45部
ベンジルアルコール 10部
ポリビニルピロリドン 1部
日立化成社製のケトン樹脂
「ハイラック」 12部
【0092】
比較例2
染料ベース(6)の代わりにオリヱント化学工業社製の銅フタロシアニン系酸性染料の有機塩「Valifast Blue #1605」11部、オリヱント化学工業社製塩基性染料ベース「ビクトリアピュアーブルー」8部および「メチルバイオレット」6部を用いること以外は実施例6と同様にして、ボールペン用青色インキ組成物を調製した。ついで、このインキ組成物の経時安定性、筆跡の耐水性および耐光性を評価した。結果を表11に示す。
【0093】
実施例7
以下の表9に示す配合物を密閉容器で70〜80℃、3時間撹拌し均一に混合溶解した後、1μメンブランフィルターで濾過して工業用インクジェット記録用青色インキ組成物を調製した。ついで、このインキ組成物の経時安定性、筆跡の耐水性および耐光性を評価した。結果を表11に示す。
【0094】
【表9】
染料ベース(7) 7部
第一工業製薬社製のドデシルベ
ンゼンスルホン酸アニオン界面
活性剤「ABS100」 1部
東邦化学社製のアルキルリン酸
エステルアニオン界面活性剤
「ホスファノールRA−600」 4部
エタノール 67部
乳酸エチル 10部
2−ピロリドン 5部
日立化成社製のケトン樹脂「ハイ
ラック」 5部
【0095】
比較例3
染料ベース(7)の代わりにオリヱント化学工業社製塩基性染料ベース「ビクトリアピュアーブルー」7部を用いること以外は実施例7と同様にして、工業用インクジェット記録用青色インキ組成物を調製した。ついで、このインキ組成物の経時安定性、筆跡の耐水性および耐光性を評価した。結果を表11に示す。
【0096】
実施例8
以下の表10に示す配合物を用いること以外は実施例7と同様にして、工業用インクジェット記録用青色インキ組成物を調製した。得られたインキ組成物については、マシューズ(Mattheus)社製のインクジェットプリンタ「JET−A−MAR」を使用してゼロックス社製の中性紙「P(A−4)」及びダンボール紙に印字して、筆記具用インキ組成物と同様に耐水性及び耐光性試験を行い評価した。評価結果を表11に示す。
【0097】
【表10】
染料ベース(9) 6部
東邦化学社製のアルキルリン酸
エステルアニオン界面活性剤
「ホスファノールRA−600」 3部
2−ヒドロキシ−4−メトキシ
ベンゾフェノン−5−スルホン酸 2部
エタノール 63部
ベンジルアルコール 11部
乳酸エチル 10部
日立化成社製のフェノール樹脂
「ヒタノール1501」 5部
【0098】
【耐水性試験および評価】
インキ組成物を各種用途のインキ容器にセットし、東洋濾紙No.2に筆記して、水に1時間浸漬し、引き上げ風乾後、筆跡を観察し、評価した。
【0099】
評価基準
5:試験前の筆跡が100〜90%残る
4:試験前の筆跡が90〜70%残る
3:試験前の筆跡が70〜50%残る
2:試験前の筆跡が50〜30%残る
1:試験前の筆跡が30〜10%残る
0:試験前の筆跡が10〜0%残る
【0100】
【耐光性試験および評価】
インキ組成物を各種用途のインキ容器にセットし、アート紙(アートポスト240、神埼製紙社製)に筆記して、フェードメーター(カーボンアーク式)中で、5時間光照射して、筆跡を観察し、耐水性試験と同様の基準で評価した。
【0101】
【経時安定性試験および評価】
インキ組成物30mlをガラス瓶に採り、三洋電機社製の低温/高温器「インキュベータ(INCUBATOR)」にて、3ケ月間テスト(温度範囲−10〜50℃、60分間隔で繰返し)した後、染料等の固形分の析出およびインキ組成物の増粘の有無を観察し、評価した。
【0102】
評価基準
◎:インキ組成物の増粘および固形分の析出なし
○:インキ組成物の増粘はあるが固形分の析出はなし
△:インキ組成物の増粘および固形分の析出あり
【0103】
【表11】
Figure 0003545462
表中、Aはアート紙;Bはゼロックス紙;そしてCはダンボール紙に印字して評価した。
【0104】
【発明の効果】
アルコールやグリコールエーテルを溶媒として用いる無公害インキ組成物が提供された。本発明のインキ組成物は、従来の造塩型染料に比べ、温度や湿度等の変化に対する耐環境安定性、経時安定性に優れ、且つ筆跡の耐水性および耐光性に優れる。筆記具用インキ、(工業用)インクジェット記録用インキ、スタンプ用インキなどの各種用途の速乾性青色染料インキ組成物として使用できる。

Claims (7)


  1. Figure 0003545462
    [式中、Xは、両方が同時にアンモニウム基−NH またはアミノ基ではないという条件でそれぞれ独立して、式
    Figure 0003545462
    Figure 0003545462
    および
    Figure 0003545462
    (式中、Rは、それぞれ独立して、ヒドロキシ基またはC〜Cのアルコキシ基で置換されていてもよいC〜Cのアルキル基であり、mは1〜3の整数である。)
    からなる群から選択されるカチオン性基であり、Zはハロゲン原子であり、Aは有機酸でなる対アニオンであり、そしてnは4以下の数値である。]
    で表わされるトリフェンジオキサジン染料塩を含有する油性青色インキ組成物。
  2. 前記Xのいずれか一方が、式
    Figure 0003545462
    (式中、Rは、それぞれ独立して、ヒドロキシ基またはC〜Cのアルコキシ基で置換されていてもよいC〜Cのアルキル基であり、mは1〜3の整数である。)
    で示すカチオン性基である請求項1記載の油性青色インキ組成物。
  3. 前記Xのいずれか一方が、式
    Figure 0003545462
    (式中、Rは、それぞれ独立して、ヒドロキシ基またはC〜Cのアルコキシ基で置換されていてもよいC〜Cのアルキル基であり、mは1〜3の整数である。)
    で示すカチオン性基である請求項1記載の油性青色インキ組成物。
  4. 油性液媒体としてアルコール系有機溶媒を用いる請求項1記載の油性青色インキ組成物。
  5. 前記トリフェンジオキサジン染料塩を1〜30重量%含有する請求項1記載の油性青色インキ組成物。
  6. 前記有機酸が3〜20個の炭素原子を有する請求項1記載の油性青色インキ組成物。
  7. 前記有機酸がアニオン界面活性剤である請求項1記載の油性青色インキ組成物。
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