JPH0873789A - 油性青色インキ組成物 - Google Patents

油性青色インキ組成物

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JPH0873789A
JPH0873789A JP21706794A JP21706794A JPH0873789A JP H0873789 A JPH0873789 A JP H0873789A JP 21706794 A JP21706794 A JP 21706794A JP 21706794 A JP21706794 A JP 21706794A JP H0873789 A JPH0873789 A JP H0873789A
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 経時溶解安定性、筆跡の耐光性、耐水性およ
び染着性に優れるアルコール系の油性青色インキ組成物
を提供すること。 【構成】 式 【化1】 [式中、Xは、両方が同時にアンモニウム基−NH3 +
たはアミノ基ではないという条件でそれぞれ独立して、
式 【化2】 【化3】 および 【化4】 (式中、Rは、それぞれ独立して、ヒドロキシ基または
アルキル基であり、mは1〜3の整数である。)からな
る群から選択されるカチオン性基であり、Zはハロゲン
原子であり、A-は対アニオンであり、そしてnは4以
下の数値である。]で表わされるトリフェンジオキサジ
ン染料塩を含有する油性青色インキ組成物。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は筆記具用インキ、インク
ジェット記録用インキおよびスタンプ用インキ等に用い
る油性青色インキ組成物に関し、詳しくは、アルコール
およびグリコールのようなアルコール系有機溶媒に溶解
する造塩型の酸付加型トリフェンジオキサジン塩基性染
料塩を含有する油性青色インキ組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】従来から、紙のような被記録材に記録を
行うための筆記具用インキ、インクジェット記録用イン
キおよびスタンプ用インキ等として、種々の青色インキ
組成物が利用されている。
【0003】油性インキは、印字の際の乾燥が速い、に
じみが生じない、樹脂製フィルムなどに記録できる、お
よび記録文字や筆跡が比較的堅牢であるなど長所があ
る。しかしながら、キシレン溶解型の油性インキ、およ
びケトン系溶媒樹脂液に顔料を分散した工業用インクジ
ェト油性インキ等には、臭気等による環境衛生の問題が
あり、近年ではエチルアルコールおよびプロピレングリ
コールモノメチルエーテルのようなアルコール系有機溶
媒を用いる油性インキが求められている。
【0004】アルコール系有機溶媒に対する良溶解性を
示す青色染料としては、例えば銅フタロシアニン系酸性
染料の有機塩および塩基性青色染料の有機酸塩など知ら
れている。
【0005】しかしながら、この種の造塩型のアルコー
ル可溶性染料(例えば、C.I.SOLVENTBLUE 38、C.I.SOLVE
NT BLUE 5)を用いた油性インキは、一般に、温度や湿度
の環境変化に対する安定性が悪く染料の固形分が析出し
易いという問題を有する。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記従来の
問題を解決するものであり、その目的とするところは、
経時溶解安定性、筆跡の耐光性、耐水性および染着性に
優れるアルコール系の油性青色インキ組成物を提供する
ことにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明は、式
【0008】
【化7】
【0009】[式中、Xは、両方が同時にアンモニウム
基−NH3 +またはアミノ基ではないという条件でそれぞ
れ独立して、式
【0010】
【化8】
【0011】
【化9】
【0012】および
【0013】
【化10】
【0014】(式中、Rは、それぞれ独立して、ヒドロ
キシ基またはC1〜C4のアルコキシ基で置換されていて
もよいC1〜C4のアルキル基であり、mは1〜3の整数
である。)からなる群から選択されるカチオン性基であ
り、Zはハロゲン原子であり、A-は有機酸でなる対ア
ニオンであり、そしてnは4以下の数値である。]で表
わされるトリフェンジオキサジン染料塩を含有する油性
青色インキ組成物を提供するものであり、そのことによ
り上記目的が達成される。
【0015】尚、本明細書において「染料ベース」とは遊
離の塩基性基を有する造塩していない状態の塩基性染料
をいう。これに対して、「染料塩」とはトリフェンジオキ
サジン染料ベースに有機酸を加えることにより形成され
る造塩した状態の塩基性染料をいう。また、本発明に用
いるトリフェンジオキサジン染料塩もしくはベースにお
けるスルホン酸基は、遊離酸の形でX基の位置に対して
オルト位(2位のX基に対しては、1位または3位、9
位のX基に対しては、8位または10位)にそれぞれ1
個置換している。
【0016】本発明の油性青色インキ組成物で用いるト
リフェンジオキサジン染料塩は、式
【0017】
【化11】
【0018】[式中、Yは、両方が同時にアミノ基では
ないという条件でそれぞれ独立して、式
【0019】
【化12】
【0020】
【化13】
【0021】および
【0022】
【化14】
【0023】(式中、Rおよびmは上記と同意義であ
る。)からなる群から選択される塩基性基であり、Zは
上記と同意義である。]で表わされるトリフェンジオキ
サジン染料ベースと有機酸との造塩型のアルコール可溶
性染料である。
【0024】本発明で用いるトリフェンジオキサジン染
料ベースにおける塩基性基Yの具体例としては、−NH
2、−NH-(CH2)3-N(CH3)2、−NH-(CH2)3-N
(C25)2、−NH-(CH2)3-N(C37)2、−NH-(C
2)3-N(C49)2、−NH-(CH2)3-N(C24
H)2、−NH-(CH2)3-N(C24OH)C25、−NH
-(CH2)3-N(C24OCH3)2、−NH-(CH2)2-N
(C25)2、−NH-CH2-N(C25)2
【0025】
【化15】
【0026】
【化16】
【0027】
【化17】
【0028】
【化18】
【0029】および
【0030】
【化19】
【0031】等が挙げられる。
【0032】上記トリフェンジオキサジン染料ベース
は、当業者に周知の方法により調製できる。例えば、式
[II]において両方のYが共に、式
【0033】
【化20】
【0034】[式中、Rおよびmは上記と同意義であ
る。]で示す塩基性基であるトリフェンジオキサジン染
料ベースは、以下に示す操作により調製される。
【0035】まず、式
【0036】
【化21】
【0037】[式中、Zは上記と同意義である。]で示
すトリフェンジオキサジン染料ベース1モルと、式
【0038】
【化22】
【0039】[式中、Zは上記と同意義である。]で示
すハロゲノトリアジン(例えば塩化シアヌル)1モルまた
は2モルとを反応させて式
【0040】
【化23】
【0041】[式中、Zは上記と同意義である。]また
【0042】
【化24】
【0043】[式中、Zは上記と同意義である。]で示
すモノまたはジシアヌル化生成物を得る。ついで、この
生成物をさらに式
【0044】
【化25】
【0045】[式中、Rおよびmは上記と同意義であ
る。]で示すアミン2〜4モルと反応させる。
【0046】また、式[II]において一方のYがアミノ
基であり、他方のYが、式
【0047】
【化26】
【0048】[式中、Rおよびmは上記と同意義であ
る。]で示す塩基性基であるトリフェンジオキサジン染
料ベースは、式
【0049】
【化27】
【0050】[式中、Zは上記と同意義である。]で示
すトリフェンジオキサジン染料ベース1モルと式
【0051】
【化28】
【0052】[式中、Z、Rおよびmは上記と同意義で
ある。]で示すハロゲノアルキルアミン(塩酸塩)1モル
とを反応させて得られる。
【0053】なお、式(a)のトリフェンジオキサジン染
料は、公知の方法で製造することができる。例えば、2,
4-ジアミノベンゼンスルホン酸を水中で、酸結合剤とし
て酸化マグネシウムを用いてクロラニルと縮合し、縮合
物を硫酸で閉環して得られる。
【0054】本発明の有機酸としては、トリフェンジオ
キサジン染料ベースの色彩に悪影響を及ぼさない無色性
の種々の有機アニオン付与剤を用い得る。有機アニオン
付与剤は、有機酸の塩またはエステルの形であってもよ
く、「12093の化学商品」、化学工業日報社、第10
79〜1087頁に記載のアニオン界面活性剤であって
もよい。
【0055】例えば、N−アシルアミノ酸およびその
塩、アルキルエーテルカルボン酸塩およびアシル化ペプ
チドのようなカルボン酸塩、アルキルベンゼンスルホン
酸塩、アルキルナフタレンスルホン酸塩、ナフタレンス
ルホン酸の塩(Na、K、Li、Ca)ホルマリン重縮合
物、メラミンスルホン酸の塩(Na、Ca)ホルマリン重縮
合物、ジアルキルスルホコハク酸エステル塩、アルキル
スルホ酢酸塩、α−オレフィンスルホン酸塩およびN−
アシルメチルタウリンのようなスルホン酸塩、硫酸化
油、高級アルコール硫酸エステル塩、第2高級アルコー
ル硫酸エステル塩、アルキルエーテル硫酸塩、第2高級
アルコールエトキシサルフェート、ポリオキシエチレン
アルキルフェニルエーテル硫酸塩、モノグリサルフェー
トおよび脂肪酸アルキロールアマイドの硫酸エステル塩
のような硫酸エステル塩、アルキルエーテルリン酸エス
テル塩およびアルキルリン酸エステル塩のようなリン酸
エステル塩が挙げられる。
【0056】具体的には、ドデシルベンゼンスルホン酸
(アルカリ金属塩)のようなアルキルアリールスルホン酸
(塩)、アルキル−ジ−フェニルエーテル−ジ−スルホン
酸(塩)、スルホコハク酸エステル(塩)、アルキル燐酸エ
ステルのようなアニオン界面活性剤、オレイン酸、マレ
イン酸、リンゴ酸およびマンデル酸のようなカルボン酸
化合物、二塩基酸のモノエステルおよび2−ヒドロキシ
−4−メトキシベンゾフェノン−5−スルホン酸のよう
なスルホン化された紫外線吸収剤などが本発明の有機酸
として好適に使用できる。これらは、1種または2種以
上混合して用いられる。有機酸は炭素数3〜20、特に4
以上のアルコール易溶性のものであることが好ましい。
耐水性染料塩が得られるからである。
【0057】上述のようにして調製されたトリフェンジ
オキサジン染料ベースを当業者に周知の方法により有機
酸で処理して、アルコール可溶性のトリフェンジオキサ
ジン染料塩とすることができる。例えば、トリフェンジ
オキサジン染料ベースを3〜5%の水溶液とし、塩酸ま
たは酢酸を加え、加熱溶解させ、濾過した後、この濾液
に有機酸3〜5%水溶液を滴加して反応させる。反応終
了後pH4〜7に調製して、ついで加熱、粗粒子化し、
濾過、水洗、乾燥することによりトリフェンジオキサジ
ン染料塩が得られる。また、トリフェンジオキサジン染
料ベースのアルコール溶液に直接有機酸を加えてもよ
い。
【0058】トリフェンジオキサジン染料ベースと有機
酸との比率(配合比)は、基本的には化学量論量でよい。
その際、一般には、式
【0059】
【化29】
【0060】および
【0061】
【化30】
【0062】[式中、Rおよびmは上記と同意義であ
る。]で示す基は1価の塩基性基、式
【0063】
【化31】
【0064】[式中、Rおよびmは上記と同意義であ
る。]で示す基は2価の塩基性基とする(本明細所の化
学式もそのように記載してある。)。但し、本発明にお
いてトリフェンジオキサジン染料ベースと有機酸との比
率(配合比)は厳格なものではなく、得られる塩基性染料
塩のアルコールに対する溶解性を考慮して適宜変化させ
うる。好ましくは、トリフェンジオキサジン染料ベース
と有機酸との比率は重量比で10:1〜1:1、好まし
くは8:1〜1:1、さらに好ましくは4:1〜1:1
の範囲である。
【0065】乳酸およびグリコール酸のような有機酸の
みでは油溶性に欠け、所期のアルコール可溶性が得られ
ない場合がある。その場合には、アニオン界面活性剤を
単独で、または有機酸と併用して酸付加塩とすることが
特に好ましい。
【0066】本発明の油性青色インキ組成物に用いるト
リフェンジオキサジン染料塩の具体例を表1および2に
示す。ここで、AH欄に示す化合物から任意に選ばれる
1種以上を有機酸として用いうる。この際、有機酸の不
足がある場合にはトリフェンジオキサジンの上記定義し
た塩基性基(カチオン性基)の一部は、遊離基の形態(例
えば、−NH3 +)で存在しうる。
【0067】
【表1】
【0068】
【表2】
【0069】本発明は、上述の式[I]で表されるトリ
フェンジオキサジン染料塩を含有する耐水性及び耐光性
にすぐれた速乾性のアルコール系油性青色インキ組成物
を提供する。
【0070】本発明の油性インキ組成物にはアルコール
系有機溶媒を液媒体として用いることが好ましい。本明
細書において「アルコール系有機溶媒」には、グリコール
系溶媒(グリコールのモノエーテルまたはモノエステル
を含む。)も含まれる。アルコール系有機溶媒を主体と
する無公害インキを提供できるからである。
【0071】本発明の油性液媒体に用い得るアルコール
系有機溶媒としては、1価のアルコール(例えばエタノ
ール、n−プロパノール、イソプロパノール、n−ブタ
ノール、アミルアルコール、ベンジルアルコール、シク
ロヘキサノール、ジアセトンアルコ−ル等のアルコール
類;エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレン
グリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコール
モノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチル
エーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、
ジプロピレングリコールモノエチルエーテル等のグリコ
ール類のモノアルキルエーテル;エチレングリコールモ
ノアセテート、プロピレングリコールモノアセテート等
のグリコール類のモノアセテート)、2価のアルコール
(例えば、エチレングリコール、ジエチレングリコー
ル、トリメチレングリコール、トリエチレングリコー
ル、テトラエチレングリコール、ポリエチレングリコー
ル、プロピレングリコール、ブタンジオール等のグリコ
ール類)、など挙げられる。
【0072】本発明では、特に低毒性乃至無毒性のエタ
ノール、n−プロパノール、イソプロパノール、ベンジ
ルアルコール、エチレングリコール、フェニルグリコー
ル、プロピレングリコールモノC1〜C2アルキルエーテ
ル、更には乳酸メチル、乳酸エチル、乳酸ブチル、γブ
チロラクトン等の有機溶媒を適宜混合して、環境衛生上
問題のないインキ組成物を調製できる。
【0073】また、N−(2−ヒドロキシエチル)−2−
ピロリドン、N−メチルピロリドンおよび2−ピロリド
ンなどのピロリドン化合物をインキ組成物の全重量に対
して15重量%を下回る量で併用できる。
【0074】本発明のインキ組成物は、インキ組成物全
重量に対して、本発明のトリフェンジオキサジン染料塩
3〜30重量%、好ましくは5〜20重量%を、上記の
有機溶媒60〜90重量%、好ましくは75〜85重量
%及び樹脂1〜15重量%、好ましくは3〜12重量%
からなる液媒体に(加熱)溶解後、濾過して得られる。こ
の際必要であれば、アルカノールアミンのようなpH調
製剤、粘度調製剤、防錆剤などの添加剤が加えられても
よい。
【0075】本発明のトリフェンジオキサジン染料塩の
インキ組成物中の含有量はインキ組成物の用途により異
なり限定的でない。一般にボールペン用としては15〜
30重量%、マーキングペン用としては5〜15重量
%、インクジェット記録用としては3〜10重量%であ
る。
【0076】本発明のインキ組成物には、当業者に周知
のアルコール可溶性樹脂を含有させうる。例えば、この
種のインキ用樹脂として汎用されるケトン樹脂、フェノ
ール樹脂、ビニルピロリドンの低縮合物、アルキッド樹
脂、アクリル樹脂、スチレンマレイン酸樹脂およびロジ
ン樹脂などが例示できる。
【0077】
【実施例】つぎに、実施例および比較例を挙げて本発明
をさらに詳しく説明する。なお、特に断らない限り、
「部」は重量部である。
【0078】実施例1 表1の染料例(1)で示す染料塩に対応する式[II]で示
す構造を有する染料ベース(以下、「染料ベース(1)」とい
う。また、染料例(2)、(3)等の染料塩に対応する染料ベ
ースも、以下それぞれ同様に「染料ベース(2)、(3)」のよ
うに表記する。)85.2g(0.1mol)を水2000ml
に加え、約70℃に加熱して、酢酸を加えpH4〜4.
5に調製し溶解した後、室温で濾過した。一方、第一工
業製薬社製のアニオン界面活性剤「ABS100」65g
を水1000mlに加え溶解させ、先の濾液に滴加して
pH6〜6.5に調製した。その後、この溶液を70〜
80℃に加熱し、ついで濾過、水洗、乾燥してトリフェ
ンジオキサジン染料塩136gを得た。
【0079】以下の表3に示す配合物を密閉容器で60
〜70℃、3時間撹拌し均一に混合溶解し、メンブラン
フィルターで濾過してマーカーペン用青色インキ組成物
を調製した。次いで、このインキ組成物の経時安定性、
筆跡の耐水性および耐光性を評価した。結果を表11に
示す。
【0080】
【表3】 トリフェンジオキサジン染料塩 8部 エタノール 67部 ベンジルアルコール 5部 乳酸エチル 10部 ヒュルス社製のケトン樹脂「 SYNTHETIC RESIN SK」 5部 荒川化学社製のフェノール樹脂「 タマノール510」 5部
【0081】比較例1 実施例1で用いたトリフェンジオキサジン染料塩の代わ
りにオリヱント化学工業社製の酸性染料と塩基性染料と
の造塩型染料「Valifast Blue #1603」8部を用いること
以外は実施例1と同様にして、マーカーペン用青色イン
キ組成物を調製した。ついで、このインキ組成物の経時
安定性、筆跡の耐水性および耐光性を評価した。結果を
表11に示す。このインキ組成物は、筆跡の耐水性およ
び耐光性について劣っていた。
【0082】実施例2 以下の表4に示す配合物を用いること以外は実施例1と
同様にしてマーカーペン用青色インキ組成物を得た。つ
いで、このインキ組成物の経時安定性、筆跡の耐水性お
よび耐光性を評価した。結果を表11に示す。
【0083】
【表4】 染料ベース(2) 8部 東邦化学社製のアルキルリン酸 エステルアニオン界面活性剤「 ホスファノールRA-600」 5部 エタノール 57部 プロピレングリコールモノメチ ルエーテル 10部 乳酸エチル 10部 日立化成社製のケトン樹脂「 ハイラック」 5部 日立化成社製のフェノール樹脂「 ヒタノール1501」 5部
【0084】実施例3 以下の表5に示す配合物を用いること以外は実施例1と
同様にしてマーカーペン用青色インキ組成物を得た。つ
いで、このインキ組成物の経時安定性、筆跡の耐水性お
よび耐光性を評価した。結果を表11に示す。
【0085】
【表5】 染料ベース(3) 8部 第一工業製薬社製のアルキ ルリン酸エステルアニオン 界面活性剤「 プライサーフA-207-H」 5部 エタノール 60部 ベンジルアルコール 5部 乳酸エチル 10部 ヒュルス社製のケトン樹脂「 SYNTHETIC RESIN SK」 5部 日立化成社製のフェノール 樹脂「ヒタノール1501」 5部
【0086】実施例4 以下の表6に示す配合物を用いること以外は実施例1と
同様にしてマーカーペン用青色インキ組成物を得た。つ
いで、このインキ組成物の経時安定性、筆跡の耐水性お
よび耐光性を評価した。結果を表11に示す。
【0087】
【表6】 染料ベース(4) 8部 2-ヒドロキシ-4-メトキシベ ンゾフェノン-5-スルホン酸 3部 第一工業製薬社製のドデシルベ ンゼンスルホン酸アニオン界面 活性剤「ABS100」 2部 プロピレングリコールモノメチ ルエーテル 60部 エタノール 10部 ベンジルアルコール 5部 日立化成社製のケトン樹脂「 ハイラック」 10部 荒川化学社製のフェノール樹脂「 タマノール510」 2部
【0088】実施例5 以下の表7に示す配合物を用いること以外は実施例1と
同様にしてマーカーペン用青色インキ組成物を得た。つ
いで、このインキ組成物の経時安定性、筆跡の耐水性お
よび耐光性を評価した。結果を表11に示す。
【0089】
【表7】 染料ベース(5) 8部 オレイン酸 3部 プロピレングリコールモノメチ ルエーテル 59部 エタノール 15部 ベンジルアルコール 5部 荒川化学社製のロジン系樹脂「 ガムロジンWW」 10部
【0090】実施例6 以下の表8に示す配合物を密閉容器中、80〜90℃、
3時間撹拌溶解し、ケイソード濾過してボールペン用青
色インキ組成物を調製した。ついで、このインキ組成物
の経時安定性、筆跡の耐水性および耐光性を評価した。
結果を表11に示す。
【0091】
【表8】 染料ベース(6) 20部 オリヱント化学工業社製塩基 性染料ベース「ビクトリアピュ アーブルー」 5部 東邦化学社製のアルキルリン酸 エステルアニオン界面活性剤「 ホスファノールRA-600」 5部 オレイン酸 2部 フェニルグリコール 45部 ベンジルアルコール 10部 ポリビニルピロリドン 1部 日立化成社製のケトン樹脂「 ハイラック」 12部
【0092】比較例2 染料ベース(6)の代わりにオリヱント化学工業社製の銅
フタロシアニン系酸性染料の有機塩「Valifast Blue #16
05」11部、オリヱント化学工業社製塩基性染料ベース
「ビクトリアピュアーブルー」8部および「メチルバイオ
レット」6部を用いること以外は実施例6と同様にし
て、ボールペン用青色インキ組成物を調製した。つい
で、このインキ組成物の経時安定性、筆跡の耐水性およ
び耐光性を評価した。結果を表11に示す。
【0093】実施例7 以下の表9に示す配合物を密閉容器で70〜80℃、3
時間撹拌し均一に混合溶解した後、1μメンブランフィ
ルターで濾過して工業用インクジェット記録用青色イン
キ組成物を調製した。ついで、このインキ組成物の経時
安定性、筆跡の耐水性および耐光性を評価した。結果を
表11に示す。
【0094】
【表9】 染料ベース(7) 7部 第一工業製薬社製のドデシルベ ンゼンスルホン酸アニオン界面 活性剤「ABS100」 1部 東邦化学社製のアルキルリン酸 エステルアニオン界面活性剤「 ホスファノールRA-600」 4部 エタノール 67部 乳酸エチル 10部 2−ピロリドン 5部 日立化成社製のケトン樹脂「ハイ ラック」 5部
【0095】比較例3 染料ベース(7)の代わりにオリヱント化学工業社製塩基
性染料ベース「ビクトリアピュアーブルー」7部を用いる
こと以外は実施例7と同様にして、工業用インクジェッ
ト記録用青色インキ組成物を調製した。ついで、このイ
ンキ組成物の経時安定性、筆跡の耐水性および耐光性を
評価した。結果を表11に示す。
【0096】実施例8 以下の表10に示す配合物を用いること以外は実施例7
と同様にして、工業用インクジェット記録用青色インキ
組成物を調製した。得られたインキ組成物については、
マシューズ(Mattheus)社製のインクジェットプリンタ
「JET−A−MAR」を使用してゼロックス社製の中性
紙「P(A-4)」及びダンボール紙に印字して、筆記具用
インキ組成物と同様に耐水性及び耐光性試験を行い評価
した。評価結果を表11に示す。
【0097】
【表10】 染料ベース(9) 6部 東邦化学社製のアルキルリン酸 エステルアニオン界面活性剤「 ホスファノールRA-600」 3部 2−ヒドロキシ−4−メトキシ ベンゾフェノン−5−スルホン酸 2部 エタノール 63部 ベンジルアルコール 11部 乳酸エチル 10部 日立化成社製のフェノール樹脂「 ヒタノール1501」 5部
【0098】
【耐水性試験および評価】インキ組成物を各種用途のイ
ンキ容器にセットし、東洋濾紙No.2に筆記して、水
に1時間浸漬し、引き上げ風乾後、筆跡を観察し、評価
した。
【0099】評価基準 5:試験前の筆跡が100〜90%残る 4:試験前の筆跡が90〜70%残る 3:試験前の筆跡が70〜50%残る 2:試験前の筆跡が50〜30%残る 1:試験前の筆跡が30〜10%残る 0:試験前の筆跡が10〜0%残る
【0100】
【耐光性試験および評価】インキ組成物を各種用途のイ
ンキ容器にセットし、アート紙(アートポスト240、
神埼製紙社製)に筆記して、フェードメーター(カーボン
アーク式)中で、5時間光照射して、筆跡を観察し、耐
水性試験と同様の基準で評価した。
【0101】
【経時安定性試験および評価】インキ組成物30mlをガ
ラス瓶に採り、三洋電機社製の低温/高温器「インキュ
ベータ(INCUBATOR)」にて、3ケ月間テスト(温度範囲−
10〜50℃、60分間隔で繰返し)した後、染料等の
固形分の析出およびインキ組成物の増粘の有無を観察
し、評価した。
【0102】評価基準 ◎:インキ組成物の増粘および固形分の析出なし ○:インキ組成物の増粘はあるが固形分の析出はなし △:インキ組成物の増粘および固形分の析出あり
【0103】
【表11】 耐光性 耐水性 経時安定性インキ組成物 A A B C 実施例1 5 5 ◎ 実施例2 5 5 ◎ 実施例3 5 5 ◎ 実施例4 5 4 ◎ 実施例5 5 5 ◎ 実施例6 5 5 ◎ 実施例7 5 5 5 ◎ 実施例8 5 5 5 ◎ 比較例1 2 3 △ 比較例2 3 4 ○ 比較例3 2 2 3 ◎ 表中、Aはアート紙;Bはゼロックス紙;そしてCはダンボール紙に印字して 評価した。
【0104】
【発明の効果】アルコールやグリコールエーテルを溶媒
として用いる無公害インキ組成物が提供された。本発明
のインキ組成物は、従来の造塩型染料に比べ、温度や湿
度等の変化に対する耐環境安定性、経時安定性に優れ、
且つ筆跡の耐水性および耐光性に優れる。筆記具用イン
キ、(工業用)インクジェット記録用インキ、スタンプ用
インキなどの各種用途の速乾性青色染料インキ組成物と
して使用できる。

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 式 【化1】 [式中、Xは、両方が同時にアンモニウム基−NH3 +
    たはアミノ基ではないという条件でそれぞれ独立して、
    式 【化2】 【化3】 および 【化4】 (式中、Rは、それぞれ独立して、ヒドロキシ基または
    1〜C4のアルコキシ基で置換されていてもよいC1
    4のアルキル基であり、mは1〜3の整数である。)か
    らなる群から選択されるカチオン性基であり、Zはハロ
    ゲン原子であり、A-は有機酸でなる対アニオンであ
    り、そしてnは4以下の数値である。]で表わされるト
    リフェンジオキサジン染料塩を含有する油性青色インキ
    組成物。
  2. 【請求項2】 前記Xのいずれか一方が、式 【化5】 (式中、Rは、それぞれ独立して、ヒドロキシ基または
    1〜C4のアルコキシ基で置換されていてもよいC1
    4のアルキル基であり、mは1〜3の整数である。)で
    示すカチオン性基である請求項1記載の油性青色インキ
    組成物。
  3. 【請求項3】 前記Xのいずれか一方が、式 【化6】 (式中、Rは、それぞれ独立して、ヒドロキシ基または
    1〜C4のアルコキシ基で置換されていてもよいC1
    4のアルキル基であり、mは1〜3の整数である。)で
    示すカチオン性基である請求項1記載の油性青色インキ
    組成物。
  4. 【請求項4】 油性液媒体としてアルコール系有機溶媒
    を用いる請求項1記載の油性青色インキ組成物。
  5. 【請求項5】 前記トリフェンジオキサジン染料塩を1
    〜30重量%含有する請求項1記載の油性青色インキ組
    成物。
  6. 【請求項6】 前記有機酸が3〜20個の炭素原子を有
    する請求項1記載の油性青色インキ組成物。
  7. 【請求項7】 前記有機酸がアニオン界面活性剤である
    請求項1記載の油性青色インキ組成物。
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