JP6118651B2 - 筆記具用インク組成物および色材 - Google Patents
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Description
例えば、1)着色剤として塩基性染料を母体とした造塩染料を使用することを特徴とする油性ボールペン用黒インク組成物(例えば、特許文献1参照)、2)ロイコ染料である電子供与性呈色性有機化合物と、電子受容性化合物と、これらの呈色反応をコントロールする反応媒体からなる可逆熱変色性組成物を用いたボールペン用油性インク組成物(例えば、特許文献2参照)が知られている。
(1) 下記式(I)で示されるジメチルジステアリルアンモニウム塩のカチオン及び酸性染料とで構成される造塩染料を、下記式(II)で示される化合物に添加することにより得られた色材を含むことを特徴とする筆記具用インク組成物。
(3) 上記(1)又は(2)に記載のインク組成物を搭載したことを特徴とする筆記具。
(4) 下記式(I)で示されるジメチルジステアリルアンモニウム塩のカチオン及び酸性染料とで構成される造塩染料を、下記式(II)で示される化合物に添加することにより得られたことを特徴とする色材。
本発明の筆記具用インク組成物は、下記式(I)で示されるジメチルジステアリルアンモニウム塩のカチオン及び酸性染料とで構成される造塩染料を、下記式(II)で示される化合物に添加することにより得られた色材を含むことを特徴とする筆記具用インク組成物。
本発明に用いる造塩染料は、上記式(I)で示されるジメチルジステアリルアンモニウム塩のカチオン及び酸性染料とで構成されるものであり、具体的には、上記式(I)で示されるジメチルジステアリルアンモニウム塩のカチオンと酸性染料とから生成される造塩染料を用いる。
例えば、水(精製水、蒸留水、純水等、以下同様)に本発明のジメチルジステアリルアンモニウム塩を加え、室温条件下において攪拌して溶解させた溶液1を調製する。一方、溶液2として、水に上記酸性染料を加え、必要に応じて、NaOH水溶液を滴下してアルカリ側にpH調整後、室温条件下において攪拌して溶解させた溶液2を調製する。この溶液2に攪拌しながら、溶液1を添加後、塩酸水溶液などの酸水溶液を滴下し、酸性サイドにpH調整をした後、濾過を行い、更に水洗及び/又は溶剤洗浄を経て乾燥させることによって、造塩染料を得ることができる。
なお、本発明のジメチルジステアリルアンモニウム塩および上記酸性染料の添加量は、イオン価に基づいた当量にしたがって決められる。すなわち、酸性染料が1価の陰イオンである場合には、1当量のジメチルジステアリルアンモニウム塩のカチオンが、酸性染料が2価の陰イオンである場合には、2当量のジメチルステアリルアンモニウム塩のカチオンが添加される。ただし、反応性を考慮して一方の化合物を前記理論値よりも多く添加する場合もある。
本発明の色材は、上記式(I)で示されるジメチルジステアリルアンモニウム塩のカチオン及び酸性染料とで構成される造塩染料を、下記式(II)で示される化合物に添加することにより得られるものである。
具体的な色材の製造としては、例えば、1)p−トルエンスルホン酸アミドとホルアルデヒド等とを混合し加熱して縮合反応によって得られる上記式(II)のスルホン酸樹脂の縮合過程において、上記造塩染料を加えて、縮合脱水終了後、冷却し固化することにより得ることでき、また、2)製造された上記式(II)の化合物(スルホン酸樹脂)に上記造塩染料を添加して混練し、または必要に応じて加熱しながら混練し、次いで、冷却し固化することなどにより得ることできる。
上記造塩染料の各質量比が下限値である0.1未満であると、十分な色濃度が得られず、一方、上限値である2を超えると、溶媒への溶解度が低下して析出を生じやすくなり、好ましくない。
本発明の筆記具用インク組成物は、上記構成の造塩染料を、上記式(II)で示される化合物に添加することにより得られた色材を含むことを特徴とするものであり、好ましくは、油性のボールペン用、マーキングペン用等の筆記具用インク組成物として用いることをできる。
これらの色材の含有量は、筆記具の用途(ボールペン、マーキングペン、サインペン、等)により変動するものであるが、インク組成物全量に対して、好ましくは、0.1〜30質量%(以下、単に「%」という)、更に好ましくは、0.5〜25%とすることが望ましい。
これらの色材の含有量が0.1%未満であると、着色力、発色性が不十分となり、一方、30%を超えると、カスレが生じやすくなり、好ましくない。
アルコール系溶剤は、炭素数が2以上の脂肪族アルコールであり、具体的には、エタノール、n−プロパノール、イソプロパノール、n−ブタノール、イソブタノール、tert-ブチルアルコール、1−ペンタノール、イソアミルアルコール、sec-アミルアルコール、3−ペンタノール、tert-アミルアルコール、n−ヘキサノール、メチルアミルアルコール、2−エチルブタノール、n-ヘプタノール、2−ヘプタノール、3−ヘプタノール、n−オクタノール、2−オクタノール、2−エチルヘキサノール、3,5,5−トリメチルヘキサノール、ノナノール、n−デカノール、ウンデカノール、n−デカノール、トリメチルノニルアルコール、テトラデカノール、ヘプタデカノール、シクロヘキサノール、2−メチルシクロヘキサノール、ベンジルアルコール、2−フェノキシエタノールやその他多くの高級アルコール等が挙げられる。
これらの溶剤の含有量は、筆記具の用途、含有する染料種等により変動するものであるが、インク組成物全量に対して、好ましくは、20〜97%、更に好ましくは、30〜95%とすることが望ましい。
これらの樹脂の含有量としては、粘度調整、書き味などの点から、好ましくは、0.5〜35%、更に好ましくは、1.0〜20%とすることが望ましい。
本発明の筆記具用インク組成物及び筆記具では、上記式(I)で示されるジメチルジステアリルアンモニウム塩のカチオン及び酸性染料とで構成される造塩染料を、上記式(II)で示される化合物に添加することにより得られた色材を含有する油性のインクを処方し、このインクを搭載したボールペン体、マーキングペン体などの筆記具にて紙面等に筆記しても、耐水性及び耐ブリード性に優れたものとなる。
下記製造例1〜3により造塩染料を用いた色材を製造した。
(造塩染料1の製造)
用いる造塩染料は、いずれも次の製造工程により製造した。
溶液1:蒸留水100gに本発明のジメチルジステアリルアンモニウム塩20gを加え、室温条件下において攪拌して溶解させた。
溶液2:蒸留水100gにC.I.アシッドレッド52を10g加え、必要に応じて、NaOH水溶液を滴下してアルカリ側にpH調整後、室温条件下において攪拌して溶解させた。
攪拌しながら、溶液2に溶液1を添加後、18%塩酸水溶液を滴下し、酸性サイドにpH調整をした後、濾過を行い、更に水洗および溶剤洗浄を経て乾燥させることによって各造塩染料を得た。
上記造塩染料1の製造において、酸性染料であるC.I.アシッドレッド52に代え、C.I.アシッドバイオレット17を13g用いて造塩染料1の製造と同様にして造塩染料2を製造した。
上記造塩染料1の製造において、酸性染料であるC.I.アシッドレッド52に代え、C.I.アシッドブルー9を9.1g用いて造塩染料1の製造と同様にして造塩染料3を製造した。
トルエンスルホン酸アミド72g、ホルムアルデヒド水溶液(38%)24gを97℃で2時間混合攪拌し、これに上記ジメチルジステアリルアンモニウム塩のカチオン及び酸性染料であるC.I.アシッドレッド52とで構成される造塩染料1を41g加え、さらに150〜160℃で1時間加熱して共縮合させた。これを真空乾燥させることにより水分を除去した後、粉砕して粉末化させて色材A−1を製造した。なお、トルエンスルホン酸アミド:ホルムアルデヒドは、3:2molで計算した(以下、同様)。また、樹脂(p−トルエンスルホン酸アミド+ホルムアルデヒドとの樹脂、以下同様)と造塩染料との質量比は、1:0.5であった。
上記製造例1において、造塩染料1に代え、造塩染料2を24g用いて製造例1と同様にして色材A−2を製造した。樹脂と造塩染料との質量比は、1:0.3であった。
上記製造例1において、造塩染料1に代え、造塩染料3を56g用いて製造例1と同様にして色材A−3を製造した。樹脂と造塩染料との質量比は、1:0.7であった。
(インクの処方)
下記表1に示す配合処方で、常法により各油性のボールペン用水性インク組成物を調製した。
(ボールペンの作製)
上記で得られた各インク組成物を用いてボールペンを作製した。具体的には、ボールペン〔三菱鉛筆株式会社製、商品名:SG−100〕の軸を使用し、内径1.75mm、長さ135mmポリプロピレン製インク収容管とステンレス製チップ(超硬合金ボール、ボール径0.5mm)及び該収容管と該チップを連結する継手からなるリフィールに上記各油性インクを充填し、インク後端に鉱油を主成分とするインク追従体を装填し、油性ボールペンを作製した。
得られた実施例1〜3及び比較例1〜3の各ボールペンを用いて、下記評価方法で耐水性、耐ブリード性の評価を行った。
これらの結果を下記表1に示す。
得られた各筆記具用インク組成物を充填した筆記具を用いて、描線を筆記した筆記用紙を蒸留水に浸漬し、24時間後の状態を目視で観察し、下記評価基準で評価した。
評価基準:
○:描線に変化はない。
△:やや描線のにじみが観察される。
×:描線濃度・状態に大きな変化が見られる。
描線を筆記した筆記用紙を紙に挟み込み、クリアファイルに入れて50℃、60%RHの条件下で2週間保管後、筆記要旨の裏面を目視で観察し、下記評価基準で評価した。
評価基準:
○:変化なし。
△:描線がやや移行している。
×:多量の描線が移行している。
これに対して、比較例1〜3は、式(II)の化合物に添加されていない造塩染料1〜3を含有する各インク組成物では、満足のいく十分な耐水性、耐ブリード性が得られないものであった。
Claims (5)
- 前記色材に含まれる式(II)の化合物と前記造塩染料の質量比が、1:0.1〜2の範囲にあることを特徴とする請求項1記載の筆記具用インク組成物。
- 請求項1又は2に記載のインク組成物を搭載したことを特徴とする筆記具。
- 前記色材に含まれる式(II)の化合物と前記造塩染料の質量比が、1:0.1〜2の範囲にあることを特徴とする請求項4記載の色材。
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